お茶会-1ラウンド目
アーユス
1d12
DiceBot : (1D12) > 5
子夏
1d12
DiceBot : (1D12) > 2
桟敷川映鏡
1d12
DiceBot : (1D12) > 2
匕首咲
1D12
DiceBot : (1D12) > 3
桟敷川映鏡
1d12
DiceBot : (1D12) > 1
子夏
1d12
DiceBot : (1D12) > 4
メイド1
では、第1サイクルの行動順はアーユス様、匕首 咲様、子夏様、桟敷川映鏡様の順となりました。
第1シーン:アーユス
メイド7
開会の儀式が終了した後。メイドが改めて参加者を客室へと案内します。
アーユス
「メイドちゃん……これが最後かもしれない。聞いてくれ。」今までにない真剣な表情でメイドに語りかけます。
子夏
「僕やっぱりお酒頼んでいいですか? 緊張しちゃった」
アーユス
「しょうがねえなあ じゃあ代わりに……2人入れるクローゼットある?」
子夏
「おや、もうこれの使い道を思いついたんですか?」
メイド7
「クローゼットでしたら、あちら……寝室の西の壁に御座います」
アーユス
「サーンキュ」お礼のハイタッチ……と見せかけた乳タッチをメイドに仕掛ける。
メイド7
クローゼットの所在を掌で指し示し。それから姿が消え失せる。
メイド7
「こちらワインと老酒、それからおつまみとしてプロシュートをご用意しました」
アーユス
「サーンキュ あとごめん言い忘れたんだけどロープとワイヤー、ある?」
メイド7
所望された物を持っていつのまにか再出現しています。
子夏
「どうもどうも~」こっちはもう酒を杯に注ぎ始めている。
アーユス
「さーんきゅ」今度はパイタッチしません。
アーユス
「じゃ、また何かあったら呼びまァす」
ひらひらと手を振ってクローゼットに向かいます
アーユス
上機嫌に鼻歌を歌いながら、クローゼットをバンと開きます。
アーユス
中にあった服を寄せたり寄せなかったり、クローゼットの中に細工をしています。
アーユス
「準備終わったらさ~俺中に入るから外から閉めてくんない?」
子夏
「はーいはい」ビールも取りました。自分はプロシュートを口に入れる。
アーユス
ビールをぐいと飲んで空き瓶を投げ捨てる。
メイド7
先程退出したばかりですが、呼べば現れます。そういうものです。
アーユス
出てきたメイドに、呼び出す相手の名前と時間と……呼び出す場所を指定します。
アーユス
10分後、このクローゼットの中に、匕首咲を。
メイド7
「ええ、そうした指定は可能で御座います。そのように致しましょう」
アーユス
「それじゃ俺はちょっと楽しんでくるわ……あ、そうだ。俺がマジでヤバそうな声出してたら開けて助けて(笑)」
アーユス
子夏にバァ~イと手を振って、芝居がかった仕草でクローゼットの扉を閉める。
子夏
ことこういうことにかけては、本当に頼りになりそうだ!
メイド7
対象と時間、場所の指定まで為された封筒を受け取ったメイドは、恭しく退出。
GM
匕首 先は、指定通り、時間通りに、クローゼットの中に召喚される。
アーユス
「よぉ!」咲の目の前から、ごく近くから届く陽気な声とアルコールの匂い。
アーユス
咲が動いても動かなくても――クローゼットの中身は咲の動きを制限し、ワイヤーは首に、ロープは足に纏わりつく。
匕首咲
急に視界が暗くなる。
咲は反射的に身構えようとして――ワイヤーが首に引っかかる。
周囲の状況を確認する。
どこか暗く、狭い場所。
そして明確に動きを制限する目的で、罠が張られている。
匕首咲
「……ふーん、こういう方法で呼び出しできるんだ。いいこと教えてもらっちゃった」
アーユス
「じゃあもっとイイコト教えてやろうか。」
アーユスが手を引けば、クローゼットのバーに通された紐が咲の片腕を吊り上げてキツく拘束する。
アーユス
「その前に自己紹介が必要かな?」片足で咲と扉の間に足を蹴り込み退路を塞ぐ。
匕首咲
扉の間に蹴り込まれた足を、静かに見る。
「……知らない人とお茶会ってのもねぇ。
せっかくだから、自己紹介タイムにしようよ。
歳は?趣味は?好きなお茶とかある?」
アーユス
「ヤッホー僕アーユス!趣味は人助けで好きなお茶はビール!――」
クローゼットの扉の隙間から差し込む僅かな光で目が慣れた頃、アーユスの顔が闇の中で見えそうな程に近づく――いや、咲の額に頭突きを食らわせた。
「歳は忘れましたァ!」
アーユス
「今悩みがあってさァ」
乱暴に咲の胸を掴む。
「聞いてくれよ、メイドちゃんったらヒデーんだぜ。全然ヤらせてくれねーんだ。」
アーユス
「あっわりー咲ちゃんの話聞いてなかった……まいっかぁ!」
子夏
扉の向こうからは、のんきに酒と料理を頼む声が聞こえてくる。
匕首咲
「がっ!」
首を動かせない。頭突きをまともに食らってしまう。その衝撃すらもワイヤーが逃してくれない。
匕首咲
胸を掴まれ、男の息が顔にかかる。
酒臭い。
抑えていた怯えが、胸の底で頭をもたげる。
「……そりゃあ、メイドにも選ぶ権利はあるだろ。テメーみたいなカスに抱かれたい女なんて、いやしねぇさ」
怯えを、悟られてはいけない。
強者はそれを見逃さない。
アーユス
「――……ここってホント何でも出るからさぁ、優秀、万能なこのゲームシステムなら!こんな事もできちゃうかなって思ってさぁ~」
わざと咲の耳元で、不快感を煽るように囁く――と思えば、ゲラゲラと耳障りな笑い声が耳の横で弾ける。
アーユス
「権利なんてさ、選べないようにしちまえばいいんだよね。」
桟敷川映鏡
Choice[猟奇,才覚,愛]
DiceBot : (CHOICE[猟奇,才覚,愛]) > 才覚
桟敷川映鏡
2d6
DiceBot : (2D6) > 4[1,3] > 4
GM
目標値7に満たないため、横槍は失敗となります。
アーユス
2d6+3>=7
DiceBot : (2D6+3>=7) > 11[6,5]+3 > 14 > 成功
匕首咲
耳元に男の粗野な笑い声が響く。
知っている。こんな笑い方をする、嫌な男達を。
権利を奪う、強者達を。
匕首咲
「……やめろ……」
ようやく、それだけ口にする。
アーユス
「どうした?俺たちはコイン10枚。平等だ。平等バトルしようぜ~?抵抗しなよ!」
咲の腕はワイヤーに絡め取られている。
匕首咲
確認するまでもなく、完全に動くことはできない。
あるいは、腕でも切り落せば動けるようになるかもしれない。しかし、片腕で後の戦いを切り抜けられるとは思えない。
匕首咲
どうしたらいい?
助けを懇願するのか?この男に?
そうやって、助けてもらえるのか?
否、そんなことはない。
まず、間違いなく、男が満足するまで自由にはなれないだろう。
匕首咲
どうしたらいい?
また、自分は奪われるだけなのか?
脳裏に、映鏡の顔が浮かんだ。
こんなところまで助けに来てくれるはずなんてないのに。
助けてもらえるはずなんてないのに。
アーユス
「あれあれぇ、どうした~?諦めちゃった?抵抗してもいいんだよぉ?楽しもうよ!」
動けないのを理解した、人を見下して逆撫でする声。
アーユス
「――それとも。」
太腿からじわりと指が這い、脇腹から肋骨へと辿っていく。
恋人同士であれば甘美な動きも、この男がすれば蟲に這い回られるような怖気を齎す。
アーユス
「楽しんでくれる気になったかな!」咲の上着の裾を掴み――乱暴に引き上げる。
アーユス
ぎらぎらとした笑顔が咲の視界を支配する。
欲情した者の態度ではない。
暴力と、蹂躙を楽しむ捕食者の顔。
匕首咲
クローゼットの空気に下着が晒される。
若く、そして女として十分に成熟した体。
ただ、その体の側面には昆虫の気門のような窪みがあるのだが、暗闇の中では気付かないかもしれない。
アーユス
咲のその体の"違い"に男は気づいたかもしれないが、この男にとってはどうでもいい事だった。
目の前にただの女がいる。それだけだ。
服を上げ終わった手で咲の前髪を鷲掴みにする。
笑い声。無遠慮な指先。そして暴力。
アーユス
陽気な鼻歌が響く。
この男は、今からあなたを嬲り、辱め、消費するのだ。
匕首咲
咲の体は、まるで"男が遊ぶために作られた"かのように、都合良くできていた。
男が喜ぶような反応、男が喜ぶような中の具合。
楽しむには、十分な"女"だっただろう。
GM
蹂躙の行為、そしてその中継による衆目への公開。
[ 桟敷川映鏡 ] HP : 18 → 17
[ 匕首咲 ] 強者の刃 : 0 → -1
第2シーン:匕首 咲
子夏
開けたら開けたで、さっさとテーブルの方に戻っていく。
アーユス
「よっと」肩にズボンを掛けたアーユスがクローゼットから降り立つ。
匕首咲
クローゼットの中、衣服の乱れた女がぐったりとしている。
子夏
彼女の身柄は、あなたに一任している。やる気がない、とも言う。
アーユス
咲を顧みることなく、悠々とズボンを履き直している。
子夏
「喉乾いてないですか? お酒しかないですけど」
子夏
何事もなかったかのように椅子に座り込んで、料理を口に運ぶ。
子夏
「どうぞどうぞ、ちょっと温くなってるかもしれませんけど」
アーユス
クローゼットの中は燦々たる有様で、仕掛けたワイヤーも縄も壊れ解けている。
アーユス
一般的な救世主であればもっと慎重になるものだが――
アーユス
アーユスはそんな事どうでもいい、と言わんばかりにビールを取る。
子夏
色々言いながらも、直接攻撃に優れているわけではないこの男は、
アーユス
「……ちょいヌルだけどそれでも運動の後のビールはうめ~」
子夏
アーユスよりは『一般的な救世主』なりの警戒心がある。
子夏
にこにこ笑いながらも、倒れた女の方へ意識は向けている。
子夏
アーユスに警告を発しはしない。彼の気分を損ねては困ったことになるかもしれないからだ。
アーユス
「捨ててくるのめんどくさいな~メイドちゃん運んでくれるかなあ」ソファーにどっかりと座って、大きなソーセージを一つ摘んで齧る。
子夏
ただ、いざという時の備えはしておくべきかもしれない。
匕首咲
奪われた。
玩具にされた。
道具にされた。
為す術もなく。
ただ、震えるだけしかできなかった。
子夏
まあ、その時狙われるのは、僕じゃないだろうからな。
メイド7
「申し訳ございませんが、ご存命の救世主様方への干渉は禁じられております」
アーユス
アーユスは、不用心と確かに言えるほどに、咲の事を見もしない。「ッスよねぇ~ サンキュ」
メイド7
「クローゼット内の清掃であれば問題はありませんが、致しましょうか?」
匕首咲
この堕落の国に来て、救世主になって、コインを集めて、もう、食い荒らされるだけの弱者ではなくなった、はずだったのに。
アーユス
一度遊び終わった玩具を、アーユスは振り返らない。
子夏
今ならまだ抵抗されないかな? もう少し痛めつけておくべきか?
匕首咲
なぜだ?
弱者に生まれたからには、強者になることなどできないのか?
アーユス
「じゃあ、廊下とかに捨てに行くかァ~」面倒くさそうな声
子夏
処理を決定してくれたのを聞いて、大きく頷いた。
匕首咲
いや、そもそも。
本当に、あの男は強者なのか?
メイド7
一礼して、メイドはクローゼットを清掃する。皺のついていない衣服は存在しなかったので、それら全てを虚空へと仕舞う。
メイド7
ワイヤー、縄、”汚れ”そのもの。その全てのうち、匕首咲に触れているもの、そして匕首咲そのものに対しては、一切の干渉はしない。
匕首咲
咲は、首を僅かに動かした。
体を拘束していたロープやワイヤーの罠は壊れている。
アーユス
男の手に武器は無く、視界は開けている。
咲を蹂躙した男はなんとも気分良さそうに背伸びをしている。
子夏
「お任せしちゃっていいですか? 僕ァ力仕事ってのが苦手で」
アーユス
「え~しょうがないな~足とか持ってよ~」
へらへらと笑いながら立ち上がり、やっと咲の方に体を向ける。
匕首咲
罠というものは、本来まともに戦えないような猛獣を相手取るためのものではないか?
そんなものを用意するのは、あの男の弱さではないか?
子夏
「足ですか~、分かりました。それぐらいならいいでしょう!」
子夏
言葉だけはのんきに、内心はやや焦れて。しかし、相手を急かしきれない。
匕首咲
そうだ。
あの男は猛獣に怯える弱い生き物でしかない。
道具がなければ、女一人まともに手に入れられないような弱い存在だ。
匕首咲
アーユスが振り返ると、そこには地獄の底のような牙が並んでいた。
アーユス
立ち上がる音に、ぎらりとした目を向けた。
子夏
Choice[猟奇,才覚,愛]
DiceBot : (CHOICE[猟奇,才覚,愛]) > 愛
[ 子夏 ] ティーセット : 1 → 0
子夏
2d6+2=>7
DiceBot : (2D6+2>=7) > 7[1,6]+2 > 9 > 成功
子夏
1d6
DiceBot : (1D6) > 2
[ 匕首咲 ] ティーセット : 1 → 0
匕首咲
2D6+3
DiceBot : (2D6+3) > 12[6,6]+3 > 15
アーユス
「可愛い顔しちゃってよぉ!!やっと抵抗する気になったかァ!?」即座に臨戦態勢を取る!
子夏
指を差し向け、雷撃を迸らせる。少しでもこちらへ向かってくる女の勢いを削ごうとする。
匕首咲
アーユスの肩口に喰らい付く。
牙が皮膚を突き破り、筋肉の間に潜り込む。
喰らいついたまま首を振り、肉を引き千切る。
びしゃびしゃとあたりに血が飛び散った。
匕首咲
口の中の肉の塊を吐き出し、アーユスを蹴飛ばす。
子夏
相手はこっちを1Rで片づけるとか言ってた人だ。
子夏
アーユスさんが一撃を食らった今、僕が敵う道理はない。
匕首咲
「おいおい兄ちゃん、罠がなければよっっっええなァ!?」
食いちぎった傷口を刳るように、泥で汚れたブーツで蹴り飛ばす。
アーユス
「ッう、おおおっ!!」鮮烈な痛みと肉の裂ける鋭い痛みに声を上げ、部屋中に血を巻き散らかしながら転がされる。
匕首咲
「弱い!弱い!弱い!弱い!弱い!弱ええええ~~~~!!!」
言葉と共に、何度も、何度もアーユスを踏みつける。骨が折れる音が響いた。
[ 子夏 ] HP : 15 → 14
アーユス
「げっ、ぐっ、うがっ」踏みつけられる水の音。空気を無理やりに絞りだされて漏れる声。
メイド7
メイドは室内に控えてはいるものの、その言動は先程伝えたものと一切変わりない。
メイド7
”ご存命の救世主様方への干渉は禁じられております”
アーユス
言い返す暇もなく降り注ぐ暴力の雨。
砕ける骨が伝える新しい痛みに、食いしばった歯の向こう側から苦悶の悲鳴が防ぎきれずに漏れる。
匕首咲
「なぁ兄ちゃんよ、楽しんでおいてタダってのはあんまりだよなァ~~~?」
腕を抱えて、捻る。
肩口の疵がめりめりと音を立てる。
「ちゃァんとサービス料頂きませんと……ね!」
アーユス
「ぐぉ、あ、あ"」嫌な音を立てる肩に顔を顰めながら部屋に視線を走らせる。
子夏
ここであの人が死んだら、僕もまあ死ぬことになるんだけど。
アーユス
俺は一人だ、一人でうまくやってきた。
いつだってそうだ。たとえ堕落の国でも、クソッタレなあの街でも!!
アーユス
だから!ヒョロヒョロの酒飲み男がこの場に居たところで、何も変わらない!
アーユス
無理やりに体をねじり、肩が裂けるのも構わず壁に立てかけてあった鉄パイプを取る。
アーユス
「とっとけやァ!!」鉄パイプの、スイング
アーユス
父も母も神も愛も、全て俺に関係ない。
全て俺を殺すには至らない。
そうだ、俺は一人で生きられる!
アーユス
「ギャッホーーー!!!」疵を抉り、狂乱した男が鉄パイプを持って躍りかかる。
匕首咲
「ひひ!」
千切り取った腕を野球バットのように振り回し、殴りかかる鉄パイプを受ける。
嫌な音がして、腕がなお壊れる
「あっはっはっは!!もれぇ~~!!」
アーユス
決めた。このゲームの参加者を全員ブッ殺してそいつらの死体の上でタップダンスを踊ってやる!
匕首咲
「お前の腕、簡単に千切れるし、簡単に壊れるし、柔らかいなァ……。
好きだよ、そういうの。
お前みたいな、どうしようもなく弱いくせに、強いやつのフリして頑張ってる奴さァ!」
アーユス
「そ~~~んなよわっちいやつの下で泣いてた女は誰だァ!?テメーの死体は故郷の博物館に寄贈してやるよ!!!」
アーユス
横薙ぎに、調度品をなぎ倒しながら鉄パイプを振るう。
匕首咲
骨がぐしゃぐしゃになった腕の肉を布のように使い、鉄パイプを絡め取る。
力づくで鉄パイプを奪い、部屋の隅に放る。
アーユス
「俺以外全員!ゴミのように!!!死んじまえ!!!!」
残った腕で咲の口の中に殴り掛かる!
アーユス
肩から吹き上げる血が、昼の日差しを浴びてグリッターのようにきらきらと室内を彩る。
匕首咲
「そりゃああんなにガチガチの罠張られちゃ、あたしも困っちゃうよ。弱いから一生懸命作ったんだろ?えらいねぇ~、頭撫でてやる……よッ!!」
匕首咲
力強く踏み込み、アーユスのサングラスを目掛けて、拳を突き出す!
GM
拳と拳が交差し、どちらかが先に相手に届くか、或いは同時に届くか……その可能性が交錯した瞬間。
GM
7号客室の中から、アーユスの姿が掻き消える。
GM
猛然と暴れまわる口裂け女は居なく成り、変わりに目に入るのは小さな室内。司祭台とゴブレット、そして掲げられた十字架。
子夏
それから、冷めた目で立っているひょろひょろ男。
子夏
あなたの負傷の様子を見てとって、小さく肩を上下させる。ため息のように。
アーユス
振り抜いた拳は空を切り、残った血が十字架に跳ねて汚れる。
子夏
「──やあ、よかった! 間に合いましたね!」
子夏
「すいません、あの場ですぐに手伝えたらよかったんですけど」
子夏
「上手くいかなくって! 封筒、使っちゃいました」
アーユス
子夏の言葉を聞いたのか聞いていないのか、周囲を見回して笑う。「アッハッハッハ、なんだココ」
アーユス
「さっき散々抜いたからおさまってるよ」
最低ジョーク。
アーユス
笑いながら、どくどくと溢れる血がピンクのアロハに新しい模様を増やしていく。
子夏
「メイドさんを呼びましょうか。包帯ぐらいなら持ってきてくれるんじゃないかな?」
子夏
あとから助け出したからって、一回逃げたのが帳消しにはならないだろう。
子夏
ここで殴ってきたりしないのが、僕を殺したら敗退になるのが分かってるからなのか……
子夏
それとも、機を窺ってるだけなのかは分からないな。
アーユス
「片腕ボロカスだけどくっつけとくか。」
腕を拾い上げながら、子夏の目線にサングラス越しに視線を投げかける。
「何?」
冷えたようにも聞こえる声で。
アーユス
「だぁ~いじょうぶ大丈夫!」
片腕を持ったままワオ!と腕を広げ
「俺ぁ別に子夏クンが逃げた事怒ってるとかじゃあねえから」
アーユス
アッハッハと陽気に笑って子夏の背を叩く。……取れた腕で。
アーユス
アドレナリンで抑えられていた何かが解ける。一瞬ふらつきを覚え、よろけた。
子夏
「でも、そう言っていただけると、僕も心苦しかったんでほっとしますよぉ」
子夏
「そろそろメイドさんを呼んで止血しましょうか。不味そうだ」
アーユス
「ウケる……」急にひゅう、と弱々しい呼気と共に頷く。
GM
脳内麻薬は痛みを抑制する。それが切れると、”通常通り”痛覚は仕事を再開する。
GM
腕の断面、そこに通っていたはずの神経線維の一本一本から取り戻されていく感覚。
いくら危険信号を送っても、それが手遅れである事に肉体は気づかない。
GM
まだ腕がそこについていると錯覚したまま、感覚というものは機能する。
もうそこに無くても、今まさに切断されようとしているかのように。
アーユス
小さな二人がけの椅子を独り占めし、足を広げぐったりと背もたれにより掛かる。
大きく口を開け、出来るだけ声が出ぬように呼吸を絞りながら痛みに耐える。
ガンガンと脳を打ち鳴らす痛みにぎらぎらと視界が煌めくのを感じた。
メイド7
痛みに耐える救世主の元へ、要望通り止血道具を持ったメイドが現れる。
アーユス
痛い痛いと泣き言を言って救われるのなら、誰か救ってくれるのならば泣いていたのかもしれないが。
子夏
「ああ、どうもどうも、ありがとうございます!」
メイド7
「こちらが包帯、こちらは止血帯となります。ご所望なら、縫合用の道具も揃える事は可能です」
アーユス
礼の一つでも返したいところだったが、口元で笑う事しかできなかった。
子夏
「それは僕の手には余るかな。……まあ、一応持ってきてもらえます?
あと、汗を拭くタオルかなんかも」
メイド7
少し時間をおいて、それらも取り揃えられる。
子夏
さて、そんなに怪我人の手当ては得意じゃないんだけどな。
子夏
頭を、ふと癒しの力を使う救世主の少女の顔がよぎった。
子夏
まあ、それなりの応急処置をしていきましょう。
アーユス
酒も貰っておけばよかったかな、とぼんやりした頭で子夏の動きを目で追う。
子夏
慣れているという風でもなく、できる限りの治療を施していった。
アーユス
タトゥーまみれの上半身を、血が彩っている。
GM
それが躰を貪り、貪られ、心を見捨て、そして躰ばかりは助けられるのを。
GM
悪趣味な観衆達と、十字架だけが見下ろしていた。
GM
拳が交差する瞬間…………腕の千切れた男は消え失せて。
GM
匕首 咲だけが、その部屋に残されていました。
GM
次回は、第2シーンの〆、匕首咲さんのスペシャル描写からとなります。
[ アーユス ] 信仰の不在 : 0 → -1
GM
*継続して第2シーン シーンプレイヤー:匕首咲
匕首咲
「!?」
アーユスが消えた。
拳は空を切り、たたらを踏む。
匕首咲
周囲を見回すが、どこかに隠れた様子はない。
おそらくは、パートナーに招待状で呼び出されたのだろう。
「…………」
匕首咲
「くそっ!」
近くにあったテーブルを蹴飛ばす。
酒瓶やグラス、つまみの乗った皿が床に落ちる。
「くそっ、くそっ!殺せた!今!殺せたはずだろ!!」
椅子も蹴り飛ばす。
もう一つの椅子を持ち上げて、窓ガラスを割る。
「くそっ!!」
匕首咲
ベッドの布団を引き剥がし、シーツを裂き、ランプを投げ捨てる。
他に破壊するものを探して部屋を見回すと、床に鉄パイプが落ちているのを見つけた。
アーユスが使っていたものだ。
匕首咲
鉄パイプを掴むと、鏡台の鏡に向かう。
怒りに正気を失った化け物が映っていた。
匕首咲
鉄パイプを振りかぶる。
鏡の中の化け物が、ひび割れて消えた。
匕首咲
映鏡に何か言うこともなく、黙ってバスルームに進み、扉を締めた。
第3シーン:子夏
子夏
とりあえずまず礼拝堂でアーユスさんからティーセットをもらい受けようと思います
子夏
ベンチに横たわっているアーユスを見下ろしている。
子夏
意識がまだ戻りそうにないのを確認した後で、アーユスの服を弄る。
子夏
目当てのものを見つけて自分の懐に入れると、礼拝堂の天井を仰いだ。
子夏
「……まあ、さっきはちょっと失敗しちゃったんでね」
子夏
「ちょっと働かないと、裁判の前に殺されちゃうなあ!」
子夏
ぱっと笑って、懐に入れっぱなしだった手を引き出した。もう一通の招待状が握られている。
子夏
「こういうのは出し惜しみせず、さっさと無駄遣いしちゃいましょう!」
子夏
空いていそうなところを見つけると、メイドさんを呼びます。
匕首咲
Choice[シャワー中,会話中]
DiceBot : (CHOICE[シャワー中,会話中]) > シャワー中
メイド7
恭しく頭を下げ、メイドがその使われていない客室から退室。
子夏
椅子を引いてどっかと座り、背もたれに体重をかけて傾いたり戻ったりしている。
GM
それと同時に匕首 咲が再び召喚され、客室の中央に現れる。
その時、シャワーを浴びていた姿のまま。
子夏
「すいませんねえ、こんな時にお呼び立てして」
匕首咲
「……は?」
ずぶ濡れで、かろうじてバスタオルを手にしただけの女が現れた。
匕首咲
うんざりた顔で、バスタオルを身体に巻く。
虚空に向かって声をかける。
「おい、メイド。コートだけもいいから持ってきてくれ」
メイド1
声がかけられて数瞬で、コートを手にしたメイドが現れる。
子夏
あなたが服を着るのを待って、どうぞどうぞと対面の席を勧める。
匕首咲
バスタオルの上からコートを羽織り、ため息を吐きながら椅子に座った。
子夏
テーブルの上にはもうお茶の準備ができているかな?
メイド7
「こちら、アールグレイとなります」
7号室の方のメイドが、たった今サーブしています。
子夏
「いやあ、そうですよねえ。血がすごかったからなあ!」
匕首咲
アールグレイにミルクをたっぷり入れて、砂糖を3つ。特に返事は返さない。
子夏
「アーユスさんの腕、あなたが捥いだんですよねえ」
子夏
「いやあ、すごかったですよ。ぐちゃぐちゃで。応急手当はしたんですけどね」
子夏
べらべらしゃべりながら、紅茶の入ったカップを持ち上げている。
匕首咲
「くっつかなかったら助かるんだけどな」
返事はそこそこに、ミルクティーを飲む。
子夏
「取り返しのつかないことはいろいろあるものです」鷹揚に頷く。
子夏
「僕もねえ、分かるんですよ。初めての時は痛かったからなあ!」
匕首咲
ちら、と子夏を見たが何も言わない。
男でもまぁ、そういうことはある。
子夏
「いやあ、でも、お茶を一緒に飲んでくれてよかったですよ」
子夏
「さっきはすごかったから、僕も問答無用で噛みつかれてしまったらどうしようかと思ってたんです」
子夏
「僕はさっきは真っ先に逃げ出しちゃいましたからね」
子夏
「もちろん、アーユスさんよりは全然弱いですから!」
子夏
「いつでも殺せるって思ってくださってるのかな?」
匕首咲
「べらべら、べらべら、よく喋る奴だな」
カップを置く。
「まどろっこしいのは嫌いなんだ。
何が言いたい?」
子夏
「さっきは、あなたも色々話されていましたからね」
匕首咲
「だからなんだよ。
人を殴るときは、別にそれくらい言うだろ」
子夏
「僕はあんまり人を殴ったりしてこなかったんで」
子夏
「あ、もちろん殴られるのが好きなわけじゃないんですけどね」
子夏
「どっちが強いとか弱いとか、そういうのを決めないといけないのって」
匕首咲
「そりゃ、そうだろ。
こんな馬鹿げた催しに参加して、強い弱いにこだわらないって方がどうかしてる」
子夏
「こういう戦いって言うのは、そりゃ腕っぷしの強さも大事ですけど…」
子夏
「生き残る方を決めるのは、強いか弱いかだけじゃない」
匕首咲
「…………」
確かに、自分も罠に絡め取られ、アーユスに好きにされてしまった。相手の言うことを否定することはできない。
子夏
「もちろん、強いに越したことはありませんけどね」
子夏
「僕みたいなのが何人いても、あなたたちを相手にしたら一瞬ですよ」
子夏
「びっくりしたなあ、僕。本当にそうなったら怖いなって思ってるんですよ」
子夏
あなたを探っているのか、好き勝手にしゃべっているだけなのか。
子夏
男はあなたの言う通り、べらべらとしゃべり続けている。
子夏
独り言めいた呟きが、部屋の中に消えていった。
子夏
「僕相手だと、歯ごたえがなさすぎるかなあ?」
子夏
「でも、あなたがそうやってするのが好きなら」
子夏
「──アーユスさんに似てるなって思ったんですよ」
桟敷川映鏡
Choice[猟奇,才覚,愛]
DiceBot : (CHOICE[猟奇,才覚,愛]) > 猟奇
桟敷川映鏡
2d6+3
DiceBot : (2D6+3) > 6[4,2]+3 > 9
桟敷川映鏡
1d6
DiceBot : (1D6) > 6
子夏
2d6+3-6=>7
DiceBot : (2D6+3-6>=7) > 3[2,1]+3-6 > 0 > 失敗
子夏
過たず鉄パイプは男の後頭部を捕らえて、椅子ごとその場に転がる。
桟敷川映鏡
即座に駆け寄り、転がった男の鳩尾をつま先でそのまま強く蹴り飛ばす。
桟敷川映鏡
「いやぁ、先ほどは申し訳ありません。“あっち”が出てまして」
子夏
気絶したのか、身を守るような態勢も取れていない。
桟敷川映鏡
ぐったりと倒れた男に歩み寄り、転がった鉄パイプで殴りつける。
桟敷川映鏡
何度か響く殴打の音。しばらくしてこんなものかと茶会の席へ戻った。
匕首咲
止めるでもなく、殴られる子夏を見ながらお茶を飲んでいる。
子夏
もともと気絶していたのか、本当に気絶したのか。
桟敷川映鏡
「お茶しばいたら部屋に戻りましょうか」
匕首咲
「もういいよ。帰る」
言いながら立ち上がる。
コートを羽織り直した。
メイド7
3人が去った後はもう一人のメイドと、倒れたままの救世主が残る。
メイド7
メイドは気絶した男に声はかけず。自力で起き上がるまで、ただそこに侍り、眺めていた。
[ 桟敷川映鏡 ] HP : 17 → 16
[ アーユス ] ティーセット : 1 → 0
[ 子夏 ] HP : 14 → 13
[ 子夏 ] ティーセット : 0 → 1
[ 子夏 ] HP : 14 → 13
[ 子夏 ] HP : 13 → 14
第4シーン:桟敷川映鏡
匕首咲
1号室に戻ると、バスルームに行って脱ぎ散らかした服を着る。
匕首咲
再びシャワーを浴びたりはせず、そのまま椅子に座った。
匕首咲
「…………」
しばらくぼうっとしていたが、口を開く。
「たいした怪我はないよ」
匕首咲
一度口を開くと、そのまま続けて話す。
「一回、向こうの長髪に呼び出された。
呼び出された先に罠があって、身動きが取れなかった」
匕首咲
「さすがにそんな状態じゃどうしようもなくてさ」
匕首咲
「散々だったけど、まぁそのあと腕をもいでやったから、痛み分けってとこだ」
匕首咲
「あいつは話しただけだったから怪我はしてないし、お前が来たから……大したことない」
匕首咲
普段あまり饒舌ではない咲が、ずっと話している。
匕首咲
「助けてもらえるって思ってた訳じゃないし、まぁそれはいいよ」
匕首咲
「警戒はしておくけど、最悪お前一人で戦うことも覚悟しといた方がいいかも」
桟敷川映鏡
「おやおや。咲さんともあろうものが随分弱気ではないですか」
桟敷川映鏡
「出会い頭に斬りつけてきた人とは思えませんね」
匕首咲
「……いや、違う、弱気になんかなってない」
匕首咲
「くそ、そうだ。
何度来ても返り討ちにしてやる。
次は足をもいでやろう」
匕首咲
深く、ため息を吐く。
それきり、喋らなくなった。
桟敷川映鏡
「咲さん。現実的なことを聞きますが、“これから”どうするんです?」
桟敷川映鏡
「2号室の……なんていいましたっけ。まぁ、あの方を見る限り問題なさそうですが」
桟敷川映鏡
「現時点では可能性の話でしかないのですが……産むんですか?」
桟敷川映鏡
何と言ったものかな、と頬杖をつく。
しばらくの沈黙のあと──
桟敷川映鏡
「ここには清潔な水と医療道具があります。貴重な機会ですよ」
桟敷川映鏡
「男のもげた腕が繋がるんなら貴女のお腹も繋がるでしょう」
アーユス
Choice[猟奇,才覚,愛]
DiceBot : (CHOICE[猟奇,才覚,愛]) > 愛
アーユス
2d6>=7
DiceBot : (2D6>=7) > 8[2,6] > 8 > 成功
アーユス
1d6
DiceBot : (1D6) > 4
[ アーユス ] HP : 18 → 17
桟敷川映鏡
2d6+3+2-4
DiceBot : (2D6+3+2-4) > 9[5,4]+3+2-4 > 10
匕首咲
「前に聞いただろ……?
あたし、きれい?って」
匕首咲
「あれ返事聞いてないんだけど。
結局どうなんだよ」
桟敷川映鏡
「ベッドの上でもう一度聞いてくださいます?」
桟敷川映鏡
メイドを呼んで一通りの処置道具を借りる。
メイド1
消毒薬、メス、清潔なガーゼ……必要な道具が、必要なだけ用意されます。
桟敷川映鏡
ベッドに向き直った。白手袋を外して隣のベッドへ放る。
桟敷川映鏡
ベッドに腰かけて、マスクの上から口の裂け目をなぞった。
桟敷川映鏡
「麻酔ないので、左手は噛み潰しても構いません」
匕首咲
「女を玩具にされるのが嫌だったんだけど、女が嫌なわけじゃなかったんだ」
桟敷川映鏡
メスの鋭い光が室内のランプの明かりに反射する。
桟敷川映鏡
──赤マントの怪談は、この世界に来る前の話だ。
桟敷川映鏡
夜な夜なたちんぼを殺し、その子宮を抉っては捨てていた。
桟敷川映鏡
この国に来てからもそうだったかは知らないが──
桟敷川映鏡
その手つきは不躾ではあったが乱暴ではなく。愛を感じられはしないが、ひとさじの情があった。
匕首咲
メスが肉を切り裂いている合間合間に、ぽつり、ぽつりと話す。
匕首咲
「普通の人間を手術で化け物にして、遊びやすくする、趣味の悪い娼館でさ」
桟敷川映鏡
ただずっと、赤い血がシーツやガーゼを染めていくのを見ている。
匕首咲
「あたしも娼婦にされる予定だったんだけど、運良く逃げられて」
匕首咲
「まぁ、でもいいよ。
お前がきれいって言ってくれたから」
桟敷川映鏡
そうですか。と少しだけ呼吸のように呟いた。
メイド1
様子を眺めていたメイドは、手を出さない。
ただ、全てが終わった後に一つだけ尋ねた。
メイド1
「保存なさるなら準備できますが、如何致しますか?」
桟敷川映鏡
「ここには川がありませんからねえ……」
匕首咲
"女"が廃棄されるのを、ぼんやりと見ている。
メイド1
一礼し、件の物が載ったトレイを手に退出していく。
メイド1
行き先は、廃棄された物が行き着く場所。つまりは、6ペンスコイン達と同じ場所。
匕首咲
のろのろと体を起こす。
血に塗れたベッドの上は、まるで出産直後のように見えた。
→*exシーン