プロローグ
GM
その木を切り拓いて作られた、中規模の拠点にあなたがたはいる。
GM
辺りを埋め尽くさんばかりに並ぶのは、箱に詰められた物資と、布でくるまれた三月兎。
GM
ドードーの末裔が紙の資料を見比べて、公爵家エージェントと話す。
GM
雇われのグリフォンの末裔たちがそれらの周辺で、飛び立つ支度を整えていた。
GM
しばらくして、そのうちの一人、リーダー格の公爵家エージェントが近付いてきて、あなたがたに声をかける。
GM
「救世主様方。こちら、いつでも出発できます」
GM
「改めまして、この度は依頼を受けていただき、本当に感謝しております」
GM
「なにせ、この状況で頼れるのはあなたがた以外にいませんから……」
カンダ
「ハーッ!いえいえ!治安維持は我々の務め!」
カンダ
「令状もしっかり頂いておりますし!万事不足なし!しかし本件の情報について改めて!確認させて頂けると!」
カンダ
「幸いであります!」 (カタカタと震える物資達、揺れる木の葉)
GM
「はい、そのつもりです。ありがとうございます」
GM
極めて普通の音量で喋っているのですが聞き取りにくかろうと思うので、紙をご用意いたしました。
GM
まず、1ページ目には今回の依頼についての情報が書かれています。
エンフォーサー
これはこれはご丁寧に、と紙を受け取る。
GM
今回あなたがたに依頼するのは、救世主『スティブナイト』の討伐、並びに討伐対象が生み出している空間『黒の森』の調査。
GM
とはいえ、スティブナイトについても、黒の森についても、あまり詳細なことはわかっていません。
GM
・黒の森は暗く、あらゆる草木が枯れ果て、黒い結晶がそこかしこに生えている場所である。
そこまで広くはなく、端から端まで歩くのには長くても半日程度であるようだ。
GM
・広くはないし迷わないはずなのだが、なぜか帰ってこれた者がほとんどいない。
・たまに何かに吸い寄せられるようにして森に入っていく者がおり、近くにあった集落が壊滅した。
GM
・黒の森に入った場合、末裔はまず帰ってこない、たまに帰ってきた救世主は発狂していたり、そのまま自殺や失踪をしたり、ほぼ無反応の無気力状態、植物状態になったりする。
GM
プロフ帳の救世主はあれでかなり軽症だったらしいですね。
GM
・帰ってきた者には「黒結晶」と呼ばれる結晶が肉体から生えていたり、体の一部が結晶に置き換わっていたりする。
GM
その後身体検査を受けたりしたらしいですが、幸いにも後遺症などはなかったようです。
GM
・公爵家はこの現象を発生させている救世主をコードネーム「スティブナイト(stibnite)」と名付けたが、本当の名前も素性もわからない。
いくつか目撃情報があるが、証言が食い違っている。
GM
・よくわからないが、放っておくと村一帯を滅ぼしかねない。危険な存在である。
・過去にも何度か救世主に依頼を頼んだが、今まで全滅している。
GM
・以上のことから、周辺ではこの森は「絶望の森」と呼ばれており、怖がられている。
エンフォーサー
「ずいぶんとおっかない名前ですね」
GM
ダンジョンだったらまだマシだったんですが、なんか人がおびき寄せられていくので大変なんですよ。
カンダ
「この場所に”森”そのものは以前からあったのでしょうか!」
GM
「ありました。少なくとも、2年ほど前まではこの辺りは普通の森だったようです」
エンフォーサー
「はぁー。森が枯れるのもかなり問題ですね」
GM
「1年ほど前から明らかに異常な地域が増え始め、それがだんだんと広がっていったと記録されています」
ツグハ
「目撃情報の証言が食い違ってるっていうのは?傾向とかもないの?」
カンダ
「ははあ!とすると森林法第二百六条に問えそうですね!」
ツグハ
「あとついでに、これまでここに派遣された救世主で一番強かった奴のコインの数も知りたいな」
GM
「恋人や家族など、『大事な人』の姿をしていた、と」
カンダ
「十中八九、そのスティブナイトとやらの疵の力ですね!」
GM
「ここに派遣された救世主で一番強かった者のコインの枚数は40枚です……が」
GM
「あなたがたに身柄の確保をお頼みした、あの『プロフ帳の救世主』は50枚です」
GM
プロフ帳の救世主はプロフ帳の救世主です。本名がないのは、自分は人からプロフ帳を回された経験がなくて書けないからです。
GM
「ええ、1人で……ほとんど事故のようなものでしたけど」
エンフォーサー
「ああ……三月兎を確保しに行ったんでしたっけ」
カンダ
「あのプロフ帳を書かなければほとんど無敵というわけのわからない能力で負けるとは……」
エンフォーサー
「ところで……なんでこれ、この末裔をまた?」
三月兎の末裔
「いまからつまんなくないとこにいくんだって!」
エンフォーサー
三月兎にも、他の末裔にもやんわりと目を向けて問う。
GM
グリフォンのトランスポーターがそれを遮って、三月兎の末裔の腕を引っ張りました。
エンフォーサー
「うーん、勝手についてきたんですか?」
三月兎の末裔
引っ張られながら、三月兎はあなたがたに手を振ります。
GM
公爵家の末裔はそれがくるまれるところを一瞥し、あなたがたにページをめくるように促します。
GM
2ページ目には、公爵家があなたがたにできるサポートのことが書かれていました。
エンフォーサー
なんなんだ?と問う間も無く促され、ページを見る。
エンフォーサー
「三月兎には詳しくないのだが……そんなことができるのかね?」
エンフォーサー
三月兎、会話にならないのであんまり関わっていない。
GM
「今まで何回か実戦投入したことがありましたが、失敗はありませんでした」
エンフォーサー
「へえ、三月兎がそんなに役に立つなんてな……」
ツグハ
「これまでの依頼でその手のは見たことないけどな」
ツグハ
「そんな虎の子を出してくるってことは それだけヤバめに見積もってるってことね」
エンフォーサー
(……児童育児施設のような有様だが)
GM
「このまま全力を尽くさず放置すれば、大勢の人が犠牲になります」
エンフォーサー
(どうやって活用するかについて言及するのは止めておこう。カンダが暴れる可能性があるしな……)
カンダ
今のところは、まだ罪科は読み上げられておらず、武器も抜かれていない。
今のところは。
エンフォーサー
(犠牲が出るというなら使用も検討しないとならないか……子供の末裔がこんなに残るのも面倒だろうし)
GM
特攻部隊は、あなたがたの合図で投下される、と書類に書かれています。
GM
合図をしないまま、この依頼を解決できればそれに越した話はありません。
エンフォーサー
「そうですね。何をするにしてもその地についてもうちょっと見ておかないと」
カンダ
労働基準法……自衛隊法……などをぶつぶつ呟いている。
ツグハ
自衛隊法の適用にはアメリカ軍の存在が前提になるんじゃないかなあとか思ったけど藪をつつきそうなのでやめた。
エンフォーサー
いざとなったら三月兎に日本国憲法が適用されないということをぶち上げないといけないな、という気持ちになっている。
カンダ
(うーん……かつてならともかく現行法では……しかし状況的にも……とりあえず……保留!」
エンフォーサー
(ここで公爵家とモメだしたら依頼どころじゃなかったな)
エンフォーサー
(カンダのだけ隠して貰えばよかった……)
エンフォーサー
「大丈夫そうなら……行きますか?早速」
GM
公爵家は法律のことわからないからドキドキでした。
ツグハ
私も法律のことは理解しきれてないのでなるようになろうと思っています。
カンダ
とりあえず暴れだしそうな気配はなくなったし、おてても休めの姿勢に戻りました。
[ エンフォーサー ] HP : 23 → 17
ツグハ
「事前確認はそのくらいかな。ここまで念入りに打ち合わせするのも珍しいけど」
エンフォーサー
「公爵家の依頼でもここまでのはなかったね」
エンフォーサー
「出勤という言葉……憂鬱な響きだ」
エンフォーサー
「まあ行こうか。行かなきゃ始まらないしね」
カンダ
「では元気を出していきますか!ジョグしますか!?」
カンダ
「オイッチニ!サンシ!ホーレージュンシュ!」
エンフォーサー
前で騒ぐカンダを見て坑道のカナリヤを思い出すが、言葉にカナリヤのような可愛さはないな……という気持ちになっています。
GM
公爵家の末裔と、トランスポーター達が頭を下げて、あなたがたを見送り。