Dead or AliCe
『16人の救世主』

お茶会-1ラウンド目

GM
*お茶会 行動順決定
小鴨 チカ
1d99
DiceBot : (1D99) > 90
マキナ
1d99
DiceBot : (1D99) > 6
桟敷川映鏡
1d99
DiceBot : (1D99) > 43
匕首咲
1D99
DiceBot : (1D99) > 20
GM
*第1ラウンド行動順 小鴨チカ、桟敷川映鏡、匕首咲、マキナ

第1シーン:小鴨チカ

GM
*第1シーン シーンプレイヤー:小鴨チカ
メイド8
第2回戦の顔合わせが終了した後、救世主たちは一度それぞれの客室へと返されます。
メイド8
既にお茶会は開始している。ここから如何なる行動も可能です。
小鴨 チカ
とりあえずトイレを済ませる。おなかいてーの。
小鴨 チカ
「はー、こえー……」
小鴨 チカ
「こわかったよー……マキナさーん……」
マキナ
「よしよし、怖かったねえ」
マキナ
「チカくんが煽るからでは?」
小鴨 チカ
「反省しているよ」
小鴨 チカ
「てゆーか、マジで始まっちゃったなー……」
マキナ
「始まったね……」
マキナ
ぽす、と椅子に腰を下ろす。
小鴨 チカ
「あ、そうだ。ねえねえ」
マキナ
「なんですか?」
小鴨 チカ
「お茶会ってさあ、“お茶会”っていうじゃん?」
小鴨 チカ
「ここの外でも、割とフツーにお茶シバいてやったりするもんなの?」
マキナ
「ん~、まあここでやるのと変わんないですよ」
マキナ
「やったりやらなかったり」
マキナ
「殴り合ったり合わなかったり」
小鴨 チカ
「でも、外はここまで設備が良くない?」
マキナ
「あー、そこはさすがに違う」
小鴨 チカ
「やっぱり?」
マキナ
「ここはかなり特別」
マキナ
「普通は食べ物とかもこんなのないんだよ?」
小鴨 チカ
「だよなあ」終末世界観っぽい感じってウワサだもんな。
マキナ
「マキナがこの国に来た時は、水みたいなうっすいスープもらって……」
マキナ
「それでも結構まともな方、って言われてましたね」
小鴨 チカ
「嫌すぎるな」
小鴨 チカ
初手でここに来たぼくは、幸なのか不幸なのかわからんな。
小鴨 チカ
いや、ここに居る時点で不幸だよなあ?
小鴨 チカ
「なるほどなー……」そっかあ。そっか~……。
マキナ
「どうしてそんなこと聞くの?」
小鴨 チカ
「いや、どうしよっかなって。でも決めた」
小鴨 チカ
「どう来るかはわかんないけど……」
小鴨 チカ
「とりあえずやってみよう。ちゃんとした“お茶会”とやら」
マキナ
「あら、やる気~」
マキナ
「じゃあチカくんにおまかせしてみようかな」
小鴨 チカ
「メイドさん、お茶会の準備とお客さんの招待をお願いします」
小鴨 チカ
「部屋はここじゃなくて、ちゃんとした場所がいいかな」
メイド8
「畏まりました。お茶の用意は何人分に致しましょうか?」
小鴨 チカ
「全員……4人分」
小鴨 チカ
「あとー……熱いお茶とか、ナイフとかフォークとか、武器になりそうなものはナシで」
メイド8
「では、正餐室に場をご用意致します」
小鴨 チカ
「いつもありがとうございます……」
GM
-
GM
”正餐室。大きなテーブルに椅子が並ぶ。メイドに頼めば料理を出してもらえる”
GM
ティーポットに入っているのはアイスティー。お茶請けとしては、サンドイッチやクラッカーが用意されている。
マキナ
「……で、どういうプランなの?」
マキナ
整えられたお茶会の用意を見つつ、チカに問いかける。
小鴨 チカ
「………………かっこわるい話だけど」
小鴨 チカ
「血なまぐさい流れはこっち不利な気がするので、とりあえずは、普通にお茶を囲むのが目標」
マキナ
「それはそう」
小鴨 チカ
「あとは……観察、かな」
マキナ
「正しいですね~」
マキナ
「うん、相手のことを知っておくのは大事だからね」
小鴨 チカ
「直接話してみないと、なかなかね」
小鴨 チカ
ティモフェイさんとか、画面越しで見た時とけっこう印象が違った。
マキナ
「そんで弱みが見えたらこう……えぐりこむ感じで!」
小鴨 チカ
「あとは勢いで!」
マキナ
こう、とパンチの仕草をしている。
マキナ
「はーい」
小鴨 チカ
「ってことで」
小鴨 チカ
「準備できました、メイドさん。お願いします」
メイド8
「畏まりました。では」
小鴨 チカ
心の準備が全然できてませんけど、永遠にできないので、いいです。
メイド8
事前に用意され、受け取っていた封筒を手にメイドが正餐室から姿を消す。
GM
そして次の瞬間には、1号室の二人の姿が、正餐室のテーブルの前にあった。
匕首咲
ちょうど映鏡のふくらはぎの当たりを蹴っていたところだった。

「あれ?」
マキナ
「いらっしゃいませ~」
マキナ
わーわーと咲に手をふる。
桟敷川映鏡
蹴られていた。
小鴨 チカ
マジで来ちゃったよー。
マキナ
女子会の時も蹴ってたなあ。
桟敷川映鏡
「おや、お二方。お招きいただき有難うございます」
匕首咲
「わ~!マキナだ~!」

細かく手を振る。女子がよくやるやつ。
マキナ
やるやつだね~。
小鴨 チカ
「ども……」
小鴨 チカ
「ま、まあ!座って座って!」
匕首咲
「ふ~ん」

じろじろとチカを眺め回す。

「ま、いいけど」

勧められるまま、大人しく着席した。
小鴨 チカ
「あ、この部屋にある飲食物は全部メイドさんがセットしてくれた安心なやつです」
マキナ
マキナも腰を下ろす。
桟敷川映鏡
席に着いて、長い足を邪魔そうに組んでテーブルから少し離れて座る。
小鴨 チカ
お、全員座ったか。座ったな。ぼくも座ろう。
小鴨 チカ
「えっと、まず」
小鴨 チカ
「さっきは変なこと言ってごめんなさい……」
マキナ
「この通り反省してるので……」
小鴨 チカ
「反省しています……」
桟敷川映鏡
「はて、なんのことでしょう?」
マキナ
この通り……とチカを手で示している。
匕首咲
「反省してるの~、ふ~ん。
じゃあ許してやってもいいかな~。
マキナの彼氏だし~」
マキナ
「か」
マキナ
「れしではないですよ」
小鴨 チカ
「彼氏!」
小鴨 チカ
「彼氏ではないです!」
匕首咲
「違うんだ」
マキナ
「違いますねえ」
小鴨 チカ
「違うんですよー……」
マキナ
「彼氏さんなのはそちらでしょう?」
マキナ
矛先をスライドする。
匕首咲
「な~んかマキナが脈アリっぽいこと言ってた気がするんだけどな~」
小鴨 チカ
「えっ」
マキナ
「言ってません~言ってません~~」
匕首咲
「彼氏ではないですね……」
桟敷川映鏡
メイドに水を頼んでいる。
メイド8
冷たい水と常温の水、炭酸水と柑橘類を絞った水を用意した。
小鴨 チカ
彼氏になりてえー。
マキナ
「お迎えまできてくれてたのにー?」
小鴨 チカ
えっ。
マキナ
チカくんは来てませんが!
匕首咲
「それは……こいつが勝手に……」
小鴨 チカ
「……お迎えってなんのこと?」
マキナ
「愛されてるじゃないですか~」
マキナ
「ねぇ?」と桟敷川さんを見て。
マキナ
「えっ、言わなかったっけ?」
小鴨 チカ
「なんのことー!!」
桟敷川映鏡
「定義は人それぞれでしょうからね」
匕首咲
「あれ?お前迎えに来なかったの?」
マキナ
「お料理したあと、咲さんとアレクシアさんはパートナーの方がお迎えに来てたんですよ~」
マキナ
「チカくんは来てないで~す」
小鴨 チカ
「えっ、ぼくだけハブなの!?」
小鴨 チカ
そもそも料理するって、聞いてなかったんですけど!?
匕首咲
定義は人それぞれ……ってなに……?という顔で映鏡を見た。
桟敷川映鏡
見られているなと思っている。
マキナ
「別に言ってなかったしいいんですよ?」
小鴨 チカ
「いいっていうか!いいっていうか!」
小鴨 チカ
「行かせてくださいよ!!!!!」
匕首咲
なに……?
小鴨 チカ
「知らなかったら行けないですけど!?」
匕首咲
「お迎え行きたかったんだ?ざんねんだな~」

あんまり深く考えないようにした。
マキナ
「でも桟敷川さんも知らなかったみたいですよ?」
マキナ
「チカくんは来てくれなかったね~」
マキナ
「いいですけど~」
小鴨 チカ
「いじわるを言う!!!!!」
匕首咲
「え?なんでお迎え行きたかったんだ?」
小鴨 チカ
「1秒でも長く一緒に居てえからだよ!」
マキナ
「…………」
匕首咲
「ヒュ~~~ッ!!」
マキナ
「いや……、」
マキナ
「…………」
マキナ
黙った。
匕首咲
「マキナほら!聞いた?1秒でも長く一緒にいたいって!」
小鴨 チカ
「居たいな~!」
マキナ
「き……きましたけど」
匕首咲
「付き合っちゃいなよ~~!」
マキナ
「いや……いや……」
マキナ
「マキナの、マキナの話はいいじゃないですか今は」
マキナ
「チカくん!」
匕首咲
「え~?でもマキナも嫌じゃないでしょ~?」
小鴨 チカ
いや……嫌?
小鴨 チカ
「あっはい」
マキナ
「咲さんたちの話を聞くんでしょ!」
小鴨 チカ
「は、はい!!」
匕首咲
「おいチカ、話聞いてもいいけど、一旦マキナの返事聞かないか?」
マキナ
「咲さん!」
小鴨 チカ
「き、ききたい……」
マキナ
むむ……となっている。
匕首咲
「ほらぁ~、話が進まなくなっちゃうぞ~?」
マキナ
「へ、返事ってどれの……どこの……?」
小鴨 チカ
「……」
匕首咲
「チカと付き合うのが、嫌か嫌じゃないか!」
小鴨 チカ
「それ!」
マキナ
「………………」
マキナ
なんで? おかしくない?
マキナ
「……チカくんと、つきあうのは」
マキナ
「…………」
マキナ
「今は、そういうこと考える余裕」
マキナ
「ない、です」
マキナ
「おわり!」
小鴨 チカ
嫌って言われなかった~~~~~~!!!!
匕首咲
「↓えぇ↑えぇ~~~~???」
小鴨 チカ
「でも!でも!!」
小鴨 チカ
「嫌って言われなかった!!!」
小鴨 チカ
「言われなかったーーーー!!!」
マキナ
「…………」
匕首咲
「おっ、そうだな」
小鴨 チカ
「なんで急にトーン冷めるの!?」
マキナ
「も~いいでしょ~答えたんですから~」
マキナ
「マキナの話終わり~」
桟敷川映鏡
「そうですよ。答えたことをこれ以上追求するのは野暮というものです」
匕首咲
「だってさ~、ど~とでも取れるからさ~」

テーブルの下で足をぶらぶら。
小鴨 チカ
「……まあ、あれだな」
小鴨 チカ
「一応、お茶会っぽいお話をしようか」
匕首咲
「アールグレイのミルクティーが好きです」
小鴨 チカ
「そういう感じかぁ~!!」
小鴨 チカ
「たすけてマキナさん!手玉に取られている!」
マキナ
「はやいよ助けを求めるのが……」
マキナ
「チカくん主催なんだからもっとがんばって!」
小鴨 チカ
「は、はい!がんばります!!!」
匕首咲
「がんばれ~」
桟敷川映鏡
「はぁ、主催はそちらの方でしたか」
小鴨 チカ
「主催を頑張らせていただいております」
匕首咲
「そういえば、お前のことマキナが頼りないけど頑張り屋みたいなこと言ってたな~。よっ、頑張り屋!」
マキナ
「咲さん~~?」
小鴨 チカ
「えっマジで」
小鴨 チカ
「って違う!す~ぐ人のペースをくじいてくる~~~!!」
匕首咲
「な~に~?」
マキナ
「ほら、チカくん頑張ってるからあんまりからかわないであげてくださいよ」
小鴨 チカ
和やかなのはこれはこれでやりにくい!!!
匕首咲
「はぁ~い」
小鴨 チカ
いっそもう……何もしないまま、お茶会、終わってくれないか!?
小鴨 チカ
「……はい、じゃあえっとですね」
匕首咲
「がんばれがんばれ~」
小鴨 チカ
「ここは、もうぶっちゃけてしまうと、お互いの腹を探りつつ心の痛いところツンツンつっついたりつっつかれたりしながら茶をシバく会です!」
匕首咲
「そうだな」
小鴨 チカ
「てゆーか、先に愚痴っていい!? いまだにトラウマなんですよ、前回の戦いのアレ!」
小鴨 チカ
「ひどくない? 初手であれ、ひどくない!?」
桟敷川映鏡
「おや、それを始めてしまってもよろしいんですか?」
マキナ
「すごいぶっちゃけてる……」
匕首咲
「お!やるか!?」
小鴨 チカ
「殴り合いはヤダー!!エレガントに行きたいのです!!!!」
桟敷川映鏡
「それは残念です」
小鴨 チカ
「残念がるなや!!!」
匕首咲
「残念だな~」
マキナ
「どうせ後でなるじゃないですか~」
小鴨 チカ
「物腰一番エレガント男~!」
マキナ
「今は平和的にいきましょ❤」
桟敷川映鏡
「ま、とはいえ。お茶会を楽しみにしてらした方もいらっしゃるでしょうし」
匕首咲
「マキナがそう言うなら仕方ないな~」
桟敷川映鏡
「どうぞ、思惑どおりご歓談を続けましょう」
小鴨 チカ
転がされている……
小鴨 チカ
「……え、あの。じゃあ、メッチャ直球で聞いていい?」
匕首咲
「じゃあだめ」
小鴨 チカ
「帰りてえーーーーー!!!」
桟敷川映鏡
「いい?って聞くからですよ」
小鴨 チカ
「聞きます!!!!」
匕首咲
「そうだぞ」
小鴨 チカ
「聞きます~~~!!!!」
マキナ
「聞かれてあげてください~」
匕首咲
「は~い」
小鴨 チカ
「…………あの、あのぉ!」
マキナ
言いつつ、チカが何を聞くつもりなのかと首を傾げている。
小鴨 チカ
「……………………なんで」さじき川さんを、見て、匕首さんを見て。
小鴨 チカ
「“アレ”、取ったの?」
マキナ
マジ直球~!
小鴨 チカ
*抉ります。強者の刃〈脇差〉 判定は才覚
桟敷川映鏡
*横槍します
桟敷川映鏡
Choice[猟奇,才覚,愛]
DiceBot : (CHOICE[猟奇,才覚,愛]) > 愛
桟敷川映鏡
*ティーセットを使用します
桟敷川映鏡
2d6+1+2
DiceBot : (2D6+1+2) > 2[1,1]+1+2 > 5
GM
*ファンブル!
GM
ファンブルの効果により、所持している小道具を1つランダムに失います。
GM
所持アイテムはティーセットかヤリイカ。どちらを失うか、choiceで判定をお願いします。
桟敷川映鏡
Choice[ティーセット,ヤリイカ]
DiceBot : (CHOICE[ティーセット,ヤリイカ]) > ティーセット
GM
横槍は失敗となります。
小鴨 チカ
2d6+3=>7 判定:才覚
DiceBot : (2D6+3>=7) > 9[4,5]+3 > 12 > 成功


匕首咲
映鏡の方を見た。
桟敷川映鏡
何故?
その理由について口を開くことを避け続けてきた。
マキナ
映鏡さんに視線が集まっている……。
小鴨 チカ
沈黙が重い。
桟敷川映鏡
「……」
マキナ
めっちゃ黙る……。
小鴨 チカ
こ、怖え~~~~!!!!
匕首咲
足をぷらぷらさせている。
小鴨 チカ
マジ怖い。
桟敷川映鏡
もはや主催の2人は見ていない。
足と共に揺れる金の髪の切っ先を見ている。
小鴨 チカ
なぜかこっちが死刑宣告を待ってる気分になってきた。
マキナ
いや~、チカくん地雷踏んじゃったか~?
匕首咲
映鏡の方は見ない。
見るのがちょっと、怖い。
小鴨 チカ
わぁってて地雷踏んでんだよ!!畜生!!
小鴨 チカ
だからこえーーんだよ!!!!
マキナ
空気はぴんと張り詰めている。
桟敷川映鏡
「貴女に」
桟敷川映鏡
「どこぞの男の子供なんざ、孕んでほしくはない」
桟敷川映鏡
前に一度言ったことをもう一度繰り返した。
小鴨 チカ
…………、
小鴨 チカ
なるほど……なるほど?
桟敷川映鏡
今度は他者の前で。
小鴨 チカ
なるほどかぁ?
マキナ
すご………………
匕首咲
「…………」
マキナ
すごいな~…………
小鴨 チカ
「そ、それは、その……」
小鴨 チカ
ええい、行ったれ!!
小鴨 チカ
「闘いを終わるのも待てないぐらい、強い感情?」
マキナ
行ったなあ!
マキナ
押せ押せ~!
マキナ
「そうですよねぇ」
マキナ
「何もあの場でしなくても……というより」
マキナ
「…………」
桟敷川映鏡
そちらの話を聞かない。
まだ視線は彼女を見ている。
張り詰めた空気が言葉を探していることを意味する。
マキナ
そもそも同じ女として、やはり子宮を取ってしまうという判断は、
匕首咲
何も言わず、大人しくしている。
マキナ
まあ、当人間の同意がとれているとは言え……。
桟敷川映鏡
「前にも同じことを言いましたが」
桟敷川映鏡
「……昨日からは」
桟敷川映鏡
「もはや、意味が違います」
匕首咲
「意味」

おうむ返しに口にする。
桟敷川映鏡
席を立つ。咲の手を引く。
ついてこなければ、予めいくつか名を記しておいた招待状を使うだろう。
桟敷川映鏡
指を鳴らす。マントを翻してその場から去る。
匕首咲
抵抗はせず、付いていく。
小鴨 チカ
「お、おっ!?」
マキナ
「あら」
小鴨 チカ
……止めるか? いや、いやー……
小鴨 チカ
……ちょっと悩む。今行っても荒い感じになるだけだな。
桟敷川映鏡
人のいない方へ。
桟敷川映鏡
足は向く。
マキナ
「……まあ、痛いところは突けたってことで」とチカに。
小鴨 チカ
「……んんん~~~~……」
マキナ
「追っかけてみます~?」
小鴨 チカ
「…………邪魔してチクチクするのはヤだなあ」
小鴨 チカ
「覗きに行く?」
マキナ
「やらし~」
マキナ
「採用!」
小鴨 チカ
「複雑~!」
小鴨 チカ
「絶っっ対!見つからないようにしような!」
マキナ
「もちろん」
小鴨 チカ
「行くぞ~……!」
GM
 
GM
忍び足の追跡者を背に、場面は廊下の片隅へ。
桟敷川映鏡
足を止める。
桟敷川映鏡
そちらを見る。
匕首咲
見上げる。
桟敷川映鏡
手を離す。
廊下の壁を背に腕を組んだ。
桟敷川映鏡
何故?と彼女以外に聞かれると腹が立った。
桟敷川映鏡
「咲さん」
匕首咲
「……なに?」
桟敷川映鏡
瞳の色は揺れない。
赤い色がそちらを見ている。
匕首咲
子宮を切除されたことが、嫌だった訳ではない。
他の男の子を孕んで欲しくないと言われて、嬉しかった。

でも、どうして、という気持ちは、心のどこかに残っていた。
匕首咲
赤い目は、兄の方。
いつも話している、桟敷川映鏡。
桟敷川映鏡
「私は貴女を愛しているのでしょう」
桟敷川映鏡
沈黙さえ今は恐ろしいほど冷たく。
自身の胸に抱く時計の針が鳴る。
桟敷川映鏡
咲が聞いていた音だ。
匕首咲
「…………」

映鏡を見上げたまま、その赤い瞳をじっと見る。
匕首咲
じわり、と涙が滲んだ。
匕首咲
ぽたり、ぽたりと、涙が床に落ちる。
匕首咲
「そんなの」
匕首咲
「知ってたよ……」

GM
愛。
GM
それは時に、人を産み育むもの。
GM
それは時に、致命的な過ち。
GM
そして、それを見ていた者達がいる。
小鴨 チカ
「…………」無言でマキナさんと顔を見合わせる。
マキナ
「…………」
マキナ
目が合います。
小鴨 チカ
……さじき川さんを突っついたつもりが、なんかとんでもねー事になってる……。
マキナ
なってるねえ……。
小鴨 チカ
すっげーワルモノ感。
マキナ
咲さん泣いてるねえ。
マキナ
まあ、泣きたくもなるだろうな、とは。
マキナ
…………。
小鴨 チカ
なんか、ごめん。謝るべき相手には謝れないので、手振りでマキナさんに謝る。
マキナ
首を振る。
小鴨 チカ
これを続けるのか~……。
小鴨 チカ
しんどい。これはこれで。
マキナ
でも死ぬよりはマシだよ。
小鴨 チカ
どう転んでもしんどいが……、これで慰めムード入ったら邪魔するんだよな、ぼく。
小鴨 チカ
しんど。

第2シーン:桟敷川映鏡

GM
*第2シーン シーンプレイヤー:桟敷川 映鏡
GM
先に判定から。
桟敷川映鏡
*咲の『強者の刃〈打刀〉』を舐めます。判定は猟奇。
マキナ
*横槍します
マキナ
Choice[猟奇,才覚,愛]
DiceBot : (CHOICE[猟奇,才覚,愛]) > 才覚
マキナ
2d6>=7
DiceBot : (2D6>=7) > 9[6,3] > 9 > 成功
マキナ
1d6
DiceBot : (1D6) > 2
GM
横槍は成功。効果量は2。

桟敷川映鏡
2d6+3-2
DiceBot : (2D6+3-2) > 12[6,6]+3-2 > 13
GM
*スペシャル!!!!!!
桟敷川映鏡
*ティーセットをいただきます


GM
*1日目ここまで

*1.5日目開始
匕首咲
どれくらいか、わからない沈黙。
涙が床に落ちる。

何か言おうとして、やめることを繰り返している。
匕首咲
一度、映鏡を見上げて、目を見て。
匕首咲
「……っ!」

その場を駆け出した。
桟敷川映鏡
駆け出すのを止めはしない。
その背を見ている。
桟敷川映鏡
見て──見ている。
いたが、
桟敷川映鏡
ふいに霧が湧く。
桟敷川映鏡、もとい赤マントが自身のアイコンとしているものだ。
ドライアイスのような冷たさと湿度があたりに漂う。
桟敷川映鏡
その霧に殺気が乗る。
この先に誰も立ち入らせないという、
感情、意志、あるいは情念。
桟敷川映鏡
モニターに映るだろう角度を見やる。
赤マントを映すモニターが血に濡れる。
脅威度が同じくらいの救世主の視界なら同じように血に濡れる。
桟敷川映鏡
怪異に触れると、視界が歪むことがある。
そうまさに今このように。
桟敷川映鏡
それは、見るなという警告ではない。
見てはいけないという忠告でもない。
桟敷川映鏡
ただ、“穢れ”という現象がそこに表出しているだけだ──。
桟敷川映鏡
「……殺すか、もう」
桟敷川映鏡
歩き出した。
桟敷川映鏡
「咲さーん」
桟敷川映鏡
呼ぶ声が聞こえる。
軍靴の音。絨毯の上をすべるマントの衣擦れの音。
匕首咲
図書室、誰もいない。
蔵書の文字達は、文盲に沈黙だけを教える。
匕首咲
温室、誰もいない。
前に見た時と同様に、足跡すら残っていない。
匕首咲
台所、誰もいない。
出汁の匂いも、温かい湯気もなくしんと冷え切っている。
匕首咲
礼拝堂、誰もいない。
神はただ黙する。
匕首咲
自室、誰もいない。
荷物も家具も、全て最後に出た時のまま。
匕首咲
遊戯室、正餐室を過ぎて、大広間。
誰もいない。
匕首咲
──いや、違う。
匕首咲
カーテンが僅かに、不自然な形を作っている。
桟敷川映鏡
「咲さーん」
桟敷川映鏡
歩く音。
匕首咲
カーテンの裾からは、靴先が見える。
桟敷川映鏡
今この場で。
桟敷川映鏡
この女を殺せば失格になる。
桟敷川映鏡
向こうを殺しても失格になる。
桟敷川映鏡
だからなんだと言うんだ?
桟敷川映鏡
靴先が見える。
その間、足の隙間を縫いとめるようにステッキを投げた。
匕首咲
靴が、怯えたようにびくりと震える。
桟敷川映鏡
「こんなところに」
桟敷川映鏡
「いらしたんですね」
匕首咲
カーテンは何も喋らない。
桟敷川映鏡
「お返事をまだ頂いて」
桟敷川映鏡
「いなかったものですから」
匕首咲
ゆっくりと、カーテンの影から姿を表す。
匕首咲
俯いた顔は涙で汚れ、喉からは嗚咽が漏れる。
匕首咲
「映鏡」
匕首咲
「あたしも、好きだよ」
匕首咲
「でも、多分、そうじゃなかった」
桟敷川映鏡
「多分」
匕首咲
「ずっと、ずっと気づかないようにしてた。
でも、お前は、昨日から意味が違うって言った」
匕首咲
「じゃあ、昨日までは?
どういう気持ちで、あたしの女を奪ったんだ?」
匕首咲
「あたしは、映鏡の玩具として、体を切り刻まれたことに……、なるっ、……の、か?」
匕首咲
涙が頬をつたい、また床に落ちる。
桟敷川映鏡
そうだ。と
桟敷川映鏡
言わせてくれ。
匕首咲
自分を"口裂け女"に作り変えた男達と同じように。
映鏡も、自分の体を玩具にして、ただ、弱者として、切り刻んだ。
そう思いたくはなかった。
匕首咲
思いたくはなかったのだ。
桟敷川映鏡
そんな男たちと同じでいる方が。
桟敷川映鏡
まだいい。
匕首咲
「もし、そうなら」
匕首咲
「あたしのこの気持ちは、映鏡を好きな気持ちは」
匕首咲
「ただ、強者に擦り寄りたいだけの、防衛本能じゃ、ないのか……?」
匕首咲
「ただ、助かりたいだけの、勘違い……に、なって……」
匕首咲
声にならない、呻くようなすすり泣き。
匕首咲
「やだ……やだよそんなの……」
桟敷川映鏡
なおも絨毯に流れる涙を見る。
小雨のようだった。
桟敷川映鏡
館にたゆたうこの殺気をもってなお。
貴女はそれを聞くのか。
桟敷川映鏡
「……お嬢さん、ついぞ私の話を聞いていただく一幕と相成りました」
桟敷川映鏡
「長い話になりますが、」
桟敷川映鏡
「どうぞ、お耳を拝借願います」
匕首咲
なおも涙をこぼしながら、映鏡を見上げる。
桟敷川映鏡
貴女を見つめる。
匕首咲
小さく、微かに頷いた。
桟敷川映鏡
「私は生まれてこの方、まっとうに女人を愛したことが御座いません」
桟敷川映鏡
「色狂いの母親への憎しみが、膨れ上がり、煮えくり返り、ふき零れそうになったときに女の胎を裂くのです」
桟敷川映鏡
「貴女にそうしたように」
桟敷川映鏡
一息。
桟敷川映鏡
「胎は川へ捨て、女の抜け殻はその場に置き去りに」
桟敷川映鏡
「私と一夜を越えた女はおりません」
桟敷川映鏡
「100年」
桟敷川映鏡
「貴女は、越えた」
桟敷川映鏡
「貴女は私の気まぐれな親切心を呑んだ」
桟敷川映鏡
「もはや親切心などではない、私の心根が生んだ幻想を」
桟敷川映鏡
「それが、昨日まで」
桟敷川映鏡
「我が妄執の道のりは色も香りもなく」
桟敷川映鏡
「ただ、胸に抱く時計が命ずるままに過去の亡霊として生きる私に」
桟敷川映鏡
「100年」
桟敷川映鏡
「……100年越しに台所の、食べ物の、出汁の、故郷のにおいがしました」
桟敷川映鏡
「それが、昨日から」
桟敷川映鏡
再び、一息。
桟敷川映鏡
「あの日、貴女が私の喉にナイフを突き立てていれば」
桟敷川映鏡
「それとも、ナイフを向けたから……」
桟敷川映鏡
「哀れな男の肩を食い千切って戻ってきたから……」
桟敷川映鏡
「そも、この国で生き抜いてきたが故に」
桟敷川映鏡
「貴女は私に、私は貴女に出会った」
桟敷川映鏡
「咲さん」
桟敷川映鏡
「私は弱い男です」
桟敷川映鏡
「貴女を愛していると、言うことがおそろしいのです」
匕首咲
「でも、言った」
桟敷川映鏡
「……返す言葉もありません」
匕首咲
映鏡の気まぐれな親切心を、心根が生んだ幻想を受け入れたのは。
匕首咲
自分に向けられた、ひとさじの情を感じたから。
恐怖に震えて拒絶するよりも、映鏡を信じるほうがいいと思った。
そのほうが、強者らしい振る舞いだった。
匕首咲
だから、拒めなかった。
別にこの狂人の心を受け入れるつもりなんて、まったく、全然なかった。
匕首咲
「お前のそれも、ただの勘違いだよ……」
匕首咲
「でも」
匕首咲
一歩、怪人に歩みを進める。
匕首咲
もう一歩、二歩、三歩。
赤マントの、青いマントの裾を掴む。
匕首咲
「全部、勘違いじゃなかったって、ことにしてもいい?」
桟敷川映鏡
掴まれた裾からしゅる、しゅると音を立てて。
青いマントが翼のように女のからだを包む。
桟敷川映鏡
内臓ひとつぶん軽くなったからだ。
肩を引き寄せる。
白い喉を白手袋の指先がつたう。
赤い裂け目のある輪郭をなぞる。
桟敷川映鏡
仮面を取り去って、一度だけ見つめ、
桟敷川映鏡
今はただ女の唇の形をしている、異形の頤に口づけた。
匕首咲
形だけ人の姿を残した唇に、怪人の唇が触れる。
匕首咲
全て勘違い。
自分勝手な思い込み。
気持ちの押しつけ。
ただの防衛本能。
目を逸らしたい事からの逃避。
匕首咲
心の疵をごまかすために、救いに見える形に縋っただけ。
匕首咲
でも、それは、確かにそこにあった。
匕首咲
怪人の首に、腕を回す。
今度は勘違いでも強がりでもなく、受け入れるために。
桟敷川映鏡
猟奇と才覚と愛が支配するこの救世主の世界で。
桟敷川映鏡
恋だけがここにない。
恋だけがここにある。
桟敷川映鏡
針の穴に糸を通すような、
その糸を縫い閉じて終わるような。
桟敷川映鏡
「咲さん」
桟敷川映鏡
唇が触れたまま名前を呼んだ。
匕首咲
「……なに?」
桟敷川映鏡
「貴女に逢えて佳かった」
桟敷川映鏡
「……ほんとうに」
匕首咲
「……あたしも」
匕首咲
「映鏡に会えて、よかった」
桟敷川映鏡
その言葉を自我に刻む。
鏡が映した像が焼き付くように。
桟敷川映鏡
怪人の手元が閃く。
疵によって研がれた布地が、女の首の裏を突いた。
桟敷川映鏡
頚椎の切断。
技量は充分。
眠らせるように。
なにせこのあとベッドに運ぶのだから。
匕首咲
抵抗もなく、女は怪人の胸に凭れた。
桟敷川映鏡
掬いあげるように抱き留める。
軽いからだを抱え、黒い窓の向こうへ声をかけた。
桟敷川映鏡
「奇跡はもう、十分」
桟敷川映鏡
「地獄の底まで連れてゆきます」
桟敷川映鏡
「私たちは一切の権利を放棄、裁判には参加いたしません」
桟敷川映鏡
「どうぞ、然るべき処遇を。儀式の見届け人」
桟敷川映鏡
眠っているような女を見つめながら自室へ歩いていく。
匕首咲
普通の女の子として生きてみたかった。
好きな人と家族になってみたかった。
自分の子供に会ってみたかった。
匕首咲
誰かに怯えたりすることもなく。
ただ、幸福な場所に行きたかった。
匕首咲
でも、幸福になるにはこの牙は鋭すぎる。
この刃は血を求めすぎる。
この心は強さを求めすぎる。
匕首咲
あのひとも、そう。
幸福になるには、歪みすぎている。
匕首咲
この恋はどこにも行き着かない。
匕首咲
でも。
匕首咲
手を引いてくれるのなら。
抱きかかえてくれるのなら。
連れて行ってくれるのなら。
匕首咲
きっと、地獄くらいは辿り着ける。

第3シーン:匕首咲

第4シーン:マキナ