プロローグ
GM
その木を切り拓いて作られた、中規模の拠点にあなたがたはいる。
GM
辺りを埋め尽くさんばかりに並ぶのは、箱に詰められた物資と、布でくるまれつつある三月兎。
GM
ドードーの末裔が紙の資料を見比べて、公爵家エージェントと話す。
GM
雇われのグリフォンの末裔たちがそれらの周辺で、飛び立つ支度を整えていた。
GM
しばらくして、そのうちの一人、リーダー格の公爵家エージェントが近付いてきて、あなたがたに声をかける。
GM
「救世主様方。こちら、いつでも出発できますので、準備ができましたらお声がけください」
GM
「改めまして、この度は依頼を受けていただき、本当に感謝しております」
GM
「なにせ、この状況で頼れるのはあなたがた以外にいませんから……」
クロイス
「……ああ」
頂いた資料を眺めながらひとつ返事。
GM
プロフ帳の救世主を公爵家のもとに送り届けたとき、あなたがたは公爵家にもうひとつ、依頼をされました。
GM
依頼内容は、そのプロフ帳の救世主が調査しきれなかった救世主の調査と、討伐。
GM
プロフ帳の救世主が送り込まれたのにはわけがありました。
GM
まず、その救世主は圧倒的にコインの所持枚数が多く、50枚コインを持っていたプロフ帳の救世主レベルでないと調査できなかったこと。
GM
それに加えて、その救世主は全く情報がなく、情報収集に長けている者を送り込む必要があったこと。
GM
結果的に、プロフ帳の救世主は何も情報を得られなかったんですが……。
エーニャ
「大丈夫、準備できています。私たちに任せてください!」
GM
「改めて、今回の依頼についてご説明させて頂きますね」
GM
「今回の依頼は、救世主『スティブナイト』の討伐、並びに討伐対象が生み出している空間『黒の森』の調査です」
GM
「とはいえ、スティブナイトについても、黒の森についても、あまり詳細なことはわかっていません。申し訳ございません」
GM
「プロフ帳の救世主にも頼んだのですが、ご覧の通りの結果でして……」
GM
「実は彼女はあれでも、スティブナイトと遭遇した者の中では最も被害が軽いのです」
GM
「スティブナイトを見た者のうち、まともに会話できる精神状態のものはほとんどいません」
GM
「黒の森に入った場合、末裔はまず帰って来ません。救世主は時折帰ってくるものがいますが、発狂していたり、そのまま自殺や失踪をしたり、ほぼ無反応の無気力状態、植物状態になったりしています」
GM
「いくつか目撃情報があることにはあるのですが、証言が食い違っていて、実態がわからないままです」
GM
「男なのか、女なのか。どこの世界から来ているのか、何を目的としているのか。その名前すらも、調査できていません」
GM
「我々公爵家は、ひとまず仮の名前として、その救世主をコードネーム『スティブナイト』と名付けた次第です」
GM
「帰ってきた救世主や、回収できたごく僅かな遺体には共通点があります。有毒な黒い結晶が体内、体外に生えていることです」
GM
「恐らく、それが救世主の能力でしょう。この黒結晶が森を枯らし、『黒の森』を作っている、と推測されています」
GM
「黒の森の規模自体は、そこまで大きくはありません。グリフォンの調査隊の調査によれば、半日もあれば端から端までたどり着ける距離のようです」
GM
「その黒の森で、幻覚を見るものがいるのだとか」
GM
「それが理由なのかわからないのですが、黒の森は危険だと言っているのに、末裔たちが何かに吸い寄せられるようにして森に入っていくといいます。そのせいで村がいくつか壊滅しています」
GM
「あなたがたに遠方からはるばるお越しいただいたのは、これ以上被害を増やさないため……」
GM
「危険な依頼をすることになり、本当に申し訳なく思っています」
GM
「公爵家も最大限サポートをいたしますが、近付くとどうなるかわかりません。こちらがリストになりますが、これくらいしかお力添えできないことをお許しください」
◆クエストNo.1 情報収集
概要 :森を探索し、スティブナイトの情報を集める。行方不明になった人々の情報などを公爵家が提供し、情報収集を支援する。
目標値 :7
消滅条件:成功するか、お茶会終了時に消滅
成功 :PKのデッキを即座に公開する。また、このクエストに成功したPCは、裁判開始から3Rの間、手札の最大所持枚数が1枚増える。
失敗 :特になし
放置 :公爵家はあなたがたが何かしら情報を得て帰還することを心待ちにしているが、なによりもあなたがたの命が大事だ。達成できなかったところで、気にする必要はない。あなたがたが無事でさえあるのなら。
◆クエストNo.2 物資支援
概要 :公爵家から物資が投下される。
目標値 :7
消滅条件:お茶会終了時に消滅
成功 :このクエストに成功したPCは、価値15までの宝物(凶器・衣装・小道具)、もしくは聖遺物を1つ入手する。この際、脅威度の条件は無視してもよい。
失敗 :特になし
放置 :余った資源は他の依頼に回される。それで助かる命があるかもしれない。ここで支援を断り、その結果あなたがたがこの依頼を達成できずに全滅すれば本末転倒であるが。
特記事項:このクエストはPC全体でラウンド1に1回、ラウンド2に2回行える。
◆クエストNo.3 戦術補助
概要 :公爵家の膨大な資料から、最適な戦い方を割り出す。
目標値 :7
消滅条件:お茶会終了時に消滅
成功 :PC全員は、お茶会中の好きなタイミングで、技能を一つ入れ替えることができる。技能変更をするタイミングが2R目である場合、「条件:脅威度6」までの技能を習得することが可能である(能力値の条件は満たすこと)。
失敗 :特になし
放置 :資料を運ぶトランスポーターのグリフォンの末裔が精神汚染される確率が下がるかもしれない。そんなことを気にしている余裕があなたがたにあるかはさておき。
特記事項:このクエストはPC全体で1ラウンドに1回のみ行える。
◆クエストNo.4 三月兎爆弾投下
概要 :公爵家が飼っている三月兎の末裔の集団を投下し、麦藁の冠により森を破壊する。三月兎はその後発狂し、死亡する。
目標値 :7
消滅条件:成功するか、お茶会終了時に消滅
成功 :PKのHPを1にする。
失敗 :PC・PKのHPを1d6点減少する。
放置 :三月兎の命が守られる。あなたがたは三月兎に感謝されるかもしれない。あるいは、何も考えていない三月兎もいるだろうが。
エーニャ
「あなたがたも、私たちに失敗されては困るのでしょうが」
クロイス
より多くの人の命を救うのであれば、『それ』も止むを得ないのだろう。公爵家の判断は間違ってはいない。
クロイス
私一人なら、もしかすると合図を出したかもしれない、が。
GM
特攻部隊は、あなたがたの合図で投下される、と書類に書かれている。
GM
合図をしないまま、この依頼を解決できればそれに越した話はない。
エーニャ
「すべて私たちに任せてください。情報については、できる限り持ち帰るようにします」
オオトリ
だが、大した情報が無い状態で相手のテリトリーといって良い場所に踏み込む状況……
オオトリ
”もしも”という可能性は……考慮しておく必要があるな。俺は
エーニャ
「戻らなかった人たちの安否も気になりますね」
GM
「はい、可能でしたら調査をお願いできたらと……」
GM
「恐らく、スティブナイトとの裁判は免れないと思います」
エーニャ
「そうですね……私たちがどうにかなってしまっては、救える人も救えませんから」
エーニャ
分かっているからといって、そうできるとは限らないのだが。
オオトリ
「分かっていると思うが、極力先行はしないように」
オオトリ
「こういうフィールドでは、逸れた獲物から狙われるのが定石だからな」
エーニャ
「はい、皆で一緒に。二人とも頼りにしています」
エーニャ
手元に目を落とす。先ほどみんなが書いていたプロフ帳(の写しを勝手に取ったもの)
エーニャ
どうしても隠したいところは黒塗り入ってます。
オオトリ
殿を行こう。ペースを崩せば、敵の思う壺だ