メイド1
＊
＊
プロローグ
メイド1
中庭にはメイドが２人立っている。
中庭にはメイドが２人立っている。
メイド1
「第１回戦を勝ち抜きましたのは、1号室、３号室、６号室、８号室でございます」
「第１回戦を勝ち抜きましたのは、1号室、３号室、６号室、８号室でございます」
メイド8
「８ペアから４ペアとなりました。次なる戦いにより、その数は更に半分、２ペアとなります」
「８ペアから４ペアとなりました。次なる戦いにより、その数は更に半分、２ペアとなります」
メイド1
「それでは、第二回戦を始めます」
「それでは、第二回戦を始めます」
登場-3号室
メイド3
重たい両開きの扉が開く。
重たい両開きの扉が開く。
メイド3
押し開けるのは兎耳のメイド。仮面を被り、剣を携えている。
押し開けるのは兎耳のメイド。仮面を被り、剣を携えている。
メイド3
彼女は真っ直ぐ中庭へと歩く。
彼女は真っ直ぐ中庭へと歩く。
メイド3
「私が仕えますのは、客室３号室の救世主」
「私が仕えますのは、客室３号室の救世主」
メイド3
開かれた扉の奥に、２人の姿が現れる。
開かれた扉の奥に、２人の姿が現れる。
メイド3
「鏡のアリシア様、女王のミラリア様」
「鏡のアリシア様、女王のミラリア様」
メイド3
湧き上がる歓声の中、２人は真っ直ぐ、中庭へと歩く。
湧き上がる歓声の中、２人は真っ直ぐ、中庭へと歩く。
ミラリア
カツ！
カツ！
ミラリア
鉄靴の足音が鳴り響く。幕を切る甲高い音が。
鉄靴の足音が鳴り響く。幕を切る甲高い音が。
アリシア
その対となるように、鏡も歩を踊らせる。
その対となるように、鏡も歩を踊らせる。
ミラリア
「フン……」
「フン……」
ミラリア
観客の方を向くことはなく、堂々真っ直ぐ中庭まで歩きゆく。
観客の方を向くことはなく、堂々真っ直ぐ中庭まで歩きゆく。
ミラリア
代わりに──"見せつける"ように。
首無しの敗者の葬列を、後ろに並ばせて。
代わりに──"見せつける"ように。
首無しの敗者の葬列を、後ろに並ばせて。
ミラリア
本来あるべきものがない、三人。
敗北とともに尊厳を奪われ、そのうえで尚使役される。
本来あるべきものがない、三人。
敗北とともに尊厳を奪われ、そのうえで尚使役される。
ミラリア
その運命を、真実を、誇示するように。
その運命を、真実を、誇示するように。
ミラリア
「………わたしの、真実を汚す者。真実を謗る者。その末路は唯一つだ」
「………わたしの、真実を汚す者。真実を謗る者。その末路は唯一つだ」
ミラリア
「覚えておくがいい」
「覚えておくがいい」
アリシア
「…………」
「…………」
アリシア
「……と、いうわけでございます～！
わ～わ～！ 素晴らしい口上～！」
手を叩く。
「……と、いうわけでございます～！
わ～わ～！ 素晴らしい口上～！」
手を叩く。
アリシア
「この偉大なる女王様に盾突き、
尊き願い事の邪魔をする方は、いったいどのような方なのでしょう～
ぜひともそのお顔を、見せていただきたいですねぇ～！」
「この偉大なる女王様に盾突き、
尊き願い事の邪魔をする方は、いったいどのような方なのでしょう～
ぜひともそのお顔を、見せていただきたいですねぇ～！」
登場-6号室
メイド6
次いで、同じ装いのメイドが現れる。
次いで、同じ装いのメイドが現れる。
メイド6
彼女は真っ直ぐ中庭へと歩く。
彼女は真っ直ぐ中庭へと歩く。
メイド6
「私が仕えますのは、客室６号室の救世主」
「私が仕えますのは、客室６号室の救世主」
メイド6
開かれた扉の奥に、２人の姿が現れる。
開かれた扉の奥に、２人の姿が現れる。
メイド6
「トイトロール様、ティモフェイ様」
「トイトロール様、ティモフェイ様」
メイド6
湧き上がる喝采の中、２人は真っ直ぐ、中庭へと歩く。
湧き上がる喝采の中、２人は真っ直ぐ、中庭へと歩く。
ティモフェイ
対に現れた女王と鏡とは逆に、
対に現れた女王と鏡とは逆に、
ティモフェイ
こちらはまずティモフェイがひとり歩を進める。
こちらはまずティモフェイがひとり歩を進める。
ティモフェイ
薄汚れたマントを風にゆるがし、堕落の国でさえありふれた靴で中庭の地を踏みしめ、
薄汚れたマントを風にゆるがし、堕落の国でさえありふれた靴で中庭の地を踏みしめ、
ティモフェイ
女王と同じくして観客を振り返らず。
女王と同じくして観客を振り返らず。
ティモフェイ
やがて足を止めると、向かいの対戦者をぼんやりと見つめた。
やがて足を止めると、向かいの対戦者をぼんやりと見つめた。
ティモフェイ
「……別に」
「……別に」
ティモフェイ
「きみたちの”真実”とやらに、異論を唱えるつもりはないが」
「きみたちの”真実”とやらに、異論を唱えるつもりはないが」
ティモフェイ
供はない。
供はない。
ティモフェイ
特別なパフォーマンスもない。
特別なパフォーマンスもない。
ティモフェイ
”救済”を宣言することももはやなく、
”救済”を宣言することももはやなく、
ティモフェイ
華やかで目を惹き、観客を盛り上げるような、何もかもからは一切無縁でいる。
華やかで目を惹き、観客を盛り上げるような、何もかもからは一切無縁でいる。
ティモフェイ
しかし。
しかし。
ティモフェイ
その頬は今日は腫れていない。
その頬は今日は腫れていない。
ティモフェイ
「まあ、そうもいかないか」
「まあ、そうもいかないか」
ティモフェイ
「きみの前に立ちふさがるものは」
「きみの前に立ちふさがるものは」
ティモフェイ
「おおむね、きみの神経を逆撫でする結果になるのだろうし」
「おおむね、きみの神経を逆撫でする結果になるのだろうし」
ティモフェイ
一回戦にあった殴打のあとは失せ、されど褪せた瞳のいろも腑抜けの表情も変わらぬまま、
一回戦にあった殴打のあとは失せ、されど褪せた瞳のいろも腑抜けの表情も変わらぬまま、
ティモフェイ
「あの男に見せたような癇癪は、もはやあまり期待できそうにはないが――」
「あの男に見せたような癇癪は、もはやあまり期待できそうにはないが――」
ティモフェイ
「…………」
「…………」
ティモフェイ
「いや」
「いや」
ティモフェイ
「どうだろうな……」
「どうだろうな……」
ティモフェイ
向かいの対戦者からは興味を失ったように。
向かいの対戦者からは興味を失ったように。
ティモフェイ
何かを案じるような口ぶりで、視線を背後へと巡らせた。
何かを案じるような口ぶりで、視線を背後へと巡らせた。
トイ.
トッ トッ トッ トッ
トッ トッ トッ トッ
トイ.
遅れを取り戻そうと駆け足で、ティモフェイの首輪から伸びる鎖を持っていた、もう一人の男。
遅れを取り戻そうと駆け足で、ティモフェイの首輪から伸びる鎖を持っていた、もう一人の男。
トイ.
1回戦の時の威勢のよさはどこへやら、みちびかれるようにヨタヨタと。
1回戦の時の威勢のよさはどこへやら、みちびかれるようにヨタヨタと。
ティモフェイ
そのさまを見ている。
そのさまを見ている。
ティモフェイ
手を差し出しすらしない。
手を差し出しすらしない。
トイ.
「……は」
「……は」
トイ.
「……は…………」
「……は…………」
ティモフェイ
「？」
「？」
トイ.
「はーーーっくしょい！！」
「はーーーっくしょい！！」
ティモフェイ
ぱち、と瞬き。
ぱち、と瞬き。
トイ.
風邪ひいた――――！！
風邪ひいた――――！！
ティモフェイ
「…………」
「…………」
トイ.
トイトロールは心の疵の力のコントロールが下手な救世主である。
トイトロールは心の疵の力のコントロールが下手な救世主である。
トイ.
故にだだもれになった冬を常に纏っている。
故にだだもれになった冬を常に纏っている。
トイ.
1回戦で出力を上げ過ぎて、戻し方がわからなくなったとか、
同室の男との緊張関係もあいもかわらず、
次の相手、二つ同じ顔の並ぶふたり。それをおもうとみるみると…
６号室に立ち込める冷気の中、具合が悪くなって…
…
1回戦で出力を上げ過ぎて、戻し方がわからなくなったとか、
同室の男との緊張関係もあいもかわらず、
次の相手、二つ同じ顔の並ぶふたり。それをおもうとみるみると…
６号室に立ち込める冷気の中、具合が悪くなって…
…
トイ.
お茶会までに、コンディションを整えること叶わなかった…！
お茶会までに、コンディションを整えること叶わなかった…！
トイ.
「……げーほげほげほ！ゴホッ」
平時より汚い声はさらに汚く。
「……げーほげほげほ！ゴホッ」
平時より汚い声はさらに汚く。
トイ.
「…オレ‶だっで…」
「…オレ‶だっで…」
トイ.
「…オレ‶だって…こ…こんな風邪さえ引いてなきゃ…パフォーマンス出来た…っ…！…」
「…オレ‶だって…こ…こんな風邪さえ引いてなきゃ…パフォーマンス出来た…っ…！…」
ティモフェイ
「したかったのか」
「したかったのか」
ティモフェイ
前回派手にやったろうに、と言外に。
前回派手にやったろうに、と言外に。
トイ.
うなずいたようだが。あれ、やっぱり咳だろうか…？
うなずいたようだが。あれ、やっぱり咳だろうか…？
トイ.
「ゲーーホゲホゲホ！ゴホッ ォェッ！」
「ゲーーホゲホゲホ！ゴホッ ォェッ！」
ティモフェイ
「…………」
「…………」
トイ.
頭痛い。目がばきばき。鼻も詰まってぼんやり。早く部屋で寝たい！でも部屋も寒い。
頭痛い。目がばきばき。鼻も詰まってぼんやり。早く部屋で寝たい！でも部屋も寒い。
ティモフェイ
「まあ」
「まあ」
ティモフェイ
「決戦にでもとっておけ」
「決戦にでもとっておけ」
ティモフェイ
慰めるでもなく淡々とそう声をかけて、改めて向かいの決闘者へと目を戻した。
慰めるでもなく淡々とそう声をかけて、改めて向かいの決闘者へと目を戻した。
儀式開始
メイド1
「第１回戦が終了し、救世主は６ペンスコインを１０枚勝ち取り２０枚に。いずれも、脅威度２相当の救世主としての力を得ました」
「第１回戦が終了し、救世主は６ペンスコインを１０枚勝ち取り２０枚に。いずれも、脅威度２相当の救世主としての力を得ました」
メイド8
「第２試合も引き続き、２４時間のお茶会時間の後に、再びこの中庭へ集まり、裁判を執り行います」
「第２試合も引き続き、２４時間のお茶会時間の後に、再びこの中庭へ集まり、裁判を執り行います」
メイド1
「お茶会を助けるために、救世主らにはそれぞれ、２通の招待状を渡します」
「お茶会を助けるために、救世主らにはそれぞれ、２通の招待状を渡します」
メイド8
それぞれのメイドは救世主ひとりひとりに２通の封筒を手渡す。
それぞれのメイドは救世主ひとりひとりに２通の封筒を手渡す。
ミラリア
「………」受け取る。
「………」受け取る。
ティモフェイ
慣れた様子で二人分を受け取っています。
慣れた様子で二人分を受け取っています。
アリシア
うけとりま～す
うけとりま～す
トイ.
ティモフェイくんにおまかせし…
ティモフェイくんにおまかせし…
トイ.
メイドの話を聞こえているのかいないのか、ぼんやり…
メイドの話を聞こえているのかいないのか、ぼんやり…
トイ.
（あたまいたい…あたまいたい…）
（あたまいたい…あたまいたい…）
アリシア
「おやおやぁ～、そちらの方は随分調子が悪い様子……」
「おやおやぁ～、そちらの方は随分調子が悪い様子……」
ティモフェイ
懐に封筒をしまいながら、アリシアを見ます。
懐に封筒をしまいながら、アリシアを見ます。
トイ.
「あ‶」
「あ‶」
アリシア
「健康を鑑みて……ここはひとつ……
棄権されてみるというのはどうでしょう」
神妙な声。
「健康を鑑みて……ここはひとつ……
棄権されてみるというのはどうでしょう」
神妙な声。
トイ.
アリシアを見て…
アリシアを見て…
トイ.
（先日読み聞かせを聞いた童話の鏡…）
（先日読み聞かせを聞いた童話の鏡…）
トイ.
「…鏡よ鏡…」
「…鏡よ鏡…」
ティモフェイ
あっ。
あっ。
トイ.
「オレ‶今 何度何分？」
「オレ‶今 何度何分？」
アリシア
勝手に決めちゃっていいのか！？
勝手に決めちゃっていいのか！？
アリシア
「はっ、37.4度にございます～」
「はっ、37.4度にございます～」
ティモフェイ
「思いの外微熱だな……」
「思いの外微熱だな……」
トイ.
「オレの平熱は34度だよ！」
「オレの平熱は34度だよ！」
ティモフェイ
道理で冷たいと思った……
道理で冷たいと思った……
トイ.
「うわーーーん！」
「うわーーーん！」
ミラリア
「……はあ……」ため息一つ。
「……はあ……」ため息一つ。
ティモフェイ
相手の疵を探し当てていい気になっていた相方が、今は勢いよく相手に疵を晒している。
相手の疵を探し当てていい気になっていた相方が、今は勢いよく相手に疵を晒している。
ティモフェイ
そういうこともあるな……と諦めたように真顔でトイトロールを見守っていましたが。
そういうこともあるな……と諦めたように真顔でトイトロールを見守っていましたが。
ミラリア
「本当に棄権したらどうだ？色々とほざいてくれていたが、わたしはここで逃げる相手の背を蹴ることはしない。寛容だからな」
「本当に棄権したらどうだ？色々とほざいてくれていたが、わたしはここで逃げる相手の背を蹴ることはしない。寛容だからな」
ミラリア
「それとも、その状態で勝つと？」
「それとも、その状態で勝つと？」
アリシア
「まあ～～～！ 女王様、なんと心が広い！
アリシア、感服してしまいました！」
「まあ～～～！ 女王様、なんと心が広い！
アリシア、感服してしまいました！」
トイ.
「…………………………
………………ゲホッ…」
「…………………………
………………ゲホッ…」
ティモフェイ
「まあ」
「まあ」
ティモフェイ
肩をすくめる。
肩をすくめる。
トイ.
「……………ゲホ……………」
「……………ゲホ……………」
ティモフェイ
「これも含め、番狂わせがあるのが今回の儀式だろう」
「これも含め、番狂わせがあるのが今回の儀式だろう」
トイ.
頭が回らない。反論が思いつかない。
頭が回らない。反論が思いつかない。
ティモフェイ
「Bホールの戦い」
「Bホールの戦い」
ティモフェイ
「4号室と8号室の顛末を見たのであれば、理解できるのでは？」
「4号室と8号室の顛末を見たのであれば、理解できるのでは？」
トイ.
そうだティモフェイいってやれ！って感じで軽く背を小突いた。
そうだティモフェイいってやれ！って感じで軽く背を小突いた。
アリシア
「ほぉ～～～～！」
「ほぉ～～～～！」
アリシア
「聞きましたか女王様！
なかなか挑戦的な態度でございますよ！」
「聞きましたか女王様！
なかなか挑戦的な態度でございますよ！」
ティモフェイ
思いの外強く小突かれたので少し身体が前に傾ぎました。
思いの外強く小突かれたので少し身体が前に傾ぎました。
ミラリア
「よくもまあ気丈に口が回るものだ。あの時の8号室と同程度に不利であるとは、自覚しておきながら……」
「よくもまあ気丈に口が回るものだ。あの時の8号室と同程度に不利であるとは、自覚しておきながら……」
ティモフェイ
「棄権して得られるものがあるなら、そのようにするがね」
「棄権して得られるものがあるなら、そのようにするがね」
ティモフェイ
「待ち受けるものは死以外にない」
「待ち受けるものは死以外にない」
ティモフェイ
「その温情は聞けんよ、麗しき女王」
「その温情は聞けんよ、麗しき女王」
トイ.
――そうだ。一定にする以前の6ペンスコインの数。
――そうだ。一定にする以前の6ペンスコインの数。
トイ.
それは、3号室の二人…女王と鏡の方がはるかに上回っている。
それは、3号室の二人…女王と鏡の方がはるかに上回っている。
トイ.
だけど、だからこそ。
だけど、だからこそ。
トイ.
本来の力量の差、積み上げたものを埋められる
本来の力量の差、積み上げたものを埋められる
トイ.
『オールドメイドゲーム』が齎したチャンスでもある。
『オールドメイドゲーム』が齎したチャンスでもある。
ミラリア
「フン。わたしは寛大だ。節度を見せるのであれば、一番になった後に慈悲をくれてやってもよかったが……」
「フン。わたしは寛大だ。節度を見せるのであれば、一番になった後に慈悲をくれてやってもよかったが……」
ミラリア
「ならば構わん。」
「ならば構わん。」
トイ.
聞こえないほどの小声。
「こども捨てたくせに」
聞こえないほどの小声。
「こども捨てたくせに」
トイ.
「寛大だってよ」
「寛大だってよ」
トイ.
童話の通りなら。
童話の通りなら。
ティモフェイ
これが隣にいる時点で多分無理だろうな、と思っていた。
これが隣にいる時点で多分無理だろうな、と思っていた。
ティモフェイ
思っていたし、事実今そうなっているな、と思っています。
思っていたし、事実今そうなっているな、と思っています。
ミラリア
「…… …… …………」睨みと沈黙。聞こえなかったようではあるが。
「…… …… …………」睨みと沈黙。聞こえなかったようではあるが。
アリシア
「まあ、鏡のほうは実のところ別に寛大ではないので……」
「まあ、鏡のほうは実のところ別に寛大ではないので……」
アリシア
「単に、戦って負ける可能性をなくしたかっただけなんですけどね～！」
「単に、戦って負ける可能性をなくしたかっただけなんですけどね～！」
ティモフェイ
「鏡」
「鏡」
ティモフェイ
「そちらの女王が寛大なのは」
「そちらの女王が寛大なのは」
ティモフェイ
「実際のところ、真実なのかね」
「実際のところ、真実なのかね」
ティモフェイ
興味本位で訊きます。
興味本位で訊きます。
ミラリア
「……余計な……」一言を咎めようとした時に。
「……余計な……」一言を咎めようとした時に。
アリシア
「はい、とっても寛大でございますよ～！」
間髪をいれず答える。
「はい、とっても寛大でございますよ～！」
間髪をいれず答える。
ミラリア
「………」少しの沈黙の後、「…………」当然だ。という顔をした。
「………」少しの沈黙の後、「…………」当然だ。という顔をした。
アリシア
「無用な殺めはいたしませんし……
なにより、アリシアのような卑しき鏡を重用してくださいます！」
「無用な殺めはいたしませんし……
なにより、アリシアのような卑しき鏡を重用してくださいます！」
ティモフェイ
「なるほど」
「なるほど」
アリシア
「これが寛大でなくて、なんと形容するのでしょう？」
「これが寛大でなくて、なんと形容するのでしょう？」
ティモフェイ
「心に留めておこう」
「心に留めておこう」
トイ.
「……？」
「……？」
トイ.
卑しいか？なんでも真実に答えられる鏡。
卑しいか？なんでも真実に答えられる鏡。
トイ.
オレも遊び相手に欲しい…
オレも遊び相手に欲しい…
メイド1
「えー、こほん。また、この館で見いだした品々は、ご自由にお使いください」
「えー、こほん。また、この館で見いだした品々は、ご自由にお使いください」
メイド8
「この儀式の裁判は、特別なルールがございます」
「この儀式の裁判は、特別なルールがございます」
メイド1
「両方が昏倒した場合は勿論、ペアの片方でも死亡、亡者化した場合、そこで即刻敗北となります」
「両方が昏倒した場合は勿論、ペアの片方でも死亡、亡者化した場合、そこで即刻敗北となります」
メイド8
「また発狂した救世主は、裁判後に亡者と化すリスクが知られていますが」
「また発狂した救世主は、裁判後に亡者と化すリスクが知られていますが」
メイド1
「儀式の効力により、その亡者化を敗者に押しつけることが出来ます」
「儀式の効力により、その亡者化を敗者に押しつけることが出来ます」
メイド8
「存分に形勢を逆転し、お狂い遊ばせませ」
「存分に形勢を逆転し、お狂い遊ばせませ」
メイド3
「それでは、客室３号室、鏡のアリシア様、女王のミラリア様と」
「それでは、客室３号室、鏡のアリシア様、女王のミラリア様と」
メイド6
「客室６号室、トイトロール様、ティモフェイ様の」
「客室６号室、トイトロール様、ティモフェイ様の」
メイド6
「「お茶会を開始いたします」」
「「お茶会を開始いたします」」