GM
拝啓、アリス。
GM
愛しいアリス。
GM
この国がもうだめであるのなら、
GM
どうしてお前はここにいる?
GM
こんな絶望しかない世界で、お前が生きる意味は何だ?
GM
 
GM
Dead or AliCe「絶望の森」
GM
 
GM
 
GM
GM
そこは色を失った空間だった。
GM
辺りに響くのは、あなたがたが踏み出した足が、地面の結晶を割る音だけ。
GM
風も吹かず葉擦れの音ひとつしない不自然に静かな森に、その音が響いては、木々の隙間に吸い込まれて消えていく。
GM
黒く枯れた木には半透明の黒い結晶が生えており、手をつけば触れたところを傷付けるだろう。
GM
ここにはあなたがたを加害するものしかない。
GM
精神も、肉体も、蝕んでいく。
GM
ゆっくりと、確実に。

お茶会1

GM
*シーン表が公開されます。
GM
2つあり、2d6でまとめて振るとお得です。
絶望の森シーン表 2d6
(黒の森シーン表 1d6 / 絶望シーン表 1d6)

1.道なき道。かつては整備されていたであろう場所は結晶に覆われ、まともに歩くことすら難しい。
2.川。尖った結晶が流れていく。足を踏み入れたら、いくつも傷が付いて毒を浴びるだろう。
3.小屋。黒結晶に覆われていて、その重さで半分倒壊している。
4.薮。木々は黒く枯れ、かつて葉があったところには代わりに鉱石が生えている。
5.開けた場所。巨大な黒結晶のクラスターがある。長い時間をかけて大きくなったようだ。この辺りが救世主の居住地だろうか?
6.黒結晶が舞っている。避けないならば、ぶつかってあなたを傷付けようとしてくる。
* * *
1.黒結晶に覆われた死体を見つける。死体は干からび、表情は絶望に満ちている。見ていると絶望的な気持ちになりそうだ。
2.薄暗く冷えた森を歩く。どれほど歩いても黒い光景が続いている。それは不安を煽り、陰鬱な気持ちになる。
3.森だというのに、風の音もなければ、風で葉が擦れる音すらしない。ここはひどく静かで、不自然で、不気味だ。
4.木々が重なったか、夜が来たか、辺りが暗闇になる。あなたに孤独感が襲いかかる。隣に誰かいるだろうか?
5.道に迷う。木々の向こうに人影が見える。あなたを見ているそれは幻? 本物? 一体誰?
6.気付けば、あなたの周囲には誰もいない。いつの間にかはぐれたか、それとも救世主が見せる幻覚だろうか?
GM
*お茶会行動順決定
GM
1d99でどうぞ!!!!!
エーニャ
1d99 (1D99) > 12
クロイス
1d99 (1D99) > 12
オオトリ
1d99 (1D99) > 87
エーニャ
……?
クロイス
なるほど……?
GM
12のふたりでもういっかいかな……
GM
一番はオオトリさんですね。
クロイス
1d12 (1D12) > 4
エーニャ
1d99 (1D99) > 36
GM
◆R1 行動順
オオトリ>エーニャ>クロイス
GM
*PKの心の疵を公開します。

1ラウンド目:オオトリ

オオトリ
俺の行動だな。PKの心の疵『朧』を抉る。クエストはNo1.情報収集
オオトリ
2d6 (2D6) > 8[2,6] > 8
GM
2.川。尖った結晶が流れていく。足を踏み入れたら、いくつも傷が付いて毒を浴びるだろう。
GM
6.気付けば、あなたの周囲には誰もいない。いつの間にかはぐれたか、それとも救世主が見せる幻覚だろうか?
オオトリ
いきなり逸れたんだけど俺
エーニャ
よくありますね
GM
はぐれましたね。
クロイス
はぐれるなって言う奴がはぐれる法則
エーニャ
オオトリまた迷子ですよ
オオトリ
「……」
オオトリ
「……なんだと?」
オオトリ
殿を歩いていた。常にクロイスの背を視界に納めていた筈だ
オオトリ
あの特徴的な配色……髪色をそうそう見失う筈も無い……が
クロイス
視界にあったはずの桃色が
クロイス
ふっとぼやけて消える。
クロイス
幻覚に誘われる――噂は間違いなかったのだ。
オオトリ
周囲を見回していれば、靴の下で、ぴちゃりと音が鳴る
オオトリ
川だ。いつの間にか、俺と前方にいた二人を隔てるように
GM
誰もいない――はずだった。
GM
その川の向こうに、人影。
GM
はぐれた二人だろうか?
オオトリ
「……」油断なく武器を構える。そうだな……
オオトリ
数度、靴底で地面を叩く。前もって決めていた合図だ
オオトリ
二人なら、対応する音で返してくるはず
GM
それには何も返さない、が。
GM
その人影が振り返った。
GM
それは。
GM
お前が昔殺した女の姿をしていた。
GM
「よう」
オオトリ
「……チッ」
オオトリ
銃口を向ける。あいつが、そこにいる筈はない
オオトリ
「三秒やる」
オオトリ
その姿なら殺せる。……そうとも、躊躇わず引き金を引けるからな
GM
「…………」
GM
三秒。
GM
何もしない。
GM
ただお前を見て、わらう。
オオトリ
引き金を……
オオトリ
引く、その瞬間
オオトリ
「……チッ!」指を離す。銃撃はせず、ナイフを構えて肉薄する
オオトリ
考えたのは……別にあいつのことじゃない
オオトリ
幻覚系の能力なら、俺が錯乱しているだけで、二人がその幻の向こうにいる可能性もあるからだ
オオトリ
接近して、刃を首に突きつけようとする
スティブナイト
それを黒結晶が遮って、弾く。
スティブナイト
「なんだ」
スティブナイト
「人の心がないのかな」
オオトリ
「……ふん、撃ってやっても良かったか」
オオトリ
「直々にお出ましか?スティブナイト、でいいかよ」
オオトリ
距離は取らない。そのまま、ナイフを構え直して視線は向けたまま
スティブナイト
「もうちょっと情のあるやり取りとかするのかと思ったが」
スティブナイト
「ああ、そう呼ばれてるな」
スティブナイト
「公爵家の犬?」
オオトリ
「犬ではねえな。人だから」
オオトリ
「悪いが、そいつに向ける情はもう枯れてんだ。化ける相手を間違えたな」
スティブナイト
「そう」
スティブナイト
姿が掻き消える。
スティブナイト
それから。
スティブナイト
クロイスの姿をとる。
スティブナイト
「じゃあ、こうしよう」
オオトリ
「……ああ、そう」言わなきゃ良かった。内心ため息を吐く
オオトリ
「なるほど、上手いこと化けるもんだ。確かにこれなら、普通に狙いにくい」
オオトリ
「……で?わざわざ出てきたってことは、なんか用か?」
オオトリ
様子を見つつ、会話を継続しよう。まずは情報収集が目的だしな
スティブナイト
「いいや?」
スティブナイト
「ひとりぼっちで寂しいかな、と思って」
オオトリ
「はっ、そりゃどうも」
オオトリ
「お前に言われたかァねえけど。……」
オオトリ
「推測でボッチ扱いしたが、やっぱツレいたか?」
オオトリ
親し気な口調を交わすぞ
スティブナイト
「この森の中で生き続けられる奴が俺のほかにいたら、それはすごいことだな」
オオトリ
「そうなんだろうな。……っつーことは、入って行った末裔たちは大方死んでるわけか」
スティブナイト
「あれ? あぁ、サングラスでこの森を歩くのは大変だな」
スティブナイト
お前の足元を指差す。
スティブナイト
ほど近くに、黒結晶の山がある。
オオトリ
数歩後ずさってから、ちらと視線を向ける
スティブナイト
「お探しの末裔はそちらになりますね」
スティブナイト
よく見ると、それはただの黒結晶ではなく。
スティブナイト
黒結晶の中に黒く干からびた死体。
オオトリ
「……そりゃァ、ご親切にどうも」
オオトリ
「確かに暗い森ん中に黒い結晶、サングラスは邪魔だなぁこりゃ」ぼそっと、愚痴を零すように
スティブナイト
「これでまだ明るい方だ」
スティブナイト
「さて」
スティブナイト
「無事に末裔も見つかったし、帰る?」
オオトリ
「そうだな、ある程度の情報収集は出来たし……」
オオトリ
スティブナイトへ銃口を向け、今度は躊躇なく引き金を引く
オオトリ
「次は、てめぇに普通の攻撃が通るのかを見てやるよ」
スティブナイト
キン、と高い音がして、黒結晶が銃弾を弾く。
スティブナイト
「そうですか」
オオトリ
「見た目化けるのは得意だが、なんか全然違うんだよなぁ」
オオトリ
「暫く話してみたら、やっぱどう考えてもクロイスとは違うんで……」
オオトリ
「正体見せなよ、ケダモノ」ナイフを構え、再び接近
スティブナイト
視界から姿が消える。
スティブナイト
そうして後ろに現れる。
スティブナイト
……いや、お前が、最初から何もない場所を狙っていたのだ。
オオトリ
ナイフが空を斬る。ブーツが地を抉り、上体を構え直して周囲に気を配る
スティブナイト
「はい」
スティブナイト
「これが心の疵」
スティブナイト
「ご感想は?」
オオトリ
「ふん」
オオトリ
「覚えがあるさ、そういう類のやつ」
オオトリ
「ひとりぼっちで寂しいのはてめぇ自身、ってことじゃねえかな」
スティブナイト
「なるほど?」
スティブナイト
「いやあ、得られた情報としては十分じゃない?」
スティブナイト
「帰って飼い主に褒められたらいいよ」
オオトリ
「俺の飼い主は俺だけだ」
オオトリ
「だが、正直帰りたいのは確かだ」
オオトリ
「っつーわけで、言えば素直に帰らせてくれるか?ついでに末裔どもも、呼び寄せないようにしてほしいんだが」
スティブナイト
「そんなこと言われてもね」
スティブナイト
「殺したいもんは殺したいだろ?」
オオトリ
「俺は、殺した方が早く片が付くなら、だが」
オオトリ
「そうでもない奴は多いみたいだな」
オオトリ
「……ちなみに俺は、お前自身にどこまで悪意あるか分からんので認定保留中……ってとこかな」
オオトリ
周囲を見回しつつ……離脱してぇ~。もう抉れてよくない?
スティブナイト
「やっぱり犬じゃん」
スティブナイト
「こんな姿になってて、悪意がないと思える?」
オオトリ
「姿で人の善悪は決まらねえ……」
オオトリ
「だろう、よッ!」
気配を辿り、それらしき箇所に続けざまにナイフを振るうぜ
黒結晶
*配下が横槍。
黒結晶
2d6+1+2=>7 判定(+脅威度) (2D6+1+2>=7) > 11[5,6]+1+2 > 14 > 成功
黒結晶
1d6 (1D6) > 2
オオトリ
2d+4-2>=7 (2D6+4-2>=7) > 8[4,4]+4-2 > 10 > 成功
スティブナイト
いくつかは黒結晶が弾いたが、
スティブナイト
黒結晶の隙間を縫って刺したナイフに、手応え。
オオトリ
(……手ごたえはあった)
スティブナイト
近くで結晶が割れる音、ぐしゃりと倒れる音。
オオトリ
軽くひねって構え直し、即座に接近。倒れてんなら……
オオトリ
ナイフは逆手に。押し当てて動きを止めて、ショットガンを頭部に向ける
スティブナイト
お前の下にいるその黒い人影は、
スティブナイト
ちいさく、細く、力がない。
スティブナイト
「…………嫌になっちゃうよね」
スティブナイト
「だから帰れって言ったのに」
スティブナイト
抵抗もできず。
スティブナイト
お前に組み伏せられている。
オオトリ
「……ガキか」
オオトリ
「そりゃ悪かったが、ついでにもう一つ教えろよ」
オオトリ
「このまま降伏してくれるか?」
スティブナイト
「頷くと思う?」
オオトリ
ショットガンを額に押し当てる
オオトリ
「思わんが、もしそうなれば皆が得だろう……」
スティブナイト
「そうだろうね」
スティブナイト
「そっちのほうが皆幸せなのかも?」
オオトリ
「そうとも。少なくとも、ガキを殺すことになれば……」
オオトリ
「あいつらは、いい気分にはならんだろう」言いながら、ナイフを滑らせて首に当てる
オオトリ
「俺は違う」刃を振れさせ、僅かに……
スティブナイト
瞬間。
スティブナイト
ノイズが視界に走ったような感覚がして。
スティブナイト
次の瞬間には、ここに、お前たち3人が揃っている。
クロイス
呆然と、その姿を見る。
オオトリ
「……ッ」認識し、ナイフは皮を切る前に止まる
エーニャ
最初に、音がした。特徴的な、何か硬いものがぶつかって砕ける音。
クロイス
組み敷く男。組み敷かれる、女。
エーニャ
白金の脚が、黒い結晶を踏み砕く。
クロイス
きっと、そこに個人がなければ、迷わず私は女の方を庇っていただろう。
クロイス
男に嫌悪の視線を投げかけて。
エーニャ
「オオトリ……!?」
クロイス
でも、違って。
クロイス
そこにいるのは、ただ男というだけの存在ではなくて。
クロイス
「オオ、トリ……」
オオトリ
「……チッ……悪あがきか。俺も大概、口が軽いもんだ」
オオトリ
あいつらは~とか言わなきゃよかった
オオトリ
「しゃあねえ。いいか、こいつがスティブナイトだ」
クロイス
動揺は、そこまで。あとは状況を飲み込んで。
オオトリ
「エーニャ、クロイス、こいつが変なことしねえように周りを見張っててくれ」
オオトリ
呼びかけながらも、武器はそのまま。下の奴が動こうとすれば力づくで押し戻すぜ
クロイス
「……ああ」
周囲へ視線を向ける。あるいは、二人への視線を逸らす。
クロイス
見てしまったのかもしれない。
クロイス
どれだけ追っても、女というだけで閉ざされる。
どれだけ逃げても、女というだけで囚われる。
クロイス
自分の心の疵を、あの救世主に。
エーニャ
状況を把握しようと試み、それが難しいと悟る。
エーニャ
「オオトリ! その人が……スティブナイトで間違いはないんですね?」
オオトリ
「ああ。当人がそう言っているし、それにふさわしいだけの能力も見た」
オオトリ
「……だが安心しろ。少なくとも、問答無用でこのまま殺すつもりはない。だからこそ、見ててくれ」
クロイス
「……」
クロイス
大丈夫だ。オオトリを信じている。
エーニャ
そもそも。このオオトリが本物であると軽率に判断することはできない。けど、先ほどからの言動に不審な点もない。
クロイス
だけど、今のこの行いを『間違っていない』とは、私には言えない。
クロイス
そうしたら……私の今までが壊れてしまうから。
エーニャ
「分かりました。このまま……」 目を凝らす。誰かに、何か不審な行動があれば見逃さないように
エーニャ
「その人に協力の意志がないなら、拘束しましょう」
オオトリ
「ああ。どうも、分かりやすく殺意を向けてくる様子は無かったんだが」
オオトリ
言いつつ、その状態のままで、ここまで得た情報を伝えよう
クロイス
「……、そう」
オオトリ
では、そんな感じで組み伏せたまま情報を伝えて(この場分は)クエスト達成と……

PK割り込み 1回目

スティブナイト
上空から、硝子が割れるような音。
スティブナイト
黒結晶が降り注ぐ。
クロイス
一拍遅れた。
クロイス
「……上ッ」
エーニャ
全員の動向に注意を向けていた。しかし、空には注意を向けていなかった。
エーニャ
「えっ……」
オオトリ
意識を向けていたのは下。二人の声でようやく気付く
オオトリ
迎撃――は叶わない。一瞬の逡巡で規模だけ読み取れば、スティブナイトを放棄して横跳びに躱す
エーニャ
ほぼ同時に、スプリングによって強化された脚力で弾かれるようにその場から跳びのく。
クロイス
か細い手足が地面を叩き、飛び退く。
スティブナイト
「困っちゃうよね」
スティブナイト
「こうでもしないと抵抗できないの」
クロイス
着地して、メスを構え直す。
オオトリ
……十分厄介だよ。心の中で悪態をつきつつ、二人の様子に気を配ろう
エーニャ
「二人とも、気を付けてください! おそらく、この森すべてが……この能力の領域!」
クロイス
「やはり、格上だな」
少し掠れたかもしれない。けど、重傷ではない。
スティブナイト
嘲笑いながら、手を持ち上げる。
オオトリ
「その様だ。チッ、舐めた対応をしちまったな……」
スティブナイト
手のひらの上で育った黒結晶がまっすぐにお前たちに飛ぶ。
オオトリ
両手それぞれの武器を振るい、払う
オオトリ
それでも幾らかの欠片は潰しきれず、あるいは逸れた軌道を以て、突き抜けた分が体を掠めていく
クロイス
「く……」
弾いて落とすには小さすぎる医療器具たち。
前線で戦うのは領分ではない。
クロイス
落としきれない欠片が、肩や足を傷つけていく。
エーニャ
右腕の義手が分解され、即座に波型の刃を持つ刀剣が形成される。
エーニャ
その刃によって、欠片を叩き落とす。
エーニャ
潰しきれなかった欠片が身体に向かうが、気にせず左手の義手で払う。黒鉄の身体には、わずかな傷だけが残る。
スティブナイト
刀剣を一瞥して、手をひねる。
スティブナイト
「どこまで斬れるか試そうか」
オオトリ
「クロイス、お前は下がってろ……!」ヤバい口ぶりだ。何が来る?
スティブナイト
降り注ぐ黒結晶は大きさを増し。
エーニャ
「あれは……!!」
スティブナイト
ひときわ大きい塊が、エーニャに向かい飛んでくる。
スティブナイト
*エーニャの心の疵「破滅的献身性」を猟奇で抉る。
クロイス
*横槍をする。
クロイス
choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 猟奇
[ クロイス ] HP : 26 → 25
クロイス
2d+3>=7 (2D6+3>=7) > 7[1,6]+3 > 10 > 成功
クロイス
*ヤリイカエリートを使用
[ クロイス ] ヤリイカエリート : 2 → 1
クロイス
1d+3 (1D6+3) > 1[1]+3 > 4
スティブナイト
*ティーセットを使用。
スティブナイト
2d6+5+2-4=>7 判定(+猟奇) (2D6+5+2-4>=7) > 2[1,1]+5+2-4 > 5 > 失敗
クロイス
なるほどね……
[ スティブナイト ] ティーセット : 3 → 2
オオトリ
「チッ――!」さっきの被害の差を見て、思わずクロイスの方に飛んでしまっていた。俺では迎撃が間に合わない!
エーニャ
「大丈夫です! 二人は自分への攻撃に集中してください!」 二人を制するように叫ぶ。
オオトリ
違う。制圧できたと思い込んで、伝えていなかった。
オオトリ
あの結晶の中身は……!
クロイス
今、庇われるのは受け入れるしかない。
その分、視線はエーニャのほうへ。
クロイス
否、エーニャと、エーニャに向かう結晶。
エーニャ
構えた刀身からカチリ、と音がする。
クロイス
「――エーニャ!!砕くなッ!!避けろ!!!!!」
悲鳴に近い声が黒い森に響く。
エーニャ
同時に、刀身に組み込まれたギミックから吹き出した燃料に火花が飛び、着火する。
クロイス
医者を志す者だ。
結晶の中、わずかに含まれる『人の欠片』に気づかないほど、愚鈍ではない。
エーニャ
「この程度なら私のシュラスコで……えっ?」
クロイス
「怪我は治す!!右だッ!!!」
エーニャ
「くッ……」
エーニャ
結晶へ向けて踏み出す直前、足首から先の方向を90度曲げる。
エーニャ
噴射したガスによって、身体の向きとはまったく逆の方向に体が吹き飛ぶ。
エーニャ
そのまま、後方の樹に体を強かに打ち付ける。私がいた場所には結晶が突き刺さることだろう。
エーニャ
「……いたた」
クロイス
駆ける。そしてその肩に手を添える。
クロイス
「……よくやった」
GM
結晶が突き刺さり、砕ける。
GM
その中から末裔が出てくる。
クロイス
「エーニャ。『君は傷つけていない』。『君がやったわけじゃない』」
エーニャ
「え? 一体何が……」
エーニャ
咄嗟の事で、その理由は分からなかったがドクターの判断に従った。
エーニャ
しかし、それはすぐに分かった。ドクターの視線の先。
エーニャ
「えっ……」
クロイス
エーニャは、手遅れすらも許せないかもしれない。
クロイス
けど、それでも、自分の手で破壊しなかったことには、大きな意味があるだろう。
オオトリ
……そちらは任せて、追撃が来ないように前に立っておこう
オオトリ
「……こりゃぁ狙ったのかね」
オオトリ
……あの土壇場。一瞬、どちらを助けるか迷った
オオトリ
その迷いが、対応の遅れを生んだ。俺では守り切れなかったらしい
クロイス
「……末裔だ」
エーニャ
「もしかして、この結晶……」
クロイス
「ここに迷い込んだ末裔が、まともでいられるはずがない」
GM
その体は動くことはない。半分ほど黒ずんで干からびている。
エーニャ
「そんな……」 先ほどの言葉を思い返す。
エーニャ
『どこまで斬れるか試そうか』
クロイス
「斬らないのが……君にとっては、正解だろう」
スティブナイト
「残念」
エーニャ
「……」
エーニャ
私たちがもっと早く来ていれば? 違う。どうしても間に合わなかった。
エーニャ
「どうして、こんなことを?」
スティブナイト
「どうしてって」
スティブナイト
「そうなるから?」
スティブナイト
「斬れたらもっと悲しんだかな」
オオトリ
「……面白い事言うじゃねえかよ」
スティブナイト
「面白がってくれるんだ」
オオトリ
「ああ。一番は、甘いこと言ってた自分がな」
エーニャ
「オオトリ。ドクター。……ここは、私に話させてくれませんか?」
クロイス
「………………」
クロイス
「……分かった。君に任せよう」
オオトリ
「……それは…………」
エーニャ
「……大丈夫、無理はしません」
オオトリ
「……くそっ、見てるからな」
クロイス
離れはしないとも。
オオトリ
今の俺にはクロイスのように肯定も、だが否定も出来ない。静かに一歩、横にズレる
エーニャ
「ありがとうございます」
エーニャ
一歩、前に出る。
[ スティブナイト ] 朧 : 0 → -1

1ラウンド目:エーニャ

エーニャ
*スティブナイトの心の疵「黒結晶」を抉ります。
エーニャ
「お話、しませんか。私と」
エーニャ
「私、あなたに聞きたいことがあります」
スティブナイト
「なんでもどうぞ?」
エーニャ
「……応じてくれるんですね」
スティブナイト
「嫌がったほうがよかった?」
エーニャ
「いいえ。私としては……嬉しいです」
エーニャ
「でも、さっきは攻撃されたので……あれは」
エーニャ
「拘束から逃れたかったから、ですか?」
スティブナイト
溜息をひとつ。
スティブナイト
「本当にそう思う?」
エーニャ
「いえ。分からないので聞いているんです」
エーニャ
「私たちを、憎んでいて」
エーニャ
「それで攻撃しようとしたわけではないんですよね?」
スティブナイト
「…………」
スティブナイト
「考えてみな?」
スティブナイト
「末裔を、救世主を、殺してて」
スティブナイト
「公爵家から敵視されてるような救世主が」
スティブナイト
「悪いやつじゃないとか、思う?」
エーニャ
「それで判断するなら」
エーニャ
「救世主はほとんど皆、あなたの言う”悪いやつ”ですね」
エーニャ
「私だって、救世主を殺していますし」
エーニャ
「末裔を手にかけたこともあります」
エーニャ
「公爵家はほとんどの救世主を嫌っているって、知っていますか?」
クロイス
……そうだ。
ここまで辿りついた救世主はみな、人殺しだ。
エーニャ
「だから」
エーニャ
「私はそんなことで、人の善悪を判断しません」
エーニャ
「あなたと直に話して、言葉を交わして」
エーニャ
「私自身で判断します」
オオトリ
……全く、いつも通りの奴だ。こんな場所でまで
オオトリ
俺がすぐに諦めて、切り捨てようとしたものを……
エーニャ
「だから私は、あなたが話に応じてくれて嬉しい」
スティブナイト
「……まあ」
スティブナイト
「みんな悪い奴なんじゃないの」
スティブナイト
「俺はそう思うけどね」
エーニャ
「みんな……あなたは?」
エーニャ
「あなたは自分のことを、どう思います?」
スティブナイト
「それ、こないだも聞かれた気がするな……」
スティブナイト
「会わなかった? まぁ、どうでもいいか」
エーニャ
「初対面ですね」
スティブナイト
溜息。
スティブナイト
「どうって」
スティブナイト
「『この国に生きるものにとっての驚異』とか?」
エーニャ
「……そうかもしれません。今のあなたは」
エーニャ
「だから、私たちが派遣されているわけですし」
エーニャ
タイミングはまあ適当なので、横槍します?
黒結晶
*します!!!!!!!!!!
[ 黒結晶 ] HP : 18 → 17
黒結晶
2d6+2+2=>7 判定(+脅威度) (2D6+2+2>=7) > 5[2,3]+2+2 > 9 > 成功
黒結晶
1d6 (1D6) > 6
エーニャ
*愛で判定します
エーニャ
2d+4-2>=7 (2D6+4-2>=7) > 10[4,6]+4-2 > 12 > 成功
エーニャ
-6です。通ってますね
エーニャ
「どうして、皆を傷つけるんですか? さっき、そうなるからと言っていましたけど」
エーニャ
「皆のことが、嫌いですか?」
スティブナイト
「好きなように見える?」
エーニャ
「……ですよね。確かに、そうは見えません」
エーニャ
「でも、それなら理屈は通ります。嫌いだから傷つける」
エーニャ
「じゃあ、どうして……というのは聞かないほうがいいんでしょうか」
スティブナイト
「…………どうしてなんだろうね?」
スティブナイト
「別に、殺しても」
スティブナイト
「何も埋まりはしないんだ」
エーニャ
「……だったら、終わりにしませんか?」
スティブナイト
「…………」
スティブナイト
「終わりにしてくれる?」
エーニャ
目を伏せ、首を横に振る。
エーニャ
「あなたが一体何に絶望して、そうなってしまったのか……世界を憎んでいるのか。私にはまだ分かりません」
エーニャ
「でも、あなたは私との話を拒絶しなかった。きっと、私もあなたのことを理解できます。だからまだ手遅れじゃない」
エーニャ
「私は、あなたを救いたい」
スティブナイト
「…………」
スティブナイト
「どうしたらいいんだろうね」
スティブナイト
「仮に俺を救えたとして」
スティブナイト
「この結晶、どうしよっか?」
エーニャ
「どうにかします!」
エーニャ
「まだ、何か……方法があるかもしれません」
クロイス
展望無し。無理解。無鉄砲。
クロイス
それでもあの子はくじけない。
クロイス
すべて分かっていても、諦めない。
エーニャ
「まだ、諦めるには早すぎます……!」
スティブナイト
「…………」
[ スティブナイト ] 黒結晶 : 0 → -1
エーニャ
「だから……!」
スティブナイト
言葉の代わりに。
スティブナイト
静止していた森が、動き出す。
クロイス
「!!」
スティブナイト
木の結晶がひび割れ、砕け、粉々に散って。
エーニャ
「森、が……!?」
スティブナイト
視界が黒く遮られる。
エーニャ
「っ……! 待って、スティブナイト!」
GM
それが晴れたら、そこには誰もいない。
オオトリ
「……行ったか」暫く後に、ふう、と
オオトリ
「全く、ヒヤヒヤさせやがって」
クロイス
「……怪我はないか、エーニャ」
エーニャ
「スティブナイト……」
エーニャ
一度足元へと視線を落とし
エーニャ
二人へと向き直る。
エーニャ
「大丈夫です。ありがとうございました」
エーニャ
「ごめんなさい。私の無理に付き合わせてしまって」
クロイス
「いつものことだな」
オオトリ
「俺はむしろ、あれを伝えてなくてすまなかったと思っている」
クロイス
「それも、いつものことだ。毎度気にはしないさ」
エーニャ
「私のことを心配してくれたんですよね、オオトリは」
オオトリ
「……それはそうなんだが」
オオトリ
「いつものこととして、俺が思っているよりお前は強いんだ、が」
オオトリ
サングラスを直す
オオトリ
「……何でもない。まだあいつは逃げたきりだ、気を付けよう」
オオトリ
視線を逸らす
クロイス
「ああ。……」
エーニャ
表情を引き締めて、頷く。
エーニャ
「私……あの人を救いたいんです」
エーニャ
「だから……」
クロイス
冷たい風が吹き、黒結晶の欠片が飛んでいく。
エーニャ
「もしかすると、二人を危険に晒してしまうことになるかも」
オオトリ
「俺のことは気にするな。いつものことだろう」
オオトリ
「俺は無理だと思うが、それで諦める奴じゃあるまいよ、お前は」
クロイス
「見届けさせてもらうよ」
エーニャ
「あはは……はい。どうしても、諦められません」
GM

PK割り込み 2回目

GM
5.開けた場所。巨大な黒結晶のクラスターがある。長い時間をかけて大きくなったようだ。この辺りが救世主の居住地だろうか?
GM
6.気付けば、あなたの周囲には誰もいない。いつの間にかはぐれたか、それとも救世主が見せる幻覚だろうか?
GM
気付けばクロイスはひとり、開けた場所に立っている。
GM
粉々に砕け散った黒結晶の残骸。
GM
雨のように、結晶の粉が降り注ぐ。
クロイス
「…………」
オオトリを見失った時と同じように。
また、幻覚に惑わされたのだろうか。
クロイス
「……っ」
GM
川のそばに、小屋がひとつ。
GM
森で見た他のどの小屋とも違って、壊れておらず。
クロイス
誘われて、いる?
GM
近づけば半分ほどが黒結晶に覆われていることがわかる。
GM
ここだけ、唯一大きな塊が残っている。
クロイス
どんなに強い救世主と言えど、棲む家は必要だ。
荒れ果てた地では生きていけない。
クロイス
一人、足を踏み入れる。
GM
音もなく扉は開かれる。
クロイス
二人を探すべきだったろう。
けれど、一人だからこそ、話せることもある。
クロイス
「……いるのか?」
GM
部屋の中にはベッドと棚がひとつずつ。
GM
机も椅子もない。
GM
その、ベッドの上。
スティブナイト
座って、扉が開くのを見ていた。
スティブナイト
「いらっしゃい」
クロイス
深く息を吐いて、
クロイス
その瞳を見る。
クロイス
「君が、招いたのか? それとも、私が不躾に入ってしまったか」
クロイス
足を踏み入れる。
スティブナイト
首と胸元に赤い疵。
クロイス
歩めば、見えてくる。その傷が。
クロイス
「…………」
スティブナイト
「どっちかなあ」
クロイス
「それは」
一度、言葉を飲み込んだ。己の声が震えているようだったから。
クロイス
「……それは、彼が」
スティブナイト
「うん」
スティブナイト
「立ち話もなんだし、座る?」
スティブナイト
そういって指差すのは自分の隣。
スティブナイト
黒手袋はなくて、細い手が顕になっている。
クロイス
「……そうさせてもらおうか。森を歩き続けるのは、流石に疲れた」
クロイス
敵対する救世主を前に抗いもせず、ベッドの隣に腰かける。
スティブナイト
この国にしては柔らかく、滑らかな触り心地のベッド。
クロイス
……細い手。
柔らかい手。
クロイス
女の華奢な手がふたつ。
スティブナイト
何かする素振りもない。
クロイス
「その傷」
クロイス
「もう少し、見せてもらってもいいか」
スティブナイト
返事の代わりに、身体をそちらへ向けた。
クロイス
手を伸ばす。文字通り腫物を扱うように触れる。
スティブナイト
抵抗しない。
スティブナイト
柔らかな肌が触れた。
クロイス
指先は細く冷たい。
スティブナイト
この肌も同じように。
クロイス
危害を加えるような触れ方ではない。
スティブナイト
僅かに震えた。
クロイス
力ある者に強く掴まれれば
クロイス
私たちの肌は、こんなにも簡単に傷ついてしまう。
クロイス
「……やわらかいね」
クロイス
「けれど、やわらかくあってほしくなかった」
クロイス
「そうだろう」
スティブナイト
「うん」
スティブナイト
「隠してたんだけど」
スティブナイト
「疵ついちゃ、だめだね」
クロイス
「ああ」
クロイス
「……傷つき疲れてしまったね」
それは、誰に聞いているのか。
クロイス
傷口を撫でる。
スティブナイト
溜息。
スティブナイト
か細くて、どこまでも女の。
スティブナイト
「俺たちってさあ」
スティブナイト
「何を間違えたんだろうね」
クロイス
「……生まれた時から、得るべき身体を間違えたんだ」
スティブナイト
「こうであるから、元の世界で差別されて」
スティブナイト
「逃げてきたここでも、このざまだ」
スティブナイト
「末裔ですら、コインの数は同じでも、大男のほうが強いと言い」
スティブナイト
「救世主には、性別がわかればそれ目的で近付かれ」
スティブナイト
「どこにも逃げ場なんてなかったね」
クロイス
そうだ。
クロイス
あの場所でも、この世界でも。
クロイス
「……女に示された道は『子産み』だけ」
クロイス
「そのための器官、そのためのからだを持って生まれ落ちたのだから当然であるとされ、女たちはそれに従った」
クロイス
母は、私に男として育つよう言った。
父は背中を押してくれたが、どこか遊び心が含まれているようだった。
クロイス
性別がバレてしまったときも、母のように放心するでもなく『やはり無理だったか』と。まるで後ろ向きなギャンブルに勝ったときのような面持ちだった。
クロイス
「隠しても、ダメだった」
クロイス
「夢を断たれ、子産みの役割を強いられようとしたその時、私は堕落の国に堕ちた」
クロイス
「結局は変わらない、この世界に……」
クロイス
分かっている。
クロイス
私は既に、ゆるやかな絶望に包まれていた。
クロイス
ただ、エーニャと出会って、その猶予が少しのびただけ。
クロイス
出会わずに長く暮らしてきた少女が、今ここに。
クロイス
鏡合わせで座っている。
スティブナイト
手を伸ばす。
スティブナイト
その肩に触れた。
スティブナイト
つめたくて、細くて、柔らかく、ちいさな手。
クロイス
「…………」
スティブナイト
「強くなるしかなかった」
クロイス
その手は、オオトリたち男のものとまるで違う。
スティブナイト
「これしか選択肢がなかった」
クロイス
「ああ」
スティブナイト
「触れられたく、なかった」
スティブナイト
「誰にも……」
スティブナイト
「……どうしたらよかったんだろうな」
スティブナイト
「正しく生きる道なんて」
スティブナイト
「はじめから、俺たちにはなかったよ」
クロイス
女と知られたときに、周囲の反応に色が帯び始める、あの瞬間がたまらなく嫌だ。
クロイス
「……ああ」
クロイス
手に手を添える。
クロイス
偽ったって、ダメだったんだ。
生まれ落ちた瞬間から、もう。
スティブナイト
*クロイスの心の疵「女」を猟奇で抉る。
オオトリ
*横槍
オオトリ
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 愛
オオトリ
2d+4>=7 (2D6+4>=7) > 7[2,5]+4 > 11 > 成功
オオトリ
1d6 (1D6) > 3
オオトリ
*ヤリイカエリート使用
[ オオトリ ] ヤリイカエリート : 2 → 1
[ オオトリ ] HP : 26 → 25
スティブナイト
*ティーセット、手袋使用。
スティブナイト
2d6+5+2+2-6=>7 判定(+猟奇) (2D6+5+2+2-6>=7) > 7[6,1]+5+2+2-6 > 10 > 成功
クロイス
……オオトリ。
クロイス
彼が優しく、甘い人だということは知っている。
クロイス
敵対者を説得することはあれど、けして容赦はしないことも。
クロイス
だから、この傷。
クロイス
曇りなく、正しい傷跡。
クロイス
私は彼のことを間違っているとは思わない。
クロイス
だから、二人のいない場所で、
クロイス
「…………っ……」
彼女のいる場所で、静かに、泣きたかった。
クロイス
どうしようもない。
これは、どうしようもないことだ。
スティブナイト
頬に手を触れて、その涙を指でなぞった。
スティブナイト
おんなじだ。
クロイス
エーニャたちと出会って、猶予は伸びたけれど、
クロイス
私が結局行き着く果ては、諦めなんじゃないか?
クロイス
目の前の彼女を見て、そう思った。
深く刻まれた。
[ クロイス ] 女 : 0 → -1
スティブナイト
行き着く先は地獄だ。
クロイス
抵抗は許されない。
クロイス
抵抗するだけの力が、この肉体にはない。
スティブナイト
頬を撫でるその手だって。
スティブナイト
男に抗うことはできない。
クロイス
身体を傾けて、
クロイス
慰めるように、その傷跡に唇を落とした。
GM
[ クロイス ] 絶望侵蝕 : 0 → -1
[ スティブナイト ] ティーセット : 2 → 1
[ スティブナイト ] 子山羊皮の手袋 : 2 → 1

1ラウンド目:クロイス

クロイス
シーン表。
3.小屋。黒結晶に覆われていて、その重さで半分倒壊している。
5.道に迷う。木々の向こうに人影が見える。あなたを見ているそれは幻? 本物? 一体誰?
クロイス
オオトリが道に迷う中、またも同じ桃色の影を見る。
オオトリ
「……クロイス?」
オオトリ
慎重に、問いかける
クロイス
その声にびく、と肩を震わせて、振り返る。
クロイス
「オ……オトリ」
オオトリ
「……奴の反応にしては妙だな、どうやら本物か」独り言ちる。普段のクロイスにしても妙だが
クロイス
「あ……」
クロイス
「……流石に、同じ手を使いはしないだろう」
オオトリ
「可能性がある以上は……いや、それよりだな」
オオトリ
「全く、お前を探して俺まで孤立してしまったぞ。ほら、エーニャを探しに行こう」
クロイス
「ああ」
クロイス
「こうして合流できただけでも運がよかったのかもしれないな」
オオトリ
「これでお相子だな」軽く笑って、さてエーニャを……
クロイス
オオトリ。
冷たいようで優しくて、甘い人。
クロイス
その服を、弱弱しくつまむ。
オオトリ
「……どうした?」
オオトリ
……最初の反応の時点で、様子がおかしいのは分かっていた
オオトリ
恐らく、幻覚を見たか、奴に狙われたか。……だからこそ、何事もなかったように語り掛けたのだが……
オオトリ
ずっと、どうも嫌な予感がする
クロイス
「…………」
クロイス
私は、弱い。
クロイス
このからだを。子を産むために血を流すからだを心から受け止めてしまえば、もう男に逆らうことなどできなくて。
クロイス
「オオトリ……」
オオトリ
「ああ、なんだ?」そちらに向いて、少し膝を曲げる
オオトリ
いつも通りなら、露骨に曲げれば子供扱いしてると笑われるだろうし、軽くな
クロイス
「……怖いんだ」
クロイス
「君のことも、君以外の男のことも」
オオトリ
「……そうだったのか」
クロイス
「だけど」
クロイス
「君が一番、平気だ」
オオトリ
「それは、喜んでいいのか、どうかな……」
クロイス
「だから……」
手がすりぬけて、オオトリの肩を掴む。
クロイス
掴んで、小屋の壁に押し付ける。
……容易に抵抗できはするだろうけど。
オオトリ
逆らうどころか、従うように、数歩下がる
オオトリ
ただ、困惑したような様子だけを見せて
クロイス
肌が、触れあった。
クロイス
上半身を密着させている。
オオトリ
両手は横に広げる。自分から触れないように
オオトリ
「なあ、どうしたんだ?」
クロイス
「……『肩を出しているのが意外』と、言っただろう」
クロイス
「何故だかわかるか」
クロイス
質問には答えない。
オオトリ
「…………それさ」
オオトリ
「俺が、考えていいことなのか?」
オオトリ
俺が知る限りのクロイスは、そんな風に見られたくはなかったろうから
オオトリ
だから、考えないようにしていた。極力
クロイス
「君が、じゃない。君だからだよ」
クロイス
「君だから、考えてほしい」
オオトリ
「…………」
オオトリ
「見た目を気にした、から、じゃないか」
オオトリ
「俺から見て、の」
オオトリ
考えて、その上で何も分からないほど鈍くはない
オオトリ
だが、だから、言葉にするのに苦痛を伴っている
クロイス
「そうだ。その上で、もっと分かりやすい」
クロイス
「私の中で目覚め初めた女の心が、君を誘惑しているんだよ」
クロイス
「セックスしたいと言っている」
オオトリ
「お前から……」
オオトリ
『そんな言葉が出るとは、思わなかった』
オオトリ
続く言葉は口に出来なかった
クロイス
「もっと、もっと単調に言おう」
クロイス
「男と女の違いを、君の手で分からせてほしいと言っているんだ」
クロイス
「無様にも対等を訴える私に、その獣性を叩きつけてはくれないか」
クロイス
「……他の誰かから、絶望を教えられる前に」
クロイス
そう言って、頭を垂れる。
クロイス
これは命令ではない。懇願だ。
オオトリ
獣性。俺にとって、とても分かりやすく、嫌な言葉
オオトリ
――こいつは果たして、それに気づきながら言っているのか?
オオトリ
震える右手が銃を取り落とし……少しずつ、動いて……
クロイス
*オオトリの『獣性』を愛で抉ります。
エーニャ
*横槍!
[ エーニャ  ] HP : 23 → 22
エーニャ
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 猟奇
エーニャ
2d6+0=>7 判定(+猟奇) (2D6+0>=7) > 4[2,2]+0 > 4 > 失敗
クロイス
2d+4>=7 (2D6+4>=7) > 8[3,5]+4 > 12 > 成功
クロイス
「オオトリ……」
クロイス
無抵抗な姿を見せて。
白衣がはらりと地面に落ちる。
クロイス
手足は細く、けれど女らしい肉付きは確かにあって。
クロイス
接近した今なら、甘い汗の匂いもはっきりと分かる。
クロイス
その上で、君が知るあの女のように
クロイス
襲ってはこない。
クロイス
君がそうするのを、待っている。
オオトリ
震える右手――ではなく、左手がナイフを離し、その背を抱く
クロイス
「…………っ」
オオトリ
「……いいか、クロイス。聞いてくれ」
オオトリ
そうしたのは、反射的に逃げられないため。この後、どちらがどのように動いても
クロイス
「……ああ」
オオトリ
右手はクロイスではなく、自分の首の包帯を掴んで、外す
オオトリ
次いで、サングラスも落とす。
「……獣性っていうのはさ、お前が思う以上に、正しいんだよ」
クロイス
視線だけ、その顔へ。
オオトリ
「多分、この首の噛み傷から、感染したんだよな」
オオトリ
「俺の目は、元々こんな色じゃなくて」
オオトリ
「……俺の能力は、元々”あんなもの”じゃなかった」
クロイス
「……変わった、のか」
オオトリ
「そうだ。そして、大元のそいつももう死んだ」
オオトリ
「だから……男とか、女とか、そういうの以前にさ」
オオトリ
抱いていた左手に力がこもる。逃がさぬように、か
クロイス
抱かれた腰は細く、強く力を込めれば容易く折れてしまいそうなほど。
オオトリ
「俺はケダモノで。俺には」
オオトリ
「同類がいないんだよ」あるいは、縋るように
クロイス
「……私は、獣に食われる小動物に過ぎない」
クロイス
「きっと君と同じにはなれない」
クロイス
「けれど、君のその本能のはけ口になることはできる」
オオトリ
心臓が跳ねたような気がした
クロイス
「……それに、ただ一人というのなら」
クロイス
「他のどの男よりも」
クロイス
「君は、私のことを、深く深く破壊できるのだろう」
クロイス
「抵抗する意思を、根こそぎ奪えるほどに」
オオトリ
それは随分と、魅力的な言葉に聞こえた
オオトリ
俺も、お前も、普段なら何より否定してきた筈のものが
クロイス
屈している。
オオトリ
右手ですら、お前の肩を掴む。強く、有無を言わさぬように
オオトリ
「お前……お前が、そんなことを言うのか……!?」
クロイス
服従するために生まれてきたわけではないと、心に強く抱いていたのに。
クロイス
「……君だから」
クロイス
「言っているんだ……」
オオトリ
「俺は、お前だから」
オオトリ
「俺と対等になってくれると期待してるんだよ!」
オオトリ
縋るほど、力が強くなる。否定していたはずの、俺が明確に上位に立つという姿
クロイス
「対等……目指していたもの」
クロイス
「そんなものは、なかった」
クロイス
「こんな身体で、どうやって君に抵抗できる」
オオトリ
「やめてくれ、やめてくれよ……!」
オオトリ
「冷静になったら、お前は、絶対後悔する!」
オオトリ
分かっている。今口にするのは、全て言い訳だ
オオトリ
「俺は、お前に」
オオトリ
これまで口にしてきたのも、言い訳でしかない
オオトリ
それでも言い訳を、崩したくなかったのは
オオトリ
「お前には、嫌われたくないんだ!だから……ッ!」
オオトリ
「……そんな理由を、与えないでくれよ……」
オオトリ
膝をつく。抱きしめたままそうすれば、お前の体も、俺に従って下に向かうはずだ
クロイス
その力のままに。
クロイス
君が求めれば、すべてがその通りに。
クロイス
冷静になったら後悔する?
クロイス
きっと、そんなことはないさ。
クロイス
今までのそれは、化けの皮。
これこそが、私たちの本当のすがたなんだから。
[ オオトリ ] 獣性 : 0 → -1
クロイス
どれぐらい時間が経っただろう。
森の中は薄暗いままで、何も分からない。
クロイス
「…………」
クロイス
薄暗いまま。けれど、意識は少しずつ晴れていく。
オオトリ
壁にもたれかかって、隣に座り込んでいる
クロイス
「あ……」
クロイス
視界の中にオオトリを認めると、声が上ずる。
オオトリ
この目は、闇の中をよく見通す。そこに自分の意思はない
オオトリ
「……まだ、動けるか?」
オオトリ
金色の瞳はずっと、そちらを向いていた
クロイス
被さっていた衣服と白衣を手に取る。
全身が震えながらも、視線を逸らすことができない。
クロイス
「……あ……」
クロイス
「……はい」
オオトリ
「そうか」
オオトリ
……なら、その衣服を取って、代わりに着せよう
クロイス
「ん……、」
抵抗はない。晒された肌が、女の身体がひとつずつ覆い隠されていく。
オオトリ
「それなら良かった」なにも良くはない
クロイス
「……もし」
クロイス
「とり繕えと、言うなら」
クロイス
「すべて、あなたの言うとおりに」
オオトリ
「いいよ、もう」良くはない
オオトリ
「……いいんだ」良くはないけど
クロイス
顔をあげる。
クロイス
「はい」
クロイス
……そうやって、隷従している今が、
クロイス
ひどく恐ろしく、ひどく甘美で。
クロイス
彼の『赦し』に、ただ頷いて、また頭を垂れた。
クロイス
どんな命令だって従う。
クロイス
今すぐに救世主を討ちにいくというのなら、その通りに。
はけ口になれというのなら、その通りに。
自害しろというのなら、その通りに。
オオトリ
俺がこうしてしまったというのなら、それはもう仕方がない
オオトリ
良いか、どうかなんて、もう関係がなかった
オオトリ
クロイスの身支度を整えれば、自分も包帯を巻き直す
オオトリ
「ここはまだ敵地だ。それに、スティブナイトはまだ疲弊しているはず」
オオトリ
「行くぞ、奴を狩りに」
オオトリ
手を取って、立たせる
クロイス
頷いて、立ち上がる。
オオトリ
「それからもう一つ」
オオトリ
「もう俺から離れるな」
オオトリ
「離れたら戻ってこい。何があっても」
クロイス
「はい。……片時も離れません」
クロイス
その声色は淡々としながらも。
視線には、畏怖と、熱が含まれている。
オオトリ
「ああ、何があっても構わないから」
オオトリ
「死のうとしないで、お前や仲間の命が関わらない時に、無暗に殺そうとしないで」
オオトリ
「一緒にいて、よく話してくれれば」
オオトリ
「だから、いつか俺が本当に許せなくなったら、素直に話してくれ」
オオトリ
「……さあ、行くぞ。エーニャと合流しよう」
後はついてくると期待して、背を向ける
クロイス
その声に返事をしようとして、
エーニャ
それはまるで冬の日の朝、水たまりに薄く張った氷を踏みしめた時のような
エーニャ
微かな。しかし空間そのものを軋ませるような音が二人の耳に届く。
クロイス
音に、気づく。
エーニャ
「あっ…………」
オオトリ
「……エーニャ」
エーニャ
「ごっ……」
エーニャ
「ごご……」
クロイス
「え……」
エーニャ
「ごめんなさいっ! あ、あの……二人がそんな、もう」
エーニャ
「そんな……」
エーニャ
「……」
エーニャ
「……ッ」
エーニャ
駆けだす。
クロイス
「エーニャ!!」
エーニャ
取り繕えたのは、一瞬のこと。
オオトリ
「ま、待て!」
エーニャ
白金の脚から蒸気が上る。自分が全力で駆けだせば、二人が追い付けないことは”知っている”。
オオトリ
追いかける。一瞬、クロイスの動きを確認しながら
クロイス
二人ほど速くはない。
私に気をかけては、追いつけないのは仕方のないことだ。
エーニャ
2d6 シーン表 (2D6) > 8[2,6] > 8
GM
2.川。尖った結晶が流れていく。足を踏み入れたら、いくつも傷が付いて毒を浴びるだろう。
GM
6.気付けば、あなたの周囲には誰もいない。いつの間にかはぐれたか、それとも救世主が見せる幻覚だろうか?
エーニャ
息を弾ませながら、川べりを歩く。
エーニャ
祝福……するつもりだったのに。
エーニャ
これ以上、あの場にいることができなかった。
エーニャ
(ダメだな……私)
エーニャ
(……戻らないと)
エーニャ
(戻って……二人に。そう、笑顔で)
エーニャ
(大丈夫)
エーニャ
「……」
エーニャ
(ほら、大丈夫。だから)
エーニャ
元来た方へ踵を返そうとし……
エーニャ
「!?」 つんのめる。
エーニャ
「痛……」
エーニャ
足元に目を落とす。踵から先が逆方向に曲がっている。
エーニャ
「あれ、おかしいな……」
エーニャ
「ちゃんと戦わなきゃ……いけないのに」
エーニャ
(このまま、戦えるのかな……私。本当に)
エーニャ
*このまま裁判に入る場合、裁判終了後にエーニャは離脱します。
クロイス
ラウンド中断の行方は、オオトリの判断に従います。
エーニャ
従います。
オオトリ
クロイス。お前が抉った『獣性』の疵をエーニャに共有しろ
クロイス
仰せの通りに。
『獣性』をエーニャに共有します。
GM
エーニャの心の疵について、どちらか好きな方を悪化させて大丈夫です。
クロイス
どちらを抉るかの判断を、オオトリに委ねます。
オオトリ
『破滅的献身性』の疵を抉ってもらう
エーニャ
はい。