Dead or AliCe
『16人の救世主』

お茶会-2ラウンド目

第1シーン:トイ

メイド6
*お茶会 第2ラウンド トイ
トイ
1D12 シーン表
DiceBot : (1D12) > 9
メイド6
9 : 台所。手入れの行き届いた調理道具。食材はメイドに言えば用意してくれる。
トイ
春誕節の夜が明けて、早朝…。
トイ
眠らないメイドたちや、夜を徹して観戦している観客たち以外は、まだほとんどのものがまどろみの中だろう。
トイ
朝は特に、冷え込む。
メイド6
冷え込みに霜が降り、雪が直接触れていない壁などもうっすら濡れている。
トイ
そこに一人で。
トイ
――おきまりの、封筒。
トイ
名前は代筆、メイドに効果を託し。
トイ
マキナをここへ。
マキナ
横になった姿勢のまま、マキナが台所へと現れる。
トイ
*マキナの心の疵『小鴨チカ』を抉ります。判定:才覚
小鴨 チカ
*横槍ィ!!!
小鴨 チカ
Choice[猟奇,才覚,愛]
DiceBot : (CHOICE[猟奇,才覚,愛]) > 愛
小鴨 チカ
2d6+1=>7 判定:愛
DiceBot : (2D6+1>=7) > 10[4,6]+1 > 11 > 成功
小鴨 チカ
1d
DiceBot : (1D6) > 6
メイド6
ヤリイカはないですね。判定を。
トイ
*ティーセットを使用します
トイ
2d6+3+2-6=>7 判定:才覚 ティーセット
DiceBot : (2D6+3+2-6>=7) > 7[5,2]+3+2-6 > 6 > 失敗
[ トイ ] ティーセット : 2 → 1
マキナ
寒さに身震いする。
トイ
「マキナ、起きて…」
マキナ
「…………?」
マキナ
うっすらと目が開いて、
マキナ
「っ!」
マキナ
がば、と上半身を起こす。
トイ
「…昨日のこと、謝りたくて」
マキナ
「…………」
マキナ
台所。呼び出されたのだな、とようやく把握して。
マキナ
「……時間考えてくださいよ」
トイ
「目が覚めちゃってさ…」
マキナ
「昨日あれだけはしゃいだのに元気ですこと……」
マキナ
「……別に謝ることないですよ」
マキナ
「そういうものでしょう?」
トイ
「………そう?」
トイ
「そっか……」
マキナ
「そういうものでしょ、救世主同士のお茶会って」
トイ
毅然と言われ、こくりと肯く。
マキナ
「これから裁判だってあるのに……」
マキナ
「いちいち謝るつもりですか?」
トイ
「うん… いや…」
トイ
「…」
トイ
「…怒ってなくてよかった!」
マキナ
「…………」
トイ
「あ」
トイ
「チカに朝ご飯とかつくる?」
トイ
「お前、館の記憶でも料理とかよくしてたっぽいし」
トイ
「それですきなのかなってここによんだんだけど…」
マキナ
「えぇ…………?」
マキナ
提案としては悪くないけどこの子に言われてやるのは……
マキナ
なんか……
マキナ
違うような……
マキナ
ぐるぐる……
マキナ
「…………」
マキナ
「まあ、そうですね……」
マキナ
「そうしようかな……」
マキナ
作ったら喜ぶだろうし……
マキナ
立ち上がる。
マキナ
メイドさんに頼んで、食材を用意してもらう。
メイド8
おおよその求めるものは出ます。
マキナ
食パン。卵。ソーセージ。
マキナ
あとはサラダ用の野菜など。
マキナ
「……あなたは?」
マキナ
「あの人に作ってあげる?」
マキナ
台所に立ちながら、トイに声をかける。
トイ
ぽかん。
マキナ
「あの救世主様にご飯でも作ってあげたらいいんじゃないですか」
トイ
ええ―――…
マキナ
熱したフライパンに油を引いて卵を落とす。
トイ
しずかに首を横に振った。
マキナ
じゅ、とものの焼ける音が上がる。
トイ
「オレたちはそういう感じじゃねーんだ」
トイ
「仮に作るとしたらあいつの方!」
マキナ
「ふぅん」
マキナ
「昨日は仲良さそうでしたけどね」
マキナ
「仲直りでもされたのかと」
マキナ
卵に塩、胡椒。
マキナ
水を差して蓋をする。
トイ
「仲直り…って点でいうとー…」
トイ
「理解したかな!すこし」
マキナ
「理解」
トイ
「それで、オレが料理を作って喜ぶヤツじゃないって思う感じ?」
マキナ
「なるほど」
トイ
こくこくとうなずく。
トイ
「あ!でも自分で食うぶんつくってみるかな!?」
マキナ
トースターにパンを。
マキナ
「ああ、いいんじゃないですか?」
トイ
マキナの横に立ち、見よう見まねでフライパンを火にかける。
メイド8
8号室のメイドがトイの分の食材もすぐに持ってきます。
マキナ
同じ台所に立った相手と戦ったあと、戦ってる相手と台所で隣り合ってるのか……。
マキナ
ぼんやりと、そんなことを思う。
トイ
卵を割って、塩、胡椒。
マキナ
レタスをちぎって、サラダを盛り付ける。
マキナ
彩りにトマトを乗せ。
マキナ
「それにしても、よくあんな人と一緒にいれますよねぇ」
マキナ
「マキナだったら無理ですね」
トイ
「!」
トイ
「オレもムリ~~~!」
マキナ
「でもいるじゃないですか」
トイ
「コツはグーで殴る事」
トイ
「殴り続けると喋らなくなる!」
マキナ
「あれ、最初は見て引いてたんですけどね」
マキナ
「今になると……」
マキナ
「わかる~…………って感じしかしないです」
マキナ
「ずっと黙らせといてくださいよ」
トイ
わかりをえてしまった…!
トイ
「まあそれもあとちょっとだから」
マキナ
「あとちょっとも聞きたくないんですけどねぇ」
マキナ
「謝らなくていいですから、あの人なんとかしといてくださいよ」
トイ
ムリ!!
マキナ
トースターが鳴って、パンの焼き上がりを告げる。
マキナ
トーストと目玉焼きをお皿に盛り付けて
マキナ
「それじゃあ」
トイ
見よう見まねでマキナと同じプレートを作っていた。
メイド8
手の塞がったマキナの代わりにドアを開ける。
トイ
目だま焼きにパン、使わせのサラダ、トースト。
トイ
「それじゃ~!」
トイ
「チカにも謝っといて」
トイ
「ティモフェイもなんとかしようと…」
マキナ
メイドさんにお礼を告げて、
トイ
「がんばる!」
トイ
マキナの背に手を振る。
マキナ
「チカくんも別に謝罪とかほしくないと思いますよ」
マキナ
「あ、そっちの対処はお願いします」
マキナ
それだけ言いおいて、あとは振り返りもせず。
トイ
マキナが出ていくと。
トイ
トイはキッチンに軽く腰掛け、作り終えた料理を一瞥。
トイ
皿を手に持ち、がさり。
トイ
食べ物をすべてごみ箱へ捨てる。
トイ
目玉焼きも、サラダもトーストも生ごみ。
[ 小鴨 チカ ] HP : 15 → 14
メイド6
ごみからごみへ。奇跡から生まれた食材は、再び奇跡へ還元され。
メイド6
しかしそれでかきむしられるものがある。なにかが。
メイド6

第2シーン:ティモフェイ

メイド6
*お茶会 第2ラウンド ティモフェイ
ティモフェイ
朝食作りの一幕から少し経ち。
ティモフェイ
チカとマキナが自室でそれを食べ終え、しばらくした頃に、
ティモフェイ
コンコン、と、ノックの音。
マキナ
「……はぁい」
小鴨 チカ
「誰じゃー」
ティモフェイ
「…………」
ティモフェイ
「ティモフェイだ」
ティモフェイ
重々しい声。
小鴨 チカ
うわあ。
マキナ
げ~
小鴨 チカ
ちょっと開けたくなくなったぞ。
ティモフェイ
「話がしたい。この場でも構わないが」
小鴨 チカ
まあ……開けるか……。
小鴨 チカ
「……ほい」
ティモフェイ
「…………」
ティモフェイ
昨日の格好のままの救世騎士が、あなたたちの部屋の前に立っている。
ティモフェイ
ダサセーターは着ていません。
マキナ
そりゃそう
ティモフェイ
そして、
ティモフェイ
その頭の上には、
ティモフェイ
雪が降っている。
ティモフェイ
トイトロールと同じように。
小鴨 チカ
おおん?
ティモフェイ
彼も今は、忘却の雪をまとって、そこに立つ。
ティモフェイ
あなたがたは気づくでしょう。
ティモフェイ
トイトロールの隣の寒さがさらに厳しくなっていたのは、彼の力が増したから、というだけではない。
ティモフェイ
ずっと一緒にいたから気付けなかっただけ。
ティモフェイ
ティモフェイの存在にも、今は雪がまとわりついている。
ティモフェイ
「この場でも、構わないが」
マキナ
「……」
ティモフェイ
「……気が滅入る話になるだろうから」
ティモフェイ
「場所を変えたほうがいいかもしれない」
マキナ
チカを見る。
ティモフェイ
「どうする」
小鴨 チカ
「……了解」
マキナ
チカが了承したので、うなずきを返す。
ティモフェイ
1d12
DiceBot : (1D12) > 2
メイド6
2 : 遊戯室。ビリヤードやダーツ、チェスにトランプなどが置かれている。
ティモフェイ
彼らのいつか言葉を交わした、遊戯室。
マキナ
以前マキナがここに来た時は、チカとトイと一緒にだった。
ティモフェイ
そこに至るまでの間、何人もの”記憶”とすれ違い。
ティモフェイ
雪が降り続く。
小鴨 チカ
「あなたその頭どうしたのよ」
小鴨 チカ
温室の時もこうだったっけ?
ティモフェイ
「…………」
ティモフェイ
「心の疵」
ティモフェイ
「なのだろうな」
ティモフェイ
他人事のように言ってから、遊戯室。
ティモフェイ
チカとマキナに向き直る。
マキナ
ティモフェイとの間にチカを挟むように、少し下がっている。
小鴨 チカ
パーティクルの座標がバグってるわけではないらしい。
ティモフェイ
「…………」
ティモフェイ
唇がうごいて、
ティモフェイ
眉が寄った。
ティモフェイ
「……これは」
小鴨 チカ
この人が言いにくそうにするってどんだけだよ。
マキナ
「さっさと話してくださいよ」
ティモフェイ
「取引でもなければ」
マキナ
さっと話を聞いて一刻も早く帰りたい。
ティモフェイ
「当然、懐柔でもない」
ティモフェイ
「きみたちがこの話を聞いて、それに従うメリットは、ひとつもない」
ティモフェイ
「そうできるだけの信頼もない」
ティモフェイ
「…………」
マキナ
「前置きが長い」
小鴨 チカ
マジそれ。
ティモフェイ
マキナにダメ出しをされてから、またしばし黙り込み。
ティモフェイ
「……懇願だ」
ティモフェイ
唸るような低い声で。
ティモフェイ
「きみたちが」
ティモフェイ
「きみたちがこのオールドメイドゲームの裁判で、俺たちに勝利し」
マキナ
「…………」
ティモフェイ
「奇跡をその手に掴んだときは」
ティモフェイ
「……そのうちの、」
ティモフェイ
ちいさく息を吸って、唇を噛み。
ティモフェイ
「そのうちのひとつを」
ティモフェイ
「……末裔たちを、救うために、使ってはくれないか…………」
ティモフェイ
視線を落としながら、
ティモフェイ
消え入るような声で。
マキナ
「…………」
小鴨 チカ
「……」
ティモフェイ
「トイトロール、は」
ティモフェイ
「これも」
ティモフェイ
「これも、保証できることは、なにもなく」
ティモフェイ
「俺はきみたちの信頼を得ていないが」
マキナ
「そうですね」
ティモフェイ
「……もし、それができる状況であれば……」
ティモフェイ
「…………」
ティモフェイ
「心変わりはしていない」
ティモフェイ
「……あれは、しないはずだ……」
ティモフェイ
視線を落とし、
ティモフェイ
俯く頭が、
ティモフェイ
さらに低くなって、頭を垂れるかたちに。
ティモフェイ
「…………俺が」
ティモフェイ
「きみの」
マキナ
「……」
ティモフェイ
「きみの心を傷つけた俺が」
ティモフェイ
「乞えるものでは、ない、が、…………」
ティモフェイ
身を屈める。
マキナ
「……分かってるなら帰ってくださいよ」
ティモフェイ
背を降り、
マキナ
「私はあなたの顔なんか見たくもないんです」
ティモフェイ
床に膝をつき、
小鴨 チカ
うーーーーーーん。
ティモフェイ
這いつくばるように頭を下げた。
小鴨 チカ
なんかこっちがワルモノっぽい空気になってきたぞ。
マキナ
「……っ、」
マキナ
「……やめてよ!」
マキナ
「そんなことしないで!」
ティモフェイ
土下座に近い作法。
ティモフェイ
「かれらは」
ティモフェイ
「かれらはもう、奇跡に縋るしか、なくて」
マキナ
「ねぇ!」
ティモフェイ
「俺が……」
ティモフェイ
「俺は、トイトロールを救うため」
ティモフェイ
「それが理由、だが」
ティモフェイ
「けれど」
ティモフェイ
「……ッ」
マキナ
「…………っ」
ティモフェイ
「いいんだ」
マキナ
乞う姿に、重なる。
ティモフェイ
「俺が、死んでも」
マキナ
ありすのペットたち。
ありす様のペットたち
聖餐室ではいまも末裔たちが乞い続けている。
ティモフェイ
「俺が死んで、俺の願いが果たされなくとも」
ティモフェイ
「それは」
ティモフェイ
「それは、すべて、俺の責任だ」
マキナ
マキナを呪ったのと同じ口で救済を乞うた、哀れで力ない末裔たち。
ティモフェイ
「甘んじて受け入れよう」
ティモフェイ
「――だが!」
ティモフェイ
「彼らにその責を」
ティモフェイ
「問わせられる、理由が、ない!」
ティモフェイ
言い切り、
ティモフェイ
叫び、
小鴨 チカ
「……昨日のアレを見せた後にそーゆー事頼むの、イジワルだなあ」
ティモフェイ
蹲ったまま、荒い呼吸に背を上下させる。
ティモフェイ
「……ああ」
ティモフェイ
「卑怯者、だ」
ティモフェイ
「これは」
ティモフェイ
「この、願いは」
ティモフェイ
「トイトロールを救うものでは、ない」
ティモフェイ
「俺は」
ティモフェイ
「彼以外のすべてを」
ティモフェイ
「すべてを」
ティモフェイ
「どうでもいいと、切り捨てた」
ティモフェイ
「のに……」
小鴨 チカ
「なんでだ?」
ティモフェイ
「…………」
小鴨 チカ
「なんでティモフェイさんが、そのタイミングで末裔の救済を願うんだ」
小鴨 チカ
「その状況だと、もうトイさんは居ない」
小鴨 チカ
「なのになんで?」
ティモフェイ
「……俺は」
ティモフェイ
「俺は、トイトロールのために」
ティモフェイ
「トイトロールを救うために動く」
ティモフェイ
「動いている」
ティモフェイ
「それが、理由で、動機で」
ティモフェイ
「俺の存在意義だ」
ティモフェイ
「……だが」
ティモフェイ
「……俺、は……」
ティモフェイ
「私情、だ」
ティモフェイ
「私情なんだ」
マキナ
「…………」
ティモフェイ
「俺の、私情が」
ティモフェイ
「彼らを救えたら、と」
ティモフェイ
「そう思っている」
ティモフェイ
「かれらを……」
ティモフェイ
「苦しみに喘ぐものたちを」
ティモフェイ
「俺が、俺が救えたら」
ティモフェイ
「それが」
マキナ
「……気持ち悪い」
マキナ
「これ以上あなたの話なんか聞きたくない!」
ティモフェイ
「…………」
マキナ
「それで終わり!?」
マキナ
「もういいですよね!」
ティモフェイ
床に蹲ったまま。
ティモフェイ
「……頼む……」
ティモフェイ
「約束は、いらない」
ティモフェイ
「返答も」
マキナ
「聞きたくない!!」
ティモフェイ
「必要ない」
ティモフェイ
「ただ」
ティモフェイ
「きみたちに」
ティモフェイ
「彼らに対する」
ティモフェイ
「ひとさじの情が、あるのなら――」
マキナ
「うるさい、うるさい」
小鴨 チカ
言い方。
マキナ
「あなたが黙らないなら私達が帰る!」
マキナ
「行こ!」
小鴨 チカ
「はい……」
ティモフェイ
蹲ったままの男が、
ティモフェイ
顔を上げずに、そのままに。
マキナ
それに見向きもせずにその場を後に。
ティモフェイ
それからしばらくして、客室6号室。
ティモフェイ
雪を纏った男が扉を開けて、トイトロールへと視線を向ける。
ティモフェイ
浮かない表情。いつもの。
トイ
「ちゃんと頭下げたか?」
ティモフェイ
「ああ」
ティモフェイ
「あの作法が彼らに通ずるものかは、分からなかったが」
ティモフェイ
堕落の国で知った作法だった。忘却の国に土下座はない。
トイ
「ま、誠心誠意頼んでみるだけな…」
ティモフェイ
「…………」
ティモフェイ
「彼らの情に期待するしか、ない」
トイ
「なー…。」
ティモフェイ
重々しく言ってから、ベッドに腰を下ろし。
ティモフェイ
「……トイトロール」
トイ
「…なに?」
ティモフェイ
「もし裁判の結果で俺が死に」
ティモフェイ
「彼らの奇跡でこの世界が救われたなら」
ティモフェイ
「きみの心は、慰められるのか?」
トイ
「お前死んだらその時オレ、死んでるだろ」
トイ
「ってのはおいといて?」
ティモフェイ
「……置いておいて」
トイ
「……うん、じゃあ言うけど…」
ティモフェイ
「…………」
トイ
「オレはね、堕落の国に来てから、忘却の国人々の記憶と共にある。」
トイ
「それは知ってんな?」
ティモフェイ
頷く。
トイ
「『騎士に世界を救って欲しい』のは、『騎士が世界を救わなくちゃいけない』は…」
トイ
「大部分、忘却の国の人々の記憶だ。」
ティモフェイ
「……ああ」
トイ
「死んで人も、まだ生きてる人の記憶もあるかな」
トイ
「こういう記憶の中に…」
ティモフェイ
トイトロールの顔を見ている。
トイ
「だれの特別でもない人。だれにも見つけてもらえなかった人の記憶もある」
ティモフェイ
正面から。
トイ
『捨てられたもの』。
ティモフェイ
自分と同じ顔を。
トイ
『忘れ去られるもの』。
トイ
例えば捨てられたものを奇跡の力にする、オールドメイドゲームのゴミ箱。
トイ
そうしたここのゴミ箱にもたどり着かず、奇跡の礎と昇華されることもなく
トイ
だれひとりにも見つけられずに消えていった民草の悲鳴。
トイ
「そういう悲鳴が、騎士の救済を求めているから」
トイ
「いまも記憶の中で泣いているから」
トイ
「オレはそれを代弁してお前に伝えている。」
ティモフェイ
「…………」
ティモフェイ
「きみ自身は?」
トイ
「おれ自身?」
ティモフェイ
「代弁をやめたら」
ティモフェイ
「きみは、どう思う」
トイ
「…………」少し考えて。
トイ
考える。
ティモフェイ
じっと待っている。
トイ
目を閉じ、頭の中をさがしまわるように。
トイ
ふ、と目を開け。
ティモフェイ
「…………」
トイ
「オレ思うんだけど…」
ティモフェイ
「なんだ」
トイ
「マキナとチカも」
トイ
「シャルルとアレクシアも」
トイ
「お前とマルタもそうだから」
ティモフェイ
「?」
トイ
「………オレだけヘンなのかなって思うけど」
トイ
「だれか特別な人、自分を特別に扱ってくれる人がいる人は」
トイ
「それ以外を省みなくていいっていう免罪符を手にいれたみたいになる」
トイ
「てか」
ティモフェイ
「…………」
トイ
「それ以外を犠牲にしたがる?」
ティモフェイ
「……俺は」
ティモフェイ
「マルタを殺したよ」
トイ
「そっか……」
トイ
「…そうだったな」
トイ
「なんかこう…」
トイ
「で、」
トイ
「愛ってそういう感じのものなのかと思って」
トイ
「まあよくわかんねーから」
ティモフェイ
「…………」
トイ
「愛のはなしならそれでいいや」
トイ
「でも、」
トイ
「奇跡のはなしなら」
トイ
「奇跡は万人に平等にわけられなきゃ」
トイ
「つまり…」
ティモフェイ
「つまり」
トイ
「オレとお前がここまで来た事で、」
トイ
「お前が恥も外聞も捨てて地べたに頭こすりつけた事で」
ティモフェイ
「…………」
トイ
「あいつらが奇跡を平等に分配する気持ちを少し持ってくれたなら」
トイ
「…ほんのひとさじだけ、甲斐が感じられるかな」
トイ
「でもすごく…」
トイ
「ちいさい、そう」
トイ
「いやだけど、納得しなきゃいけないっていう」
トイ
「諦めさせられるときの、慰めだよなァ…」
ティモフェイ
「割に合わないかね」
ティモフェイ
「きみの命を捧げるのにしては」
トイ
その言葉が芯にとどく。
トイ
命を捧げるにふさわしいか?
トイ
「ああ、それじゃ割に合わない…」
トイ
「だってあいつらは忘却の国の事を知らない」
トイ
「忘却の国の人々は」
トイ
「オレとおまえが死ねば忘れ去られるだけ」
トイ
「オレが毎日きいてる、届けたいと思ってる悲鳴も」
ティモフェイ
「…………」
トイ
「まったく知らない、知る由もない」
ティモフェイ
自分が救えず、死なせた者たち。
ティモフェイ
その声を聞き届ける清らかな魂が、
ティモフェイ
今、
ティモフェイ
ティモフェイの前にいる。
ティモフェイ
「では」
ティモフェイ
「……やはり、勝利せねばならんな」
ティモフェイ
*トイトロールの『生贄』を舐めます。猟奇で
マキナ
*横槍します
マキナ
Choice[猟奇,才覚,愛]
DiceBot : (CHOICE[猟奇,才覚,愛]) > 才覚
[ マキナ ] HP : 23 → 22
マキナ
2d6>=7
DiceBot : (2D6>=7) > 4[2,2] > 4 > 失敗
マキナ
どうぞ
ティモフェイ
*ティーセットを使用
ティモフェイ
2D6+3+2>=7
DiceBot : (2D6+3+2>=7) > 6[3,3]+3+2 > 11 > 成功
[ トイ ] ティーセット : 1 → 0
[ トイ ] 災厄 : 0 → 1
[ トイ ] 災厄 : 1 → 0
[ トイ ] 生贄 : 0 → 1
ティモフェイ
オールドメイドゲーム。
ティモフェイ
捨札を、犠牲を求めるこの儀式へと飛び込んだ、
ティモフェイ
生贄となる資格を持つ魂。
ティモフェイ
トイトロール。
ティモフェイ
自分は、今度こそその命を掻き消すことがあってはならない。
トイ
「かちたいよ…」
トイ
「勝ってよ、ティモフェイ…」
ティモフェイ
「…………」
ティモフェイ
「……勝つよ」
ティモフェイ
「きみを、救うために」
トイ
こくりと肯く。
トイ
6号室に雪が降る。
トイ
しんしんと、記憶をもたらす雪が降る。
メイド6

第3シーン:チカ

メイド6
*お茶会 第2ラウンド チカ
小鴨 チカ
1d12
DiceBot : (1D12) > 12
メイド8
12 : 地下室。がらんどうの貯蔵庫の片隅に、ぽっかりと虚空へ至る穴があるが……。
小鴨 チカ
「あ、よいしょっと」
小鴨 チカ
「こえー場所だなあ」
マキナ
「これ落ちたら死んじゃうよぉ」
マキナ
淵から穴を覗き込んでいる。
小鴨 チカ
「深いなあ……どこに繋がってるんだろう」
マキナ
「…………」
マキナ
「どこだろうねぇ」
小鴨 チカ
「なーんもない、ただの暗くて狭い場所だったらやだなあ」
小鴨 チカ
「ねえねえ、メイドさん」
メイド8
「はい」
小鴨 チカ
穴の上、地面のない空間を指さす。
小鴨 チカ
「これ、招待状でここに呼んだりとかって、できるの?」
メイド8
「出来ますが、落ちないようになっております」
マキナ
なるほど……
メイド8
「儀式の力で弾かれますね」
小鴨 チカ
「あっ。安全設計だ」
メイド8
「飛び込んでみてもいいですよ。大丈夫ですから」
小鴨 チカ
「大丈夫と聞いても……勇気が要るなあ……」
マキナ
「無理~」
メイド8
「まあ、仮に落ちたら、戻って来れませんね」
メイド8
「ゴミ箱の中身は、こちらに捨てております故」
マキナ
「あの人を招待状でここに放り込めたら最高だったのになあ……」
小鴨 チカ
「鬼じゃん」
マキナ
「いいアイディアじゃない?」
小鴨 チカ
「素の顔で言うなよ」
小鴨 チカ
怖いわ。
小鴨 チカ
ゴミ箱の中身かあ。
小鴨 チカ
ヨハン様とかだな。
マキナ
そうだね~
小鴨 チカ
さてと。
小鴨 チカ
「それじゃ、招待状でも書こうかな」
小鴨 チカ
「お茶会の準備は……なくていいや。軽く話を聞くだけ、ってね」
マキナ
「昨日したしもういいでしょ~」
メイド8
「かしこまりました」
小鴨 チカ
名前を書く。
小鴨 チカ
「トー……イ…………っと」
小鴨 チカ
トイさんの名前が書かれた招待状を、メイドに渡す。
小鴨 チカ
「お願いします」
メイド8
「承りました」
メイド8
立ち去り、すぐにそれを実行する。
メイド8
間もなく、冷気が訪うだろう。
トイ
雪がふわり。
トイ
「……お?」
マキナ
「どうも~」
小鴨 チカ
「来た」
マキナ
手をひらひら振る。
トイ
「お~~!これ使われたの初めて」
小鴨 チカ
「あ、そだっけ」
トイ
うんうん。
小鴨 チカ
「ちょっとお話聞こうかなって」
トイ
「はいよ…」
小鴨 チカ
「さっき、おたくの騎士さんが来たんですよ。知ってます?」
トイ
「知ってる!」
マキナ
「あの人どうにかしてって言ったじゃないですか~」
小鴨 チカ
知ってるんだ。
マキナ
怒っているぞ!
トイ
「えっあいつ頭下げただろ?!」
トイ
たぶん…!
小鴨 チカ
「……あっうん」
小鴨 チカ
けっこう詳細に知ってる……のか?
小鴨 チカ
「マキナさんぶちぎれてたよ」
マキナ
「ぶちぎれてま~す」
マキナ
「おこってま~す」
トイ
「え~~~~っ そっか…」
トイ
「なんで?」
小鴨 チカ
マキナさんを見る。
トイ
「顔も見たくなかったから…?」
トイ
オレも同じ顔!
マキナ
「それはそう」
マキナ
「だって勝手なことばっかり言うから……」
マキナ
「土下座なんかして下手に出てくるのもムカつくし」
マキナ
「末裔の人たちを盾に自分の私情を通そうとしてくるのが最悪」
トイ
「盾?」
マキナ
「自分に頼む筋がないって分かってるのに」
マキナ
「分かってるくせに、彼らは奇跡以外に頼るものがないからって」
トイ
「ああ、それは『代弁』だろ?」
小鴨 チカ
む。
マキナ
「……代弁」
トイ
「…末裔たちは色々伝えたいことがあるけど…」
トイ
「誰の耳にも届かない声もあって」
トイ
「観客たちとか、昨日の…知り合いの人とか」
マキナ
「…………」
トイ
「そういう人の言葉を今一度伝えるってこと」
トイ
「せめて救世主の近くに寄れる人間がね」
トイ
「言わないと気づかないし」
トイ
「言わないとなかったことにされるし」
トイ
「言わないと忘れる。」
マキナ
現実に、
トイ
「オレはそう思ってるけどなあ…」
マキナ
ありすのペットたち。
マキナ
彼らの嘆きを、マキナは省みていなかった。
小鴨 チカ
「この世界の人は、ちゃんと救われたがってるんだよって?」
トイ
かな?と笑う。
マキナ
この世界に置いていくものとして、忘れ去ろうとしていた。
マキナ
庇護者を失った、力ない彼らを。
トイ
「元の世界にかえっちゃったらおとぎ話みたいに」
トイ
「人生を生きてなかった存在だって思うのかなって」
トイ
「ティモフェイもオレも、他の堕落の国の人もさ」
トイ
「2人には「関係ない人」」
トイ
「「どうでもいいひと」」
トイ
「あはは、愛ってそういうかんじ?」
小鴨 チカ
「殺して生き残ってきた人がそれを言う?」
トイ
「まあね!」
トイ
「だからこのルールがなくなったら」
トイ
「いきるために殺さなくてもいいし」
トイ
「そういう未来を望んでいるよ」
小鴨 チカ
「救世はティモフェイさんがやらないと意味ないから、って理由で、ぼくたちとの取引を跳ねのけたじゃないか」
小鴨 チカ
「自分のわがまま通すために、新しく死体二つ増やそうってんだろ」
トイ
「死体を増やさないために、棄権してくれって頼んだんだ」
トイ
「そうだな、それから…」
トイ
「ティモフェイが世界を救わないといけないのは、オレたちの故郷の人の悲願なんだ」
小鴨 チカ
「それを故郷の人が知る事はないだろ」
トイ
「死んでっからね」
トイ
「知りようがねーよ」
小鴨 チカ
「こっちは棄権しない。だからそっちに棄権して欲しいって言った」
小鴨 チカ
「そっちが棄権してくれるんだったら死体は増えない。そういう話だったのに」
トイ
「うん?」
マキナ
「そういう提案だってしたでしょう?」
トイ
「何に引っかかってるのかなって」
小鴨 チカ
「提案に乗らない理由に納得がいかない」
トイ
「えーと…ああ、オレたちが棄権しないってこと?」
トイ
そっちとこっちがどっちだ!
トイ
となった。
小鴨 チカ
「そう」
小鴨 チカ
「ティモフェイさんから懇願されたのは、“勝ったら1枠救済に使ってくれ”だった」
小鴨 チカ
「じゃ、その要求飲んだら、闘わなくていいじゃんか」
トイ
「言ったと思うけど…」
トイ
「ティモフェイが世界を救うのが…死んだ人々の悲願だからだ。」
トイ
「世界の救済はオレとティモフェイも望めるものだけど」
トイ
「ティモフェイが世界を救うっていうのは…」
トイ
「忘却の国の死者の、」
トイ
「何十万の人々の願いを、オレが届けないでいたら」
トイ
「…それは‶救い”がなさすぎる。」
小鴨 チカ
「叶ったところで、願った人が気付けないんじゃ、願った人は救われねえ」
小鴨 チカ
「自己満足だ」
トイ
「死んだ人間を救えないから生きてる人を救う」
トイ
「自己満足ならせめてやくにたつ自己満足」
マキナ
「やらない善よりやる偽善?」
トイ
「それ!」
トイ
「例えば…」
トイ
「シャルルとアレクシアは、決闘ルールがなくなったら嬉しいかって聞いたら」
トイ
「嬉しいって答えてくれた」
トイ
「救われた人間が多いほど、」
トイ
「死んだ人間への手向けになる」
小鴨 チカ
「ぼくたちがそれを願うのと、救われる側の視点で何が違うのさ」
小鴨 チカ
「“結局のところ、末裔たちは救いを求めているだけで……」
小鴨 チカ
「動機うんぬんはどうでもいいっぽい”……」
小鴨 チカ
「そっちの騎士さんが言ったんだぞ」
トイ
それ!と指をさす。
トイ
「『何が違うのさ』」
トイ
「っていったろ?」
トイ
「それが全然違うって事がなんにも解られない事」
トイ
「記憶がないからじゃねーかなァって思うんだけど」
トイ
「オレの故郷の記憶、そりゃないのは当たり前で」
トイ
「知る由もないけど。」
トイ
「たくさんの人が、どれだけ強く望んでいたか」
トイ
「願っていたか」
トイ
「怨嗟、怨恨、悲願に祈り。他の人の記憶が実感として、覚えがないから」
トイ
「死者の悲願を結果、メリットとデメリットが釣り合ったからで考える」
トイ
「望んだ事実はすでにあって」
トイ
「果たされなかった宙づりの約束だけがある」
トイ
「その約束を果たしなおしたい」
小鴨 チカ
「ぼくと、マキナさんにとっちゃ」
小鴨 チカ
「死は、終わりだ」
マキナ
……頷く。
トイ
「棄権してくれたら誰も傷つかなくていいと思ったけど」
トイ
「たたかって、お前らしんだら」
トイ
「オレは覚えておくけどね…」
トイ
「…これが自己満足か!」
マキナ
「そうですよ」
マキナ
「覚えておかれた所でマキナ達にはなにも関係ない」
マキナ
「マキナたちの願いがここで終われば、そのあと何をしてもらったところで救われません」
小鴨 チカ
「ぼくらの屍を乗り越えて、尊い犠牲風にまとめられて、他のやつらに幸せになられてもぜんぜん嬉しくない」
トイ
なるほど と、意見を聞いている。
トイ
「嬉しく思ってくれたらよかったけど、嬉しくないことが解った」
トイ
「ってかんじ?」
小鴨 チカ
「別に世界を不幸にしたいわけじゃないんだよ」
小鴨 チカ
「ぼくだって目の前の人が財布落としたら拾って渡すし、迷子っぽい子が居たら声かける」
小鴨 チカ
「救えるもんは救いたい。末裔の人たちがああなったまま終わるのも、後味が悪い」
トイ
「うん」
小鴨 チカ
「でも、ぼくたちが世界を救うのは、そっちにとっては妥協策なんだという」
小鴨 チカ
「妥協しないために新しく死体を二つ築こうってわけだ」
小鴨 チカ
「こっちからしたら最悪だよ」
トイ
「…………」
トイ
「それ、どういう感情?」
小鴨 チカ
「…………」
小鴨 チカ
「あげたピアス、まだ持ってる?」
トイ
「持ってる!」
トイ
「怖くて開けられなかったから持って眺めてた」
トイ
服の裾をまさぐり、ピアスをとりだす。
小鴨 チカ
「貸して」
トイ
「?」
トイ
わたします。
小鴨 チカ
「ありがと」
小鴨 チカ
「ビリヤード、楽しかったね」
トイ
「おう!」
小鴨 チカ
「トイさんはノリがよかったし、絡みやすい人だなーって思った」
トイ
「そう?」
トイ
わーい
小鴨 チカ
「パーティーも楽しかったし」
小鴨 チカ
「マジで人のこと救おうとしてるんだなーってのも伝わってくるし」
マキナ
パーティーの結末はああでしたが……
小鴨 チカ
「まあ、ここで当たっちゃったから、ちょっとばかし色々複雑な気持ちではあるけどさ」
小鴨 チカ
「やっぱ、結論としては……」
小鴨 チカ
「こうだよな」
小鴨 チカ
一度、トイさんに渡したピアス。賭け事の対価で、遊びの思い出の品。
小鴨 チカ
投げる。底の見えない穴へ。
小鴨 チカ
*生贄を抉ります 判定は才覚
ティモフェイ
*横槍をします
ティモフェイ
Choice[猟奇,才覚,愛]
DiceBot : (CHOICE[猟奇,才覚,愛]) > 愛
ティモフェイ
2D6+2>=7
DiceBot : (2D6+2>=7) > 8[3,5]+2 > 10 > 成功
ティモフェイ
1d6
DiceBot : (1D6) > 3
メイド8
ヤリイカはございませんね。判定を。
[ ティモフェイ ] HP : 20 → 19
小鴨 チカ
*ティーセットを使用します
小鴨 チカ
2d6+4+2-3=>7 判定:才覚
DiceBot : (2D6+4+2-3>=7) > 3[2,1]+4+2-3 > 6 > 失敗
[ マキナ ] ティーセット : 1 → 0
小鴨 チカ
*ウサギのお守りを使用
[ 小鴨 チカ ] ウサギのお守り : 1 → 0
小鴨 チカ
2d6+4+2-3=>7 判定:才覚
DiceBot : (2D6+4+2-3>=7) > 10[6,4]+4+2-3 > 13 > 成功
メイド8
成功です。
トイ
「あ」と声をあげる。
[ トイ ] 生贄 : 1 → 0
トイ
ピアスは底の見えない穴へ吸い込まれて、
トイ
あっという間に見えなくなる。
マキナ
「…………」
トイ
つーっと涙が伝った。
トイ
明確な拒絶。
マキナ
全ては裁判の結果に委ねられる。
マキナ
もはや話し合う予知はない。
小鴨 チカ
「大層な理由を免罪符にして、ぼくたちを殺そうとしてくる」
小鴨 チカ
「おまえらは敵だ」
小鴨 チカ
「もう……死ねよ……」
マキナ
「…………」
小鴨 チカ
「じゃあね」
マキナ
ちら、とトイを見て、
トイ
去っていく二人の姿を見る。
マキナ
チカを追って立ち去る。
小鴨 チカ
早足で歩く。
小鴨 チカ
後ろは振り返らない。
小鴨 チカ
廊下を抜けて、自分の部屋を目指す。
トイ
…二人が去ったのを見止めてから。
トイ
「ふふ」
トイ
「ふふふ…」
トイ
「……はあ。」
トイ
死ねよと言われれば、まあそうなんだ。
トイ
これが終われば、それでいい。
トイ
ほかのみんなはそこにいるし。
トイ
故郷の皆は。
トイ
だから、チカが「死ね」っていった時
トイ
少しそれを望むような気持があった。
トイ
やっぱりティモフェイと同じように、そういう気持ちがあって…
トイ
だから、マキナとチカの自分たちが生きていなくては意味がないというのは
トイ
貪欲でどろまみれだとおもうけれど、やっぱりなに輝きをはなつ
トイ
光のようなものを感じた。
トイ
ピアスが捨てられたことも悲しいけど。
トイ
それが冷たい魂に及んだから、痛みを感じた。
トイ
あんな風に自分が生きたいって思える「あゆみ」って、「これまで」ってどんなものだろう。
トイ
それとも、どんな経歴だって人によってはそう思い続けられるんだろうか。
トイ
地下室にいればいるだけ、雪が降り積もる。
トイ
その傍らにあるのは記憶だけ。
小鴨 チカ
廊下が長い。
小鴨 チカ
足を踏むたび、地面の振動が胸に響く。
小鴨 チカ
マキナさんは、ついて来れているだろうか。
小鴨 チカ
歩幅を合わせる余裕はない。部屋が遠い。こんなにも。
マキナ
少し後ろを小走りで。
小鴨 チカ
後ろを待たずに、足は進む。
小鴨 チカ
「っ……」
小鴨 チカ
扉を、勢いよく開けて。
小鴨 チカ
足は止めずに、そのままトイレに突っ込んだ。
小鴨 チカ
「ぶ」
小鴨 チカ
「う、え、おえっ!」
小鴨 チカ
その便座に、自己嫌悪をぶちまける。
小鴨 チカ
「おえ……うええ……」
小鴨 チカ
気持ち悪い。気持ち悪い……!
マキナ
追ってトイレに入り、チカの背中をさする。
小鴨 チカ
「はっ……はあっ……」
小鴨 チカ
こんなことで辛そうにして、被害者ぶっている自分に、また嫌気がさす。
小鴨 チカ
もともと決めてたことだろ。
小鴨 チカ
もっと前から、分かたれてた道だろ。
小鴨 チカ
「ふ、うっ……」
マキナ
「チカくん……」
小鴨 チカ
「……マキナさん」
マキナ
背中を擦っていた腕を、チカの身体に回す。
マキナ
後ろから抱きしめる。
小鴨 チカ
「……ぼく……」
小鴨 チカ
「ぼくのこと」
マキナ
「……うん」
小鴨 チカ
「まだ、怖くない……?」
マキナ
「……怖くないよ」
マキナ
「チカくんは間違ってない」
マキナ
「間違ったことなんか何もしてない」
小鴨 チカ
これも。
マキナ
間違いがあるとしたら、こんなことに巻き込まれてしまったこと。
小鴨 チカ
優しい言葉をかけてもらいたくて言った言葉だ。
マキナ
そしてそれはチカのせいじゃない。
小鴨 チカ
「おえっ…………」
小鴨 チカ
吐きつくして、もう何も出なくなって。
小鴨 チカ
大きく息を吐く。
小鴨 チカ
「ごめんね、勝手なことして」
マキナ
「……ううん」
マキナ
「チカくんは何も間違ってないってば」
小鴨 チカ
「うん…………」
小鴨 チカ
「ありがとう、マキナさん……」
メイド8

第4シーン:マキナ

メイド8
*お茶会 第2ラウンド マキナ
マキナ
そうして部屋に戻ってから、しばらくあと。
マキナ
裁判の時が間近に迫っている。
マキナ
チカとマキナは8号室でささやかに最後のお茶会を催していた。
マキナ
「……気分は大丈夫?」
マキナ
チカの様子を窺う。
小鴨 チカ
「ん。大丈夫。食えそう」
小鴨 チカ
出たぶん、空いた。お腹ん中。
マキナ
「……無理してない?」
小鴨 チカ
「むしろなんか口に入れたい気分かも」
マキナ
「この後が大変だもんねぇ」
マキナ
「食べとこ食べとこ!」
小鴨 チカ
そっちは無理せざるを得ないからなあ。
マキナ
おたがいにね。
小鴨 チカ
「あ、このクッキーおいしい」
マキナ
「ほんとー?」
マキナ
「マキナも食べる~」
マキナ
ひょいと取って、口に運び。
マキナ
「あ、ほんとだ」
マキナ
「おいしい」
小鴨 チカ
「お茶会がみんなこんな感じならいいのにな」
マキナ
「こういうナッツとか入ってるの好きだなあ」
マキナ
「……そうだねぇ」
マキナ
「ほんとにそう」
小鴨 チカ
「世界の救済が通れば、そうなるのかねえ」
マキナ
「……多分、そうなんじゃない」
小鴨 チカ
「……ほとんどの末裔は、お茶とか菓子もありつけないんだよな」
マキナ
「うん」
マキナ
「水みたいなスープに野菜くずが入ってれば上等」
マキナ
「お茶とかお菓子とかなんて夢のまた夢」
小鴨 チカ
「うわあ……」
小鴨 チカ
「この場にいる中で、観客も含めて……」
小鴨 チカ
「それ経験してないの、ぼくぐらいか?」
マキナ
「……そうかもね」
マキナ
「昨日の……シャルルさんにあげた紅茶」
マキナ
「あれは、マキナがヨハン様と、もうひとり……」
マキナ
「7号室の派手じゃない方の人覚えてる?」
小鴨 チカ
「……黒髪の」
マキナ
うなずいて。
マキナ
「あの人と一緒に殺した、救世主のものだった」
小鴨 チカ
「…………」
マキナ
「……天宮、ありす」
マキナ
「昨日の末裔の人たちを保護してたのも、その子、で……」
小鴨 チカ
「……プレゼントとして出したとき、貴重品なんだろうなとは思った」
マキナ
「……うん」
小鴨 チカ
「……そのあと、うさみみの反応見て」
小鴨 チカ
「なんとなく想像してたよかずっと、貴重なものだったって気付いた」
マキナ
「……貴重だよ」
マキナ
「それを、ありす様は私に淹れてくれて……」
マキナ
「……」
マキナ
「でも、私は最後にあの子を裏切った」
小鴨 チカ
「……うん」
マキナ
「亡者から守ってくれて、怪我を治してくれて」
マキナ
「マキナを信じるって言ってくれたあの子を……」
小鴨 チカ
「なんで裏切ったの?」
マキナ
「……その方が得だと思ったから」
マキナ
「最初に裏切ろうとしてたのは、ヨハン様」
マキナ
「私はヨハン様が勝つと思った」
小鴨 チカ
「強い方についた」
マキナ
「……そう」
小鴨 チカ
「…………それは」
小鴨 チカ
「この世界じゃ、責めらんねえよ」
マキナ
「……そうかな」
小鴨 チカ
「他のムーブしてたら、生き残れなかったかもしれないんでしょ?」
マキナ
「……わかんない」
マキナ
「どうだろうな……」
マキナ
「まぁありす様の側について、ヨハン様が勝ってたら」
マキナ
「私も死んでただろうなぁ……」
小鴨 チカ
「……うさみみは、力で従えた?」
マキナ
……頷く。
マキナ
「あの人達は……末裔は、救世主には逆らえないの」
小鴨 チカ
「あの子たちのこと、どう思ってる?」
マキナ
「…………」
マキナ
「……ひどいこと、したと、思う」
マキナ
「ヨハン様が横暴なのを見過ごすだけじゃなくて……」
マキナ
「……」
マキナ
「……わたし、が」
マキナ
「あの子達を、いじめた、ことも……」
マキナ
声がだんだんと小さくなっていく。
小鴨 チカ
「なんでいじめた?」
マキナ
「…………あって……」
マキナ
「……」
マキナ
「……ヨハン様に逆らえないから」
マキナ
「……その分を、自分より弱い子たちに」
小鴨 チカ
「うわ~……」
マキナ
視線が下がる。
小鴨 チカ
「そりゃ、ひどいことしてるなあ……」
マキナ
「……うん」
小鴨 チカ
「……あの子たちのこと、好き?」
マキナ
「……どうかな」
マキナ
「嫌いじゃ、ないよ」
マキナ
「……」
マキナ
「不幸なままでいればいいとは、思わない」
小鴨 チカ
「救ってあげたい?」
マキナ
「……できるなら、そうしてあげたい」
マキナ
「って」
マキナ
「やっぱり……」
マキナ
「思うよ」
マキナ
「6号室の人達の言うことは関係ない」
マキナ
「世界をどうにかしたいとも、実はそんなに思ってなくて……」
マキナ
「ただ、あの子達のことは……」
マキナ
「私にも責任があるのは、ほんとだから……」
小鴨 チカ
「ふふ」
小鴨 チカ
「元の世界に戻りたい、最初はそれだけだったのに」
小鴨 チカ
「傷を治したい、あの子たちを助けたい」
小鴨 チカ
「三つになっちゃった」
マキナ
「……うん」
小鴨 チカ
「……別にいいよ」
小鴨 チカ
「ぼく、マキナさんと一緒に生きていければ、それでいい」
小鴨 チカ
「元の世界に戻ればそれは果たされるけど、世界が救われたら、多分それでも果たされる」
マキナ
「……チカくん」
小鴨 チカ
「マキナさんが、好きなの二つ選んじゃいなよ」
マキナ
「えっ、でも、そんな」
マキナ
おろおろ
小鴨 チカ
「もともと元の世界とかさあ。ぼく恥晒しの記憶しか残ってねえし」
マキナ
「でも……家族とかいるでしょう」
マキナ
「友達とか……」
小鴨 チカ
「マキナさんぐらいだよ。ぼくがいないとダメなのは」
マキナ
「…………」
マキナ
「……わ、たし、もね」
マキナ
「元々、帰れるなんて思ってなくて」
マキナ
「諦めてて、だから、別によくて」
マキナ
「……この世界が、チカくんと一緒に生きられる場所になるなら」
マキナ
「私はやっぱり、見知らぬ人とかはね、どうでもいいの」
マキナ
「関係ない」
マキナ
「でも、あの子達を助けられて」
マキナ
「チカくんとマキナが一緒に生きる世界のためだったら」
マキナ
「救済のために、奇跡を使ってもいい……」
マキナ
*チカの『槇名優子』を舐めます 判定は愛
ティモフェイ
*横槍をします
マキナ
来い 来るな
ティモフェイ
Choice[猟奇,才覚,愛]
DiceBot : (CHOICE[猟奇,才覚,愛]) > 愛
ティモフェイ
2D6+2>=7

DiceBot : (2D6+2>=7) > 7[5,2]+2 > 9 > 成功
ティモフェイ
1d6
DiceBot : (1D6) > 1
マキナ
2d6+3-1>=7
DiceBot : (2D6+3-1>=7) > 12[6,6]+3-1 > 14 > 成功
[ ティモフェイ ] HP : 19 → 18
マキナ
マジ?
メイド6
*スペシャル! PCがお茶会中の判定でスペシャルを起こした場合〔自身の所有する六ペンス/2〕までの価値の小道具を1つ入手します。
メイド6
*六ペンスコインが30なので、15点までですね。
[ 小鴨 チカ ] 槇名優子 : 0 → 1
メイド6
*最後なので、すぐに決めなくて大丈夫です。
マキナ
仕込みの時に一緒にでいいですか……
メイド8
大丈夫でございますよ。
マキナ
ありがとうメイドさん……
マキナ
「……多分ね、どれを選んでも後悔はあるの」
マキナ
「あの子達を見捨てて帰ったら、きっとずっと嫌な気持ちがある」
小鴨 チカ
「うん」
マキナ
「でもあの子達を助けるために、私がこのままなのも……」
マキナ
「きっとね、なんであんなことしたんだろうって、思っちゃう……」
小鴨 チカ
「……うん」
マキナ
「……この国がもっと平和になっても、いつか帰ってればよかったって思う時が来るかもしれない」
小鴨 チカ
「そうだね……」
マキナ
「……本当に、いいの?」
小鴨 チカ
「いいよ」
マキナ
「……私のわがままだよ」
小鴨 チカ
「元々、願いなんてそんなもんでしょ」
マキナ
「……あの子達を助けたい」
マキナ
「疵を治したい」
マキナ
「……どっちも、私のことで」
マキナ
「そしたら、チカくんは」
マキナ
「もう……」
マキナ
「帰れなく、なるのに……」
小鴨 チカ
「大丈夫」
小鴨 チカ
「その二つが叶ったら、ぼくの願いも叶うから」
マキナ
「…………っ、」
マキナ
「あの、」
マキナ
「あの、ね」
マキナ
「マキナの、ために」
マキナ
「ここで、一緒に」
マキナ
「生きて、くれる……?」
マキナ
「もう、帰れなくて」
マキナ
「家族にも会えなくて」
マキナ
「きっと、好きなものがたくさんあるのに」
マキナ
「それも、もう手に入らない」
小鴨 チカ
「一番好きなものが、そのぶん埋めてくれるんでしょ?」
マキナ
「……っ」
マキナ
「うん、うん……っ」
マキナ
「……ありがとう、チカくん」
マキナ
「チカくん」
マキナ
「チカくん……」
マキナ
「勝とうね」
小鴨 チカ
「うん」
小鴨 チカ
「一緒に勝って、一緒に幸せになろう」
小鴨 チカ
「大丈夫、何も変わってない」
マキナ
「うん……」
マキナ
「……チカくん」
マキナ
「ありがとう」
マキナ
「……大好き」
小鴨 チカ
「ぼくもだよ」
メイド8