ブラッドムーン「夜に落ちる」

導入フェイズ-1

GM : こんばんは。
GM : 今晩もお集まりいただきありがとうございます。
GM : さて、早速やってまいりましょう。
GM : 今流行りのブラッドムーン体験卓 夜に落ちる /Slip into the Night
GM : #2 夜に閃く / Goodbye, All Right.

惨殺シーン

GM : 夜。
GM : 曇りがちの夜空に架かる三日月の明かりは浅い。
GM : 帰り道を急ぐ、バイト帰りの高校生。
GM : 街灯の下をくぐる。色濃い影が落ちる。
GM : 不意に街灯が割れる。
GM : 短い悲鳴。
GM : その声を塞ぐように、身体が動かなくなる。
GM : 歩いて近づいてくる足音。
GM : それから、
GM : 「ごめんね」
多宝院 那由 : ごめんね?????
豊四季 一澄 : 罪悪感は……ある……?
九鹿 愛佳 : ごめんね……

GM : はい。というわけで、導入シーンをやりましょう。
GM : PC2からでよいでしょうか。
豊四季 一澄 : はい。
GM : 新しく、さんくちゅありの狩人が幸福に増えたので、その辺りのシーンをやりたいと思います。
豊四季 一澄 : はーい!

導入:豊四季 一澄

GM : さんくちゅありは、里奈の紹介かな。
GM : 所属するわけではないんだよね。
豊四季 一澄 : はい。所属ではないんですが、互いに狩人であることまで含めて話ができることを【幸福】と捉えている感じ。
GM : おっけー。
GM : さんくちゅあり。
GM : 魔女被害者による互助会。表向きはカフェやキッチンカーなどを経営している。
GM : 六分儀高校ほど近くの、大きな池のある公園。
GM : 定期的にそこにやってくるキッチンカーと、そのカフェ。
GM : あなたは魔女被害者ではないが、同じモンスターの被害者であるのは変わらないため、そこに顔を出すのもいいんじゃないか、と里奈に勧められた。
豊四季 一澄 : 生まれたころから見知っている公園、学校帰りに寄る生徒がいるとも聞いたキッチンカー。そうしたものがあの『夜』を知るものだと伝えられても、最初は半信半疑だった。
豊四季 一澄 : けれども、自分よりよほど狩人の世に通じた里奈の言葉だ。言い回しはいつも難解で迂遠でこそあるが、嘘だったことはない。
GM : 里奈マジで迂遠だよね
多宝院 那由 : 言い回しが難解で迂遠わらっちゃう
豊四季 一澄 : 学校帰りにふと足を伸ばせる距離だったのも幸いだった。行って違ったなら、里奈に文句の一つでもつければいい。
豊四季 一澄 : それに、あの夜を抱えて。真実を抱えて一人でいるには、この昼の世はまぶしすぎる。
GM : 初夏の午後、日が翳りつつある時刻。
GM : 公園の広場にテーブルを出し、パラソルを差し、キッチンカーが止まっている。
GM : あなたが近づいてきたことに気付いて、店員はキッチンカーのカウンターに戻る。
GM : 黒板風の看板にはかわいらしい手書きの文字で、クレープやらサンドイッチなどの軽食や、飲み物が書かれている。
GM : それに合わせて商品と思わしきイラストも。
GM : 何故か犬の絵も描かれている。
豊四季 一澄 : それだけ見れば、どこにでもいるキッチンカーに変わりない。店員が戻ったカウンターへこちらも向かう。目に留めるのは看板にあるドリンクの一つ。
豊四季 一澄 : 『ラテアート承ります!」の後に続けられるいくつかのコーヒーの種類。
豊四季 一澄 : 「すみません、カフェオレ一つ。ラテアートもお願いします」
犬吠埼 : 「はーい! 450円になりまーす」
犬吠埼 : 愛想良く返事する店員は、おおよそあなたより二回りほど年上に見える女性だ。
犬吠埼 : エプロンをしているが、なにより……イヌミミをつけている。
犬吠埼 : 機嫌がよさそうに、ラテアートを作っている。
犬吠埼 : 「おまたせしました~」
豊四季 一澄 : 「ありがとうございまーす」受け取ったカフェオレを見下ろす。「わ、可愛い」描かれた犬のラテアートは本物さながら。
犬吠埼 : お金を受け取りながら、店員はあなたの目をじっと見る。
犬吠埼 : 「あ、もしかして、里奈ちゃんの紹介の子?」
豊四季 一澄 : 突然出てきた名前に、見つめられていた目が丸くなる。やはり普通のカフェではなかろうか、そう思い始めていたから尚更だ。「えっ、あ、はい、三ヶ月さん」
犬吠埼 : 「わ~、ごめんごめん、それじゃあこれ返すね! これはおねえさんのおごり!」
犬吠埼 : ぎゅっとあなたの手を取って小銭を渡す。ちょっと強引に。
犬吠埼 : それから、ばたばたとキッチンカーから出てくる。
豊四季 一澄 : 「え、でも頼んだのあたしだしっ」と言っている間に小銭を握らされてしまった。ほどなくしてカウンターを挟むでなく向かい合う。
犬吠埼 : 耳だけでなく、茶色いふさふさしたしっぽもついている。
犬吠埼 : 「えーっと、さんくちゅありの犬吠埼です。よろしくね」
豊四季 一澄 : 「さんくちゅあり」復唱する。聞いていた名前と同じだ。「………じゃあ、本当に……?」
犬吠埼 : 「そうだよ~。魔女とか、そういうのの被害者が集まったりしてる組織」
豊四季 一澄 : 魔女。普通なら、こんなところで大真面目に使われることなんて絶対にない単語だ。それが出てきたということは、やっぱり。
豊四季 一澄 : そう思い至った瞬間に、涙が溢れる。初夏の公園を行く人の気配も忘れて。
犬吠埼 : 「いやー、大変だったね、えっ、あっ、ちょ、ちょっ!」
犬吠埼 : 駆け寄って、イズミにハンドタオルを持たせる。
犬吠埼 : 背中をぽんぽんしながら頭を撫でた。
犬吠埼 : 「……大変だったねえ」
多宝院 那由 : え????
多宝院 那由 : うごくの??????
九鹿 愛佳 : とてもいいシーンなのに目がいってしまう
豊四季 一澄 : ろくに前も見えないまま手の感触だけでハンドタオルを受け取って、白いそれが涙を次々に吸っていく。
豊四季 一澄 : 叩かれる背のリズム。数週間で何度も言われたはずの言葉が、そのどれより実感を持って脳裏に染み込む。
豊四季 一澄 : 「……すい、ま、せ」
豊四季 一澄 : 「なんか」
豊四季 一澄 : 「なんか、……ひとりじゃないんだ、って」
犬吠埼 : 「うん、大丈夫、ひとりじゃないよ」
豊四季 一澄 : そう言われれば、もうその後は言葉にならない。
犬吠埼 : 「モンスターのこと、みんなに言えなくて、大変だよね」
犬吠埼 : 「大変だったのに、みんな、そんなの全然知らなくって」
犬吠埼 : 「自分だけで抱えるのは、つらいよね……」
犬吠埼 : 犬吠埼の頭の耳が、ぺたんと倒れている。
豊四季 一澄 : 「だれにも」
豊四季 一澄 : 「だれにも言えなくて、嘘ばっかりついて」
犬吠埼 : 「うん」
豊四季 一澄 : 「ここだと」
豊四季 一澄 : 「ここだと……そうじゃなくて、いいですか……」
犬吠埼 : 「うん」
犬吠埼 : 「大丈夫」
犬吠埼 : ぎゅっと抱きしめる。犬吠埼の体温は高い。
犬吠埼 : 「おねーさんにいっぱいお話して。聞くからね」
豊四季 一澄 : よぎったのはあの葬儀の日のこと。けれど今ある体温はあの日の父よりもだいぶ高くて、やわらかい。
豊四季 一澄 : その腕の中で頷く感触が、どれほど伝わるだろうかなど考える余裕もなかった。
豊四季 一澄 : 「……うん、……うん…………」
犬吠埼 : そっと放して、
犬吠埼 : 「甘いもの好き? パンケーキとか、クレープとか。ガレットもあるよ」
豊四季 一澄 : 持ったままだったタオルで涙を拭いながら顔を上げる。変わった話題に、きょとんとした顔をしつつも。
豊四季 一澄 : 「……クレープ、いいな」
犬吠埼 : 「おっけー! ちょっと待っててね」
犬吠埼 : 「ちょっとビターなお話をするなら、甘いものも口にしないとね」
犬吠埼 : 初夏の日差しは木の葉に透けて、緑色の影を落とす。
犬吠埼 : 犬吠埼が手際よく作業する物音。
犬吠埼 : クレープと、自分の分のカップを持って、犬吠埼は再びキッチンカーから出てくる。
犬吠埼 : 椅子に座るとき、しっぽは巻き込まれないようするりと椅子の背のほうへ抜けた。
犬吠埼 : 「はいどうぞ~」
豊四季 一澄 : 「ありがとうございます」と受け取りつつ、
豊四季 一澄 : 「……あの、これ……もうちょっと、借りてていいですか」と、折りたたんでテーブルの自分側に置いてあるタオルを示す。
犬吠埼 : 「うん、もちろん」
豊四季 一澄 : 「よかった、……たぶん、すごい使うと思う……」
犬吠埼 : 「今日はハンカチじゃなくてハンドタオルでよかった」
犬吠埼 : ポケットでぬくぬくになってるハンドタオルです
九鹿 愛佳 : 私物のハンドタオル……
多宝院 那由 : 優し・・・・・・・・・・・・・・・・・
豊四季 一澄 : 頷きつつ、姿勢を正して向き直り。
豊四季 一澄 : 「……三ヶ月さん、あたしのこと、どういう風に言ってたんですか?」
犬吠埼 : 「うん? 里奈ちゃんはねえ、一緒に狩りした子が行くかも知れないから、よろしくね、って」
犬吠埼 : 「あの子、寄り添うの下手だからねえ……」
犬吠埼 : ずず、とカップで牛乳を飲んでいる。
豊四季 一澄 : 少しだけおかしそうに口の端を上げたが、それが声に出るほど元気ではない。
豊四季 一澄 : 「はい、……初めての時に、ついてきてもらって。その前から、いろいろ教えてもらったり……」
犬吠埼 : 「頑張らなきゃ、って、思ったでしょ」
犬吠埼 : 「大切なものを守らなきゃ、って」
豊四季 一澄 : 図星を突かれて、木目のテーブルへ視線を落としてうつむく。
犬吠埼 : 「少なくとも、ここにいる間だけでも、肩の力を抜けるといいな」
犬吠埼 : 「色々知っちゃうと、たいへんなんだよね」
犬吠埼 : 「たぶん本当は、知らない方が、ずっと楽でね」
犬吠埼 : 「知らない方が楽で、忘れちゃった方がきっとたいへんじゃなくて」
犬吠埼 : 「それでも、頑張ったんだねえ」
豊四季 一澄 : タオルすら間に合わずに、テーブルに大粒の涙がぼたぼたと落ちる。
豊四季 一澄 : 「がんばった」
豊四季 一澄 : 「がんばったのに」
豊四季 一澄 : 「がんばった、のに…………」
犬吠埼 : 「うん……」
豊四季 一澄 : 「ぜんぜん、守れなくて」
豊四季 一澄 : 「あたしのほうが」
豊四季 一澄 : 「あたしのほうが……」
犬吠埼 : 「うん……」
犬吠埼 : 「わかるよ」
犬吠埼 : 「わたしも、守れなかった」
豊四季 一澄 : なお涙の浮いた目で、犬吠崎を見上げる。
犬吠埼 : 「わたしはねえ、片思いしてた人がいてねえ」
犬吠埼 : 「でも、魔女にやられちゃったんだよね」
豊四季 一澄 : 「魔女に……」吸血鬼とたった一度の邂逅を果たしただけの狩人は、魔女について未だ明るくない。
豊四季 一澄 : けれどその声色に、自分と同じ哀しみの宿っていることは、わかる。
犬吠埼 : 同じ温度の沈黙が横たわる。
犬吠埼 : けれどそれは気まずいものではなく、
犬吠埼 : 何かを分かち合うために必要な沈黙だった。
犬吠埼 : 「守りたかった、のは」
犬吠埼 : 家族? 友達? 恋人? そう尋ねるように言葉をそれで切る。
豊四季 一澄 : 「守りたかった、のは」
豊四季 一澄 : 「弟です」
豊四季 一澄 : 「双子の、弟」
犬吠埼 : 「……そっかあ」
犬吠埼 : 「お名前は?」
豊四季 一澄 : 「かずま」
豊四季 一澄 : 「豊四季、一馬っていいます」
犬吠埼 : 「カズマくんかあ。大切だったんだね」
豊四季 一澄 : 「向こう見ずで、考えなしで、あたしとも喧嘩してばっかりで」
犬吠埼 : うん、うん、と頷いて聞く。
豊四季 一澄 : 「でも、でも……二人でいるのが、あたりまえで……」
豊四季 一澄 : 「危ない目になんか、遭ってほしくなくて……」
犬吠埼 : そうだよね、と相づちを打つ。
豊四季 一澄 : 「なのに、なのに、そういうのぜんぜんわかってくれなかった」
豊四季 一澄 : 「なんであたしのほうが守られてるの」
犬吠埼 : 「それ、は……」
豊四季 一澄 : 「キレたくたって」
豊四季 一澄 : 「キレる相手がいないんじゃ、どうしようも、ないのに…………」
犬吠埼 : 「多分、きっと、」
犬吠埼 : 「カズマくんも……」
犬吠埼 : 同じように思っていたから。
豊四季 一澄 : ハンドタオルに顔をうずめて、「…………あいつから見たら」
豊四季 一澄 : 「あたしも、ばかだったんだな……」
犬吠埼 : 「……誰かに助けてもらったり、するとさ」
犬吠埼 : 「辛くて、自分を責めたくてたまらないのに」
犬吠埼 : 「助けられたって思うと、自分を傷つけたり、粗末にすることも、できなくて」
犬吠埼 : 「どこにもやれない感情で、いっぱいになる」
犬吠埼 : 「わたしとか、あと、いたらあなたの仲間にも、いっぱい吐き出して欲しいな」
犬吠埼 : 「これは、すっごく、私自身のことだけれど」
犬吠埼 : 「そうして誰かに寄り添えたら、わたしも守られた意味があったのかなって、思えるから」
豊四季 一澄 : 湧き上がりながらも行く先を失い、わだかまり続けていた感情が、とつとつと語られる言葉の一つ一つに名付けられていく。
豊四季 一澄 : 「……仲間は」
豊四季 一澄 : 「みんな、あんまり、狩ったことなくて、あたしと同じ、初めての人もいて」
豊四季 一澄 : 「みんな、大変だった、から……」
多宝院 那由 : そう ほんとに ほんとうに
多宝院 那由 : ほんとうにすまないね……
九鹿 愛佳 : みんなみんな余裕がない
犬吠埼 : 「そっか……」
犬吠埼 : 「でも、それなら、」
犬吠埼 : 「もしかしたら仲間も、みんな、心に抱えたものを、言えないでいるかもしれないよ」
犬吠埼 : 「もしかしたら、あなたがみんなに、辛い、っていうことで、」
犬吠埼 : 「まわりのみんなも、あなたに辛いって言えるかもしれない」
犬吠埼 : 「もしそうしようって思ったら、ちょっと勇気を出してみて」
犬吠埼 : 「あなたのその辛さが、辛いって思ってること、そのものが」
犬吠埼 : 「もしかしたら、仲間を楽にするきっかけになるかもしれないよ」
豊四季 一澄 : しばらくは、泣き腫らして赤くなった目を丸くして犬吠崎を見ていた。これまでの考えとまったく逆のことが腑に落ちるには、少し時間がかかる。
豊四季 一澄 : 「……そうかな」と半信半疑の声を漏らしつつ。
豊四季 一澄 : 「でも……もし、そうだったら。みんなに、あたしから見えてるより、ずっとつらいことがあったら」
豊四季 一澄 : 「楽になったほうがいいに、決まってるもんね……」その重みは十分すぎるほど知っている。一時とはいえそれを下ろせた時の安堵も、今まさに味わっている。
犬吠埼 : 「うん」
犬吠埼 : 優しく微笑んで応える。
犬吠埼 : おもむろにイズミの手を取り、
犬吠埼 : 「吐き出してくれたお礼、っていうのも変だけれど」
犬吠埼 : 頭を差し出しながら、手をイヌミミに運ぶ。
犬吠埼 : 「うーん、秘密の共有?」
犬吠埼 : その耳は温度を持っている。
犬吠埼 : 明らかに血が通っている、犬のそれと同じ手触りだ。
犬吠埼 : イミテーションではないと、すぐにわかるだろう。
豊四季 一澄 : 「?」手を取り導かれるまま、コスチュームとしか思っていなかったその耳に触れて。
豊四季 一澄 : 「…………!!!!」
犬吠埼 : 「いやー、あのさあ、理由が理由で、恥ずかしいんだけど」
犬吠埼 : 「好きな子のタイプだったらよかったのにな、って願いを、叶えられちゃってさ」
犬吠埼 : 「そしたら、生えちゃった」
多宝院 那由 : エ・・・・・・・・・・・・・・・
九鹿 愛佳 : ?????
豊四季 一澄 : 背徳が叶ってしまったら……もとには戻らない……!!
九鹿 愛佳 : これが……背徳……!!??
犬吠埼 : 主武装犬(セルフ)
豊四季 一澄 : セルフ。
多宝院 那由 : セルフであることだな……
犬吠埼 : 等花もボディから行くタイプの犬だし、里奈も犬だし、犬系NPCがおおい
犬吠埼 : 「これ、結構大変なんだよ~。よそで働けないし」
犬吠埼 : そう言って、冗談めかして笑う。
豊四季 一澄 : 確かに、さっき話した時には言っていた。「片思いの人」がいたと。……その連関に、何も言えずに口をぱくぱくとさせていて、
豊四季 一澄 : けれど目の前で笑うその人を見ていたら、
豊四季 一澄 : 元には戻らぬ傷を抱えて、いつかはこう笑えるのかもしれないと思った。それは明日でも、来月でも、来年ともつかなくとも。
豊四季 一澄 : その思いが自然、表情へ滲み出て、薄い笑みの形をつくる。
犬吠埼 : 「ふふ、やっと笑ってくれたねぇ!」
犬吠埼 : イズミの手を耳にあてがわせたまま、犬吠埼もまたイズミの頭に手を置いて、よしよしと撫でた。
豊四季 一澄 : 「え、笑ってました? ……そっかあ」自覚すればさらにその笑みは深まって、拒むこともなく撫でられている。今日会った人だとは思えないほどに近く。
犬吠埼 : それから、言えないでいたこと、重たかったこと、どうでもいいこと、軽い冗談、モンスターに対する文句や愚痴、etc.
犬吠埼 : 甘い物と飲み物を交えて、日が沈むまで色々なことを話した。
犬吠埼 : 連絡先を交換すると、「いつでも連絡して!」とその場で犬のスタンプをおくり。
犬吠埼 : あなたが決してひとりではないということを、等身大のすべてを尽くして、犬吠埼は伝えるだろう。

犬吠埼 : はい!!! ありがとうございました!!!
豊四季 一澄 : ありがとうございました!! 幸福を全身に浴びた……
多宝院 那由 : こ 幸福……
豊四季 一澄 : これは 幸福ですよ まごうことなき幸福……
多宝院 那由 : お犬さま お犬さまかわいいね 幸福だね……
九鹿 愛佳 : とてもかわいかった……
GM : では、アイカさんいきますか~!
九鹿 愛佳 : はーい

導入:九鹿 愛佳

GM : 先日の事件からすでに一ヶ月は経ようとしている。
GM : もう一度、満月の夜が来る。
GM : 日ごとに増える被害者。
GM : しかし、まだその吸血鬼の所在を、狩人達は掴めていなかった。
GM : あなたと里奈は、夜の街をうろついている。
三ヶ月 里奈 : 「見つからないね」
九鹿 愛佳 : 「……また血戒でしょうか。 こうまで音沙汰もないと」
三ヶ月 里奈 : 里奈はもう回復している。狩人という人種は、不思議と回復力だけは長けている。傷つくことを知っているから、治すことも知っているかのように。
三ヶ月 里奈 : 「反理想郷血戒……あれはとても強力な血戒だった」
三ヶ月 里奈 : 「事件が起きていることすら、他の狩人はほとんど知らないでいたくらいだ」
多宝院 那由 : そうだねえ…………………………
多宝院 那由 : もうだめだ 六実さんまわりのことですぐ限界になる
三ヶ月 里奈 : 六実、優秀だったんですよ
多宝院 那由 : そうだねえ!?!?!?!?!?!!??!??
豊四季 一澄 : ほんとうにそうですね…………
三ヶ月 里奈 : 「今回は、他の組織の狩人も把握している。認識操作は、されていないはず」
九鹿 愛佳 : 「……なるほど。 ……それはそうと」
九鹿 愛佳 : 「里奈先輩、身体の方はもう大丈夫なんですか。私も心配できる立場でもないかもしれませんが」
三ヶ月 里奈 : 「まだ本調子とは言えない。残念ながら」
九鹿 愛佳 : 先日の戦いでは、手酷い怪我を負うことになってしまった。もちろん、覚悟の上で臨んでいるはずだろうけれど。
九鹿 愛佳 : 「……私達が本調子ではないからと言って、吸血鬼がお休みしてくれるわけではないですからね」
三ヶ月 里奈 : 「そうだね。本当にそうだ」
三ヶ月 里奈 : 「それに、気がかりなこともある」
三ヶ月 里奈 : 「前回の狩りにおいて、私を襲ったのは六実だと思ったんだが」
九鹿 愛佳 : 「……気がかりなこと……、え、」
三ヶ月 里奈 : 「あの反理想郷血戒には、『金縛り』の効果はない」
三ヶ月 里奈 : 「私は……もう1人、あの場に吸血鬼がいたんじゃないかと思っている」
九鹿 愛佳 : 「……、……」 少し、考える。全く思いもしなかったことが里奈の口から出てきた。
三ヶ月 里奈 : 「それに、六実はわざわざ刃物なんて使わなかった」
九鹿 愛佳 : 「……仮にもう一人いたとしたら……、……出てこなかったのは……」 考えがまとまらない。いったいその吸血鬼は、なにをしようとしてその場にいたのだろう。
三ヶ月 里奈 : 「そう」
三ヶ月 里奈 : 「私にはそれが気になるんだ」
九鹿 愛佳 : 「……、……見ていた、ということなんでしょうか」
三ヶ月 里奈 : 「かもしれない」
多宝院 那由 : え? 怖すぎる
豊四季 一澄 : 我々が生き延びたのは……じゃあ……
多宝院 那由 : (様々な可能性を考え、滅ぶ人)
多宝院 那由 : 今必死で素数数えてる
多宝院 那由 : ヤダーーーーーッッッ怖い
多宝院 那由 : ほんとうにこわい………………………………
九鹿 愛佳 : 「もし、六実優を同じように学校を根城にしていたのだったら……、当然出てくるでしょうから」
九鹿 愛佳 : 「……偵察がてら、里奈先輩を襲った、とかだったら、だいぶ嫌らしいですね」
三ヶ月 里奈 : 「ああ」
三ヶ月 里奈 : 「学校にも被害者はいるけど、それに限らないからね」
三ヶ月 里奈 : 「その可能性はある」
九鹿 愛佳 : 「六実優を倒してからも引続き被害が起きていて」
九鹿 愛佳 : 「これだけ探しても尻尾をつかめないというのは……、あのときに見られて、覚えられてる可能性はありますね」
三ヶ月 里奈 : 「そうだろうね。幸い、私たちの身辺を狙われたりはしていないけれど」
九鹿 愛佳 : 「こちらの動きを見られて、その度に動かれるとなると……、考えないといけませんね。闇雲に探しても、煙に巻かれるだけかもしれません」
三ヶ月 里奈 : 「実際、我々のパトロールは功を奏しているとは言えないからね」
九鹿 愛佳 : 「他の狩人の情報も、できれば手に入れたいところですが……」 自分にはまだ、そんなコネはない。
三ヶ月 里奈 : 「私の方のネットワークでも、まともな情報は少ない」
三ヶ月 里奈 : 「学院の方では、『ハロウィンの魔女』で話題が持ちきりでね」
三ヶ月 里奈 : 「まだ夏なのにハロウィンだなんて、とんだ冗談みたいな魔女だけれど」
三ヶ月 里奈 : 「まあ魔女っていうのは悪い冗談そのものだからな」
九鹿 愛佳 : 「……魔女、……吸血鬼以外にもいる、脅威ですよね」 そして里奈はそっちが専門、というのは聞いたかもしれない。
三ヶ月 里奈 : 「そうだよ。魔女は願いを叶える」
九鹿 愛佳 : 「狩人が相手にするようなのは、だいたい悪い冗談以上ですからね」
九鹿 愛佳 : 「……願いを叶える? ……あまり、詳しくはまだ知らないですけれど。魔女のことは」
三ヶ月 里奈 : 「常識の範疇にしてほしいね、まったく」
三ヶ月 里奈 : 「ああ、うん」
三ヶ月 里奈 : 「そう、願いを叶えるんだ、魔女は」
三ヶ月 里奈 : 「奴らはとくに、そう。叶えてはいけないと押さえつけている、むしろ押さえつけていなければいけないような強い願いが大好物でね」
三ヶ月 里奈 : 「もしかしたらキミも相対するかもしれない。狩人を続けていると」
九鹿 愛佳 : 願いを叶える、その言葉だけ捉えれば、悪いものではないようにも思えるが。
九鹿 愛佳 : 里奈の言い方、「強い願い」が大好物。その言いぶりからすると、吸血鬼に勝るとも劣らない食べ方をするのだろうか。
九鹿 愛佳 : 「……そうですね。 今の吸血鬼騒ぎが落ち着いたら、他の存在についても、ちゃんと知らないといけないですね」
三ヶ月 里奈 : 「全く、頼もしい後輩だね、キミは」
九鹿 愛佳 : 里奈のいうように、この世界にいるのは吸血鬼ばかりではない。自分もまた、関わっている以上、他の何かとぶつかる可能性は、ゼロではない。
九鹿 愛佳 : 「……もう知ってしまいましたから」
九鹿 愛佳 : 世界の夜を。
三ヶ月 里奈 : 「しかし……今日も手がかりはなし、か」
三ヶ月 里奈 : 「少し早いが、解散しよう」
九鹿 愛佳 : 「……はい。今日もありがとうございました。 次は……どうしましょうか」
三ヶ月 里奈 : 「明日は満月の夜、だけれど。吸血鬼も身元がバレていない上で、無茶はしないだろうね」
三ヶ月 里奈 : 「私は他の狩人のヘルプだな。千葉の方で狩りが行われるみたいでね。アイカさえ良ければ、キミも一緒にどうかな」
九鹿 愛佳 : ここでの吸血鬼被害を探さないといけない。けれど、今のところ手がかりらしい手がかりは見つけられていない。
九鹿 愛佳 : ひとりで闇雲に探すよりは、ひとまず目の前の手伝いをするのも手だ、と思う。
九鹿 愛佳 : 人手の足りない吸血鬼の戦いの過酷さは、身をもって、知ってしまった。
九鹿 愛佳 : 「はい。私で力になれそうなら、ぜひ」
九鹿 愛佳 : そう言って、里奈の誘いに乗る。
三ヶ月 里奈 : 「助かるよ。それじゃ、帰ったら連絡する。資料を送るね」
九鹿 愛佳 : 「よろしくお願いします。里奈先輩も……お気をつけて」
三ヶ月 里奈 : 「ああ。気をつけて」
三ヶ月 里奈 : ほとんど満月に近い大きな月が、道を照らしている。
三ヶ月 里奈 : しかし、本当の夜、真なる満月を知るあなたがたには、それがいまだ満たされざる月であることを知っている。
GM : 2人は帰路につく。方面が逆になるまであるいて、道ばたで別れた。
GM : そうしてあなたが一人になると、唐突に声がする。
GM : 老年の男性の声だ。
九鹿 愛佳 : 声が聞こえて、立ち止まる。
GM : それまでそこにいたという気配はない。
??? : 「お前の中に」
??? : 「炎が見える」
九鹿 愛佳 : 同時に、戸惑う。一瞬、吸血鬼かとも思ったが、それなら声もかけずに仕掛けてくるだろう。それなら、これは誰だ。
九鹿 愛佳 : 「私の中に……炎……?」
九鹿 愛佳 : この老人の声が指し示すのは、何のたとえか。 気配を辿ろうとしても、辿れない。それだけで、なにか"違う"存在だというのは、なんとなく感じる。
??? : 「お前の倒すべき敵は、この街にいる」
九鹿 愛佳 : 「……、……吸血鬼」
??? : 「これを使いなさい」
??? : 老人は足下に置いた革張りのトランクを開けると、そこには杭が入っている。
??? : 一見、なんの変哲も無い杭。
九鹿 愛佳 : 「……あなたは……、……いいえ、なんでそれを……」
九鹿 愛佳 : トランクへ、一歩近づく。そこに入っているのは、自分が使っている獲物と同種のもの。
??? : 「我々は」
??? : 「ウィッカーマン」
??? : トランクの内側に、黒い炭で殴り書きされたような、人型のマーク。
九鹿 愛佳 : なぜこの声の主が自分のことを知っているのか、それは分からない。
九鹿 愛佳 : 「……ウィッカーマン……」 聞こえた声を、繰り返す。
??? : その人型は貫かれ、その内側に炎を宿している。
九鹿 愛佳 : わからなくても、1つだけ、分かることがある。
??? : 「この印は、我々が倒すべき敵であり、」
??? : 「また、我々そのものを示す」
九鹿 愛佳 : この杭は、この街でいま蠢いている吸血鬼を殺すために、あるものだ。
??? : 「吸血鬼は串刺しにすべきであり」
??? : 「吸血鬼は磔刑にしたのち火に炙るべきである」
九鹿 愛佳 : トランクを前に屈み、渡されたその杭を手にする。
??? : 老人は頷く。
??? : 「そして、お前は、未だ尚、貫かれているままだ」
??? : 「お前のもとに舞い込んできた悲劇に、胸を、貫かれたままだ」
九鹿 愛佳 : その老人の言葉は、妙に、自分の持つ感情に寄り添うもののように聞こえた。
九鹿 愛佳 : 「……」
??? : 「胸を貫いたものが血をしみ出させたかのように、赤く燃える炎」
??? : 「その炎が絶えるそのときまで」
九鹿 愛佳 : 「……、……」 この老人は、一体どこまで知っているのだろうか。すべて、知っているのだろうか。
九鹿 愛佳 : 「……改めて言われなくても、知っています。知っているし、変わらない」
九鹿 愛佳 : 「この杭が、吸血鬼を貫くためにあるものなら……」
??? : 頷く。
九鹿 愛佳 : 「私も……」
??? : チリチリと音がして、老人はつま先に火を宿す。
九鹿 愛佳 : 吸血鬼を貫くために、いま、ここにある。
??? : 紙を燃やすかのように、そのまま火が這い上がる。身体を燃やしていく。
??? : 「そう」
??? : 火が過れば灰へ。灰は風に巻かれて解けて消え。
??? : 「ウィッカーマンだ」
九鹿 愛佳 : 火とともに、消えていく。まるで、この瞬間が夢だったかのように。
九鹿 愛佳 : しかし、手に収めた杭は、確かにそこにある。
九鹿 愛佳 : ウィッカーマン。その言葉の意味するところは、また里奈に聞かなければわからないかもしれないが。
九鹿 愛佳 : それは、吸血鬼を串刺しにして、焼べるもの。
九鹿 愛佳 : 自分もまた、そう在れるように。
九鹿 愛佳 : 杭を仕舞って、火の燃えさかっていた場所から、暗い夜へと帰っていく。
多宝院 那由 : このシーンマジでめちゃくちゃかっこいいな………………!!?!?!?
豊四季 一澄 : そう マークができたんだよな 各組織……
多宝院 那由 : 焼肉杭ウィッカーマン、最高に解釈が綺麗だな すごいな
豊四季 一澄 : 吸血鬼を「串刺しになる」側にする いや 実にいい…………
多宝院 那由 : か かっこいい……………………
多宝院 那由 : かっこよすぎる
豊四季 一澄 : 何から何まで最高のウィッカーマンをお出しされて見てるだけのこちらまで発火しそう。
??? : 完全にやりたいほうだいした
多宝院 那由 : 最高・・・・・・・・・・・・・
豊四季 一澄 : めちゃくちゃかっこよかった。
GM : アイカさんがめちゃめちゃ合わせてくれてすごくありがたい……かっこよくなった……
多宝院 那由 : かっこいい ほんとに すごい
九鹿 愛佳 : 脳直レスにお付き合いいただいてありがとうございました……???
多宝院 那由 : 愛佳ちゃん、ウィッカーマン、合う……………………
九鹿 愛佳 : 解釈一致
豊四季 一澄 : 脳直であれが出てくるの、やっぱりシリーズ2回目とは思えないよ……
多宝院 那由 : ホントですよ うますぎる 静かに燃える殺意の炎が
九鹿 愛佳 : なんか自分も杭なんだな……というのを自覚した感じがある
GM : 絶対ウィッカーマンのシーンやりたいなって……思ってたから……仕事中に……
GM : アイカさんぴったりだから……
多宝院 那由 : ぴったりすぎる……………………
九鹿 愛佳 : とてもたのしかった ありがとうございます 大変濃い時間だった……
多宝院 那由 : ほんとにめちゃくちゃすごい こんな解釈一致ある? すごい

導入:多宝院 那由

GM : ナユは退院して、学校に通学できるようになるまで、結局六月の頭までかかりました。
GM : 表向きは交通事故ということにされています。暴動事件に巻き込まれたというのは、事件との関連が予想されるので、家がそう処理しました。
GM : さて。久しぶりの通学ですね。通学しましょう。
GM : というわけで、朝。
GM : 久しぶりに見た学校は、痛ましい姿です。色んなところが壊れているし、机の数が少ない。
GM : とはいえ、いつもずっと暗い顔でうつむいてはいられませんからね。
GM : 学校はそれでも、人間が備えている回復能力を働かせるがごとく、高校生活の日常というものを取り戻そうとしています。
多宝院 那由 : 「暴動事件」の傷をひとつひとつ確認しながら、しかし表向きには不自然なほど気にしないように。正しい姿勢で歩いて、学校に入る。
多宝院 那由 : 交通事故ということになっているが、体に傷はない。いつもの真白いカーディガンに、大きな白いリボン。
多宝院 那由 : 増えたものと言えば、首のチョーカーだけ。
多宝院 那由 : 皆に挨拶を返して、正しく手を振って。
GM : 久しぶりの登校に、クラスのみんなはナユを歓迎します。
GM : 大丈夫だった? とか 大変だったね、とか。
GM : 思ったより元気そうでなにより、とか。
多宝院 那由 : 心配ありがとう、大丈夫。ひとつひとつに丁寧に返事をしながら、席に向かう。
GM : そんな感じで、朝礼の時間が始まる。
GM : 担任の先生が、今日から多宝院が復帰する。まだ無理させないようにみんなも気をつけてやってくれ、と話す。
GM : 机にはプリントがたまってますね。
多宝院 那由 : 数人が振り向いてこちらを見た。にこやかに返す、その微笑みは以前と全く変わらない。そのつもりだ。
GM : いくらかはちゃんと家の方に届けられていたんですが、前日の分は今日来ると言うことで届けられていないんですね。
多宝院 那由 : じゃあ机から出して、きちんと丁寧に角を揃えてから、一枚一枚めくって見ましょう。
GM : わら半紙に刷られた中間テストの日程とか、休んだ分に対する、夏休み中の補習とか。
GM : プール開きのお知らせとかもあります。
多宝院 那由 : 一度目を通せばいいもの、予定表に書き記すべきもの、提出物などの保管が必要なもの、などに整理していく。
GM : 後は各授業のプリント類ですね。
多宝院 那由 : 補習の紙は数秒見つめた。
多宝院 那由 : 補習なんて人生ではじめてだ。
多宝院 那由 : ……人生ではじめてのことが多すぎて、今更といえばそうだが。
多宝院 那由 : 興味深くそれを見る。
GM : 数学Bのベクトルの演習問題や、
GM : テスト範囲の英語の熟語をまとめたもの。
多宝院 那由 : 思ったより授業は進んでいなさそうだ。この量なら、家で教科書をさらって問題集を解けば十分に追いつくだろう。
多宝院 那由 : とはいえ、最近は家で銃の練習もしている。前と比べ、勉強時間は少なくなる。
GM : 授業のプリントの中に紛れて一つ、部活動の大会結果のプリント。
多宝院 那由 : しばらく体育は見学だ。問題を読んで覚えておいて体育の時間中に解けば間に合うだろうか、
GM : 同時期にあったいくつかの部活動の結果が、まとめて記されてます。
多宝院 那由 : そんなことを思いながらプリントをめくっていき、
GM : めぼしい結果を上げた部活から報告されており、一番上を飾るのは男子柔道部。
多宝院 那由 : 大会結果のプリントに目が留まって。
多宝院 那由 : 真っ先に、等花の名前を探す。
GM : それから卓球部に、ラクロス部。
GM : あなたの所属していたライフル部はありましたが、2回戦止まりですね。
GM : 等花。
GM : そう、七栄等花は、クラスにいない。

***15発言/10秒くらいの速度で打ち込まれるPC1PLの悲鳴***

豊四季 一澄 : …………!?
九鹿 愛佳 : クラスにいない……!
多宝院 那由 : オエッ
多宝院 那由 : そうだよね
多宝院 那由 : なんかさあ
多宝院 那由 : 朝きてさあ
多宝院 那由 : なにも
多宝院 那由 : なにも
多宝院 那由 : いわれなくて
GM : そうですね。
九鹿 愛佳 : たしかに……
多宝院 那由 : なにも
九鹿 愛佳 : おかしい……
豊四季 一澄 : そうか……あんなに待っててくれた人が何もないわけない……
九鹿 愛佳 : 家に迎えに来てさえいそうだったのに……
GM : 等花の名前があがるまで淡々とずっと日常描写しようとおもって、した。
多宝院 那由 : オエッ
多宝院 那由 : オエ
多宝院 那由 : なんで
多宝院 那由 : どうして
多宝院 那由 : ちょっとまって?
多宝院 那由 : これ え?
九鹿 愛佳 : 積み重なるだけ重くなるやつ……
多宝院 那由 : なんで?
多宝院 那由 : な、なんで?
GM : あなたが顔を上げたとき、等花がいるべき場所を見やったとき、
多宝院 那由 : プリントをもういちど見る。やはり名前が見つからなくて、
GM : そこに机はなかった。
GM : そしてすぐに思い出す。いや、忘れるはずはない。
GM : 通常なら忘れるはずはないことであるのに、あなたは忘れていた。
GM : 七栄等花が教室にいないのは。
GM : あの満月の夜を迎えるよりも前からだ。
GM : あなたはそれを忘れていた、たった今まで。
多宝院 那由 : プリントを置く。
GM : すぐに分かる。その違和感は。反理想郷血戒が壊されたから。
GM : だからあなたは、思い出すことができたのだと。
多宝院 那由 : それは正しく鞄にしまわれる。
GM : その情報は、認識は、血戒によって検閲されていたのだと。
多宝院 那由 : 首を振る。空気を吸う。少し止めて、吐く。
GM : ナユが等花を学校で見たのは、あの晩。あなたを頼って家に来てから。
GM : それから彼女を学校で目撃していない。
多宝院 那由 : 首元のリボンに触れる。
多宝院 那由 : 大きな石の装飾がついたリボン。指を滑り込ませて、その裏に隠されているところをなぞって。
GM : しかし病院でのトウカは確かにいた。何度もあなたの病室を訪れて、ありあまる時間を埋めようとした。
多宝院 那由 : 何もかもがたいへんなことになってるんですけど、でもいましたよね? 病院にいましたよね
GM : いましたね
多宝院 那由 : 病院に……?
多宝院 那由 : 家に帰ったらいますか??????????
GM : 帰ったらわかるんじゃないですかね。
多宝院 那由 : オエッ……
多宝院 那由 : 帰りたい いますぐ
GM : 帰ってもいいですよ
多宝院 那由 : 早退していい???
GM : いいですよ
多宝院 那由 : ありがとう……
多宝院 那由 : ゆっくり席を立つ。心配する友人に、保健室に行ってくる、と言って。
多宝院 那由 : 養護教諭に体調不良であると伝え、早退する。
GM : あなたの申し出は速やかに認められる。
GM : 復帰後すぐ。なにより、あなたは無類の信頼を持っているのだから。
多宝院 那由 : 手が汗ばんでいる。顔色がどうであるか、確かめる余裕もない。
多宝院 那由 : そうして、帰路につく。
GM : 連絡がいき、家のものがすぐに向かえに来ます。
GM : 色々と気遣い、病院に行くか行かないかなどの問答もありつつ、家へ。
多宝院 那由 : 自室で休めばよくなるから、と伝える。
多宝院 那由 : そうして、部屋の扉を開けた。3部屋ある自室のうち最も落ち着いている、寝室。
多宝院 那由 : 等花を招き入れた部屋。
GM : ドアが開く。軋む音一つも立てず。
GM : 締め切られている。重たいカーテンは降ろされて、窓からの明かりも入らない。
GM : 踏み入れますか?
多宝院 那由 : 踏み入れます。
GM : 毛足の長い絨毯は、あなたに一つの足音も立てさせはしなかった。
GM : 沈黙を埋めるのはあなたの呼吸と心拍音だけ。
GM : 明かりは付いておらず、暗い。
多宝院 那由 : 長い廊下を走った。だから息の音が大きい。それだけだ、それだけ、
多宝院 那由 : 暗闇が怖い、
多宝院 那由 : 怖いから、朝起きたら最初にカーテンを開けて、部屋の明かりをつけていたはずだ。
多宝院 那由 : 暗闇が怖い。
多宝院 那由 : そこに赤色があるのではないかと、思ってしまうから。
GM : 明かりをつけますか?
多宝院 那由 : つけます。
GM : 壁に据え付けられたスイッチを押すと、明かりがつく。
多宝院 那由 : 人感センサーで自動でつく照明だから、いつもはこうして電気をつけたりはしないはずで。
多宝院 那由 : 違和感がある。
多宝院 那由 : きっと気の所為だって、思って。
GM : しかし、それはすぐに明らかになる。明かりの下に。
七栄等花 : あなたのベッドに、七栄等花が座っている。
七栄等花 : 「……ナユ」
七栄等花 : 「おはよう」
多宝院 那由 : 「…………、」
多宝院 那由 : 「……トウカ、」
七栄等花 : 「早退したんだってね。やっぱりまだ、体調、万全じゃなかった?」
多宝院 那由 : 「……いや、」
多宝院 那由 : 「……君に、会いたくなって、ね」
七栄等花 : 「……うん」
多宝院 那由 : 「……なんか、その。自分でもよくわからなくて。まだ記憶が混乱してるのかな」
七栄等花 : 「……うん。そうだね。あんなことがあったわけだしね」
多宝院 那由 : 「……うん」
多宝院 那由 : 「……ねえ、トウカ、」
七栄等花 : 「うん」
多宝院 那由 : 「……学校、いかないの?」
豊四季 一澄 : ふたりだけの空間に声だけが響いている 静かだなあ……
多宝院 那由 : すげえ悩んだんですけど
多宝院 那由 : だって入院してるとき
多宝院 那由 : 学校は?って
多宝院 那由 : きいたじゃん
多宝院 那由 : おれ……
七栄等花 : 「……」
七栄等花 : 目をそらし、それからもう一度向き直って、
七栄等花 : 「うん」
多宝院 那由 : 「…………僕と一緒に行くのもだめ?」
七栄等花 : 「……」
七栄等花 : 「うん」
多宝院 那由 : 「……てっきり、学校で待っててくれてるのだと思ってたから、びっくりしたんだ」
多宝院 那由 : 「置いていってごめんね」
七栄等花 : 「そう、だよね」
七栄等花 : 「ううん、いいの」
七栄等花 : 「大丈夫」
多宝院 那由 : 「……」沈黙。無音。自分の心臓の音だけがきこえて。
多宝院 那由 : 掻き消すように。「隣、座ってもいい?」
七栄等花 : 「うん、いいよ」
七栄等花 : 大きなベッド。トウカの体重で沈んで、皺がよっている。
多宝院 那由 : 「……ああ、まだ本調子じゃないのかもしれないな……」そう言って。となりに腰掛ける。
多宝院 那由 : 大きくしっかりしたつくりのベッドはきしまない。静かに沈んで、二人目の体重を受け入れる。
多宝院 那由 : 等花の瞳を見つめる。その奥に映る、自分の瞳の色にもすこしだけ注意が向く。
七栄等花 : 「……」
七栄等花 : 「ナユ」
多宝院 那由 : 「どうした?」柔らかい声。
七栄等花 : 「聞いて、欲しいの」
多宝院 那由 : 「うん」
多宝院 那由 : 「なんでも言って」
七栄等花 : 「わたし、さ」
七栄等花 : 「学校で生徒会長が血を吸っているのを、見ちゃったって話、したよね」
多宝院 那由 : 「……う、ん」生徒会長、ということばに、少しだけ身体が跳ねて。
多宝院 那由 : 「……そうだね」
七栄等花 : 「本当はね、見つかってたんだ、私」
七栄等花 : 「走って逃げたんだけど」
七栄等花 : 「助けを呼んだり、したんだけど」
七栄等花 : 「あと少しで校門ってところくらいかな」
七栄等花 : 「なんだろう、大きな針みたいなものに」
七栄等花 : 「貫かれて」
多宝院 那由 : 「……っ、」
多宝院 那由 : うん
多宝院 那由 : あの
九鹿 愛佳 : ええ……
多宝院 那由 : そうだよね
多宝院 那由 : 1話の導入
豊四季 一澄 : はい
多宝院 那由 : で、2話の導入さ
豊四季 一澄 : 見直してます
多宝院 那由 : いや、
多宝院 那由 : 嘘であって欲しいなって、
多宝院 那由 : 私の勘違いであってほしいなって
多宝院 那由 : ずっと
多宝院 那由 : ずっと
多宝院 那由 : 信じたくなくて……
多宝院 那由 : みとめたくなくて………………
七栄等花 : 「そのまま、生徒会長が近づいてきて」
七栄等花 : 「血を吸われて」
七栄等花 : 「死んじゃった」
七栄等花 : 「って、思ったんだけど」
七栄等花 : 「なんか、生きてて」
七栄等花 : 「……」
多宝院 那由 : 何を、言えばいいのだろう?
多宝院 那由 : 口を開いて、そこから、何もでてこなくて、
七栄等花 : 「そのまま、怖くなって、」
七栄等花 : 「ナユに連絡したんだ」
多宝院 那由 : 色々な可能性が、考えが、あたまをめぐって、
多宝院 那由 : そうして、出てきたのは、
多宝院 那由 : 「……トウカ、」
多宝院 那由 : 「僕、は」
多宝院 那由 : 「きみが、こうして話してくれるだけで、」
多宝院 那由 : 「……嬉しいよ」
七栄等花 : 「うん」
七栄等花 : 「ありがとう」
七栄等花 : 声は震えている。
多宝院 那由 : 等花の手をとる。抱きしめる。
七栄等花 : されるがままに。
多宝院 那由 : 「トウカ、……僕は、トウカが、」
多宝院 那由 : 「息を、してたり、瞬きしたり」
多宝院 那由 : 「笑ってくれたり」
多宝院 那由 : 「話をしてくれて、こうして、抱きしめて」
多宝院 那由 : 「全部、すごく、嬉しい」
多宝院 那由 : 「……だから、」
多宝院 那由 : 「……きみが、」
多宝院 那由 : 「死んでるなんて、思えなくて」
多宝院 那由 : 「…………僕、は……」
七栄等花 : 「ナ、ユ……」
七栄等花 : 名前を呼ぶ。あなたの身のうちで震えている。はなをすする音。
多宝院 那由 : 死んだ、けれど生きている、その意味を。
多宝院 那由 : 信じたくなくて、
七栄等花 : 閉め切った部屋。窓から差す明かりはなく、ここが世界のすべてのようだった。
七栄等花 : ここが本当に世界のすべてであったなら。
多宝院 那由 : 『ボクは一度死んだ身だ』
多宝院 那由 : 『文字通り、比喩ではなく』
多宝院 那由 : ――あの月の下、そう言ったあの声が、
多宝院 那由 : 今頭の中できこえつづけているのは、どうしてだろう?
多宝院 那由 : チョーカーの裏が痛む、気がする。
多宝院 那由 : もし、もしも、そうならば、
多宝院 那由 : いっそ同じになってしまいたかった。
七栄等花 : 今日は奇しくも6/6。満月。
七栄等花 : おおよそあれからひと月を経た。
七栄等花 : ナユのチョーカーを、トウカはおもむろに撫でる。
七栄等花 : 指先の腹で、そっと。
多宝院 那由 : びくりと身を震わせる、それはいつもなら誰にも触れさせないところで、
多宝院 那由 : けれどそれに抗わない。
七栄等花 : 「……あの日、殺されてしまうかも、と言ったのは」
七栄等花 : 「生徒会長に、じゃ、なくて」
七栄等花 : 「ナユの家に来るまでに、学校を探る、里奈って人を、見た、からで」
多宝院 那由 : 「…………」
多宝院 那由 : 「……、……う、ん」
七栄等花 : 「でも、私が、すぐに、ナユに言えなかったから」
七栄等花 : 「本当のことを、言えなかったから」
七栄等花 : 「私が、言えなかったから」
七栄等花 : 「ナユはこんなに、傷ついて」
七栄等花 : 「……本当に、ごめんなさい」
多宝院 那由 : 静かに首を振る。力なく。
多宝院 那由 : 「……ちがう、よ、」
多宝院 那由 : 「これは……僕が、選んだ、」
多宝院 那由 : 「……僕が……」
七栄等花 : 「……」
七栄等花 : 「でも、カッコよかった」
七栄等花 : 「本物の銃を持った、ナユは、カッコよかった」
七栄等花 : 「私のことを思って、私は、ウソをついていたのに、私のことを、護ろうとして、戦うナユは」
七栄等花 : 「すごく、カッコよかった」
多宝院 那由 : 「……僕は、」
多宝院 那由 : 「君と同じくらいには、美しいからね……」
七栄等花 : 「……………………」
多宝院 那由 : 抱きしめなおす。幾分か弱まった力で。
七栄等花 : 「………………譲歩」
七栄等花 : 弱い声で。
多宝院 那由 : 「……ありがとう」
多宝院 那由 : 「…………、じゃあ、」
多宝院 那由 : 「……僕が。血を吸われるところも……見てたのかな」
七栄等花 : 「……うん」
多宝院 那由 : 「…………、」
多宝院 那由 : 首のリボンをほどいて。
多宝院 那由 : 等花の手をとり、そっと傷に触れさせる。
七栄等花 : 触れる。傷に。脈に。
多宝院 那由 : 「……ねえ、僕、ずっと、あれから、自分のこと」
多宝院 那由 : 「穢れてるって、思って、傷を隠して」
多宝院 那由 : 「……すごく、つらくて、」
多宝院 那由 : 「……だから……」
七栄等花 : 「ナユ……」
七栄等花 : トウカは唾を嚥下する。
七栄等花 : 「ナユ」
七栄等花 : 「私は、穢れてると思う?」
多宝院 那由 : 「ううん」
多宝院 那由 : 首を振る。確かに。
多宝院 那由 : 「……もし、そうだったとしても」
多宝院 那由 : 「トウカだから、いい」
七栄等花 : 「うれしい」
七栄等花 : 「もし、私が、穢れてないなら」
七栄等花 : 「ナユだって、穢れてなくて」
七栄等花 : 「だから、こんなことをする必要なんて、なくて」
七栄等花 : 「でも」
七栄等花 : 「もう、我慢できないから、」
七栄等花 : 「するね」
多宝院 那由 : 「うん」
七栄等花 : 口を首筋に近づける。
七栄等花 : トウカの息が触れる。
多宝院 那由 : 一度目は怖かったそれは、
多宝院 那由 : もう怖くも、気持ち悪くもなくて、
多宝院 那由 : 身を委ねる。
七栄等花 : 罪重ねてきた罪の、罪という色ももう褪せてきて、
七栄等花 : 人ならざるものの倫理が脳を支配したとしても、
七栄等花 : 許されることなど決してないと思っていた存在のすべてが、
七栄等花 : そのわずかな2点の接触に、今、許されている。
七栄等花 : その血の中に、あなたを苦しめるものがあるとするならば。
七栄等花 : いや、なかったとしても。
七栄等花 : 求める心に、身を委ねる。

多宝院 那由 : いや
多宝院 那由 : これいいの?
七栄等花 : まあ
多宝院 那由 : ほんとに?
七栄等花 : 一ヶ月あるし。
多宝院 那由 : ♡
多宝院 那由 : ほんとに!?!?!?
七栄等花 : 一ヶ月あるからいいんじゃないですか。
多宝院 那由 : ♡
多宝院 那由 : ♡♡♡
多宝院 那由 : ありがとう・・・・・・・・・・・・・・・
多宝院 那由 : ありがとう……………………
九鹿 愛佳 : 1ヶ月でいろいろ進展が……!
多宝院 那由 : こんなエッチシーンやっていいのか!?!?!?
多宝院 那由 : ほんとにこんなエッチシーンやっていいんですか?
豊四季 一澄 : ぞんぶんに…ぞんぶんにどうぞ……!
GM : 暗転して終わらせました。
多宝院 那由 : 暗転じゃん
九鹿 愛佳 : 暗転‥‥!
多宝院 那由 : えっ これ、想定されてた?
豊四季 一澄 : 暗転……
GM : 想定してないよ!!!!!!!!!!!!!!
多宝院 那由 : だよね。
多宝院 那由 : こんなん
多宝院 那由 : 想定するわけ ないもんな
多宝院 那由 : 私以外のPC1なら起こり得なかったと思います
GM : そもそも前回あんなダメージうけてないと
GM : 1かげつの空白とかできないから………………
多宝院 那由 : そうじゃん・・・・・・・・・・・・・・・・・
九鹿 愛佳 : めっちゃ重傷だったもんね……
多宝院 那由 : もうなんか
多宝院 那由 : めちゃくちゃになっている
多宝院 那由 : PCもPLもめちゃくちゃだよ!

多宝院 那由 : ていうか背徳を召喚したいんですけど……
多宝院 那由 : 背徳システムどこですか?
七栄等花 : いいですよ、導入しても
多宝院 那由 : ほんとに……………………?