メインフェイズ-1
GM :
支配力
『非人間性』退路 強度3
吸血鬼たる七栄等花の人ならざる価値観、倫理観、存在性。失われる前のものを再び与えることでその獣性に枷をはめることができるだろう。
『今を切り取る』日常 強度3
金縛りの血戒。その目に映るものすべてを脳裏に焼き付け、手放さない。何かしらの対策を講じる必要があるだろう。
フォロワー:
一つ目のモンスターA
一つ目のモンスターB
GM :
フォロワーは、等花の作り出す使い魔的な、そんなかんじのやつです。
GM :
というわけで、メインフェイズにいきましょう。
GM :
まずは手番を決めましょうか。今回は里奈も普通にダイスで決めます。
GM :
が、GMの判断により、吸血鬼がまず、初回に動きます。
GM :
特権的に。
GM :
必要なので。
GM :
というわけで、みなさん1d6どうぞ。
GM :
1d6 吸血鬼2回目
BloodMoon : (1D6) > 1
多宝院 那由 :
1d6
BloodMoon : (1D6) > 1
九鹿 愛佳 :
1d6
BloodMoon : (1D6) > 5
豊四季 一澄 :
1D6
BloodMoon : (1D6) > 6
GM :
1d6 里奈
BloodMoon : (1D6) > 3
GM :
はい。
GM :
吸血鬼 イズミ アイカ リナ ナユ 吸血鬼 で。
1-1 七栄等花1:背徳破壊
多宝院 那由 :
等花ちゃんのこのすがた、はじめてみたのかなあ なんどかみてるのかなあ
GM :
初めてですね。
多宝院 那由 :
そっかあ~
多宝院 那由 :
かわいいね
多宝院 那由 :
ほんとうにかわいい
七栄等花 :
夜の底へ。
七栄等花 :
明かりは微かで、足下を照らすものはない。
七栄等花 :
それでも吸血鬼である等花には何一つ不自由なく。
七栄等花 :
ナユの足下を代わりに気をつけながら、より深い暗闇へと進んでいく。
七栄等花 :
「この姿、びっくりしたでしょ」
多宝院 那由 :
手を引かれて。目を凝らしながら、足を引っ張らないように急ぎながら。
多宝院 那由 :
「ううん、」
多宝院 那由 :
「……いや、少しだけ驚いたかもしれないけど」
多宝院 那由 :
「素敵だ」
多宝院 那由 :
「いいなって、思う」
七栄等花 :
「よかった、うれしいな」
七栄等花 :
「吸血鬼って、変幻自在で」
七栄等花 :
「でも、これが、今の本当の姿だって、わかるから」
多宝院 那由 :
「あは、なんか……それって、僕みたいだ」
多宝院 那由 :
「いつも、誰かの模範になるようにさ」
多宝院 那由 :
「その場でいちばん正しそうなこと、やってて」
多宝院 那由 :
「……トウカといるときが、本当の僕で」
多宝院 那由 :
「だから、トウカが、本当の姿になってくれるの、嬉しい」
多宝院 那由 :
「いいなあ……」
七栄等花 :
「よかった」
七栄等花 :
「ほんとうに、よかった」
七栄等花 :
「……ナユのことが好き」
七栄等花 :
「ずっと好き」
多宝院 那由 :
ア!?!?
多宝院 那由 :
エ
多宝院 那由 :
告白だよこれ
豊四季 一澄 :
ずっと告白されてるし愛を確かめ合ってるよ。
多宝院 那由 :
ほんとだよ
多宝院 那由 :
「僕も、」
多宝院 那由 :
「トウカのことが好きだよ」
多宝院 那由 :
「トウカが、どんな姿でも、何をしてても」
多宝院 那由 :
「ずっと好きだ」
七栄等花 :
「ふふ、うん」
七栄等花 :
「そうじゃなきゃ、こんなばかなこと、しないよ」
七栄等花 :
嬉しそうに笑って言う。
多宝院 那由 :
「そうだね」笑い返す。
七栄等花 :
「ずっと見てた」
七栄等花 :
「入学式、ナユが新入生代表で、壇上で喋ってるときから」
七栄等花 :
「綺麗な人だなって」
多宝院 那由 :
>「私も頑張って、上手くなったら、誰よりも近く、ナユのことを見れると思って」
多宝院 那由 :
見れると思って……
豊四季 一澄 :
昨日見返してたら1話冒頭でも「目がいいのかな」って言われてて…………
多宝院 那由 :
………………………………
豊四季 一澄 :
ほんとに情報の出し方がうまいなってひしひしと感じ続けて13回目。
九鹿 愛佳 :
そう、言っていた……
九鹿 愛佳 :
なるほどな……
九鹿 愛佳 :
素質があった……
多宝院 那由 :
すごすぎる……………………
多宝院 那由 :
情報 出し方 うま
多宝院 那由 :
「あは、……そうかなあ?」
多宝院 那由 :
「君も同じくらい綺麗だ」
七栄等花 :
「………………」
七栄等花 :
「…………譲歩しておく」
多宝院 那由 :
「……ありがとう」
七栄等花 :
「でも、さ」
七栄等花 :
「なんでもそうだけれど、本当に相手のことを見るってさ」
七栄等花 :
「同じところまでいかないと、多分、ちゃんと見れないんだ」
七栄等花 :
「一緒に並んで、一番近いところで、同じ時間を過ごして、はじめて」
七栄等花 :
「ナユのことをもっと、ちゃんと見れると思った」
七栄等花 :
「だから、ナユが私にしか見せない素顔が」
七栄等花 :
「わたしは本当に嬉しくて」
七栄等花 :
「一瞬も見逃したくなかった」
多宝院 那由 :
「……うん、」ひとつひとつに、頷いて、相槌をうって。
多宝院 那由 :
「……うれしいな」
七栄等花 :
階段を下る。
七栄等花 :
「ライフル部だってさ、必死だったよ、私」
七栄等花 :
等花の素足の柔らかい音と、ナユの革靴の硬い音。
多宝院 那由 :
長い髪が揺れて、靡いて、ふわり、ふわりと。
多宝院 那由 :
「僕も、あんなに真剣に物事をやったの、初めてかもしれない」
七栄等花 :
「……うん」
多宝院 那由 :
「トウカってさ。一瞬を全然見逃さなくてさ」
多宝院 那由 :
「いつも、一番集中してるときに、引き金を引くんだ」
七栄等花 :
暗闇に反響するのは、ふたりのささやかに笑う声。
多宝院 那由 :
「僕はね、君も知ってる通り、大概のことはそこそこできるんだけど」
七栄等花 :
階段を下る。
多宝院 那由 :
「君みたいに、物事をよく、深く、詳細に、見ることは、たぶんできてなくて、」
多宝院 那由 :
「……だから……そうだな。最初はね、少し嫉妬していたんだ」
七栄等花 :
これ以外にはいらない。のに。
七栄等花 :
「……うん」
多宝院 那由 :
「羨ましいな、って」
七栄等花 :
階段を下る。
多宝院 那由 :
「そういうの気にならなくなるくらい、仲良くなってさ。……長らくその気持ちを忘れてたんだけど」
七栄等花 :
「うん」
多宝院 那由 :
「今また、君に嫉妬してる」
多宝院 那由 :
「君ばかりたくさんたくさん見られて、羨ましい」
七栄等花 :
「ふふ、いいでしょ」
多宝院 那由 :
「僕だって、……せめてこの階段を踏み外さないくらいには、夜目がきくようになりたいよ」
七栄等花 :
轟々と音が鳴るのは、ここよりも高いところで地下鉄が過ったから。
多宝院 那由 :
降りる途中、数度、等花に手を支えてもらった。
七栄等花 :
人々は何も知らずに日常を営んでいる。
七栄等花 :
階段を下る。
多宝院 那由 :
リズムよく、靴音が響く。
七栄等花 :
「はじめは、ナユは何だって上手くこなすと思ってた。ライフル部も、簡単に、あっさりとやってのけてるのかと思ってた」
七栄等花 :
「でも、そうじゃないことを、わたしは知ってる」
七栄等花 :
「全部、何でも、うまく出来るのが当然」
七栄等花 :
「そんなのは、全部、当然じゃなくて」
七栄等花 :
「ナユが、ただただ、頑張ってたってことを、わたしは知ってるよ」
多宝院 那由 :
「……そうかなあ……?」
多宝院 那由 :
「そう……かも、……そうなんだろうな。トウカが言うなら」
多宝院 那由 :
「……ああ、……そう、だなあ、」
多宝院 那由 :
「…………、……そう、」
多宝院 那由 :
自分が今まで住んでいたところから離れて。
七栄等花 :
階段を下る。
多宝院 那由 :
ここは地下の底深くで。
七栄等花 :
「今のナユは、ナユが頑張ってきたすべてのことで、出来てるよ」
多宝院 那由 :
あの眩しい、大きな、豪華な場所で過ごした自分の過去を、地下深く、離れたところから見る。
多宝院 那由 :
「……うん、」
七栄等花 :
言葉を連なる、階段を下る、想い出を語る、階段を下る、想いを告げる、階段を下る。深く、深く、光の届かない底へ。
多宝院 那由 :
「…………がんばった、んだ、」
多宝院 那由 :
「がんばって、」
多宝院 那由 :
「みんなの、手本になるように、」
多宝院 那由 :
「正しく、」
多宝院 那由 :
「……振る舞う、ことを、」
多宝院 那由 :
「…………」
七栄等花 :
そうして、一つの小部屋に行き着く。
七栄等花 :
その小部屋は、何もない小部屋だった。何に使うのかもわからない。あるいは、存在を知っている人がいるのかもさえわからない。
七栄等花 :
「……がんばったね、ナユ」
多宝院 那由 :
「……うん」
七栄等花 :
「その全部を、私がもらっていいかな」
多宝院 那由 :
「…………うん、」
多宝院 那由 :
「うん、」
多宝院 那由 :
「……そう、して」
多宝院 那由 :
「……。……おねがい」
七栄等花 :
吸血鬼 七栄等花は頷いた。
七栄等花 :
多宝院 那由『背徳:同じになる』を破壊します。
七栄等花 :
妨害しますか?
豊四季 一澄 :
関係性は2人ともあるし、深度も変わらない。
豊四季 一澄 :
どっちがテンションを負担するか。
九鹿 愛佳 :
それだったら、比較的後半に軽いこっちが行きましょうか
九鹿 愛佳 :
どうにしろ激情も取れるし
多宝院 那由 :
ウ ウウ
多宝院 那由 :
こんなに相談を苦しむことある?
九鹿 愛佳 :
では、アイカが妨害に入ります
GM :
ではそうですね。
GM :
常駐アビリティ 隠密
GM :
妨害判定に-3の修正。
GM :
(強化されてる方のデータですね。
GM :
何かアイテムとかは使用しますか?
九鹿 愛佳 :
アイテムは……特技を見てから決めましょう
GM :
あ、そうですね! すみません。
GM :
ast
BloodMoon : ランダム全特技表(3,7) > 胴部7:心臓
豊四季 一澄 :
防御1で+1 隠密で-3 興奮剤で+2。
多宝院 那由 :
となりだね~
多宝院 那由 :
オエッ
九鹿 愛佳 :
隣だな~~~
九鹿 愛佳 :
興奮剤を使ってダメだったら……そういうことだったと思おうか……!
多宝院 那由 :
はい
豊四季 一澄 :
愛の方が強かったんだ。
多宝院 那由 :
今ほんとうに自分のPLとしての位置がたいへんなことになってて
多宝院 那由 :
たいへんです
多宝院 那由 :
こんなに張り裂けそう
九鹿 愛佳 :
では、防御力の補正+1に、興奮剤を使用します。
GM :
OK。どうぞ。
九鹿 愛佳 :
2D6+1-3+2>=6 (判定:測る)
BloodMoon : (2D6+1-3+2>=6) > 4[2,2]+1-3+2 > 4 > 失敗
GM :
失敗ですね。
九鹿 愛佳 :
残念
多宝院 那由 :
えっ
豊四季 一澄 :
はっはっはっはっはっはっはは。
多宝院 那由 :
出目 ヤバくないですか?
豊四季 一澄 :
これは仕方がない。
多宝院 那由 :
もう出目最悪体験卓は終わったんだぞ!
豊四季 一澄 :
出目最悪体験卓 #2.
多宝院 那由 :
めっちゃ純粋に出目のこと心配しちゃったよ
九鹿 愛佳 :
続いているということだ……
多宝院 那由 :
塩とか……盛る?
七栄等花 :
七栄等花は、多宝院那由に口づけをする。
七栄等花 :
冷たい舌で歯列に触れ、それからナユの舌を撫でてから、
七栄等花 :
口を半ば押し込むようにして、
七栄等花 :
ナユの舌を深く噛む。
多宝院 那由 :
抗わず、口の内に等花が入ってくることを受け入れて、
七栄等花 :
そうして、今まで多宝院那由に残していた『何か』を、
七栄等花 :
彼女を人間たらしめていた『何か』を、
七栄等花 :
七栄等花は奪う。
多宝院 那由 :
それは静かに、
多宝院 那由 :
静かに、行われた。
多宝院 那由 :
口を満たし、溢れる。
多宝院 那由 :
何かが。
七栄等花 :
多宝院 那由の幸福『背徳:同じになる』は、破壊されました。
多宝院 那由 :
力が抜けて、
多宝院 那由 :
青白い指先が、等花をなぞって、落ちて
多宝院 那由 :
身を委ねて。
多宝院 那由 :
離反を宣言します。
七栄等花 :
はい。
七栄等花 :
これにより、多宝院那由は吸血鬼側の存在となりました。
七栄等花 :
多宝院那由の残りの幸福は、多宝院那由の支配力として判断され、狩人はこれを狩猟で破壊することも可能です。
七栄等花 :
三ヶ月里奈が決戦時に参加します。
七栄等花 :
――多宝院那由は夜へと落ちた。
多宝院 那由 :
溢れた何かが、白を赤に染めていく。
多宝院 那由 :
白。白は、光の色。
多宝院 那由 :
夜に落ちたなら、もうその色は眩しすぎるから。
七栄等花 :
「ナユ」
七栄等花 :
「私を、見て」
多宝院 那由 :
血の通っていないような色をした手が動く。
多宝院 那由 :
呼び声にこたえて、
多宝院 那由 :
目を、開ける。
『多宝院 那由』
多宝院 那由 :
「…………、」
多宝院 那由 :
「……おはよう」
七栄等花 :
「おはよう」
七栄等花 :
――なんでもそうだけれど、本当に相手のことを見るってさ
七栄等花 :
「これで、私と、同じだね」
七栄等花 :
――同じところまでいかないと、多分、ちゃんと見れないんだ。
多宝院 那由 :
「うん、」
多宝院 那由 :
「……やっと、同じになれた」
system :
[ 九鹿 愛佳 ] テンション : 5 → 10
system :
[ 九鹿 愛佳 ] 激情 : 1 → 1
七栄等花 :
あとテンションか。
七栄等花 :
は、やったのね。
七栄等花 :
やりました。
九鹿 愛佳 :
実はしれっと
GM :
はい。どうもありがとうございます。
GM :
体験卓とは一体
多宝院 那由 :
わからない……
豊四季 一澄 :
いちばんおいしいところを煮詰めてお出しされている気さえするが、体験卓。
GM :
体験卓。
九鹿 愛佳 :
体験の濃度が濃い
GM :
いやあの
GM :
ブラムン結構やってるけどこんなん初めてだよ
GM :
私が初体験だよ。
多宝院 那由 :
ほんとに?
GM :
これが今流行りのブラッドムーン……
多宝院 那由 :
え、ほんとに???
GM :
さて。メインフェイズのサイクル1。吸血鬼の行動が終わったところです。
GM :
残りは イズミ>アイカ>リナ>ナユ>吸血鬼 ですね
GM :
またナユが狩人に対しての離反を宣言。
GM :
そんなかんじで、やってまいりましょう。
GM :
また、幸福を破壊したので、ナユからトウカへ感情を1点獲得。
GM :
関係か。関係の名称は?
多宝院 那由 :
トウカはトウカでしょってずっと思ってるんですが、「トウカ」で大丈夫ですか?
GM :
いいですよ。
多宝院 那由 :
ありがとうございます……
1-2 豊四季 一澄:狩猟
GM :
では、あらためて、イズミの行動です。
豊四季 一澄 :
狩猟を選択、対象は退路「非人間性」。
GM :
OK。ではトウカが出た方がいいですね。
GM :
シーンは私が演出しましょうか。
豊四季 一澄 :
そうですね、お願いします。
GM :
地下通路。電線やガス管などを通すための、狭い作業用の通路。
七栄等花 :
水銀灯の褪せた光の中に、それは立っている。
七栄等花 :
唇が赤く濡れている。新鮮な果実のように。
豊四季 一澄 :
迷路のように入り組んだ地下通路を進む中で、掲げた火が前触れもなくその姿を照らし出す。
七栄等花 :
振り返るよりも先に、全身を飾る無数の目がぎょろりとあなたをみた。
七栄等花 :
それから、ゆっくりとあなたの方を向く。
豊四季 一澄 :
随所に現れた無数の目は、その中でなおぎらぎらと。その異貌に、「――ひ」息を呑む音が反響する。
七栄等花 :
トウカはふふ、と笑った。
七栄等花 :
「怖い? 怖いよね」
豊四季 一澄 :
後ろからついてくる二人の足音がない。その事実を認識してまた、青ざめる。目の前の吸血鬼のような無数の目がない以上、全方位を知れるのは音しかない。
七栄等花 :
吸血鬼は空間や知覚に対して作用する。イズミは切り離されたのだ。
豊四季 一澄 :
しかしその表情は変えずとも、「……そう聞かれて、はいそうですって答えるのも、なんか変じゃん」
七栄等花 :
「……確かにそうかも」
七栄等花 :
「でも私は思ったよ。ああ、怪物になっちゃったんだなーって」
七栄等花 :
「でも、元々の姿よりやりやすいでしょ?」
豊四季 一澄 :
「どうだろ」
豊四季 一澄 :
「……あたし、吸血鬼が変身できるっていうの、話でしか知らなかったし。生徒会長、あのまんまだったもん」
豊四季 一澄 :
「だからさ。もっとこう、怪獣みたいなのになるんだと思ってた。手足なんかめちゃくちゃに太くなって、牙がぞろぞろって生えて」
豊四季 一澄 :
「………それに比べたらさ、まだ」
七栄等花 :
「そっか」
七栄等花 :
「まあ生徒会長は、なった経緯がちょっと特別みたいだから」
七栄等花 :
「あっちが特別みたいだけれどね。わたしも吸血鬼のこと詳しくないから、よくわからないけど」
豊四季 一澄 :
「吸血鬼にも、思ってるより色々あるもんだ」
豊四季 一澄 :
「こっちからしたら、みんな特別に見えるのにね」
七栄等花 :
「そうだね」
七栄等花 :
「……わたしたちを放っておいてくれる? って言ったら、どう?」
豊四季 一澄 :
視線がコンクリートの床へ落ちた。無数の目と視線を合わせまいと思えば、行くべきところはそこか天井しかない。
豊四季 一澄 :
「…………正直さ、放っとけたらなあ、って思ってないことは、ない」
豊四季 一澄 :
「クラス、隣だったじゃん」
七栄等花 :
天井からぽたぽたと滴る水が、床に広がっている。ずっとそうなのだろう。水たまりの輪郭に、白い塊がこびりついている。
七栄等花 :
「うん」
豊四季 一澄 :
「聞いたことあるよ、一馬から。七栄さんのこと」
七栄等花 :
「……うん」
豊四季 一澄 :
「ライフル部のすごい子だって。言われなきゃライフル部だなんてわかんないような子なのに、そりゃもうすごい腕前だってさ」
豊四季 一澄 :
「自分のことでもないのに、なんか楽しそうに言ってたの、覚えてるよ」
七栄等花 :
「それは、ナユが」
七栄等花 :
「ナユがわたしのことをあんまりにも褒めるからだよ」
七栄等花 :
「ほら、ナユって結構、大げさなところ、あるでしょ」
七栄等花 :
「しゃべり方に説得力があるっていうかね」
豊四季 一澄 :
「説得力があったらさあ、それは大げさとかじゃなくて、ホントなんだよ。ホントになんの」
豊四季 一澄 :
「だから七栄さんはね、あたしの中では今でも、ライフル部のエースで多宝院さんの大親友! てことに、なってる」
豊四季 一澄 :
「だからねえ、放っておけるなら放っときたいよ」
豊四季 一澄 :
「前から話聞いててさ、それもいい印象ばっかの人、放っておけるなら、放っておきたくないわけ、ないじゃん…………」
七栄等花 :
目を細める。全身の目を。そうすると、身体に無数の切り傷が刻まれているようにも見える。
七栄等花 :
「……なら」
豊四季 一澄 :
「でも、でも、でも、でも」
豊四季 一澄 :
「吸血鬼にいい印象なんて、あるわけないんだよ」
豊四季 一澄 :
「だって一馬は」
豊四季 一澄 :
「かずは…………」
七栄等花 :
「……」
七栄等花 :
「……わたし、見てたよ」
七栄等花 :
「カズマくんが、死んじゃうところ」
豊四季 一澄 :
ばね仕掛けの機械のように、勢いよく顔を上げる。直視する。全身に刻まれたその無数の目を。
豊四季 一澄 :
先のように体が動かなくなるという危惧すら忘れて。
七栄等花 :
「……みんなを、助けようとして」
七栄等花 :
「必死だった。どうにか自分にも戦える方法はないかって」
七栄等花 :
「警官の拳銃をとろうとしたら、鍵が落ちて」
七栄等花 :
「それを拾って、パトカーに乗り込んで」
豊四季 一澄 :
その先は自分でも知っている、けれど。その前から?
豊四季 一澄 :
「……そんな、……そんなに前から、……見てたの?」
七栄等花 :
「だから」
七栄等花 :
「止めようと思えば、止められた」
七栄等花 :
「ううん」
七栄等花 :
「多分、私なら」
七栄等花 :
「生徒会長を殺せたと思う」
豊四季 一澄 :
燃えるままのたいまつを取り落としていないのが不思議だった。目の前の吸血鬼の力――身動きを縛るあの一端ですら、その言葉を肯定するには十分すぎる。
豊四季 一澄 :
「…………じゃあ」
豊四季 一澄 :
「じゃあ、どうして、そうしなかったの」
豊四季 一澄 :
「あたしたちがやらなきゃいけなかったのは、どうしてだったの」
豊四季 一澄 :
「それならかずは、かずは…………」
七栄等花 :
「……」
七栄等花 :
「……死んじゃったから」
七栄等花 :
「私は吸血鬼として蘇ったけれど」
七栄等花 :
「多分、全部が全部、そのまま生き返るわけじゃないんだよ」
七栄等花 :
「……昼寝しててさ。変な姿勢で寝ちゃって、手を下にして寝ちゃうとさ」
七栄等花 :
「起きたとき、敷いちゃった先だけ痺れる感じがして、冷たくて、自分のものじゃないみたいな感じ、あるでしょ?」
七栄等花 :
「だから、どうしてなんだろうね」
七栄等花 :
「このままだと死んじゃうな、ってわかってたのに」
七栄等花 :
「動こうって思えなかった」
豊四季 一澄 :
ああ、そうだ。前にも。吸血鬼を目の当たりにしたとき、言われたじゃないか。
豊四季 一澄 :
「ああ」
豊四季 一澄 :
「『もう、ヒトじゃない』からってこと」
七栄等花 :
「そうだね、そう」
豊四季 一澄 :
長く息を吐く。「……でもさ、なんか、変な感じ」
豊四季 一澄 :
「そうやって、かずを見殺しにして、あたしたちもそうなるかもってこと、してるのに」
豊四季 一澄 :
「こんな感じで、二人で喋ってるのがさ」
七栄等花 :
「ふふ、そうだね。確かに」
七栄等花 :
日常のワンシーンのように、屈託なく笑う。
豊四季 一澄 :
その笑い声を聞きながら、こちらもまた普段のように、しかしあまりに無防備に、目を伏せる。
九鹿 愛佳 :
めちゃくちゃ日常のよう
九鹿 愛佳 :
学校でも話せるような内容……
豊四季 一澄 :
退路へは「伏せる」から代用判定で6、攻撃力で+2で4 興奮剤は……いいか!
七栄等花 :
4は出したいですね
豊四季 一澄 :
「魔女追い」の宣言、判定前ですか? 後?
多宝院 那由 :
4出したいねえ~
七栄等花 :
前ですね
七栄等花 :
補助は基本的に前。
豊四季 一澄 :
狩猟判定に組み合わせて【魔女追い】を使用します。退路へは伏せる6、攻撃力で+2。
七栄等花 :
OK
豊四季 一澄 :
2D6+2>=6 (判定:伏せる)攻撃力で+2
BloodMoon : (2D6+2>=6) > 9[4,5]+2 > 11 > 成功
七栄等花 :
成功ですね。
system :
[ 豊四季 一澄 ] テンション : 4 → 8
七栄等花 :
「……カズマくんさ」
七栄等花 :
「笑ってたんだ、最期に」
七栄等花 :
「生徒会長を轢いて」
七栄等花 :
「身体貫かれてるのに」
七栄等花 :
「やってやったって顔で」
豊四季 一澄 :
「……そっか」
豊四季 一澄 :
闇の中で垂れ落ちてコンクリの上に跳ねる雫を、吸血鬼の目は見ることができる。
豊四季 一澄 :
「ありがと」
豊四季 一澄 :
「あたし、ぜんぜん見られてないんだ。泣いて泣いて、何も見えなくて」
七栄等花 :
「……うん」
七栄等花 :
「ボロボロなのに、もう、助からないってわかってるはずなのに、イズミちゃんを見る目が……そう、」
七栄等花 :
「優しかった」
七栄等花 :
水たまりに、雫というには流れを伴った、赤い色が流れ込む。
豊四季 一澄 :
「ああ」
豊四季 一澄 :
「ほんとに、ばかだなあ…………」
七栄等花 :
全身の目から、いまはもう流れぬ涙の代わりが自ずと零れて、
七栄等花 :
通路を黒く濡らす水たまりを、いっそう、黒く。
七栄等花 :
魔女追いの対象はどうしますか?
豊四季 一澄 :
1つ目のAさんへ、ダメージ内容は今振ります。
七栄等花 :
OK
豊四季 一澄 :
2D6 魔女追い
BloodMoon : (2D6) > 7[2,5] > 7
七栄等花 :
OK。一つ目Aの耐久値が7減ります。
九鹿 愛佳 :
フォロワーに7はでかい…‥
豊四季 一澄 :
おっ Lv6以上ってことはこっちが戦闘用だな。
七栄等花 :
「ごめんね」
七栄等花 :
その一言と共に、通路の電灯が消え、たいまつが消え、束の間の暗闇に包まれる。
七栄等花 :
一秒も満たない暗闇に、すぐに明かりは取り戻されて。
七栄等花 :
そこにはもう、トウカの姿はなかった。
豊四季 一澄 :
不意に全周を覆う闇に身構える。しかし瞬きほどの後に、向かい合っていた姿がないのを見て取れば、その警戒も徐々に解けて。
七栄等花 :
赤い滴りだけが、残されている。
豊四季 一澄 :
「……こっちこそ」
1-3 九鹿 愛佳:交流
GM :
PC同士のシーンになるとGMはちょっと一息つける。
多宝院 那由 :
ほんとに? 私はずっとくるしいが・・・・・・・・・・・・・・
多宝院 那由 :
一息つきたい たすけてほしい
GM :
いや苦しいけどね……。
多宝院 那由 :
1話けっこう喋りっぱなしだったからめっちゃゆっくりできるなっておもってたんですけど
多宝院 那由 :
ぜんぜん普通に狂いますね 気が
GM :
まあトウカ喋るとね しかたがないね
多宝院 那由 :
うん……
GM :
そういえば言いそびれていたのですがトウカのテンションは11です。
豊四季 一澄 :
11。
GM :
激情は1点を既に獲得しています。強化ルールで。
九鹿 愛佳 :
たしか常駐の妨害-3で6だった気がする
GM :
そうですね。
GM :
隠密は6。
GM :
吸血鬼が去り、血戒による分断から解放される。
GM :
あれだけ探していたのがウソのように、血の残された通路に立っているイズミの姿を、アイカは見つける。
九鹿 愛佳 :
一緒にいたはずのイズミが、いつの間にかいなくなっていた。警戒を怠っていたわけでもない。
九鹿 愛佳 :
本当に、一瞬の合間に。まるで、あの地下通路で金縛りにあっていたときのように。
九鹿 愛佳 :
血が溢れた通路に立つイズミを見て、慌てて駆け寄る。
九鹿 愛佳 :
「……イズミさん!」
豊四季 一澄 :
振り向く顔にも、体にも、血や傷はない。あるとすればその頬に残る涙の跡だけ。
九鹿 愛佳 :
五体は無事なように、見える。それだけでも、安堵の息が漏れる。
九鹿 愛佳 :
「一体何が……、いえ、まずは無事でよかった……」
豊四季 一澄 :
「あたしもずいぶんびっくりしたんだけど」と言う割には、その表情に恐怖の名残はなく。
豊四季 一澄 :
「えーと……ここに来るまでに、見た?……二人のこと」
九鹿 愛佳 :
首を横に振る。
九鹿 愛佳 :
「いえ、見つけられてないですが、……まさか、2人と……?」
豊四季 一澄 :
「ひとり、だったけど」頷く。
豊四季 一澄 :
「なんでひとりだったのかは、聞いてない。どうやったのかも、わかんない」
豊四季 一澄 :
「ただ、……この通り」手を軽く広げて見せる。どこにも傷はない。
九鹿 愛佳 :
「……トウカさんは、まだ……」 六実と違って、積極的に殺そうとはしていないのだろうか、それともただの気まぐれかは、分からない。
豊四季 一澄 :
「……かも、しれないけど」
豊四季 一澄 :
「話したんだ、いろいろ。『まだ』そうじゃないかも、ってところもあったけど、『やっぱり』っていうか……そういうところもたくさん、あった」
豊四季 一澄 :
「……七栄さん、見てたんだって。生徒会長の時から」
九鹿 愛佳 :
「……え……」
九鹿 愛佳 :
つまり、最初から最後まで、ずっと知っていたということ。
いったい、どんな思考でそうしていたのか、理解をしようにもしきれないけれど。
九鹿 愛佳 :
「……ずっと、ナユさんを見てたんでしょうか」
九鹿 愛佳 :
地下通路でのやりとりを思い出す。 2人の関係を。
豊四季 一澄 :
「それだけじゃなさそう」
豊四季 一澄 :
「……一馬のこと、いっぱい、話したんだ」
豊四季 一澄 :
「なんであんなことしたのかも、どうやったのかも、その後も、ぜんぶ見て、知ってた」
九鹿 愛佳 :
「……、……」
豊四季 一澄 :
「でさ、あの子、自分で言ったんだよ」
豊四季 一澄 :
「自分だったら、生徒会長のこと、殺せたかもって」
九鹿 愛佳 :
イズミの語りを聞いている。その表情はなんとも言えないような気持ちを醸し出している。
豊四季 一澄 :
「でも、そうしなかったって」
九鹿 愛佳 :
それは、おそらくイズミがトウカと相対したときの感覚と似たようなもので。
豊四季 一澄 :
「だから、あの子は……やっぱり。生徒会長の時に、九鹿さんが言ってたみたいにさ」
豊四季 一澄 :
「『もう、ヒトじゃない』んだと、思う。話はできるけど、同じ感覚じゃないんだなって、思う」
九鹿 愛佳 :
「……そうですね。生徒会長と違って、トウカさんの場合は……、見た目も」
九鹿 愛佳 :
共有する。イズミが経験してきたことを。
九鹿 愛佳 :
イズミが無事に帰ってきたことは良かったけれど、話を聞けばやはり、吸血鬼とヒトとの隔絶を感じてしまう。
豊四季 一澄 :
「生徒会長は特別だから、あの姿のままだったって言ってたけど」
豊四季 一澄 :
「九鹿さんはさ、前にも狩ったこと……あるわけじゃん。ああいう風に変身するの、見たことあった?」
九鹿 愛佳 :
「生徒会長のように、普通の人に見える人もいれば……どこかしら、どう見ても『違う』というのもありましたけれど……」
九鹿 愛佳 :
「トウカさんみたいな形は、初めてですね……、あと、なったばかり、というのも……」
九鹿 愛佳 :
名前だけでも知っていた人が、変貌する、という意味も含めて。
豊四季 一澄 :
「そっか」と声を上げた後、ひと呼吸を置いて。「……あの子もさ、吸血鬼のことはよくわかんないけど、って言ってた」
豊四季 一澄 :
「全部を全部わかろうとしたら、いつまでかかるんだかそれこそ分からないんだろうね」
九鹿 愛佳 :
「……そうですね」
九鹿 愛佳 :
「分からなくても……、そうと決めたことを、やるしかない。そういうものなのかもしれません」
九鹿 愛佳 :
「……ナユさんも」
豊四季 一澄 :
「……うん」
九鹿 愛佳 :
情がわくでもなく、失望でもなく、複雑な感情が入り交じる。吸血鬼を助けて離反した彼女を、自分はどう見ればいいのだろう。
豊四季 一澄 :
「一番最初ってさ、あたしたち、そうだったんだ。九鹿さんに声かけてもらう前」
九鹿 愛佳 :
「……私が声をかける前、ですか?」
豊四季 一澄 :
「どうなってるのかも、何ができるのかもわかんないけど、何かしなきゃって。そう思ってた」
九鹿 愛佳 :
「ああ……」 おそらく、気づいて。何かをしようと思って。彼女たちは、2人で屋上にいた。
豊四季 一澄 :
「だからさ。あの時に九鹿さんに声かけてもらえて、三ヶ月さんにも会えて、ほんとに助かったんだよ」
豊四季 一澄 :
「あたしは、今もそれ、変わんないのかもって思ってる」
豊四季 一澄 :
「誰のために何をするかが変わっただけで、わかんないけどやらなきゃってのは、変わらないのかなって」
九鹿 愛佳 :
「……そうですね。そのとおりだと、思います」
九鹿 愛佳 :
「私達は……、いろんな理由で吸血鬼を倒そうとしていて」
九鹿 愛佳 :
「吸血鬼は吸血鬼で、いろんな目的を持っていて」
九鹿 愛佳 :
「……考えればキリはないですけれど、結局、やらないといけないことは、変わらないですから」
九鹿 愛佳 :
「……吸血鬼を、倒す」
九鹿 愛佳 :
それは最初から最後まで、きっと変わらない。
豊四季 一澄 :
「うん」
豊四季 一澄 :
本当にいつでも、この狩人の意志も言葉も飾り気なく真っ直ぐだと思う。それは彼女の得物に似ている。
豊四季 一澄 :
「だからさ、また頼らせてよ。三ヶ月さんと一緒にさ」
九鹿 愛佳 :
「……はい。もちろんです」
九鹿 愛佳 :
頷く。
九鹿 愛佳 :
では、そろそろ交流判定に
九鹿 愛佳 :
ast
BloodMoon : ランダム全特技表(6,11) > 環境11:退路
九鹿 愛佳 :
では申し訳ないけど、イズミちゃんから興奮剤をおかりします……
七栄等花 :
どうぞ~
豊四季 一澄 :
どうぞ!
九鹿 愛佳 :
では興奮剤で修正2,退路まで8……!
GM :
どうぞ!
九鹿 愛佳 :
2D6+2>=8 (判定:這う)
BloodMoon : (2D6+2>=8) > 6[1,5]+2 > 8 > 成功
GM :
成功ですね!
九鹿 愛佳 :
よかった……よかった……
GM :
では相互に関係を+2
豊四季 一澄 :
愛佳さんへの憧憬が3に上昇します。
九鹿 愛佳 :
イズミちゃんへの友情が3に増加します
GM :
夜の帳に隠された人影が、人かそうであらざるかがわからぬように、
GM :
ただひとえに正しいものなどは決してない。
GM :
そのなかでもただ、自分たちの信じるべきことを信じて成そうとするその決意だけが、闇を払う唯一の明かりだった。
GM :
どうもありがとうございました。
GM :
めちゃめちゃいいシーンですね……ありがたいね……。
多宝院 那由 :
トウカちゃんの話が出る度に苦しいし、なんなら六実さんの話が出ても苦しいし、当然那由の話題が出ても気が狂う
多宝院 那由 :
もうおしまいだ
GM :
全部ダメ
GM :
その全員の話したからね。今ね。
多宝院 那由 :
うん・・・・・・・・・・・・・・・・・
多宝院 那由 :
あとこれもわかりきってると思うけど一馬くんの話題もダメです
多宝院 那由 :
メチャクチャになっちゃうため
GM :
全部ダメじゃん
多宝院 那由 :
ぜんぶだめだよ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
豊四季 一澄 :
フルコンボだ。
GM :
キャンペーンのブラムンのヤバさをご理解いただけてうれしいよ。
多宝院 那由 :
ヤバすぎる・・・・・・・・・・・・
多宝院 那由 :
ウウーーーーーーーーーー
GM :
ゆふさん大変だな……
多宝院 那由 :
ほんとにたいへんなんですよ
多宝院 那由 :
なんでこんなことに?
GM :
体験していただいてるので……?
多宝院 那由 :
シーン見てるとなんか自分が狩人側なんじゃないかって気がしてくるの
多宝院 那由 :
ほんとに精神分裂起こして死ぬから
七栄等花 :
一応狩人ではあるからね。離反しただけでね。
多宝院 那由 :
hai……
多宝院 那由 :
いいシーンだな
多宝院 那由 :
助けて
七栄等花 :
いいシーンですね……
七栄等花 :
ありがたいな……
多宝院 那由 :
ほんとにいいシーンすぎる ありがたい
多宝院 那由 :
狩人だなあ……
九鹿 愛佳 :
なんか離反したからこそってかんじになってしまった
多宝院 那由 :
うん………………、
多宝院 那由 :
離反したからこそできるロール、存分にしてほしい
多宝院 那由 :
私は死ぬけど
七栄等花 :
そうできる体験じゃないからね……
多宝院 那由 :
嫌だ! 死ぬもんか! 僕はトウカと逃げるんだよ!!!!
多宝院 那由 :
助けて
七栄等花 :
がんばろうね!
多宝院 那由 :
うん……!
多宝院 那由 :
離反、そうないよね そうないので……なんか……そう……楽しんでほしい 私もめちゃくちゃたのしいです ありがとう 助けて ありがとう
七栄等花 :
私も楽しいです
多宝院 那由 :
ロールがうま!!!!!!!!!!!
多宝院 那由 :
ロールが……うま!!!!!!!!!!!!!!!
GM :
無事交流が成功して、次は里奈の手番ですが。
GM :
どういたしましょうか。
豊四季 一澄 :
【常識】絡めて「非人間性」を破壊してもらうか、「今を切り取る」に2入れてもらうかになりそう。
多宝院 那由 :
非人間性、パイセンが破壊、どうやって?
多宝院 那由 :
だってあんなに……おびえてるじゃないですか………………
九鹿 愛佳 :
たぶん行動は2回とも、狩猟になるんですよね。常識……
九鹿 愛佳 :
決意の炎……
豊四季 一澄 :
狩猟に組み合わせるアビリティ持ちが2人もいるので支配力をベキベキに破壊し、愛佳さんに調達や交流をお願いし、魔女追いと爆破でフォロワーを破壊することになる。
GM :
なんでも壊しますよ
多宝院 那由 :
強いね~! 頼もしいねえ
多宝院 那由 :
助けて
多宝院 那由 :
なんでも壊せるんだ……
豊四季 一澄 :
こちらが退路苦手なので「今を切り取る」を【常識】込みで破壊していただきたい。
豊四季 一澄 :
違うな 日常の方が遠いので。
九鹿 愛佳 :
苦手なところを潰してもらう‥…!正しい…!
豊四季 一澄 :
ファンブルさえ振らなきゃ破壊してくれる頼もしい先輩!
豊四季 一澄 :
【常識】を補助に使用して、支配力「今を切り取る」の破壊をお願いします。
豊四季 一澄 :
狩猟になりますね。
GM :
承知しました。
1-4 三ヶ月 里奈:狩猟
三ヶ月 里奈 :
2人とはぐれた里奈は1人、あえて地下を進まず、地上に出ていた。
三ヶ月 里奈 :
呼びつけたメイドにノートPCを持ってこさせ、地下通路の図面を取り寄せている。
三ヶ月 里奈 :
図面を参照しながら、ひっきりなしに電話を掛けている。
三ヶ月 里奈 :
「はい、ええ。よろしくお願いします」
三ヶ月 里奈 :
「はい、必ず、この借りはどこかで返しますので」
三ヶ月 里奈 :
「いえいえ、そんな。お構いなく」
三ヶ月 里奈 :
「ええ。では」
三ヶ月 里奈 :
連絡を追えた後、スマートホンを入力し、フォローを頼んでいる深縁女学院の生徒に指示する。
三ヶ月 里奈 :
『区画A-3のシャッターを下ろして』『F4に注水』『たいまつ班で区画Cを固めて』
三ヶ月 里奈 :
ひとしきりの指示を終えた後、里奈は溜息をついて、地下へと戻る。
三ヶ月 里奈 :
大きなダクトファンが回る、通気口。
七栄等花 :
そこにトウカは立っている。
三ヶ月 里奈 :
「……多宝院那由はどこに?」
七栄等花 :
「……」
七栄等花 :
何も言葉を返さない。
七栄等花 :
敵意の視線で里奈を見る。
三ヶ月 里奈 :
里奈の動きが止まる。たいまつの炎さえ――金縛りの血戒。
七栄等花 :
「ほっといてよ」
七栄等花 :
「元はといえば、もっと早く、あの生徒会長を倒してくれてたら」
七栄等花 :
「わたしだって死なずに済んだのに」
七栄等花 :
「どうして、わたしたちばっかり失わないといけないの?」
三ヶ月 里奈 :
里奈は答えない。
三ヶ月 里奈 :
動くことが出来ない。
三ヶ月 里奈 :
しかし動けたとしても、それに十分な答えなどありはしない。
七栄等花 :
七栄等花はゆっくりと近づく。
七栄等花 :
電源の切れた大きなダクトファンがその背でゆっくりと回っている。
七栄等花 :
里奈に手を伸ばす。
三ヶ月 里奈 :
狩猟判定。目標は『今を切り取る』。日常。常識使用。
三ヶ月 里奈 :
2D6+3>=5 (判定:日常)
BloodMoon : (2D6+3>=5) > 8[3,5]+3 > 11 > 成功
七栄等花 :
一つ目のモンスターAの上位犯罪者を使用。
七栄等花 :
-3のペナルティを受けて振り直し。
三ヶ月 里奈 :
2D6>=5 (判定:日常)
BloodMoon : (2D6>=5) > 7[1,6] > 7 > 成功
三ヶ月 里奈 :
成功ですね。
三ヶ月 里奈 :
言葉はなくとも。動けなくとも。
三ヶ月 里奈 :
里奈の答えは一つ。狩人の成すべき事は一つ。
三ヶ月 里奈 :
ばたん、という音を立てて、ダクトファンに下りたシャッターが開く。
- :
『照射!』
三ヶ月 里奈 :
深縁女学院の生徒らの声と共に、すさまじい光が照射される。スポットライトと呼ぶにはあまりにもそれは苛烈すぎる。
三ヶ月 里奈 :
D7から借り受けた光線照射装置『SAVER』が、
七栄等花 :
「きゃあああああああああああ!!!」
三ヶ月 里奈 :
七栄等花の無数の目を真っ直ぐに灼く。
三ヶ月 里奈 :
飽和した光は切り取ることなどできない。
三ヶ月 里奈 :
ましてや太陽を模した光は。
三ヶ月 里奈 :
暗闇から一転、すべてが白く染まる。
三ヶ月 里奈 :
ダクトファンと2人の影だけがそこにある。
三ヶ月 里奈 :
「私は狩人だ」
三ヶ月 里奈 :
「吸血鬼の満足する答えなんて」
三ヶ月 里奈 :
「初めから用意してないよ」
三ヶ月 里奈 :
たいまつを振るう。烈日の下に焔は色さえない。
三ヶ月 里奈 :
そしてSAVERのエネルギーが消滅すると共に、里奈と女学院の生徒らはそこを去った。
七栄等花 :
「あ、あ――」
七栄等花 :
暗闇の底に1人、取り残される。
七栄等花 :
『今を切り取る』日常 強度3→1
GM :
はい。というわけでやらせていただきました。
***シーン中永遠に狂うPC1PL***
九鹿 愛佳 :
里奈先輩……
多宝院 那由 :
(完全に崩壊する人)
多宝院 那由 :
なんでこんなことするん?
多宝院 那由 :
どうして……
豊四季 一澄 :
狩人だからさ……
GM :
次はナユの手番ですね。
GM :
もうそろそろ衰弱状態から戻ったんじゃないでしょうか。身体の自由が利きます。
多宝院 那由 :
はい。
多宝院 那由 :
悲鳴とか聞こえたりしますかね。
GM :
ですね。聞こえたことにしましょう。
1-5 多宝院 那由:調達
多宝院 那由 :
走る。
多宝院 那由 :
自分の身体がどうなっているかも、わからずに。おとなしくしてと言われたことも、忘れて。
多宝院 那由 :
どうしてか、向かえばいい場所がわかった。走る。
多宝院 那由 :
――そうして、
七栄等花 :
あなたは横たわるトウカを見つける。
七栄等花 :
すべての目を閉じていた。全身から血を流している。
多宝院 那由 :
駆け寄って、抱き起こす。
多宝院 那由 :
「トウカ、ねえ、トウカ」
七栄等花 :
「ナ、ユ……?」
多宝院 那由 :
名前を呼び続ける。それ以外に言葉を知らないかのように。
多宝院 那由 :
「……!」
七栄等花 :
目を開く。無数の目。
七栄等花 :
しかしそれは探るように周囲をぎょろぎょろと見て。
七栄等花 :
ただ声のする方へ手を伸ばす。
多宝院 那由 :
「…………っ、」
七栄等花 :
瞳孔は尚も細く、細く絞られていた。
多宝院 那由 :
「……トウカ、……目、が」
多宝院 那由 :
抱き寄せる。肌を触れ合わせ、密着する。
多宝院 那由 :
「トウカ、」
七栄等花 :
その接触に安心するように、目を閉じる。
七栄等花 :
「うん」
七栄等花 :
「大丈夫、すぐに良くなるから」
多宝院 那由 :
「……ごめんね、」
多宝院 那由 :
「……、……ごめん、ね」
多宝院 那由 :
「僕が、」
多宝院 那由 :
「まだ、頼りないから……」
七栄等花 :
「頼りなくなんか、ないよ」
七栄等花 :
「ナユが駆けつけてきてくれたから、痛いのとか、全部忘れちゃった」
多宝院 那由 :
血を丁寧に指でぬぐっていく。口で舐め取る。
多宝院 那由 :
「……痛みを感じないのも、それはそれでよくないんだよ」
多宝院 那由 :
髪を撫でる。拭い取る。
七栄等花 :
「そうかなあ」
多宝院 那由 :
「そうだよ」
多宝院 那由 :
「痛みがあると、今痛いことされてるって、わかるから」
多宝院 那由 :
「そういう感覚がなくなるときのほうが、かえって大怪我とかもしやすいし……」
七栄等花 :
「でも、こうして目をつぶってても、わかるんだ」
七栄等花 :
「ナユがどういう顔をしてるか、わかる」
七栄等花 :
「気付かなかった、そんなことにも」
七栄等花 :
「だから、今、嬉しいって思ってる」
多宝院 那由 :
「……もう」
多宝院 那由 :
「ほんとにさあ、きみはさあ……」
多宝院 那由 :
「吸血鬼になったの初めてなんだ、今誑かされたら僕がどうなっちゃうかわかんないよ」
七栄等花 :
「ふふ、どうなっちゃうの?」
七栄等花 :
「それは、わからないから、気になるなぁ」
七栄等花 :
うっすらと目を開ける。さきほどよりも、確かに瞳孔はまともだ。
多宝院 那由 :
助けてw
豊四季 一澄 :
睦み合っている。
七栄等花 :
無限にいちゃついてる
九鹿 愛佳 :
いちゃいちゃたいむ
多宝院 那由 :
いいのか? こんないちゃいちゃ
七栄等花 :
完全にいちゃいちゃしかしてないからな。
豊四季 一澄 :
かわいいなあ……
多宝院 那由 :
こんなイチャイチャしていいのか!?!?!?
豊四季 一澄 :
自分のシーンですもの!
九鹿 愛佳 :
シーンプレイヤーの……特権!!!
多宝院 那由 :
目を合わせる。幾分か安堵して、
多宝院 那由 :
つんと口を尖らせる。
多宝院 那由 :
「……トウカならわかってると思ってた」
七栄等花 :
「かわいい」
七栄等花 :
「吸血鬼は悪ーい存在だから」
七栄等花 :
「意地悪にとぼけたりだって、するよ」
七栄等花 :
くすくすと笑う。
多宝院 那由 :
「……もう!」
多宝院 那由 :
その顔を見て、
多宝院 那由 :
「……、っふ、あはは」
多宝院 那由 :
つられて笑う。
多宝院 那由 :
「前からだったでしょ。ずっと前からだよ」
七栄等花 :
「あはは、そうかも」
多宝院 那由 :
「……かわらないんだね、」
多宝院 那由 :
「……どうなるかと思ったけど。僕らふたり、なにも変わらない」
七栄等花 :
「うん」
七栄等花 :
「わたしは、確かに、死んじゃって。色んなものを、失って」
七栄等花 :
「わたしたちふたりのことは、なにも変わらない」
多宝院 那由 :
「……うん」
七栄等花 :
「そのまま、残ってる」
多宝院 那由 :
「ずっとさ、こうやってふたりで話していたいって、いつも思ってて」
多宝院 那由 :
「ちいさいことで笑って、すごいことなんかなくても、楽しくて」
多宝院 那由 :
「そうしたいって、思ってたから」
七栄等花 :
「日が落ちるのを、月が昇るのを、ずっと惜しいと思ってた」
多宝院 那由 :
「うれしい」
七栄等花 :
「ありふれてて、なんでもなくても。ナユがそこにいるだけで、笑ってくれるだけで」
七栄等花 :
「今がずっと続けばいいと思ってたから」
七栄等花 :
「うれしい」
多宝院 那由 :
「あはは、」
多宝院 那由 :
「おんなじだ」
多宝院 那由 :
「……よかった」
七栄等花 :
「……違うことが、あるとするなら」
七栄等花 :
「地上はもうすぐ、夜になるね」
七栄等花 :
「日が沈んで、夜になるのを」
七栄等花 :
「こんな風に待ち望んだことは、なかったね」
多宝院 那由 :
「そうだね、」
多宝院 那由 :
「今まで、夜の外出とかできなかったからさ」
多宝院 那由 :
「こんなに夜にわくわくしたの、初めてだ」
七栄等花 :
「色んなとこにいこう。いっぱい夜更かししよう」
七栄等花 :
「星を見たりしよう」
多宝院 那由 :
「うれしい」
多宝院 那由 :
「星も、夜景も、家にいるときは見られないんだ」
七栄等花 :
「これからは、全部、わたしたちのもの」
多宝院 那由 :
「うん」
多宝院 那由 :
「あのね、僕、公園に行きたい」
多宝院 那由 :
「ブランコとか、滑り台とかに乗ってみたい」
七栄等花 :
「うん。行こう」
多宝院 那由 :
手を取る。同じ温度の手。握って、すこしだけ弄んで、
多宝院 那由 :
それから、等花をゆっくり、丁寧に、抱き起こす。
七栄等花 :
ナユに任せる。委ねる。
多宝院 那由 :
たくさんの目がある身体を支えて、
多宝院 那由 :
「歩ける?」そう問いかける。
七栄等花 :
「うん」
多宝院 那由 :
「……よかった」
多宝院 那由 :
そうして、ゆっくりと歩きだす。
多宝院 那由 :
等花を支えられるように、等花が失ったもののかわりになれるように、
多宝院 那由 :
等花とおなじになれるように。
七栄等花 :
歩く。それはナユにとって、吸血鬼たる多宝院那由の初めの一歩でもあった。
七栄等花 :
そしてそのまま、どこまでも行こう。
七栄等花 :
どこまでも歩いていこう。
七栄等花 :
夜から夜へ。
七栄等花 :
そのためには、この一夜を乗り越えなければならない。
多宝院 那由 :
地上へ向かう。光の当たらない、外へ。
多宝院 那由 :
その途中で、すこしだけ寄り道をする。
七栄等花 :
道草を食うのは、昔から大好きだ。
多宝院 那由 :
なんでもないようなことも、ふたりなら楽しくて。
多宝院 那由 :
終わるはずだった日常の続きを。
七栄等花 :
いちど終わりを乗り越えれば、もう終わりなんてないのだから。
多宝院 那由 :
笑って、
多宝院 那由 :
ひとつの部屋の扉を開ける。
多宝院 那由 :
調達! ほしいものは医療キット*2。興奮剤を使用します。
GM :
OK。
多宝院 那由 :
2D6+2-2>=5 (判定:笑う)
BloodMoon : (2D6+2-2>=5) > 10[4,6]+2-2 > 10 > 成功
九鹿 愛佳 :
うわー!なるほど!
九鹿 愛佳 :
完全に決戦の準備をしてる
豊四季 一澄 :
必要だね……
GM :
成功ですね。
GM :
重たいハッチを押し開ける。
GM :
多宝院家の所有する核シェルターの一つだ。
GM :
非常事態に備えての装備も十分に貯蔵している。
多宝院 那由 :
「ここね、場所は知ってたんだけどさ、入ったのは初めてで」
七栄等花 :
「えっなにこれ、すごい」
七栄等花 :
「なにこの扉の厚さ……扉……?」
七栄等花 :
物珍しそうに見ている。
多宝院 那由 :
「家の……シェルター? なんか、緊急時にここに行きなって教わってて」
多宝院 那由 :
「今、緊急時だからね」
七栄等花 :
「そうだね」
七栄等花 :
おかしくてたまらないみたいに笑って頷く。
多宝院 那由 :
「勝手に入ったの、怒られちゃうかなあ」くすくすと、楽しそうに。
七栄等花 :
「なんかめっちゃランプ光ってるもんこれ。これ絶対お家の人にバレてるよこれ」
七栄等花 :
笑っている。
多宝院 那由 :
「あはは!」
七栄等花 :
「これ絶対バレてるよ~」
多宝院 那由 :
「逃げちゃおう」
七栄等花 :
「ふふ、急がないとね」
多宝院 那由 :
「捕まらなければ、怒られない」
七栄等花 :
「だね!」
多宝院 那由 :
ずっと繋いでいた等花の手を、引いて。
多宝院 那由 :
そうして、走り出す。
多宝院 那由 :
赤いランプが通路を照らしている。
多宝院 那由 :
それがおかしくて、笑う。
七栄等花 :
いたずらをしたみたいに、笑って、走って。
七栄等花 :
EXIT。非常口と描かれた方へ。
七栄等花 :
私卓に核シェルター出したの初めて
九鹿 愛佳 :
核シェルターのパワーワード
豊四季 一澄 :
あったらびっくりですよ。
多宝院 那由 :
笑ってる
GM :
さて、メインフェイズサイクル1は狩人がすべて終わり、残すは吸血鬼の行動ですね。
GM :
というわけで、参りましょう。
九鹿 愛佳 :
そうか、なゆなゆとは別途吸血鬼あるんだっけ……
多宝院 那由 :
そうなんですよね……
多宝院 那由 :
人3人に対して吸血鬼4(+2)回なのすごいよな
多宝院 那由 :
たいへんだよ
多宝院 那由 :
ごめん……
豊四季 一澄 :
私たちも離反…同意したから……!
多宝院 那由 :
ありがとう……………………………………
1-6 七栄等花:破壊
GM :
地下鉄の線路が続いている。
GM :
遠くで駅のホームのアナウンスが聞こえる。
GM :
電車が走ると、何もかもを砕くようなすさまじい音、光、振動。
GM :
それから湿った風が吹け抜ける。
GM :
そして狩人の目の前に、吸血鬼が現れる。
GM :
九鹿愛佳の目の前に。
九鹿 愛佳 :
「……ッ!?」
七栄等花 :
「こんにちは」
九鹿 愛佳 :
追っている吸血鬼が目の前に現れる。 油断していた、というわけではないけれど。
七栄等花 :
暗闇でも、その無数の目はわずかな光を受けて照っている。
七栄等花 :
無数の濡れた輪郭があなたを見る。
九鹿 愛佳 :
不意を付かれた。 杭も握れていない。
九鹿 愛佳 :
「……、こん、にちは」
九鹿 愛佳 :
本当なら挨拶さえせずに臨戦態勢だったのに、既にペースを持っていかれている。
七栄等花 :
「ねえ、聞きたいんだけれどさ」
七栄等花 :
「どうしてあなたは、吸血鬼をそんなに殺したいと思うの?」
九鹿 愛佳 :
「……、……!」
九鹿 愛佳 :
一澄が少し前に言っていたのと、同じ状況らしいと気づく。 すぐに、口を開く。
九鹿 愛佳 :
「……吸血鬼は、人を喰らうからです。大事な人達を殺される前に、できることはそれくらいしかないので」
七栄等花 :
「私はあなたの大切なひとを殺したりしないよ、って約束したら?」
九鹿 愛佳 :
「……吸血鬼と人間が、対等だったら、約束できたかもしれないですね」
九鹿 愛佳 :
「……でも、そうじゃない。吸血鬼は、そうしようとおもったら、簡単に人間を殺せるし、人間は吸血鬼を簡単に殺せない」
七栄等花 :
じっと見ている。金縛りの術は使っていない。
七栄等花 :
「そっか」
七栄等花 :
「まあ、私もそんな感じで生徒会長に殺されちゃったわけだしね……」
九鹿 愛佳 :
「……、……そう、でしたね」
九鹿 愛佳 :
表情が少し複雑になる。
七栄等花 :
「私も人間、食べたしね」
九鹿 愛佳 :
七栄等花も、吸血鬼に殺されているのだ。
七栄等花 :
「なんで急にそんなことを言うのかって、まあ、正直私は、殺されてもいいなー、なんて、思ってたんだけれどね」
九鹿 愛佳 :
「……生徒会長のようなことは思わないから、ですか?」
七栄等花 :
「ああ、うん。私は、なんというか」
七栄等花 :
「別にずっと生きていたいとか、思わないし」
七栄等花 :
「なんか、一瞬でもいいなって。今だけでも楽しかったらいいなって」
七栄等花 :
「そんなつもりだったから」
七栄等花 :
「でも、ナユも吸血鬼にしちゃったら、そういうわけにもいかないでしょ」
九鹿 愛佳 :
「……そう、でしょうね。ナユさんは、」
九鹿 愛佳 :
「……あなたと一緒にいたいから、そうしたんでしょうから」
九鹿 愛佳 :
地下通路でのやりとりが脳裏によぎる。
七栄等花 :
「私は学校のみんな、好きだし」
七栄等花 :
「諦めてくれたら、嬉しいなって」
九鹿 愛佳 :
「……でも、あなたは、あなたたちは」
九鹿 愛佳 :
「人間を殺すんでしょう」
九鹿 愛佳 :
「……だから私は、杭を持ったんです」
多宝院 那由 :
え!? 殺すの!? 僕以外の人間を!?
七栄等花 :
独特な独占欲!
七栄等花 :
トウカ、そこまで独占欲があるほうじゃないから言わないとわからないよ!
多宝院 那由 :
そっか…………………………………………
七栄等花 :
「私たちがずっと遠くに、誰も知ってる人のいないところに行っても?」
七栄等花 :
「今日を見過ごしてくれたら、どこか遠くにいって、もうあなたとは無縁の世界にいって、それでお終いだとしても?」
九鹿 愛佳 :
「……、……」
九鹿 愛佳 :
そう言われて、一瞬、一瞬だけ考える。 等花がどうというより、ナユのことを。
九鹿 愛佳 :
トウカを殺すというのは、そういうことでもある。
九鹿 愛佳 :
それでも。
九鹿 愛佳 :
「……、……私が今見逃しても、結局どこかで同じことが起きるだけだと、思っています」
九鹿 愛佳 :
「私が、そうだったので」
九鹿 愛佳 :
「……だから、答えは変わりません。」
九鹿 愛佳 :
何を優先するかと言えば、もう、それしかないのは、あの時から決まっている。
七栄等花 :
「そっか」
七栄等花 :
2度目の「そっか」は、先ほどよりも冷たく響いた。
七栄等花 :
一歩踏み出す。ひたり、という素足の音。
七栄等花 :
眼があなたを見る。
七栄等花 :
「……あなたのご家族も、吸血鬼に殺されたんだね」
九鹿 愛佳 :
「……!!」
九鹿 愛佳 :
気配が重く感じる。
九鹿 愛佳 :
「……そう、です」
七栄等花 :
「お家にいるところを」
七栄等花 :
まるで、今、それを見ているかのように。
七栄等花 :
「ねえ」
九鹿 愛佳 :
「……、なにを、」 この吸血鬼は言っているんだろう。
七栄等花 :
「もしあなたのご家族もまた、吸血鬼になっていたら、どう?」
九鹿 愛佳 :
「……」
九鹿 愛佳 :
聞かれて、今度は、呼吸が少しの間止まった。
九鹿 愛佳 :
殺された母親が、父親が、あのとき吸血鬼になってしまっていたら?
九鹿 愛佳 :
自分は、殺せるだろうか。
九鹿 愛佳 :
あのとき、生徒会長に杭を打ち付けたように。
九鹿 愛佳 :
自分とは関係なかった、一人の吸血鬼を殺すのと同じように。
七栄等花 :
「ねえ、よく、思い出してみて」
七栄等花 :
無数の眼があなたを見る。
七栄等花 :
あなたは否応がなく、それを思い出す。
七栄等花 :
テレビがつけっぱなしだった。
七栄等花 :
現れた吸血鬼は男の吸血鬼で、スーツを着ていた。
九鹿 愛佳 :
視線が、すべての方角から自分に注がれる。固まったように、動かなくなる。
七栄等花 :
あなたの家族が死んでいた。
七栄等花 :
あなたに腕が投げつけられた、そのあと。
七栄等花 :
あなたが迫られる間、あなたの視界では、ひとつの『あり得ないこと』が起きている。
七栄等花 :
あなたの母の、もぎ取られたはずの腕が、
七栄等花 :
再び生えている。
九鹿 愛佳 :
思い出させられる記憶の中。 なにか抵抗できるものを探そうとしていた。
九鹿 愛佳 :
母親の身体の異様な状態にも気づかずに。
七栄等花 :
鋏を男に突き立てたときには、あなたの母は、もう立ち上がっていた。
七栄等花 :
どうして忘れていたのかもわからないほどに、鮮明に、あなたはその姿を覚えている。
七栄等花 :
じっとあなたを見ている母の姿を。
九鹿 愛佳 :
「……あ……、お母さーー」 さっきのは見間違いで、無事だった?
九鹿 愛佳 :
そんな都合のいい思考が紡がれる。
七栄等花 :
「ねえ、あなたのお母さんは、」
七栄等花 :
「あなたに会いたがっていた」
七栄等花 :
「殺されて、ごめんねって」
九鹿 愛佳 :
記憶と、現実のトウカの言葉が混線する
七栄等花 :
「ねえ」
七栄等花 :
「吸血鬼は」
七栄等花 :
「一回死んだ、人間は」
七栄等花 :
「幸せになっちゃいけないかな」
豊四季 一澄 :
幸福破壊に対する妨害を宣言します。
七栄等花 :
OK
七栄等花 :
ast
BloodMoon : ランダム全特技表(4,9) > 腕部9:逆腕
九鹿 愛佳 :
「……」 言葉が止まる。トウカに思い出させられた記憶との戦い。
七栄等花 :
「もし、あなたが望むなら」
七栄等花 :
「会わせてあげることだって出来る」
七栄等花 :
「だから、ねえ」
七栄等花 :
「その杭を、捨ててくれる?」
七栄等花 :
九鹿愛佳の幸福『吸血鬼への殺意』を破壊します。
九鹿 愛佳 :
一澄ちゃんの妨害を援護します。関係3で修正3
豊四季 一澄 :
妨害特技は逆腕、「予感」7に防御力1を加えて、【隠密】の-3修正を援護で相殺。
豊四季 一澄 :
2D6-3+3+1>=7 (判定:予感)
BloodMoon : (2D6-3+3+1>=7) > 8[3,5]-3+3+1 > 9 > 成功
七栄等花 :
成功ですね。
system :
[ 九鹿 愛佳 ] テンション : 10 → 13
system :
[ 豊四季 一澄 ] テンション : 8 → 11
system :
[ 豊四季 一澄 ] 激情 : 0 → 1
九鹿 愛佳 :
記憶の波から、意識が戻る。
豊四季 一澄 :
その問いかけへ返答がある前に、不意に割り入る足音がある。
豊四季 一澄 :
走り近づく影は見慣れたもの、手にしたたいまつの灯が地下空間の壁に長い影を落とす。
七栄等花 :
そうですね、トウカからアイカへの視線を遮ってくれると、助かりますね。
豊四季 一澄 :
一見して、無数の目と一対の目が見つめ合っているだけだ。けれどそこに、自分が相対した時のような空気のないことは、わかる。
七栄等花 :
恐ろしく冷たい死の気配がそこにある。
七栄等花 :
無数の視線に絡め取られて、そのまま影の世界へと引きずり込む腕のようなものが、アイカの足を掴んでいるように見えた。
九鹿 愛佳 :
相対する狩人に、いつものように吸血鬼に動じない気配はない。
視界を埋め尽くす視線に、囚われているように。
豊四季 一澄 :
その様に改めて怖気が走る。異形が彼女の身体を超えて、その周囲をも侵蝕しつつあることに。
豊四季 一澄 :
けれど足を止めることはない。「ちょっと!!」恐れに上擦る声をそれでも絞り出して、
七栄等花 :
「それに、狩人だって、残された人だって」
七栄等花 :
「思い詰めて、危険な夜に身を投げ出して」
七栄等花 :
「わざわざ辛い思いをする必要なんて、ないんだよ」
豊四季 一澄 :
近づく勢いのまま、二人の間に割り入る。
豊四季 一澄 :
利き腕で等花の目へ向けるのは、容赦ない炎の光。
豊四季 一澄 :
同時にそれと逆の手で愛佳の手を取り、引く。
七栄等花 :
アイカの耳に、その声は優しく響いた。/イズミの耳に、その声は暗闇そのもののように響いた。
七栄等花 :
「!」
七栄等花 :
強い光に遮られ、無数の目はぎゅっと結ばれる。
七栄等花 :
その瞬間、アイカはすぐに気付く。
七栄等花 :
あなたの今見ていた過去は、『見せられて』いたものだ。
七栄等花 :
本物の記憶では……ない。
多宝院 那由 :
いつの間にか、どこかの影から。現れて、トウカの手を引く。一澄が愛佳にしたのと同じように。
七栄等花 :
あなたの母は、動かなかった。
九鹿 愛佳 :
トウカの眼が閉じ、イズミに手を引かれた瞬間、意識がしっかりと戻る。
七栄等花 :
警察に移送され、検死され、そして、火葬された。
七栄等花 :
棺桶の中、薄い死に化粧、無数の花に飾られ、惜しまれ。
七栄等花 :
確かに火葬されたのを、あなたは思い出す。
九鹿 愛佳 :
「……イズミ、さん」 手を引かれながら、大きく息を吸い、吐く。そして、吸血鬼の方をもう一度見る。
多宝院 那由 :
「もう、トウカ、無茶はしないで」
七栄等花 :
トウカはナユの手にひかれる。
七栄等花 :
「ナユ」
多宝院 那由 :
そうして、狩人たちと向き合う。
豊四季 一澄 :
吸血鬼の殺意になど、人を晒してはいけない。それもたった一人でなど。
豊四季 一澄 :
だから、この場を去るつもりでいた。初めて吸血鬼というものを見た、その殺意に触れたあの日のように。
豊四季 一澄 :
その足が、止まる。
多宝院 那由 :
その瞳は、紅く。
豊四季 一澄 :
目の前に現れた、もう一対の瞳に貫かれて。
九鹿 愛佳 :
たしかに2人とも、里奈が去った後に来た関係者に、適切に処理された。それを思い出したのも、束の間。
多宝院 那由 :
仄かに光るそれを少しだけ細めて、笑う。
九鹿 愛佳 :
イズミと同じように、もう一つの紅貌に気づく。
多宝院 那由 :
「さっきぶり……いや、」
多宝院 那由 :
「はじめまして、かもしれないね?」
九鹿 愛佳 :
「……ナユ、さん……」
七栄等花 :
無数の視線は狩人へと差し向けられることなく、今はすべてナユに注がれている。
豊四季 一澄 :
否定したかった可能性が、あっさりとその一言で肯定される。
多宝院 那由 :
「……話は終わった? じゃあ、行こう」
多宝院 那由 :
等花の手を握りなおす。
多宝院 那由 :
薔薇の香りが漂う。
七栄等花 :
その香りに攫われるようにして、2人は暗闇へと消える。
七栄等花 :
遠くでは地下鉄駅のホームのアナウンスが聞こえる。
九鹿 愛佳 :
少しの間だけ見えたナユの眼は、暗がりの中でも、確かに赤かった。
九鹿 愛佳 :
2人の吸血鬼が去ったあと、改めてイズミの方に向き直る。
九鹿 愛佳 :
「……イズミさん、ありがとうございました。 ……助かりました」
九鹿 愛佳 :
それでもだいぶ疲弊したのか、肩の位置が落ちている。
豊四季 一澄 :
二人の去った方を呆然と見つめている。愛佳の言葉さえ、耳に届くのに数瞬を要した。
豊四季 一澄 :
「……あ、あー……」こちらもまた愛佳へ向いて、しかしその表情は見るからに浮かない。
豊四季 一澄 :
「……何されてたのかはよくわかんないけど、……マズそうだったからさ」
九鹿 愛佳 :
何をされていたのか、という言葉に、視線が僅かに下を向く。
九鹿 愛佳 :
「……聞かれていました。 吸血鬼に殺された私の親が、吸血鬼になっていたら、どうする、って」
九鹿 愛佳 :
「そのときの記憶も見せられて、」
九鹿 愛佳 :
確かに揺らいだ。なぜ吸血鬼を殺すのか、と聞かれたときと違って、答えることもできなかった。
豊四季 一澄 :
無理にとは、と遮る前に、ぽつぽつと語られる言葉。うつむき顔を歪めるのは、同じように。
九鹿 愛佳 :
イズミの声を聞いて、手を取られて、トウカの眼に支配されていた意識が解放されて思い出した。
九鹿 愛佳 :
自分たちは、同じように吸血鬼に大事な人を奪われることになって、だから、吸血鬼を倒しているのだと。
九鹿 愛佳 :
「……実際目の前にしたら、どうなるかわからないですけれど。けど」
九鹿 愛佳 :
「吸血鬼が生きていて、少し気まぐれで人に手を伸ばしただけで、私達と同じような人が増えます」
九鹿 愛佳 :
「……だから、私は、吸血鬼を倒す。……それが、誰でも」
豊四季 一澄 :
「……やっぱり頼りがいあるなあ、九鹿さんはさ」
九鹿 愛佳 :
「……いま、すっごくやられそうでしたよ」
豊四季 一澄 :
「でもさ、やられそうになっても、終わったらそう言えるんじゃん」
豊四季 一澄 :
「あたしはさ、今聞いてるだけで、……さっきのこと考えるだけで、どうしようって思うのに」
九鹿 愛佳 :
「ただの強がりなだけかもしれませんよ。 ……さっきだって、迷ってしまいましたから」
九鹿 愛佳 :
「……トウカさんから、こうも聞かれました」
九鹿 愛佳 :
トウカからひとつひとつ丁寧に聞かれた問が、ゆっくり思い返されていく。
九鹿 愛佳 :
「吸血鬼は、一度死んだ人間は、幸せになってはいけないのか、って」
豊四季 一澄 :
「………………」
九鹿 愛佳 :
「……私達は、どうしてもヒトだから、吸血鬼がヒトを殺した先にその幸せがあるのなら」
九鹿 愛佳 :
「殺されたくなかったら、吸血鬼がヒトを殺すことを、否定するしか、ないんですね……」
豊四季 一澄 :
「それが……それが、ヒトだったことがあっても、か……」
九鹿 愛佳 :
「……、……」 イズミの返しに、少し下を向く。
九鹿 愛佳 :
「……やっていることが一緒なら。 ……そうするしかないんだと思います」
九鹿 愛佳 :
「元から吸血鬼でも、もともとはヒトでも、」
九鹿 愛佳 :
「……奪われる側からしたら、結果は変わらないですから」
豊四季 一澄 :
「…………うん」
七栄等花 :
まあ記憶ねつ造とかしてきてるからな!
多宝院 那由 :
そうなんだよなあ~~~~!!!
多宝院 那由 :
普通に悪ーい存在だよ、記憶捏造
多宝院 那由 :
人を誑かすより悪いよ!!!
九鹿 愛佳 :
トウカから聞かれた問に自分の中でケリをつけて、次の問題を思い出す。
九鹿 愛佳 :
「……あの、……ナユさんの眼は……、」 言い切りはしないが、大方、見当はついている。
豊四季 一澄 :
「……そう、だよね」言葉にならなかったその先を、歯切れ悪くも肯定して。
豊四季 一澄 :
「『はじめまして』って言ってたのも、きっと、…………」
九鹿 愛佳 :
「そういう意味、なんでしょうね」
九鹿 愛佳 :
今まで自分たちが見ていた多宝院那由とは『違う』から。
豊四季 一澄 :
「そういうこと考えたらさ」
豊四季 一澄 :
「どうする、とか聞かれてる場合じゃ…………ない、よね」
九鹿 愛佳 :
「……そう、ですね……」 今だって、不意をうってイズミが来てくれたから良かったものの。
九鹿 愛佳 :
吸血鬼に明らかに味方する存在が増えるというのは、とても危ういし、
九鹿 愛佳 :
それが自分たちもよく知る多宝院那由で、しかも、あのような眼になっているとなれば、なおさら。
豊四季 一澄 :
そして『どうする』の答えを出すに、満月の夜はあまりにも短い。
九鹿 愛佳 :
「……まずは……、ここはでて、里奈先輩のところへ戻りましょうか」
九鹿 愛佳 :
「……ここは……たいまつがないと、暗すぎますね」
豊四季 一澄 :
「……うん、そうしよっか」と頷いて、「全然気にしたことなかったけどさ。地下鉄の外側って、こんな暗いんだねえ」
三ヶ月 里奈 :
あなたがたの頭上で、カン、カン、と音がする。
三ヶ月 里奈 :
壁に据えつけられた梯子に、里奈がいる。
三ヶ月 里奈 :
「2人とも」
三ヶ月 里奈 :
「大丈夫だったかな」
九鹿 愛佳 :
「里奈先輩! ……はい、イズミさんのおかげで」 梯子の方へ近づいていく。
三ヶ月 里奈 :
「それはよかった」
豊四季 一澄 :
声に顔を上げれば、もう一本のたいまつの光がいやに眩しく見えた。少し目を細めて、「よかった、探しに行こうと思ってて」
三ヶ月 里奈 :
そのまま上を指さして。
三ヶ月 里奈 :
「地下だけで済ませたかったけれど」
三ヶ月 里奈 :
「生憎、外はもう夜になってしまった」
三ヶ月 里奈 :
「地下にいたせいで、今日はずいぶんと」
三ヶ月 里奈 :
「夜が長い、気がするね」
三ヶ月 里奈 :
その言葉は不思議と、重たく気落ちしているかのように響く。
三ヶ月 里奈 :
里奈もまた2人が今し方知った事実を知っているかのように。
九鹿 愛佳 :
「……そうかもしれませんね。暗いところにずっといましたから」
九鹿 愛佳 :
「……それで、さっきなんですが」
豊四季 一澄 :
愛佳が口を開くなら、こちらは静かに口をつぐんでいる。今なおそれを口にするのを恐れて。
九鹿 愛佳 :
もしかしたらもう里奈も察知しているかもしれない、トウカのこととナユのことを口にする。
九鹿 愛佳 :
「……ナユさんがさっき、トウカさんのところに現れて、……ナユさんも、眼が」
九鹿 愛佳 :
紅くなっていたことを。
三ヶ月 里奈 :
里奈は深く頷く。
三ヶ月 里奈 :
「
三ヶ月 里奈 :
「……キミたちに」
三ヶ月 里奈 :
「ナユを殺す覚悟はある?」
九鹿 愛佳 :
「……、……」
豊四季 一澄 :
肩が跳ねる。
九鹿 愛佳 :
「……ナユさんが、吸血鬼になってしまったのなら」
九鹿 愛佳 :
「……することは……、変わりません」
九鹿 愛佳 :
それでも少し、六実優を相手していたときよりも、口調は弱い。
三ヶ月 里奈 :
「……よし」
三ヶ月 里奈 :
「行こう。地上へ」
三ヶ月 里奈 :
梯子を登る。
豊四季 一澄 :
結局、里奈の問いに答えることはない。一度、ふたりの吸血鬼の消えていった暗がりへ目を向ける。
豊四季 一澄 :
それから里奈の後について、梯子を上っていく。
九鹿 愛佳 :
答えなかったイズミを見つつ、2人に続いて梯子を登っていく。
三ヶ月 里奈 :
まだ夜を迎えたばかりの空は青い。
三ヶ月 里奈 :
街明かりの中に一つ、大きな満月がある。
三ヶ月 里奈 :
ずいぶんと久しいはずの地上の空気も温く。
三ヶ月 里奈 :
これから深まりゆく夜の昏さを思わせるばかりだった。
GM :
はい、ありがとうございました……!
GM :
アイカからイズミへの関係が増えて4に。
GM :
どんどん仲が深まるぞ。
九鹿 愛佳 :
声かけてもらいましたからね……