GM
拝啓、アリス。
GM
愛しいアリス。
GM
この国がもうだめであるのなら、
GM
どうしてお前はここにいる?
GM
こんな絶望しかない世界で、お前が生きる意味は何だ?
GM
 
GM
Dead or AliCe「絶望の森」
GM
 
GM
 
GM
GM
そこは色を失った空間だった。
GM
辺りに響くのは、お前たちが踏み出した足が地面の結晶を割る音だけ。
GM
風も吹かず葉擦れの音ひとつしない不自然に静かな森に、その音が響いては、木々の隙間に吸い込まれて消えていく。
GM
黒く枯れた木には半透明の黒い結晶が生えており、手をつけば触れたところを傷付けるだろう。
GM
ここにはお前たちを加害するものしかない。
GM
精神も、肉体も、蝕んでいく。
GM
ゆっくりと、確実に。
アンリミテッド
「…………なんか、すっごい」
鈴木草太
「…うん」
アンリミテッド
「いや~~な感じ!」
ルキオン
「そうだな……森なのに、生気が感じられない」
鈴木草太
「…出来るだけこの結晶には触れない方がいいかもしれない…けど、これは防ぎきれなさそうだな」
鈴木草太
数が多すぎる。
アンリミテッド
あっちにもこっちにも……
GM
燃やしたけどダメだった、というトランスポーターの言葉も納得ができるだろう。
GM
木というより、結晶の塊になっている。
GM
黒く硬い幹に、結晶の葉。
鈴木草太
「まるごと塗り替えられたみたいだ」
アンリミテッド
「元の森に戻るのかな、これ……」
アンリミテッド
今心配することじゃないけど……
鈴木草太
「…枯れた木々は無理かもしれない」
鈴木草太
異能で失った命は戻らない。
ルキオン
「救世主を止めれば、浸蝕は食い止められるかもしれない」
鈴木草太
「…兎に角、なにか異常を感じたら互いにすぐに報告をしよう」
アンリミテッド
「うん」
ルキオン
「そうだね」
鈴木草太
「………それじゃあ、行こうか」
ルキオン
抜き身の刃が青く光る。それでも深い闇を照らすには至らない。
ルキオン
枯れた枝を踏む足音で応えた。
アンリミテッド
頷いて、慎重に歩を進めていく。
鈴木草太
公爵家に与えられたナイフを手に、結晶の枝葉を落とし進んでいく。
鈴木草太
先頭は、自分だ。
GM
お前たちは静寂を踏みしめる。硝子を割るような音が響く。
GM
他には何も聞こえない。せいぜい、布が擦れる音くらいなものだ。
GM
そして、その静寂を。
GM
黒結晶が切り裂く。
GM
それはお前たちの目の前を横切って、木に刺さる。
鈴木草太
「…!」
アンリミテッド
「!!」
鈴木草太
ナイフを構えて2人の前に立つ。
ルキオン
「……」
スティブナイト
「また随分と妙な連中だな」
スティブナイト
どこからか、声がする。
ルキオン
「……お邪魔してるよ。近隣から苦情が出ていてね」
アンリミテッド
「姿を現しなさい!」
鈴木草太
2人が対峙するなか、注意深く周囲を探っている。
スティブナイト
お前が周囲を見渡せば。
スティブナイト
背後の、お前達が歩んできた道の奥。
スティブナイト
お前たちを見ている者がいる。
スティブナイト
「悪いが、人と遊ぶ趣味はなくてね」
ルキオン
視界の隅に姿を見て、すぐにそちらへと剣を向ける。
ルキオン
──いつからそこに?
ルキオン
「……こちらは、そうも行かない」
アンリミテッド
身構える。
鈴木草太
横の2人に視線を送り、同時にかかれる準備をする。
アンリミテッド
「あなたがここに引きこもるだけなら自由だけど、森をおかしくしたり辺りの集落を巻き込んでるのは見過ごせないわ」
鈴木草太
「…うん。一人が好きならいちいち招かないで欲しいな」
鈴木草太
…独断ですぐにかからないのは、この脅威度帯でそれは死に繋がるからだ。
スティブナイト
溜息。
スティブナイト
「……頭が痛くなるな」
スティブナイト
「公爵家の犬だろう」
スティブナイト
「どこを見てる?」
スティブナイト
その声と同時。
スティブナイト
上空から、黒結晶の雨が降り注ぐ。
鈴木草太
「…!!!!」
ルキオン
「くっ!」
アンリミテッド
「!!」
鈴木草太
コートに異能を纏い、仲間たちを庇うように強固にして翻す。
アンリミテッド
きらめきが結晶を砕いて、その数を減らす。
ルキオン
虚を突かれる形。とっさにガントレットで結晶を弾く。
スティブナイト
お前たちの向こうの影は、一歩踏みしめて、そこから。
スティブナイト
地面から結晶が生え、お前たちに向かって伸びていく。
スティブナイト
森の外へ、追い払うような仕草。
ルキオン
「まずい……!」
鈴木草太
「ルキオン!」
ルキオン
「下がるぞ!」
鈴木草太
「ああ…!」
アンリミテッド
「一時撤退~!」
鈴木草太
届きそうな結晶をナイフで砕きながら退いていく。
アンリミテッド
猟奇キックで邪魔な結晶を蹴り払う。
スティブナイト
キン、と高い音がして結晶が割れる。
スティブナイト
けれど止むことはなく、お前たちを追い。
スティブナイト
遠くにいるはずの救世主の囁くような声がする――お前たちのすぐそばで。
スティブナイト
「続ける?」
スティブナイト
「帰る気はない?」
鈴木草太
「…今この森で起きている問題を解決するまでは、無理だね」
アンリミテッド
「あなたが迷惑行為をやめるなら考えるけど!?」
スティブナイト
「はは」嘲笑う声。
スティブナイト
「なら、どうする?」
ルキオン
「……っ」
ルキオン
まんまと追い立てられるような形で、迫る結晶からの後退を余儀なくされる。
ルキオン
それでも──
ルキオン
「スロウ!」
ルキオン
迫る結晶へと、鈍化の呪文を唱える。横道に隙間を作り。
ルキオン
「こっちだ!」
ルキオン
──それでも、森の出口へは招かれてやるものか。
鈴木草太
「ああ…!」
アンリミテッド
「ありがと!」ルキオンが作ってくれた隙間に駆け込む。
ルキオン
背後を見れば、その道はもう結晶に閉ざされていた。
スティブナイト
救世主の影ももうどこにもない。
ルキオン
逃げる足を緩める。
アンリミテッド
「…………ふぅ」
鈴木草太
「…取り敢えず、撒いたかな」
アンリミテッド
「まだ油断はできないけど、多分……」
ルキオン
「手強いな。やっぱり格上とみて良さそうだ。そのうえ地の利もある」
鈴木草太
「…結晶を自在に操れるなら、風景に紛れてどこから来てもおかしくないな」
アンリミテッド
「……でも救世主である以上、弱点はあるはず」
鈴木草太
「…ああ。救世主の異能は”心の疵”で出来ている」
アンリミテッド
コインをどれだけ積み上げても、救世主は無敵にはなれない。
アンリミテッド
力の差はあれど、それだけは相手も自分たちも変わりない。
ルキオン
「やることは今まで通り。今回は公爵家のバックアップもある」
鈴木草太
「そうだね。まずはこの森を調べて…あいつのことを探ろう」
鈴木草太
その上で適切な手助けを受ければ、立ち向かえない敵ではないはずだ。
アンリミテッド
「……うん!」
アンリミテッド
「大丈夫。私達なら絶対できる!」
アンリミテッド
胸の前でぐっと拳を握る。
GM
GM
*スティブナイトの心の疵が公開されます。
GM
*お茶会 ラウンド1
GM
*お茶会MOD「錯綜」
GM
行動順がランダムで決定されます。
GM
1d99を振って大きい方から。
ルキオン
1d99 (1D99) > 13
アンリミテッド
1d99 (1D99) > 46
鈴木草太
1d99 (1D99) > 74
GM
草太>アンリミテッド>ルキオン
GM
*R1 草太
鈴木草太
まずはシーン表を振るよ
鈴木草太
2d6 (2D6) > 10[5,5] > 10
GM
5.開けた場所。巨大な黒結晶のクラスターがある。長い時間をかけて大きくなったようだ。この辺りが救世主の居住地だろうか?
GM
5.道に迷う。木々の向こうに人影が見える。あなたを見ているそれは幻? 本物? 一体誰?
GM
それから、お前たちは森の探索を始めた。
GM
村の残骸があったり、黒結晶で覆われた死体があったり。
鈴木草太
「……酷いな」
鈴木草太
死体を見て。どの死体も凄惨な表情を浮かべている。
アンリミテッド
「……こんなにたくさんの人が」
アンリミテッド
埋葬してあげられたらよかったけど……今はそれどころじゃない。
ルキオン
「行方不明の情報とも一致する……悲しい事だけど、この情報も持ち帰らないとね」
鈴木草太
「…そうだね」
GM
死臭はしない。まるで時が止まったかのよう。
アンリミテッド
せめてこれだけでも、と黙祷して手を合わせる。
鈴木草太
同じく黙祷をして。
それから歩を進めていく。
GM
しばらく歩けば、木の密度が少ない場所に出る。
GM
開けた場所。近くには黒結晶で汚染された川が流れており、しかしせせらぎの音はしない。
GM
何もない薄暗い場所の中央に、大きな黒結晶。
鈴木草太
「あれは……」
鈴木草太
木々の間から巨大な結晶を観察する。
アンリミテッド
「……なんか、いかにも何かありそうって感じの」
鈴木草太
「…そうだね。広がっている結晶の中心地かもしれない」
鈴木草太
そう呟いて、2人に目を合わせて。
鈴木草太
「…調べよう」
アンリミテッド
頷く。
ルキオン
頷く。
鈴木草太
頷き返して、注意をしながら大結晶へと近づいていく。
鈴木草太
また、やつが現れないだろうか?
注意を怠ることは出来ない。
鈴木草太
「2人は周りの警戒をよろしく」
アンリミテッド
「オッケー!」
GM
その心を読んだように。
スティブナイト
「随分と自信家だな」
スティブナイト
「ここがどこか、わからないはずもないだろうに」
スティブナイト
草太の耳元で囁くような声がする。
鈴木草太
「…ッ!」
鈴木草太
咄嗟に声のした方から飛び退く。
アンリミテッド
「草太くん?」
鈴木草太
ナイフを構えて周囲を探る。
鈴木草太
「…声がした。
見られているかもしれない」
鈴木草太
そのまま、答える。
アンリミテッド
「……!」
スティブナイト
「見られているも何も」
スティブナイト
「ここは俺の領域だ」
スティブナイト
「気付いてないとでも?」
スティブナイト
ふと、気配がしたと思えば。
スティブナイト
それは草太のすぐ側に立っている。
スティブナイト
黒結晶を纏って。
鈴木草太
ナイフを構えたまま。異能に力を巡らせる…!
鈴木草太
「神出鬼没だな…!」
鈴木草太
力を巡らせながら、距離を取る。
スティブナイト
そのナイフに黒結晶が飛んできて、当たる。
鈴木草太
ナイフに当たった黒結晶はそのまま弾かれていく。
スティブナイト
「そりゃあね」
アンリミテッド
草太をサポートできるように位置取る。
鈴木草太
末裔が用意した武器ではあるが、善行を為すために振るわれるそれは今何よりも硬く鋭い。
アンリミテッド
「厄介……!」
ルキオン
取り囲むように回り込む。
スティブナイト
「…………」
スティブナイト
「こうして連携して戦ってきた?」
スティブナイト
「でも、そうだな」
スティブナイト
「見えてるものを信じ過ぎだ」
スティブナイト
姿が掻き消える。
鈴木草太
「……っ…!」
鈴木草太
現れるのも
鈴木草太
消えるのも瞬時に行われる。
アンリミテッド
「レクチャーしてくれるなんてご親切!」
鈴木草太
まるで朧みたいだ。
アンリミテッド
周囲を警戒する。
ルキオン
「そういう、異能か……!」
鈴木草太
「領域と言っていたから、この中では自由自在なんだろうね」
鈴木草太
まずは姿を掴まないことにはどうにもならない。
スティブナイト
「そして」
スティブナイト
そこにスティブナイトの代わりにあるのは、黒結晶の塊。
スティブナイト
それが次の瞬間、粉々に砕かれる。
鈴木草太
「チッ…!」
スティブナイト
それは黒い粉塵になる。
鈴木草太
口を覆う。
スティブナイト
「光の中を歩いてきたお前たちには、この森はさぞかし暗いだろう」
スティブナイト
男とも女ともつかない、少し掠れた声。
ルキオン
その通りだ。
ルキオン
音と剣の輝きを頼りに気配を辿っている。それは十分に機能しているとは言い難い。
アンリミテッド
アンリミテッドも常に魔法のきらめきを纏ってはいるものの……周囲を照らす程のものにはならない。
鈴木草太
「……」

ルキオンへとハンドサインを送る。
鈴木草太
”霧を巡らせて居所を突き止めてくれ”
鈴木草太
姿を消しているだけならば、それで分かる。
出現をしても、それで瞬時に把握できる。
アンリミテッド
アンリは搦め手に弱いので、こういう時は二人に頼りがち……!
ルキオン
空いた左の掌を広げる。
鈴木草太
その動きに合わせて、自らの異能でルキオンの魔法を強化する。
ルキオン
水が弾ける音。細かな水の粒が辺りを包む。
ルキオン
水の粒はさらに細かく、そしてわずかに輝く。灯りとしては心もとないが、それは仲間たちをぼんやりとした人影のように照らした。
アンリミテッド
合図が来たらすぐに動けるように構えている。
鈴木草太
ルキオンの魔法を頼りに、朧のように眩ましたスティブナイトの姿を探す。
鈴木草太
*才覚でスティブナイトの心の疵『朧』を抉ります
クエスト1.情報収集を行います
鈴木草太
横槍はありますか?
黒結晶B
*配下が横槍。
[ 黒結晶B ] HP : 19 → 18
黒結晶B
2d6+2+2=>7 判定(+脅威度) (2D6+2+2>=7) > 2[1,1]+2+2 > 6 > 失敗
鈴木草太
2d6+4=>7 判定(+才覚) (2D6+4>=7) > 5[4,1]+4 > 9 > 成功
GM
*成功!
GM
まずデータ的な処理から。
[ スティブナイト ] 朧 : 0 → -1
GM
*クエスト1が達成されたので、PKのデータが公開されます。
GM
また、草太は裁判開始から3Rの間手札が1枚増えます。
GM
処理は以上!
鈴木草太
そうしてルキオンの魔法に自らの異能を乗せて周囲を探れば…
鈴木草太
「…そこだ!!!!」
鈴木草太
僅か。存在を感じとり
鈴木草太
その空間へと一撃を放つ。
スティブナイト
パキン、と黒結晶の割れる音。
アンリミテッド
草太の示した場所に飛びかかり、足を振り抜く。
スティブナイト
アンリミテッドの足には何か結晶より柔らかいものを捉えた感覚があり、
スティブナイト
その姿が顕になる。
鈴木草太
そこにすかさず掴みかかる。
鈴木草太
”因果応報”
鈴木草太
朧のように姿を消し、翻弄し、誰かを傷つけてきたお前の悪は今。
鈴木草太
消えることが出来ず囚われることで報いがもたらされる。
スティブナイト
はっきりとした布の感触。
スティブナイト
呆気なく引き寄せられ、倒される。
スティブナイト
「…………」
スティブナイト
お前を見上げる青い瞳。
スティブナイト
その体躯はお前よりずっと小さい。
スティブナイト
顔つきも、お前とさほど歳が変わらないように見える。
鈴木草太
「……子供…?」
スティブナイト
「……、」
鈴木草太
姿が変わったように見えるその身体を見つめて。
スティブナイト
どこか妖艶な溜息。
アンリミテッド
もっと大きい気がしてたけど、私とあんまり変わらないんじゃ……
鈴木草太
けれど、決して力は緩めない。
スティブナイト
「これが絆の力とかいうやつ?」
鈴木草太
「…そうだよ」
スティブナイト
その、発せられる声は。
スティブナイト
先程より明らかに高くなっている。
アンリミテッド
「思い知りましたか!」
ルキオン
「……」
ルキオン
証言が食い違っていくわけだ。
鈴木草太
「…色々と聞きたいことはあるけれど」
鈴木草太
「…まずはこれ以上何も出来ないようにさせてもらう」
鈴木草太
そう言いながら、より異能の行使と力を強める。
スティブナイト
「…………」
ルキオン
今この目の前にいるのが、本当の姿か?
ルキオン
そういう能力……そういう……心の疵か。
ルキオン
数歩引いた位置から警戒を続ける。霧の維持を止めずに。
スティブナイト
「できるものなら」
スティブナイト
微かに指を動かせば、
スティブナイト
地面から針山のように結晶がのびていく。
鈴木草太
「あんり!!ルキオン…!!!」
アンリミテッド
「これくらいで止まるとは思ってなかったけど!」
鈴木草太
身体を貫き得る結晶から逃れようと、僅か一瞬異能の行使が拘束と防御で”分散”される。
ルキオン
「草太!」
鈴木草太
…隙が生まれた。
アンリミテッド
草太を補助しようとしたが、間に合わず。
スティブナイト
黒結晶が空中で育って、草太とスティブナイトを分断して。
鈴木草太
「…ッチ…!」
スティブナイト
そのまま育った結晶が強い力で草太を跳ね飛ばす。
鈴木草太
衝撃を受け止めず、そのまま飛ばされて。
空中で身を翻し着地をし構える。
アンリミテッド
それ以上の追撃が及ばぬよう、結晶を蹴り払う。
鈴木草太
「逃がすか…!」
鈴木草太
再度捕まえるべく、姿を探すが…
鈴木草太
「…ッ…!」

足元から伸びる結晶の追撃で、その距離は更に離れた。
ルキオン
「止めよう」
ルキオン
霧が晴れる。
ルキオン
「この足場であれを追うのは難しい」
スティブナイト
結晶を纏って、それはお前たちの間合いの外にいる。
アンリミテッド
「むー……っ」
スティブナイト
結晶の力はまだ弱まっていない。飛びかかれば弾かれるし、そもそも足場を崩すことだって容易だ。
スティブナイト
けれど、その奥にいる小さい救世主の肩は、小さく上下していて。
スティブナイト
何か致命的なところを抉られたように見える。
鈴木草太
逃したが、”因果応報”はその心の疵に深く刻み込まれた。
鈴木草太
…もう、先程までのように姿をくらますのは難しい筈だ。
鈴木草太
…そう、信じたい。
GM
GM
*R1 PK割り込み1
スティブナイト
スティブナイトの姿が揺らぐことはもうない、が。
スティブナイト
止まらない黒結晶が、雨になり、霧になり。
スティブナイト
お前たちの視界が、一瞬、黒に染まる。
GM
6.気付けば、あなたの周囲には誰もいない。いつの間にかはぐれたか、それとも救世主が見せる幻覚だろうか?
スティブナイト
そばにいるはずなのに互いに誰の姿も見えない。
アンリミテッド
黒結晶に視界を奪われ、気がつけば一人。
アンリミテッド
「……草太くん? ルキオンさん?」
鈴木草太
「…!あんり…!ルキオン!!!居るか?!」
鈴木草太
闇の中で探し迷う。
スティブナイト
草太とルキオンの視界は晴れて、元の森に戻り。
スティブナイト
しかしそこにアンリミテッドの姿はない。
ルキオン
「あんり!?」
鈴木草太
「…探さそう」
ルキオン
「敵の姿もない……まずい……!」
ルキオン
「聴こえたら返事をしてくれ!あんりッ!」
鈴木草太
連れ去られたか、深追いをしたか…どちらにせよ今の状況はまずい。
アンリミテッド
アンリの声は返らない。身にまとうきらめきの残滓すら残っていない。
舞台裏
鈴木草太
「…さっきみたいにルキオンの魔法で探すことは出来ないか?」
鈴木草太
心の疵による連れ去りだとしたら、同様の力で探すべきだ。
ルキオン
「……やってみよう。だが……」
ルキオン
恐らく、近くにはいない。
ルキオン
手分けして探るわけにも……いかないだろう。
鈴木草太
ああ。それこそ相手の思うツボだ。
ルキオン
霧を展開する。
鈴木草太
「……無理のない範囲で魔法を展開しつつ、移動をしながら探そう」
ルキオン
「時間がかかるぞ」
鈴木草太
「…そうだな…」
鈴木草太
指摘されて、考えて。
鈴木草太
「…霧の使い方を変えよう。
2人を探すんじゃなくて、こいつ(黒結晶)の魔力が動いている方向に流すことは出来るか?」
鈴木草太
静謐な森。その中でなにか変化が起きているとしたら、それは2人がいる場所ということに他ならない。
ルキオン
「難しいな。できる事は、霧を展開すること、範囲内のものに軽度の干渉をしたり、姿を覆い隠したりすること……ぐらいだ」
ルキオン
「草太の助けが欲しい」
鈴木草太
「それは勿論」
鈴木草太
「…オレはあいつの疵に触れた。
今ならさっきよりもより強く探す手助けが出来る筈だ」
鈴木草太
草太の異能は”因果応報”。
善行や悪行に報いを与えるために発揮される力。
鈴木草太
その条件を満たすならば、今の脅威度ならば。
その力が発揮される方向は幅広くなる。
鈴木草太
「2人の力を合わせるんだ。
あいつの悪事を止めて、オレたちの仲間を助けよう」
鈴木草太
そう言って自らの異能をルキオンへと重ねる。
ルキオン
「……!」
ルキオン
わずかに、かすかに……道標が見えた。
ルキオン
「あっちだ!」
鈴木草太
「…!分かった、急ごう!!」
ルキオン
駆け出す先は遠く。音も届かぬような森の端。
ルキオン
「間に合うか……!」
スティブナイト
そして、アンリの視界には、お前たちの敵の救世主が、ただひとり。
スティブナイト
周囲には雨。
スティブナイト
2人を取り囲んで、雹のような音を立てて。
アンリミテッド
「……!!」
スティブナイト
「……随分仲がいいんだね」
スティブナイト
「探してくれてる」
アンリミテッド
「……ええ。仲間だもん」
アンリミテッド
笑みを作って、拳を構える。
アンリミテッド
飛びかかりはしない。探してくれているのなら、合流できるまで時間を稼ぐべきだ。
スティブナイト
「…………」
スティブナイト
「で、3人で寄ってたかって、集団で倒すわけだ」
アンリミテッド
「卑怯だとか言うつもり?」
スティブナイト
「まさか」
スティブナイト
「それ相応のことはしてるだろ、俺」
アンリミテッド
「自覚はあるのね……」
アンリミテッド
「……やめるつもりはないの?」
スティブナイト
「じゃあ、逆に」
スティブナイト
「やめさせてくれる?」
アンリミテッド
「……話し合って解決するなら、それが一番だと思っているわ」
スティブナイト
笑う。
スティブナイト
「俺の心の疵はこれだ」
スティブナイト
「話し合って、例えば、和解したとして」
スティブナイト
「この心の疵がなくなるわけじゃないだろ」
アンリミテッド
「……そうね」
アンリミテッド
疵を舐めることはできる。だけど、それだけ。
スティブナイト
「お前たちが言う、森の侵蝕を止めるには」
スティブナイト
「俺を殺すか、コインを奪うかしかないだろうね」
アンリミテッド
「コインを預けてくれるなら、殺しはしない」
アンリミテッド
「他の二人もきっとそう言うわ」
スティブナイト
「…………」
スティブナイト
「ここに来たときからずっとこの疵だった」
スティブナイト
「人を傷付ける術しか持たないものが」
スティブナイト
「生きるためにはこれしかなかった」
アンリミテッド
「……一人でいたら、変わることはできないよ」
スティブナイト
「仲間が作れたら、何かが違ったかも、って?」
スティブナイト
「この疵で?」
アンリミテッド
「やってみないと分からないじゃない!」
スティブナイト
「じゃあ」
スティブナイト
「やってみる?」
スティブナイト
アンリの腕を掴み、引き寄せる。
アンリミテッド
「わ」
スティブナイト
自分の胸に押し付ける。
アンリミテッド
「え! わ!?」
スティブナイト
お前に伝わるのは、絶望と、殺意と、
スティブナイト
孤独な少女の叫び。
アンリミテッド
「………………」
スティブナイト
「…………」
アンリミテッド
「あなた……」
スティブナイト
「俺は」
スティブナイト
「どこで間違えたと思う?」
アンリミテッド
「……あなたの全てを知っているわけじゃないから、それは分からない」
アンリミテッド
「でも……少なくとも、今やっていることは間違ってるの」
アンリミテッド
「だから、今からでもやめましょう?」
スティブナイト
お前の手に重ねる黒い手袋越しの手は小さくて、押し付けた胸は柔らかく、小さく上下している。
アンリミテッド
自分とさして年の変わらないだろう女の子。
アンリミテッド
こんな暗い森に。一人で。
スティブナイト
「止められたら」
スティブナイト
「こんな思いをしなくても済んだ?」
アンリミテッド
手袋越しの小さな手に、更に自分の手を重ねる。
アンリミテッド
「……どうだろうね。こんな世界だもん」
アンリミテッド
「でも、これ以上は」
アンリミテッド
「させないって、言えるよ」
アンリミテッド
ぬくもりを伝えるように、ぎゅ、と手を握る。
アンリミテッド
「……最初に会った時、あなたは私達を森の外に追い払おうとしてた」
アンリミテッド
「殺してコインを奪った方がいいのに」
アンリミテッド
「本当は、傷つけたくないんじゃないの?」
スティブナイト
「…………」
スティブナイト
お前が握っているものは絶望そのものだ。
スティブナイト
触れれば触れるほど、お前を蝕んでいく。
スティブナイト
お前の思考の中に割り込んでくる。
スティブナイト
絶望、諦観、孤独感、猜疑心。
スティブナイト
「…………いいや」
スティブナイト
「お前にはきっとわからない」
スティブナイト
「生まれたときから、人として扱われず」
スティブナイト
「誰にも認められず」
スティブナイト
「何もできなくて」
スティブナイト
「ただ利用されるだけの俺のことが」
スティブナイト
「……それとも」
スティブナイト
「それすらわかってくれるって?」
アンリミテッド
「…………私は」
アンリミテッド
触れたところから伝わる、濃く深い絶望。
アンリミテッド
ここまでの絶望を抱えるまでに、一体彼女がどれほど傷ついてきたのか。
アンリミテッド
それは到底測り知ることができない。
アンリミテッド
「……私は」
アンリミテッド
「わかりたいよ」
アンリミテッド
だって、そう言うってことはわかってほしいんでしょう?
スティブナイト
「そう」
スティブナイト
「じゃあ、もう少し知ってね」
スティブナイト
胸から黒結晶が生えて、お前の手を貫いた。
スティブナイト
同時に、地面からお前を縫い留めるような結晶。
スティブナイト
足を刺し、捉えて、
スティブナイト
黒結晶の雨が大きさを増して、お前に降り注ぐ。
スティブナイト
自分ごと貫いて。
アンリミテッド
「…………ひっ、ぅぐ……っ!!」
アンリミテッド
鋭く黒い結晶に貫かれる。
アンリミテッド
肌が裂け、肉が抉れ、きらめく衣装が血に染まる。
スティブナイト
「止めてよ」囁き声。
スティブナイト
「わかりたいんだろ?」
スティブナイト
耳元でお前に静かに話す声は、苦痛で僅かに震えている。
アンリミテッド
「…………っ、」
スティブナイト
*アンリミテッドの心の疵「アンリミテッド」を猟奇で抉る。
ルキオン
*横槍
[ ルキオン ] HP : 19 → 18
ルキオン
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 愛
ルキオン
2d6+0=>7 判定(+愛) (2D6+0>=7) > 10[5,5]+0 > 10 > 成功
ルキオン
1d (1D6) > 4
ルキオン
ヤリイカエリートを使用。
スティブナイト
*ティーセットと手袋を使用。
[ スティブナイト ] ティーセット : 2 → 1
[ スティブナイト ] 子山羊皮の手袋 : 2 → 1
[ ルキオン ] ヤリイカエリート : 1 → 0
スティブナイト
2d6+5+4-7=>7 判定(+猟奇) (2D6+5+4-7>=7) > 10[6,4]+5+4-7 > 12 > 成功
[ アンリミテッド ] 絶望侵食 : 0 → -1
[ アンリミテッド ] アンリミテッド : 0 → -1
GM
*アンリミテッドは「絶望侵蝕」になります。
スティブナイト
自分が傷付くのも構わず、攻撃を続ける。
アンリミテッド
降り注ぐそれを、いくらかは砕いてみせる。
アンリミテッド
だけど、間に合わない。追いつかない。
スティブナイト
「ふざけた世界だよ」
アンリミテッド
私は魔法少女。
アンリミテッド
みんなを助けるヒーロー。
スティブナイト
「こんなところで誰を信じられる?」
アンリミテッド
それは、たとえ敵対している相手でも。
アンリミテッド
助けられるなら、助けたい。わかり合えるなら、わかり合いたい。
アンリミテッド
結晶が降り注ぐ。突き刺さる。
スティブナイト
「そういう絶望が、断絶が」
スティブナイト
「この結晶を育てたんだ」
アンリミテッド
わたしは、
アンリミテッド
わたしは、あきらめない。
アンリミテッド
そんな心が、
アンリミテッド
じりじりと、闇に、絶望に、
アンリミテッド
侵されていく。
スティブナイト
「……殺したほうが早いと思うけどね」
スティブナイト
「迷惑で、悪い救世主だ」
アンリミテッド
「そんな……こと……っ!」
アンリミテッド
そうだよ。
アンリミテッド
殺した方が早い。
スティブナイト
「だって、生きてたって」
スティブナイト
「どこに救いがあると思う?」
アンリミテッド
私が、なる。
アンリミテッド
いつもなら、そう言えるはずなのに。
アンリミテッド
開いた口からは血が溢れるだけ。
アンリミテッド
言えない。
アンリミテッド
だって、欺瞞だって知っているから。
アンリミテッド
薄っぺらな、嘘の言葉だ。
アンリミテッド
だから、こんなにも彼女に届いていない。
スティブナイト
ほど近くで囁かれる声は、こんなにも遠い。
アンリミテッド
目の前にいるのに。触れているのに。
アンリミテッド
まるで、また朧になられてしまったよう。
アンリミテッド
──傲りだ。そもそも、人の心に触れられるなんて思うことそのものが。
スティブナイト
「今まで救世主を殺してきたんだろう」
スティブナイト
「だったら、俺に対してもできる」
スティブナイト
「そうだろ?」
スティブナイト
「分かりあえない、改心できないって結論付けて」
スティブナイト
「そうして俺を殺せばいいんだ」
アンリミテッド
その声が、言葉が、心の隙間に入り込む。
スティブナイト
「公爵家にも褒められて、末裔からはみんなのヒーローだなんて、慕われて」
スティブナイト
「それでいいだろ」
アンリミテッド
そうじゃないよって、そんなことないって、返したくて、返すべきで。
アンリミテッド
私は。
アンリミテッド
「………………そう、だね」
スティブナイト
「俺はお前たちの敵だ」
アンリミテッド
敵は、倒さないと!
アンリミテッド
そうしたら、みんな助かって、褒められて!
アンリミテッド
そうしよう。そうしないと。そうするのがいいよね、きっと!
GM
GM
*R1 あんり
アンリミテッド
2d6 シーン表振っちゃおっ (2D6) > 4[2,2] > 4
GM
2.川。尖った結晶が流れていく。足を踏み入れたら、いくつも傷が付いて毒を浴びるだろう。
GM
2.薄暗く冷えた森を歩く。どれほど歩いても黒い光景が続いている。それは不安を煽り、陰鬱な気持ちになる。
アンリミテッド
血まみれでとぼとぼ歩いていくか~
GM
雨が降っていたのはスティブナイトがいたあの一帯だけだったようだ。
GM
少し歩けば元の静寂が広がっている。
アンリミテッド
踏みしめた結晶に血の痕を残しながら歩く。
ルキオン
「あんり!?」
ルキオン
驚いて駆けつける。
ルキオン
その姿を見つけたのは、半分は偶然だった。
鈴木草太
「大丈夫…?!」
鈴木草太
共に草太も現れる。
アンリミテッド
「あ……」
ルキオン
おかしい。結晶を辿って向っていた先は、さらに奥……。
ルキオン
解放、されたのか?なぜ?
アンリミテッド
「ルキオンさん……草太くん……」
ルキオン
「どうした。何があった」
アンリミテッド
「あいつに……スティブナイトに……」
アンリミテッド
「あの子……ダメだね」
アンリミテッド
「全然話通じない」
アンリミテッド
「殺すしかないや」
ルキオン
「あんり……?」
鈴木草太
(連れ去られて…会話をしていた…?
様子がおかしいのはそのせいか…?)
鈴木草太
「…どんな話をしたのか、教えてくれるかな?」
アンリミテッド
「見て……この怪我……」
アンリミテッド
血に塗れた手のひらを見せる。
アンリミテッド
手のひら以外にも。そこかしこに鋭利なものに貫かれた傷がある。
アンリミテッド
「ひどいよね」
鈴木草太
「…酷い怪我だ。治療をしようか」
ルキオン
「……そうだね」
鈴木草太
ルキオンに目配せをして、問いただすのは任せて自分は治療に取り掛かる。
アンリミテッド
「……そうだね。うん。お願い。ひどいよね。すごく痛いの」
ルキオン
「ゆっくりでいい……まずは落ち着いて」
アンリミテッド
「話そうとしたのに。私は。助けてあげようとしたの」
アンリミテッド
「痛いな……痛いよ……」
鈴木草太
「うん…あんりらしいね…」
アンリミテッド
傷を抱えて、うずくまる。
ルキオン
「交渉をもちかけて、拒まれたんだね」
アンリミテッド
「殺した方がいい……」
アンリミテッド
「殺さないと……」
鈴木草太
「…………」
ルキオン
「……」
鈴木草太
手当をしながら怪我の様子を見る。
…黒水晶によってやられたのだとしたら、そこから影響が出ているのかもしれない。
鈴木草太
そっと、ルキオンにそう目配せをした。
ルキオン
頷く。
ルキオン
深刻なのは、心の方かもしれない。
アンリミテッド
「……何?」
アンリミテッド
「何か言いたいことがあるの?」
アンリミテッド
「いっつもそうだよね。二人だけで何か分かってるみたいに」
ルキオン
「あんり……」
ルキオン
「少し休憩をしないか?」
アンリミテッド
「私がバカだから? 女だから? おかしくてめんどくさいから?」
鈴木草太
「…違うよ」
アンリミテッド
「なおすよ。悪いところあるなら」
ルキオン
「そうじゃない……」
アンリミテッド
「言ってよ。教えてよ」
鈴木草太
「あいつは悪いやつなのにあんりを解放した。
…なにか狙いがあるんじゃないかって思って、それを調べたいんだ」
鈴木草太
今のあんりの思考に歩み寄りながら、意見を提案する。
アンリミテッド
「ごまかさないで……!」
アンリミテッド
血を流して顔色は悪く、だけど瞳だけは妙にギラついて二人を見ている。
ルキオン
「怪我をしてるだろ。疲れも溜まってきた」
アンリミテッド
「怪我。うん。怪我してる。痛いの」
ルキオン
「そうだ。痛い時に無理したら、もっと痛くなる」
ルキオン
「疲弊すればするほど、あっちの思うつぼだ」
アンリミテッド
「痛いよ……どうして私がこんな思いをしないといけないの……?」
ルキオン
「わかってる……。ここは辛い場所だ」
鈴木草太
「……」
鈴木草太
異能の行使で治療を進めながら、様子を見る。
鈴木草太
…が、効きが悪い。明らかに単純な怪我ではなく、心の疵が損傷をしている証拠だ。
鈴木草太
「あんり。辛かったよね。
…一人にしてしまって悪かった」
鈴木草太
「オレたちはあんりのことが好きで、大切だから。…これ以上悪くならないように安静にして欲しいって思ってる」
アンリミテッド
「…………」
アンリミテッド
「…………うん。うん」
鈴木草太
「場所を変えて、治療に専念しよう。
…あいつをやっつけることも大事だけれど、オレはあんりの痛みを和らげたいんだ」
アンリミテッド
「……うん。分かってる。大丈夫。ごめんね」
アンリミテッド
「私も二人のことが好きだから」
アンリミテッド
「大丈夫。どうしたらいいか分かってるよ。ちゃんと」
ルキオン
「……」
アンリミテッド
そうして、草太に促されるままに治療を受け、睡眠を取って。
アンリミテッド
暗い森で迎える明け方。
アンリミテッド
そっと、毛布の下から抜け出す。
アンリミテッド
*ルキオンの『アウト・カウント』を愛で抉ります。
アンリミテッド
*クエスト4『三月兎爆弾投下』に挑戦。
アンリミテッド
*ティーセット使用。
鈴木草太
*横槍をします
[ アンリミテッド ] ティーセット : 1 → 0
鈴木草太
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 才覚
鈴木草太
2d6+4=>7 判定(+才覚) (2D6+4>=7) > 7[4,3]+4 > 11 > 成功
鈴木草太
1d6 (1D6) > 1
鈴木草太
*ヤリイカエリートを使います
[ 鈴木草太 ] ヤリイカエリート : 1 → 0
アンリミテッド
2d6+4+2-4=>7 判定(+愛)ティーセット 横槍 (2D6+4+2-4>=7) > 3[2,1]+4+2-4 > 5 > 失敗
アンリミテッド
おや
GM
*クエストに失敗したため、全員のHPが1d6点減少します。
アンリミテッド
1d6 (1D6) > 3
鈴木草太
1d6 (1D6) > 6
ルキオン
1d6 (1D6) > 4
スティブナイト
1d6 (1D6) > 4
[ アンリミテッド ] HP : 26 → 23
鈴木草太
逆で出ろよ
[ ルキオン ] HP : 18 → 14
[ スティブナイト ] HP : 20 → 16
[ 鈴木草太 ] HP : 21 → 15
[ 鈴木草太 ] HP : 15 → 14
鈴木草太
横槍分減らしていなかったので減らしました
アンリミテッド
「…………」
鈴木草太
「………」

衣擦れの音が聴こえた気がして。
そちらの方を見る。今は草太が寝ずの番だ。
アンリミテッド
「……あ、起きてたんだ。おはよ」
アンリミテッド
なんでもないように挨拶をして、ざくざくと結晶を踏みしめる。
鈴木草太
「おはよう。…眠れなかった?」
鈴木草太
こちらも。少し調子が戻ったように感じられて、普段どおりの挨拶を返す。
アンリミテッド
向かうのは、公爵家からの支援物資が入った袋。
鈴木草太
「…小腹でも空いちゃった?お茶でも淹れようか」
アンリミテッド
「慣れたはずだけど、やっぱ地面硬いと寝づらくてさ~」
鈴木草太
向かう姿にはそう声をかけて。
気遣うように自らも袋の方へと向かう。
アンリミテッド
「ああ、うん、大丈夫」
アンリミテッド
袋に手を伸ばして、ごそごそと中を漁る。
アンリミテッド
「すぐ終わるからさ」
アンリミテッド
目的のものを見つけて、手が止まる。
鈴木草太
「毛布だったら、オレの分も使って良いよ」
鈴木草太
そう答えて、”すぐ終わる”という言葉の不自然さに気づいて。
鈴木草太
袋へと向かう足が早まる。
アンリミテッド
袋から引き抜いた手に握られていたのは、
鈴木草太
目に見えたそれは。
アンリミテッド
公爵家に合図するための信号銃。
鈴木草太
「あんり!!!?」
アンリミテッド
迷いなく、天に向けたそれの。
アンリミテッド
引き金を引いた。
鈴木草太
足は迷うことなくあんりの方へと走って。
鈴木草太
「───ックソ!!」
鈴木草太
僅か遅く、打ち上げられたそれを見て。
慌てて袋から投下中止の信号弾を放つ。
アンリミテッド
「……なんで止めるの?」
鈴木草太
「…逆に聞くけど、何で撃ったんだ?」
アンリミテッド
「……?」
アンリミテッド
「”その方が早い”よね?」
鈴木草太
「 」
鈴木草太
あ然とする。言葉が出て来ない。
アンリミテッド
「この、結晶に覆われた森自体があいつの領域で」
アンリミテッド
「どこから何が飛んでくるか分からない」
アンリミテッド
「壊したほうがいいよね」
アンリミテッド
「……私何か間違ってるかな?」
アンリミテッド
「また何か間違えちゃった?」
鈴木草太
これは。
鈴木草太
言葉を間違えたらダメだ。
鈴木草太
そう、思った。
鈴木草太
「…判断は」
鈴木草太
「…判断は間違っていないよ。
合理的だし、公爵家もそのつもりで用意をしてくれていた」
アンリミテッド
「そうだよね!」
鈴木草太
「……でも、撃つべきタイミングは相談して欲しかった」
鈴木草太
「投下の命令が下ったら、森全体が曝される。
オレたちも備える必要があったんだ」
鈴木草太
何より…仲間だろう?話して欲しかった…と。
アンリミテッド
「…………そう」
アンリミテッド
「ごめん……」
アンリミテッド
「ごめんね……」
鈴木草太
「いいよ。オレたちのことや皆のことを考えてやったんだろう?」
アンリミテッド
「そうだよね。ちょっと考えたらわかったのに」
鈴木草太
「…それだけは間違いないって、オレは分かってるから」
アンリミテッド
「ごめん……」
鈴木草太
「…大丈夫。大丈夫だから」
鈴木草太
ただ…と。
鈴木草太
「…もしかしたら、中止をしきれなかった三月兎が来るかもしれない」
鈴木草太
「ルキオンを起こして、巻き込まれないように備えよう」
アンリミテッド
「…………うん。うん」
アンリミテッド
「もう間違えないから」
アンリミテッド
「がんばるから」
鈴木草太
「…大丈夫だよ。間違えたってオレたちがカバーするから」
鈴木草太
「オレが同じような失敗をした時にあんりが言ってくれた言葉だ」
アンリミテッド
「…………」
アンリミテッド
その言葉もね。
アンリミテッド
本当じゃないんだよ。
アンリミテッド
私の、アンリミテッドの言う事は。全部。
GM
上空で翼が羽ばたく音。
GM
見上げれば、袋が落ちてきていた。
GM
ばさばさと音を立てて、静寂の森に落ちる。
GM
着地したかと思えば、それはすぐに跳ね起きて、駆け出した。
GM
数は少ない。が、そのぶん統率が取れていない。
鈴木草太
それを見て。
GM
見境なく、お前たちにも襲いかかってくる。
アンリミテッド
「……あ、あ」
鈴木草太
猶予がない、と。
あんりの身を抱きながら、ルキオンの上に巻き込む形で覆いかぶさる。
GM
笑い声。叫び声。悲鳴。
鈴木草太
異能の行使をしながら、暴力の嵐が過ぎ去るのを耐えようと。
ルキオン
「!なっ」
鈴木草太
「静かに…!」
GM
それを突き飛ばして、跳ねる。
アンリミテッド
「ごめっ」
GM
「みつけた!」
アンリミテッド
「ごめんなさい、」
GM
「あそぼ!」
アンリミテッド
「ごめんなさい、ごめんなさい……」
鈴木草太
大丈夫だからと。存在を隠そう、と。
ルキオン
状況を把握する。なぜこんな事に。
鈴木草太
謝るあんりと、事態をのみこめていないルキオンに必死に訴える。
GM
何も知らない三月兎が、跳ねて。襲いかかって。
ルキオン
なぜだ。何があった。
GM
周辺が騒がしくなる。
アンリミテッド
震えながら、ごめんなさい、ごめんなさい、と謝罪の言葉を繰り返している。
GM
結晶が砕ける音。鈍い殴り合いの音。
鈴木草太
「説明はあとでするから、魔法で身を隠してくれ…!」
ルキオン
「あんり……まさか……」
GM
人喰い三月の声。
ルキオン
「駄目だ、遅すぎる……!いま霧なんて出したら……ここに居ると教えるようなものだ……!」
鈴木草太
草太もまた、混乱している。
鈴木草太
覆いかぶさり、守っているが…対処をしきれるものではない。
GM
お前たちが隠れているそこに、三月兎が入り込んで割り込んで、
三月兎の末裔
目が合う。
ルキオン
「……!」
アンリミテッド
「──ぁ」
三月兎の末裔
「あそぼ」
三月兎の末裔
「あそ――」
三月兎の末裔
手を伸ばして。それが。
GM
変化していく。
GM
ワインの匂い。筋繊維が露出して、大きさを増し。
GM
お前たちに襲いかかる。
アンリミテッド
「────」
GM
それに気付いた三月兎達が続いて入り込んでくる。
鈴木草太
「……」
鈴木草太
「…ハ」
鈴木草太
それを見て。
ルキオン
「草太、立って!武器を抜くんだ!早く!」
鈴木草太
ついに、ナイフを握りしめた。
GM
お前たちなら、この状況からでも難なく対処できる。
GM
相手はよくいる亡者だ。数体いるとはいえ。
鈴木草太
殺せないわけがない。
GM
お前たちはこんな亡者など、何度も戦ってきて倒したはずだ。
アンリミテッド
「…………う、ぁ、あぁ……」
鈴木草太
これまでの道中だって、何度も楽にしてきた。
鈴木草太
けれど。
鈴木草太
生前の姿を知っている亡者を殺すのに慣れたわけではない。
ルキオン
「こんなはずは……!」
ルキオン
水弾を放って、距離を遠ざける。
ルキオン
「公爵家だって、せめて有効に『使われる』ことを願っていたはずだ!」
ルキオン
「なぜこんな事になる!」
アンリミテッド
自身の行動が招いた惨事を前に、
アンリミテッド
私は、
アンリミテッド
──ああ。やだ。
アンリミテッド
怒らないで。
アンリミテッド
怒られるのは、いやだよ。
アンリミテッド
そう思っていた。
鈴木草太
今事情を知り、あんりを守り、支えるべき草太は。
鈴木草太
亡者たちの脅威から守るために、隣ではなく前に立って戦っている。
鈴木草太
守るために。
アンリミテッド
この姿なら、役に立てるはずなのに。
アンリミテッド
今は、真逆だ。
ルキオン
剣を抜く。動揺はしていても、太刀筋に迷いはない。
ルキオン
できるだけ楽に、終わらせるだけだ。
GM
ほどなくすれば、襲いかかる三月兎も途絶えた。
GM
それはそうだ、こんな森の中、無力な末裔が長く生きていられるわけがない。
ルキオン
さほど苦労せずに片付いたのは、想定よりも数が少なかったというところも大きい。
ルキオン
「……残りはスティブナイトのところへ?それとも、こちらへ全てが届いたわけではないのか?」
アンリミテッド
いたずらに散らされた命。本来必要のない殺しに手を染めさせられた仲間。
鈴木草太
「…オレが途中で止めた。
何人かは行ったかもしれないけれど、もう残ってはいないと思う」
ルキオン
「一体、何が……」
アンリミテッド
これは全て、自分が招いた事態だ。
ルキオン
草太とあんりの方を振り返る。
鈴木草太
血を滴らせながら、死体を眺めながら答える。
アンリミテッド
「────ぁ、」
アンリミテッド
じり、と後ずさる。
鈴木草太
罪のない子供を殺した。
アンリミテッド
「わた、わたしっ、」
鈴木草太
戦いで受けた疵よりも、その疵が草太を痛めつける。
アンリミテッド
「だって、そうした方がいいと思ってっ」
アンリミテッド
「この、森、結晶、壊さなきゃ」
鈴木草太
「……………」
鈴木草太
わかっているよ。あんりは悪くない。
アンリミテッド
「あ、いや、ちが、ちがう」
鈴木草太
そう、言ってあげるべきだとは理解っている。
アンリミテッド
「ごっ」
ルキオン
「……」
鈴木草太
けれど、今口を開いたら。
アンリミテッド
「ごめんなさい、ごめっ」
アンリミテッド
「ごめんなさい!」
鈴木草太
自分の心の疵が、どうなってしまうかわかったものではなくて。
アンリミテッド
じり、じり。結晶を踏む。後ずさる。
鈴木草太
言ってはいけないことを言ってしまうんじゃないかと思って。
鈴木草太
答えない。
アンリミテッド
踏んだ結晶が、赤く濡れている。
ルキオン
剣を鞘に納める。
ルキオン
「…………そうか」
アンリミテッド
びく、と身をすくめる。
ルキオン
気にすることじゃないとは、とても言えない。
ルキオン
自分が許していい事でもない。
ルキオン
いま、慰めの言葉をかけたとしても。
ルキオン
きっと何も届きはしまい。
アンリミテッド
「………………」
ルキオン
何よりも、そんな言葉を心から言える気がしなかった。
ルキオン
「わかった」
ルキオン
短く、そんな言葉だけが出る。
アンリミテッド
責める言葉すら、かけられなかった。
アンリミテッド
──ああ。
アンリミテッド
失望された。
アンリミテッド
でも、そうなって当然だ。
アンリミテッド
二人の言葉を聞かなかったのは私で。
アンリミテッド
勝手なことをしたのは私で。
アンリミテッド
その結果の責任すら取らなかったのが私。
アンリミテッド
「────」
アンリミテッド
喉がしまって、謝罪の言葉すら出てこなかった。
アンリミテッド
「…………っ、」
アンリミテッド
踵を返して、駆け出す。
アンリミテッド
制止の言葉はあっただろうか。
アンリミテッド
少なくとも、耳に届きはしなかった。
GM
*R1 PK割り込み2
GM
2d6 (2D6) > 10[4,6] > 10
GM
4.薮。木々は黒く枯れ、かつて葉があったところには代わりに鉱石が生えている。
GM
6.気付けば、あなたの周囲には誰もいない。いつの間にかはぐれたか、それとも救世主が見せる幻覚だろうか?
アンリミテッド
走る。走る。
アンリミテッド
結晶がその身を裂くのにも構わずに。
GM
獣道から逸れても、ずっと黒い風景が続く。
GM
低木や草すら黒く硬く、走れば足を傷付ける。
GM
毒が回る。侵蝕していく。
アンリミテッド
息が上がる。一呼吸ごとに森の暗く重い空気が肺を満たす。
アンリミテッド
仲間は追ってこない。……追いかけてきて、くれない。
GM
その先に人影がある。
GM
お前は今、ひとりだ。
GM
先に進めば、格上と1対1で遭うことになる。
アンリミテッド
だからといって、二人のところに戻れもしない。
アンリミテッド
そのまま、進む。
GM
進めばその姿がはっきりしてくる。
スティブナイト
心の底でどこか望んでいた、仲間の姿ではなくて。
スティブナイト
お前の敵そのものだ。
アンリミテッド
「…………」
スティブナイト
その身は多少、怪我をしているように見えるが。
アンリミテッド
三月兎の投下によって期待されていた成果は、得られていない。
スティブナイト
「結構派手なことするよね」
アンリミテッド
間違いから逃げてきた先で、再びその結果を突きつけられて、足が止まる。
アンリミテッド
「……ぅ」
スティブナイト
「俺を倒すためのものだろ」
スティブナイト
「結構そっちにも行ったような気がするけど、よほど公爵家から信頼されてるのかな」
アンリミテッド
スティブナイトを倒すために森に落とされた兎たちは仲間に向かって、傷つけて、傷つけられて、無為に命を散らして。
アンリミテッド
楽しいことがあるのだと教えられて。信じて。
スティブナイト
「痛かったけど」
スティブナイト
「成果に対してお前たちの損失が見合わないような気がするね」
アンリミテッド
「……っ」
アンリミテッド
びく、と身体をすくめる。
アンリミテッド
言葉が出ない。さっき会った時はあんなにぺらぺら喋れたのに。
スティブナイト
「これだけ?」
スティブナイト
「公爵家のサポートがこれくらいなら、あとはお前たちでなんとかするしかないね」
スティブナイト
「その、絆の力とかで?」
アンリミテッド
「絆…………」
アンリミテッド
そう。絆の力が。私たちはずっと三人で一緒にやってきて、これからも。
アンリミテッド
でも、なら、どうして私は今一人でいる?
スティブナイト
「…………」
スティブナイト
「見込めないなら」
スティブナイト
「一人で勝つしかないんじゃない?」
スティブナイト
「俺はそうやってここにいるけど」
アンリミテッド
「おっ、」
アンリミテッド
「追いかけて、きて、」
アンリミテッド
「くれる、もんっ」
スティブナイト
「本当に?」
アンリミテッド
「ほん、と」
アンリミテッド
「だ、からっ」
アンリミテッド
がむしゃらに、スティブナイトに飛びかかる。
アンリミテッド
せめて、迷惑をかけた分なんとかしないと……!
アンリミテッド
本当に、捨てられちゃう!
スティブナイト
指先から黒結晶が生み出される。
スティブナイト
手を少し捻れば、アンリミテッドに飛んでいく。
スティブナイト
胸、腕、足。
スティブナイト
的確に動きを止めようとする仕草。
アンリミテッド
「っ、」
アンリミテッド
狙ったとおりに、縫い留められる。
アンリミテッド
「いやっ、あっ」
アンリミテッド
アンリには、アンリ一人では、相手の行動を止められない。
スティブナイト
「でも、そうだな」
スティブナイト
「同格くらいなら倒せるんじゃない?」
アンリミテッド
「同、格……?」
スティブナイト
「仲間の援護が期待できないなら」
スティブナイト
「仲間を倒してお前の力にすればいい」
アンリミテッド
「そんな、そんな、こと……」
スティブナイト
「それとも、ここで助けを呼んでみる?」
スティブナイト
「助けられたとして」
スティブナイト
「この状況をどうやって説明しようか」
アンリミテッド
「……ぅ」
アンリミテッド
そうしたら。
アンリミテッド
そうしたら、また迷惑をかけてしまう。
アンリミテッド
私がバカだから。私が弱いから。私がおかしいから。
アンリミテッド
「ぃ、いや!」
アンリミテッド
身を捩る。身体を縫い留める結晶から逃れようと。
スティブナイト
動けば動くほど、深く刺さっていく。
アンリミテッド
それは心にも。
スティブナイト
「考えなしに動くのは愚策だよ」
アンリミテッド
深く深く。スティブナイトの声が心に突き刺さっていく。
スティブナイト
それはこの状況そのものに対して言っているだろうか?
アンリミテッド
「…………」
アンリミテッド
そうだ。考えないと。ちゃんと。間違えないように。
スティブナイト
「…………」
スティブナイト
「どうしたらいいと思う?」
アンリミテッド
「どうっ、」
アンリミテッド
「どう、しよう……」
スティブナイト
*アンリミテッドの「アンリミテッド」を猟奇で抉る。
鈴木草太
*横槍をします
[ 鈴木草太 ] HP : 14 → 13
鈴木草太
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 愛
鈴木草太
2d6+3=>7 判定(+愛) (2D6+3>=7) > 4[1,3]+3 > 7 > 成功
鈴木草太
1d6 (1D6) > 2
スティブナイト
*ティーセットを使用。
[ スティブナイト ] ティーセット : 1 → 0
スティブナイト
2d6+5+2-2=>7 判定(+猟奇) (2D6+5+2-2>=7) > 6[3,3]+5+2-2 > 11 > 成功
GM
*アンリミテッドは状態〈絶望〉。
[ アンリミテッド ] アンリミテッド : -1 → -2
[ アンリミテッド ] 絶望侵食 : -1 → -2
[ アンリミテッド ] 前科 : 0 → 5
[ アンリミテッド ] 絶望 : 0 → -1
GM
*PCが1人〈絶望〉状態になったため、クエスト5が開示されます。
[ 黒結晶B ] HP : 18 → 0
GM
処理は以上になります。
アンリミテッド
闇の中で灯りを持たずさ迷うように、回る思考にも道筋がない。
アンリミテッド
ぐるぐる、ぐるぐる。
アンリミテッド
どうしたらいいの。どうしたらよかったの。
スティブナイト
細い指先がお前の胸の飾りに触れた。
スティブナイト
「思考の果てにあるのは」
スティブナイト
「絶望だ」
アンリミテッド
そこは、アンリミテッドの魔法の源。
アンリミテッド
きらきらと、きらめきと魔法の力を放っていたそこは。
アンリミテッド
アンリの心を反映するように濁り、
アンリミテッド
ひび割れ、
アンリミテッド
触れられれば、音をたててまたひびが入り。
アンリミテッド
一つ。二つ。
アンリミテッド
「わたし、は……」
アンリミテッド
仲間の顔を、言葉を思い出す。
アンリミテッド
過ちを犯した私を見る目。
アンリミテッド
慰めることも、責めることもなく。
アンリミテッド
ああ、でも、それより前から。
アンリミテッド
二人だけで、なんだか通じ合ってるみたいに。
アンリミテッド
そうだ。
アンリミテッド
二人とも、優しいから隠してくれていただけで。
アンリミテッド
ずっと、私は。
アンリミテッド
私なんか、本当はいらなかったんだ。
スティブナイト
「馴れ合いの先には断絶と孤独が待ってる」
スティブナイト
「信頼も、いつかは裏切られる」
スティブナイト
「利用価値があれば消費されて」
スティブナイト
「なくなったら、どうなる?」
アンリミテッド
「…………」
アンリミテッド
変身が、
アンリミテッド
ほどけてゆく。
御苑あんり
「……捨てっ」
御苑あんり
「捨て、られちゃう」
スティブナイト
「…………」
御苑あんり
強くて元気な、理想の魔法少女の姿はない。
御苑あんり
いや、はじめからそんなものありはしなかった。
御苑あんり
幻想だ。嘘だ。全部。全部。
スティブナイト
「自分を偽って、演じて」
スティブナイト
「強くあろうとするのは」
スティブナイト
「疲れたんじゃない?」
御苑あんり
「ぅ」
御苑あんり
「ぅう……」
御苑あんり
涙でぐちゃぐちゃの顔を俯かせる。
御苑あんり
「つかれた……」
御苑あんり
「つかれたよ……」
御苑あんり
「あんなこと、しても、っ」
御苑あんり
「だれも」
御苑あんり
「わたしのこと、なんか」
御苑あんり
嗚咽を漏らす。
スティブナイト
拘束は解かないまま、近寄って。
スティブナイト
抱きしめる。
御苑あんり
びく、と身体が跳ねる。
スティブナイト
「そうだね」
御苑あんり
「ぁ……」
御苑あんり
ただ一言の、肯定。
御苑あんり
今は、それだけのことが何よりも。
スティブナイト
「……俺も、疲れたな」
スティブナイト
「でも」
スティブナイト
「だから、これ以上傷付きたくなくて、」
スティブナイト
「こういうことをしてる」
スティブナイト
「……わかってくれた?」
御苑あんり
「…………」
御苑あんり
こく、と頷く。
御苑あんり
「…………うん」
御苑あんり
「うん…………」
御苑あんり
抱きしめられて、その体温を感じながら、泣きじゃくる。
スティブナイト
抱きしめて、その背中を。
スティブナイト
一際大きく、黒く、絶望に染まった黒結晶が貫いた。
御苑あんり
「────」
御苑あんり
悲鳴の代わりに、ごぼりと口から血が溢れた。
御苑あんり
「っ、ぁ、あ」
御苑あんり
「いっ、いだ」
御苑あんり
「なっ」
御苑あんり
顔がゆがむ。苦痛。怯え。混乱。
スティブナイト
傷口から広がっていく。
スティブナイト
孤独が、絶望が。
スティブナイト
猜疑心が。
スティブナイト
あるいは、殺意とか。
スティブナイト
悲しみとか。
スティブナイト
諦観とか。
御苑あんり
壊れた心はもう戻らない。
御苑あんり
広がっていく。染められていく。
御苑あんり
「…………」
御苑あんり
結晶に貫かれた胸元を見下ろす。
御苑あんり
誰も、助けてはくれない。
御苑あんり
至極シンプルで簡単な、一つの事実がそこあった。
GM
GM
*R1 ルキオン
ルキオン
2B6 (2B6) > 6,6
GM
6.黒結晶が舞っている。避けないならば、ぶつかってあなたを傷付けようとしてくる。
GM
6.気付けば、あなたの周囲には誰もいない。いつの間にかはぐれたか、それとも救世主が見せる幻覚だろうか?
ルキオン
辿り着き、すぐに気付く。またしても間に合わなかったのだと。
鈴木草太
「あんり…!!」
御苑あんり
「…………」
御苑あんり
変身の解けた、少女の姿。
鈴木草太
姿を見れば鬼気迫った様子で話しかける。
怪我も厭わず必死に探していたのだろう。その体は黒水晶で傷だらけだ。
御苑あんり
二人の姿を認めて、
御苑あんり
ふ、と笑った。
御苑あんり
「来てくれたんですね」
御苑あんり
「ありがとう」
ルキオン
「……当たり前だろう……」
鈴木草太
「ああ…!……一人にして悪かった…」
鈴木草太
頷いて。一人にしたことを謝る。
御苑あんり
「……大丈夫、です」
御苑あんり
微笑み、傷だらけの草太に近づく。
御苑あんり
「こんなに怪我して……」
鈴木草太
「…大丈夫だよ。このくらい」
鈴木草太
心配をさせないように笑って見せる。
御苑あんり
手を伸ばす。いつもそうやって治療するように。
御苑あんり
「今」
御苑あんり
「楽に」
御苑あんり
「してあげますね」
鈴木草太
伸ばされた手を見守る。
…見守って、いた。
鈴木草太
「…!!」
鈴木草太
しかしその言葉に。
この”場所”がどのような場所であるかを思い出して、咄嗟に飛び退いた。
御苑あんり
「…………どうして、逃げるんですか?」
御苑あんり
「草太さん?」
鈴木草太
その、表情を見る。
鈴木草太
間に合ったと思った。
鈴木草太
けれど、本当にそうか…?
御苑あんり
「ねえ、どうして」
御苑あんり
「どうして答えてくれないの」
御苑あんり
「私に何をされると思ったの?」
鈴木草太
「……ごめん」
鈴木草太
答えになっていない答え。
鈴木草太
「…こんなところだから、過敏になっているみたいだ」
鈴木草太
謝って。
鈴木草太
「……改めて、”治療”をお願いしてもいいかな…?」
御苑あんり
「…………」
御苑あんり
手を、伸ばす。
鈴木草太
受け入れる。仲間なんだから。
鈴木草太
信じている。
御苑あんり
こうしてあんりの姿で異能を使うことは滅多にない。
御苑あんり
傷口に触れる。魔法少女の時にそうするように。
鈴木草太
「…ッ…」
鈴木草太
痛みが走るが、身を任せる。
御苑あんり
手のひらと草太の肌が触れる。ぽう、と光が灯る。
鈴木草太
命の恩人を…仲間を裏切り殺したオレが、何で仲間を疑うことが出来るんだ?
御苑あんり
その光は、黒く、暗い、
御苑あんり
この森のような
御苑あんり
絶望の光。
鈴木草太
信じている。信じなくてはならない。
御苑あんり
その光は、草太を癒やさない。
鈴木草太
道中黒水晶に心を刻まれた草太は、”仲間を疑った罪悪感”を増大させていて。
鈴木草太
最早信じる以外のことを自らがすることを許せなかった。
御苑あんり
黒い光はただいたずらに草太の傷を広げ、痛みを喚起する。
ルキオン
「──ここまでだ」
ルキオン
その腕へと目掛けて、剣が振り下ろされる。
御苑あんり
「────!!」
御苑あんり
反射的に手を引く。
ルキオン
手があった場所を、斬撃が通過した。
御苑あんり
黒い光の残滓が剣風に散る。
鈴木草太
………今、何が起きた?
鈴木草太
治療を受けている筈のオレの腕はより深い痛みが走っていて。
鈴木草太
ルキオンは仲間の筈のあんりに剣を振るった。
御苑あんり
「…………楽に」
御苑あんり
「してあげようとしたのに」
鈴木草太
「………それって、治すっていうことだよな…?」
御苑あんり
「……治ったらまた戦うでしょう?」
ルキオン
「それが、君の出した答えか」
御苑あんり
「私、わかったんです」
御苑あんり
「私が弱いから、みんなに迷惑をかけて、足を引っ張って、守らせてしまうでしょう」
御苑あんり
「あなたたちは、そんな私にほとほと呆れていたんでしょう」
御苑あんり
「うっとうしく、思っていたでしょう」
鈴木草太
分かっている。
鈴木草太
公爵家に渡された資料から、この森に踏み入った者は心に異常をきたすと。
鈴木草太
分かっている。オレたちはただ脅威度が高いだけで、特別な存在でもないから。それが起こりえるということを。
御苑あんり
「だから、ね」
鈴木草太
分かっていた、筈だった。
御苑あんり
「もう、そうならないようにしようと思ったんです」
鈴木草太
「…………どう、やって?」
鈴木草太
賢しいつもりで何も分かっていなかった愚かな自分から出てきたのは、そんなマヌケな質問。
御苑あんり
「あなたたちのコインを、私がもらいます」
御苑あんり
「コインがなければ、あなたたちはこんな所に来る必要はない」
御苑あんり
「コインがなければ、あなたたちは私を頼るしかない」
御苑あんり
「もう、そんな風に傷つかなくていい」
御苑あんり
「私が、あなたたちを守る」
御苑あんり
「……あなたたちは、私がいらないかもしれないけど」
御苑あんり
「私は、ほしい」
ルキオン
「…………」
御苑あんり
「……だから、私を頼るしかなくするわ」
鈴木草太
「………あんり」
鈴木草太
”こんな森の中でコインの力を失ったら、末裔と同じように死んでしまう”だとか。
鈴木草太
”正気に返ってくれ”だとか、言いたいことが山ほどあるけれど。
鈴木草太
どの言葉を向けても、きっと。
あんりを傷つけて、頑なにするだけだと分かって。
鈴木草太
そんなことだけが分かって。
鈴木草太
「…オレはあんりと一緒に戦いたい」
鈴木草太
「守られるんじゃなくて、一緒に戦いたいよ」
鈴木草太
ただ、自分の気持ちを伝えるしか出来なかった。
御苑あんり
「やだ」
御苑あんり
「やだ、やだ、やだ」
御苑あんり
「足を引っ張るのは嫌」
御苑あんり
「迷惑をかけるのは嫌」
御苑あんり
「呆れられるのは嫌」
鈴木草太
「迷惑じゃないよ」
鈴木草太
「呆れたりなんてしてない」
鈴木草太
この言葉は本当の筈だ。
鈴木草太
…だが、現状はどうだ?
鈴木草太
瓦解しそうになっている。
鈴木草太
その事実に目を逸らして、大切だからとあんりを気遣う。何の説得力もない言葉だ。
御苑あんり
あんりの瞳には、変わらず確信めいた狂気が宿っている。
御苑あんり
「そう、するしか」
御苑あんり
「ない、のよ」
ルキオン
「草太、ごめん」
ルキオン
「少しの間だけ、あんりと二人にさせてもらえるかな」
鈴木草太
「…何をするつもりだ…?」
御苑あんり
「…………」
ルキオン
「僕なりに説得を試みる」
ルキオン
「失敗しても、殺したりするつもりはないよ」
鈴木草太
「当たり前だろ…!?」
ルキオン
「でも……君には、聞かれたくないんだ」
鈴木草太
語気を荒らげる。
鈴木草太
「………」
鈴木草太
ルキオンの顔をじっと見る。
鈴木草太
ほんの少し前に信用出来る相手だと言った。
鈴木草太
けれど、場所が場所だから。
その人を改めて信じるに足る理由が欲しい。
鈴木草太
その瞳に正気はあるか…?
ルキオン
視線に気づき、わずかに戸惑いの色を浮かべて視線を逸らす。
ルキオン
狂気には侵されていないが、隠し事はある。
ルキオン
「……ごめん。僕は」
ルキオン
「君があんなことをされて……それを黙って許すことはできない」
鈴木草太
「──」
鈴木草太
その言葉に、息を呑んで。
御苑あんり
「……私は」
御苑あんり
「いいですよ、二人で」
鈴木草太
あんりからの答えに、視線を向けて。
ルキオン
「草太」
ルキオン
「彼女の心を動かす言葉があるなら、君にこの場を譲る」
御苑あんり
以前までのあんりは、ルキオンと二人になるのを避けている様子があった。
御苑あんり
だけど、今は動じない。
御苑あんり
嫌われていると知っていれば、好かれようと思わなければ、何も怖くない。
ルキオン
「どうなんだ?」
鈴木草太
問われて。あんりの表情を見て。
…今、何を優先するべきかを考えて。
鈴木草太
自分が、誰かを救えるかどうかを考えて。
鈴木草太
深くシワを寄せて、目を瞑って大きく息をする。
鈴木草太
「…5分経ったら様子を見に行く。それでいいか…?」
ルキオン
「ああ」
鈴木草太
「異変を感じたり、スティブナイトが出てもすぐに向かう」
鈴木草太
「…その条件でいいなら…任せるよ」
ルキオン
「何かあったら呼ぶ」
鈴木草太
「…あと、最後に」
鈴木草太
「…無事で帰ってきてくれ。2人とも」
ルキオン
「……ああ」
御苑あんり
「…………」
御苑あんり
「……うん」
ルキオン
少しだけ場所を離して、あんりと二人きりに。
ルキオン
「……」
ルキオン
「僕たちが二人になる事は、あまりなかったね」
御苑あんり
「……そうですね」
御苑あんり
「私が避けてましたから」
ルキオン
「やっぱり、そうか」
御苑あんり
「……分かってたんだ」
御苑あんり
「まあ、分からないはずないですよね」
ルキオン
「その姿だと、なおさらだろう。僕も君のその姿について言及することを避けていたし」
御苑あんり
「…………」
御苑あんり
「どうせ」
御苑あんり
「ばかに、していたんでしょう」
ルキオン
「君は、アンリミテッドでない自分に自信がないんだな」
ルキオン
「変身していた時でも、ふとした発言や所作に、御苑あんりが出てしまわないよう気遣っていたように見えた」
御苑あんり
「ええ」
御苑あんり
「だって、誰もそんなもの求めていませんから」
御苑あんり
「あなただって、この私と話すのは面倒でしょう?」
御苑あんり
「気を使っていたんですよ、私は」
御苑あんり
「面倒をかけないようにって」
ルキオン
「……君は本当に好かれたいのは、御苑あんりの方だったはずだ」
ルキオン
「それなのに君はアンリミテッドだけを押し出して自分を覆い隠す」
ルキオン
「報われない事だけど……気持ちはよくわかる」
ルキオン
「君と僕はよく似ている。理想の自分を演じようと足掻く人間だ」
御苑あんり
「…………」
ルキオン
「僕は、魔法少女のアンリミテッドに憧れていた。だから、初めて『御苑あんり』を見た時は……」
ルキオン
「……ひどく、ガッカリしたものだ。こんなものに僕は憧れていたのかと」
ルキオン
君の疵の抉り方なら、よく知っている。
御苑あんり
「…………そう」
御苑あんり
「でしょう、ね」
ルキオン
「覆い隠すような恥ずべき人格が、愛されるわけないだろう」
ルキオン
「君の言う通り、君はバカにされている」
ルキオン
「君と僕はよく似てる。本当の中身は、無価値な人間であるところもね」
ルキオン
どんな言葉で君は傷つくのか。
ルキオン
「僕はアンリミテッドが好きで、御苑あんりが嫌いだった」
ルキオン
「君は結局、無力な小娘のままなんだな。そういう疵だ。変われはしない」
ルキオン
「愛されるのは、アンリミテッドだけ」
ルキオン
それは違うと、知っているけど。
ルキオン
「御苑あんりは、アンリミテッドにくっついた、ノイズの情報だ」
ルキオン
「アンリミテッドに徹する事ができればよかったのにね」
ルキオン
*御苑あんりを抉り 判定は猟奇。クエスト3に挑戦
黒結晶A
配下が横槍。
黒結晶A
2d6+5+2=>7 判定(+脅威度) (2D6+5+2>=7) > 6[3,3]+5+2 > 13 > 成功
黒結晶A
1d6 (1D6) > 1
[ 黒結晶A ] HP : 22 → 21
ルキオン
2d6+4-1=>7 判定(+猟奇) (2D6+4-1>=7) > 10[5,5]+4-1 > 13 > 成功
[ アンリミテッド ] 御苑あんり : 0 → -1
御苑あんり
「しっ」
御苑あんり
声が震える。
御苑あんり
「……知って、た」
御苑あんり
「知ってた。全部」
御苑あんり
本当のことを言われるのが、一番傷つく。
ルキオン
「知ってはいなかった」
ルキオン
「君はそれを想像していた。それは君の悪い想像だった」
ルキオン
「事実として確定していなかったからこそ、それを言われることを恐れていたはずだ」
御苑あんり
「分かってた、もん……!」
御苑あんり
「だから、私、見せないようにしてっ」
ルキオン
いいや、君は知らないんだ。
ルキオン
本当は御苑あんりを必要とする人がいたのに。
ルキオン
そこから目を逸らしてきたから、こんな言葉が突き刺さってしまう。
ルキオン
「……だが、今はその姿がよく見えるな」
御苑あんり
「…………っ!」
ルキオン
「どうした」
ルキオン
「もう、変身できないのか?」
御苑あんり
「あ…………っ」
ルキオン
「……そうか」
ルキオン
「なら、君は無力な役立たずだ」
ルキオン
「今の君は、何をしても裏目に出る。それを君はよく知っている」
御苑あんり
ジュエルは、魔法少女の力の源は、黒く染まり割れている。
ルキオン
「隅っこにじっと隠れて、すべてが終わるのを待つのがいい」
御苑あんり
「…………ぅ、あ」
御苑あんり
アンリミテッドにはなれない。
御苑あんり
だけど。
御苑あんり
御苑あんりでも、いたくない。
御苑あんり
「やだ……っ」
御苑あんり
「やだ、やだ、やだ……っ」
御苑あんり
泣きじゃくる。
ルキオン
「……全部が終わったら」
ルキオン
「またアンリミテッドに戻れるように、力を尽くすよ」
御苑あんり
「う、あぁ、あ……っ」
ルキオン
「アンリミテッドのことを、みんな必要としている。彼女は優しく力強くまぶしくて、いなくてはならない存在だ」
御苑あんり
必要とされているのは、いつだって。
御苑あんり
私じゃない。
御苑あんり
御苑あんりじゃない。
御苑あんり
アンリミテッドはいない。御苑あんりを飾り、守る殻は、もう。
御苑あんり
いらない私はどこに行けばいい?
ルキオン
「……どうか」
ルキオン
「この言葉で、君が……」
ルキオン
「全て終わるまで、立ち上がれなくなっていることを願う」
ルキオン
「僕達の目の前に、立たないでくれ。助けられるのは、悪い事じゃない……」
ルキオン
「君に助けられた恩が、数えきれないくらいあるんだ」
ルキオン
「あとで、助けに行く。そこに……居てくれ……」
ルキオン
背を向ける。
ルキオン
草太の元へと足を進めた。
御苑あんり
「あ」
御苑あんり
「ああ……」
御苑あんり
「ぁあああ…………」
御苑あんり
ルキオンの背中が遠ざかっていく。
御苑あんり
引き止めることもできず、うずくまる。
御苑あんり
「う」
御苑あんり
「ぅうう…………」
御苑あんり
その矮躯を、
御苑あんり
黒い光が包む。
御苑あんり
消えてしまいたい。
御苑あんり
御苑あんりでいたくない。
御苑あんり
もう、いやだ。
御苑あんり
何もかも。
御苑あんり
いや…………。
御苑あんり
「……」
御苑あんり
「…………」
御苑あんり
泣いて、泣いて。
御苑あんり
「…………」
御苑あんり
ゆらりと、立ち上がり。
御苑あんり
黒い森の中へ消えていく。
御苑あんり
一人。
GM
GM
*ラウンド1の全てのPC手番が終了しました。
GM
◆お茶会MOD『勇断』
1ラウンド目のPC全員の行動の終了時、PL全員の合意があった場合、お茶会を終了して裁判に突入することを選べる。
GM
勇断をしますか?
ルキオン
します
鈴木草太
します
御苑あんり
許しません。
ルキオン
だそうです
GM
はい。
GM
では続行します。