プロローグ
メイド1
「第1回戦を勝ち抜きましたのは、1号室、3号室、6号室、8号室でございます」
メイド8
「8ペアから4ペアとなりました。次なる戦いにより、その数は更に半分、2ペアとなります」
登場-1号室
GM
押し開けるのは兎耳のメイド。仮面を被り、剣を携えている。
メイド1
「私が仕えますのは、客室1号室の救世主」
GM
湧き上がる歓声の中、2人は真っ直ぐ、中庭へと歩く。
桟敷川映鏡
霧 ── 前回と同じもの。
会場をやわらかく包んでいく。
桟敷川映鏡
奇術師は軍靴の音を響かせて入場する。
パートナーの手を引いて。
匕首咲
奇術師に手を引かれ、ドレスの女が歩み出る。
桟敷川映鏡
パートナーを抱え上げて水槽に招き入れる。
桟敷川映鏡
パートナーが水槽に入れば、指を鳴らした。
桟敷川映鏡
鎖が彼女を拘束し、あっという間に水が水槽を満たしていく。
桟敷川映鏡
数秒もすれば水は彼女の顔まで覆うだろう。
noname
突如、中庭にナイフが飛ぶ。
ばりん、という大きな音と共に、ナイフは水槽のガラスを破壊し、その水を周囲にぶちまけた。
桟敷川映鏡
「御観覧有難うございました。お楽しみいただけましたでしょうか、私どものショーを!」
桟敷川映鏡
「どうぞ今一度、素晴らしき助手に盛大な拍手を賜りたく思います」
登場-8号室
メイド8
「私が仕えますのは、客室8号室の救世主」
GM
湧き上がる────一層湧き上がっている喝采の中、2人は真っ直ぐ、中庭へと歩く。
小鴨 チカ
ぱちぱちぱちぱち。思わず拍手しちゃう。
小鴨 チカ
気持ち的には「わぁー」というより「うげぇー」という感じだ。
小鴨 チカ
「すげー。ちくっしょう。魅せてくれるよなあ」
小鴨 チカ
観客席から出てくるかあ。そっかぁ……。
小鴨 チカ
そういう開始前から……そういう、そういう事する?
小鴨 チカ
完全に持ってかれたじゃん。ふざけ。マジかよぉ~。
小鴨 チカ
ぎんぢょーずるぅ。おなか痛すぎ。うんこ漏れそう。漏らしていいか?
マキナ
「これで皆さん向こうに賭けちゃいますかねえ」
小鴨 チカ
ストレスで体がその、重いんですけど。日取り替えて再調整って感じになりませんか?
小鴨 チカ
「えーとぉ……」とりあえず挨拶を、挨拶をしますよ。
小鴨 チカ
「えー前回はその……ね、えと、ぼくらに、えー……」
マキナ
「チカくん気合い入れて入れて~」背中を叩く。
小鴨 チカ
「賭けた人って……えっと……少ないと思っててぇ」客席ー。聴こえてるかー。お前らに言ってんぞー。
小鴨 チカ
「まあね、えと……損こいた方はざまあみろなんですけど」
小鴨 チカ
「それでもまだ、羨ましい寄りだよね。賭けられる方も、賭けるモノも選べてさ」
小鴨 チカ
「こちとらオッズ低い方に全部賭けるしかねーんだぞ!クソが!」
小鴨 チカ
「あっちのお姉さんの方と、料理作ったんしょ?」
マキナ
「マキナはそういうの結構大丈夫な方なのです」
マキナ
むしろ咲さんが気にしてくれるといいんだけどなあ。
小鴨 チカ
「えーと。えーとね?」さじき川(どういう字書くんだ?)さんと、匕首さんに。
小鴨 チカ
「前回のぼくらの闘い、見てもらえたならアレなんですけど」
小鴨 チカ
「初心者なんで、手加減してほしいなあ……なんて……」
マキナ
「友達のよしみで~サービスしてもらえたりしません?」
匕首咲
「相手が誰だろうと、ここで会ったからには敵同士だ。手加減はない」
小鴨 チカ
「……こういう事言いたくねーんだけど」
小鴨 チカ
「いや、マジで言いたくねーな。どうしよう」
小鴨 チカ
ここまで言ったら言うしかねえけどよー。
小鴨 チカ
「……前回、とどめ、めっちゃ手こずりまして」
小鴨 チカ
「ヤバそうだったら、はやめーに諦めてもらわないとですね……」
小鴨 チカ
なんか言ったこっちの方がダメージ受けてません?
匕首咲
「壮絶な苦しみ、怖いな~。
なぁ映鏡、どうしたらいいかな?
あたし怖くてお茶会で何するか分かんないや」
小鴨 チカ
「やめてくれ~……」アレを見せられた後だとシャレになんねー。
匕首咲
「お茶会ってどこまでOKなんだっけ?
コインの力で回復するから、そこそこ無茶やってもイケるよな~」
桟敷川映鏡
「どうぞお好きになさいませ。すべて貴女のお望みのままに」
小鴨 チカ
血なまぐさいのは嫌だなあ。お茶会、ただの和やかなお茶会にしませんか?
マキナ
「……大丈夫ですよチカくん、マキナがちゃんと治してあげますからねぇ」
匕首咲
「マキナとお茶会するときは、スコーンとか作っておくね♡」
マキナ
「わぁ、ぜひ咲さんのスコーンいただきたいです❤」
小鴨 チカ
「ツーブロック仲間じゃん……仲良くしようよ……」
小鴨 チカ
「ピアスも似合ってるな~!いいと思うなあ!」
匕首咲
「お前を丸刈りにしてハブってもいいんだぞ?」
桟敷川映鏡
「ま、儀式の許す限り正々堂々といきましょう」
儀式開始
メイド8
「第1回戦が終了し、救世主は6ペンスコインを10枚勝ち取り20枚に。いずれも、所謂脅威度2相当の救世主としての力を得ました」
メイド1
「第2試合も引き続き、24時間のお茶会時間の後に、再びこの中庭へ集まり、裁判を執り行います」
メイド1
「お茶会を助けるために、救世主らにはそれぞれ、2通の招待状を渡します」
GM
それぞれのメイドは救世主ひとりひとりに2通の封筒を手渡す。
メイド8
「また、この館で見いだした品々は、ご自由にお使いください」
メイド8
「この儀式の裁判は、特別なルールがございます」
メイド1
「両方が昏倒した場合は勿論、ペアの片方でも死亡、亡者化した場合、そこで即刻敗北となります」
メイド8
「また発狂した救世主は、裁判後に亡者と化すリスクが知られていますが……」
メイド1
「儀式の効力により、その亡者化を敗者に押しつけることが出来ます」
メイド8
「……存分に形勢を逆転し、お狂い遊ばしませ」
メイド1
「それでは、客室1号室、桟敷川 映鏡様、匕首 咲様」