裁判
GM
今回の部屋付きのメイドはおらず、6人のメイドが横並びで立つ。
GM
部屋付き──1号室と7号室のメイドは、今ここに相まみえる救世主達の部屋を掃除している。
メイド2
「24時間が経過し、お茶会の時間が終了しました」
メイド4
「これより裁判となりますが、ご準備はよろしいでしょうか」
メイド5
「ご衣裳、小道具をお持ちの方、ご確認いただきませ」
GM
メイドは、中庭に並ぶ救世主達にそう投げかける。
アーユス
中庭に向かって歩きながら子夏の方を向いて笑う。
アーユス
何かを言うために振り向いて指まで指したはずなのに、何故か少しばかり迷って一瞬視線を伏せてから――上げた。
子夏
俯いて顔を覆っていた男は、あなたに笑顔を向けた。
子夏
先程のことがなかったかのような顔で、自分とあなたの血にまみれて立っている。
アーユス
「俺が死んだ時もそのツラで笑ってたらぶん殴るからな。」
アーユス
ごくごく軽い調子で笑うその様子は、
とても今から殺し合いの場に行く人間の表情ではなかった
アーユス
へらへらと笑って鉄パイプを担いで――子夏に歩みを合わせるでもなく、勝手にひとりで戦場へ向かう。
子夏
「あなたが死んだ時は、僕も死ぬ時ですからね」
GM
────そうしたやりとりを経て、7号室の二人はここに立っている。
桟敷川映鏡
帽子に手を突っ込み、色とりどりのハンカチを取り出す。
桟敷川映鏡
いくつか取り出したあと、金色に光る時計を取り出す。
匕首咲
「おー」
ハンカチと時計が出てきて、素直に驚いている。
匕首咲
「あいつら、っていうか、あの狂犬には恨みがあるからぜってーぶっ殺す」
アーユス
「ワンワン!」咲に向かってふざけて吠える。
子夏
手品にいつもならば拍手をするところだが、背の後ろに腕を回してにこにこ微笑んでいる。
アーユス
中庭に立つアーユスは肩に鉄パイプを担ぎ、両腕をブラブラと引っ掛けてニヤついていた。
アーユス
入場時ほどの騒がしさはないものの、代わりに深刻なほどのヒリついた空気を笑顔に纏っていた。
匕首咲
ナイフの峰で、肩をとんとんと叩く。
「いいか、当たり前のことを言ってやる」
アーユス
「地獄はオメーラが先に行って、俺を出迎えるお茶会を準備してな。」
子夏
「意外といいところですからおすすめですよ!」
桟敷川映鏡
「それは是非先立って案内してもらいたいものです」
子夏
ぱっと腕を広げて、何も持っていない両手を背中の後ろから出した。それだけだ。
匕首咲
ふと、賽の河原の話を思い出す。
親より先に死んだ子はどこにも行けない。
子を産めない女は、何かあっただろうか。
少しだけ、そんなことを思った。
子夏
1d6+3+2+1 才覚+日刻みの時計+着慣れた衣裳
DiceBot : (1D6+3+2+1) > 5[5]+3+2+1 > 11
アーユス
1d6+2
DiceBot : (1D6+2) > 2[2]+2 > 4
桟敷川映鏡
1d6+2+1 日刻みの時計+着慣れた衣裳
DiceBot : (1D6+2+1) > 3[3]+2+1 > 6
匕首咲
1D6
DiceBot : (1D6) > 6
桟敷川映鏡
1d6+3
DiceBot : (1D6+3) > 3[3]+3 > 6
匕首咲
1D6
DiceBot : (1D6) > 2
子夏
2d6+3+1+1=>7 判定:才覚+万能+多彩な凶器
DiceBot : (2D6+3+1+1>=7) > 3[1,2]+3+1+1 > 8 > 成功
子夏
はじめは静かに、やがて雲もないのにごろごろと雷の音。
子夏
仮面の男に視線を向けた。口元には笑みがぱっと笑みが浮かぶ。
桟敷川映鏡
自身の懐を漁る。舌打ち。視線をへらへら笑いの男へ向けた。
桟敷川映鏡
*c9 鋭気を使用します。続いてh5で乱打を使用します。対象はアーユス。
子夏
1d6
DiceBot : (1D6) > 6
子夏
2d6+3+1+1+6=>7 判定:才覚+万能+多彩な凶器
DiceBot : (2D6+3+1+1+6>=7) > 7[1,6]+3+1+1+6 > 18 > 成功
桟敷川映鏡
2d6+3
DiceBot : (2D6+3) > 6[3,3]+3 > 9
子夏
最初の目論見を外されて、あなたが選ぶのは次善の手。
桟敷川映鏡
蝶のように飛んだハンカチが落とされる。
子夏
「何もしないまま死んだら、お客さんもがっかりするでしょ?」
匕首咲
* hQ刹那を使用します。対象はアーユス。
匕首咲
2D6+3
DiceBot : (2D6+3) > 2[1,1]+3 > 5
[ 匕首咲 ] 弱者の肉 : 0 → -1
子夏
「!」仮面の男の攻撃を防いだ視線が、女の方を追う。
匕首咲
1d6+2+1+2+2
DiceBot : (1D6+2+1+2+2) > 5[5]+2+1+2+2 > 12
匕首咲
コートの裏に留めたナイフを抜く。
すう、と息を吸って、止める。
世界の全ての動きが緩慢になる感覚。
匕首咲
今から抉るのは、弱者の肉。
決して強者にはなれない、虐げられ、搾取され、全てを奪われる肉。
強者に歯向かうことすらできない弱き者。
匕首咲
駆ける。
靴裏は地を掴み、遠くへ追いやる。
体が、全身の肉が歓喜に震える。
匕首咲
じわり、と下腹部が熱くなる。
あ、血が出たかもな、と思ったが、それも興奮に追いやられる。
匕首咲
逆手に持ち直したナイフを、アーユスの肋骨の隙間に差し入れる。
先程散々いたぶったアーユスの内臓を守る骨。その合間に、針に糸を通すように。
[ アーユス ] HP : 17 → 5
匕首咲
差し込まれたナイフの柄を拳で叩く。
ナイフは肺を裂き、柄は骨を砕いた。
アーユス
「ハハハハハ、ハハハハハ!」
裂かれ打たれ、青あざまみれの顔で血を吐きながら獰猛に笑う。
アーユス
無闇に笑う事で肺から登った血が唇を乱暴に濡らす。
「どうした!こんなもんか!来いよズベ公!楽しもうぜ!!」
アーユス
1d6
DiceBot : (1D6) > 1
アーユス
2d6+3>=7
DiceBot : (2D6+3>=7) > 9[5,4]+3 > 12 > 成功
アーユス
1d6+2+2+1
DiceBot : (1D6+2+2+1) > 5[5]+2+2+1 > 10
アーユス
鉄パイプを振り回し、咲に振り下ろす。振り下ろす。振り下ろす!
匕首咲
ナイフをさらに刳り込もうとするが、鉄パイプが振り下ろされる。逃げるかどうか迷う前に次の一撃。骨が悲鳴を上げる。
[ 匕首咲 ] HP : 17 → 8
子夏
乾いてこびりついた血を払い落としながら、再び中庭を睥睨する。
アーユス
致命傷である傷を、救世主であることで立ちつづけている。
匕首咲
左腕を軽くぷらぷらと揺らす。
折れている、かもしれない。わからない。
痛くはない。動く。
なら、それで十分。
匕首咲
* Joker,d10,dK,cA(sA)
GM
血が流れ、観客が湧く中、2巡目の行動が始まる。
子夏
沈黙している。笑みを浮かべないまま、指先を女の方へ。
匕首咲
「見りゃ分かるってんだよ!目ン玉付いてんのか!」
子夏
2d6+3+1+1=>7 判定:才覚+万能+多彩な凶器
DiceBot : (2D6+3+1+1>=7) > 7[4,3]+3+1+1 > 12 > 成功
アーユス
「教えてやったんだ!人の親切受け入れろやァ~!!」
子夏
戦場を動かそうとするように、足元を渦巻く風が吹く。
子夏
血塗れのアーユスの方を向いたが、またすぐに戻った。
桟敷川映鏡
*h9 鋭気を使用 dJ 刹那を使用。
対象はアーユス。
桟敷川映鏡
2d6+3
DiceBot : (2D6+3) > 2[1,1]+3 > 5
桟敷川映鏡
*心の疵『大きな失敗』を抉ります。
出目1を6に変更。
桟敷川映鏡
その二文字だけで脳裏に過る、自身すら忘れてしまったあの失敗。
桟敷川映鏡
それだけで簡単に疵は開く。
こんなこと、本来だったらなかった
GM
逆転によりファンブルが阻止され、刹那の判定が成功。
桟敷川映鏡
軍靴を踏み込む音。紙吹雪と共に青いマント姿が掻き消える。
桟敷川映鏡
銀のステッキの先端、狙いは男の肋骨の隙間。
桟敷川映鏡
1d6+2+2+2+3 威力+看破+逆鱗+鋭気
DiceBot : (1D6+2+2+2+3) > 3[3]+2+2+2+3 > 12
[ アーユス ] HP : 5 → 0
アーユス
2d6+1
DiceBot : (2D6+1) > 4[3,1]+1 > 5
子夏
目をつぶって、何かを堪えるように縮こまっている。
アーユス
滑り落ちた鉄パイプがからからと乾いた音を立てる。
アーユス
意識が流れ、こぼれ落ちていく。立ち上がらなければいけないのだが。
アーユス
一人で戦うのだから、自分が倒れてしまえば
子夏
頭を抱えて、怯えるように立ち尽くす男が残った。
匕首咲
「はぁ~」
とんとん、とナイフの峰で肩を叩く。
匕首咲
地に伏せる強姦魔を見下ろす。
「でっかい口叩いた割には、あっけなかったなァ」
子夏
その言葉に、びくりと肩を跳ねさせて倒れた仲間の方を見た。
子夏
ようやく、攻防が終わったことに気が付いて、ハッとした顔になる。
子夏
生半な攻撃であれば、防ぐことはいくらでもできたはずだ。
アーユス
悪態を返すことはない。蹴られるがままだ。
子夏
止めてどうする? 殺し合っている相手に懇願するのか?
匕首咲
猫が捕まえた獲物を弄ぶように、動かないアーユスの体を足蹴にする。
匕首咲
「つっまんね~男だったな~。
そう思わない?子夏セーンセ」
俯いた男の方を、振り返る。
子夏
饒舌も笑みももはやなく、男は俯いて、あなたたちの方を見ないようにしている。
匕首咲
「センセ、お手紙読んでくれたみたいで嬉しかったよ」
にこ、と微笑む。
「話が通じる人でよかった」
子夏
あの手紙を読んで、恐ろしくて、とてもすぐには礼拝堂に迎えなかった。
子夏
怖かった。行けばアーユスが痛めつけられているのを見なければいけない。
子夏
弱者がこの場で制止の言葉を発しても滑稽なだけだ。
アーユス
まどろむ意識の中、痛みだけが鳴り響き体を締め付けて固めている。
子夏の声が聞こえた気がする。
子夏
なのにどうして、自分はこうべを垂れてまで、こんな言葉を吐いている?
匕首咲
「う~ん」
確認するように、ちらりと映鏡の方を見る。
匕首咲
「またお願い聞いてくれるなら、ちょっと考えてもいいかな」
子夏
声を上げるなら、もっと早く上げるべきだった。
匕首咲
「苦しまないように殺す約束だったし、ちょうどいいと思うんだけど」
子夏
ここからまだ、彼を助けられるのではないかと思っている。
子夏
匕首というにも短い、それこそ自決のためにしか使えなさそうな小さなナイフだ。
子夏
この対戦の間、一度足りとて使うことはなかった。
子夏
しかしあの時、確かに自分は子供を見捨てた親になった。
*
──お前は最後に愛だけを捨てられなかった。
──喜、怒、哀、懼、悪、欲。
──これらを捨てることは叶ったが、最後に愛だけが残ってしまった。
子夏
残っていたけど、捨てかけだったのには違いない。
子夏
夫を止めることも、身を挺して庇うこともできなかった。
子夏
やれと言われたことをできなかった。
失敗した。
過ちを犯した。
捨て去ることも、抱え続けることもできなかった。
子夏
もはや仙人になることは叶わない。
かと言って、まっとうな人間に戻ることもできない。
子夏
俗世に帰ることもできず、どこにも行く場所はなく。
どこをどう彷徨ったのか、辿り着いたのがここだった。
子夏
*主行動 自死を宣言[h4] 愛で判定します
子夏
2d6=>7
DiceBot : (2D6>=7) > 7[1,6] > 7 > 成功
子夏
1d6
DiceBot : (1D6) > 3
[ 子夏 ] HP : 12 → 15
子夏
今度こそ仙人になって、何も苦しみのない場所へゆこう。
子夏
視線が殺すべき相手、倒すべきだった相手ではなく。
メイド3
「ペアの片方が死亡した場合、その場で敗北となります」
メイド3
メイドが静かに子夏に近寄る。手は触れない、だが、それが確かである事を確認する。
メイド3
「判決は死亡! これにて閉廷でございます」
[ 子夏 ] 大きな失敗 : 0 → -1
[ 子夏 ] HP : 15 → 0
[ 桟敷川映鏡 ] 大きな失敗 : 0 → -1
GM
その音量、その怒号は、昏倒した者の意識を呼び覚ます。
アーユス
ぼろぼろの体で、ゆっくりと、見つけたものに歩み寄る。
群衆の歓声も、勝者の姿も何も見えず何も聞こえないかのように。
アーユス
掠れきった声を漏らしながら、血溜まりにぱしゃりと膝をついた。
アーユス
少し前から、心の疵が抉れ、ねじれて穴が空いてしまっていた。
男の暗い暗い穴の底の記憶に光が触れてしまっていた。
アーユス
だから、無様に仲間の死体に歩み寄ることをやめられなかった。
アーユス
この血の量ならばさもありなん。どこか冷静に思う。
多分、自分で死んだんだろうな。
バカなやつ。
アーユス
肩を揺らし、出ないはずの笑い声が口の中に目いっぱいあった血と一緒に吹き出した。
アーユス
背中の、シャツの下に隠していたナイフを閃かせる。
ナイフは一瞬軌跡を描く――両手を広げ笑った。
メイド4
メイドの一人がそこに近づく。手にはレイピアが握られている。
ペアが死亡した救世主の定めは一つ、だが……
アーユス
ナイフの軌跡は、アーユスの首を通っていた。
アーユス
血がぱらりと花開いて飛び散り、床を濡らす。
アーユス
笑い声がすぅっと消えて、仰向けに――子夏の上に倒れ込む。
桟敷川映鏡
ステッキをくるりと回して、地面を叩く。
匕首咲
「…………」
重なるように倒れた2人が動かなくなったのを見て、ナイフを鞘に収めた。
桟敷川映鏡
観客へ、黒い窓の向こうへ向けて両手を広げた。
桟敷川映鏡
「勝利です。私どもに賭けていた皆々様、御贔屓どうも有難うございました」
メイド7
メイドは救世主らと同じ末路を迎えて、その役目を果たす。
匕首咲
「思ってたより時間はかかったけど、まぁこんなもんか」
観客の歓声を背に、力尽きた"弱者"を見下ろす。
匕首咲
今日も勝ったのは自分だ。
"強者"は、自分だった。
匕首咲
「はははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは」
桟敷川映鏡
高らかに笑いを上げるパートナーを眺める。
桟敷川映鏡
しばらくそうしていたが、歓声を上げる客席へ向かって手を振るにつとめた。
メイド1
「これにて、1号室、桟敷川映鏡様、匕首咲様と」
メイド1
「7号室、子夏様、アーユス様の裁判は決着いたしました」
メイド1
「勝者、1号室、桟敷川映鏡様、匕首咲様」
メイド4
レイピアを手にし、アーユスに敗者の運命を齎そうとしていたメイド────その必要はなかったが────が、敗者二人の死体から漁った6ペンスコインを勝者二人に差し出す。
メイド4
「こちら、6ペンスコインでございます。お収めください」
メイド1
「次なる戦いへ向けて、しばらくのご休息をおとりくださいませ」
メイド4
そうしてメイドは深々と頭を下げると、中庭の”掃除”にとりかかる。
メイド4
大きなゴミ箱をでんと起き、捨てるべきものをその中へ。
メイド1
1号室のメイドだけは、二人を先導して屋敷へと進む。
メイド1
与えられた客室まで。暫しの休息をそこで過ごさせ……
GM
そしてこの館で、次なる殺し合いを開催するために。
声ならぬ声
男であるかも、女であるかも、子であるか、母であるかも。
声ならぬ声
勝負を決した要因は天運か、猟奇か、才覚か、
声ならぬ声
この地にて行われる伝説の儀式、オールドメイドゲーム。