裁判

GM
*裁判フェイズ
GM
*PKのデータが公開されます。
GM
*陣営の確認
GM
全員独立していますね。
GM
*一部技能や小道具の使用
GM
仕込がこのタイミング。
スティブナイト
*スティブナイトは免罪符を2つ入手します。
セシリア
*眠り鼠のポットとこしょう
セラ
* インクつぼと枯れた花輪
GM
*行動順の決定
『   』
1D6+3 才覚 (1D6+3) > 2[2]+3 > 5
スティブナイト
1d6+3 (1D6+3) > 3[3]+3 > 6
セシリア
1d6 行動順 (1D6) > 1
セラ
2d6+4=>7 判定(+才覚) (2D6+4>=7) > 6[5,1]+4 > 10 > 成功
セラ
1D6+4 (1D6+4) > 3[3]+4 > 7
[ 『   』 ] 前科 : 5 → 6
[ 『   』 ] 前科 : 6 → 5
GM
行動順:
セラ>スティブナイト>『   』>セシリア
セラ
『   』
セシリア
GM
*R1
GM
*R1 セラ
セラ
セシリアとイーデンが対峙しているのを、木の枝に止まり見ている。
セラ
助けて、と、どちらかが言えば。
セラ
手を貸してしまうかもしれない。
セラ
だから、上から見下ろした。
セラ
二人の瞳には、自分は映らない。
セラ
* クエスト5、蜘蛛の糸を使用。
セラ
1D6 (1D6) > 3
[ セラ ] HP : 20 → 17
GM
*セラは1Rの間技能を使用できなくなります。
セラ
心が傷まないわけではなかった。
セラ
でも、それは自分を傷付けてまで行うことかというと。
セラ
今はもう、その価値を感じられない。
セラ
* 枯れた花輪使用。
[ セラ ] 枯れた花輪 : 1 → 0
GM
*R1 『   』
『   』
天使であったものの見守る、そのもとで。
『   』
男は愛せなかった女を見ていた。
『   』
愛したものがいた。
『   』
大切だったものがいた。
『   』
それだけは、確かなものと、思うのだが。
『   』
自分の記憶を塗り潰し、今も耳に囁くはずの女とは
『   』
どうしても、輪郭が重ならない。
セシリア
あなたのすべてであって、
セシリア
もはやだれでもない女がそこに立っている。
『   』
……止めなければならないのだとは、思う。
『   』
送ってやらなければならないのだと思う。
『   』
その時が来たのなら。
『   』
自分が、この女を。
セシリア
「イーデン」
『   』
女が名を呼ぶ。
『   』
知らない名前を。
セシリア
あなたではないだれかの名前。
『   』
誰かを呼ぶ女を見ている。
セシリア
「あなたが私を殺せないのなら」
セシリア
「一緒に死んでくれる?」
『   』
他人事のように聞き流しかけたその言葉が、
『   』
どうやら、自分に向けられたものであるらしいと。
『   』
男に残された才覚で理解する。
『   』
「それが」
『   』
「お前の望みなのか?」
セシリア
「ええ、そう」
セシリア
嘘だ。
『   』
男は女を見ている。
セシリア
そんなものに価値を感じていない。
セシリア
自分が欲しかったものは自分で壊してしまったから。
セシリア
「あなたが私を殺せないのなら」
セシリア
「あなたは救世主としては、もうやっていけないわ」
『   』
救世主。
『   』
そんなものであるのかと
セシリア
「そんなあなたをひとり残していくのは、忍びないもの」
『   』
そうであったかと、思い出す。
『   』
もう、よくはわからないが。
『   』
身体に染み付いた世の理というものは、
『   』
どうやらこの頭に残っているようで。
『   』
女の言葉に、納得をする。
『   』
「そうなったのなら」
『   』
「それが、正しいんだろうな」
『   』
自分はこの女を止めなければならない、
『   』
そうは思うけれど。
『   』
懐に仕込んだ盤外の札を切るほどには、
『   』
まだ。
『   』
*補助動作 d3鋭気使用
*主動作 パス
GM
*R1 セシリア
セシリア
*眠り鼠のポットをイーデンに使用
セシリア
*こしょうをイーデンに使用
[ セシリア ] 眠り鼠のポット : 1 → 0
[ セシリア ] こしょう : 1 → 0
[ 『   』 ] 封印@セシリア1R : 0 → 2
[ 『   』 ] 衰弱@セシリア1R : 0 → 2
セシリア
*威風をイーデンに使用 h9
『   』
*割り込み 妨害Jo
『   』
*割り込み c3精確
『   』
1d6 (1D6) > 1
『   』
2d6+3+1+1+1=>7 判定(+才覚) 万能+工作員の凶器+精確 (2D6+3+1+1+1>=7) > 10[4,6]+3+1+1+1 > 16 > 成功
セシリア
2d6+3+3=>16 判定(+猟奇) (2D6+3+3>=16) > 9[5,4]+3+3 > 15 > 失敗
セシリア
*逆転はしません
セシリア
黒結晶が吹き付ける。
セシリア
この森の主であるかのように振る舞い、あなたの体へ結晶が殺到する。
『   』
それをひどく恐れていた男はもういない。
『   』
ただ、その黒結晶の持つ殺傷力を正しく見て取り、
『   』
懐に仕込んだ得物でもって、それを振り払う。
『   』
凶刃の軌道を読み取る精確な動き。
セシリア
この森に来た時の弱りぶりなど考えられないほどの。
『   』
救世主としての機能をまだ残している。
セシリア
私たちがあなたを弱くした。
『   』
受け入れられることを知ってしまった。
『   』
許されることを知ってしまっていた。
セラ
受け入れてきた。
セラ
許してきた。
セシリア
許されたくないあなた。
セシリア
受け容れられたくないあなた。
セシリア
それを、少しずつ、少しずつ。
セシリア
作り替えていった。
セシリア
そうすることで、あなたがいつか。
セシリア
幸せになれたらいいと。
セシリア
そう思っていたから。
セラ
幸せになれたらいいと。
セラ
そう思っていた。
イーデン
あなたたちが希望を抱いた男はもういない。
イーデン
あなたたちが希望を抱かせた男はもういない。
セシリア
壊してしまった。
『   』
だからこそ、今。
『   』
この男の刃はこんなにも冴え渡っている。
『   』
自分の機能は恐らく十全だ。
『   』
……きっと、
『   』
いつか存在していた、愚かな男よりかは、よほど。
セシリア
その愚かな男にいてほしかったのに。
セシリア
どうしてあんな弱い男が、こんなことに耐えられるって。
セシリア
そんなふうに思ってしまったんだろう。
セシリア
取り返しはつかない。
セシリア
女はそれをよく知っている。でも。
セシリア
「それで、殺せる?」
セシリア
「ちゃんとできる?」
セシリア
その機能だけを確かめるように、問うしかない。
『   』
「…………」
『   』
「せいぜい」
『   』
「努めてみるさ」
『   』
理解している。
『   』
この女は、自分に話しかけているようで、自分の答えを求めているわけではない。
『   』
きっと理想の姿を求めているはずだ。自分ではない誰かの。
『   』
でも、自分には、それが、わからないから。
『   』
自分の答えを返すしかない。
『   』
せめてこれが、女の心を満たすものであればよいとは思うが。
『   』
あまり、希望を抱くべきでもないと。
『   』
そう理解している。
セシリア
割れた器を満たすものなどない。
『   』
女の胸中に。
『   』
もはやそれはないのだから。
セシリア
この世界に希望はない。
『   』
言って聞かせた事実を忘れても、
『   』
その真実だけは、悟っている。
セシリア
その器を沈めるほどの、愛を求めていた。
『   』
自分はそれに、応えられない。
GM
*R1 手札廃棄
『   』
*cK,sK捨て
セラ
* 全て破棄
セシリア
*hJ,cJ,h4破棄
GM
*R2
セラ
セシリア
『   』
GM
*R2 セラ
セラ
樹上で立ち上がる。
セラ
彼らに自分は必要ではない。
セラ
それでもここに来てしまったのは、僅かに残る甘い希望を捨てられなかったから。
セラ
彼らに声をかけられなかったのは、その希望が壊されるのが恐ろしかったから。
セラ
「あ~あ」
セラ
「つまんないことしちゃったな」
セラ
こんなにも、長い間。
セラ
つまらないことを、してしまった。
セラ
スティブナイトの姿を探す。
GM
この場にはいない。
セラ
「…………」
セラ
裁判はうるさいし、痛いから、長引かない方がいい。
セラ
そう言っていた。
セラ
落ち着くまで森の外に出てろ、とも。
セラ
顔を上げて、暗い空を見上げて。
セラ
天使だったものは、翼を広げた。
セラ
* セラを裁判から離脱させます。
セシリア
翼の音を聞いて、暗い空を仰ぎ、
セシリア
さようなら、とつぶやいた。
『   』
男も同じく、そちらを向いた。
『   』
空を見上げる。
『   』
知らない相手。
『   』
思い出せない、誰かが。
『   』
空に舞い上がるさまを見ている。
『   』
その存在にかけるべき言葉を自分は持たない。
『   』
ただ、
『   』
捻くれた希望に、どうしようもない寂寥感が満ちて、
『   』
それでも手を伸ばすことも、
『   』
助けを求めることも、
『   』
できはしなかった。
GM
*R2 『   』
『   』
*パス
GM
*R2 セシリア
セシリア
*威風 h10 対象はイーデン
*精確 d7
『   』
*割り込み c8妨害
*割り込み h3精確
『   』
1d6 精確 (1D6) > 4
『   』
2d6+3+1+1+4=>7 判定(+才覚)工作員の凶器 万能 精確 (2D6+3+1+1+4>=7) > 10[5,5]+3+1+1+4 > 19 > 成功
セシリア
1d6 精確分 (1D6) > 6
セシリア
2d6+3+3+6=>19 判定(+猟奇) (2D6+3+3+6>=19) > 11[6,5]+3+3+6 > 23 > 成功
セシリア
2d6-1+2+2 (2D6-1+2+2) > 6[2,4]-1+2+2 > 9
『   』
*第二ボタンで1点軽減
『   』
*8点受けます
[ 『   』 ] HP : 17 → 9
[ 『   』 ] 封印@セシリア1R : 2 → 1
[ 『   』 ] 衰弱@セシリア1R : 2 → 1
GM
*R2 手札廃棄
セシリア
*s4,sA廃棄
『   』
*cQ廃棄
セシリア
再び、黒結晶があなたに差し向けられる。
セシリア
女の指先に従って、あなたを傷つける風が吹く。
『   』
空を見上げていた男は。
『   』
わずかにその反応を鈍らせた。
『   』
それでも振るうた刃の鋭さは健在であったが。
セシリア
精確に、黒結晶は斬り払われる。
セシリア
だが、足元から波のようにさざめく結晶が、あなたの体を貫く。
『   』
「!」
『   』
息を詰める。
『   』
肉を蝕み、脳を侵す黒水晶の。
セシリア
森の支配権を女は半ば握りつつある。
セシリア
この力があれば、
セシリア
あなたを助けられるはずだった。
『   』
ただ純粋な痛みに動きを鈍らせる。
『   』
その黒結晶は男を責め苛む。
セシリア
まだ間に合うはずだった。
セシリア
そんなわけはないことを知っていた。
『   』
抉れた絶望に共鳴して、
『   』
失われていないはずのものへの想いを露出させる。
『   』
それが誰だか。
『   』
もはや、わからないけれど。
セシリア
いいえ、いいえ、まだ間に合う。
セシリア
あなたを助けてみせる。あなたのことをまだ救える。
セシリア
あなたを壊してでも救いたかった。
セシリア
あなたが壊れた果てでも直してみせる。
『   』
男の抱く希望は、そこにはない。
セシリア
この女は、この男がそれをして、
セシリア
ついぞ、愛した女を直せなかったことを、知っている。
セシリア
それでも、それをしよう。
『   』
この男は、女が想う男がかつて、
『   』
愛した女へと向けた想いを、もはや失っている。
『   』
女の試みを知らず。
『   』
男の試みを知らず。
『   』
けれど機能を果たすためにここに立つ。
セシリア
大丈夫。
セシリア
だから、私を殺しにきて。
セシリア
一緒に死んで。
『   』
女が真に望むことを。
『   』
叶えたいと思っている。
『   』
それが自分には叶わぬことを知りながら、
『   』
抜け殻の機能に従って、得物を握った。
GM
*R3
『   』
セシリア
GM
*花輪の効果が切れますね。
GM
*R3 『   』
『   』
*パス
[ 『   』 ] 封印@セシリア1R : 1 → 0
[ 『   』 ] 衰弱@セシリア1R : 1 → 0
GM
*R3 セシリア
セシリア
*d8 威風 イーデン
『   』
*割り込み dK遊撃
*割り込み d10妨害
*d10妨害への割り込み 精確h2
『   』
*遊撃の判定から
『   』
2d6+1+4=>7 判定(+猟奇)万能 (2D6+1+4>=7) > 6[3,3]+1+4 > 11 > 成功
『   』
1d6 効果量 (1D6) > 3
セシリア
*防壁 c4
『   』
*言っとくか ダメージに鋭気が乗ります。
『   』
*ではその防壁にh8妨害
『   』
2d6+3+1+1=>7 判定(+才覚) 工作員の凶器 万能 (2D6+3+1+1>=7) > 9[5,4]+3+1+1 > 14 > 成功
セシリア
2d6+4-3=>14 判定(+愛) (2D6+4-3>=14) > 7[4,3]+4-3 > 8 > 失敗
『   』
*鋭気+遊撃による7点ダメージがセシリアに入ります。
セシリア
*軽減が1点入り、6点ダメージ
[ セシリア ] HP : 24 → 18
『   』
*セシリアのd8威風へのd10妨害と精確h2の判定をします
『   』
1d6 精確 (1D6) > 3
『   』
2d6+3+1+1+3=>7 判定(+才覚)工作員の凶器 万能 精確 (2D6+3+1+1+3>=7) > 7[3,4]+3+1+1+3 > 15 > 成功
セシリア
*精確 h5
セシリア
1d6 精確効果量 (1D6) > 2
セシリア
2d6+3+3+2=>15 判定(+猟奇) (2D6+3+3+2>=15) > 6[2,4]+3+3+2 > 14 > 失敗
『   』
男の機能がそこにある。
セシリア
何度も、何度も。
セシリア
黒結晶による変わり映えのしない攻撃に、あなたの機能は対応する。
『   』
女の動きは決して早くない。
『   』
攻勢の中に生じた隙を、男の才覚性は精確に読み取り、
『   』
猟奇性でもって、女の胸に刃が立つ。
セシリア
女の胸に刃が立つ。
セシリア
柔らかい肉ではなく、結晶の硬い手ごたえ。
セシリア
突き刺した場所から、ぼろぼろと黒結晶が零れ落ちる。
『   』
返り血はなく。
セシリア
あなたの猟奇が自分を殺せるかを。
セシリア
確かめている。
『   』
はらはらと落ちる破片には、
『   』
目を奪われることなく、あなたから距離を取る。
GM
*R3 手札廃棄
セシリア
*hQ捨て
『   』
*廃棄なし
GM
*R4
セシリア
『   』
GM
*R4 『   』
『   』
*補助動作 s3鋭気
*主動作 c6霞斬>セシリア
『   』
2d6+3+1+1-2=>7 判定(+才覚) 霞1 (2D6+3+1+1-2>=7) > 9[4,5]+3+1+1-2 > 12 > 成功
『   』
c(1+3) c(1+3) > 4
セシリア
*ここはスルー、3点受けておきます
[ セシリア ] HP : 18 → 15
『   』
2d6+3+1+1+2=>7 判定(+才覚)霞2 (2D6+3+1+1+2>=7) > 8[4,4]+3+1+1+2 > 15 > 成功
『   』
1d6+2+2 威力+専用凶器 (1D6+2+2) > 6[6]+2+2 > 10
セシリア
*防壁します d2
『   』
*割り込みなし
セシリア
2d6+4=>7 判定(+愛) (2D6+4>=7) > 5[1,4]+4 > 9 > 成功
セシリア
*5点軽減
[ セシリア ] HP : 15 → 10
GM
*R4 セシリア
セシリア
*救済 dA セシリア
セシリア
4d6 (4D6) > 10[1,4,4,1] > 10
[ セシリア ] HP : 10 → 20
セシリア
*威風 s9 イーデンへ
『   』
*割り込み sK遊撃
『   』
2d6+4=>7 判定(+猟奇) (2D6+4>=7) > 6[2,4]+4 > 10 > 成功
『   』
1d6 効果量 (1D6) > 3
セシリア
*防壁 d4
セシリア
*精確 s5
セシリア
1d6 精確効果量 (1D6) > 4
セシリア
2d6+4+4-3=>7 判定(+愛) (2D6+4+4-3>=7) > 3[2,1]+4+4-3 > 8 > 成功
セシリア
*無効化です
セシリア
2d6+3+3=>7 判定(+猟奇) (2D6+3+3>=7) > 6[5,1]+3+3 > 12 > 成功
セシリア
2d6-1+2 (2D6-1+2) > 5[4,1]-1+2 > 6
『   』
*第二ボタンで1点軽減して5点受けます
[ 『   』 ] HP : 9 → 4
『   』
*割り込み sQ報復>セシリア
『   』
2d6+4+1=>7 判定(+猟奇)万能 (2D6+4+1>=7) > 12[6,6]+4+1 > 17 > 成功
『   』
1d6 回復量 (1D6) > 2
[ 『   』 ] HP : 4 → 6
『   』
1d6+2 報復のダメージ (1D6+2) > 4[4]+2 > 6
セシリア
5点受けます
[ セシリア ] HP : 20 → 15
GM
*R4 手札廃棄
セシリア
*何もなし
『   』
*捨てなし
GM
*R5
GM
*裁判MOD「自棄」
GM
*PCは『逆鱗』を強制習得します。これはデッキに含まれず効果のみ発揮します。
また、この時強制習得した『逆鱗』について、PKが裁判に参加したタイミングで破棄することができます。
『   』
セシリア
GM
*R5 『   』
『   』
*s6霞斬>セシリア
『   』
2d6+3+1+1-2=>7 判定(+才覚)霞1 (2D6+3+1+1-2>=7) > 7[5,2]+3+1+1-2 > 10 > 成功
『   』
c(1+2+2) 1点+『   』逆鱗+セシリア逆鱗 c(1+2+2) > 5
セシリア
*4点ダメージを受けます
[ セシリア ] HP : 15 → 11
『   』
2d6+3+1+1+2=>7 判定(+才覚)霞斬2 (2D6+3+1+1+2>=7) > 8[2,6]+3+1+1+2 > 15 > 成功
『   』
1d6+2+2+2+2 威力 専用凶器 『   』逆鱗 セシリア逆鱗  (1D6+2+2+2+2) > 6[6]+2+2+2+2 > 14
セシリア
*防壁 s2
『   』
*防壁への割り込み c9妨害
*妨害への割り込み c5精確
『   』
1d6 精確 (1D6) > 4
『   』
2d6+3+1+1+4=>7 判定(+才覚) 才覚 工作員の凶器 万能 精確 (2D6+3+1+1+4>=7) > 10[5,5]+3+1+1+4 > 19 > 成功
セシリア
*精確 c7
セシリア
1d6 精確効果量 (1D6) > 3
セシリア
2d6+4+3=>19 判定(+愛) (2D6+4+3>=19) > 7[5,2]+4+3 > 14 > 失敗
『   』
*14点ダメージをどうぞ。
[ セシリア ] HP : 11 → 0
GM
*セシリアは判決表。
セシリア
2d6+5-5 判決表 (2D6+5-5) > 4[3,1]+5-5 > 4
セシリア
*証言を使用
[ セシリア ] アリスの証言 : 1 → 0
『   』
黒結晶を振り払い、
『   』
男の動きが加速する。
セシリア
「!」
セシリア
その動きを、女は目で追うことができない。
セシリア
このために。
セシリア
仲間のために。
セシリア
少しでも速く動けるようにしたはずだった。
『   』
あなたの愛した男の動き。
『   』
失われたはずの男と同じ動きで、
『   』
二撃。
『   』
あなたの黒結晶を穿ち抜き、
『   』
追撃を防がんとする腕は膝で退ける。
『   』
男の猟奇性と、才覚性。
セシリア
あなたの体は十全に動いている。
セシリア
取り返しがつくのではないかと錯覚するほどに。
『   』
当然それは錯覚に過ぎない。
『   』
あなたの夢見た楽園はもう亡い。
セシリア
そんなものは、この世界のどこにもない。
セシリア
この世界に、希望はないのだから。
セシリア
いや、ありもしない楽園を見るのが、希望であった。
セシリア
ありもしない楽園でもよかった。
セシリア
でも、もう、その夢さえ見ることができない。
セシリア
絶望で覆われた。
『   』
その絶望をもたらした黒結晶。
セシリア
この世界に希望はない。
『   』
その隙間を、男は正しく狙い澄まし。
セシリア
だが、希望がないなら。
『   』
血がしぶく。
セシリア
絶望だって存在しないはずだ。
セシリア
黒結晶に覆われた身体の奥。
『   』
男の凶器が、女のやわらかな肉を穿つ。
『   』
愛なき行為でそうしたよりも。
セシリア
まだ柔らかくあたたかい、そして致命的な場所。
『   』
このほうがよほど、あなたの心の臓に届く。
セシリア
絶望があるとするなら。
セシリア
希望があるとするなら。
セシリア
愛があるとするなら。
セシリア
そこにこそある。
『   』
あなたを昏倒に至らしめるに十分な一撃が。
セシリア
希望も、絶望も、愛も、人間の脳の産物に過ぎない。
『   』
男の鮮やかな手管でもって。
セシリア
地獄は私たちの頭の中。
セシリア
あなたが、それを、救ってくれた。
セシリア
あなたが、私のいる場所を、楽園にしてくれた。
セシリア
でも、それ以上を求めてしまったから。
セシリア
楽園は永遠に失われた。
セシリア
「は、は」
『   』
その手は血に濡れている。
セシリア
心臓から血を流しながら、女は笑う。
セシリア
昏倒に至らしめるに十分な一撃を。
『   』
けれど。
『   』
男はあなたが倒れぬことを正しく見て取る。
セシリア
女の足が踏みとどまる。
セシリア
零れ落ちる。
セシリア
黒結晶が、疵を覆う。
『   』
それに侵されぬよう、すぐさま距離を取る。
セシリア
ありもしない絶望。頭の中だけの地獄。
セシリア
救世主こそがこの地獄を現出させるのなら、
セシリア
私たちはこの堕落の国から一人残らずいなくなるべきだ。
セシリア
でも、まだ。
セシリア
あなたがいる。
『   』
あなたの愛した男ではない男。
セシリア
あなたはどこにもいない。
セシリア
でもあなたがいる。
『   』
楽園をもたらすことの叶わぬ男。
セシリア
愛した男の残滓を。愛した男だった装置を。愛した男だったただの肉の塊を。
セシリア
私はまだ、諦めることができないの。
『   』
絶望の底に、この希望のない世界に、
『   』
あなたの願いを叶えるためだけに立つ。
セシリア
「イーデン」
セシリア
「イーデン」
『   』
女が呼ばわる名を。
『   』
認識できない。
『   』
ただ、
『   』
求められていることを、理解した。
セシリア
「あなたを、愛してた」
『   』
「…………」
セシリア
「愛していたの」
『   』
「そう」
『   』
「……そうか」
セシリア
それは、もう何の意味もない証言。
セシリア
ただの狂った、救世主の証言。
『   』
ラストアリスになどなれはしない。
セシリア
それでもその言葉はまだ、女をここに立たせる。
『   』
それでも女は救世主としてここに立つ。
『   』
救いたいと思う男の。
セシリア
その時が来たと言いながら、あなたを打ち倒そうと。
『   』
もはやどこにも存在しないことを知りながら。
セシリア
あなたを求めている。
『   』
自分を求めない女の声を、聞いている。
セシリア
望みはもう、どこにもないから。
セシリア
叶える術など、ありはしないのだから。
『   』
答えはもう、どこにもないから。
『   』
応える術など、ありはしないのだから。
セシリア
どうすればよかったかなど分からないまま。
『   』
あなたの求める、自分ではない男へと想いを馳せながら、
『   』
どうすればいいかも分からず、あなたへ相対する。
セシリア
女が俯き、顔を覆う。
セシリア
黒結晶が、さざめく。
『   』
その凶器の中を
『   』
男が歩く。
『   』
結晶に侵されながらも、あなたへと寄り添う。
『   』
「……愛して」
『   』
「いたんだな」
セシリア
「愛してた」
『   』
「愛していた」
『   』
「……どんなところを?」
セシリア
「どんな、」
セシリア
「…………」
『   』
「ああ」
『   』
「……聞かせて」
『   』
「くれないか」
セシリア
「私の話を、」
セシリア
「遮らずに、聞いてくれて」
『   』
「…………」
セシリア
「私が、考えている時、」
セシリア
「私は、答えを、出すのが遅いから」
『   』
知らない男の話を聞く。
『   』
「ああ」
セシリア
「それでも、待ってくれた」
セシリア
「私のことを、信じてくれた」
『   』
「…………」
セシリア
「信頼を、」
『   』
女の肩を抱く。
セシリア
「返せないと言っていたけど」
セシリア
「信じたいのは分かってて」
『   』
猟奇性ではなく。
『   』
ないはずの愛で。
『   』
「……そうか」
『   』
「全部」
『   』
「筒抜け、だったんだな」
『   』
その男は。
『   』
それは、自分の話ではない。
セシリア
「愛したいと、思っていても」
セシリア
「愛せないのだって、分かってた」
『   』
「…………」
『   』
自分の話であるかと、勘違いをしかけて
『   』
そうではないのだと、男の才覚性が、正しく認識をする。
セシリア
「大切な人がいて」
セシリア
「傷ついていて」
セシリア
「触れない場所があって」
セシリア
「それであなたはずっと傷ついてて」
『   』
「…………」
『   』
「お前も」
セシリア
「それでもよかった」
『   』
「傷ついているように」
『   』
「見える」
セシリア
「傷ついてもよかった」
『   』
「傷つけられても?」
セシリア
「傷つけられても、よかった」
セシリア
「みんなが、私を正しいと言う」
『   』
背を擦る。女の背を。
セシリア
「私は間違ってないって、私の判断は正しいって」
セシリア
「私に任せるって」
『   』
その都度女を侵しきった結晶が、男の腕をも蝕む。
セシリア
「私は間違いだらけで」
セシリア
「罪を犯して、罰を受けるべきで」
セシリア
「そんなことは、」
セシリア
「傲慢で、」
セシリア
「許されることも、責められることも」
セシリア
「うまくできなかったから」
セシリア
「傷つけてくれる方がよかった」
『   』
「…………」
『   』
「……酷い」
『   』
「男であるように、思える」
セシリア
「それでよかった……」
セシリア
「おなじに、見えたから」
『   』
自分は、誰なのだろう。
『   』
女の言葉を聞くほどに。
セシリア
「おなじが、よかったから」
『   』
男の話を聞くほどに。
セシリア
「おなじじゃないと、愛せなかった」
『   』
今ここに存在する、自分というものが、分からなくなる。
『   』
何故なら。
『   』
何もない。
『   』
今ここで涙を流す彼女のように。
『   』
彼女が愛をもって語る男のように。
『   』
背負うてきた過去が、自分には、どこにもない。
『   』
どうしてここにいるのかわからない。
セシリア
その過去は、女がすべて殺してしまった。
『   』
どうして生きているのかわからない。
『   』
ただ、
『   』
この世界に希望がないことだけを知っているのに、
セシリア
死ぬ理由を奪って、生きる理由を消してしまった。
セシリア
なのに。
『   』
なぜだか胸に残された希望だけを認識している。
セシリア
希望だけが、まだそこに残っている、から。
セシリア
あなたを諦めることができない。
『   』
「……ひどくする側と」
『   』
「される側じゃあ」
『   』
「おなじじゃ、ないだろう」
『   』
この言葉だって、どうして吐いていることか。
『   』
なんの根拠もない。なんの理由もない。
ただ反射のように思い浮かぶ言葉を。
『   』
せめて女の望むものであればよいと願いながら、口にするばかり。
セシリア
話せば話すほど。言葉を交わせば交わすほど。
セシリア
これは彼であって、彼ではない。
セシリア
でも、彼だから。
『   』
自分ではない。
『   』
女が求める男は自分ではない。
『   』
ただ、女がだれかを求めていることだけが分かって、
『   』
ここにいるのが、自分だから。
『   』
答えてやらなければと、そう思うだけだ。
セシリア
答えてほしいと思いながら。
セシリア
願いがどこにもないから。
セシリア
心の疵が動くのを止めることができない。
『   』
おんなの恋心がそこにある。
『   』
それを知っている。
セシリア
もはや自分を救わない恋心が。
セシリア
希望を喪ってもなお、抉れもせずにそこに残っている。
『   』
その恋心が男を壊したことも知らずに。
『   』
ただ痛ましいと思い、叶うことを願ってしまう。
セシリア
でもその願いは。決して叶わない。
GM
*R5 セシリア
セシリア
*救済 対象セシリア cA
セシリア
4d6 (4D6) > 11[5,1,4,1] > 11
[ セシリア ] HP : 0 → 12
[ セシリア ] HP : 12 → 13
セシリア
*威風 s8 イーデン
セシリア
2d6+3+3=>7 判定(+猟奇) (2D6+3+3>=7) > 4[2,2]+3+3 > 10 > 成功
セシリア
2d6-1+2+2+2 逆鱗+逆鱗+看破 (2D6-1+2+2+2) > 8[6,2]-1+2+2+2 > 13
[ 『   』 ] HP : 6 → 0
GM
*『   』は判決表。
『   』
2D6+5+1-5 第二ボタン 前科5 (2D6+5+1-5) > 5[3,2]+5+1-5 > 6
『   』
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 才覚
『   』
2d6+3+1=>7 判定(+才覚) (2D6+3+1>=7) > 9[4,5]+3+1 > 13 > 成功
[ 『   』 ] HP : 0 → 1
[ 『   』 ] 前科 : 5 → 6
『   』
*dQ報復>セシリア
『   』
2d6+4=>7 判定(+猟奇) (2D6+4>=7) > 4[2,2]+4 > 8 > 成功
『   』
1D6+2+2+2 (1D6+2+2+2) > 4[4]+2+2+2 > 10
[ セシリア ] HP : 13 → 4
セシリア
溢れ出る。
セシリア
身体の内から血がこぼれ、黒結晶がともに落ちていく。
セシリア
「愛していた」
セシリア
「愛していたから」
『   』
「ああ」
『   』
「……ああ」
セシリア
「ここでやめるわけにはいかないの」
『   』
「そうか」
セシリア
「私は、」
セシリア
「あなたに殺してほしい」
セシリア
「あなたを救いたい」
セシリア
「あなたに、ラストアリスになってほしい」
セシリア
「生きていてほしい」
『   』
「…………」
セシリア
「……死んでほしい」
『   』
男に願いをかける女の声を聞いている。
『   』
自分ではない。
『   』
それは自分ではないのだ。
セシリア
女の願いはすべてが矛盾している。
セシリア
すべてが真実であり、すべてが間違っている。
セシリア
どうせすべてが叶わない願いであることを、
セシリア
知っている。
セシリア
「だから」
『   』
「だから?」
セシリア
「だから!」
セシリア
女の内側から黒結晶が盛り上がる。
セシリア
セシリア・アンティカイネンの力の本質は、生命力の操作。
セシリア
癒し、傷つけ、与え、奪う。
『   』
「!」
『   』
殺到するそれを、
セシリア
すべてを与える。
セシリア
すべてを奪う。
『   』
この距離でかわせるはずもない。
セシリア
黒結晶があなたを傷つける。
『   』
「ッあ、」
『   』
血と。
『   』
自分の中からも、破片が舞う。
『   』
致命に届く一撃であることを理解する。
『   』
けれど。
『   』
まだ、膝を折れない。
『   』
頭が理解する。
『   』
ここで折れてしまっては、
『   』
きっと、この女は悲しむだろう。
『   』
……ひどく、今更のことかもしれないけれど。
『   』
それは嫌だと、どうやら、自分は思うらしい。
『   』
だから得物を握る。
『   』
黒結晶の奔流に身を穿たれ、苦痛に息を詰めながらも、
『   』
反撃をくれて離脱する。
『   』
結晶の張り付いた黒いコートをなびかせながら。
『   』
距離を取って、女を見返す。
セシリア
肩で息をする。
セシリア
絶望に沈んだ目が、あなたを見つめる。
『   』
届かない。
セシリア
まだ立っている。
『   』
知っている。
『   』
この世界に希望はなく、
『   』
一度絶望の底に沈んだ女を引き上げるすべはない。
『   』
自分もまた。
『   』
同じ場所にいるのだから。
『   』
絶望の底で生まれた男が、
『   』
故知らぬ希望を抱かされたままの男が、
『   』
絶望。
『   』
諦観。
『   』
孤独感。
『   』
猜疑心。
『   』
そのすべてを呑み下して、今は、女を見つめていた。
GM
*R5 手札廃棄
『   』
*dJ廃棄
セシリア
*捨てなし
GM
*R6
セシリア
『   』
GM
*R6 『   』
『   』
*補助動作 h7鋭気
*主動作 s5霞斬>セシリア 
『   』
2d6+3+1+1-2=>7 判定(+才覚)万能 工作員の凶器 霞1
 (2D6+3+1+1-2>=7) > 5[4,1]+3+1+1-2 > 8 > 成功
『   』
c(1+3+2) 霞1点 鋭気 逆鱗 c(1+3+2) > 6
セシリア
*防壁 c3
『   』
*防壁にhK遊撃
『   』
2d6+4=>7 判定(+猟奇) (2D6+4>=7) > 3[2,1]+4 > 7 > 成功
『   』
1d6 遊撃マイナス効果量 (1D6) > 4
GM
*鋭気がこちらにうつります。
『   』
c(4+3+2) 猟奇点 鋭気 逆鱗 c(4+3+2) > 9
セシリア
*防壁 s4
『   』
*対抗なし
セシリア
2d6+4-4=>7 判定(+愛) (2D6+4-4>=7) > 7[4,3]+4-4 > 7 > 成功
[ セシリア ] HP : 4 → 0
GM
*セシリアは判決表。
セシリア
2d6+5-5 判決表 (2D6+5-5) > 11[5,6]+5-5 > 11
[ セシリア ] 前科 : 5 → 6
[ セシリア ] HP : 0 → 1
セシリア
*報復 sK
『   』
*妨害 c10
『   』
2d6+3=>7 判定(+才覚) (2D6+3>=7) > 6[3,3]+3 > 9 > 成功
『   』
a
『   』
全部忘れてた 工作員の凶器と万能で+1+1です
『   』
11以上。
セシリア
*精確 s7
セシリア
1d6 精確効果量 (1D6) > 2
セシリア
2d6+3+2=>11 判定(+猟奇) (2D6+3+2>=11) > 6[1,5]+3+2 > 11 > 成功
セシリア
2d6-1+2+2+2 凶器+看破逆鱗逆鱗 (2D6-1+2+2+2) > 10[4,6]-1+2+2+2 > 15
[ 『   』 ] HP : 1 → 0
GM
*『   』は判決表。
『   』
2D6+5+1-6 判決表 脅威度 第二ボタン 前科 (2D6+5+1-6) > 10[6,4]+5+1-6 > 10
[ 『   』 ] HP : 0 → 1
[ 『   』 ] 前科 : 6 → 7
セシリア
2d6+4=>7 判定(+愛) (2D6+4>=7) > 5[2,3]+4 > 9 > 成功
セシリア
*防弾コートの効果により、無効です
『   』
鋭気なくなってますのでダメージが3点
軽減しきれますね
『   』
では霞斬2撃目振ります
『   』
2d6+3+1+1+2=>7 判定(+才覚)万能 工作員の凶器 霞2 (2D6+3+1+1+2>=7) > 11[6,5]+3+1+1+2 > 18 > 成功
『   』
1D6+2+2+2+2 威力 専用凶器 逆鱗 逆鱗 (1D6+2+2+2+2) > 6[6]+2+2+2+2 > 14
[ セシリア ] HP : 1 → 0
GM
*セシリアは判決表。
セシリア
2d6+5-6 判決表 (2D6+5-6) > 3[1,2]+5-6 > 2
GM
*~2 ランダムな能力値で判定し、成功すれば〈昏倒〉する。失敗すれば〈死亡〉する。
セシリア
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 愛
セシリア
2d6+4=>7 判定(+愛) (2D6+4>=7) > 4[2,2]+4 > 8 > 成功
GM
*セシリアは〈昏倒〉。
『   』
絶望の淵にて。
『   』
男と女が交錯する。
『   』
この世界が許せない。
『   』
仲間のことを信じられない。
セシリア
ナイフを黒結晶が防ぐ。
セシリア
絶望の底。
『   』
この世界への、仲間への、深い絶望と断絶を
『   』
何故だか自分は、よく知っている。
セシリア
致命の傷。普通の人間ならば死んでいる傷を。
セシリア
心に深く刻み込まれた疵が耐えさせて立たせる。
セシリア
殺意が男に殺到する。黒結晶の群れが。
『   』
それをかい潜って攻めるやり方を、自分の身体は覚えている。
セシリア
己を喪って、十全に機能を果たす男。
セシリア
それを、打ち倒し、その先にあるものを。
『   』
きっと。
『   』
それは。
セシリア
その先には何もないと知りながら。
セシリア
手を伸ばす。
『   』
彼女にとっては、苦役にしかなり得ない。
『   』
それがわかる。
セシリア
苦しくていい。
『   』
苦しまないでほしい。
セシリア
何も返してくれなくていい。
『   』
求められているなら返したい。
セシリア
ただ、そこにいて、生きていてほしかった。
『   』
この絶望の底で生まれて、理由もわからず生きている。
セシリア
そのはずなのに。
セシリア
そこにはもう誰もいない。
セシリア
自分が殺してしまった。
自分がその罪を消してしまった。
セシリア
ただ、
セシリア
絶望の淵にあって、分かり合えず、失われたものの中に。
『   』
男の機能が閃く。
セシリア
善きひとがいる。
セシリア
そう思う。
『   』
その猟奇性。鮮やかな斬撃。
『   』
その才覚性。精緻の軌道。
『   』
あなたを愛さなかった男と同じそれで、
セシリア
切り裂かれる。
『   』
刃は、過たず
『   』
女の心臓を貫いた。
セシリア
まだ、倒れるわけにはいかない。
セシリア
まだ、助けられる。あなたを助けられる。
セシリア
だってそこには希望が残っている。
『   』
痙攣する身体を抑え込む。
『   』
深く深くまで肉を抉る。
セシリア
この世界に希望はない。
『   』
自分は救世主がいかにしぶとい生き物であるかを知っている。
セシリア
世界のどこにもない希望を。
『   』
これが、
セシリア
どうして救世主は懐くことができるのか。
『   』
女の望む機能を果たす、千載一遇の好機であることを、よくよく理解している。
セシリア
狂っているから? 愚かだから?
『   』
ごく近く。
『   』
愛し合うのに似た抱擁の中に。
セシリア
おびただしい血が溢れ出る。
セシリア
女の口から、血がこぼれる。
『   』
いつしか女を抑え込むための腕は、
『   』
その痩身を支えるために。
セシリア
「イー、デン」
『   』
「…………」
セシリア
血に濡れた唇で、女がどこにも居ない男の名前を呼ぶ。
セシリア
女にはもう、虚像しか見ることはできない。
『   』
呼ばわる名前を聞いて、知らない名前を聞いて。
『   』
かれを、ひどく
セシリア
「あい、してる」
『   』
羨ましく思った。
セシリア
「愛してる……」
『   』
「…………」
『   』
「……あ、あ」
『   』
呼吸が引き攣れる。心の疵が疼く。
セシリア
この愛は、もうなにも救わない。
セシリア
私の愛は、あなたを追い詰める。
『   』
のたうつ絶望が、壊れ果てた男をさらに引き裂いて、
『   』
それでも、
セシリア
ずっと分かっていた。そうして、私はあなたを壊してしまった。
『   』
――それでも!
セシリア
それでも、
『   』
「……愛してる」
『   』
その言葉を返す。
セシリア
絶望の中で、その恋が、自分を救うものではなくなっても。
セシリア
恋をすることだけはやめられなかった。
『   』
この言葉があなたを救うものでなくとも。
セシリア
恋を棄てることはできなかった。
『   』
この女を真に愛すことなどできなくとも。
セシリア
嬉しそうな微笑みがかえる。
『   』
それが、
『   』
この女にとっての、
『   』
ただ一つの希望となり得るのならば。
『   』
それを与えることが
『   』
きっと
『   』
機能ではない、自分の成したいことだ。
『   』
これが。
『   』
絶望の底にある、自分の希望。
『   』
この世界に希望はない。
『   』
それを思い知って尚、
『   』
愛せない、愛してはいない、
『   』
けれど誰よりも愛おしい女へと、
『   』
希望をもたらしてやりたいと、思うことを、やめられない。
セシリア
この世界に希望はない。
セシリア
男の言葉が、嘘であることを知っている。
セシリア
いや、果たしてそれは、本当に嘘だろうか。
セシリア
ただ、私と同じ形をしていないことを、そう思っているだけではないだろうか。
セシリア
この世界に希望はない。
セシリア
この世界にあるのは、絶望だけ、でも。
セシリア
どうやらこの世界を救うのは、猟奇と才覚と、愛であるらしい。
セシリア
愛とは一体何なのか、そんなことはだれにも分かっていなくて。
セシリア
ただだれかに対する執着に、それらしい名前を付けているだけ、なら。
セシリア
私に希望をもたらしたいと。
セシリア
そう思ってくれるなら。
セシリア
それでもいいのかもしれない。
『   』
女を抱く。
『   』
強く強く、抱きしめる。
セシリア
女の体からは、とっくに力が抜けている。
『   』
男の身体もぼろぼろだ。
『   』
あなたの放った黒結晶に侵されきって、
『   』
柔らかく触れ合うはずの肌は、うまく重ならない。
『   』
けれど、通じ合うことはできる。
セシリア
心の疵は力を喪い、黒結晶は女の体を侵食していく。
『   』
この男にその機能はないけれど。
『   』
あなたはこの黒水晶と繋がっている。
『   』
この男は、
セシリア
あなたの希望を、この身に感じている。
『   』
あなたの姿に、希望を見出していた。
『   』
あなたを美しいと思った。
絶望の底に出会った女を。泣きじゃくる女を。
ひたむきに何かを求め、誰かを想う女の姿を。
『   』
そこに。
『   』
男の希望があった。
セシリア
それと同時に、あなたは感じていたはずだ。
セシリア
この女は、もうどうあっても生きていかれないと。
『   』
それでも。
セシリア
どこにもいなくなった男は知っていた。
セシリア
この女を愛せば、きっと死んでしまうだろうと。
『   』
失われゆくことの定められている女のさまが。
『   』
自分には、ひどく眩しくて。
『   』
だから、この刹那。
『   』
絶望の底で。
セシリア
絶望の底で。
『   』
猟奇と才覚と愛でもって、
『   』
最初で最後の、短く長い裁判をした。
『   』
この希望なき世界の理のもと。
『   』
女の求める機能を正しく果たしてみせて、
『   』
その苦難に、終止符を打つために。
セシリア
才覚などいらないと思った。正しいと言われたくないから。
セシリア
愛を見つけた。自分にはいちばん必要な、自分を救ってくれるものだった。
セシリア
猟奇が必要だった。自分の身を護るため、何よりあなたの身を護るために手に入れた。
セシリア
そうして辿り着いた。この絶望の底で。
『   』
あなたの望んだ男ではない男が、今はあなたを掻き抱く。
セシリア
存在しないはずの愛を、返してもらえなかったはずの愛を。
セシリア
確かに感じながら、女の意識は遠く沈んでいく。
『   』
「…………」
セシリア
苦しみのない、安らかな表情で。
『   』
「……愛してる」
『   』
「愛してるんだ……」
セシリア
いらえはない。
『   』
いらえは求めていない。
『   』
ただ、この言葉が
『   』
女の最後の希望であることをだけ。
『   』
絶望の底に、望んでいた。
GM
GM
しばらく。
GM
静寂があった。
GM
遠く、森の奥から。
スティブナイト
足音が近づいて。
『   』
「…………」
『   』
女を抱いたまま。
『   』
ゆっくりと
スティブナイト
お前たちの、そこから、少し離れたところで。
スティブナイト
立ち止まる。
『   』
その顔を上げた。
『   』
全身に黒水晶を蔓延らせた男が。
スティブナイト
「…………」
『   』
似たような、いや、より酷い惨状の女を抱いている。
スティブナイト
「お話はできた?」
『   』
「……はい」
『   』
「…………」
『   』
「あなたは……」
スティブナイト
「この森の主」
スティブナイト
「すべての元凶」
『   』
「そう」
『   』
「ですか」
『   』
「…………」
スティブナイト
「……助からない」
スティブナイト
「お前も、そいつも」
『   』
「はい」
スティブナイト
「もとには」
『   』
「戻らない」
『   』
「……理解している」
『   』
「と、言うよりは」
『   』
「…………」
『   』
「もと、というものが」
『   』
「どうにも、抜け落ちたようで」
『   』
首を傾げる。緩やかに。
『   』
悪意も警戒もない、どこか気の抜けた仕草。
スティブナイト
「……そっか」
『   』
「この人には」
『   』
「それが、残っていたようなのですが」
『   』
「……けれど」
『   』
「叶わないことは、俺にも、理解できた」
スティブナイト
「俺を倒して、お前たちを救うと」
スティブナイト
「……ああ」
『   』
「…………」
『   』
じっとあなたを見て。
『   』
「難しかったでしょうね」
『   』
「俺が、この人を止められずとも」
『   』
「あのありさまで、あなたを討ち果たせるようには思えない」
『   』
それは、男にある才覚性が
『   』
全てが抜け落ちた後でも残るその機能が、正しく見定めた故の結論だ。
スティブナイト
「何かの間違いとか」
スティブナイト
「あるいは、お前たちはそれを奇跡とか、呼ぶかもしれないけど」
スティブナイト
「そんなことが起こらない限りは」
『   』
「…………」
『   』
「希望」
『   』
「と、そう呼ぶのかもしれません」
スティブナイト
「……うん」
『   』
「……滑稽な話でしたね」
スティブナイト
「かなわないことを知りながら縋り」
『   』
「すみません」
スティブナイト
「そうやってこの国を生きていく」
『   』
「…………」
『   』
「……あなたは」
『   』
「どうして俺の前に」
『   』
「こうして、姿を?」
『   』
「少し離れた場所から」
『   』
「誰かがこちらを見守っていたのは、理解していましたが……」
スティブナイト
「……現実的な話をするなら」
スティブナイト
「その女がこの森の力を制御していて、遠くからとどめを刺すことが不可能だったから」
スティブナイト
「…………」
『   』
見下ろす。腕の中の女を。
スティブナイト
「……拝啓、アリス」
スティブナイト
「愛しいアリス」
『   』
あなたを見る。
スティブナイト
どれほど前に聞いた言葉だろう。
『   』
この男の記憶にそれはない。
スティブナイト
「きみが目を醒ましてから」
『   』
初めて聞く言葉を聞いている。
スティブナイト
「100年の月日が流れました」
『   』
絶望の底に生まれた救世主が。
スティブナイト
「ぶっちゃけ、この国はもう駄目です」
『   』
絶望を蔓延らせてしまう救世主の前に。
スティブナイト
「兎は落下し」
スティブナイト
「猫は干乾び」
スティブナイト
「帽子は裂け」
『   』
この世界の在り方を聞く。
スティブナイト
「女王は壊れ」
スティブナイト
「大いなる暴力と死が、堕落した国に降り注ぎます」
『   』
「…………」
スティブナイト
「……これが、お前たちが、俺が」
スティブナイト
「生きてきた世界で」
スティブナイト
「猟奇と才覚、愛によってこの世界を救うため」
スティブナイト
「どこからか、俺たちは呼び出された」
『   』
「この」
『   』
「希望のない世界に?」
スティブナイト
「こんな絶望しかない世界で」
スティブナイト
「…………」
スティブナイト
「こんな、この国の絶望を、象徴するような森で」
スティブナイト
「お前は」
スティブナイト
「どうして戦った?」
『   』
「…………」
『   』
暫し。
『   』
考え込んでから、
『   』
「……この人のことが」
『   』
「大事だと、思ったから」
スティブナイト
「……猟奇、才覚」
スティブナイト
「絶望に満ち、何もわからなくなっても、お前は」
スティブナイト
「堕落の国で力になるそれを使って、機能を成していた」
『   』
「はい」
『   』
「……でも」
『   』
「大事にする方法は、分からなかった」
『   』
「大事にしたいとは、思ったけれど」
『   』
「どうすれば、大事にすることになるのかは、分からなかった」
スティブナイト
「…………」
『   』
「……だから、戦った」
『   』
「この機能が」
『   』
「どうやらこの人の望みを果たすのに」
『   』
「もっとも相応しいものであるように、思えたので」
『   』
「…………」
『   』
「……それが」
『   』
「正しかったかどうかは、わからない」
『   』
「この先」
『   』
「わかることはもう、ないでしょう」
スティブナイト
「そうだね」
スティブナイト
「それがわかるのは、きっと」
スティブナイト
「本人だけだ」
『   』
「はい」
『   』
「そして」
『   』
「……この人にはもう」
『   』
「『その時』が、来た」
『   』
「俺が終わらせます」
スティブナイト
「うん」
『   』
「……その後は……」
『   』
あなたを見上げる。
スティブナイト
「……」
『   』
「……あなたは、どうされますか」
『   』
「俺のことも、終わらせますでしょうか」
『   』
「恐らく」
『   』
「この人と同じく、俺もまた、あなたには叶わない」
スティブナイト
「……逃がしたところで」
『   』
「抵抗は……」
『   』
した方がよいのだろうか。考え込んでいる。
スティブナイト
「その黒結晶がお前を蝕むのも、きっと時間の問題だ」
『   』
「……ああ」
『   』
「これですか」
スティブナイト
「…………」
スティブナイト
「……その女は」
スティブナイト
「なんて?」
『   』
「?」
『   』
「なんて、とは」
スティブナイト
「お前に生きてほしかった?」
スティブナイト
「お前と一緒に死にたかった?」
『   』
「…………」
『   』
女の頬を撫でる。黒水晶に侵された頬を。
『   』
「殺してほしい」
『   』
「救いたい」
『   』
「ラストアリスになってほしい」
『   』
「生きていてほしい」
『   』
「……死んでほしい」
『   』
「色々と、言われましたが」
『   』
「……『私のことを、覚えていてほしい』」
『   』
「それが」
『   』
「もっとも真実に近かったように、思います」
スティブナイト
「……そう」
スティブナイト
「……」
スティブナイト
「黒結晶がお前を蝕む時」
スティブナイト
「きっと痛みが伴う」
スティブナイト
「あらゆる絶望がお前を侵す」
スティブナイト
「苦痛で正気を失う」
『   』
「…………」
スティブナイト
「……その前に」
スティブナイト
「この女を覚えているまま」
スティブナイト
「殺すことはできる」
スティブナイト
「…………」
スティブナイト
「生きて帰りたいなら」
スティブナイト
「お前の意思はほとんど俺のものだ」
『   』
目を瞬く。
スティブナイト
「俺に勝てる見込みがないのがわかるなら」
スティブナイト
「それがどういうことかも、わかると思うけど」
スティブナイト
「お前が抱いている希望は絶望に塗り替わり」
スティブナイト
「女を忘却し」
スティブナイト
「どうして生きているかもわからないまま」
スティブナイト
「苦痛の中で亡者となって」
スティブナイト
「地獄を彷徨い続ける」
『   』
「…………」
『   』
「あまり、嬉しくはないですね」
スティブナイト
「確率の話で言えば、ここで死ぬのが」
スティブナイト
「その女の『希望』を叶えるには」
スティブナイト
「確実だと思うけど」
『   』
「迷いますね」
『   』
「そうかもしれませんが、どうにも気が進まない」
『   』
「かといって」
『   』
「万に一の可能性に賭けて、あなたを殺して生き延びようとも」
『   』
「どうにも思えません」
『   』
「……こんな話をされても」
『   』
「あなたは、困るでしょうが……」
スティブナイト
「埋め込んだそれは厄災の石だ」
スティブナイト
「ここでお前を殺さずに、帰す選択肢もあって」
スティブナイト
「そうしたら、お前は」
スティブナイト
「絶望を撒き散らす感染源になる」
『   』
「……うーん」
『   』
「それは、かなり」
『   』
「嫌ですね」
スティブナイト
「かわいそうに」
『   』
「ですが」
『   』
「世界とは、そういうものでしょう」
『   』
「この世界に希望はない」
『   』
「この世界で起こることは」
『   』
「どれもこれも、嫌なことばかりで」
『   』
「生きていることは苦しいことで」
『   』
「生き延びるほどに、それは長引くばかりで」
『   』
「……でも」
『   』
「どうして、生きていてほしい」
『   』
「ほしかったと」
『   』
「そう、思ってしまうのでしょうね」
スティブナイト
「………………」
スティブナイト
それに。
スティブナイト
答えることはない。
スティブナイト
「止めないよ」
スティブナイト
「ここは地獄だ」
『   』
「はい」
スティブナイト
「この先も、きっと」
スティブナイト
「お前にはあらゆる苦難が待っていて」
スティブナイト
「辛くなることばかりだ」
『   』
「はい」
スティブナイト
「この世界に希望はない」
スティブナイト
「歩み、進むごとに」
スティブナイト
「絶望、諦観、孤独感、猜疑心」
スティブナイト
「この堕落の国に対する恨み」
スティブナイト
「そういうものが、深まるばかりで」
『   』
「……はい」
スティブナイト
「ここは絶望の森」
スティブナイト
「ただし、外にも」
スティブナイト
「絶望が満ちている」
『   』
「ええ」
『   』
「大差ない」
『   』
「どこを這い回ろうと」
『   』
「この世界に希望はない」
『   』
「……でも」
『   』
「だからこそ」
『   』
「試してみたいとも、思っています」
『   』
「この選択を後悔するかもしれない」
『   』
「苦痛と狂乱と絶望の底に」
『   』
「いつかの自分を、彼女を、下手をしたらあなたさえも」
『   』
「呪ってしまうかもしれない」
『   』
「……いいえ」
『   』
「ほとんど俺は、そうなるのでしょう」
スティブナイト
「……そう」
『   』
「……すみません」
スティブナイト
「おまえにある才覚で」
『   』
「親切な人」
スティブナイト
「それがわかっているのなら」
『   』
「あなたの善意を、無駄にしてしまった」
スティブナイト
「……こんな絶望しかない世界で」
スティブナイト
「お前が生きる意味が、あるというのなら」
スティブナイト
「出口は、すぐそこだ」
『   』
「はい」
『   』
「……ありがとうございます」
スティブナイト
視線を森の向こうにやる。
『   』
改めて女を抱え直し、
『   』
横抱きに立ち上がる。
『   』
「……ああ」
『   』
「そうだ」
『   』
「すみません」
『   』
「最後に、一つだけ」
スティブナイト
先には、暗く淀んだ木々。
『   』
「尋ねてしまっても、よいでしょうか?」
『   』
「訊けなかったんです」
『   』
「この人には」
『   』
「俺は、多分」
『   』
「それを知っているはずだったから」
スティブナイト
黙って続きを促す。
『   』
「……名前」
『   』
「そう、名前を」
『   』
「この人の名前を教えてください」
スティブナイト
「セシリア」
スティブナイト
「セシリア・アンティカイネン」
『   』
「セシリア」
『   』
「セシリア・アンティカイネン」
『   』
「……ありがとうございます」
『   』
「これで、やっと」
『   』
「この人の名前が呼べる」
『   』
「…………」
『   』
女を抱え直し、あなたに背を向け。
『   』
男は澱んだ森を行く。
『   』
「……ああ」
『   』
「俺とこの人が、話していた時に」
『   』
「見守ってくれていた」
『   』
「もう一人の、方」
『   』
「……その方にも」
『   』
「よろしくお伝えください」
スティブナイト
「……………………」
スティブナイト
「…………」
『   』
男が森をゆく。
GM
それに、なんと返事をしたのか。
GM
遠ざかるお前に聞こえることはない。
『   』
希望のない世界に蔓延る黒水晶の森。
GM
静寂の森。
『   』
絶望の森。
『   』
どうしてここに来たのかわからない。
『   』
どうして生きているのかわからない。
『   』
どうしてこうしているのかもわからない。
『   』
けれど、そんなのは、今更だろう?
GM
お前が歩めば。
GM
遠く、黒い森の木の隙間。
GM
光が差し込む場所がある。
『   』
心残りがないはずがない。
GM
その先は、どこまでも、堕落の国。
『   』
この選択が正しかったかもわからない。
『   』
でも、こうしたいと思った。
『   』
この心に残った、故もわからぬ希望がそうさせた。
『   』
これはただそれだけの終末。
セシリア
この世界に希望はない。
『   』
それをよく知っている。
『   』
叶わぬ希望に意味はない。
『   』
でも、ひとつだけ、わがままでささやかな願いを抱くなら。
『   』
……もう少し、この人と話がしたかった。
『   』
そう思った。
『   』
森をゆく。光を目指す。
『   』
そうして外へ、
『   』
当て処なく外へ。
『   』
希望のない世界へと、男は再び歩み出す。
GM
拝啓、アリス。
GM
愛しいアリス。
GM
この国は、もうだめであるというのに。
GM
こんな絶望しかない世界であることは、わかりきっているのに。
GM
お前が生きる意味が、あるというのなら。
GM
お前がここにいる意味が、あるというのなら。
GM
もう少し。
GM
 
GM
 
GM
Dead or AliCe「絶望の森」
GM
おしまい。
GM
 
GM