スティブナイト
*メアリは『絶望侵蝕』状態であるため、PKが行動の対象と内容、使用する能力値、使用アイテムを指定する。(クエストには挑戦できる
スティブナイト
*指定:グラセの心の疵「白く濁る」を才覚で抉る。
メアリ
黒結晶を持ったまま、傷付いたナナを置いて。
グラセ
漂う冷気の一端をとらえたならば、根源を手繰ることは容易い。
グラセ
あなたが“もうひとり”を見つけると同時に。
グラセ
「わたくしはここにいた。お前たちが何処ぞに行っている間もな」
メアリ
「眼窩には結晶、両手も同じようにそれに覆われていました」
メアリ
「さて、何かおかしいところでもございますか?」
グラセ
「だから、手を引いてでも連れ帰ってくると思っていたのだがな」
メアリ
「じゃあ離れてしまったのではないですか?」
グラセ
「まあ、随分上等な言い回しはいつものことではあろうが」
グラセ
「“それ”が、お前の言う“上手く行かなかった”結果か」
メアリ
「けれど──先程怪我をしてから、どうやら自制が効かないようで」
グラセ
「まあ。お前にはもとより、そういうきらいがあったからな」
グラセ
あなたの欲する眼差しは、凍り付いたような温度をたたえて、あなたを射る。
グラセ
「お前のことは、まあ。狂っているとは思っているが」
グラセ
「その“きらい”は、ナナや、普遍の者が持ち得るものに過ぎない」
グラセ
「この森が、そういう場所であるだけのこと」
[ 黒結晶B ] HP : 19 → 0
[ ナナ ] 前科 : 0 → 5
[ ナナ ] 絶望 : -1 → -2
スティブナイト
*指定:グラセの心の疵「白く濁る」を才覚で抉る。 ※再掲
ナナ
*メアリがお目目を返してくれないのでありません
メアリ
2d6+4=>7 判定(+才覚) (2D6+4>=7) > 6[5,1]+4 > 10 > 成功
[ グラセ ] 白く濁る : 0 → -1
[ メアリ ] アリスのゆびぬき : 0 → 1
メアリ
「信じるってどう言うことだと思いますか?」
グラセ
「信じることとは、見えないものをみとめること」
グラセ
「定かでないものを、在るものとして心にいだくこと」
メアリ
「定かでないものを、在るものとして心にいだくこと」
メアリ
「けれど結局見えないものは信じるに足りなかった」
メアリ
「定かでないものは、定かではなかったために崩れ去った」
グラセ
「わたくしは、お前たちを理解しようとしなかった」
グラセ
「わたくしは、お前たちを信じていなかった」
グラセ
「だから。これがその結果であるとするなら」
グラセ
「これまでも、これからも、そうであるだけ」
グラセ
いつでも、変わらない温度で、女は言葉を紡ぐ。
グラセ
例えば、荒野で一夜を明かしながら、互いの話に耳を傾け合った時でも。
グラセ
共連れが他の救世主に心を乱された時。その傍に在った時でも。
メアリ
「けれど──何らかの感情が伴わない“見守り”は、見守り、というよりも」
メアリ
「ただ、“見ていただけ”ではないでしょうか!」
メアリ
「私たちの“推定”信頼を、ただ見ていただけ!」
メアリ
「失った“信頼”も残っているのでしょうか!」
メアリ
「信頼と云うものが、どういうモノであったか!」
グラセ
「お前がそれで満足するというならば、良いだろう」
メアリ
「だからこそ、そこに眼球を詰めるのです!!」
グラセ
「到底埋まらないものを、何かで埋めなければならない」
グラセ
呻き声は、ずっと昔に、喉の奥で凍り付いた。
グラセ
手ずから導いてやろうと思ったのだが。
思いの外、信じられていないものだと。
メアリ
抉られて、真っ赤に、真っ黒に染まったはずの視界が揺れる。
メアリ
それはいつか、分かたれたものの姿に似ている。
メアリ
どろどろと溶け崩れながら、そちらを見ている。
グラセ
知っている。“しあわせ”とは、慰めに過ぎないのだと。
グラセ
みんなただの誤魔化しで、ただ、虚しさをもたらすだけ。
メアリ
そして、黒結晶を携えた女ももう何も言わなかった。
GM
そこに居るだけだから孤独で
孤独だから絶望的で
絶望的だから、そこにいるだけ
スティブナイト
*ナナは『絶望侵蝕』状態であるため、PKが行動の対象と内容、使用する能力値、使用アイテムを指定する。(クエストには挑戦できる)
スティブナイト
*指定:グラセの心の疵「白く濁る」を猟奇で抉る。
ナナ
森の奥、メアリが出てきた方向とは別のところからフラフラと現れる。
ナナ
錆のようなくすみと黒結晶に覆われた体が”手をひかれて”しまったことを物語る。
ナナ
メアリとグラセを見つけると、怯えるようにグラセの背中に回り込む。
グラセ
眼孔から、雪解けのような透明が頬を伝っていた。
ナナ
錆の浮いた声が、親にいじめられたことを言いつけるような非難の色を帯びる。
ナナ
「メ゛アリがナナの゛眼゛ぇどっだの゛ぉ……返゛し゛てくれな゛いの゛」
ナナ
「ナナがごんなの゛に刺゛されだどきも゛助゛けてぐれながっだの゛」
ナナ
「グラゼは、ぞんなごどじない゛よね゛……?」
ナナ
「メ゛アリにじだみだいに、グラゼはナナを゛」
スティブナイト
*指定:グラセの心の疵「白く濁る」を猟奇で抉る。 ※再掲
メアリ
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 才覚
メアリ
2d6+4=>7 判定(+才覚) (2D6+4>=7) > 5[4,1]+4 > 9 > 成功
ナナ
2d6+4-2=>7 判定(+猟奇) (2D6+4-2>=7) > 6[2,4]+4-2 > 8 > 成功
[ メアリ ] HP : 20 → 19
[ ナナ ] アリスのゆびぬき : 0 → 1
[ グラセ ] 白く濁る : -1 → -2
[ グラセ ] 前科 : 0 → 5
[ 黒結晶A ] HP : 22 → 6
ナナ
ナナは答えを望んでいる。
グラセのことも、メアリのことも見ず。
自分の望む、縋るものになりうる答えを求めている。
ナナ
拾ってくれたグラセならと、一方的に信じている。
グラセ
心の疵が裏返れば、時には救世主そのものさえ左右する。
ナナ
自分が欲しがっている答えを貰える、と。淀んだ眼にも期待が満ちていた。
グラセ
いつかの民草にも似た。教導者を求めるそれ。
グラセ
与えられるならば、どれだけ“しあわせ”だったでしょう。
グラセ
誰かが、見ていただけでなければ。
誰かが、手を差し伸べていたのであれば。
グラセ
差し伸べるためのあたたかな手ではなく。
痛みさえも感じないつめたい手を。
グラセ
傍の誰かを励ます為のあたたかな声でなく。
遠くに届かすためのつめたい声を。
グラセ
「せいぜい、強いものの糧になるくらいの価値しかない」
ナナ
グラセから滴っていた雫のように、言葉がナナの表面を滑って落ちる。
グラセ
「弱いものであれば、価値がなく、むざむざと出向くまでもあるまい」
ナナ
グラセの告げる真実は。
顔をつたってた雫が凍り付くような冷たい言葉。
ナナ
理由はグラセが今さっき口にした。
あたしが弱くて、価値がないから。
ナナ
「あ゛だじは弱ぐなんでない!ぢゃんど役゛にだっでたでじょ!」
グラセ
「わたくしは、常に、“今”役立つかを求めている」
グラセ
「型の遅れた遺物も。過去栄華を極めたものも」
グラセ
あなたの聞き慣れた、朝方の澄んだ空気のような、でなく。
どこまでも凍り付いた、仄暗い吹雪の渦中にあるような。
ナナ
空気が冷えていく感覚。体が軋む音。
これはただそういう風に感じているだけなのか、それとも。
グラセ
誰かの所為にしなければ、仕方のないことだった。
ナナ
あたしがはぐれたから。
あたしが手をはなしたから?
メアリが見てただけだから?
グラセが助けてくれなかったから?
あたしが見てただけだから?
ナナ
弱くて役ただずたった頃の私を拾ったように。
グラセなら私を助けてくれるはずで。
グラセ
「わたくしは、お前の“救世主”ではなかった」
グラセ
「やわく、暖のきいた場所でお前を包み込む毛布でもなかった」
グラセ
「弱さは、仇になると。いつかは綻びになると」
グラセ
「お前を拾ったわたくしのことなぞ、忘れるが良い」
ナナ
「最初゛がら!最初゛がら!!私゛をあ゛だじを!!」
ナナ
「騙じてだんだ!!騙じて!!!嘘つ゛ぎ!!!!嘘づぎ!!!!」
ナナ
錆びた金属同士が、ざらついた鉱石が、ぶつかりこすれあうような、音が。
断末魔のように響く。
グラセ
繋いだ手がひとたび解ければ。
再び誰かを求めることも能わず、ただ冷たい孤独が残る。
ナナ
誰とも繋がれずに落ちてきた手は、差し伸べられた手の真意にも。
差し伸べられていた手にも気付かないまま。
ナナ
声ともつかない金属音は、いつの間にか断続するノイズのようなすすり泣きへと変わっていた。
GM
触れ合うという事は、相互に干渉しあうと云う事。
GM
森の中、メアリ、ナナ、グラセが佇んで、擦れあって、軋んでいる。
ナナ
もはや立ち上がってくってかかることすらしない。
スティブナイト
氷の刃が、スティブナイトの形をした黒結晶に穴を穿つ。
スティブナイト
砕けた欠片になっても声は止まらない。
スティブナイト
「これがお前のストレス解消法な訳?」
スティブナイト
別の方向から、代わりがやってくるだけ。
スティブナイト
「物にあたるタイプが一緒じゃ、道中大変だっただろうに」
スティブナイト
「いや……お前らも似たようなもんか」
グラセ
それを“いつものことだ”と話す口はもうない。
ナナ
うめき声を止め、溶けた闇に染まったような視線を向ける。
ナナ
起き上がる動きは緩慢でぎこちないよちよち歩きのような。
スティブナイト
「その調子で黙って、塞ぎ込んで、腐っていけよ」
スティブナイト
「世界中がお前達みたいになれば、きっともう少し静かになるさ」
グラセ
一矢がまた、足下を穿つ。不愉快な音がこだまする。
グラセ
「もっと簡単に、疾く、静かにする方法がある」
スティブナイト
「まだ八つ当たりし足りないんだ?」
スティブナイト
「刺さりが甘かったからか?面倒臭いな」
スティブナイト
「手近な相手にぐずってないでさ、お前も自分を見つめ直したらいいんじゃないの」
スティブナイト
それだけで、その意思の示す先にある黒結晶が成長する。
スティブナイト
それは、先程凶器として、或いは掘削機として使われたもの。
スティブナイト
その切っ先のうち、わずかに体内に残ったもの。
スティブナイト
グラセの、眼窩の内側にあったもの。
グラセ
もう感じないはずの痛みに、遅れて気づいた。
スティブナイト
それは痛みよりも根源的で、悪意に塗れ、
スティブナイト
そしてお前の意識を闇に落とすもの。
スティブナイト
*グラセの「血染めの雪」を猟奇で抉る。
メアリ
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 愛
メアリ
2d6+3=>7 判定(+愛) (2D6+3>=7) > 10[5,5]+3 > 13 > 成功
[ スティブナイト ] ティーセット : 1 → 0
[ スティブナイト ] 子山羊皮の手袋 : 1 → 0
スティブナイト
2d6+5+2+2-5=>7 判定(+猟奇) (2D6+5+2+2-5>=7) > 4[2,2]+5+2+2-5 > 8 > 成功
[ グラセ ] 血染めの雪 : 0 → -1
[ メアリ ] HP : 19 → 18
スティブナイト
この場には、立ち尽くす木偶が残される。
スティブナイト
元凶の足元に黒結晶がせりだし、そこに腰掛ける。
スティブナイト
目の前には別の黒結晶が、かつてグラセと一緒に眺めたものと同じ形で現れる。
メアリ
悩んで、その迷いが“手遅れ”を生み出した。
スティブナイト
どうせここにいるのは本体でもない。
”こうなった”グラセにできることもない。
貴方達二人は、それを身をもって知っているだろう。
ナナ
僅かに開いた口からこすれあうような音がこぼれた。
ナナ
結晶に腰かけるでもなく、ぼんやりとグラセをみつめる。
スティブナイト
広がった黒結晶に、暗い光景が映し出される。
スティブナイト
そこに立ちすくんでいる白い人影が、いったい誰なのか分かっている。
スティブナイト
この映像の中で、これから何が行われるかも。
分かっている。
GM
その白い人影にとっても、この暗い世界がどういう場所なのか。
外側からは、2度観せられている。
GM
それでも、中を見るのは初めてなはずだ。
この何もなく、暗く、負の感情だけが常に叩きつけられる空間の事は。
グラセ
たくさんのひとをころした、おおうそつきでした。
グラセ
そこは、ただ広いだけの部屋。
多少豪奢に飾り付けられてはいれど、
うすら寒ささえ覚える、何もない部屋。
グラセ
玉座には、今の自分と違って首の確りと繋がっているひとが腰掛けていた。
グラセ
時折、部屋に人影が訪れるが、見ているだけ。聞いているだけ。
スティブナイト
「ここお前ん家?いい趣味してるね」
スティブナイト
「お前も寛いでなよ。心配しなくてもいつかは出られる」
スティブナイト
「ここじゃあ、お前の知っている事しか起こらないさ」
グラセ
「幾ら過去を追想したとて、何も変わらない」
グラセ
そのひとは弾む息のまま駆け込んで、そうして女の前に跪く。
グラセ
興奮した、嬉しそうな声音で、何か口にしていて。
グラセ
詳細はわからねど、少なくとも何か、うまくいったのだと。
そういうことはわかる。
グラセ
それを見る女の顔は、今よりずっと、朱を宿したものだった。
グラセ
「能力は十分ではなかったが、こいつは、よく働いてくれた」
グラセ
「なにより。他のものより、少しだけ強かった」
グラセ
その突き当りで、カンテラの灯りに照らされる女。
グラセ
対峙するのは、先程の“少しだけ強い”ひとと。
その背後に、津波のような怒声。
グラセ
間もなく、津波は女を絡めとり。その姿は見えなくなる。
グラセ
“悪い女王”の行き先を知らせたそのひとは、ただ、それを見ていた。
グラセ
女を信じた結果。自分自身の責任を他人に預けた結果。
グラセ
そこに起こった悪いことを、“誰かの所為”にした。
グラセ
女は襤褸よりもひどい有り様で、断頭台に掛けられている。
グラセ
死肉をついばむ鴉のように、ぎらぎらとした目で心をひとつにしている。
グラセ
患った国の、病のもとを焼き払い。困窮した国の、穀潰しを殺した。
スティブナイト
断頭台に腰掛けて、固定された首を見ている。
スティブナイト
「やるべき事をやったなら、結果も在るべくして在るものだろ?」
スティブナイト
「この喚いている連中は、一体何が不満だったんだろうね」
グラセ
「不満であることに、満足していたのかもしれない」
グラセ
「起こった理不尽や不幸に、理由をつけずにはいられない」
スティブナイト
「だが、特定の誰かにぶつけるようなのは面倒だ」
スティブナイト
そして、実際に実行している。
森の拡大という形で。
スティブナイト
「で、知ったように語るけど。お前は?」
グラセ
「捌け口を考えるだけなら、いくらでも思い付きはするが」
グラセ
「不満でないことに、満足しているのかもしれない」
グラセ
「もし、彼らから見て間違っているものがわたくしであるならば」
スティブナイト
思い出の中の姿ではない、今森の中で立ち尽くしている筈のお前の姿。
スティブナイト
「”今のお前”から見て、この女は間違っていたと思うか?」
グラセ
悪魔の鏡。そこにはこの世の物が全て醜く、憎々しく映る。
グラセ
真実を知って尚、正しくあることほど。生きることほど。
*2Rスティブナイト裏
スティブナイト
「実はさっきのお前達の様子も、こうやって鑑賞しててね」
スティブナイト
「こいつと観てたよ。立場が逆になったな」
スティブナイト
実際に何をしていたのか、わざわざ説明するような事はしない。
スティブナイト
「人が複数人いるということは、人が複数人いるという事以上の意味を持たない」
スティブナイト
「そこに居るだけ。立っているだけ。知っているだけ。つまり、見ているだけ」
スティブナイト
「現実は人が複数いるだけで絆の力でパワーアップだの、変な事が起きなくて安心するよ……うわでけー部屋」
スティブナイト
見せてはいても、嘲るような顔を浮かべていても、スティブナイトも別に楽しそうに見ている訳じゃない。
スティブナイト
ただ、こうして見せる事で。見られていることで。
少しでも傷つけば、手間が省けていいと思っているだけだ。
ナナ
かつて必要だとされて見せられていた、教育用映像を見るようにようにぼんやりとみている。
スティブナイト
「わ~高貴な産まれ。だろうねって感じだけど」
スティブナイト
「ちなみにお前らはさ、こういう話少しでも聞いたことはあったわけ?」
スティブナイト
「へー、ずいぶん信用されてたんだね」
ナナ
「だっで、ナナに言っでだこど、全部嘘゛がもじれないし」
ナナ
変わり果てた手がざりざり、かちかちと黒結晶に音を立てる。
スティブナイト
「ふーん。まあ安心しなよ。この映像に嘘はつけない」
スティブナイト
「別に真実を映す鏡じゃないから、本人が妄想に取り憑かれてる場合は妄想通りだけど」
スティブナイト
「ま、でもその辺は分かってるか。経験済みなら」
ナナ
嘘吐きと、グラセに投げかけた言葉が映ったグラセにぶつけられている。
ナナ
グラセにも、メアリにも、一方的に理由を預け。
盲目的に信用し。
ナナ
自分が見たままの通りに。言葉をそのままのとおりに受け止めて。
ナナ
頭の中という暗く閉じた部屋の中で、ぐるぐると思考が回転している。
ナナ
えづく震えもこみ上げる感覚も存在しない器官のはずなのに。
ナナ
天と地がさかさまになったように視界が揺れている気がする。
ナナ
そしてそれを口にする術も、言葉も、経験も持たない。
ナナ
堕ちてくる前も、堕ちてきてからも。
表層に纏った部分を取り繕っているだけで。
ナナ
ああその回る視界の先でグラセの頸がギロチンにかけられるのを。
スティブナイト
「ちなみに」 映像の中を指さして、話を向ける。
スティブナイト
「お友達の意見としては、これの答えは?」
スティブナイト
「ま、他人の事情なんて興味ないか」
ナナ
グラセは嘘つき。グラセは嫌い。グラセは拾ってくれた。グラセは好き。
ナナ
何が正しいとも、間違っているとも。
自分のことすらわからないのに。
自分のことすらわからないから。
スティブナイト
「帰る方法はないが、居なくなる方法はある」
スティブナイト
「ほら、その手段の1つが目覚めたぞ」
GM
そこは黒い森の中で、お前はそこに立っていて、目の前には救世主たちが居て。
スティブナイト
「お前には、やるべき事があるよな」
GM
*グラセは『絶望侵蝕』状態となったため、PKが行動の対象と内容、使用する能力値、使用アイテムを指定する。(クエストには挑戦できる)
GM
黒結晶に映し出されていた映像が途切れるのと、グラセと呼ばれていた救世主が目を覚ましたのは同じタイミングだった。
GM
スティブナイトと、メアリ、ナナ、グラセ。
全ての役者がそこには揃っている。
グラセ
ひとはそうして、おだやかな微睡みから、黒く冷たい現実に引き戻される。
グラセ
未だ其処に、未練がましくぶら下っているから。
ナナ
赤黒く錆の蔓延った兵器にはおおよそ関係のない内容のはずなのに、伏し目がちになった目はグラセを直視することができない。
ナナ
グラセに駆け寄ることも縋りつくこともせず、逸らされる視線は首から上を否定しているようにも見えるかもしれない。
メアリ
「随分お二人とも、この森に“馴染まれた”ようで」
ナナ
錆びついた機構が軋み擦れるような声が喉の奥からはい出そうとする。
ナナ
潤滑油の存在しない関係に滑らかな言葉など続くはずもなかった。
ナナ
視線がグラセとメアリの間を不安げに往復する。
グラセ
「随分と、馴染んでしまったかもしれないな」
グラセ
どこを見ているかも分からない顔は、
ナナを、メアリを、見ているかさえ定かでない。
グラセ
かんばせと思しきそれが、女の持つ切っ先を向いた。
メアリ
何処か、あきらめたようで。
それでいて、穏やかささえ感じられる声。
メアリ
「殺し、殺される間しか、目を塞ぐことが出来ない」
メアリ
「後悔や、過去のことに足を取られてしまうでしょう」
グラセ
誰かの、何かが変わってしまったわけではない。
ナナ
2人に比べておおそよほとんどを”わからない”と答えるであろうナナは。
2人の会話に視線をうろうろさせる。
ナナ
どこに行きつくでもないその視線のように、自分の中で思考がループする。
グラセ
「この世のどんなに美しいものでも、それを通せば醜く映る」
ナナ
グラセもメアリも好きで。
メアリもグラスもあたしに必要で。
グラセもメアリもあたしを助けてくれなくて。
メアリもグラセも、あたしがきらい?
ナナ
聞かなければよかった。
聴くべきではなかった。
気付くべきではなかった。
知るべきではなかったことに囚われて。
メアリ
「あるいは、この世に美しいものはなにひとつ」
ナナ
感情的にこぼれた言葉は乾ききっている。
あたしの中ですら、何がどう違うのかも、本当に違うのかすらもわからなくなる。
ナナ
もう、誰と繋がることもできない。
ただの醜い。
塊。
グラセ
しあわせな者は、果たして、もう残っているのだろうか。
GM
*指定:メアリの「師の教え」を猟奇で抉る。 ※再掲
グラセ
2d6+4=>7 判定(+猟奇) (2D6+4>=7) > 7[4,3]+4 > 11 > 成功
[ メアリ ] 前科 : 1 → 5
[ 黒結晶A ] HP : 6 → 0
[ スティブナイト ] HP : 20 → 1
グラセ
それが、あなたが先程穿たれた背の、その後ろに。
グラセ
くだらないお話が終わってしまう間際、あなたを襲う。
グラセ
「そうであるならば、或いは救いなのかもしれない」
グラセ
「鏡のかけらが、深く食い込んでいることさえ」
ナナ
その言葉にループしている思考が強制的に切り替わる。
暗い孤独の中に、自分のことをどうにかできるのはナナ自身だけ。
ナナ
顔の見えないグラセとも、けらけらと笑うメアリからも距離をとって身構える。
ナナ
兵器としてか、表層に纏ったものか、それとも生きているからか。
ナナ
死んでいるべきだった。そうなのかもしれない。
ナナ
「……でも、もじがじで、ぞう゛じゃない゛がも……」
ナナ
零れる言葉が何を発しているかすら、自分でもよくわからない。
ナナ
すでに己を確かめることすら怪しくなっている。
メアリ
いつか、解いた手はもう二度と繋がれることはない。
グラセ
「故に、順をつけることに、意味はなかろうが」
グラセ
スティブナイトを見る風にして、特段に感情を表さない声色でいう。
グラセ
氷は死んだ木を這い、その端までを凍結させ。
スティブナイト
「お前達が死んでくれれば、死んでくれて嬉しいなって思うよ」
GM
公爵家の者が見て取れば、”袋”を担いだグリフォンの末裔が飛び上がる。
スティブナイト
「殺しに来た相手に協調性を期待するなよ」
GM
少なくとも、クリスマスプレゼント程は素敵じゃない。
GM
だけどきっと、誕生日パーティよりも騒がしい。
GM
空中からバラ撒かれた三月兎が、森のあのあちらへ、こちらへ、今救世主達がいる場所以外のいろんなところへ。
GM
森中が一気に騒がしくなる。子供のはしゃぐ甲高い声、走り回る音、木々がなぎ倒される音、亡者のうめき声、悲鳴。
GM
こんな有様じゃあ、ここ以外の場所はどうなってる?
グラセ
「ただ、期待以上ではあったかもしれないな」
スティブナイト
どこか遠くから破壊音が鳴り響くたび、目の前のそれが細かく震える。
スティブナイト
それは恐らくは、救世主を模しているだけの黒結晶なのだろう。
スティブナイト
だが模しているからこそ、ある程度は本人の状態を反映する。
スティブナイト
「ずいぶんと上品な手を使うじゃないか」
スティブナイト
それが声を発する間にも、黒結晶が欠けて欠片となって落ちていく。
スティブナイト
汗をかき、歪み、口角が釣り上がる。
GM
あの拠点に用意されていた三月兎は、どれくらいだっただろう?
何割が無事に着陸できて
何割が亡者にならずに済んで
何割がまだ生きている?
グラセ
そうして誰かを殺した誰かも、また。かくあるべきだと思う。
スティブナイト
「この世界にいる殆どの連中は、間違えている」
スティブナイト
「この森に来る前のお前達みたいに、間違えたまま生きている」
スティブナイト
それは善意なんて欠片もなく、憐れみでもなく、同情でもない。
スティブナイト
「確かに俺は死ぬべきだが。それまでに俺以外の全ても、死なせてやるさ」
スティブナイト
「間違えた連中が、間違えたまま生きているのは、我慢がならない」
スティブナイト
それは逆恨みだとか。憎悪だとか。八つ当たりだとか。
スティブナイト
そういう怠惰な感情がないまぜになったもの。
スティブナイト
そしてそれは、ただの黒結晶になった。
GM
この森のどこかに、ダメージを負った状態でいるかもしれない。
GM
お前達は、お手々を繋いで、仲良くそれを探しにいける?
GM
*お茶会フェイズ終了前に、クエスト『戦術補助』による技能の入れ替えが可能です