Dead or AliCe
『16人の救世主』

お茶会-1ラウンド目

GM
というわけで、ここから自由行動です。ゲーム的には、お茶会です。
小鴨 チカ
1d6
DiceBot : (1D6) > 6
マキナ
1d6
DiceBot : (1D6) > 3
網倉 霞
1d6
DiceBot : (1D6) > 5
鏖田 ネイル
1d6 行動順
DiceBot : (1D6) > 6
小鴨 チカ
1d6
DiceBot : (1D6) > 5
鏖田 ネイル
1d6
DiceBot : (1D6) > 2
[ マキナ ] がダイスシンボルを 4 に変更しました。
メイド8
第一サイクルはチカ>ネイル>霞>マキナの順ですね。

第1シーン:小鴨 チカ

メイド8
「お茶会……となりますが、まずは客室にご案内いたしましょうか」
小鴨 チカ
「あっ、えっ、はい……」
メイド8
「お荷物の方、預かります」
マキナ
じっと少年を見ている。
マキナ
見定めようとしている。
小鴨 チカ
「はい!どうぞ!お願いします」逆らいません!
マキナ
でも…………全然惹かれない……。
マキナ
なんか……強そうとか……頭が良さそうとか……。
メイド8
何事もなく館に入り、階段を上り、館向かって右側の部屋へ。
マキナ
そういう…………媚びるに値する何かを感じない…………。
メイド8
客室8号室にはまだ、ヨハンの荷物が残されている。
マキナ
とぼとぼとメイドの案内についていきます。
小鴨 チカ
改めて、ゆっくりと現状を認識し始める。
小鴨 チカ
自分が。
小鴨 チカ
戦う?
マキナ
残されたままのヨハンの荷物に目をやる。
小鴨 チカ
???????
マキナ
それから、客室のタオルでやっと返り血を拭う。
マキナ
はぁ………………。
小鴨 チカ
喧嘩、したことないんだが?
マキナ
「…………そっち」
マキナ
ヨハンが使っていた方のベッドを指す。
小鴨 チカ
「へ?」
マキナ
「使ってください」
小鴨 チカ
「え、あ、はい。あ、ありがとう……?」
マキナ
「……こっちはマキナの荷物なので!」
マキナ
「勝手にさわんないでくださいね!」
マキナ
切り替え。切り替えなければ。
小鴨 チカ
「さ、触らないですけど!?」
マキナ
ヨハンは死んだ。
小鴨 チカ
あれ?
小鴨 チカ
あっ。
マキナ
このゲームは降りられない。
小鴨 チカ
ああっ。
小鴨 チカ
そっか。相方、この人かあ~。
メイド8
「もし必要でしたら、お茶のほうご準備いたしますが」
マキナ
自分のペアの相手は……この子。
小鴨 チカ
そりゃそうだ……そうだわ……。
マキナ
「おねがいしまぁす……」メイドさんに。
マキナ
声が力ない。
メイド8
「かしこまりました」
小鴨 チカ
「…………へ!?」
メイド8
部屋から去る。
小鴨 チカ
「あ、ああ!ぼくも!おねがいしますう!!」
メイド8
「もちろんでございますよ」
メイド8
ちょっとドアから顔を出してそういって、去る。
小鴨 チカ
「はあ、ありが、どうもです……あは……」
マキナ
メイドが出ていけば、少年と二人きりに。
小鴨 チカ
二人きりの部屋。心臓が鳴り響く。手足が冷たい。
マキナ
「……あなた」
小鴨 チカ
「あ、えっ?はい!」
マキナ
「えーと……名前なんでしたっけ?」
小鴨 チカ
「オガモッ」
小鴨 チカ
「小鴨、チカです!」
マキナ
「チカくん」
小鴨 チカ
「えっ、はい」
小鴨 チカ
下の名前で呼ばれた……
マキナ
「私はマキナです」
小鴨 チカ
「マキナ……さん……」
小鴨 チカ
これも下の名前?呼んでいいの?
マキナ
「ヨハン様……さっき死んだ人」
小鴨 チカ
「う、うん」
マキナ
「あの人と一緒に救世主のアレコレをやってたんですけど……」
小鴨 チカ
「救世主の……」
小鴨 チカ
えっ?
小鴨 チカ
したのか?人を殺したりとか?
マキナ
「……チカくんは、どの位知ってます?」
マキナ
「この国のこと」
マキナ
「救世主のこと」
マキナ
「裁判のこと」
マキナ
椅子に腰を下ろし、脚を組む。
小鴨 チカ
「えっとぉ、いや、呼ばれて、来たばっかりで……」
小鴨 チカ
「一応、説明はしてもらった……けど……」
小鴨 チカ
「ちょっとまだイメージついてないというか……」
マキナ
「ふーん……」
マキナ
チカを見ている。
小鴨 チカ
「あのっ、あのさあ……」
マキナ
「はい?」
小鴨 チカ
「殺すって……その」
小鴨 チカ
「どういう意味の言葉……?」
マキナ
「殺すんですよ」
マキナ
「そのまま」
マキナ
「童貞か?」
マキナ
悪口。
小鴨 チカ
「童貞の何が悪い!!!」
マキナ
「悪いでしょ」
マキナ
ため息をつく。
小鴨 チカ
「何!何?」えっ、もしかしてエッチな話?
マキナ
「まあそっちの童貞は別にいいんですけど」
マキナ
「殺しの童貞は困りますよ」
小鴨 チカ
「殺すって、シリアスなやつか……?」
マキナ
「シリアス!」
マキナ
「大マジ」
小鴨 チカ
「重罪だよ!?」
マキナ
「君のとこの法でしょ」
小鴨 チカ
「そうだけどぉ!」
マキナ
「救世主は他の救世主を殺すんですよ」
マキナ
「そうしないと自分が死ぬ」
小鴨 チカ
「もぉやだ、この世界!」
マキナ
「そうですね~」
小鴨 チカ
「こんなクソみたいな異世界転生ある!?」
マキナ
「いやですね~」
マキナ
「あってますけど?」
小鴨 チカ
「いやじゃあ~~~~~」
マキナ
ため息をついて、脚を組み替える。
小鴨 チカ
「えっ、マキナ……さんも、あれなの?」
小鴨 チカ
「殺したりしたの?」
マキナ
「しましたよ」
マキナ
「私が直接ってのはそんなにですけど」
小鴨 チカ
可愛い女の子に見えるけど。
小鴨 チカ
今話してる相手、人殺し?
小鴨 チカ
うそやん。
マキナ
背中に手を回し
マキナ
ス、と何かを取り出す。
マキナ
短剣。
マキナ
鞘におさまってこそいるものの。
マキナ
人を傷つけるための道具。
マキナ
「殺すんですよ」
小鴨 チカ
「ヒュッ」息を飲みすぎて変な音出た。
マキナ
「ま、道具はなんでもいいですけど」
マキナ
「ああ、ヨハン様の使ってたやつ、持ってっていいですよ」
マキナ
その辺にあるから、と目で示す。
小鴨 チカ
「うええ……」
マキナ
「君でも使えそうなナイフの一本や二本はあるはずだから」
マキナ
「これから私達はあの二人の救世主と相対して」
マキナ
「裁判をして」
マキナ
「勝ちを得ないといけない」
小鴨 チカ
「はい……」武器を漁る。ナイフを手に握る。
小鴨 チカ
ナイフ。
小鴨 チカ
ナイフ???
小鴨 チカ
ナイフって、何に使う道具だっけ????
マキナ
「君のことはある程度は庇ってあげます」
小鴨 チカ
えっ……?これを、こう握って……?
マキナ
「傷も治してあげる」
マキナ
「治してあげるから、君がそれを振るいなさい」
小鴨 チカ
前に突き出す。これ人肌に突っ込むの?
マキナ
「多分反撃とかされるだろうけど」
小鴨 チカ
どこ狙うの?首とか?グッロ……
マキナ
「それも…………できる限りは引きつけてあげます」
マキナ
「私にはそれができるし、そうしないと生き残れませんから」
小鴨 チカ
「………………」ぼんやりと通りすぎていったマキナ、さんの言葉を拾い集める。今なんつってたっけこの人。
小鴨 チカ
え、守る?
小鴨 チカ
庇う的なこと言った?
マキナ
超~~不本意ですけど!
マキナ
口には出さないが、態度に出ている。
小鴨 チカ
いや待て。よく考えたら待て。
小鴨 チカ
この人さっき掌返してたじゃん!!!
マキナ
ヨハンは従うに足る男だった。
マキナ
なのにこの少年ときたら……。
小鴨 チカ
コイツやべえじゃん!!!!!
小鴨 チカ
信用しちゃ、ダメなやつじゃん!?
マキナ
「……なにか言いたいことでも?」
小鴨 チカ
「えっ……。あ……」
小鴨 チカ
あっ。
小鴨 チカ
無い?他に無い?
小鴨 チカ
信用する以外ない?????
小鴨 チカ
無い、なあ……。
小鴨 チカ
ないわ。ははは。
小鴨 チカ
超ウケる。
マキナ
じー……。
小鴨 チカ
「えっとぉ……」
マキナ
手の中でくるくるとナイフを弄んでいる。
マキナ
「なんですか?」
小鴨 チカ
ゆっくり、ゆっくり言われた言葉を噛みしめる。
小鴨 チカ
状況を理解する。
小鴨 チカ
山ほどの不満と不安があっても、
小鴨 チカ
こういうしかないのだ。
小鴨 チカ
「よろしく、おねがいしまふ……」
マキナ
トン、
マキナ
ナイフをテーブルに置く。
マキナ
「…………」
小鴨 チカ
びくっ
小鴨 チカ
殺人アイテムをテーブルに置かれた……
マキナ
「……そうですね」
マキナ
「よろしくおねがいします、チカくん♥」
小鴨 チカ
女、こええ!!!!!!
マキナ
ニコッ。
メイド8
ノックをして、メイドがお茶を持ってくる。
マキナ
どうぞ、と招き入れる。
メイド8
ティーセットにはジャムが添えられている。
小鴨 チカ
びくっ
マキナ
「わぁ♥」
マキナ
素直に嬉しい。
マキナ
この館で出されるものは、どれもやたらに豪勢だ。
小鴨 チカ
毒とか、入ってないよな……?いやない、ないよな……わざわざ呼んだわけだし……
小鴨 チカ
でも参加に消極的に見えてただろうし……このメイドさん超こええし……
メイド8
当然それらは、あなたがたが”高い料金”を支払うからだ。
マキナ
「チカくん」
マキナ
「これが最後のお茶になりたくなければ」
マキナ
「一緒に頑張りましょうね♥」
メイド8
「私も心から応援しております」
小鴨 チカ
「……これ以上びびらせないで……」
メイド8
微笑む。
マキナ
マキナは開き直りの境地です。
小鴨 チカ
カップを持つと手が震えてるのがよくわかる。
小鴨 チカ
持ち手の部分つまむの無理だわこれ。底を持ちます。
小鴨 チカ
あっつ。
メイド8
「それでは、失礼します」
小鴨 チカ
飲む。あっづ。
小鴨 チカ
……うん、毒入ってないわ。
マキナ
チカを意に介さず、おいしくお茶をいただいています。
小鴨 チカ
ここで死んでた方がましだったかもしんねえ……
マキナ
おいしいな~。
マキナ
甘いものうれしいな~。
小鴨 チカ
「あの、あんた、マキナさん……」
マキナ
「あんた……?」
マキナ
「はい」
小鴨 チカ
こええんだけど!
マキナ
「マキナさんですけど」
小鴨 チカ
「ええとぉ……」出鼻をいきなりくじかれる。用件を思い出して、言葉を拾い集めて。
小鴨 チカ
「……さっ、きのあの人とは、長いの?」死んだ、あの人。名前も忘れた。
マキナ
「あー? ヨハン様?」
マキナ
「まあ、長いですよ」
マキナ
「半年くらい」
小鴨 チカ
こわ……。
マキナ
「同じタイミングでこの国に呼ばれて、それからずっとですね」
小鴨 チカ
「……かっ」
小鴨 チカ
「悲しい、とかは……?」
マキナ
「まあ悲しいですよ」
マキナ
「あの人性格はアレでしたけど」
マキナ
「強かったし」
マキナ
「あの人についてたら当分安泰だったのになあ」
小鴨 チカ
それって……
マキナ
「死んじゃうなんて悲しいですよ」
小鴨 チカ
「っ……、利用価値的な、話……?」
マキナ
「マキナを守ってくれるって約束したのにぃ」
マキナ
してない。
小鴨 チカ
別に、ぼくの事好きになるとまでは思ってないけど。思ってないよ?だけどさあ。
小鴨 チカ
ないのかな、この人。情とか。
マキナ
「まあ、概ねそんな感じですねえ」
マキナ
今更隠しても遅いので、あけすけに言う。
マキナ
ゴミ箱蹴飛ばしたの見られて、言い訳なんてしようもない。
小鴨 チカ
「……」第一印象は、控えめな従者というか、そういう感じだったのに。
マキナ
……まあ、ヨハンのことを嫌いじゃなかったのは実際の所だったのだけど。
マキナ
別にそんなの言ってやる必要は感じない。
マキナ
ヨハンから離れる機会はいくらでもあった。
マキナ
実際逃げ出した人もいた。
マキナ
それでもマキナは半年間、ヨハンと共にいた。
小鴨 チカ
「…………」この人と信頼関係を結べるんだろうか。
小鴨 チカ
いや、分かってる。さすがに、自分の命がかかってるから本気でやってくれるんだと思う。現にやる気だしてぼくのこと導いてくれてる。
小鴨 チカ
くれてるけどさあ……なんかこう、あるじゃん!なあ!
小鴨 チカ
「マキナさん、あれか?」
小鴨 チカ
「したたかに他人利用して生きるタイプ?」
マキナ
「…………」
マキナ
「チカくん」
小鴨 チカ
「ふぇ」
マキナ
「言っていいことといけないことは、区別をつけるのがオススメです♥」
マキナ
「マキナからの忠告ですよ♥」
小鴨 チカ
「こええよ!!!」
小鴨 チカ
「こええんだよ、アンタ!!」
マキナ
「え~?」
マキナ
「こんなに無害な女の子なんですけどねぇ」
小鴨 チカ
「殺人鬼じゃねーか!!!」
マキナ
「まだそんなこと言ってる」
マキナ
「ウケる」
マキナ
「チカくんもこれからなるんですよ~」
小鴨 チカ
「ウケねえ……いやだ……何この世界……」
マキナ
「殺人鬼と死体、どっちになりたいですか~?」
小鴨 チカ
「クソ二択やめろ~~~~!!」
マキナ
「あ、亡者になるのもあります」
マキナ
「三択ですねぇ」
マキナ
「よかったですねぇ」
小鴨 チカ
「やだあ!!初心者イビリやめろよ~~!!」
マキナ
ケラケラと笑っています。
小鴨 チカ
このクッソみたいな世界、クッソみたいな相手。
小鴨 チカ
でもなんだろう。ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ。
小鴨 チカ
合うな、会話のテンポ。
小鴨 チカ
命かかってるしな。余命クソ短いかもしんねーしな。
小鴨 チカ
女子と二人で過ごす事になるしな。
小鴨 チカ
好きになるだろこんなん。やべえよ。
小鴨 チカ
いや、まだなってねえよ。全然なってねーけど。
小鴨 チカ
あー、でももうすぐ死ぬならむしろ好きになった方が得なのか?わかんねー。
小鴨 チカ
でも、この人、殺してんだなあ。
小鴨 チカ
なんかさっきの会話の感じからしてきっと……
小鴨 チカ
もう片方の人に、任せてた感じだよな。
小鴨 チカ
居なくなったから自分で武器取って、ぼくにも武器持たせて。
小鴨 チカ
どうみても頼りないぼくを引っ張ってくれてんだよなあ。
小鴨 チカ
「ぼく……」
マキナ
「…………ん?」
小鴨 チカ
超嫌だけど、超嫌だけど。
マキナ
カップを下ろしてソーサーに置く。
マキナ
チカをじっと見ている。
小鴨 チカ
「がんっ」
小鴨 チカ
「ばらせて……いただきます……」
マキナ
「……ん」
マキナ
「よろしい♥」
小鴨 チカ
少なくとも、この子にこれ以上そういうアレをさせるのは、ダメなやつじゃん。
マキナ
ニコッと
マキナ
やや柔らかく微笑む。
小鴨 チカ
ほらもう、かわいいもん!
小鴨 チカ
*疵を舐める>マキナ:加虐
鏖田 ネイル
*横槍を入れる
鏖田 ネイル
choice[猟奇,才覚,愛]
DiceBot : (CHOICE[猟奇,才覚,愛]) > 猟奇
鏖田 ネイル
2d6>=7
DiceBot : (2D6>=7) > 7[2,5] > 7 > 成功
鏖田 ネイル
1d6
DiceBot : (1D6) > 2
[ 鏖田 ネイル ] HP : 15 → 14
小鴨 チカ
2d6+3-2=>7 判定:才覚
DiceBot : (2D6+3-2>=7) > 9[4,5]+3-2 > 10 > 成功
メイド8
成功でございます。
マキナ
「……あ、そうだ」
マキナ
「これ」
マキナ
封筒を取り出す。
マキナ
メイドから渡された、4通のそれの内
小鴨 チカ
「うっえ」素肌触れないように気を付けながら封筒を受け取る。
マキナ
2通をチカに。
小鴨 チカ
なんだっけコレ。「なんだっけコレ」
マキナ
「それに呼び出したい人の名前を書いて、メイドさんに渡すんですよ」
小鴨 チカ
「そすっと、どうなんの?」
マキナ
「強制的に呼び出せるとか」
小鴨 チカ
「ヤバ」
マキナ
「チカくんもいつ呼び出されるか分かりませんよ」
マキナ
「ナイフ、持っといてくださいね」
小鴨 チカ
そんなんされたら詰みじゃね?
マキナ
「ま、決着をつけるのは裁判が始まってからですから」
マキナ
「命取られたりはしませんよ~」
小鴨 チカ
なんか一周回って気が楽になってきた。どういう状態だこれ?
マキナ
「それ以外は分かりませんけども!」
マキナ
笑っている。
小鴨 チカ
この状況で笑えるのマジやべーな。
マキナ
どこか意地が悪そうに、口角が吊り上がる。
小鴨 チカ
慣れるとこうなるのか?最初っからか?
小鴨 チカ
やべーけど、かわいいんだよなー。
マキナ
*加虐 -→○
[ マキナ ] 加虐 : 0 → 1
小鴨 チカ
直視できねー。目が合うと負けるわ。
マキナ
クスクスと笑っている。
マキナ
腹の底はチカには読み取れないだろうが、
マキナ
少なくともその様子は楽しそうではあった。
小鴨 チカ
「……はは、は」
小鴨 チカ
つられて笑う。
小鴨 チカ
なんか、案外悪くない組み合わせかもなーって思った。
メイド8

第2シーン:鏖田 ネイル

鏖田 ネイル
シーン表を省略し、客室からシーンを始めます。
網倉 霞
はーい。
鏖田 ネイル
割り当てられた客室でメイドに淹れさせた紅茶を飲み、改めて対戦相手の品評をしている。
メイド4
何故かティーポットは2つある。
網倉 霞
お茶、おいしいなと思っている。来てすぐはあまりの豪華さにビビったけど、慣れてきた。なんかメイドさんめっちゃすすめてくるし。
網倉 霞
めっちゃすすめてくるし……。
網倉 霞
味の違いとかよくわかんないんだけどな……
鏖田 ネイル
「それで、どう思う」
網倉 霞
このフリはまさか……
網倉 霞
鼻、よく見ると似てなくない? って話か?
鏖田 ネイル
「私としてはやはり、糸田さんは我々と同じくこの世界に転生し、心の疵の力で鼻以外の全ての部位が変質し、記憶もなくしてしまったのではないかと思うのだが……」
網倉 霞
あ、似てたんだ。
網倉 霞
「うん。それで?」
鏖田 ネイル
「なにせ肉体の変質に関しては前例があるだろう」
鏖田 ネイル
「この堕落の国では何があってもおかしくはない。つまりだな……」
網倉 霞
ちょっと目をそらす。
網倉 霞
「うん」
網倉 霞
「つまり?」
鏖田 ネイル
「あのマキナという少女を潰そう」
網倉 霞
「なるほど」
鏖田 ネイル
「片方が死亡すれば戦いは終わるらしいからな」
メイド4
救世主は気が狂っている。
鏖田 ネイル
「我々は勝ち進みつつあの怪物に復讐を遂げる力を入手し、糸田さんを救出する事もできる。最善の策だ」
網倉 霞
まあ、フォロワーから倒すしな。そうだよな。と頷く。
網倉 霞
「…………。……あのさ」
網倉 霞
「……いや」
網倉 霞
「うーん……」しばし迷う。
網倉 霞
「……怒らないでほしいんだけど」
網倉 霞
立ち上がって一歩下がる。
鏖田 ネイル
「言ってみろ」
網倉 霞
「もし糸田さんじゃなかったら、どうする?」
鏖田 ネイル
「殺すが?」
網倉 霞
「なるほど」
網倉 霞
まあその可能性が見えてるならいっか。
鏖田 ネイル
「糸田さんじゃないのに糸田さんに似た鼻で生活し、あまつさえ私を騙すとか、無礼にも程があるだろう……」
網倉 霞
「………………」
網倉 霞
「……そうだな……」
網倉 霞
相槌。
網倉 霞
これは大事な相槌だ。
網倉 霞
これを適当にやると殴られる。
鏖田 ネイル
「それをおいて戦略的に考えても、あの少女の方が戦い慣れているだろう」
網倉 霞
ああ、わかってるんだな……
鏖田 ネイル
「ヨハンの名は何度も聞いた。それに半年間付き従っていたなら、それなりの場数を踏んでいるのは間違いない」
鏖田 ネイル
「必然的に精神的な支柱になる。崩しておけば連携も取れまい」
網倉 霞
「……」
網倉 霞
「あんまり殴りそうには見えないツラだったけど」
鏖田 ネイル
「お前は女に近づこうとしている癖に女に対する理解が甘い」
網倉 霞
お前に言われたくない。
鏖田 ネイル
「ああいう女が最も多くの死体を作る事ができる」
鏖田 ネイル
「所詮人間一人が手を下せる数には限界があるが……人を操って殺せれば、その数は無限になるからな」
網倉 霞
「……あー」
網倉 霞
吸血鬼がフォロワー従えてる構図なのかな。
網倉 霞
「まあ。うん。そう」
網倉 霞
「ほっとくとまずそうなのは、同感」
鏖田 ネイル
「手順はまずはいつもの通りでいいだろう。接触し、疵を曝き、抉る」
鏖田 ネイル
「想定外の事態は必ずあるが、動ける方が都度対応。いいな?」
網倉 霞
「ん」
網倉 霞
「わかってる」
網倉 霞
慣れている。いつもどおりにやればいい。
網倉 霞
互角かそれより不利な戦いなんか、いくらでもやってきた。
鏖田 ネイル
この世界に来て、自分よりも多くのコインを抱える救世主との戦いも何度も経験した。
鏖田 ネイル
それでも、その連中が死に絶え、今この2人がここにいるのは。
鏖田 ネイル
その周到さ故だ。
鏖田 ネイル
急に力を手に入れた連中は、大概脇が甘い。
鏖田 ネイル
”狙われる立場”というものに慣れていない支配者は、容易に暗殺者の前に首元を晒す。
鏖田 ネイル
そこに静かに刃を滑らせる。やってきた事はそれだけだ。
鏖田 ネイル
「では、まず接触の方法だが……」
鏖田 ネイル
「運営側に用意されたものがあったな」
網倉 霞
「あっ」
網倉 霞
「…………えっと、ちょっとまって」
網倉 霞
4枚ある封筒。そのうち、比較的シワになってないものを渡す。
網倉 霞
「よれてるとこ、触るとアレだから」
鏖田 ネイル
「ん」
網倉 霞
気をつけて、と。
網倉 霞
言わなくても伝わる。
網倉 霞
もう半年この体質と付き合っている。
鏖田 ネイル
慣れたものだ。その辺りの対処ができなければ、こいつと一緒に行動して生きてはいられない。
鏖田 ネイル
「で、これに名前を書けば相手を呼べるという事だが……その際何か予兆は在るか?相手の同意は問わないんだな?」
鏖田 ネイル
封筒を受け取ったら、部屋の隅に呼びかける。
鏖田 ネイル
それは何もない虚空ではあるが、返答が来るという確信があった。
メイド4
「さようでございます」
メイド4
いつの間にかそこにいる。
メイド4
「この封筒を受け取りましたら、名前の記されている救世主は、呼んだ人のもとに転送されます」
メイド4
「瞬間移動ですね」
鏖田 ネイル
「そうか。霞、テーブルの上に武器を並べておけ。予備の方だ」
網倉 霞
言われる前に並べはじめている。
鏖田 ネイル
そう言って本人もベルトの裏から杭を外し、テーブルに並べる。
網倉 霞
銀でコーティングされたもの。
鏖田 ネイル
それと……実際はもう役に立たない拳銃を、一番目立つところにおいておく。
メイド4
「相手が寝ててもシャワーを浴びてても、一瞬でポン、でございます」
網倉 霞
足元にいくつか、罠を張っておく。
鏖田 ネイル
補給ができないこの世界ではとっくの昔に弾薬切れを起こしたガラクタだが、あのタイプの人間には一番効果がある。
鏖田 ネイル
「よし」
網倉 霞
「ん」
鏖田 ネイル
これに何の意味があるのか。なんてことはない。
鏖田 ネイル
”こちらに害意はありませんよ”と口だけでも並べながら、威圧するためだ。
メイド4
「三つ目のカップは用意しておきましょうか?」
鏖田 ネイル
「綴りは……まぁ、仮名でいいか。では頼む」
鏖田 ネイル
「いや、不要だ」
鏖田 ネイル
「椅子も無くていい」
メイド4
「承知いたしました」
鏖田 ネイル
そのような準備を万全に整えた上で……マキナと名の書かれた封筒をメイドに渡した。
メイド4
「承りました」
メイド4
部屋を出る。
メイド4
ドアを閉じ、その一呼吸もなく。
メイド4
その部屋にマキナが転送される。
マキナ
チカに武器を持っていろと言った手前自分も短剣をしまって。
マキナ
いくつか、有用な道具を渡して。
マキナ
*ティーセットとヤリイカをチカに
マキナ
そんな矢先のことだった。
マキナ
「………………はぇ?」
鏖田 ネイル
「ほう」
鏖田 ネイル
瞬きなんてしてはいなかったが、それでも何も目に捉える事はできなかった。成程超常的だ。都合が良い。
マキナ
不意に景色が変わって、間の抜けた声を漏らす。
網倉 霞
「おお……」
マキナ
「えっえっえっ」
鏖田 ネイル
視線だけで人を殺しそうな女が、足組みをして椅子に座り、現れたマキナを見据えている。
マキナ
「あら~~」
マキナ
「あらあら」
マキナ
見回しています。
マキナ
目の前の二人の人物を、
マキナ
そして、これ見よがしに置かれた物騒な道具の数々を。
マキナ
……すっと、マキナの両手が上がる。
マキナ
何もしませんよ~。
鏖田 ネイル
「そう怖がる事はない」
網倉 霞
「まだ何もしてないよ」
鏖田 ネイル
空疎な言葉が並ぶ。
マキナ
「怖いです!!」
マキナ
「怖い怖い!!」
網倉 霞
「気持ちはわかる……」小声で。
網倉 霞
しかし伝わるような声量で。
鏖田 ネイル
「我々は君と会話をしたいんだ。コミュニケーションは大事だからな。そうだろう?」
マキナ
床にぺたんと座り込んだ姿勢で、二人を見上げている。
鏖田 ネイル
「そのために、我々は一旦武装を解除している。この通りだ」
マキナ
「は……はあ……」
鏖田 ネイル
声色だけの優しさが空気を撫ぜるが、表情筋は1ミリたりとも動いては居なかった。
マキナ
「お茶会のお誘いでしたらぁ、直接声をかけてくださったらよかったのにぃ♥」
網倉 霞
手をひらひらと振る。何も持ってないアピール。
マキナ
マキナに警戒を解く様子はありません。
網倉 霞
「せっかく封筒あるし、呼んだほうがはやくない?」
網倉 霞
適当に返す。
マキナ
武器なんて、実際の所なくてもいい人というのは結構いる。
マキナ
素手だということが何の保証になるでしょう。
マキナ
自分も同じアピールをしておきながらなんですが。
鏖田 ネイル
その様子を見て、順調に事が進んでいると認識する。
マキナ
「まぁ……はい……」
マキナ
「えぇ……?」
マキナ
「マキナにご用ですかぁ……?」
鏖田 ネイル
「そうだな。君と話がしたい」
鏖田 ネイル
「君は本来は……ヨハンといったか。あの男とペアだったのだろう?」
マキナ
「そうですがぁ……」
網倉 霞
これ超やられたくないな~って思ってるけど顔には出しません。
鏖田 ネイル
「あの男の噂は我々もよく聞いていたが……」
マキナ
両手を上げたままビクビクと会話に応じる。
鏖田 ネイル
胆力は無し。或いはこちらを欺く程の演技力。
マキナ
「はぁ……」
マキナ
「悪名高いですからねぇ、ヨハン様は」
マキナ
「高かった、か」
マキナ
アハハ……と力なく笑う。
鏖田 ネイル
「死体への扱いを見るに。そこまで良い関係は築けていなかったようだが……」
マキナ
「え~?」
マキナ
「良好でしたけど~?」
網倉 霞
あっ言っちゃうんだ~。顔には出しませんが。
マキナ
「いやまあ不満はありましたけども」
マキナ
「そりゃあねえ」
マキナ
「ああいう人ですから?」
鏖田 ネイル
「統治者としての腕は良かった、か?」
マキナ
「……ええ」
マキナ
「まあ、デキる人ではありましたよ」
マキナ
「なんですか? ヨハン様のことが聞きたいんですか?」
マキナ
「悪口いくらでも言いますよ?」
マキナ
煙に巻くように、ぺらぺらと口が回る。
マキナ
チカくん来てくれないかな~。
鏖田 ネイル
「いや……あの男の情報は気にはなるが、死んだからな」
鏖田 ネイル
「君に興味がある」
マキナ
無理かな~…………。
鏖田 ネイル
小手調べは済んだ。本題に入る。
マキナ
「ええ……」
マキナ
「マキナですかぁ…………」
マキナ
「マキナの話ししても面白くないですよ?」
マキナ
「ヨハン様の悪口の方がおもしろいですって」
マキナ
「あの人避妊しないんですよ」
マキナ
「信じられます?」
網倉 霞
うわっ。
鏖田 ネイル
ふーん。
網倉 霞
露骨に嫌な顔をしそうになって抑える。
マキナ
「最悪じゃないですか?」
網倉 霞
「やめない? その話」
網倉 霞
「やめよう」
マキナ
「えっ」
マキナ
「はい」
マキナ
「やめま~す♥」
網倉 霞
平静を保っているが正直かなり聞きたくない。
マキナ
なんか良くない話題だったようなので口を噤んだ。
鏖田 ネイル
猥談は糸田さんの猥談にしか興味がないので、死ぬほどつまらなさそうな顔をしている。
マキナ
殺されはしないだろうとはいえ、圧倒的に優位な状況に立っているのは向こうだ。
網倉 霞
ほら……めちゃくちゃつまんなさそうじゃん……って顔でマキナを見ました。
網倉 霞
責任転嫁。
マキナ
「はいはいすみません~話を逸して申し訳ないですぅ~」
鏖田 ネイル
聞き流しながらテーブルにトントンと指を打ち付け、簡単な信号を送る。
鏖田 ネイル
演技力の異常に発達した人間であれば、より深く話を聞いて過去を暴く。
鏖田 ネイル
単純に胆力の無い人間なら、威圧し、心を折る。実力行使も含む。
マキナ
「で? マキナのお話でしたっけ?」
鏖田 ネイル
そういった内容だ。
鏖田 ネイル
「ああ。ここに来る前は何をしていたんだ?」
鏖田 ネイル
「見たところ……我々が以前いた世界と、近しいように見えたからね」
マキナ
「えぇ……それマジつまんないですよ……」
マキナ
「ふつーですよ、ふつー」
マキナ
「学校行って~」
マキナ
「バイトして~」
マキナ
「色んな人に甘えたり♥」
マキナ
「良くない人たちに遊んでもらったり♥」
網倉 霞
似てるな~。話を全部信じるならだけど。
マキナ
「戦ったりとか、な~んもしたことなくて」
マキナ
「ふつーの女の子をしてましたよ」
鏖田 ネイル
「普通の女の子が、あの暴君に付き従って半年生き延びていたのか?」
鏖田 ネイル
「だとしたら、大したものだな」
マキナ
「強い人に取り入ったりとか、マキナ得意なんで~す」
マキナ
「でも、それってみんなそんなもんじゃないですか?」
マキナ
「大なり小なり」
鏖田 ネイル
「そうだな」
マキナ
「その方がお得ですし」
マキナ
「ですよねえ」
鏖田 ネイル
「なら、こちらに取り入るか?」
マキナ
「…………」
マキナ
「できるならそうしたいですけどねぇ」
マキナ
「させてくれるんですか?」
鏖田 ネイル
「裁判のルールは聞いていただろう。抜け道はあるぞ」
鏖田 ネイル
「ペアの片方が死ねばそこで裁判は終わる」
鏖田 ネイル
「その片方を、お前以外に押し付ければいい」
マキナ
「まぁ、そういえばそうでした!」
マキナ
「それは名案!」
マキナ
「で、それを受け入れてくださるんですか?」
鏖田 ネイル
「さて」
鏖田 ネイル
「だが聞いた限り、以前の世界では一般市民」
鏖田 ネイル
「そして新しくペアとして補充された人物も……恐らくは、似たような出自なのだろう?」
マキナ
「そんな感じみたいですねぇ」
鏖田 ネイル
「こちらは……見ての通りの武器を、この世界にくる以前から日常的に取り扱っていた人種だ」
マキナ
見ています。
鏖田 ネイル
机の上に並べたものを指し示す。
マキナ
武器を。
マキナ
改めてひぇ~になっています。
網倉 霞
ギラギラと輝いたりしています。武器が。なんか銀とかでコーティングされたりもしてて。
マキナ
「そう……みたいですねぇ」
鏖田 ネイル
人に突き刺すには随分と太すぎる杭、怪しげな注射器、そして銃。
鏖田 ネイル
「勝てると思うか?」
マキナ
ぶんぶんと首を振る。
マキナ
もちろん横に。
マキナ
無理だよ~。
鏖田 ネイル
確信……というほどではないが、アタリをつける。
鏖田 ネイル
これは後者。単に胆力の無い者だ。
鏖田 ネイル
ならばこれから取る手段も一つ。霞に目で合図をする。
マキナ
両手を上げたまま、カタカタと震えている。
網倉 霞
視線を交わす。
鏖田 ネイル
心を折る。そういう判断を下した。
マキナ
二人の交わす視線の意味を知らず、ただ震えている。
鏖田 ネイル
自分たちを相手に虐げる側には決して回れないのだと。
鏖田 ネイル
そちらが虐げられる側にしかなれないのだと……そう刷り込むために今から動く。
鏖田 ネイル
「この戦いを棄権は出来ない。それを選んだ者の末路は見たとおりだ」
マキナ
「……そうですねぇ…………」
マキナ
空気がじとりと重くなった、ような気がする。
鏖田 ネイル
「お前が生き残るためには我々と闘って勝つか……裁判が始まった直後に、”こちらの勝利条件を満たす”か、どちらかになる」
マキナ
「えぇ、はい」
鏖田 ネイル
「正面から闘うよりも、背中から刺すほうが簡単だろう?」
鏖田 ネイル
言わんとすることは分かるな、と
マキナ
「仰るとおりで!」
鏖田 ネイル
瞳に力を込め、見据える。
マキナ
ひっ
マキナ
明らかに暴力の行使に手慣れている者と、
マキナ
この世界に呼ばれたばかりの、裁判の経験もない少年。
マキナ
どちらにつくべきかなんて
マキナ
考えるまでもないことで。
鏖田 ネイル
テーブルの上に並べていた杭を手に取る。
鏖田 ネイル
椅子から立ち上がり、マキナへと近づく。
鏖田 ネイル
必要なのは、あと一押しだ。
マキナ
「ひ…………」
鏖田 ネイル
忘れられない恐怖があればいい。
鏖田 ネイル
*マキナの加虐を抉ります。
小鴨 チカ
*横槍を入れます!
小鴨 チカ
Choice[猟奇,才覚,愛]
DiceBot : (CHOICE[猟奇,才覚,愛]) > 才覚
小鴨 チカ
2d6+3=>7 判定:才覚
DiceBot : (2D6+3>=7) > 8[3,5]+3 > 11 > 成功
小鴨 チカ
1d6
DiceBot : (1D6) > 3
小鴨 チカ
*ヤリイカを使用
鏖田 ネイル
*ティーセットを使用
鏖田 ネイル
2d6+3+2-3-2>=7
DiceBot : (2D6+3+2-3-2>=7) > 6[5,1]+3+2-3-2 > 6 > 失敗
[ 鏖田 ネイル ] ティーセット : 1 → 0
[ マキナ ] ヤリイカ : 1 → 0
小鴨 チカ
勢いよく扉を開ける音と共に、少年が現れる。
小鴨 チカ
「聞こえてますけどぉ!?」
マキナ
「っ!?」
網倉 霞
「……」罠があるはずだけど。
マキナ
「…………チカくん?」
マキナ
呆けたような声。
マキナ
来るなんて思ってなかったのだ。
網倉 霞
じっと見ている。下手に踏んだら痛い罠が足元にいくつかある。
マキナ
あの気弱そうな少年が、敵地であるこの部屋に。
マキナ
わざわざ、来るなんて。
鏖田 ネイル
状況は明確だ。杭を手に持った強面の女が、マキナに迫っている。
小鴨 チカ
「はあ、はあ……」
小鴨 チカ
「こっわ。こっわ!もぉ~何この状況!」
マキナ
呆然と、入り口に立つチカを見ている。
鏖田 ネイル
「……何か用かな?」
網倉 霞
よく見れば罠の置き場所はわかるだろう。
鏖田 ネイル
う~~んやはり糸田さんに鼻のラインが似ている……糸田さんでは?
網倉 霞
罠には狩人が間違って踏まないように目印がついている。
小鴨 チカ
まず顔が怖い!
網倉 霞
どうなるかな~……と思って見ている。
マキナ
呆けて、それから気を取り直す。
網倉 霞
あんまり糸田さんではなくない? でも糸田さんだったら足とか傷付けたら怒るよな~……
マキナ
二人の目が入り口の少年に向かっているのを確認して、そっと手を下ろす。
小鴨 チカ
「いや、その……」
鏖田 ネイル
こちらのプランとしてはこの少女の心を折り、裏切るかどうかの迷いの中に陥らせた跡、隙のある少女の方を迅速に始末する、というもので。結果的に糸田さんを救うための行動なのだが……
小鴨 チカ
「用っていうかぁ……」
鏖田 ネイル
余計な事をしないでほしいな……だけど糸田さんは優しいからな……
小鴨 チカ
「困るんですけど!パートナーにちょっかい出されるの!」
網倉 霞
糸田さんは優しいから踏み込んで来るだろうなって思ってるんだろうな~……
鏖田 ネイル
「こちらが何か、妙な事をしようとしていると……」
マキナ
服の隙間に手を忍ばせ、取り出したそれで杭を払う。
小鴨 チカ
会話の細かいところまでは流石に聞こえなかったけど、なんかだって交渉と威圧みたいな雰囲気だったよね?
小鴨 チカ
共謀してぼく殺そうとかいう話になんねーだろうな。さすがに被害妄想か?
マキナ
短剣。
網倉 霞
あ、怯えてるな~この子……糸田さんじゃなさそうだけどな……
小鴨 チカ
「じゃあ、妙な事とかはしてないの?」
鏖田 ネイル
「……む」
鏖田 ネイル
しまった、少年の鼻を見つめすぎていた。
マキナ
硬いもののぶつかる音が響く。
マキナ
「……チカくんえらい!」
鏖田 ネイル
杭が打ち払われ……手放しはしないが、一瞬の隙は見せる。
マキナ
立ち上がり、駆け出す。
マキナ
マキナは見ていた。置かれた武器を、部屋の中を。
小鴨 チカ
えっ!
マキナ
床に不自然な箇所があるのを、見ていた。
マキナ
そこを避けて走る。
マキナ
チカの元へ。
鏖田 ネイル
明確に、罠を意識して避けている足取りだ。
小鴨 チカ
妙な走り方を見て、地面を見て。ん?ん?
鏖田 ネイル
予想した以上に、あの女は場数を踏んでいる。
網倉 霞
わかられているのなら、追うのは得策ではない。
マキナ
扉に、チカの隣にたどり着く。
マキナ
「よ~しよし」
マキナ
「あとでご褒美あげます」
小鴨 チカ
「あっ……」
マキナ
えらいっ、とチカの頭を撫でる。
鏖田 ネイル
あ?あの女いま糸田さんに軽々しく触れたか?
鏖田 ネイル
やはり殺すしかないな……
小鴨 チカ
「ご、ご褒美っ!?」声裏返った。いや違う、絶対エロい意味とかじゃない。
網倉 霞
追撃をやっていい雰囲気ではなくなってきたな。隣からすごいオーラがする。
マキナ
なんか剣呑な空気がします~!
マキナ
振り返り、
鏖田 ネイル
さておき
マキナ
「ね?」
鏖田 ネイル
「なるほど」
マキナ
「つまんない話だったでしょう?」
マキナ
「だから、もういいですよね」
小鴨 チカ
「なに?なになに?」
鏖田 ネイル
「ああ、分かった」
鏖田 ネイル
「どうやら、君には死んでもらうしか無いようだ」
マキナ
「そんな~」
鏖田 ネイル
私だって糸田さんにご褒美をあげて喜んでもらいたい……
網倉 霞
明らかに機嫌が悪そうな隣の様子を伺いながら。
小鴨 チカ
なに、これどういう状況?よくわかんない。
鏖田 ネイル
それをこの女…………殺す
小鴨 チカ
よくわかんないけどさあ。
網倉 霞
「うん、帰っていい」
網倉 霞
「とりあえず帰っていいと思う」
マキナ
「はあい」
網倉 霞
「また呼ぶから、安心して」
小鴨 チカ
「……うー……」
マキナ
「どこに安心要素があるんですか~???」
小鴨 チカ
死ぬとか殺すとか、あんま使わないで欲しいよな。
網倉 霞
隣をなんとかしないといけないので早く帰ってほしいな~って思っています。
マキナ
次に呼び出されたら問答無用の暴力が飛んできそうだなあ。
鏖田 ネイル
いや、勿論糸田さんにはご褒美をもらう方が至福の時間は過ごせるのだが、時折こちらからプレゼントを上げた時の無邪気な悦びようといったらやはり世界に現れた小さな太陽という様であの輝きに迫るものはこの世のどんな宝石でも不可能というか
マキナ
やだな…………。
網倉 霞
必要以上に怖がらせたくない。
網倉 霞
この人の暴力は派手なんだ。
マキナ
ため息をつく。
小鴨 チカ
「……ぼくらの事、殺すの?」
網倉 霞
「えー、うーん」
網倉 霞
おさなごをあやすような穏やかな口調。
鏖田 ネイル
「いや……」
マキナ
「…………」別のため息が出た。
鏖田 ネイル
う~んやはり糸田さんに私も触れたい…………触れられたい……そもそももう半年も糸田さんと触れ合っていないのにまだ生きている方がおかしいんだ。ここで二足歩行で立てている私偉くないか?だれか褒めてくれよあ~~糸田さん……糸田さん糸田さん…………
網倉 霞
「……保留」
小鴨 チカ
……?
網倉 霞
「とりあえず今は帰って」
網倉 霞
「今すぐ」
マキナ
「……ですって」
網倉 霞
「速やかに」
マキナ
「行きましょチカくん」
小鴨 チカ
「……わ、わかった」
小鴨 チカ
なんだろう。この人たちの事もよくわかんないな。
マキナ
「次はもっと穏やかにお話しましょうね~♥」
網倉 霞
このあとこいつを宥めるの俺なんだよな……
小鴨 チカ
顔は怖いし、雰囲気もすごいし、絶対やり慣れてる感じするけど。
鏖田 ネイル
「……貴女にそのつもりがあれば、応じよう」
鏖田 ネイル
そして殺す。
マキナ
チカの腕を引っ張って退散します。
網倉 霞
流石に溜息をついてもいいよねって思って、溜息が出ました。
鏖田 ネイル
糸田さん……はー糸田さん……ちょっと震えている立ち姿もかわいいね……糸田さん……
マキナ
なんか理不尽な殺意を向けられてる気がします。
小鴨 チカ
この人たちなりに大事なもんとかあるんだろうなあ。
小鴨 チカ
……知りたくねーなあ、殺し合うんなら。
網倉 霞
知られたくなかったな。
鏖田 ネイル
「…………」
鏖田 ネイル
糸田さんの鼻が視界から外れてしまったので、消沈している。
網倉 霞
これから殺し合う相手だから、殺せば別にいいのだけど。
網倉 霞
視線を鏖田に向ける。
鏖田 ネイル
「呼吸ができない…………」
鏖田 ネイル
言葉を零す。
網倉 霞
「うん」
鏖田 ネイル
それは、いつも、発作が来た時に決まって零す言葉だ。
鏖田 ネイル
何の発作か、決まっている。糸田さん欠乏症だ。
網倉 霞
わかっている。もう慣れているから、いちいち身構えることもない。
鏖田 ネイル
そしてそれは衝動の形を取る。
鏖田 ネイル
その後、4号室からは鈍い打撃音が散発的に響いた。
メイド4
[ 小鴨 チカ ] HP : 15 → 14
メイド4
**初日ここまで
[ 小鴨 チカ ] 恐怖心 : 1 → 0
[ 小鴨 チカ ] 女性恐怖症 : 1 → 0
メイド4
メイド4
「始まりました~オールドメイドゲーム第一回戦!」
メイド4
「4号室は吸血鬼狩人? のお二人らしいです! すごいですね!」
メイド4
「血が燃えたり毒を出したり、いや~いかにも才覚のお二人という感じで! 厄介ですね~!! 戦いが長引きそうです」
メイド4
「一方8号室は、あ~、え~」
メイド4
「なんか開幕時に一人……お亡くなりになりましたので!」
メイド4
「急遽、なんかかわいい男の子に参加していただきました! 頑張ってほしいですね~! 先輩のお姉さん? あっ同い年! と仲良くしてほしいです! しなくてもいいけど!」
メイド4
「愛と才覚で戦うお二人!! いや~戦いが長引きそうです!!!」
メイド4
「いや~~」
メイド4
「戦いが長引きそうです!!!」
メイド4

第3シーン:網倉 霞

メイド4
*お茶会 第1サイクル 網倉 霞
網倉 霞
――8号室。
網倉 霞
扉を叩く音がする。
マキナ
「……はいは~い」
小鴨 チカ
「ひ」
マキナ
やや控えめに、マキナが扉を開きます。
網倉 霞
立っているのはひとり。あの目つきが悪くて背がめちゃくちゃ高い怖い人はいません。
マキナ
隙間からじ、とあなたを伺って
マキナ
「……お一人ですか?」
網倉 霞
「うん」
マキナ
「あちらの背の高い方は」
網倉 霞
「…………うーん。うん」
網倉 霞
「なんというか、君も、ほら。わかるでしょ」
網倉 霞
「明らかに近付いちゃいけないタイミングとか……」
マキナ
「……まあ」
マキナ
「なるほど」
小鴨 チカ
「ええ……」
マキナ
先程の様子を思い返して、なんとなく納得しました。
網倉 霞
「なので、お茶会をね。お茶会をしに」
網倉 霞
やわらかな口調。
網倉 霞
「別にこっちに呼んでもよかったんだけど、バレてたみたいだし」
小鴨 チカ
「…………」……考えてること、わかんねえ……
マキナ
対戦相手の二人の中では、目の前の相手はまだ話ができそうな方、と認識している。
マキナ
「ふむー、お茶会を」
網倉 霞
「ん」
マキナ
ちら、とチカの方を伺って
マキナ
「どうします? チカくん」
小鴨 チカ
「……えと……」
小鴨 チカ
……何か、あっちにも考えというか、たくらみ?があるんだろうけど。
網倉 霞
後ろのメイドに声をかける。4号室の、お茶にやたらこだわりのあるメイド。
小鴨 チカ
……喧嘩になるよりは、マシか。
小鴨 チカ
「……えと、じゃあ、おねがいします」
マキナ
頷いて、
網倉 霞
「なんかおすすめのやつ持ってきてくれませんか」
メイド4
「かしこまりました」
小鴨 チカ
あ、その頼み方いいな。
メイド4
しばらくして台車にティーセットを持ってくる。
マキナ
「では、お呼ばれいたしますねえ」
小鴨 チカ
「なんか……おすすめのやつ、おねがいします……」おねがいします、メイドさん。怖いけど。
マキナ
「せっかくのお誘いですし」
マキナ
「あ、場所は……」
マキナ
向こうは今ヤバそうな感じというなら
マキナ
「……こちらの部屋でも?」
網倉 霞
「うん」
マキナ
「はぁい」
網倉 霞
だって罠見抜かれてたしなー。嫌だろうし。どう考えても。
網倉 霞
なるべく警戒されたくない。
メイド4
こちらは~~、こちらは~~、こちらは~~。と、一人1ポットのお茶を用意してくる。
メイド8
黙々とアフタヌーンティーを用意しはじめる。3段のやつだ。
マキナ
「……ちょーっとだけお片付けするので、外でお待ちいただいても?」
小鴨 チカ
初めて見た。
マキナ
「すぐに済ませますので!」
網倉 霞
「ん」言われるがまま待っています。
マキナ
「ありがとうございます、すみませんねえ」
マキナ
言って、扉を閉じます。
小鴨 チカ
「……あの?」
マキナ
チカの方を向いて
マキナ
「作戦会議作戦会議」
小鴨 チカ
「あ、はい」助かります。そうであって欲しいと思ってた。
マキナ
「どうせブラフにしかなりませんけども~」
マキナ
「何かあるかも?と思わせるだけでもね」
マキナ
「何もないんですけども~」
小鴨 チカ
「はったり?」
マキナ
「罠とか準備できたらよかったですねえ」
マキナ
「ですです」
マキナ
「そういう体で……」
小鴨 チカ
「が、がんばります」
小鴨 チカ
やべー。
小鴨 チカ
救世主がどんくらいの事できるのかまだ分かってねーぞ。
小鴨 チカ
お茶会って、どんな感じで進むんだろう。絶対、和やかにはならないよなあ。
マキナ
「ま、チカくんは無理しないでいいですよ」
マキナ
「あんまり不自然にされてもね、あれなんで」
小鴨 チカ
「……は、はい。話、合わせる感じで……すみませんがお願いしてもよろしいでしょうか……」
マキナ
「そういう感じで!」
小鴨 チカ
こえー……
マキナ
「……さーて、穏やかにお茶会をして終われるといいですねぇ!」
マキナ
一応片付けたという体で、荷物を寄せたりテーブルの上のものをどかしたりして
小鴨 チカ
「て、手汗がやぁびゃぁです」
マキナ
「がんばって!」
マキナ
流しつつ、扉を開けに行きます。
網倉 霞
普通に待ってました。とくに変わったところは見当たりません。
マキナ
「お待たせしましたぁ」
小鴨 チカ
緊張する。
マキナ
「ささ、どうぞどうぞ~」
網倉 霞
促されるまま、促された場所に座ります。
メイド8
二人がお話しているあいだもメイド4,8は準備していたので、もう完全にティーパーティーのテーブルが出来上がっています。
マキナ
「すごいですねぇ」
マキナ
「豪勢ですねぇ」
小鴨 チカ
緊張するぅ。
小鴨 チカ
卒業式のあの、檀上に上がって証書もらうやつだけで具合悪くなったんだぞ、ぼくは。
網倉 霞
メイドたちにお礼を言ってほほえみました。
マキナ
きゃっきゃとはしゃぎつつ、椅子の一脚に着席します。
網倉 霞
ティーカップを手に持って、香りを嗅ぎながら。
網倉 霞
「チカくんだっけ?」
小鴨 チカ
「ふぇあ!?」
マキナ
チカくんがんばれ~!
マキナ
応援の目配せをしています。
小鴨 チカ
「はい、そう……そうだ!」変な口調になっちゃった。
網倉 霞
「ぶっちゃけさ、似てないと思うんだよね」
小鴨 チカ
なにがぁ!?
網倉 霞
「もうちょっと近くで見せてもらってもいい?」ひとくちだけ飲んだ紅茶を置いて。
GM
……糸田柱はコーヒー派だった。味にはこだわらず、インスタント珈琲を流し飲む。
小鴨 チカ
「ええ!?」
マキナ
「おやぁ、大胆ですねぇ」
小鴨 チカ
待って。話の脈絡。
小鴨 チカ
マジで何のこと?何!?
網倉 霞
席を立って、チカの目の前へ。
網倉 霞
手を伸ばして、
網倉 霞
頬に触れる。
網倉 霞
「…………」
マキナ
「…………」
マキナ
何をするつもりなのか見ています。
小鴨 チカ
「あっあっ……えっ……」マキナさん?
網倉 霞
手は滑り、鼻を撫でる。
小鴨 チカ
こういうとき こういうときどうしたら
小鴨 チカ
どうしたらいいんですか!?
マキナ
童貞には刺激が強いんじゃなかろうか。
網倉 霞
「……鼻は似てないと思うんだ」
網倉 霞
そのまま指を口へ滑らせる。
網倉 霞
爪で唇を撫でる。
小鴨 チカ
「あっ……あっあっ……」
マキナ
「……チカくんに似てる人がいるんですか?」
小鴨 チカ
「ま、まっ……」
網倉 霞
「どっちかというと、口のほうが似てると思うんだけど……」
小鴨 チカ
テガ!
マキナ
チカが戸惑っているので横から尋ねる。
小鴨 チカ
「うええ、ええ、本当になにぃ……!?」
網倉 霞
首をなぞる。
小鴨 チカ
これはぼくは、ぼくはこれは。
小鴨 チカ
弄ばれちゃいないだろうか!?
網倉 霞
「……いや、まあ、たぶん別人だと思うけど」
小鴨 チカ
「ま、まって……」
小鴨 チカ
まずいって。
マキナ
「??」
網倉 霞
顔を近づける。
網倉 霞
「これさあ、」チカの耳元で囁く。
小鴨 チカ
「……っ!?」
網倉 霞
「皆に見られてるんだよね」
網倉 霞
「どうする? ピースとかしちゃう?」
マキナ
「……ちょっとちょっと~」
マキナ
「あんまりうちのチカくんで遊ばないでもらえますぅ?」
小鴨 チカ
「…………ち、ちかい…………」
小鴨 チカ
「じょ、女子が!こういうの、よくないと思う!」
網倉 霞
近づけば、上着の下、赤く染まる肌が見える。
網倉 霞
「じゃあやめよっか」
マキナ
「そうですよぅ、よくないですよぅ」
網倉 霞
「でも……そうだなあ」囁く。小さな、吐息が多く混じった声。
マキナ
「見せつけられるのとか、マキナ趣味じゃないんですけど~」
小鴨 チカ
「……はっ、はぁっ……」
網倉 霞
「邪魔しないでくれたら、続きをしてあげる」
網倉 霞
甘い香りがあなたの鼻をくすぐる。
小鴨 チカ
なんでだ。
網倉 霞
女の子のような、甘い香り。
小鴨 チカ
なんでだよ。こんな。
網倉 霞
「だから……」
小鴨 チカ
こんな事しなくても、普通に、殺せるんじゃないのか。ぼくの事なんて。
網倉 霞
「じっとしててね?」
小鴨 チカ
なんで。なにを考えているのかわからない。
網倉 霞
それだけ言うと、首筋を撫でて、ぱっとあなたから離れる。
小鴨 チカ
「……あ……」
小鴨 チカ
首筋まで迫っていた恐怖が離れて、少しだけの安堵と。
マキナ
じ、と二人の方へ視線を向けている。
マキナ
「それでぇ?」
小鴨 チカ
…………、その。あれだ。
網倉 霞
「やっぱり人違いかなぁ」マキナの方に振り返る。
マキナ
「お茶会中に品のないことをするの、マキナはどうかと思いますが~」
小鴨 チカ
あれなんだよ。こんなに近くに来られたら。
マキナ
「いえ、マキナがいないところならどうでもいいんですけども~」
小鴨 チカ
…………ゆったりめの服着ててよかった……。
網倉 霞
「でも、ずっとやってきたんじゃなかった? あの金髪の人のそばでさ」
網倉 霞
「見てるだけ、みたいな」
マキナ
「……何がおっしゃりたいのやら」
マキナ
「それはまあ?」
マキナ
「マキナは非力ですし~」
マキナ
「できないことの方が多いですから~」
網倉 霞
「結構噂聞いててねー、あの金髪の人」
マキナ
「悪い噂ばっかりでしょう?」
網倉 霞
「うーん。色々かな」
網倉 霞
「まさかゴムしない人だとは思わなかったけど」
マキナ
「あはは」
小鴨 チカ
素数を数えるぞ。1、2、3、は!?
小鴨 チカ
「は!?」
小鴨 チカ
「あのぉ!さっきから何の話ですかぁ!?」
マキナ
「最悪でしたよほんと~」
小鴨 チカ
「ひていしろよぉぉぉお」
網倉 霞
「わかる~、俺もやだもんね」
小鴨 チカ
「やめて。助けて」
マキナ
「まぁ、そういうのない国から来られたみたいでしたし?」
小鴨 チカ
「なんか和やかなムードにならないで……つらい……」
網倉 霞
「ふーん……」
マキナ
言ってから、別に擁護してやることもなかったなと思った。
小鴨 チカ
やめてくれ。男が情けないタイプの寝取られモノはぼくに刺さるんだ。
マキナ
知っててもどうせしなかっただろうし。
マキナ
「ほら~チカくん泣いちゃった~」
網倉 霞
「えー? かわいいね」
小鴨 チカ
「殺されてるぅ~~~~」
網倉 霞
「もしかしてそういうこと、慣れてない?」チカの椅子の後ろへ。
小鴨 チカ
「わかってて聞いてんだろぉが!」
網倉 霞
後ろからそっと肩を撫でる。首に触れる。
小鴨 チカ
「うああ~~~~ん」
マキナ
「あ~そうやってチカくんのこといじめて~」
小鴨 チカ
見てないで助けて!
網倉 霞
「だって会話に混ざれないと……かわいそうでしょ?」
小鴨 チカ
「ひい、ひい」
小鴨 チカ
ぼくは、ぼくはな!言っとくけど、自分じゃこういうの……振り切れないからな!?
網倉 霞
「……あんたもこういうの慣れてるんだっけ?」マキナに向かって。チカを指差しながら。
小鴨 チカ
口に出すと自滅なので、手ぶりで訴えます。手を振るしかできてねーわ!伝わんねえなあ!
マキナ
「チカくん助けてほしい? 楽しんでません?」
小鴨 チカ
助けてほしいです!!!!
小鴨 チカ
楽しんでいますう!!!!!!!
マキナ
「こういうの」
マキナ
首を傾げています。
マキナ
「童貞の相手?」
網倉 霞
「男の相手」
小鴨 チカ
「女子こわいよお!!」
マキナ
「え~?」
マキナ
「マキナ、男の人とかよくわかんない~」
マキナ
あからさまに清純ぶってみせて
小鴨 チカ
さすがに嘘だってもうわかるからな!?
網倉 霞
「そっかあ」
網倉 霞
「あの金髪、逆らったら殺されそうだもんなー」
マキナ
「そうなんですよ~」
マキナ
「キレたら本当ヤバかったんですよね、あの人」
小鴨 チカ
この体勢で話を進めないでくれ。
網倉 霞
髪を撫でています。
マキナ
「こんな小さな子殴りまくったことあるんですよ」
マキナ
「この国に来たばっかりのころ」
マキナ
このくらい、と手で身長を示す。
マキナ
小学生の子供くらいの高さ。
網倉 霞
「うわー、超やばい」
小鴨 チカ
「やば」一瞬ちょっと正気に戻ったわ。
マキナ
「ヤバいでしょ~」
網倉 霞
「その子も襲ったのかな」
小鴨 チカ
お母さん助けて。
小鴨 チカ
ごめんなさい、ぼくは今、こんな状況でお母さんの顔を思い浮かべています。
小鴨 チカ
親の顔は効果的です。効果的ですが、負けそうです。
マキナ
「殴って殴って、最終的に剣で斬って」
マキナ
「殺してましたよ」
網倉 霞
「そっかあ」
網倉 霞
「まあ、勝てないよね。大の大人、それも男相手にさ」
マキナ
「あの人の敵じゃなくてよかった~って思いましたね」
マキナ
「さすがに」
小鴨 チカ
この位置関係がまずいんです。
小鴨 チカ
ぼくは耳元で囁かれるやつがダメです。この体験は音声作品を凌駕しています。
網倉 霞
「別に金髪のその人じゃなくても、勝てないやつなんかいっぱいいてさ」
マキナ
「……そうですねぇ」
網倉 霞
「そのたびに媚び売ったり、抱かれたりして?」
網倉 霞
耳に触れたりしています。
マキナ
「どう思います?」
小鴨 チカ
これが放送されてみんなに見られてるっていうのも。なんか一周回って逆にだめです。
小鴨 チカ
そういう男子が情けないやつはだめです。
網倉 霞
チカくんの手を取ってダブルピースとかさせちゃうか。
マキナ
彼女みたいなことを言い始めた。
網倉 霞
「んー。……ナマはダメでしょって思う」
マキナ
「それは本当にそう」
小鴨 チカ
女子に「チカくんはカッコイイ系じゃなくて……可愛いタイプだよね~」って言われて真に受けて、こういう方向性のキャラにシフトしてから、その女子の脈が全然ないことを知りました。
小鴨 チカ
でもおもちゃにされることが多くなったので、このキャラは成功だったのかなって思います。
網倉 霞
「でも、仕方ないんだよね」
網倉 霞
「逆らう選択肢、ないからね」
小鴨 チカ
女子におもちゃにされるのって……青春だよな……。
マキナ
「…………」
網倉 霞
*マキナちゃんの加虐を抉ります!!!
メイド4
横槍は入られますか?
小鴨 チカ
入れますけどもお!
小鴨 チカ
*横槍
小鴨 チカ
Choice[猟奇,才覚,愛]
DiceBot : (CHOICE[猟奇,才覚,愛]) > 才覚
小鴨 チカ
2d6+3=>7 判定:才覚
DiceBot : (2D6+3>=7) > 7[6,1]+3 > 10 > 成功
小鴨 チカ
1d6
DiceBot : (1D6) > 2
網倉 霞
*ティーセット使用します
[ 網倉 霞 ] ティーセット : 2 → 1
網倉 霞
2d6+3+2-2=>7 判定:才覚
DiceBot : (2D6+3+2-2>=7) > 9[3,6]+3+2-2 > 12 > 成功
メイド4
成功でございますね。
[ マキナ ] 加虐 チカくん : 1 → 0
[ 小鴨 チカ ] HP : 14 → 13
網倉 霞
紅茶の香りと甘い香り。
網倉 霞
混ざって、どこか妖艶な香りになる。
マキナ
「……まぁ、それも世渡りの一つと言いますか~?」
マキナ
「マキナはそういうのうまくできちゃう方なのでぇ」
網倉 霞
「うん」
網倉 霞
「ここで会わなかったら、仲良くなれたかもしれないね」
マキナ
器用に生きてきた、つもりだ。
マキナ
「そうかもしれませんね~」薄っぺらく笑う。
小鴨 チカ
「っ、…………」
マキナ
強者に媚びて、取り入って、庇護されて。
マキナ
自分にはそれができる、それが上手な生き方だと嘯いて。
GM
器用であるということは、器用に出来てしまうということだ。
マキナ
他の人にはそれができない、自分にはできると。
マキナ
他の人はそもそんなことをする必要がないのだと、それから目を逸らして。
GM
どうすればいいとわかる。切り捨てることができる。
GM
あるいはそうして切り捨てられてきたものが、自分の内側の何かであっても。
マキナ
強い人間ならば、誰かに媚びる必要なんてない。
GM
むしろ、自分の内側であればこそ、容易く。
マキナ
誰かに阿って、それによって利益を得ても、
マキナ
自分が強くなりはしない。
マキナ
弱者は弱者だ。
マキナ
ここに立っているのは、ただ
マキナ
庇護してくれる主を失った少女でしかない。
マキナ
……よくよくマキナを観察すれば、
マキナ
世慣れたような態度の裏には、怯えの色が見て取れるだろう。
マキナ
余裕があるように振る舞っているだけでしかない。
マキナ
あなた方の扱う武器のいずれによっても、
マキナ
簡単に、その命を奪ってしまえそうな
マキナ
ただの力ない少女だ。
GM
そしてあなたの新しいパートナーは、そんなあなたの不安や弱さに、まだ気づきもしない。
マキナ
気づかせてはいけない。
マキナ
自分が余裕を失い取り乱せば、きっとこの少年は戦えない。
GM
それなら、まだ恐れられているくらいが都合がよい。
マキナ
裁判は、心の疵の力の戦い。
マキナ
戦闘能力の差など覆せる。
マキナ
そういうものだと、思わせないといけない。
マキナ
マキナは笑っている。
マキナ
弱者の顔を隠して、微笑んでいる。
GM
空の器の方がよく響く。
小鴨 チカ
「……………あの、メイドさん、すいません」
小鴨 チカ
「替えの下着ってぇ~……あります?」
マキナ
「…………」
マキナ
チカを見て
網倉 霞
「………………」
マキナ
ため息をついた。
メイド8
「すでにご用意してあります」
マキナ
気が利くなあ。
網倉 霞
気が利くなあ……。
メイド8
すっ、と手渡す。
小鴨 チカ
「あ、えっとぉ……」
小鴨 チカ
「ちょっとトイレ、行ってきまぁ~す……」
GM

第4シーン:マキナ

GM
お茶会 サイクル1 マキナ
マキナ
お部屋でお話しましょうチカくん
小鴨 チカ
はい……
GM
空いた食器が下げられて、まだ残っているポットと茶菓子が置かれている。
マキナ
お菓子はさっきたくさんいただいたので、お茶だけたしなみつつ。
マキナ
「……チカくん」
マキナ
「あの人に”続き”してほしかったんですか?」
小鴨 チカ
「えっ……」
小鴨 チカ
ええ?
小鴨 チカ
どうこたえるのがせいかいでしょうか。
マキナ
じ、と見ています。
マキナ
「まぁ別にいいですけども~」
小鴨 チカ
ほっ。
マキナ
「さっき助けてくれたご褒美あげようと思ってたけど~」
小鴨 チカ
質問に答えなくても許される空気かも。
マキナ
「あっちの人がいいなら行ったらいいんじゃないですか~」
小鴨 チカ
「うええ」
マキナ
「あ~あ」
小鴨 チカ
「意地悪言わないでよお!」
マキナ
「え~?」
小鴨 チカ
「確かに情けなかったですけどぉ!」
マキナ
「チカくんはマキナよりあの人の方がいいんじゃないんですかぁ?」
マキナ
「触られて気持ちよくなっちゃったんでしょう?」
小鴨 チカ
「なりましたけどぉ!」
マキナ
「あら素直」
マキナ
「素直なのはよろしいですね」
小鴨 チカ
「遠回しに意地悪言ってくるよもぉ~……」
マキナ
「身体も素直ですもんねぇ」
小鴨 チカ
「オゲェ」
マキナ
テーブルの上、身を乗り出してチカの方に顔を近づけます。
マキナ
「チカくん」
マキナ
「ご褒美ほしいですか?」
小鴨 チカ
「……え、あの」
小鴨 チカ
「ごほうびって……なんでしょうか……」
小鴨 チカ
近いですよね。わざとですよね。
マキナ
「何してほしいですかぁ?」
小鴨 チカ
知ってまーす。
マキナ
「何を考えてます?」
マキナ
つつ、と指先をチカの手の甲に這わせる。
小鴨 チカ
「全部わかってるじゃないですかぁ!」
小鴨 チカ
これ言わされるやつですかぁ!?
マキナ
爪の先がチカの肌をくすぐる。
マキナ
服に合わせたような、ビリジアンのネイルに彩られた爪。
マキナ
「……マキナに」
マキナ
「何してほしいですか?」
小鴨 チカ
言わされるやつでーす!!!!
マキナ
甘く囁く。
マキナ
「ねぇ」
マキナ
「チカくん?」
小鴨 チカ
「ひっ」
小鴨 チカ
「な、なんでしょうか……」
小鴨 チカ
聞き返すことで、なんとか、答えを
小鴨 チカ
逃れられませんか?
マキナ
「何してほしいか、マキナ教えてほしいなぁ」
マキナ
つつ、と指が
マキナ
手の甲から、腕に。
小鴨 チカ
「ま、マキナさんに……」
マキナ
「……マキナに?」
小鴨 チカ
「公衆の面前で経験の差を見せつけられて罵られながら苛められたいという!」
小鴨 チカ
「そんな感じの欲望をぼくは抱えていますが!」
小鴨 チカ
「果たしてそれはいけないことなんでしょうか!?」
マキナ
*チカの女性恐怖症を舐めます 判定は愛で
網倉 霞
*横槍!
網倉 霞
Choice[猟奇,才覚,愛]
DiceBot : (CHOICE[猟奇,才覚,愛]) > 愛
網倉 霞
2d6=>7 判定:愛
DiceBot : (2D6>=7) > 4[3,1] > 4 > 失敗
マキナ
2d6+3>=7 愛
DiceBot : (2D6+3>=7) > 8[2,6]+3 > 11 > 成功
メイド8
成功でございますね。
マキナ
イェイ!
[ 網倉 霞 ] HP : 15 → 14
[ 小鴨 チカ ] 女性恐怖症 : 0 → 1
マキナ
「……上手に言えましたねぇ」
マキナ
思ったより赤裸々に欲望が来てちょっと引いてます。
マキナ
「あの人じゃなくていいんですかぁ?」
マキナ
意地悪げに笑っている。
小鴨 チカ
「そーゆーことゆー!」
小鴨 チカ
「全部ぼくが悪いですね!」
マキナ
「女の子には~」
マキナ
「君がいいってちゃんと言ってあげないとだめなんですよ~」
マキナ
「マキナからのアドバイスです」
小鴨 チカ
「……き、き」
小鴨 チカ
「きみが、いいです……」
マキナ
「ふふ」
マキナ
「えらいえらい」
マキナ
チカの腕を這っていた手を回して
マキナ
チカの腕に自身の腕を絡ませる。
小鴨 チカ
おわー。
マキナ
「チカくんはいい子ですねぇ」
マキナ
「さっきもがんばってくれましたねえ」
小鴨 チカ
「ひええ」
小鴨 チカ
「あの、あのぉ」
小鴨 チカ
「思わせぶりじゃあ、ありませんか!」
マキナ
「だから、マキナがご褒美あげましょう」
小鴨 チカ
「えっ」
小鴨 チカ
マジすか?
マキナ
絡ませた腕を、引き寄せる。
マキナ
胸を、押し付ける。
小鴨 チカ
触感!!!!!
マキナ
「……触って、いいですよ」
マキナ
柔らかく暖かな感触が、チカに伝わる。
小鴨 チカ
「……ほ、ほんとに……?」
マキナ
「えぇ」
マキナ
「期待してたでしょう?」
マキナ
「こういうの」
小鴨 チカ
「ほんとのほんとに?」
マキナ
「いいですよぉ」
小鴨 チカ
ここは、ほんとにって聞き返さなきゃダメです。
小鴨 チカ
触っていいって言われたのは初めてだけど、触ってよさそうな空気だと思って勘違いだったことがあります。
マキナ
「ご褒美ですから」
マキナ
「もっと頑張ってくれたら、もっともっとあげますよ」
小鴨 チカ
「一日二回暴発させる気か?」
マキナ
マキナが更に身体を寄せれば、腕に潰されたそれがやわりと形を変える。
マキナ
「見ててあげますよ」
小鴨 チカ
「そ゛ぉゆ゛うこ゛と゛ゆ゛う!?」
マキナ
「はやくしないと、マキナ気が変わっちゃうかも~」
マキナ
「有効期限切れちゃいます~」
小鴨 チカ
「あっ、あっあっ。触ります!お願いします!ごめんなさい!」
マキナ
「素直でよろしい」
マキナ
パッと、絡ませた腕を離します。
マキナ
チカの腕が自由になる。
小鴨 チカ
振り回されてるなあ。振り回されてる。勝てない。
小鴨 チカ
勝てないし。
小鴨 チカ
心の中は読めないし。
小鴨 チカ
利用されてるような気もするけど。
マキナ
マキナは腕を両脇に下ろして、チカを見ている。
マキナ
遮るものはない。
小鴨 チカ
……でも、それでいっかって気持ちになっちゃったら、なんか気が楽になったな。
マキナ
チカが腕を伸ばせば、求めるものに触れられるだろう。
小鴨 チカ
目をあけて、顔を見る。
マキナ
笑っている。
小鴨 チカ
ちゃんと、顔を直視できた。
小鴨 チカ
かわいい。怖くないな。
マキナ
暇そうに足をぷらぷらと揺らしながら、チカを待ってる。
小鴨 チカ
「えっと、それじゃあ……」
マキナ
「はぁい」
小鴨 チカ
「よろしく、おねがいします……!」
メイド8
しばらくして。
メイド8
2枚目のパンツを手に8号室へ入るメイドの姿が、そこにあった。
メイド8