お茶会-2ラウンド目
メイド4
手番を決定します。各自1d99でお願いします。
小鴨 チカ
1d99
DiceBot : (1D99) > 42
マキナ
1d99
DiceBot : (1D99) > 55
網倉 霞
1d99
DiceBot : (1D99) > 35
鏖田 ネイル
1d99
DiceBot : (1D99) > 42
鏖田 ネイル
1d9
DiceBot : (1D9) > 7
小鴨 チカ
1d9
DiceBot : (1D9) > 9
第1シーン:マキナ
マキナ
色々がありました。いうほど色々ではないかもしれませんが。
マキナ
「お相手さんのことをもっと知っておきたいところですねぇ」
小鴨 チカ
「目が怖いお姉さんの事はちょっとわかったような気もするけど」
マキナ
「目が怖い方、多分お姉さんじゃないですよ」
マキナ
「ちょっとお使いを頼まれてもらえまえせんか?」
小鴨 チカ
ぼくはクラスタ的に中性的な見た目の奴が多いから見分けられるが、あれは女だろ?
マキナ
「お茶会に仲間はずれのまんまじゃかわいそうですもんねぇ」
小鴨 チカ
男の娘モノはずっと回避して生きてきたんだが?
マキナ
「目が超怖いお姉さんを呼んできてほしいんですよ」
小鴨 チカ
こんこんとノック。あやべ全然音でねえ。もっかい。
鏖田 ネイル
しかし、中から人の気配はある。コツコツと、何か木を叩く音。
小鴨 チカ
「コンチャーッス!人ー!人居ませんかー!」
小鴨 チカ
マジで帰りたいんだが。これは簡単なお仕事ですか?
小鴨 チカ
「開けますよー!開けます!お邪魔します!」
小鴨 チカ
勢いで開ける!なぜなら、ここで開けられないとたぶん一生開けるタイミングを見失ってしまうから!
鏖田 ネイル
コツコツコツ…………と木を削る音が聞こえる。
鏖田 ネイル
その闇の中では、超怖い目の女が胡座をかいて座っていた。
鏖田 ネイル
その周囲には木屑が無数に散らばってる。それと共に、木彫りの、少女の像が複数。
小鴨 チカ
マジで何?今日は何これが多すぎませんか?
小鴨 チカ
これが……女子に振り回されるって事か……
鏖田 ネイル
なんらかの執念を感じさせる程写実的に彫られたそれは、元は杭のようで、足元が鋭利に尖っている。
鏖田 ネイル
女は今も、一心不乱に像を彫っている。コツコツという音は、ナイフで杭を削っている音だった。
鏖田 ネイル
女が指を立てる。その先端が発火して、僅かな灯りになった。
鏖田 ネイル
「……何か用かな?この場を思えば、用などいくらでもありそうだが」
鏖田 ネイル
聖像を作っているのを本人に見られるのは流石に恥ずかしいな……仕舞っておこう
鏖田 ネイル
女は手に持っていた少女像を懐に仕舞う。同時に、床に転がっていた方の少女像達……失敗作が、次々と燃えていく。
小鴨 チカ
「……お、お話しません~?なんて。へへっ」
鏖田 ネイル
わ~~~糸田さんに誘われちゃった~~~やった~~~
鏖田 ネイル
糸田さんの記憶を取り戻したのでは!?
鏖田 ネイル
「お茶会の誘いか。それはここで?それとも、君についていけばいいのかな」
小鴨 チカ
「あ、もしよければ、その、ついてきていただけるとぉ……」
小鴨 チカ
会話は成立するけど、とにかくオーラが凄い。
鏖田 ネイル
「構わない。別の場所でも、君の部屋の…………」
鏖田 ネイル
ふと、思案するように顎に手を当てる。
鏖田 ネイル
「……君の事は、何と呼べばいいかな?」
鏖田 ネイル
メイドが名前を読み上げていたのだが、正直鼻に気を取られてなにも聞いていなかった。
小鴨 チカ
名前を呼んでくれるのか。後で殺し合うのに。
鏖田 ネイル
糸田さんが記憶を失ってこの世界に転生して鼻以外の全てを変質させたとして。自分の名前を覚えているかどうかで大きく記憶の状態は違ってくるだろう。
鏖田 ネイル
それに、もしも記憶を取り戻していたのなら……ここで打ち明けてくれるかもしれない。どきどき。
鏖田 ネイル
CHIKA OGAMO
TOMOE ITODA
鏖田 ネイル
分解してアルファベット順に並べれば……
鏖田 ネイル
AACHIKMOO
ADEIMOOOTT
どちらもAから始まりIが一つでMOOが並ぶ。なるほど、全てがつながった。
小鴨 チカ
何か言うたびに、顔が険しくなってってないか?
鏖田 ネイル
「……分かった、君についていこう、チカ」
小鴨 チカ
「……? う、うん」よくわかんないけど、地雷は踏まなかったっぽい。
鏖田 ネイル
大人しくチカのうしろについていく。頭の先からつま先まで、ねっとりと舐め回すような視線を送りながら。
鏖田 ネイル
やはり鼻以外は変質してしまっているな…………
鏖田 ネイル
あっ♥♥♥久しぶりに鏖田さんって呼んでもらえた♥♥♥
小鴨 チカ
後ろからピリピリと殺気を感じる。感じるけど、たぶん、何もしないのがいちばん生存率が高い行動だ。
鏖田 ネイル
その後も何事もなかったかのように、部屋まで後追いと観察を続けた。
小鴨 チカ
今この瞬間も、命を握られている気がする。こんな事で、本当に勝負になるんだろうか。
鏖田 ネイル
糸田さんを責めているのか?万死に値するな……
マキナ
室内では、メイドに頼んで既にお茶の準備が出来上がっている。
鏖田 ネイル
殺気を鋭く飛ばしながら、部屋を睥睨する。まず床。ついで天井。次に家具。
鏖田 ネイル
弄った形跡があるか、何か違和感はないか。ワイヤーの有無。少しでも不自然な所があるかどうかを虱潰しに。
マキナ
部屋の中に、気になる点は見当たらないでしょう。
メイド8
お茶、サンドイッチがテーブルに並んでいます。オレンジジュースもある。
鏖田 ネイル
……武器を手放さないのは、先程と変わらずか。
鏖田 ネイル
「お招きにあずかる事にした。今はお茶会の時間だからな」
マキナ
「ハイティーと洒落込もうではありませんか」
鏖田 ネイル
「その気があれば誘いを受けると、言ったからな」
マキナ
「裁判までは、おだやか~に過ごしたいですもの」
小鴨 チカ
ついでに、ぼくが手を震わせずにお茶を飲めるようになるとなおいい。
鏖田 ネイル
ガッ!!!!と、自分に用意された椅子を勢いよく動かした。
GM
糸田巴は紅茶を鏖田に紅茶を煎れて出したことがある。
鏖田 ネイル
糸田さんは、一般的な基準から言えばあまり淹れるのが上手では無かった。
マキナ
「あの方もさっき、チカくんにべたべたくっついてたんですよぉ」
鏖田 ネイル
勿論、間違っているのは一般的な基準のほうである。
GM
安物のティーバッグの紅茶で、お茶請けはチョコパイだった。
マキナ
「なんですかぁ? お二人してチカくんを籠絡しようと?」
鏖田 ネイル
まぁ、殺す訳はないか。糸田さんだもんな。
小鴨 チカ
「また新しい思わせぶりな情報が来たが?」
鏖田 ネイル
こっちの女の方に何か盛るか抉るかしたのか?あいつはそういう悪質な事をよくやる。
小鴨 チカ
怖い。女子怖い。女子ですらないかもしれない。そんなことあるか?
鏖田 ネイル
「……チカさんは知らないだろうが、そちらの女は知っているだろう」
鏖田 ネイル
「救世主のお茶会とは、心の疵の抉りあいだ。そのために手練手管を尽くす」
マキナ
霞がチカに近づいたのは目的あってのことだった。
マキナ
だけど、こちらの彼女がチカを気にかけている理由がどうにも分からない。
鏖田 ネイル
「心の疵とは、救世主の力の源。救世主同士の会話は、それを削ぐ前哨戦に過ぎない」
鏖田 ネイル
「だが、霞は……あいつは、その場で直接的に殺すからな」
鏖田 ネイル
「我々は救世主であり、狩人だ。救世主の流儀と狩人の流儀を混ぜて使う」
マキナ
少し揺さぶってみたものの、流されただけで……一体何を思っているのやら。
マキナ
「そうそう、気になっていたのですけどねぇ」
鏖田 ネイル
こうして説明しておけば、糸田さんにも堕落の国の事が伝わるだろう。
お茶会は危ない奴だからね~~気をつけるんだよ~~
マキナ
「マキナとあなた方の元いた世界が近いんじゃないかって」
マキナ
「でも、そんな物騒な人たちマキナの世界にいたかな~って」
マキナ
「軍隊とか、そういうのとは違いそうですし」
マキナ
「お話聞いてみたいな~って思ったんですよ」
鏖田 ネイル
「…………△△、○○、それからxxxx」
鏖田 ネイル
告げた名前は、転移前の日本の総理大臣、その一つ前の総理大臣、そしてアメリカの大統領。
鏖田 ネイル
「聞き覚えがあれば、同じ世界だろう」
鏖田 ネイル
「お前の世界に吸血鬼はいた。だが、それを隠す権力も持っていた」
マキナ
それだけは、マキナには聞き馴染みのない単語だった。
小鴨 チカ
いま、ぼくは、なにを信じたらいいのか、マジでわからない。
鏖田 ネイル
「まぁ、お前にとっては過去の世界だ。我々は戻る予定だが」
小鴨 チカ
「ぼくも戻りたいなあ~!ぼくも戻りたいという事だけはわかる」
鏖田 ネイル
「大抵の参加者は、それが目当てだろう」
鏖田 ネイル
「付添で参加したようなものや、巻き込まれた者を除けばな」
鏖田 ネイル
「だが、元の世界もそう代わりはない」
鏖田 ネイル
全てに価値は無かった。汚泥のような環境だ。
マキナ
「あ、でもあなた方のように向こうでも戦ってた方にはあまり変わりなかったり?」
鏖田 ネイル
「徹底した管理が敷かれていてな。家畜達は番号で管理され、脱走しないように躰の健を切られ、筋弛緩剤を常に投与されていた」
鏖田 ネイル
「主が遊び半分で潰すものだから、系けく的に繁殖させても減るスピードの方が早い。それでも牧場から家畜がいなくなる事が無い」
鏖田 ネイル
「”家畜”は、その友人や家族達を名乗る者達が、いくらでも差し出してくるからな」
マキナ
サンドイッチをつまんでいた手が止まっている。
マキナ
番号で管理される環境、人権を奪われる場所。
マキナ
彼女が語る世界は、それよりもなお劣悪に聞こえる。
鏖田 ネイル
「我々狩人は、お前のような者の事をフォロワーと呼ぶ」
鏖田 ネイル
「人を家畜扱いする吸血鬼。その下に自ら就いて、足の裏を舐める者の事だ」
鏖田 ネイル
「あの世界の人間の中では、最も幸福な人種だな」
鏖田 ネイル
勿論、それはそれとして死ねばいいと思っている。
鏖田 ネイル
「無自覚に腐るよりは、自覚的に腐っている方がまだマシだ」
小鴨 チカ
なんで、マキナさんが責められてんだろ。
マキナ
「それにしても、そんな世界にあなたは戻りたいんですねぇ」
鏖田 ネイル
「目的地、というわけではないが。用があるからな」
鏖田 ネイル
「人でないのは確かだ。種族として分類可能なのかもわからん」
小鴨 チカ
元の世界に戻っても、この人は殺し合いを続けるのか。
小鴨 チカ
「元の世界じゃなくて、別のイイ感じの世界とかじゃだめなの?」
鏖田 ネイル
鉄の心が通ったようだった姿勢が、僅かに揺れる。
小鴨 チカ
特に意図はない。ただ気になったから聞いてみただけだ。
マキナ
「奇跡の力があれば元の世界じゃなくてもいいですよねぇ」
鏖田 ネイル
それが、糸田さんの最後の言葉だった事を、忘れてはいない。
マキナ
「そんなにしてまで殺したい相手なんですか?」
鏖田 ネイル
心の疵のやりとりにおいて、自分の話をする、というのはリスクを伴う。
鏖田 ネイル
相手からも引き出すために、しない訳にはいかない。だが必要以上にしてもいけない。それは弱点をさらけ出す。
マキナ
「お二人の名前はマキナも知っているんですよ」
マキナ
「強い救世主はどうやっても噂になりますからね」
マキナ
「……この世界で生きていくだけなら、あなたたちは困らないでしょう?」
メイド8
脅威度5。現れてすぐに猛烈なスピードで救世主を潰して成り上がってきた。
マキナ
「それでも、命を賭けてこの儀式に参加したんですよね」
メイド8
ここへの招待状も、他の救世主から奪ったもの。
マキナ
「そんなにしてまで、殺さないといけない相手なんですか?」
鏖田 ネイル
その前で、これを口にしていいものだろうか。
鏖田 ネイル
或いは、それを口にする事で、彼女は記憶を取り戻してくれるのだろうか。
小鴨 チカ
漫画じゃ、よく見る。実際に言うやつに会った事は、そりゃーない。
網倉 霞
Choice[猟奇,才覚,愛]
DiceBot : (CHOICE[猟奇,才覚,愛]) > 愛
網倉 霞
2d6=>7 判定:愛
DiceBot : (2D6>=7) > 9[5,4] > 9 > 成功
網倉 霞
1d6
DiceBot : (1D6) > 1
マキナ
2d6+3-1>=7 愛
DiceBot : (2D6+3-1>=7) > 7[1,6]+3-1 > 9 > 成功
[ 網倉 霞 ] HP : 14 → 13
[ 鏖田 ネイル ] 敗北者 : 0 → -1
鏖田 ネイル
淡々と、冷酷なトーンで語られた牧場の話よりは、よほど。
鏖田 ネイル
視線が、ちらりと小鴨 チカの方を向く。
狩人らしくもない、わかりやすい動き。
メイド4
復讐。それは『生きて、逃げて』その言葉を断ち切っての選択で。
メイド4
それは本当に、向けられた愛に答えていると言えるのか。
鏖田 ネイル
「圧倒的で、ただ通り過ぎるだけで全てを破壊し、人の大事にする全ての物を、何の感慨すら持たずに破壊する存在の名だ」
鏖田 ネイル
「あの世界の支配者は人ではなくヴァンパイアだが……」
鏖田 ネイル
「あれは支配者ですらなく、災害だった」
小鴨 チカ
この人たぶん……、こんなに口数多いタイプじゃないだろう。
マキナ
沈黙が意味するものが、分からないはずがなく。
鏖田 ネイル
このタイミングでの沈黙は、何よりも雄弁に語る。
マキナ
「……あれだけのコインを集められる方でも」
鏖田 ネイル
そんな愚にもつかない失敗をする程度には。
マキナ
先程4号室で詰め寄られた時には、この相手は圧倒的な強者に見えた。
マキナ
何も理解できず、ただただ自分から奪っていくものに見えた。
マキナ
この世界の戦いにおいては、それは何よりも戦況を左右する。
マキナ
「なんか、もっと遠い世界の方だと思ってたんですけど」
鏖田 ネイル
瞳は、縋るように隣の席を追っていた。
第2シーン:小鴨 チカ
小鴨 チカ
「それでも命かけて復讐ってするもんなの?」
鏖田 ネイル
「……狩人というのは、ゲリラみたいなもの。基本的に劣勢だ」
鏖田 ネイル
「命を賭けねば、まず土俵に立つ事すらできない」
鏖田 ネイル
「従えば、家畜だ。戦わなければ、玩具だ。逃げるか戦うか、それしか選択肢は無い」
小鴨 チカ
「ぼくは戦いたくないし、殺し合いもやりたくない」
マキナ
ネイルがチカを見る目には、今日が初対面とは思えない何かが伺える。
鏖田 ネイル
その後に、小さな……聞き逃しそうな程に小さな声で、問いかけが溢れる。
鏖田 ネイル
縋るような目だ。狩人が湛えうるようなものではない。
鏖田 ネイル
名前を呼ばれて、反射的に躰が動いた。
マキナ
「……お二人は、どこかで会ったことあるんですか?」
鏖田 ネイル
「もしかしたら、忘れているかもしれないと、そう、思って」
鏖田 ネイル
「この世界の、救世主の力は……人を、変質させると、私は、それを知っているから」
マキナ
”そうに違いない”という狂信に囚われた人間もまた、
鏖田 ネイル
咳き込むように。どもりながら。たどたどしく。考えながら。
鏖田 ネイル
”恐ろしい狩人”の姿はどこにもない。
マキナ
今の彼女の目は、あの時の少女に似ている気がした。
鏖田 ネイル
「あの時、貴女は7歳10ヶ月21日だった。私は、既にハンターとして活動していて」
鏖田 ネイル
「ヴァンパイアを追い詰めた先の裏路地に貴女は居た、追い詰められた奴は貴女を人質にとった。貴女は戸惑っていた。私は、私は何の躊躇もなくヴァンパイアを殺そうとした」
鏖田 ネイル
「それで、そして、貴女は…………ヴァンパイアを庇った。私は殺した。貴女は泣いた。それがその時の私の癪に触って、私は貴女を見つけて、貴女を試して、貴女はそれを全て受け入れて、それで私は…………」
鏖田 ネイル
”お茶会のセオリー”なんてものは、もうどこにもない。
メイド8
『心の疵のやりとりにおいて、自分の話をする、というのはリスクを伴う。』
小鴨 チカ
ぼくが思ってるよりずっと純粋で、繊細で、弱い人なのか?
メイド8
『救世主のお茶会とは、心の疵の抉りあいだ。そのために手練手管を尽くす』
鏖田 ネイル
もう一度だけ、そう言って欲しかった。
メイド8
『心の疵とは、救世主の力の源。救世主同士の会話は、それを削ぐ前哨戦に過ぎない』
鏖田 ネイル
「貴女も奴に殺された時、この堕落の国に落ちてしまったのでは無いかと」
鏖田 ネイル
「それで、躰が変質して、背が伸びて、性別も代わって……元の世界の事も、何もかも忘れてしまって」
鏖田 ネイル
「何もわからないまま、ここにいるのではないかと」
鏖田 ネイル
「だから、ずっと見ていた。心配していた。会えたと思って嬉しかった」
メイド8
だが、狂気に至るには、それなりの理由がある。
小鴨 チカ
ぼくにこんな目を向けてくる人に対して。
小鴨 チカ
ぼくは、この人を殺せるかどうかで悩んでる。
小鴨 チカ
手を伸ばせば撫でられる気がした。きっと抵抗されないと思った。けど、それはしちゃいけない気がした。
小鴨 チカ
きっと、そうだという言葉を求めてる。大丈夫だとか、記憶を取り戻したとか言って、抱きかかえてしまえば、この人は動揺するんだろうな。
小鴨 チカ
*心の疵を抉ります ⇒ 糸田さん 判定は才覚
網倉 霞
*横槍します・・・・・・・・・・・・・・・・・・
網倉 霞
Choice[猟奇,才覚,愛]
DiceBot : (CHOICE[猟奇,才覚,愛]) > 猟奇
網倉 霞
2d6=>7 判定:猟奇
DiceBot : (2D6>=7) > 9[6,3] > 9 > 成功
網倉 霞
1d6
DiceBot : (1D6) > 3
小鴨 チカ
2d6+3-3=>7 判定:才覚
DiceBot : (2D6+3-3>=7) > 7[4,3]+3-3 > 7 > 成功
[ 網倉 霞 ] HP : 13 → 12
網倉 霞
度々若い女を連れてきては、喪った想い人の幻想を押し付け、
網倉 霞
確か、これで……自分が確認しただけでも、5回。
網倉 霞
返り血が少し増えていたこと、情緒の乱れ方から考えると、あともう1回はあっただろうか。
網倉 霞
依存先(これ)がなければ、とっくに精神が壊れていて。あるいは、もう壊れていて。
網倉 霞
それを"赦す"ことが必要だと思ったから。
網倉 霞
それは、その少年の声が聞こえたのと、同時だった。
[ 鏖田 ネイル ] 糸田さん チカ : 0 → -1
小鴨 チカ
「……死んだ人と、別の世界で偶然再会するなんて、できない」
マキナ
「間違えられたままじゃ、その糸田さんもかわいそうじゃあありませんか?」
鏖田 ネイル
僅かな光を灯す事で前を見る事ができた。
網倉 霞
あるいは、自分に対する救いを。どこかで。
小鴨 チカ
本能的に何かを感じた。立ち上がって一歩下がる。
鏖田 ネイル
骨が砕ける音がする。とても人の出せる力ではない。
鏖田 ネイル
もともとのスペックが人ではない。もちろん、そこに6ペンスコインの力が載っている。
マキナ
即座に現れるだろうメイドに、招待状を押し付ける。
鏖田 ネイル
軋み、血管が弾け、鬱血した指先は青色を越して赤色を飛び出させ、更にその内側にある白い物を……
マキナ
予め書いておいた名前はネイルと霞の二名分。
マキナ
1d12 シーン表
DiceBot : (1D12) > 9
メイド8
9 : 台所。手入れの行き届いた調理道具。食材はメイドに言えば用意してくれる。
鏖田 ネイル
手を振るう、握りしめた爪の先が掌に穴を開けていて、その穴から血が迸る。
鏖田 ネイル
この女の血を浴びる。それは致命的な結果を齎す。
小鴨 チカ
殺し合う相手とはいえ、せめて正直に、誠意をもって対応したかった。
メイド4
招待状の効力により、ネイルは、台所に転移していた。
メイド4
血は石造りの床にばらまかれ、火を上げる。
小鴨 チカ
突然、腕を掴む力が抜ける。勢いでそのまま尻もちをついた。
鏖田 ネイル
燃え上がる。どのような燃料よりも激しく、強く。
鏖田 ネイル
叫び声があがり、四肢が振るわれ、血液が更に飛び散る。
メイド4
その炎は何もかもを燃やそうとする。不在というどうしようもない現実を。
鏖田 ネイル
燃え上がる、燃え上がる、燃え上がる……なにもかも、自分の服も、躰も、心も。
鏖田 ネイル
血がまるで意思を持つかのように掌から流れでて、四方八方へと広がり、炎を広げる。
鏖田 ネイル
目に見えないものだって燃やしたかった。
小鴨 チカ
手が持ち上がるだけで、猛烈な痛みが走る。
小鴨 チカ
けれど、その痛みが少しずつ引いていく。
マキナ
傷を癒やしながら、ぼそりとチカに声をかける。
小鴨 チカ
「………………」どんな傷だった?何をしたんだ?そんな疑問は、ぜんぶ後回しだ。
鏖田 ネイル
だから、ただ、癇癪をあげて。地団駄を踏んで。
網倉 霞
ネイルに飛びかかる。身体には麻痺毒を纏って。
網倉 霞
押し倒し、強引に抱きしめて、皮膚に触れさせる。
網倉 霞
すべてが痛んで、熱くて、鈍くなる世界の中で、
マキナ
これからもっと怖いことも痛いこともあるんですよ、と
メイド4
――糸田巴はいない。それならば、この世界に愛はない。
小鴨 チカ
心臓は激しく胸を叩き、喉は張り付いて声が掠れる。
網倉 霞
正しい愛を知らないから、与え方なんかわからなかった。
小鴨 チカ
癒えたはずの腕が、鈍く痛んでいるような気がした。
メイド8
それがたとえ残酷な道へ導くものだとしても愛は愛として作用する――
鏖田 ネイル
暴れる女が、網倉霞の頭を掴む。あの剛力でだ。
小鴨 チカ
傷口に触れる。傷は治っているんだと、何度も確かめるように。
鏖田 ネイル
胸ぐらを掴み上げ、壁に向かって投げる。
小鴨 チカ
自分に、すがるような目を向けた人だった。
小鴨 チカ
すぐにでも消えてしまいそうな、儚さを見た。
鏖田 ネイル
ただ、自分の感情の発散だけを目的とする暴力を振るい続けた。
小鴨 チカ
人違いだと分かったからこそ、あの時、彼女はこちらに好意を向けてくれていたことが理解できた。
網倉 霞
自分から発せられた毒は自分には効かない。
小鴨 チカ
そんな人が、急に豹変して襲い掛かって来たんだ。
小鴨 チカ
つい今しがたの記憶なのに、すでにぐちゃぐちゃに乱れている。怖すぎて、いっぱいっぱいで、何も余裕なんてなくて。
網倉 霞
それを妨害できないのなら、受けるしかない。
小鴨 チカ
もう思い出したくない。これはトラウマになって、きっと一生残る。
小鴨 チカ
「………………」顔いっぱいを濡らした涙を拭く。
網倉 霞
意識が血とともにうしなわれるまで、それだけを考えて。
第3シーン:鏖田 ネイル
マキナ
「……ちょっとお花を摘んでまいりますねぇ」
マキナ
……お茶会や裁判の様子は客席に放送されるとのことだけど、
マキナ
だけど生理現象ばかりはどうしようもないので、
鏖田 ネイル
マキナが客室に備え付けられたトイレ……浴槽とシャワーが併設されたもの……へと入室し、そして実際に”用”を足し始めた時。
鏖田 ネイル
マキナが現在いる場所と、槽とを隔てるカーテンに。
鏖田 ネイル
声を掛けるよりも、手を出す方が早かった。
鏖田 ネイル
横合いからの前蹴りがマキナを直撃する。所謂ヤクザキック。体重と、尋常でない筋力が乗ったもの。
鏖田 ネイル
カーテンを引きちぎり、女が姿を現す。
鏖田 ネイル
マキナが倒れ込んだ際に”汚物”が飛び散り足にかかるが、気に留めない。
鏖田 ネイル
胴体を踏みつけ、立ち上がりを封じる。
マキナ
息を整える暇もなく踏みつけられ、動きを封じられる。
網倉 霞
透明で細い糸が、あなたの足をひっかけて、バランスを崩す。
鏖田 ネイル
女は、マキナの上にのしかかりマウントポジションを取る。ここの床は狭いが、人一人が倒れ込めるくらいの余地はある。
鏖田 ネイル
「言っておくが、例の招待状は使っていない。侵入したのは単純な”テクニック”だ」
マキナ
短剣は携帯してはいるが……この姿勢で、取り出すところを見逃してもらえることはないだろう。
マキナ
「……それは、館のセキュリティに問題がありますねぇ」
鏖田 ネイル
この儀式限定の摩訶不思議な力によるではなく、それがなくとも”何時でも可能な方法”で襲撃が起こるのだと伝える必要が。
鏖田 ネイル
「セキュリティが良かろうと、部屋の主が素人では同じ事だ」
マキナ
「素人でも安心して過ごすためのセキュリティでしょう?」
鏖田 ネイル
「素人相手なら安心できる、という程度なのがセキュリティだ」
マキナ
まあ招待状があれば、いずれにせよセキュリティもプライバシーもあってないようなものだが……。
鏖田 ネイル
淡々と言葉を告げながら、マキナの口元に布を押し当てる。薬品の臭い。
鏖田 ネイル
霞が常用しているものを多少用意させた。数秒も嗅げば、躰が火照りだす。
マキナ
鼻に付くにおいに、思わず目をつぶり顔を逸らす。
鏖田 ネイル
必要なのは数秒だ。だが、当然その対応は予想できる。
鏖田 ネイル
相手の頬が紅潮していくのを確認し、体勢を動かす。相手の足に足を、手に手を乗せて、全ての身動きを封じた上で
鏖田 ネイル
舌を柔らかくして撫で、固くして擽り、愛撫する。
鏖田 ネイル
人が快楽を得られるかどうかには、精神状態というものも影響するが……所詮、肉体が齎す電気信号の儚い抵抗だ。
鏖田 ネイル
薬物の効能、加えて吸血鬼の血が持つ魅了能力に抗えるようなものではない。
マキナ
襲撃を理解したときから、痛みへの覚悟はしていた。
鏖田 ネイル
息が上がりきり、頬が染まりきり、その背筋に震えが走るまで。
マキナ
なにかに耐えるように眉を寄せ、太ももを擦り合わせる。
マキナ
そんな考えも、まともにできなくなっていく。
鏖田 ネイル
その震動が、唇を経由して確認される。ちゅぴ、と音を立てて指を開放する。
鏖田 ネイル
そしてそこから一瞬の間も置くこと無く。
鏖田 ネイル
取り出した杭の根本で、その爪の先端を叩き潰した。
マキナ
解放されたことに安堵と、少しの名残惜しさ。
鏖田 ネイル
杭を持ち上げれば、悲惨な見た目になった爪が見える。爪の欠片が杭にこびりついて、ぱたりと床に落ちた。
マキナ
先程までの快感を上書きするように、今度は痛みが全身を走る。
鏖田 ネイル
砕けたマキナの爪の上に、垂直になるように自分の指を立てる。爪の先を、そのひび割れの隙間に添えるように。
鏖田 ネイル
そして、真っ直ぐに突き入れ、突き刺し、肉を掻き回した。
マキナ
嗅がされた薬によって感覚を鋭敏にされたせいだろう、
鏖田 ネイル
「ルールはシンプルだ。すぐに分かる」
鏖田 ネイル
触れるか触れないかの強さで、胸元を撫でる。
マキナ
それが痛みへの助走でしかないことが、予想できる。
鏖田 ネイル
そして、そこに息が漏れたのを確認して。
鏖田 ネイル
撫でたのと全く同じ箇所に、爪を立て、突き刺し、肉を抉って線を引く。
鏖田 ネイル
レバーを引けば餌が出てくると学べば、好んでレバーを引くようになる。電流が流れる柵に触れると痛みが走ると知れば、近づかなくなる。
鏖田 ネイル
人間もまた、動物だ。だから、学習させる事ができる。
マキナ
マキナのように、生存欲求の強い人間であればなおさら。
鏖田 ネイル
マキナの耳元に、口を寄せる。躰と躰が強く密着する。
鏖田 ネイル
「最も多いのは、感情の発散を目的とする暴力だ。それはただ感情のままに振るわれる」
鏖田 ネイル
「次いで多いのは、屈服させるための暴力。それは相手の心を折るための指向性を持つ」
鏖田 ネイル
「ただ乱暴に腕を振り回すのが暴力ではない」
マキナ
ネイルの言葉が聞こえているのかいないのか、
鏖田 ネイル
吐息を一つ吐いて、マキナの耳を口に含む。
鏖田 ネイル
わざと水音を立たせて、中に舌をねじ込む。
鏖田 ネイル
それは、快楽と痛みを結びつけるようなものだった。
鏖田 ネイル
快楽を与え、全く同じ箇所に、極大の痛みを与える。
鏖田 ネイル
ネイルの歯……いや、牙が、マキナの耳に食い込む。
鏖田 ネイル
嫌悪感を齎す音が、マキナの耳元で発生した。
鏖田 ネイル
顔を持ち上げる。その口元から血が滴っている。
鏖田 ネイル
今、耳がどんな状態になっているのかはマキナから見えない。だが、それでいい。
鏖田 ネイル
それが多ければ多いほど、人は最悪の想像をするものだ。
マキナ
それが痛みによるものなのか快楽によるものなのか、もはや区別がつかない。
鏖田 ネイル
快楽を与えない程度に、しかし、ほのかにその予感だけは感じさせる程度に。
鏖田 ネイル
この破壊は、かつて初めて会った糸田さんに対して行ったものだ。
鏖田 ネイル
そして糸田さんに出会う前は、いろんな人間にやっていた。
鏖田 ネイル
糸田さんは”この程度の暴力”なんてものともしなかった。
鏖田 ネイル
全てを受けた上で、笑い、許し、「大丈夫だよ」と言ってくれた。だから全てを捧げた。
鏖田 ネイル
こうして醜い姿を見る事で、それを実感できる。
鏖田 ネイル
売女が快楽を感じているので、その箇所に爪をねじ込む。
鏖田 ネイル
その根本は、他の杭のような平坦なものではなく……酷く、淫猥な形をしている。
マキナ
取り出されたそれを、怯えに満ちた目で見る。
鏖田 ネイル
そしてその反対側は鋭く、その上で意図的にささくれ立っていた。
鏖田 ネイル
荒い表面は何もかもを削りとり、傷つけるだろう。
マキナ
あるいは、涙で潤んだその瞳には期待が浮かんでいるのかもしれない。
マキナ
いずれにせよ、あなたがやることは変わらないだろう。
鏖田 ネイル
それをどのように使うつもりなのか────
鏖田 ネイル
それを、今まで丁寧に、丁寧に、言葉でなく実行によって説明させてきた。
鏖田 ネイル
淡々と、工場の流れ作業をしているようなものだ。
小鴨 チカ
Choice[猟奇,才覚,愛]
DiceBot : (CHOICE[猟奇,才覚,愛]) > 愛
小鴨 チカ
2d6+2=>7 判定:愛
DiceBot : (2D6+2>=7) > 11[6,5]+2 > 13 > 成功
小鴨 チカ
1d6
DiceBot : (1D6) > 3
[ 網倉 霞 ] ティーセット : 1 → 0
[ マキナ ] ティーセット : 1 → 0
鏖田 ネイル
2d6+3+2-3>=7
DiceBot : (2D6+3+2-3>=7) > 8[2,6]+3+2-3 > 10 > 成功
[ マキナ ] 空疎 : 0 → -1
鏖田 ネイル
もう二度と、お前が人に愛される事はない。
鏖田 ネイル
明日から、お前自身がそれを恐れるようになるのだから。
[ 小鴨 チカ ] HP : 13 → 12
第4シーン:網倉 霞
小鴨 チカ
だからこそ、ぼくが行かなきゃいけないのに……
鏖田 ネイル
扉の向こう、トイレがある筈の場所から聞こえたのは、最初は打撃と衝撃の音。
鏖田 ネイル
それから、漏れ聞こえるような人の声。
網倉 霞
あなたが起き上がれないように、手を持って。
網倉 霞
あなたの顔の前には、傷で赤く染まった胸元。
マキナ
いずれの声なのか、扉の向こうのチカには認知できない。
小鴨 チカ
目を開ける。そこで初めて、その姿を見る。
小鴨 チカ
「……ど、どうしたの、その傷。大丈夫?」
網倉 霞
あなたの服と、その下の肌のあいだに滑り込む。
鏖田 ネイル
──水音が、粘着質なものになっていく。
小鴨 チカ
「だってさあ、殺し合いたくないんだよ!」
マキナ
チカの声に重なるように、マキナの声も絶えず客室まで漏れ聞こえる。
小鴨 チカ
あっちの声が、こっちに聞こえるってことは。
網倉 霞
「……まあ、気にしてる場合じゃないと思うよ、あっちは」
網倉 霞
「何を犠牲にしてもいいくらい、大事な人でね」
網倉 霞
ズボンをはだけさせて、さっき替えられたばかりのそれに手をかける。
網倉 霞
「別の世界で偶然再会するなんて、できない」
小鴨 チカ
「ぼくにとっては、知らないどっかの誰かだ……!」
小鴨 チカ
「こっちは勝手に勘違いされて、正直に答えたら『じゃあ死ね』だぞ!?」
網倉 霞
服のチャックに手をかける。あなたではなく、自分の。
網倉 霞
視線を下ろしていけば、足の付根はあなたのそれと密着している。
網倉 霞
「あの人が言ってた、糸田さんっているでしょ」
網倉 霞
「俺はさ、その子のお父さんのことが、好きで」
マキナ
それまで絶えず聞こえてきた、マキナの悲鳴はない。
網倉 霞
囁く声はしずかで、扉の向こうで声があがればきっとわかる。
小鴨 チカ
「助けたいって思ってるのは、ほんとだし……」
網倉 霞
喋っている間も、ゆるゆると手を動かしている。
小鴨 チカ
「あっちがピンチなんだから、まず最初に『助けたい』だろ!」
小鴨 チカ
これは、話に付き合っていいんだろうか。
小鴨 チカ
たぶん、ダメだ。突き飛ばさないといけないんだ。
小鴨 チカ
でも、だって、ぼくの生きてきた世界は。
小鴨 チカ
こうやって、敵意を消して静かに迫ってくる相手を、暴力で振り切れるようにはできてない。
網倉 霞
あなたをおさえつける力は、人より大きいわけではない。
網倉 霞
年齢はあなたと同じくらいに見える。力の差があるわけでもない。
小鴨 チカ
理由つけて、ただ怠けてるだけじゃないか?
小鴨 チカ
こうやって、放せ放せと口先だけを動かして。
小鴨 チカ
放してもらえるなんて、思ってないだろ。
網倉 霞
静かな愛撫だ。水音ひとつたてずに、行われるもの。
小鴨 チカ
「放して欲しい」だとか「助けに行かなきゃ」だとか。
小鴨 チカ
そう思ってるから、そう言ってるから、そんでもって自分は非暴力主義だから、いい子でいられるって。
小鴨 チカ
で、やってることは、結局体を委ねてら。
小鴨 チカ
かっこよさから逃げ続けて、カッコ悪くてもいい感じのキャラ作って。
小鴨 チカ
1分1秒、仲間の身体と心と信用を削りながら。
小鴨 チカ
処理しきれねー!こうやってリアルの方から人の性癖開拓するの、やめませんか!?
小鴨 チカ
はっと体を浮かす。また意識がそちらへ。
マキナ
マキナの声よりも、そちらの方がもはや大きく聞こえるかもしれない。
網倉 霞
だから、空虚なもので。だから、これでよくて、
小鴨 チカ
水面から浮き上がっても、またすぐに引きずり込まれる。
網倉 霞
目の前の少年がずっとあの少女のことを想っているのを、わかっている。
網倉 霞
自分にそうしてくれる人は、もうどこにもいない。
小鴨 チカ
ずっとダメな人生だった。ぼくはずっと、衝動に逆らえない人生だった。
小鴨 チカ
幼稚園でやらかして、小学校でやらかして、中学校でやらかして、高校でやらかして、インターネットの世界ですらやらかして。
マキナ
扉の向こうからもやはり、水音が響いている。
網倉 霞
ぐちゃぐちゃになった思考が、舌の動きになる。
網倉 霞
別の世界で偶然再会するなんて、できない。
小鴨 チカ
女子ネットワークで何言われてるかわかんなくてこえーし。
網倉 霞
狂いきれなくて、でももうとっくに正気ではなくて、
小鴨 チカ
つーか、ぼくの自撮り裏垢特定したアンチ、ぼくが表垢でイラスト投稿するたびにぼくのエッチな自撮りを捨て垢リプライで張り付けるのマジやめろ。
小鴨 チカ
そーゆー世界から逃げのびてきたのに……
小鴨 チカ
まっさらな世界でも、結局やらかすんだなあ。
マキナ
Choice[猟奇,才覚,愛]
DiceBot : (CHOICE[猟奇,才覚,愛]) > 才覚
マキナ
2d6=7
DiceBot : (2D6=7) > 8[4,4] > 8 > 失敗
マキナ
1d6
DiceBot : (1D6) > 5
網倉 霞
2d6+3-5=>7 判定:才覚
DiceBot : (2D6+3-5>=7) > 6[1,5]+3-5 > 4 > 失敗
[ マキナ ] HP : 21 → 20
鏖田 ネイル
扉の向こうから、そんな低い声が聞こえる。
鏖田 ネイル
それは、昇り詰めるまで、一切の容赦が無く続けられる。
小鴨 チカ
「ん、んう……!」声が、また声が聴こえる。
鏖田 ネイル
相手の声でも、顔でも、懇願でも、それは判断されない。
小鴨 チカ
いい子ぶるな。何もせずに、自分だけ綺麗であろうとするな。
小鴨 チカ
かっこわるくていいから、汚くていいから。
鏖田 ネイル
もう、それは”突き入れられた後”だった。
小鴨 チカ
「う、わあああああ!!!」力を込めて、霞の身体を押しのける!
小鴨 チカ
そのまま走る。トイレとは逆方向、部屋の外へ。
小鴨 チカ
「はあっ、ひいっ、はあっ!」部屋の扉を開けて、そこから逃げ出す。
小鴨 チカ
走って。走って、振り返りもせずに全力で。
小鴨 チカ
胸が痛くなって、ここがどこかもわからなくなったところで。
小鴨 チカ
「め、メイドさん……招待、状を……!」
メイド8
ただちに効力が発揮され、そこにマキナが転移される。
小鴨 チカ
「ごめん、遅くなって。ごめん、頼りなくて」
マキナ
みんながちやほやしてくれるのは、それに惹かれているだけで。
小鴨 チカ
言葉のかけかたもわからない。どう言えばいいのかもわからない。
小鴨 チカ
マキナさんを傷つけないで、元気にさせるような魔法の言葉を探す。
マキナ
チカが触れた柔らかな白い胸も、無残に抉られている。
マキナ
力の入らない腕で、無理やりそれを引き抜こうと
小鴨 チカ
手伝ったほうがいいのか、何もしないほうがいいのか。
小鴨 チカ
受け入れた方がいいのか、忘れた方がいいのか。
小鴨 チカ
「……」目が泳ぐ。逸らすでもなく、直視するでもなく。
マキナ
堕落の国の環境の中、それでも手入れしてきた髪も、爪も
小鴨 チカ
ぼくは、もう期待されてないんじゃないだろうか。
小鴨 チカ
何をしても、裏目に出るんじゃないだろうか。
小鴨 チカ
大丈夫とは、ぼくなんて要らないって意味なんじゃないだろうか。
小鴨 チカ
全部が責められてるように感じる。被害妄想か現実かもわからない。
マキナ
チカを見つめるマキナの目には、なんの感情も宿っていない。
小鴨 チカ
1d12
DiceBot : (1D12) > 11
小鴨 チカ
小さな、とっても小さなことだけど、ぼくに仕事をくれた。
小鴨 チカ
周囲は廊下。見回して、扉の前の文字に気付く。
小鴨 チカ
「あ、ありがとう」いや、ここでお礼言うのは変だな。
マキナ
いたずらにチカをくすぐった爪は、無残に砕かれている。
小鴨 チカ
爪だけじゃない。あちこちだ。どこまで戻せるんだろう。
マキナ
ここまで執拗に、痛めつけるために痛めつけられたことはない。
マキナ
マキナが歩いたあとに、ぼたぼたと垂れ落ちた血の痕が残る。
網倉 霞
いままでに誰にも見せたことがないくらい、
網倉 霞
あるいはこの人間がする表情としてはおかしいくらい、
網倉 霞
……べつに同情がほしかったわけではなくて。
網倉 霞
ただ、糸田さん、と呼ばれるくらいの、何かを、
鏖田 ネイル
肉体は修復できるだろうが、心についた罅は塞がるまい。
鏖田 ネイル
だが、途中で姿が掻き消えたという事は、そうしようとする気力が少年の方には残っていたという事だ。
鏖田 ネイル
相手がなんらかの失敗をしたという事は、もう分かっている。
鏖田 ネイル
だが、だからといって暴力を振るうような。
鏖田 ネイル
女がいくら痛めつけられて所で、所詮他人事だ。
鏖田 ネイル
あの少年は確かに優しい心とやらは持っていたようだが。
鏖田 ネイル
利己的で、薄汚い人間だ。自分に疵が無いなら余裕がある。
網倉 霞
同時に、手放したコインの枚数のことを思っていた。
網倉 霞
自分の手からものが溢れていくのは、嫌だな。
網倉 霞
ただひとつを掴むために、ここに立っている。
鏖田 ネイル
必要だと判断したら、こういう事もする。
鏖田 ネイル
交代制で仮眠を取る。いつものルーチン。
網倉 霞
その言葉に中身が伴っているとは思わない。
網倉 霞
かたちだけを真似た愛なんて、何の意味もない。
メイド4
しかしついた疵を埋めるようなものはみあたりはしない。