Dead or AliCe
『16人の救世主』

裁判

小鴨 チカ
*免罪符をマキナさんに
[ 小鴨 チカ ] 免罪符 : 1 → 0
メイド4
メイド4
中庭。
メイド4
大きな歓声が救世主達を出迎える。
メイド4
あなたがたの内面など、我関せずに。
メイド4
今回の部屋付きのメイドはおらず、6人のメイドが横並びで立つ。
メイド4
部屋付きのメイドは、今ここに相まみえる救世主達の部屋を掃除している。
メイド8
窓からその様子がちらほらと見えた。
メイド2
「24時間が経過し、お茶会の時間が終了しました」
メイド2
「救世主の皆様も、お集まりですね」
メイド2
「これより裁判となりますが、ご準備はよろしいでしょうか」
鏖田 ネイル
「さて」
鏖田 ネイル
「我々は万全だが、あちらはどうかな」
マキナ
「…………」
小鴨 チカ
「…………」
網倉 霞
頷く。
小鴨 チカ
結局、なにも準備できてない。
小鴨 チカ
メイドさんから、この世界についての知識と館のルールは教えてもらったけど、それだけだ。
小鴨 チカ
人を殺す覚悟も、勝つための作戦も、自分の力の使い方すらも。
マキナ
身体につけられた傷は治っているように見える。
鏖田 ネイル
黒衣を纏う女は、完全装備で佇んでいる。
小鴨 チカ
武器は小ぶりのハンマーにした。殺す覚悟のできてないやつが刃物なんか持っても、素手より弱そうだったから。
鏖田 ネイル
その手に持っているのは、杭だ。
小鴨 チカ
こっちの方がまだ、振りやすい。
マキナ
短剣を握る華奢な指先に、施されたネイルはもうない。
網倉 霞
こちらの手には何も持たれていない。大きいマントのような上着から、手が見える。
網倉 霞
その手は鮮やかな液体で濡れている。
マキナ
見せかけだけでもあった余裕は伺えない。
小鴨 チカ
「……殺し合いたく、ねえー……」
鏖田 ネイル
「なら、棄権するか?」
マキナ
視線は地面に落ちている。
メイド2
「ご衣裳、小道具をお持ちの方、ご確認いただきませ」
小鴨 チカ
「うっさいうっさい!わーってんだよ、こっちゃあ!」
小鴨 チカ
「ただのお気持ちの表明だよ!いいだろ、そんぐらい!」
鏖田 ネイル
「そうか、ならこちらもお気持ちとやらを表明しておこう」
鏖田 ネイル
つい、と手を持ち上げ、指差す。矛先は少年へ。
鏖田 ネイル
「お前には、最も陰惨な死に方をしてもらう」
鏖田 ネイル
「無礼の罪は、万死を持って償え」
メイド2
「元気がよろしく、結構でございますね~」
網倉 霞
黙って聞いています。
小鴨 チカ
「どっちかっていうとそっちの方が無礼働いてませんか!?」
鏖田 ネイル
「糸田さんに似た鼻で勝手に生存していた事以上に無礼な事などあるか?」
小鴨 チカ
「人と勘違いする方が無礼なんですぅ!」
小鴨 チカ
「愛が足りてないのではないでしょうか!?」
鏖田 ネイル
「価値観の相違だな。死ね」
小鴨 チカ
「うるせー!!バーカバーカ!!!」
小鴨 チカ
こえーーーよ!!!!!
小鴨 チカ
人生、こんなに緊張することあるか!?
網倉 霞
喋ってくれて助かるな、と思っています。
小鴨 チカ
戦う前ですが、喉乾きました。おなかもちょっと痛いです。
マキナ
震えを隠すように、手を後ろに回している。
マキナ
いつまでも、呆けてはいられない。
網倉 霞
マキナをじっと見つめる。
マキナ
ここで勝たないともっとひどい目にあう。
小鴨 チカ
勝てる気がしねえ。
小鴨 チカ
けど、勝つ以外にマジでないんだよな。
網倉 霞
呼吸の数、手の位置、視線の動き。
網倉 霞
横の人が喋っている間に、確認する。
マキナ
視線は俯かせたまま。
網倉 霞
中庭の広さ。地面の材質。風向き。
マキナ
「……チカくん」
小鴨 チカ
「……はい」
マキナ
「死なせない、から」
マキナ
「がんばろーね」
小鴨 チカ
「……!」
マキナ
それは、チカが死ねば自分もそうなるからという
マキナ
そういう気持ちでしかないけど。
小鴨 チカ
「ぼ、ぼくも、がんばります!」
鏖田 ネイル
冷淡な目がやりとりを観察している。
鏖田 ネイル
もう一石分、かき回しておくか。
マキナ
チカを守る。マキナにはそれしかできない。
鏖田 ネイル
指を、今度はマキナの下腹部を指差す。
鏖田 ネイル
「抜いてもらったのか?」
鏖田 ネイル
「それとも、自分でやったか」
マキナ
「…………っ、」
小鴨 チカ
「うるせー!!!!」
マキナ
びく、と身体がこわばる。
小鴨 チカ
「ちょっと!マナー違反ですよ!」
網倉 霞
「君も抜いてもらった?」チカのほうに。
小鴨 チカ
「ゲス~~~~~!!!!」
網倉 霞
こうして平和な会話をすると敵意が削がれることを知っている、
網倉 霞
「ごめんごめん」
網倉 霞
だから、軽くそう言う。
小鴨 チカ
うう。やりにくい。
鏖田 ネイル
ハンター二人は、異なる武器を扱う。
マキナ
もはや隠しようもない程にかたかたと震えて、
マキナ
それを抑えるように、自分の身体を抱いている。
メイド2
昼間であれど、堕落の国の空は昏い。
メイド2
夕立のような歓声が4人に降り注いでいる。
小鴨 チカ
きっとこれも作戦のうち。でも、そういう意味なら。
鏖田 ネイル
鏖田ネイルが扱うのは恐怖。
網倉霞が扱うのは籠絡だ。
小鴨 チカ
あっちの超怖い方のお姉さんは、まだマシだ。
鏖田 ネイル
それが、それぞれが目標とする対象に正しく機能しているのを確認する。
小鴨 チカ
凄惨に殺すなんて、言われたかないけど。
小鴨 チカ
言われたほうが、やる気は出るってもんだ。ちょっとだけね。
鏖田 ネイル
「では、始めるか」
メイド2
「それでは裁判を開廷いたします」
メイド2
メイド2
*鏖田 ネイルは発狂します。
メイド2
では行動順を決めましょう。
メイド2
先制に使用するものはございますか?
小鴨 チカ
*日刻みの時計
鏖田 ネイル
*日刻みの時計を使用
網倉 霞
*日刻みの時計を使用!
[ 小鴨 チカ ] 日刻みの時計 : 1 → 0
[ 網倉 霞 ] 日刻みの時計 : 1 → 0
[ 鏖田 ネイル ] 日刻みの時計 : 1 → 0
メイド2
使用された方の先制値が2点上昇します。
メイド2
あとは才覚と、着慣れた衣裳の1点分ですね。
小鴨 チカ
1d6+3+2+1
DiceBot : (1D6+3+2+1) > 6[6]+3+2+1 > 12
鏖田 ネイル
1d6+3+2+1
DiceBot : (1D6+3+2+1) > 1[1]+3+2+1 > 7
網倉 霞
1D6+3+2 +才覚 +時計
DiceBot : (1D6+3+2) > 2[2]+3+2 > 7
マキナ
1d6
DiceBot : (1D6) > 3
鏖田 ネイル
1d6+3+2+1
DiceBot : (1D6+3+2+1) > 2[2]+3+2+1 > 8
網倉 霞
1D6+3+2 +才覚 +時計
DiceBot : (1D6+3+2) > 6[6]+3+2 > 11
網倉 霞
*d2 h2 h5 h9 cJ
マキナ
*c3,s7,d7,c10,sQ
鏖田 ネイル
*h3,s6,hQ,dQ,Jo
小鴨 チカ
*d6,c9,dJ,hJ,cK
メイド2
: *裁判 1ラウンド目 手番:小鴨 チカ
小鴨 チカ
*必衰[d6] > ネイル
網倉 霞
*妨害[h9]!
網倉 霞
*精確! d2!
網倉 霞
1d6
DiceBot : (1D6) > 5
網倉 霞
2d6+3+1+5=>7 判定:才覚 +多彩な凶器 +精確
DiceBot : (2D6+3+1+5>=7) > 3[2,1]+3+1+5 > 12 > 成功
マキナ
*チカに援護
小鴨 チカ
2d6+3+1+1+2=>7 判定:才覚+多彩な凶器+万能+援護
DiceBot : (2D6+3+1+1+2>=7) > 12[6,6]+3+1+1+2 > 19 > 成功
網倉 霞
*幸運 cJ!
網倉 霞
振り直せ!!!!!
小鴨 チカ
2d6+3+1+1+2=>7 判定:才覚+多彩な凶器+万能+援護
DiceBot : (2D6+3+1+1+2>=7) > 10[6,4]+3+1+1+2 > 17 > 成功
小鴨 チカ
*3+1+2+2ダメージ
[ 鏖田 ネイル ] HP : 14 → 6
小鴨 チカ
「……う」
小鴨 チカ
「うあー!!!」
小鴨 チカ
何もわからないけど、ハンマーを持って突進する。
鏖田 ネイル
「随分と」
鏖田 ネイル
紙一重、皮膚一枚の距離で回避を行う。
鏖田 ネイル
「やる気があるようだな?一番槍とは」
小鴨 チカ
「う、わーーー!!!えい、えいえい!」
小鴨 チカ
当たらない!当たらない!
マキナ
「…………」
マキナ
チカが飛び込んだのを見る。
マキナ
怖がりの彼が、真っ先に相手に向かっている。
鏖田 ネイル
躱す。躱す。瞳は冷酷に、小鴨 チカを見据えている。
小鴨 チカ
「くう、くふうっ」
小鴨 チカ
避けられている。ことごとくかわされている。
小鴨 チカ
反撃が来ないのは、避けられるって自信から?
小鴨 チカ
ぼくがヘバるのを待ってんのか?
鏖田 ネイル
回避は全て最小限の動きで熟されていた。
マキナ
ならば、自分も動かなければ。
マキナ
ここで震えているばかりではなく。
マキナ
二人で戦わなければ勝てないのだから。
マキナ
「……っ!」
マキナ
ぎゅ、とナイフを握る。
マキナ
走る。
マキナ
「う、あああ!」
鏖田 ネイル
さて、疲れた頃に目でも突こうか……そう考えていた矢先。
マキナ
ナイフが閃く。
鏖田 ネイル
「…………っチィ!」
鏖田 ネイル
鮮血が走る。
網倉 霞
「!」ワイヤーを引いて転ばせようとするが、間に合わない。
鏖田 ネイル
「……疾いな。疵の力か」
小鴨 チカ
「あ!?」何が起こった!?
マキナ
「…………っ、」
小鴨 チカ
そこでようやく、ぼくは相手の姿すらまともに見てないことに気付いた。
鏖田 ネイル
腕で受けたが、随分と深いところまで刃が入り込んだ。
マキナ
睨まれれば、動きが止まる。
小鴨 チカ
人の身体に傷を作るのが怖くて、無意識に目をそらしてた。
鏖田 ネイル
「霞」
鏖田 ネイル
「自分の始末は自分でつけろ」
マキナ
刻まれた疵は、心に残っている。
マキナ
怖い。
小鴨 チカ
「……」
網倉 霞
頷く。
小鴨 チカ
……いや、違う。
小鴨 チカ
違うぞ、ぼく。
網倉 霞
いつも通りに。
小鴨 チカ
殺す覚悟も決まってないのに、人を殴れるはずがない。凶器を変えたって、そんなん変わらない。
小鴨 チカ
ぼくが人を殴るんじゃない。
小鴨 チカ
体めがけてまっすぐに攻撃を触れても、受け止められるか避けられるかに決まってる。
小鴨 チカ
目を開く。
小鴨 チカ
見る。
小鴨 チカ
マキナさんと、霞さんと、ネイルさんがいる。
小鴨 チカ
……最初は無限に広けた場所みたいに見えたけど、よく見れば意外と狭い。
小鴨 チカ
そこを人が動き回る。
小鴨 チカ
人じゃなくて、軌道を見る。
小鴨 チカ
ぼくは人を殴れない。
小鴨 チカ
ぼくが人を殴るんじゃない。
小鴨 チカ
ぼくが素振りをしたところに、敵が飛び込んでくればいい!
小鴨 チカ
これは音ゲーだ!!!!!!!!
小鴨 チカ
「あ、そぉい!!!」
小鴨 チカ
体動かすのはへたっぴだけど、ダンスは結構自信あるぞ!
小鴨 チカ
怯んだネイルさんの頭に、ハンマーが響いた。
マキナ
「!」
網倉 霞
「っ、」
鏖田 ネイル
外傷で揺れた躰の軸。
マキナ
それに目を見開く。
鏖田 ネイル
そこにハンマーの軌道を併せられた。
鏖田 ネイル
躰が吹き飛ぶ。 自分から飛び跳ねたものではあるが、そうしないと流せない程の衝撃だった。
メイド2
*鏖田 ネイルに3ラウンドの衰弱が付与。
小鴨 チカ
非力なぼくでも、へろへろスイングにネイルさん動きが上乗せされれば、結構な破壊力だ。
鏖田 ネイル
身長差があろうと、膂力に差があろうと……
マキナ
「…………」
鏖田 ネイル
6ペンスコインの枚数に差はない。
鏖田 ネイル
額から流血しながら、睨む。
小鴨 チカ
手に振動が響く。
マキナ
小さく笑う。
鏖田 ネイル
「その目…………」
鏖田 ネイル
「邪魔だな」
小鴨 チカ
初めて人を殴った。
小鴨 チカ
こ、こわ、こわ……
小鴨 チカ
……っ、
小鴨 チカ
怖くねええええええ!!!!
マキナ
チカががんばっているのなら、やはり
マキナ
マキナもそうしなければいけないだろう。
小鴨 チカ
やってやんぞおらーーー!!!!!
マキナ
それは、信頼とかではなく。
小鴨 チカ
女の顔だろうが何だろうが、やってやろうじゃねえか!!!!!
マキナ
どうあっても運命を共にするしかないペアとして。
小鴨 チカ
「かっ、か……」
小鴨 チカ
「かかって、」
小鴨 チカ
「こいやああああああああああああ!!!!」
鏖田 ネイル
「やれ」
マキナ
「…………えらいぞ、チカくん」
メイド2
*裁判 1ラウンド目 手番:網倉 霞
網倉 霞
流れを見ていた。じっと。
網倉 霞
自分の始末は自分で。
網倉 霞
自分にできることを。
網倉 霞
そうやって狩人は戦ってきた。
網倉 霞
この土地にきてからも、ずっと。
網倉 霞
だから、この流れの元がどこであるか、わかる。
網倉 霞
*劇毒!h5!対象はマキナちゃん!
小鴨 チカ
*妨害[dJ]
小鴨 チカ
2d6+3+1+1=>7 判定:才覚+多彩な凶器+万能
DiceBot : (2D6+3+1+1>=7) > 6[5,1]+3+1+1 > 11 > 成功
小鴨 チカ
*器用[cK、c9] 目標値13
網倉 霞
*精確!h2!
網倉 霞
1d6
DiceBot : (1D6) > 4
網倉 霞
2d6+3+1+4=>13 判定:才覚 +多彩な凶器 +精確
DiceBot : (2D6+3+1+4>=13) > 5[1,4]+3+1+4 > 13 > 成功
メイド2
*マキナにラウンド4の猛毒を付与。
網倉 霞
走る。
網倉 霞
その手は伸ばされて、
網倉 霞
マキナの腕を掴む。
マキナ
「……っ、」
網倉 霞
「大丈夫」
網倉 霞
「ただの媚薬だ」
小鴨 チカ
「なっ、ちょっ……」
マキナ
「……な、」
マキナ
震える。
小鴨 チカ
駆け寄ろうと。駆け寄りたいと。
小鴨 チカ
そう思ったけど、目の前にはネイルさんがいる。
マキナ
自分を掴む細い腕が、振りほどけない。
マキナ
万全の状態だったなら、あるいは逃れられたかもしれないそれを。
マキナ
受けてしまう。
網倉 霞
その様子を見ている。
マキナ
心についた疵は、この戦いに何よりも強く影響を与える。
マキナ
「……っ、」
マキナ
息が上がる。
網倉 霞
ほそい腕だ。それだけでは、容易に振りほどけてしまうほどの。
マキナ
頬が染まる。
鏖田 ネイル
「……助けにいかないのか?」
網倉 霞
だから言葉を足す。
鏖田 ネイル
出来なくしているのは自分だ。全てを分かって言っている。
マキナ
足が震える。崩れ落ちないのが不思議なほどに。
小鴨 チカ
「…………っ」
小鴨 チカ
うるせえーなあ。
小鴨 チカ
喋る余裕もねーぞ。息上がってんだよこっちは。
小鴨 チカ
余裕か?煽りやがって!
メイド2
*裁判 1ラウンド目 手番:鏖田 ネイル
鏖田 ネイル
「傍観してくれるのなら、遠慮なくやらせてもらおう」
鏖田 ネイル
「二度も悪いな」
鏖田 ネイル
*奪取[Jo] 対象はマキナ
小鴨 チカ
*妨害[hJ]
マキナ
快楽は、痛みの記憶と紐付けられてしまった。
小鴨 チカ
2d6+3+1+1=>7 判定:才覚+多彩な凶器+万能
DiceBot : (2D6+3+1+1>=7) > 5[1,4]+3+1+1 > 10 > 成功
マキナ
「……っ、う」
マキナ
自由な方の腕で、自身の身体を抱く。
マキナ
それにすら、びくりと身体を震わせて。
マキナ
瞳が涙で潤み、抑えても吐息は艶めいて。
網倉 霞
つないだ腕はまるでダンスのよう。
鏖田 ネイル
精確の使用は、無し。
マキナ
無様に踊らされている。
鏖田 ネイル
2d6+3+1>=10 才覚+多彩な凶器
DiceBot : (2D6+3+1>=10) > 3[1,2]+3+1 > 7 > 失敗
鏖田 ネイル
*器用 hQ,dQ,h3の3枚を廃棄し、+3
鏖田 ネイル
成功。
網倉 霞
そのステップのゆく方向が、ネイルにはわかる。
マキナ
「ん──……っ、」
マキナ
膝が崩れ落ちそうになって、それでもなんとか踏みとどまる。
鏖田 ネイル
*マキナからc10を奪取
鏖田 ネイル
そこに、ハンターは襲いかかる。
鏖田 ネイル
奪うのは、武器ではない。
鏖田 ネイル
立ち向かう意思だ。
鏖田 ネイル
「もう一度」
マキナ
「──う、」
小鴨 チカ
「うえ!?」
鏖田 ネイル
「同じ目に会いたいか?」
小鴨 チカ
迫ってくる軌道に合わせて攻撃を乗せる……そういう動きをしてる。
鏖田 ネイル
近づき、耳元で囁き、撫でる。
小鴨 チカ
だから、離れていくような動きには対応できない。
マキナ
体についた傷は治っても、
鏖田 ネイル
それだけでいい。
マキナ
心はそうじゃない。
マキナ
「……い、や」
小鴨 チカ
自分の身を守ることを考えて、またマキナさんを手放した。
小鴨 チカ
「……ま、待て!」
マキナ
「いや、や、だ」
マキナ
「……っ、」
鏖田 ネイル
「待て?」
鏖田 ネイル
「待ってくれたのはお前だろう」
小鴨 チカ
「うるせえーーーー!!!!」
小鴨 チカ
惑わされちゃだめだ。
マキナ
「う、うぅ……」
小鴨 チカ
敵の言葉にも、自分の甘えにも……自責の念にすらも。
マキナ
「ちか、くん」
小鴨 チカ
飛び出すのがもっと早かったら、多分もっとひどいことになってた。
メイド2
*裁判 1ラウンド目 手番:マキナ
マキナ
*回復[sQ]
鏖田 ネイル
*妨害[c10]
鏖田 ネイル
*精確[s6]
鏖田 ネイル
1d6
DiceBot : (1D6) > 1
鏖田 ネイル
2d6+3+1+1>=7
DiceBot : (2D6+3+1+1>=7) > 7[3,4]+3+1+1 > 12 > 成功
マキナ
2d6+3>=7 愛
DiceBot : (2D6+3>=7) > 9[4,5]+3 > 12 > 成功
[ 小鴨 チカ ] HP : 12 → 15
マキナ
1d6+3+1 愛+呪物
DiceBot : (1D6+3+1) > 2[2]+3+1 > 6
マキナ
猛毒を回復します
[ マキナ ] HP : 20 → 21
[ マキナ ] 猛毒 : 4 → 1
メイド2
*猛毒によりHPが3点減少。
[ マキナ ] HP : 21 → 18
鏖田 ネイル
「…………チッ」
鏖田 ネイル
動かれたか。
鏖田 ネイル
疵が浅い……というより、塞がれた。
マキナ
「ち、か」
マキナ
「くん」
小鴨 チカ
「……!」
マキナ
マキナは誰も信じない。
マキナ
マキナ自身が人を裏切るから、
マキナ
人も、自分をそう扱うものだと思っていて。
マキナ
誰の心も信じられないで。
マキナ
ただ、
マキナ
チカが今動いたことは、事実で。
マキナ
それは、信じる信じないでなく、
マキナ
ただ事実としてそこにある。
マキナ
「……だい、じょぶ」
マキナ
「マキナはだいじょうぶです」
小鴨 チカ
「……!」
鏖田 ネイル
「まったく、面倒な事だ」
網倉 霞
ネイルを見た。
鏖田 ネイル
心の疵は救世主の弱点だ。だが、塞がった疵は力となる。
小鴨 チカ
かわいいな。
小鴨 チカ
かわいい。
小鴨 チカ
守りたい。
鏖田 ネイル
それはハンターにとっては、明確に不利に働く。
鏖田 ネイル
連中は、心の疵を塞ぐ事ができる。そうして、強くなる事ができる。
それは成長とも言える。
マキナ
未だに身体は熱が上がっている。
マキナ
でも、動ける。
マキナ
戦える。
小鴨 チカ
「へいへーい!ツンツンした目のねーちゃんよー!!」
鏖田 ネイル
我々は確かに強い。戦いの経験に根ざした有利がある。
鏖田 ネイル
だが。
小鴨 チカ
「ぼくはこっちだぞー!ビビってんのかー!!」
鏖田 ネイル
我々の疵は塞がらない。
鏖田 ネイル
二度と塞がる事はない穴がある。
網倉 霞
だいじょうぶ、って。あの子の口癖なんだって。
鏖田 ネイル
それは、明確に、ハンター達の不利な点だった。
網倉 霞
そう言ってくれる子が、目の前の少年にいて。
網倉 霞
自分たちにはいない。
網倉 霞
それを埋めるための、戦いだ。
網倉 霞
なにか、何かを、掴むための。
マキナ
*廃棄 c3,s7
メイド2
メイド2
*裁判 2ラウンド!
網倉 霞
*h4、c6、s8、d8、hA
マキナ
*s9,s10,sK,dK(d7)
小鴨 チカ
*s4、c2、h6、h8、dA
鏖田 ネイル
*h7,c7,c5,d10,hK
メイド2
*裁判 2ラウンド目 手番:小鴨 チカ
GM
小鴨 チカ
*必衰[h6] > 対象はネイルさん
鏖田 ネイル
*妨害[d10]
鏖田 ネイル
*精確[h7]
鏖田 ネイル
1d6
DiceBot : (1D6) > 6
鏖田 ネイル
2d6+3+1+6>=7 才覚+多彩な凶器
DiceBot : (2D6+3+1+6>=7) > 6[4,2]+3+1+6 > 16 > 成功
マキナ
*チカくん援護します
小鴨 チカ
*精確[c2]
小鴨 チカ
1d6
DiceBot : (1D6) > 3
小鴨 チカ
2d6+3+1+1+2+3=>7 判定:才覚+多彩な凶器+万能+援護+精確
DiceBot : (2D6+3+1+1+2+3>=7) > 8[4,4]+3+1+1+2+3 > 18 > 成功
小鴨 チカ
3+2+1+2+2=10 威力+心の疵+発狂+衰弱+援護
[ 鏖田 ネイル ] HP : 6 → 0
メイド2
*ネイル様の衰弱は3ラウンドに上書き。判決表を。
鏖田 ネイル
2d6+1 判決表 脅威度1
DiceBot : (2D6+1) > 3[1,2]+1 > 4
メイド2
*昏倒です。
小鴨 チカ
体が動く。
小鴨 チカ
だんだん分かってきた。
鏖田 ネイル
心が動く。
鏖田 ネイル
計測できない事象が増えていく。
小鴨 チカ
いくら気持ちを切り替えたって、急に人の動きが読めるようになるわけない。
小鴨 チカ
それに合わせて動けたって、急に攻撃が効くようになるわけもない。
小鴨 チカ
救世主の力って、こういう事か。
小鴨 チカ
この人たちとぼくたちの違いって……思ったよりも大きくない。
鏖田 ネイル
そも、救世主の力というのは……コインが10枚しか無い場合においては、ネイルにとって枷だ。
小鴨 チカ
たとえ相手が前の世界で戦いを経験してても、たとえ相手が元々ただの人間じゃなくても、たとえ相手が優秀な救世主だったとしても。
小鴨 チカ
それに大きな意味はないんだ。
鏖田 ネイル
あの膂力だって、コインの力によって多少取戻されてはいるが……半吸血鬼としての膂力の方が強かった。
小鴨 チカ
ハンマーを持って、ネイルさんの懐に向かう。
鏖田 ネイル
コインを失ってから24時間。3桁を超えるコインを持つ状態から今の状態への急激な変化。慣らすには、本来もっと時間がかかる。
鏖田 ネイル
懐に潜り込んできたチカに、杭の軌道を併せる。
小鴨 チカ
「ひえ----っ!」
小鴨 チカ
ガード!!
小鴨 チカ
手で攻撃を防ぐ。
鏖田 ネイル
敵に併せる動きというのは演舞のようなものだ。過度な力みはいけない。過剰な脱力もいけない。
鏖田 ネイル
その計算が、僅かに狂う。
鏖田 ネイル
「……チッ」
小鴨 チカ
やっぱりだ。ぼくの細腕でも、攻撃が防げる。
小鴨 チカ
ガードをした後にすることは何だ?決まってる!
小鴨 チカ
「う、おりゃあああーーーーー!!!」
小鴨 チカ
ガーキャン→↓↘P!!!!ハンマー持って、アッパーカットじゃい!
鏖田 ネイル
次が来る。受けられた以上動き出しはこちらが遅い。だが多少の不利は動きの最適化と速度で補い……
鏖田 ネイル
その速度が…………足りない!
小鴨 チカ
顎をとらえる。
小鴨 チカ
外した時のことは考えない。振りぬく。
鏖田 ネイル
「ガッッ…………!」
鏖田 ネイル
下顎を捉える金属の塊。
鏖田 ネイル
それは骨よりも重く、硬い。
小鴨 チカ
人に当たったら死ぬような攻撃だよな!ちくしょう!!関係ねえ!!!!
マキナ
「……っ、」
マキナ
ネイルが揺らいだのを見て、
マキナ
マキナも短剣を握り
鏖田 ネイル
骨が砕け、血が滴る。
マキナ
「っ、あああ!」
マキナ
斬りかかる。
鏖田 ネイル
一切の油断は無い。二人目の獲物を見つめる。
マキナ
視界は涙でぼやけている。動きにも精彩はない。
鏖田 ネイル
……声で指示を出す余裕なんてものはない。だから何も言わずに動いた。
鏖田 ネイル
滴った血から炎があがる。
鏖田 ネイル
鏖田ネイルが身を捩るだけで可燃性の血液が飛び散り、マキナの進路上に炎の迷路を作り出す。
網倉 霞
――衝撃音。振り返って、その音の先を見る。
マキナ
「う、うう」
マキナ
その炎の熱にたじろぐ。
網倉 霞
その血の動きに合わせるように。後ろから毒液を飛ばす。
マキナ
「っ、う」
マキナ
背中に毒液を浴びる。
小鴨 チカ
「……っ!」
マキナ
背後からの攻撃には対応できない。前方には燃え盛る炎。
マキナ
その向こうに、チカ。
網倉 霞
少しだけ、目を見開いたのは。
マキナ
「……っ!」
マキナ
炎に、飛び込む。
マキナ
痛みには慣れている。
網倉 霞
想定を超える血の量と、
マキナ
そういう使い方をされてきた。
マキナ
この国に来てからずっと、盾として扱われて。
マキナ
そうあるように命じられて。
網倉 霞
戦い慣れていないあの少年の動きが、明らかに成長していたこと。
網倉 霞
それに。
マキナ
やることは変わらない。
マキナ
だけど、自分の意志で痛みに飛び込んだのは、これが初めてだった。
網倉 霞
少女があの状態で、自ら毒を浴びるようなことをしたこと。
マキナ
「あああ!!」
マキナ
炎の壁を超えて、刃が閃く。
鏖田 ネイル
燃え盛る炎は、痛みと共に身体を焼く。だがそれは実際のところ、通り過ぎるだけなら見た目ほどのダメージは与えない。
鏖田 ネイル
それでもこの手段をとったのは……鏖田ネイルにとって、それがフォロワー相手の常套手段だったからだ。
鏖田 ネイル
強い者に媚びへつらい、そのおこぼれに与ろうとするもの。
魂を売り飛ばし、自らの安全だけを図ろうとしたもの。
鏖田 ネイル
そうしたものは、炎の中には飛び込めない。
鏖田 ネイル
つまるところ。マキナという少女をそうした存在として見積もったことが、鏖田ネイルの誤算だった。
マキナ
恐怖に濡れた瞳で、それでもマキナの視線ははっきりとネイルを捉えていた。
網倉 霞
毒を飛ばす。飛ばす。しかし、それはチカには届かない。
鏖田 ネイル
炎の先に瞳がある。
鏖田 ネイル
鋭い瞳だ。あの地獄のような時間の中、絶えず貴女を貫き続けていた。
マキナ
「……っ、」
マキナ
怖い。怖い。怖い。
マキナ
それでも、がむしゃらに突き出した短剣が、
マキナ
ネイルの身体を裂いた。
鏖田 ネイル
「ガァァアアアア!!!!!」
鏖田 ネイル
叫ぶ。それは威嚇であり、そのほうが痛みを耐えられるという狩人の知恵だ。
マキナ
本来の彼我の力の差を鑑みれば、届くはずのない刃が
マキナ
それでも、届いた。
鏖田 ネイル
頭は瞬時に対応を考える。想定の外の動き、想定の外の精神。
鏖田 ネイル
……だがそんなもの。
鏖田 ネイル
狩りにおいては日常茶飯事だ。
鏖田 ネイル
砕けた下顎から滴る炎が、牙の形を取る。
鏖田 ネイル
刃は届いた。リーチの短い短剣が。
鏖田 ネイル
それが届く距離の密接距離、というのは……
鏖田 ネイル
吸血鬼の間合いだ。
鏖田 ネイル
鏖田ネイルの腕がマキナを捉える。
マキナ
「……ひ、」
鏖田 ネイル
炎の牙は、その首筋を狙っている。
小鴨 チカ
その背後から。
小鴨 チカ
とん、と肩に手を置く。
小鴨 チカ
「うっ、ううっ……」
小鴨 チカ
ハンマーを握る。
小鴨 チカ
この後に起こることが分かってしまった。
小鴨 チカ
「ぐすっ、ふうっ、うえっ……」
鏖田 ネイル
泣いても。
小鴨 チカ
たぶん、ぼくたちは、あんまりかっこよくない。
鏖田 ネイル
嘆いても。
小鴨 チカ
他の救世主たちは、きっともっと上手くやる。
鏖田 ネイル
鏖田ネイルの動きは止まらない。
小鴨 チカ
おしゃれだったり、無駄がなかったり、強そうだったり、怖かったり。
小鴨 チカ
ぼくたちに出来ない事が、きっとできるんだ。
小鴨 チカ
でも、ぼくたちは、ぼくたちは、ぼくたちは!
鏖田 ネイル
吸血鬼の牙を止める力は、涙ではない。
小鴨 チカ
その手を引いて、こちらを向かせる。
鏖田 ネイル
今まで多くのハンターが実践してきたのと、同じ力が必要だ。
小鴨 チカ
苦手だけど。わからないけど。
小鴨 チカ
これ以外、やり方がわからない!
鏖田 ネイル
「……貴様」
小鴨 チカ
「……ごめんなさい!」
鏖田 ネイル
こいつ。
鏖田 ネイル
狩人の目をしている。
小鴨 チカ
先ほど叩いた顎めがけて。
小鴨 チカ
ハンマーを振りぬいた。
網倉 霞
すこし離れたところからでもわかる。
マキナ
鈍い音が、マキナにも聞こえた。
鏖田 ネイル
血が弾ける。
鏖田 ネイル
それは炸裂し、返り血となって周囲を浸す、
網倉 霞
身体の位置、血の量。ゆらぎ。
鏖田 ネイル
だが、それは発火しない。 マキナの進路を塞いでいた炎の迷路も消え失せた。
マキナ
返り血がチカとマキナを汚す。
網倉 霞
温度のなさ。
網倉 霞
「――ネイル」
鏖田 ネイル
鏖田ネイルの血は発火性だが……それが火を放つには条件がある。
鏖田 ネイル
網倉霞はそれを知っている。
マキナ
「……は、う」
マキナ
荒く息を吐きながら、
網倉 霞
何度か見た。
マキナ
血を流す女性をぼんやりと見やる。
網倉 霞
こういう光景を。
網倉 霞
ただ、
マキナ
目の前の状況に対して、どこか理解が追いついていないような様子。
網倉 霞
何もかもがイレギュラーだった。
小鴨 チカ
手全体に鈍い痺れ。
鏖田 ネイル
女は、まだ2本の足で立っている。
鏖田 ネイル
だが、その瞳はどこも見つめていない。
鏖田 ネイル
その手はどこへも動いていない。
鏖田 ネイル
一瞬…………一瞬でも、意識を取り戻す事ができれば。
鏖田 ネイル
マキナとチカを汚した血液は、再び燃え上がる。
鏖田 ネイル
だが…………
マキナ
「……っ!」
鏖田 ネイル
ふら…………と、その長身がバランスを崩して
鏖田 ネイル
女は倒れ伏した。
メイド2
「判決は昏倒! 裁判続行でございます」
網倉 霞
見ていた。
マキナ
その様子に息を呑む。
網倉 霞
それが倒れていくのを。
マキナ
倒れた。
マキナ
倒れている。
マキナ
起き上がって、こない。
小鴨 チカ
「……えぐっ……」
マキナ
「……ちか、くん」
マキナ
「チカくん」
網倉 霞
いつもなら振り返りもしない状況で、それを見て、立ち止まるしかなかった。
マキナ
「あ、あと」
マキナ
「あと、ひとり」
小鴨 チカ
「………………?」
小鴨 チカ
はっと正気に戻る。
マキナ
「まだ」
網倉 霞
信じていた。
網倉 霞
ネイルを? いいや、違う。
網倉 霞
二人で積み上げたコインたちをだ。
小鴨 チカ
まだ残っている。
マキナ
ボロボロと涙を溢すチカを慰める余裕も、励ます力もない。
網倉 霞
それが10枚しかないならば。
小鴨 チカ
もう一度?これを?
マキナ
ただ促す。
小鴨 チカ
視線は霞さんへ向く。
網倉 霞
「…………」
小鴨 チカ
倒れたネイルさんが、今も生きているか、死んじゃったのか、それを確かめるヒマはない。
小鴨 チカ
殺す気でやった。やれた。やれてしまった。
小鴨 チカ
いろいろと考えていたゴチャゴチャを、一旦あっちに追いやって。
小鴨 チカ
よくわかんねー頭で、目の前の相手と闘う事だけを考えて、闘った。
マキナ
チカの隣に立って、マキナもまた霞へと向き直る。
網倉 霞
「負けないよ」
網倉 霞
「負けてなんかやらない」
小鴨 チカ
「ふっ……はっ……はあっ……」
網倉 霞
「俺は」
網倉 霞
「俺たちは」
小鴨 チカ
傷なんて、ひとつも負ってないのに……
小鴨 チカ
全身が、悲鳴をあげていた。
網倉 霞
ずっと、そうしてきたように。
網倉 霞
それ以外を知らないから。
小鴨 チカ
肺からは変な音がして、吸うたび吐くたび苦しくなる。
小鴨 チカ
指一本動かすのもつらい。今すぐ倒れこんでしまいたい。
網倉 霞
「諦めない」
小鴨 チカ
なのに、なぜだか体は動く。今までにないくらい、万全に。
モブ
メイド3
*裁判 2ラウンド目 手番:網倉 霞
網倉 霞
*予知 [hA]
網倉 霞
*捨札からhKを。
網倉 霞
*劇毒[c6] >マキナ
小鴨 チカ
*妨害[h8]
小鴨 チカ
*精確[s4]
小鴨 チカ
1d6
DiceBot : (1D6) > 1
小鴨 チカ
2d6+3+1+1+1=>7 判定:才覚+多彩な凶器+万能+精確
DiceBot : (2D6+3+1+1+1>=7) > 7[1,6]+3+1+1+1 > 13 > 成功
小鴨 チカ
*器用[dA] 14に変更
網倉 霞
*精確[h4]
網倉 霞
1d6
DiceBot : (1D6) > 4
網倉 霞
2d6+3+1+4=>7 判定:才覚 +多彩な凶器
DiceBot : (2D6+3+1+4>=7) > 8[5,3]+3+1+4 > 16 > 成功
マキナ
*幸運[sK] 霞さんは振り直しを
網倉 霞
2d6+3+1+4=>7 判定:才覚 +多彩な凶器
DiceBot : (2D6+3+1+4>=7) > 7[4,3]+3+1+4 > 15 > 成功
[ マキナ ] 猛毒 霞 : 1 → 4
網倉 霞
走る。
網倉 霞
その手は鮮やかな紫で濡れている。
マキナ
「……っ、」
網倉 霞
マキナにまっすぐに向かい、その手が。
マキナ
避けられない。
網倉 霞
あなたの傷跡を掴む。
網倉 霞
じわりと毒が染み込んであなたの肌に至る。
マキナ
ネイルの血によって焦げた服の下、
マキナ
素肌にはまだ傷跡が残っている。
マキナ
先刻受けた陵辱の傷跡が、いくつも。
マキナ
「……ひ、ぅ」
網倉 霞
「俺たちは、ずっと」
網倉 霞
「ずっとふたりで、」
マキナ
毒液が傷痕を侵す。
網倉 霞
「救世主を、倒してきて、」
網倉 霞
「――だから」
網倉 霞
「互いのことを何も知らないおまえたちに、負けるわけには、いかない……!」
マキナ
「──う、」
マキナ
「うる、さい」
マキナ
「知らない!」
マキナ
「生きたいの!」
マキナ
「死にたく、ないの!」
網倉 霞
「そういうやつを、俺達は」
マキナ
霞の身体を突き飛ばす。
網倉 霞
「たくさん殺してきて!」
マキナ
「知らない!」
網倉 霞
「だから――」
マキナ
「知らない、知らない知らない!」
網倉 霞
突き飛ばされる。軽い。コイン10枚分の重さ。
マキナ
「あなたたちがどれだけ仲がよかろうが」
マキナ
「目的があろうが」
マキナ
「大事な人が、いようが」
マキナ
「全部……」
マキナ
「──全部、私には関係ない!」
網倉 霞
生きたいもの、生かされたもの。
網倉 霞
選ばれたもの、選ばれないもの。
網倉 霞
自分達は運命に選ばれていない。
網倉 霞
選ばれない。
網倉 霞
だから、人の運命を奪って、生きてきた。
網倉 霞
「――もう、」
網倉 霞
「戻れないんだよ!」
網倉 霞
叫ぶ。
網倉 霞
狩人は狂っている。
網倉 霞
救世主は狂っている。
網倉 霞
狂った者の叫び。
メイド3
*裁判 2ラウンド目 手番:マキナ
マキナ
*パスします
マキナ
叫ぶ救世主を、ハンターを
マキナ
涙を零しながら、ただ睨んでいる。
[ マキナ ] HP : 18 → 15
マキナ
*猛毒の分
マキナ
*d7 s9 s10 廃棄
小鴨 チカ
*なし
網倉 霞
*s8を捨て!
メイド3
*第3ラウンド
網倉 霞
*d4 (d8) d9 c8 hK 
小鴨 チカ
*s3,c4,s5,d5,sJ
マキナ
*d3 h10 sA cA(dK)
メイド3
*裁判 3ラウンド目 手番:小鴨 チカ
小鴨 チカ
*必衰[s5]
網倉 霞
*妨害[c8]
網倉 霞
2d6+3+1=>7 判定:才覚 +多彩な凶器
DiceBot : (2D6+3+1>=7) > 5[3,2]+3+1 > 9 > 成功
小鴨 チカ
*精確[s3]
網倉 霞
*d8捨て 目標値+1で10!
マキナ
*援護
小鴨 チカ
1d6
DiceBot : (1D6) > 1
小鴨 チカ
2d6+3+1+1+1+2=>7 判定:才覚+多彩な凶器+万能+精確+援護
DiceBot : (2D6+3+1+1+1+2>=7) > 5[3,2]+3+1+1+1+2 > 13 > 成功
小鴨 チカ
3+2=5 威力+援護
[ 網倉 霞 ] HP : 12 → 7
[ マキナ ] 猛毒 霞 : 4 → 3
網倉 霞
狩人の目は鋭い。
網倉 霞
それは、そうしなければ。
網倉 霞
見つめていなければ。
マキナ
それに怯まず、走る。
小鴨 チカ
その目が今は、怖くない。
小鴨 チカ
さっきまでお話してた人だ。抱き着かれたりした。
網倉 霞
勝つことができないから。
小鴨 チカ
顔がかわいかった。迫る姿にドキっとした。いい匂いだった。
小鴨 チカ
この人は、ぼくを殴ったりはしなかった。
小鴨 チカ
そんな人を二人がかりで、武器を持って囲んでいる。
マキナ
話が分かる方の人。
マキナ
マキナもそう認識している。
マキナ
でもそれだって関係ないんだ。
小鴨 チカ
囲んだら、やることは決まってる。
マキナ
生きるためなら、味方だって裏切ってきた。
マキナ
今、躊躇うはずがない。
小鴨 チカ
袋叩きにするだけだ。
小鴨 チカ
ハンマーに力を込めて、背後から殴る。
マキナ
ネイルの血に濡れた短剣が、霞を襲う。
網倉 霞
――狩人は一人では戦えない。
マキナ
呼吸なんて合ってない。
網倉 霞
だから群れて、モンスターを倒す。
マキナ
昨日出会ったばかりの二人だ。
網倉 霞
一人になった狩人は、もろく。
マキナ
ともに戦ってきた狩人達の連携とは比べるべくもない。
網倉 霞
後ろから迫るハンマーを避けられない。
マキナ
それでも今、
マキナ
向こうは一人で
小鴨 チカ
がつん、と手に感触が響く。
小鴨 チカ
すごく嫌な気分だ。
マキナ
こちらは、二人だ。
小鴨 チカ
一回振るたび、体の使い方が馴染んでいく。
小鴨 チカ
もう人間じゃないと理解させられていく。
網倉 霞
やわらかく細い体が跳ねるようにして、その一撃を受ける。
網倉 霞
あの日、4人だった。あの日から、2人になった。
網倉 霞
今はひとりだ。
糸田 柱
『霞!』そう言って、割り込む声はない。
マキナ
刃が肉に沈み込む感触が手に伝わる。
小鴨 チカ
ネイルさんに当たった時よりも、手応えが軽い。
網倉 霞
毒液が飛び散る。
小鴨 チカ
小さいな。
網倉 霞
短剣に貫かれて、血に混じって鮮やかな色の液体が吐き出される。
マキナ
構わず、それを受ける。
マキナ
「う、うう」
小鴨 チカ
なんでこんなことをしてるんだろう。なんでこんなことをしなきゃいけなかったんだろう。
小鴨 チカ
何度も問いかけて、そしてとっくに答えは出てる。
網倉 霞
「、っ、……ぅ、」
網倉 霞
呻き声をあげて。痛みをおぼえて。
網倉 霞
それでも、ここで折れるわけにはいかなかった。
小鴨 チカ
ぼくは、巻き込まれた側。運がないと思っていた。最低な儀式だと思った。今でも思ってる。
小鴨 チカ
でも、この儀式は、ぼくみたいな救世主にこそ、ボーナスステージみたいな場所だった。
マキナ
素人の振るう武器は、そう易易と急所を捉えない。
網倉 霞
招待状だって、じぶんたちに届いたものではなかった。人から奪い、手にした封筒。
網倉 霞
選ばれない。選ばれない。
小鴨 チカ
ぼくたちよりずっと、何度も戦い抜いて、何度も苦しみぬいて、積み上げて、やってきた人たちが。
網倉 霞
果たされなくても、報われなくても。選ばれなくても。
小鴨 チカ
こんな、ポッと出の観客にタコ殴りにされている。
網倉 霞
最後まで、なにかを。
マキナ
はやく倒れて。
網倉 霞
なにかを、目指すしかない。
マキナ
はやく、死んで!
マキナ
願った所で、まだ致命には至らない。
メイド3
*裁判 3ラウンド目 手番:網倉 霞
網倉 霞
「…………っ!」
網倉 霞
ふりほどく。ふたりを突き飛ばす。
網倉 霞
「いやだ、」
小鴨 チカ
「う……!」
網倉 霞
「……いやだ!!!」
マキナ
「……っ!」
小鴨 チカ
やめろ。
小鴨 チカ
知ってる!
小鴨 チカ
そんなこと、言うな!
マキナ
突き飛ばされ、たたらを踏む。
小鴨 チカ
必死になるな。不敵に笑え。悪役っぽく。ぼくたちを苛めてくれ。
小鴨 チカ
ぼくたちと同じだと思わせないでくれ。
網倉 霞
何が? なにもかもすべてが、ぜんぶ!
小鴨 チカ
きみのことを、弱いだなんて思いたくない!
網倉 霞
狩人はひとりでは無力だ。
小鴨 チカ
辛くて苦しんで、戦い抜いて、生き残ろうとしてる人だなんて、思いたくない。
小鴨 チカ
それを摘み取ろうとしてるだなんて、意識したくない。
網倉 霞
無力であっても。
網倉 霞
掴むことを、信じるしかない。
網倉 霞
*奪取 hK
小鴨 チカ
*妨害[sJ]
小鴨 チカ
*精確[c4]
小鴨 チカ
1d6
DiceBot : (1D6) > 3
小鴨 チカ
2d6+3+1+1+3=>7 判定:才覚+多彩な凶器+万能+精確
DiceBot : (2D6+3+1+1+3>=7) > 2[1,1]+3+1+1+3 > 10 > 成功
マキナ
*幸運[dK]
小鴨 チカ
2d6+3+1+1+3=>7 判定:才覚+多彩な凶器+万能+精確
DiceBot : (2D6+3+1+1+3>=7) > 8[6,2]+3+1+1+3 > 16 > 成功
網倉 霞
*精確 d4
網倉 霞
1d6
DiceBot : (1D6) > 3
網倉 霞
2d6+3+1+3=>7 判定:才覚 +多彩な凶器
DiceBot : (2D6+3+1+3>=7) > 8[2,6]+3+1+3 > 15 > 成功
網倉 霞
*逆転!
網倉 霞
*「糸田さん」を●に。
網倉 霞
*この2は6!
メイド3
*スペシャルですね。1d6点の回復をどうぞ。
網倉 霞
1d6
DiceBot : (1D6) > 6
[ 網倉 霞 ] HP : 7 → 13
網倉 霞
駆ける。
網倉 霞
相手二人のほうではなく、
網倉 霞
ネイルのもとへ。
網倉 霞
倒れ伏したその身体から、杭を一本抜き取る。
小鴨 チカ
「あ……」
網倉 霞
――この武器は。
網倉 霞
ネイルの武器であり、あるいは、
網倉 霞
糸田柱の得物でもあった。
マキナ
杭を見て、わずかに身を竦ませる。
小鴨 チカ
「……なんで……」
網倉 霞
使ったことはない。触らせてくれはしなかった。
マキナ
普通の杭だ。
小鴨 チカ
「もう、諦めてよ……!」
マキナ
でも、どうしても。
糸田 柱
『私は対象に対して興味を持たないようにしている』
糸田 柱
『奪い取れ、それが必要ならば』
網倉 霞
見たことがあるだけ。見様見真似で、それを構える。
網倉 霞
――正直。
網倉 霞
こんなことしても、そう勝ち目が変わるわけではない。
網倉 霞
わかっている。
網倉 霞
だから、これは願いだ。
網倉 霞
救いを。
網倉 霞
掴み取るために。
網倉 霞
*マキナちゃんのcAを奪取。
糸田 柱
『私たち狩人は、どうにか救いを勝ち取るために戦っている。それはただ転がり込んでくるものではないと知っているからだ』
マキナ
「……っ、」
マキナ
迫ってくる狩人を前に、足がすくむ。
マキナ
それは一瞬のこと。
マキナ
だけど狩人を相手取るならば致命的な隙だ。
網倉 霞
駆ける、走って、
網倉 霞
その手が届く。
マキナ
「……い、や」
小鴨 チカ
「ま、マキナさん!」
マキナ
霞の願いはマキナには関係ない。
網倉 霞
杭をマキナに振り抜く。
マキナ
同様に、マキナの悲鳴もまた霞には関係ないもので。
マキナ
「ぅ、ああっ!」
マキナ
杭がマキナの身体を穿つ。
マキナ
膝をつく。
網倉 霞
倒れたその身体に、覆いかぶさるようにして。
マキナ
杭の刺さった箇所からぼたぼたと血が垂れ
マキナ
地面を汚す。
網倉 霞
その流れを使って、マキナの短剣を引き抜く。
小鴨 チカ
「や、やめて!」
マキナ
「……っ!」
小鴨 チカ
後ろからハンマーを振り下ろそうとする。
マキナ
抗えず、奪われる。
糸田 柱
『ただただ戦え。戦いにおいて感情の機敏など不要だ。激情という熱量だけが狩人を活かす』
網倉 霞
転がって、回避する。
マキナ
「……か、えして!」
マキナ
もがいて伸ばした手は宙を切った。
小鴨 チカ
「……!」当たらない。
網倉 霞
そのまま距離をとって、立ち上がる。
小鴨 チカ
どこか、心のどこかで、ちょっとホッとしてしまった。
糸田 柱
過去に投げかけられた言葉がついて離れない。
糸田 柱
振り払えるならば、それは疵として残ってはいない。ましてや抉れているならば。
マキナ
「う、うう」
小鴨 チカ
首を横に振る。両頬を叩く。汗と一緒に、その気持ちを振り払う。
マキナ
霞を睨む。
網倉 霞
「……、っ、諦める、わけには、」
網倉 霞
「いかないんだよ……!!!」
マキナ
傷口を抑えて、のろのろと立ち上がる。
マキナ
「……諦めて」
小鴨 チカ
「諦めてよぉ!」
小鴨 チカ
「もうやだぁ!」
網倉 霞
「――、」
網倉 霞
「俺だって、」
網倉 霞
「俺だって、嫌だ!!」
網倉 霞
「でも、だって」
網倉 霞
「それしか、」
網倉 霞
「ないんだよ…………!」
メイド3
*裁判 3ラウンド目 手番:マキナ
鏖田 ネイル
「私達は、一度狩人になった。」
鏖田 ネイル
鏖田ネイルは、かつて一度そう言ったことがある。
マキナ
*救済[sA]対象:マキナ
マキナ
3d6
DiceBot : (3D6) > 11[6,2,3] > 11
鏖田 ネイル
何気ない会話だった。シリアスなものではない。雑談の一部。
鏖田 ネイル
「ならば、死ぬまで狩人だ」
[ マキナ ] HP : 15 → 21
鏖田 ネイル
「辞める事など、できないさ」
[ マキナ ] 猛毒 霞 : 3 → 0
鏖田 ネイル
それをなんでもないこととして言った事は。
鏖田 ネイル
あまりにも当然の事として、それを捉えていたからなのだろう。
マキナ
「……っ、う」
マキナ
杭を引き抜き、捨てる。
マキナ
堰き止められていた血が溢れる。
マキナ
そこに手を当てて、目を閉じる。
マキナ
「……っ、は、う……」
マキナ
息を、整える。
マキナ
傷口が塞がり、血が止まる。
マキナ
上がっていた息が整い、
マキナ
火照った身体がいくらか落ち着く。
小鴨 チカ
マキナさんの傷が塞がっていく。
小鴨 チカ
すごい力だ。
マキナ
痛みには慣れている。
マキナ
盾になって、
小鴨 チカ
すごい力だけど、その治癒は心までは治さないことを、ぼくは知ってる。
マキナ
攻撃を受けて、
マキナ
治して、
マキナ
何度も、
マキナ
何度も何度も。
小鴨 チカ
痛いだろうな。
小鴨 チカ
苦しいだろうな。
小鴨 チカ
怖いんだろうな。
マキナ
慣れている。
小鴨 チカ
ぼくは慣れてない。
小鴨 チカ
見てるだけで怖い。
マキナ
怖いのは痛みじゃない。
マキナ
痛みのその先にあるもの。
マキナ
死。
小鴨 チカ
この時間は、苦行だ。
小鴨 チカ
長引けば長引くほど、ここにいる全員が苦しむ。
マキナ
だけどその終幕を早くする術を誰も知らない。
マキナ
泣きながら、喚きながら、
マキナ
裁判は続く。
網倉 霞
誰も持っていない。早く終わらせる手段を。
メイド3
*手番捨てタイム
マキナ
*全部捨て!
小鴨 チカ
*捨てなし
網倉 霞
*d8捨て!
メイド3
「裁判が膠着と判断いたしました」
マキナ
「……え?」
小鴨 チカ
「へっ!?」
網倉 霞
「…………」
マキナ
突然のメイドの言葉に、唖然としてそちらを見る。
メイド3
「5ラウンド以内に裁判が終了しない場合、審判を発動します」
メイド3
*ラウンド4
小鴨 チカ
*s2,d5,s5,sJ,cQ
メイド3
*この裁定は実際の膠着よりもずっと条件が軽いですが、ロールを結構しっかりしている卓なのでそのように裁定しました。
網倉 霞
*h4、s6、(d9)、cK、cA
マキナ
*s4 d8 c8 h9 h10
小鴨 チカ
続かせたくないと思ってた。
小鴨 チカ
なのに、終わりって言われると急に怖くなってくる。
小鴨 チカ
死ぬのか?もう少しで?
メイド3
*裁判 4ラウンド目 手番:小鴨 チカ
小鴨 チカ
死者が出るのか?ここから。
小鴨 チカ
*必衰[s5]
マキナ
*援護
小鴨 チカ
2d6+3+1+1+2=>7 判定:才覚+多彩な凶器+万能+援護
DiceBot : (2D6+3+1+1+2>=7) > 6[1,5]+3+1+1+2 > 13 > 成功
小鴨 チカ
3+2+2=7 威力+衰弱+援護
[ 網倉 霞 ] HP : 13 → 6
小鴨 チカ
「……くそ!」
小鴨 チカ
ハンマーを振り上げる。振り下ろす。
小鴨 チカ
頭をめがけて。防ぐならその腕一本へ。
マキナ
短剣を取り上げられたマキナの手に、もう武器はない。
網倉 霞
短剣を振り上げて、頭を庇う。
小鴨 チカ
くそう。
網倉 霞
ハンマーは剣に当ることなく、腕へ。振り上げた腕の勢いとぶつかる。
小鴨 チカ
やだな。
網倉 霞
鈍く重い音。
網倉 霞
呻き声。
マキナ
「っ、抵抗」
小鴨 チカ
腕、めっちゃ細い。
マキナ
「しないで!」
網倉 霞
さきほどあなたに囁いたのと同じ声のトーン。
小鴨 チカ
今にして思えば、上に乗っかられたときも、本気で振り切ったら簡単にほどけたな。
マキナ
霞の細い身体を突き飛ばす。
小鴨 チカ
ぼくよりも軽くて、ぼくよりも力が弱かった。
網倉 霞
そのまま転がる。
網倉 霞
腕が不自然な方向に曲がっている。
小鴨 チカ
「ひっ……」
小鴨 チカ
あれを、ぼくがやった。
網倉 霞
その腕を庇うこともなく。短剣をもう片方の手に持ち直し。
小鴨 チカ
なんでだよ。こんなにかわいいのに。
マキナ
「……死んで!」
小鴨 チカ
綺麗な腕だったのに。
マキナ
「はやく! はやく! はやく!」
マキナ
倒れた相手を蹴りつける。
小鴨 チカ
あんなになって、治るのか?
網倉 霞
それでもあなたたちを睨む目は、狩人のもの。
小鴨 チカ
はは。そんな心配いらないんだった。
網倉 霞
もう治りはしないのだろう。
網倉 霞
そうしたのは、あなたたちで。
網倉 霞
この儀式で。
網倉 霞
何が悪かったかといえば、
網倉 霞
運命に選ばれていないことだ。
マキナ
かつて、少女がヨハンにいたぶられるのを笑いながら見ていた。
マキナ
そんな余裕は今マキナにはなく、
小鴨 チカ
儀式では、負けた相手を生かして置いておくことも、できなくはないらしい。
マキナ
ただただ喚きながら、地に伏す相手に暴力を加える。
小鴨 チカ
でも、それはあくまでも、終わったときに相手が生きていて、狂っていなかったらの話で。
小鴨 チカ
これが終わったら、狂ったやつは亡者になる。
マキナ
「終わりなの!」
マキナ
「あなたたちは、もう!」
網倉 霞
音が鳴る。細い身体はぐちゃぐちゃになっていく。
マキナ
「だからはやく死んで!」
小鴨 チカ
終わりなんだよな。もう。
小鴨 チカ
だから、死ぬんだよな。
マキナ
「私達を解放して!」
小鴨 チカ
気持ち悪い。
網倉 霞
ぐずぐずの、ゴミの塊のようなそれが。
網倉 霞
それなのに。
小鴨 チカ
同じ考えがぐるぐる回ってくる。
網倉 霞
「……い、やだ、」
網倉 霞
「まだ、」
マキナ
「うるさい!!」
小鴨 チカ
話したり、したのに。かわいかったのに。触ってくれたのに!
マキナ
蹴り飛ばす。
網倉 霞
「……まだ、」
マキナ
「終わるの!」
網倉 霞
「死んでない」
マキナ
「終わってよ!!」
マキナ
「じゃあ死ね!」
小鴨 チカ
気は許せなかったけど。それでも。
小鴨 チカ
ちょっと好きだった。
小鴨 チカ
敵じゃないときに会いたかった!
網倉 霞
転がる。あなたから力が加われば、身体はそのとおりにうごく。
小鴨 チカ
そんなことを思いながら、同じ頭で次はどうやってダメージを与えるかを考えてる。
メイド3
*裁判 4ラウンド目 手番:網倉 霞
網倉 霞
*劇毒!s6!対象はマキナ!
網倉 霞
2d6+3+1=>7 判定:才覚 +多彩な凶器
DiceBot : (2D6+3+1>=7) > 7[2,5]+3+1 > 11 > 成功
網倉 霞
あのときと同じ。
網倉 霞
あのときもこうして、ぐちゃぐちゃになって。
マキナ
肩で息をして、霞を睨みつけている。
網倉 霞
力が欲しかった。
小鴨 チカ
マキナさんが、本気で殺そうとしてる。
小鴨 チカ
死ねと言う。
網倉 霞
身体から、じわりと毒がにじむ。
小鴨 チカ
その言葉を聞くたび、ぼくが痛くなる。
小鴨 チカ
彼女が言おうとしてることとぼくが言おうとしてることって、そんな変わらない。
マキナ
地に伏している霞に、更に蹴りを加える。
網倉 霞
その足に。
小鴨 チカ
彼女のほうが、より剥きだしな言い方をしてるだけだ。
網倉 霞
べたりと、鮮やかな色。
マキナ
「……っ!」
網倉 霞
それはあなたを蝕む。
マキナ
「な、んで」
マキナ
「なんで諦めないの!!」
網倉 霞
かろうじての抵抗。
網倉 霞
あのとき、自分の身体に毒を被って、抗ったように。
マキナ
足を引いて、無理矢理に引き剥がす。
網倉 霞
――毒は、自分の身体をも蝕む。
網倉 霞
自ら望んだ毒。
網倉 霞
皮膚が壊死していく、毒。
マキナ
引いた所で既に遅い。毒がマキナの肌を侵す。
網倉 霞
溶けるようにして。
マキナ
足に鈍い痛みが走る。
マキナ
「ううう、」
マキナ
「なんなのよぉ……っ」
網倉 霞
二度目だ。
マキナ
ぐずぐずと、皮膚が崩れる。
網倉 霞
こうして自分の身体を溶かしていくのは。
網倉 霞
あなたの視線の先の人影は、自らの毒でくずれはじめている。
小鴨 チカ
「……」
小鴨 チカ
やめてくれ。そんなんじゃマキナさんは殺せない。
網倉 霞
溶けた皮膚のにおいと毒のにおいが混ざる。
マキナ
マキナは傷を癒せる。
小鴨 チカ
わかってるだろ。自分が苦しいだけだろ。
マキナ
時間はかかるけど、毒だってそうで。
マキナ
なのに、なんで、
網倉 霞
そう、意味のないことだ。
マキナ
「なんで、なんで、なんで」
小鴨 チカ
お互いを苦しめるだけだ。
マキナ
「……っ、」
マキナ
「ちがう」
網倉 霞
あなたにとっては、きっとありふれたような傷。
マキナ
「関係ない」
マキナ
「何も」
マキナ
「私には、何も!」
マキナ
そうしてまで戦う理由も、意地も、
マキナ
関係ない。
マキナ
「はや、く、」
マキナ
「諦めて」
マキナ
「死んで」
マキナ
「死んでよぉ……」
網倉 霞
――こたえることばはない。
網倉 霞
喋る気力すら、自らの毒で奪われている。
小鴨 チカ
*捨てなし
網倉 霞
*h4、d9捨て
マキナ
*全部捨て
メイド3
*最終ラウンド
網倉 霞
*h8、d10、s10、(cK、cA)
マキナ
*s3 h6 s8 dJ dA
小鴨 チカ
*d2,(s2,d5,sJ,cQ)
メイド3
*裁判 最終ラウンド目 手番:小鴨 チカ
小鴨 チカ
*必衰[d5]
マキナ
*援護
小鴨 チカ
2d6+3+1+1+2=>7 判定:才覚+多彩な凶器+万能+援護
DiceBot : (2D6+3+1+1+2>=7) > 5[4,1]+3+1+1+2 > 12 > 成功
小鴨 チカ
3+2+2=7 威力+衰弱+援護
[ 網倉 霞 ] HP : 6 → 0
メイド3
*判決表を。
網倉 霞
2D6+1
DiceBot : (2D6+1) > 7[6,1]+1 > 8
網倉 霞
Choice[猟奇,才覚,愛]
DiceBot : (CHOICE[猟奇,才覚,愛]) > 愛
網倉 霞
2d6=>7 判定:愛
DiceBot : (2D6>=7) > 4[3,1] > 4 > 失敗
小鴨 チカ
もう!!なんなんだよ!!!
小鴨 チカ
小鴨チカ!この残虐非道が!
小鴨 チカ
世界が許したら、人はここまで残酷になれる。
小鴨 チカ
なんでこんなことを、この世界は許すんだ!
小鴨 チカ
霞さんが倒れるまでが、無限に長く感じる。
小鴨 チカ
満身創痍なのに、頑丈そうには見えないのに。
マキナ
死ね、死ね、と
小鴨 チカ
いつまでも倒れない。
マキナ
呪いのように喚き散らす。
小鴨 チカ
なんでだよ。若いじゃん。
小鴨 チカ
たぶん、そんな年齢変わらないだろ。
小鴨 チカ
ぼくにとって、そういう年齢のやつってさ。
マキナ
崩れ行く身体を、更に蹴りつける。
小鴨 チカ
制服着て、学校行って、甘ったるいこと考えて、バカやってんだよ。
網倉 霞
その身体の抵抗は弱くなっている。
マキナ
はやく、
マキナ
はやく、はやく!
糸田 柱
『霞へ』
小鴨 チカ
殺したくねえ。
糸田 柱
『この金庫の物資は、私個人のものだ。好きに使ってほしい』
小鴨 チカ
殺したくねえ。殺したくねえ。あーーー!!殺したくねえ!
マキナ
強者の庇護を受けながら、安全圏から振るう暴力ではない。
糸田 柱
『君がいたお陰で、私はあの人を失った後でも、私は私を保っていることが出来た』
マキナ
必死だ。
マキナ
楽しくもなんともない。
糸田 柱
『本当に感謝している』
マキナ
残り一人が起きている限り、逆転される可能性はある。
マキナ
怖い。
糸田 柱
『私から君に願うことや、想うことは、口にせずともたくさんある』
マキナ
嫌だ。
マキナ
早く、早く倒れて。
糸田 柱
『しかしながら、それを述べるはいささか押しつけがましいようにも思う』
マキナ
死んで。
小鴨 チカ
でもさあ!でもなあ!日和るなよ小鴨チカ!
小鴨 チカ
お前も言っただろ。言ったさ。バカ。アホ。
糸田 柱
『ただ一つだけ述べるならば』
小鴨 チカ
殺さないなんてのはな。
糸田 柱
『君が自分を大切にできるようになることを、私は望んでいる』
小鴨 チカ
殺したくないなんてのはな。
糸田 柱
『君に好き勝手した私が言うことではないな。そうだな』
網倉 霞
――じつのところ、痛みには慣れている。
網倉 霞
散々暴力を振るわれてきたから。
小鴨 チカ
「やりたくねえ、やりたくねえ、やりたくねえ……」
糸田 柱
『だがそれでもだ』
小鴨 チカ
「やりたく、ねえけどっ……!」
糸田 柱
『このお金は好きに使ってくれ』
小鴨 チカ
ハンマーを振り上げる。
糸田 柱
『この封筒は、いざというときまで、決して開けるな』
網倉 霞
この、意識が遠のきながら身体に感じる痛みは、
網倉 霞
どこか、あの人に似ていると、思う。
糸田 柱
『しかし、君が死に瀕したとき』
小鴨 チカ
「やるっきゃ」
糸田 柱
『そのときにだけ、開きなさい』
小鴨 チカ
振り下ろす。
網倉 霞
あの日、もらった封筒。
小鴨 チカ
「ねえんだ!」
糸田 柱
『この封筒の中身は魔法のアイテムだ』
網倉 霞
自分が選ばれたのは、あれだけだったような気がする。
糸田 柱
『あるいは君に、活路を与えてくれるかもしれない』
小鴨 チカ
あれは、ただの気持ちの表明だ。
マキナ
今霞を痛めつける暴力は、あなたの愛する人からのものではない。
小鴨 チカ
それ以上のものには、なれねえんだ。
糸田 柱
『糸田柱より』
マキナ
ただただ、あなたから奪うために振るわれる。
マキナ
命を、希望を、全てを。
マキナ
理想も、使命も、目的もない。
マキナ
ただただ、自分たちが生き延びる。
マキナ
そのためだけに。
網倉 霞
曖昧になった感覚の中で、
網倉 霞
あの日の手紙のことを、思い出す。
網倉 霞
あの日。
網倉 霞
あの日から、全てが狂った。
マキナ
「はっ、はっ……」
マキナ
足が止まる。
マキナ
まだ、まだ死んでない。
網倉 霞
今、あの人はここにはいない。
網倉 霞
だから。
マキナ
「うう……っ、」
網倉 霞
*逆転!
マキナ
霞の上に覆いかぶさる。
マキナ
その細い首に手を伸ばす。
[ 網倉 霞 ] 被虐願望 : 0 → -1
網倉 霞
*「被虐願望」を●に。
マキナ
手をかける。
メイド3
*網倉 霞は発狂します。
網倉 霞
これは。
網倉 霞
あの人の手ではない。
網倉 霞
あの人はもう、どこにもいない。
マキナ
女の腕。
マキナ
あなたの知るものとは何もかも違う。
網倉 霞
どこにも。
メイド3
「判決は――下らず! 前科を重ねて裁判続行でございます」
網倉 霞
「っ、」
マキナ
「──死んで」
網倉 霞
「さわ、るな……!」
マキナ
「はやく」
マキナ
「……っ!」
網倉 霞
その手に、震えて溶ける手を重ねる。
小鴨 チカ
「なんで……」
小鴨 チカ
同じ問いがこぼれる。だって、そうだろ。
網倉 霞
「……、い、やだ、」
マキナ
重ねられて、反射的に手を引く。
網倉 霞
「いやなの、」
小鴨 チカ
状況はさっきよりずっとひどい。まともに動くのか、その体?
網倉 霞
「さわらないで、」
マキナ
「……っ、知らない」
網倉 霞
ぼろぼろと液体になって地面に落ちる腕。
マキナ
「じゃあ、はやく諦めてよぉ……!」
小鴨 チカ
「触ったのは……霞さんの方だったじゃん」
小鴨 チカ
「霞さんから!ぼくに触れてくれたんじゃん!」
網倉 霞
「……っ、」
糸田 柱
『霞、――』月の色のように微かな声。
マキナ
霞に馬乗りになって、ぐずぐずと泣いている。
網倉 霞
人の肌に触れるたびに、違うと思い知る。
糸田 柱
ふれあいに混じる夜の味。
糸田 柱
暗闇の手触り。
網倉 霞
あの人はもどらない。
糸田 柱
傷の熱。
小鴨 チカ
「あれも嫌だったのかよ」
小鴨 チカ
「もう、ずっと自分が傷付くことしかしてないじゃん!」
網倉 霞
そうだ。
糸田 柱
決して忘れることのない日常だった。
網倉 霞
疵を抉って、そこに疵があることを確かめる。
網倉 霞
そうして、その疵を忘れずに生きてきた。
小鴨 チカ
「逃げりゃーいいのに、幸せ追い求めりゃーいいのに」
小鴨 チカ
「生きるのも死ぬのもヘタクソすぎなんだよ!」
網倉 霞
「……そう、」
マキナ
「……諦めてよ」
マキナ
「それで、楽になれるでしょ」
網倉 霞
「……そう、なんだ」
網倉 霞
「わかってて、……でも」
網倉 霞
ゆるりと、顔をあげて、
マキナ
「私達だって、」
マキナ
「もう、終わりたいの」
マキナ
「楽になりたいの」
マキナ
「う、うう……」
網倉 霞
微笑む。きずついて、毒まみれになった顔で。
網倉 霞
「でも」
網倉 霞
「だめなんだ」
網倉 霞
「…………」
網倉 霞
「……ごめんね」
マキナ
「なん、なの」
マキナ
「なんなのよぉ……」
小鴨 チカ
「ううっ、うっ……」
マキナ
微笑みの理由は、マキナには分からない。
マキナ
ただただ、涙を流して顔を歪めて、
網倉 霞
髪は毒に浸され、濡れて。
小鴨 チカ
微笑むな。謝るな。きみのことがわからない。
マキナ
終わりの時を促す。
網倉 霞
手も足も溶けて、毒液と混ざり合って。
小鴨 チカ
きれいだなって思った。こんなにボロボロの姿なのに。
マキナ
その命は今にも潰えそうに見える。
マキナ
なのに終わらない。
マキナ
どうすれば終わらせることができる?
網倉 霞
そうして浮かべる微笑みは、
網倉 霞
愛する人をうしなったことを受け入れたときの、やわらかなほほえみだ。
網倉 霞
視線はあなたたちを見ている。けれど、見ていない。
網倉 霞
なにかを、見ている。
小鴨 チカ
儚げで美しい。
小鴨 チカ
できることなら武器を投げ出して、助け出してしまいたい。
メイド3
救世主は狂っている。
メイド3
発狂しているならば尚更だ。
メイド3
だから、あるいは。
糸田 柱
見えぬはずのものが見え、聞こえぬはずのものが聞こえたかもしれない。
小鴨 チカ
手が止まる。
糸田 柱
あるいはそれが痛みとなって、皮膚を裂いて、あなたに苦痛を与えることもあるかもしれない。
糸田 柱
ここは堕落の国なのだから。
小鴨 チカ
……これ以上は、殴れなかった。
糸田 柱
『……霞』
マキナ
マキナはただ泣いている。
網倉 霞
「 、」
糸田 柱
『 』
網倉 霞
くちびるがうごく。
メイド3
「定刻です。審判を下します!」
マキナ
「…………審、判」
マキナ
呆然とその言葉をなぞる。
小鴨 チカ
「………………………………」
メイド3
「4号室の救世主。昏倒が1名」
メイド3
「8号室の救世主。昏倒、なし」
メイド3
「よって、4号室の敗北となります!」
マキナ
「………………」
メイド3
「裁判は終了。これにて、閉廷でございます」
マキナ
荒い吐息をゆっくりと整えて、
小鴨 チカ
「…………」その意味を理解するまでに、少しの時間がかかる。
マキナ
「……終わっ、た?」
マキナ
「わたし、たち」
小鴨 チカ
意味を理解してから、その言葉を何度も確かめる。
マキナ
「……勝ったの?」
小鴨 チカ
「……う……」
マキナ
立ち尽くす。
マキナ
勝った気がしない。
小鴨 チカ
勝った。勝ったんだろう。
マキナ
全然気分が良くない。
小鴨 チカ
これを目指してたのに。
マキナ
あんなに怖かった相手を倒せたのに。
小鴨 チカ
これから起こることを考えると、とても笑顔にはなれなかった。
鏖田 ネイル
ぴくりと
鏖田 ネイル
倒れた女の指が動く。
マキナ
「……っ!」
小鴨 チカ
「!」
鏖田 ネイル
ゆっくりと
鏖田 ネイル
その身体が、持ち上がる。
マキナ
裁判は閉廷している。
マキナ
もう恐れる必要はない。
マキナ
勝ったのは、自分たちで。
小鴨 チカ
生きてた?
鏖田 ネイル
起き上がった女の、その体躯は。
小鴨 チカ
ぼくの手で殺さずにすんでた?
マキナ
なのに、その様子を見てかすかに身を竦めてしまう。
鏖田 ネイル
縮んでいた。
小鴨 チカ
そんな事実に最低の安堵が出そうになるのも一瞬のこと。
鏖田 ネイル
だぶついた服がずれ落ちる。
マキナ
「…………?」
鏖田 ネイル
起き上がるその動きの中でも、みるみる縮んでいる。
マキナ
その異変を呆然と見つめる。
鏖田 ネイル
年の頃は、15歳程度、12歳程度。10歳程度……
鏖田 ネイル
救世主の変質。
鏖田 ネイル
それは亡者化の症状だった。
マキナ
小さく、いや
マキナ
幼くなっていく。
鏖田 ネイル
か細く、幼くなった声が漏れる。
鏖田 ネイル
「おかあさん…………」
小鴨 チカ
亡者化。そうか亡者化だ。わかってたけど、少し遅れて気付く。
小鴨 チカ
もっと、醜くて恐ろしい化け物みたいなもんかと思ってた。
マキナ
亡者化した救世主を見たことはある、だけどこんな変化は初めて見た。
小鴨 チカ
「ネイルさん……なの?」
鏖田 ネイル
「さむい」
鏖田 ネイル
「さみしい」
鏖田 ネイル
「こわいよ…………」
マキナ
「…………」
鏖田 ネイル
声が続く。暴虐を働いた狩人の面影は微塵もない。
鏖田 ネイル
宙に手が伸ばされる。何かを探し求めるように。
小鴨 チカ
「…………っ……」どうしていいかもわからず、助けを求めるように見た先は。
マキナ
マキナに対してあれ程の暴力を働いた相手が、もはや見る影もない。
小鴨 チカ
あろうことか、さっきまで殺す気で叩き続けていたもう一人の狩人の姿。
マキナ
マキナはそれに手を伸ばしたりしない。
網倉 霞
その身体はしずかに溶け始めていて、もう半分くらいは毒液の色をしていた。
小鴨 チカ
「……っ」
網倉 霞
ゆっくりと身を起こす。まだ動くほうの腕をつかって。
マキナ
戦いの終わった会場に母を求める幼子の声が響いている。
マキナ
最悪だ。
マキナ
なんでこんなものを見せられているんだ。
マキナ
どうして、非道で暴虐で恐ろしいハンターのまま死んでくれないんだ。
小鴨 チカ
数歩下がる。隣にマキナさんがいる。
小鴨 チカ
その手を握る。
マキナ
「……っ」
小鴨 チカ
元気づけるためじゃない。
マキナ
怯えたように指が強ばる。
小鴨 チカ
ぼくが怖かったからだ。
マキナ
その手が握り返されることはない。
マキナ
だけど振り払いもしなかった。
網倉 霞
下半身が溶けきっていて。
網倉 霞
だから、歩くことはできなくて。
マキナ
掌は血と汗に濡れて、
マキナ
指先は震えていた。
小鴨 チカ
手が震えてる。どっちが?両方か。
網倉 霞
まだ残っているひとつの目で、じっと見ていた。さきほどまで共に戦っていた相方を。
小鴨 チカ
二人の手はどっちも冷たくて、じっとりと濡れている。
鏖田 ネイル
手が伸ばされる。
鏖田 ネイル
小さな手。
鏖田 ネイル
それが掴むのは
マキナ
勝者の悦びなどどこにもなかった。
小鴨 チカ
握ろうにも、まともに力も入りゃしない。
鏖田 ネイル
ずり落ちたベルトに装備されていた。杭だった。
鏖田 ネイル
それを抜き放ち、小鴨 チカ へと投げつける。
小鴨 チカ
「っ、は!?」
マキナ
「……あ」
メイド1
速やかに剣を抜き、それを打ち払う。
マキナ
反射的に、前に出ようとしたところで
小鴨 チカ
全くの意識の外。
マキナ
視界にメイドの姿が割り込む。
マキナ
杭は届かない。
メイド1
そのまま、ゆっくりと亡者の方へ歩みを進める。
鏖田 ネイル
「……は」
小鴨 チカ
少しして、杭が落ちる音が響いてから、背筋に寒気が走る。
鏖田 ネイル
「ハハハハハハハハハハハハハ!!」
鏖田 ネイル
その姿は幼い。どんどんと退行しても、もはや幼稚園児程度の背丈しかない。
鏖田 ネイル
ただ、眼が。
小鴨 チカ
「ひっ……!!」
鏖田 ネイル
その瞳だけが、変わらなかった。
鏖田 ネイル
「ふざけるな」
鏖田 ネイル
「ふざけるなよ!」
マキナ
あの時マキナを射抜いた瞳と、何も、
鏖田 ネイル
「なにが、なにがお母さんだ、なにが寂しいだ」
マキナ
変わらない。
鏖田 ネイル
「そんな事を言う権利が、この私にあるものか!」
鏖田 ネイル
寂しい
鏖田 ネイル
どうしておかあさんはここにいないの?
鏖田 ネイル
「あれを見ろ、あの怯えた瞳を。そうだ、私が痛めつけた人間の瞳を!」
マキナ
「う、ぅ」
鏖田 ネイル
「吸血鬼を殺すために、私は何人殺した。命乞いをするフォロワーを、モンスターを、何人殺した!」
鏖田 ネイル
「それが」
鏖田 ネイル
「同情を引いて、か弱い存在になるなんぞ」
鏖田 ネイル
「そんな最期を迎えて良い筈がない!」
マキナ
自分を脅かしたものを打倒した、はずなのに。
鏖田 ネイル
誰かに抱きしめて欲しい。寒い。
マキナ
私達の方が強いと証明されたはずなのに。
鏖田 ネイル
世界は暗くて、こわい。自分がどこにいるのかわからない。
鏖田 ネイル
────鏖田ネイルは
マキナ
勝てば少しは怖くなくなると思ったのに。
鏖田 ネイル
正しく、幼児化している。
鏖田 ネイル
その心は孤独に溢れ、その思考は悲しみにくれている。
マキナ
もはや幼子でしかないはずの女が、変わらず恐ろしい。
鏖田 ネイル
全てを嘆く心は確かにその胸のうちにあって。
鏖田 ネイル
その上で。
鏖田 ネイル
狩人の矜持を、手放していない。
鏖田 ネイル
世界は無価値だ。価値ある人間は存在しない。
鏖田 ネイル
唯一の例外は、糸田さんだけ。
鏖田 ネイル
鏖田ネイルは、例外ではない。
鏖田 ネイル
「哀れであってなるものか。弱くあってなるものか。それが狩人だ」
小鴨 チカ
「……」手を握る。強く。
鏖田 ネイル
「例え敗北し、地に伏して、全てを失おうが、命狩る者の宿命がそれだ!」
鏖田 ネイル
「霞ィ!」
鏖田 ネイル
声をかける。檄を飛ばす。
マキナ
涙を流してうつむいている。
網倉 霞
顔をあげる。
鏖田 ネイル
「ルールの中で私達は負けた。なら、今からルールは私達の敵だ」
鏖田 ネイル
「立てるか」
小鴨 チカ
まだだ。手を引いて、マキナさんに前を向かせる。
小鴨 チカ
直視するのは怖いけど、目をそらすのはもっと怖い。
メイド1
目を細めて見ている。
マキナ
「う、う」
網倉 霞
立ち上がる。 ――いや。
マキナ
顔を上げる。
マキナ
だけど恐怖はあっても、警戒はない。
マキナ
ルールを敵に回した者の末路を、
小鴨 チカ
よく知っている。
網倉 霞
正確には、下半身であった毒の水溜りが粘度を増して、高くなった。
マキナ
マキナは、一番近い所でもう見ている。
小鴨 チカ
観客席からそれを見た。
小鴨 チカ
それの恐ろしさを知ってるから、ぼくは逆らわずにここにいる。
マキナ
ただ一言、
マキナ
「はやく……」
マキナ
「死んで…………」
網倉 霞
ネイルよりすこし高いくらいに、頭と、半分溶けた上半身が持ち上がる。
小鴨 チカ
やめて、だとか、逃げて、だとか言おうとしたぼくの口は、マキナさんの言葉を聞いて止まる。
小鴨 チカ
自分の心がわからない。
マキナ
裁判は終わった。判決は下った。
マキナ
もう覆らない。
鏖田 ネイル
「戦えはしないか。なら」
鏖田 ネイル
「お前のコインを寄越せ」
マキナ
はやく、解放して。
マキナ
死んで。
小鴨 チカ
この時から今すぐにでも解放されたい。
マキナ
死んで!
鏖田 ネイル
既に瀕死で、殆ど亡者になりかけで。
小鴨 チカ
だけど、この先に進んでほしくない。
鏖田 ネイル
その状態で6ペンスコインを手放せば、どうなるか。
鏖田 ネイル
全て分かった上で言っている。
小鴨 チカ
見たくない……。
小鴨 チカ
なのに、なんで杭なんて投げるんだ。
網倉 霞
頷く。
網倉 霞
べつに、ネイルに従おうと思っていたわけではない。
網倉 霞
網倉霞には狩人の矜持は存在しない。
網倉 霞
すべてを曖昧に、適当に、避けながら生きてきた。だから、そんなものありはしない。
網倉 霞
ただ。
網倉 霞
ぐずぐずに溶けて、亡者になりかけた脳で、
網倉 霞
それを言う、その人を見て。
網倉 霞
真っ直ぐで、表面が正しく銀でコーティングされていて。
網倉 霞
そういう杭のような人だと。
網倉 霞
それは、
網倉 霞
まるで、
網倉 霞
あの日の、あの人みたいだ、と。
網倉 霞
そう思って。
網倉 霞
だから、動く手が。
網倉 霞
コインを探って、取り出して。
網倉 霞
――あなたにそれを渡したのと同時、
マキナ
「っ、メイドさん!」
鏖田 ネイル
一瞬。
マキナ
叫ぶ。
網倉 霞
「   」
鏖田 ネイル
一瞬だけ、それを受け取る手が硬直した。
鏖田 ネイル
その一瞬の躊躇いのあとに、掴む。
マキナ
「終わらせて、」
マキナ
「もう、終わらせて!!」
網倉 霞
口からこぼれたことばは叫びにかき消される。
網倉 霞
「    」
メイド1
「大丈夫ですよ」
網倉 霞
そうして、
小鴨 チカ
大丈夫?
小鴨 チカ
大丈夫ってなんだ。
網倉 霞
手からコインが離れたと同時に。
小鴨 チカ
何が。誰にとっての大丈夫だよ。
マキナ
うう、と言葉にならない声を漏らす。
網倉 霞
その手がどろりと溶ける。
マキナ
次から次に溢れる涙が、どういう感情に由来するものなのかも
網倉 霞
その顔も。
マキナ
もはや分からない。
網倉 霞
そうして、まるでペンキをこぼしたように。
網倉 霞
そこには派手な色の水溜りしかなくなる。
小鴨 チカ
「ぁ……………」
網倉 霞
後片付けがたいへんで、妙にいい匂いのする、小さな毒沼。
網倉 霞
それだけ。
鏖田 ネイル
ああ、まったくこいつは、最期の最期まで半端なやつだ。
鏖田 ネイル
だから、こいつは糸田さんではない。
鏖田 ネイル
網倉霞だ。
鏖田 ネイル
受け取ったコインをその手に握り、飲み込む。
マキナ
一人は溶けて水溜りへ。
マキナ
だけど、まだ、
マキナ
もうひとり残っている。
鏖田 ネイル
「生憎、素直に死ぬような生き方はしていない」
マキナ
あの時と同じ瞳が、マキナを射抜いている。
鏖田 ネイル
「お前の尊厳を破壊した女は、非道で、暴虐で、恐ろしいハンターだからな」
鏖田 ネイル
「悦べ」
マキナ
「は、やく」
マキナ
「死んで」
マキナ
「もう、や」
鏖田 ネイル
そして、変質する
マキナ
「いやなの」
小鴨 チカ
「……!!!!」
メイド1
亡者に歩み寄る。剣に手を掛ける。
小鴨 チカ
ネイルさん。
鏖田 ネイル
無数の手が。幼児の身体を突き破り、生える。
小鴨 チカ
なんだよそれ、ネイルさん。
鏖田 ネイル
瞳が分裂し、四方を睨む。
メイド6
また別のメイドも。
マキナ
「う、うう」
鏖田 ネイル
身体の内側から、十字に貫くように、杭が生える。
メイド7
前に出て、取り囲む。
マキナ
自分の手でトドメを刺せれば、まだよかったのかもしれない。
鏖田 ネイル
その手には、赤い糸が握られている。
小鴨 チカ
「っ……」
マキナ
そうすれば、この恐怖から逃れられたのかもしれない。
マキナ
だけどもう裁判は終わっていて、
鏖田 ネイル
幼稚園児程の大きさだった狩人は、さらに幼く。赤子のようなサイズになって。
マキナ
そうでなくても、元よりマキナにその力はない。
マキナ
ただ耐えることしかできない。
鏖田 ネイル
それでも、禍々しくそこに在った。
小鴨 チカ
ネイルさん……ネイルさん!
鏖田 ネイル
一体の亡者がそこにいる。
マキナ
死んで。
鏖田 ネイル
叫ぶ。
マキナ
早く死んで、と願う。
鏖田 ネイル
「「「「「アアアアアァァァァァアアアアァァァアァァ」」」」」」
マキナ
私の視界から消えて。
鏖田 ネイル
おかあさん。
マキナ
これ以上脅かさないで!
鏖田 ネイル
おかあさん、おかあさん、おかあさん。
鏖田 ネイル
ひとりにしないで。
小鴨 チカ
なんだよこれ。なんだよこの姿。
鏖田 ネイル
置いていかないで、
鏖田 ネイル
捨てないで。
マキナ
その姿がどんな心の現れだろうと、
小鴨 チカ
これが、こんな姿が、あんたの行きつく先かよ。
鏖田 ネイル
誰にも近づけず、誰にも拾われず、誰にも救われず
マキナ
マキナには関係ない。
小鴨 チカ
壊したのはぼくたち。
鏖田 ネイル
それでいて、誰かの同情を乞い願う事すらできなかった赤子が。
鏖田 ネイル
泣いている。
メイド2
剣を執り、
鏖田 ネイル
そして、そうなって、そうなってもなお。
小鴨 チカ
あんたは最初っからイカレてたけど……
マキナ
はやく、はやく、はやく!
鏖田 ネイル
狩人の矜持を捨てず。
小鴨 チカ
……それでも、ときどき正気だった。
鏖田 ネイル
”己を殺した敵”たる二人へと、襲いかかる!
メイド5
亡者を突き刺す。
マキナ
「──もう、死んでよぉ!!」
小鴨 チカ
頭のいい人だった。優しい人だった。無表情の後ろで、いろんな感情を持ってる人だった。
メイド3
突き刺す。
小鴨 チカ
ぼくにやさしさを向けてくれた。
鏖田 ネイル
「「「「「ギヤァアアアアアアアアアァァァァアアアアア」」」」」
メイド1
突き刺す。
鏖田 ネイル
泣き喚く。泣き叫ぶ。何十にも重なる赤子の声。
マキナ
そう叫んだ時には、既にメイドたちの剣が亡者を串刺していた。
メイド7
突き刺す。
小鴨 チカ
霞さんともまた違う。人違いとはいえ、本当にこっちのためを思って。
小鴨 チカ
それが、今。
小鴨 チカ
処刑されている。
メイド6
突き刺す。
鏖田 ネイル
「「「「「アッアッアッアッアッアアアアア…………」」」」」
マキナ
マキナの呻きも、泣き声もその断末魔に埋もれる。
鏖田 ネイル
痛み、悲しみ、何十もの捨てられた魂の声。
メイド6
突き刺す。
鏖田 ネイル
ここは捨てられた者の集う場所。
マキナ
耳を塞ぐ代わりに、チカの手を今更に握り返した。
鏖田 ネイル
行き場所の無い者の終着点。
メイド6
突き刺す。
小鴨 チカ
「っ」
鏖田 ネイル
その末路の一つがこれだ。
メイド6
突き刺す。
小鴨 チカ
強く、強く握り返す。
メイド6
そして。
マキナ
ここに立っているのは、間違いなく勝者で、
マキナ
だけど決して強者ではなかった。
メイド6
ずたずたに貫いた亡者の亡骸を。
小鴨 チカ
目を閉じた。
メイド6
取り上げて、中庭の片隅にある井戸に落とす。
小鴨 チカ
埋葬すらされない。
メイド6
赤子を、水底へ。
小鴨 チカ
神聖な儀式なんだろうけど、価値観が違う。
マキナ
「う、うう…………」
鏖田 ネイル
落ちていく。
鏖田 ネイル
堕とされる。
マキナ
見届ける。
鏖田 ネイル
止まる事はない。
鏖田 ネイル
当たり前だ。
鏖田 ネイル
大事に握っているその紐は、どこにも繋がっていないのだから。
マキナ
自分を脅かしたものが、確かに排除されたことを確かめる。
小鴨 チカ
ここには、狩人の彼らを知る人はいない。
小鴨 チカ
彼らの大事な人もいない。
メイド4
悲鳴は上がらない。客室4号室のメイドは、浴室で溺れて死んだ。
小鴨 チカ
大事な人が、二人の死を知ることもない。
小鴨 チカ
コインも残らない。
マキナ
マキナはその死を悦びはしなかったけど、
小鴨 チカ
尊厳も残らない。
マキナ
悼むことも決してなかった。
小鴨 チカ
何もない。
小鴨 チカ
「う、うっ」
小鴨 チカ
「あうっ、えうっ……」
メイド3
懐からコインを取り出し、2人の救世主に歩み寄る。
小鴨 チカ
「はっ。うぐ、ふぐっ……」
マキナ
「…………」
メイド3
「こちら、6ペンスコインでございます。お収めください」
小鴨 チカ
マキナさんを握る手は離せない。もう片方の手で受け取る。
マキナ
少し遅れて、それを受け取った。
マキナ
今度こそ決着がついたのに、涙ばかりが止まらない。
メイド3
「これにて、4号室、鏖田 ネイル様、網倉 霞様と」
小鴨 チカ
これは、ただの力で、戦利品だ。
小鴨 チカ
彼らの遺志だとか、託されたなんちゃらだとか、そんなキレイなもんじゃ断じてない。
小鴨 チカ
殺して、奪ったもんだ。
小鴨 チカ
「ずびっ」
メイド3
「8号室、小鴨 チカ様、マキナ様の裁判は決着いたしました」
マキナ
あんなにも死にたくなかったのに、
マキナ
どこかで、
小鴨 チカ
「うおえ……っ」
メイド3
「勝者、8号室、小鴨 チカ様、マキナ様」
マキナ
──生き残ってしまった。
小鴨 チカ
「ふ」
マキナ
そう思う気持ちがあった。
小鴨 チカ
「う……」
メイド3
「次なる戦いへ向けて、しばらくのご休息をおとりくださいませ」
小鴨 チカ
「うわあああああああ……!」
小鴨 チカ
「あああああああああああんん!!!」
メイド3
そうしてメイドは深々と頭を下げると、中庭の”掃除”にとりかかる。
マキナ
ただ、
小鴨 チカ
人目もはばからず、マキナさんに縋り付いて泣いた。
マキナ
手を繋いで、涙を溢す
マキナ
二人の子供だけがそこに残った。