お茶会2

GM
*お茶会 2R目
GM
*行動順の決定
ビルケヴァーグ
1d99 (1D99) > 90
シャーデン
1d99 (1D99) > 86
ササナ
1d99 (1D99) > 47
GM
ビルケヴァーグ>シャーデン>ササナ
GM
GM
PCが状態「絶望」になったため、クエストNo.5が公開されます。
◆クエストNo.5 蜘蛛の糸
概要  :自分を犠牲にして隙を作り、この森からまだ絶望していない仲間を逃がす。
目標値 :9
消滅条件:成功するか、お茶会終了時に消滅
成功  :裁判中、自分の手番の補助動作より前のタイミングで使用できる。同じ陣営のPCを1人選び、裁判から離脱させることができる。
その時、自身のHPを1D6点減少させ、また、1Rの間自身は技能を使用できなくなる。
失敗  :特になし
放置  :当然、こんな行いはしない方がいい。あなた自身にも大きな隙ができるし、絶望した仲間を救うことはほぼ不可能になる。また、味方の協力なくして裁判に臨めば、あなたやあなたがたに待ち受けているのは死か、それよりも悲惨な末路だろう。まだ理性が残っているのなら、わかるはずだ。
特記事項:このクエストを組み合わせて「同じ陣営のPCの疵を抉る」判定を行う場合、その判定には抉られる対象となったPCも横槍を入れられる。

2ラウンド目:ビルケヴァーグ

ビルケヴァーグ
2d6 シーン表 (2D6) > 6[1,5] > 6
GM
1.道なき道。かつては整備されていたであろう場所は結晶に覆われ、まともに歩くことすら難しい。
GM
5.道に迷う。木々の向こうに人影が見える。あなたを見ているそれは幻? 本物? 一体誰?
GM
その後、しばらくの時間が経った。
GM
公爵家から投下された荷物を開けば、そこには簡易的な、探索するためのセットが入っている。
GM
寝袋だとか、多少の食糧だとか。
GM
だがそれをササナが取りにくることはなかった。
GM
あれからお前たちは、ササナの姿を見ていない。
ビルケヴァーグ
一人前の食糧と寝具をまとめて置いておく。ササナの分だ。
ビルケヴァーグ
支給品の食糧は携帯や保存に適した簡素なものではあるが、一日分を賄える十分な量だ。
ビルケヴァーグ
最も、今はあまり喉を通りそうにないが。
ビルケヴァーグ
「……シャーデン、休憩しよう。動き続けていると頭も鈍る」
ビルケヴァーグ
なるべく冷静に、いつも通りに声を掛ける。
シャーデン
「……ああ」
意気消沈した声。こんな状況で、感情を抑えることはできない。
シャーデン
「まだ」
「終わったわけじゃない」
ビルケヴァーグ
「そうだ。まだ終わってない」
ビルケヴァーグ
「止まるにはまだ早い、だろう?」
ビルケヴァーグ
そうだ。まだ終われない。
ビルケヴァーグ
まだ止まれない。この先がどうであろうと。
シャーデン
自分たちが救った、救済の証はもうここにいない。
シャーデン
であれば、また。
もう一度、救うしかない。あの時みたいに。
シャーデン
「ビルケヴァーグ」
「きっと大丈夫だ」
シャーデン
「俺は……」
「君となら、正しい選択ができるはずだと信じているからな」
ビルケヴァーグ
正しい選択を。
ビルケヴァーグ
黒い結晶と靄に覆われたこの森で、一体どの道が正しいのか。
見通すことができずとも、見極めて、選ばなくてはいけない。
ビルケヴァーグ
「……ああ。同じ言葉をお前に返そう」
ビルケヴァーグ
自分の過ちを裁ける《ただせる》のは、今、目の前にいる彼しかいない。
ビルケヴァーグ
「シャーデン」
ビルケヴァーグ
気づかぬ間に、口端に笑みが浮かんでいた。
ビルケヴァーグ
「お前を信じているよ」
ビルケヴァーグ
「……同じように、ササナも信じている」
ビルケヴァーグ
「……あいつの考えを、信じる。俺たちと行くことを選んでも、離れることを選んでも、たとえ殺し合うことになっても」
ビルケヴァーグ
「ササナが考えて、ササナの決めたことなら、それを受け入れよう」
ビルケヴァーグ
「一方的に押し付けるのではなく、導くのでもなく」
ビルケヴァーグ
それは自分にも、シャーデンにも言い聞かせるように。
シャーデン
「もちろん、ササナのことも信じている」
「ササナがどんな選択をしようとも、それがササナ自身の答えだ」
「俺たちは、それを聞く義務がある」
シャーデン
「俺たちはついついササナのことを子ども扱いしがちだが……」
「彼女は立派な救世主だ」
シャーデン
「まあ、俺の心情としては、極力裁判はしたくないな」
「ササナは強いからなあ…………!」
穏やかに笑う。
ビルケヴァーグ
「そうだな……ササナが本気で来るとなれば、文字通り骨が折れそうだ」
ビルケヴァーグ
ふと、視線を落とす。
ビルケヴァーグ
「こうなった以上、スティブナイトとの戦いにササナの協力を仰ぐことはできないと思っていいだろう」
ビルケヴァーグ
「どころか、彼女との裁判も視野に入れなければならない」
ビルケヴァーグ
「…………」
ビルケヴァーグ
「シャーデン」
ビルケヴァーグ
「……お前を信じると言った。だから、隠さずに言おう」
ビルケヴァーグ
「公爵家の用意した“手段”のひとつ。三月兎の部隊だ」
ビルケヴァーグ
「……あれを使うべきか否か。俺は、今合図を出してしまうべきではないかと考えている」
ビルケヴァーグ
「スティブナイトと対峙した際、少しでも勝機を掴めるように」
シャーデン
「…………」
ビルケヴァーグ
「……本当は、黙って合図を出すべきか、とまで思った。しかしそれでは……」
ビルケヴァーグ
「……俺を信じてくれる、お前に顔向けできないだろう」
ビルケヴァーグ
「だから、シャーデン。お前の意見を聞かせてくれ」
シャーデン
「俺は『やめて』ほしい」
「が」
シャーデン
「それは、君がやめる理由にならないことを知っている」
シャーデン
「君は本当に真面目だな」
「俺の見ていないところで、黙ってやらないなんて」
シャーデン
「…………俺と君とでは、やり方が違う」
「三月兎たちを犠牲にすることはできないし、ササナを殺すことも避けたい」
「スティブナイトだって、救ってやるべきだとすら思っている」
シャーデン
「だが……」
「望みだけで、この状況を打破できるわけじゃない」
「俺の選択では、もっと犠牲のでるやり方になるかもしれない」
シャーデン
「だから、そうだな」
「俺の意見ではなく、君のやり方を選ぶべきだ」
「……よりよい未来のために」
ビルケヴァーグ
「……それは、諦めではなく、か?」
ビルケヴァーグ
これだけは、訊いておかないといけない。
ビルケヴァーグ
「……ササナに、『また何も考えてないだけかもしれない』と、そう言われたとき。少し、思ったんだ」
ビルケヴァーグ
「俺は、俺自身が正しいと信じるように振る舞いすぎて、お前達に諦めさせてきたのではないか、と」
シャーデン
「……いや、『圧』かな」
「言っておくが、俺は君の提案に対して、望みを捨てて諦めるほど素直な男でもないぞ」
シャーデン
「その提案が、俺の望みを超えるものであると信じている」
「どうかな。なかなかのプレッシャーだろ?」
ビルケヴァーグ
「……、」
ビルケヴァーグ
「なるほど、確かに……なかなかのプレッシャーだな」
ビルケヴァーグ
少し先も見通せないような、薄暗い森の中なのに。
纏わりつく夜気は刺々しさすらあるのに。
ビルケヴァーグ
それでも、ゆるく唇は弧を描いた。
ビルケヴァーグ
「ならば、お前の信頼に応えてみせよう」
ビルケヴァーグ
「……払う犠牲に、当然だったとは言わない。俺の力不足を他人の命で賄う行為だ。どんな弁明をしようと、それは変わらない」
ビルケヴァーグ
「それでも……」
ビルケヴァーグ
「諦めはしない。ササナと話すことも、スティブナイトの所業を止めることも、お前達と共に森を出ることも」
ビルケヴァーグ
「俺にできる限りの全力を尽くそう」
ビルケヴァーグ
「だから……俺も信じているよ。シャーデン。
 お前が諦めないことを。俺が間違ったとき、お前が裁いてくれることを」
ビルケヴァーグ
*スティブナイトの心の疵「黒結晶」を才覚で抉ります。
汚染地域
*配下が横槍。
汚染地域
2d6+1+2=>7 判定(+脅威度) (2D6+1+2>=7) > 6[3,3]+1+2 > 9 > 成功
汚染地域
1d6 (1D6) > 4
ビルケヴァーグ
*同時にクエストNo.4に挑戦します。
ビルケヴァーグ
*ティーセット使用。
[ ビルケヴァーグ ] ティーセット : 1 → 0
ビルケヴァーグ
2d6+4+2-4=>7 判定(+才覚+ティーセット-横槍) (2D6+4+2-4>=7) > 6[3,3]+4+2-4 > 8 > 成功
GM
成功ですね。
GM
お前が合図をすれば、それは迅速に行われた。
GM
ばさ、ばさと翼がはためく音。
GM
上空を見れば、グリフォンの末裔が、鳥の群れのように。
GM
そしてそこから。
GM
三月兎が投下される。
GM
ばたばたと落ちてきて、静寂が広がる空間を、荒らしていく。
GM
それは目まぐるしく。
GM
木を倒し、結晶を破壊する。
GM
風の音ひとつしない森が、騒がしくなる。
GM
破壊音。発狂した兎の声。亡者化し、人喰い三月と成り果てるものの咆哮。それに食い荒らされる別の三月兎。
GM
犠牲は多かった。
GM
血の臭いが広がる。
GM
これだけのことをした価値はあっただろうか?
GM
お前たちが辺りを見回せば。
GM
そこかしこに転がる、三月兎だったものの死体。
GM
しかしそこに黒結晶は生えてこない。
GM
結晶が散らばって、粉々に砕けている。
スティブナイト
「賑やかそうで何よりだよ」
スティブナイト
溜息。
スティブナイト
「で? どうだった?」
スティブナイト
「ご感想は?」
ビルケヴァーグ
地面に倒れ、枯れ木に引っ掛かり、あばら屋へ埋まる死体達から目を逸らさないまま。
ビルケヴァーグ
「今、結論は出せないな」
ビルケヴァーグ
「お前を倒すまでは」
スティブナイト
「まだそんなこと言えるんだ?」
ビルケヴァーグ
「まだ終わっていないからな」
スティブナイト
「ふうん」
スティブナイト
「こんな世界、とっくに終わってるのにね」
スティブナイト
「こんな世界で」
スティブナイト
「何を信じてるんだ?」
スティブナイト
「あの女は帰ってきてない」
スティブナイト
「考えればわかるはずだろう。絶望的な状況だってことくらい」
ビルケヴァーグ
「絶望的な状況だからといって、諦める理由にはならない」
ビルケヴァーグ
「ササナはまだ死んでいないんだろう? ならばまだ話せる。話して、それでササナが別の道を行くというのならそれを受け入れるだけだ」
ビルケヴァーグ
「最も、貴様の疵の力の影響がないかは確かめさせてもらうだろうが」
スティブナイト
「…………」
スティブナイト
「末裔に煽てられて調子にでも乗ってるのかな」
スティブナイト
「まあ、その末裔をこうしたのはお前か」
スティブナイト
「じゃあ、何? 救世主同士の絆とか?」
スティブナイト
「……そんなの」
スティブナイト
あるわけないだろう。
スティブナイト
だから、それをわからせてやる。
GM
[ スティブナイト ] 黒結晶 : 0 → -1
GM
*クエスト4達成。
[ 汚染地域 ] HP : 30 → 0
GM
PKの配下「汚染地帯」が消滅。

PK割り込み:3回目

スティブナイト
ぱき、ぱきと音がする。その出所はスティブナイトの手のひらの上。
スティブナイト
三月兎の破壊の効果があったのか、それはすぐに森一帯を修復させる、というわけではない。
スティブナイト
それでは、何のために?
スティブナイト
決まっている。
スティブナイト
「わからないなら」
スティブナイト
「わかるまで」
スティブナイト
「続けようか」
スティブナイト
尖った結晶が大きさを増していく。
スティブナイト
棘のように育った黒結晶が、お前たち二人、と。
スティブナイト
もう一箇所。
スティブナイト
スティブナイトの背後――ササナの方に飛んでいく。
ササナ
「………」
ササナ
木の影でその様子を見ていたササナは、それを避ける素振りすら見せない。
シャーデン
「ササナっ、」
考えるよりも先に、体が動く。
シャーデン
肉壁となり、身体で受ける。
肌が切り裂かれる。
シャーデン
「ッ、」
黒結晶をそのまま受けるのは得策ではない。
だが、これしかなかった。
ササナ
そうして目の前であなたが切り裂かれる光景ですら、ササナは視線を送るだけで反応を示さない。
ビルケヴァーグ
「ッ……」
自身へ向かう黒結晶を往なす手が一瞬止まる。
「ササナ……」
スティブナイト
手が止まれば、その隙を見逃すはずもない。
スティブナイト
ビルケヴァーグの肌を切り裂いていく。
スティブナイト
凍傷のように、じわじわと。
スティブナイト
傷から痛みが広がる。
ビルケヴァーグ
「くッ、……」
刺さるほどではない、ただいくつもの裂傷が肌へ赤い線を増やしていく。
ひとつひとつは浅いように見えても、救世主の心の疵の力でできたそれは沁み込むように痛みを伝えてくる。
ビルケヴァーグ
痛みに歪む顔を堪え、シャーデンとササナの元へ走る。
シャーデンといえど、これをまともに食らい続けるのは得策ではない。彼らの分まで自分が攻撃を逸らす方が。
シャーデン
血飛沫が舞う。武器で払いつつも、身体で受ける方が多い。
シャーデン
(ササナ、は)
(ササナが無事なら、それで……)
シャーデン
このくらい、なんとでもない。
スティブナイト
氷が割れるような、冷たい音は止まない。
スティブナイト
今度はシャーデンの足元から生える。
スティブナイト
足を貫く。
シャーデン
「~~~ぎ、っ」
足元に血溜まりができる。
シャーデン
痛い。けれど、まだ耐えられる。
これを超える苦痛を知っている。
シャーデン
「これで、俺が、倒れると思ってもらっては、困る!」
出血が多い傷口だけ、仮止めのように塞いでいく。
この攻撃の量をいちいち対処しては、今度は再生の苦痛に耐えられない。
スティブナイト
「まだ口を動かす余裕がある? そっか」
スティブナイト
足を貫いた結晶の、その痛みが一番大きくなるのは。
スティブナイト
そこから無理矢理に身体を動かして、地面から足を剥がそうとするときだ。
スティブナイト
結晶はシャーデンの横を通り、ササナに向く。
ササナ
「………」
スティブナイト
*シャーデンの心の疵「魔女」を抉ります。
ビルケヴァーグ
*横槍しま~~~~す!!!
ビルケヴァーグ
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 愛
ビルケヴァーグ
ハァ……?
ビルケヴァーグ
2d6+0=>7 判定(+愛) (2D6+0>=7) > 7[1,6]+0 > 7 > 成功
ビルケヴァーグ
見たかオラッ
ビルケヴァーグ
1d6 (1D6) > 1
ビルケヴァーグ
ア~~~~~~?????????
ビルケヴァーグ
*ヤリイカ使用 合計効果値3
スティブナイト
*ティーセット使用。
[ ビルケヴァーグ ] HP : 17 → 16
[ スティブナイト ] ティーセット : 1 → 0
スティブナイト
2d6+5+2-3=>7 判定(+猟奇) (2D6+5+2-3>=7) > 12[6,6]+5+2-3 > 16 > 成功
ビルケヴァーグ
「――ッ」
走り寄った勢いのまま、一息にササナへ向かう結晶を薙ぎ払う。
ビルケヴァーグ
鈍く輝くガベルが結晶を叩き砕く。
ビルケヴァーグ
「シャーデン、飛んでくる分は俺が弾く、無理に動くな……!」
シャーデン
それを、理解していながらも。
シャーデン
どうしたって、身体は動く。
スティブナイト
血に黒が交じる。
シャーデン
皮膚が剥がれ、肉が裂け、神経がむき出しになって。
生きていることを後悔する苦痛が押し寄せてきても。
シャーデン
手の届く場所にあるものを、諦めることはできないから。
ササナ
それをぼうっと眺めながら、ササナは思う。
ーーーああ、痛そうだな…と。
シャーデン
「~~~~~~、」
食いしばっても悲鳴が漏れる。
シャーデン
こうやって、攻撃を耐えていれば、きっと、いつもみたいに。
俺が全部受け入れていれば、なんとかなるはずだから。
スティブナイト
――本当に?
スティブナイト
肌に刺さる黒結晶が意識を曖昧にしていく。
シャーデン
「…………、」
スティブナイト
ササナの胸元にあるのと同じ、黒結晶。精神を侵蝕していくもの。
スティブナイト
それはお前の傷から、疵へ。染みていく。
スティブナイト
いつまで続く?
シャーデン
(……惑わされるな、これは、相手の、罠だ)
(俺の、一番苦手な、)
シャーデン
(だめだ、俺が、全部、耐えないと、)
(痛みが、)
シャーデン
(俺の大事な人に、)
(飛んでいく…………)
シャーデン
足元がふらつく。
シャーデン
視界が下へ落ちていく。
シャーデン
そのまま倒れて、無数の結晶に刺さる。
シャーデン
(い、たい)
(いたい…………)
シャーデン
意識が朦朧とする。
シャーデン
『◆◆◆◆は、泣かなくてえらいわね』
幻聴。
シャーデン
『今は痛いけど、きっと治るから』
(だめだ…………)
シャーデン
『痛みを飛ばす、おまじない』
(だめだ…………!)
シャーデン
『いたいのいたいの、とんでいけ。』
(…………)
シャーデン
その瞬間、『苦痛』が周囲に拡散する。
スティブナイト
ほど近くで、倒れる音。
スティブナイト
お前の飛ばした苦痛は確かに敵を傷付けている。
スティブナイト
――お前が傷付けたのは、敵だけではないが。
ササナ
「…あ」
気づけば全身から痛みを感じ、体からは血が溢れていた。
ササナ
ーーーああ…シャーデンさんが痛みを引き受けていてくれたから、傷に気づかなかったんだ。
ササナ
突然襲ってきた激しい痛みは体に刻まれた傷以上のもので、それが脳に負荷を与えてササナの体はふらつき膝をつく。
ビルケヴァーグ
「ッ、い、ぎッ――」
身に刻まれた傷だけではない、それ以上の苦痛が押し寄せる。
尋常の人間ならば堪えられない苦痛に、喉奥から勝手に呻き声が漏れた。
ササナ
痛い。全身が軋むように痛む。
ビルケヴァーグ
呼吸ができない。
スティブナイト
「……っ、はは」
スティブナイト
「俺より、痛めつけるのが上手いんじゃないか」
シャーデン
「…………」
見てしまう。それを。
シャーデン
「…………、…………」
痛みは、軽くなっている。
出血がひどく、意識は朦朧としているが、シャーデンが抱えていた苦しみは軽くなっている。
シャーデン
最悪だ。
スティブナイト
「ここは地獄だ」
スティブナイト
「それを作ったのは、」
スティブナイト
「お前だね」
シャーデン
ちがう、とは言えない。
言わない。
元の世界では、だれも言ってくれなかった。
シャーデン
お前が地獄そのものだと。
そう言われ続けてきた。
スティブナイト
「お人よしで、誰でも救おうとするのは」
スティブナイト
「罪滅ぼしのため?」
シャーデン
ちがう…………。
シャーデン
俺の罪なんて、どうだっていいから、みんなに救われてほしいんだ。
スティブナイト
「そうじゃないなら」
スティブナイト
「結局、お前が生きてることそのものが」
スティブナイト
「救済と真逆のものだ」
ビルケヴァーグ
違う、と、言わなければ。
喘鳴に阻まれて、うまく言葉が出ない。
スティブナイト
「まさか似た者同士だなんてな」
スティブナイト
「案外、ここでお前が俺と入れ替わっても、誰も気付かなったりして」
ビルケヴァーグ
膝が笑っているのを手で押さえて、動く度に苛む痛みを堪えて顔を上げる。
ビルケヴァーグ
「っ、んなわけ、ない、だろ」
スティブナイト
「どうかなあ」
スティブナイト
「ろくに舌も回ってないじゃないか」
ビルケヴァーグ
反論しようとして、ごほ、と、血の絡む咳が出た。
ササナ
傷に、痛みに朦朧としながら…ササナが口を開く。
ササナ
「別に…」
ササナ
「そんなに必死になって庇わなくてもいいのに…」
ササナ
それは、ただ思ったことを口にしただけ。
ササナ
この状況を責めているわけでも、あなたの傷を心配しているわけでもない。
シャーデン
俺が、生きているから。
シャーデン
俺が余計なことをするから。
シャーデン
俺が魔女になったから。
シャーデン
――魔女(ばけもの)が皆を救えるとでも?
シャーデン
その真実に、『押し付けられない』苦痛をなんども受けて。
それを否定するために、皆を救ってきて。
シャーデン
その結果がこれか…………?
シャーデン
嫌だ、嫌だ、そんなの…………。
ビルケヴァーグ
「シャーデン、」
ビルケヴァーグ
痛みで頭が上手く回らない。
肺を膨らませるのも痛いから、ろくに酸素も吸えない。
ビルケヴァーグ
「聞くな、シャーデン」
ビルケヴァーグ
いつもなら、もっと言葉を尽くせたはずなのに。
今はもう懇願するようにそう言うことしかできなかった。
ビルケヴァーグ
スティブナイトの言葉を。
ササナの無関心を。
自分の呻き声を。
ぜんぶ。
ビルケヴァーグ
「聞かないでくれ……」
GM
[ ビルケヴァーグ ] ヤリイカ : 1 → 0
[ シャーデン ] 魔女 : 0 → -1
[ シャーデン ] 絶望侵蝕 : 0 → -1

2ラウンド目:シャーデン

GM
*状態「絶望侵蝕」中なので、抉る対象の疵と能力値を指定します。
GM
*ビルケヴァーグの心の疵「人間」を抉ってください。
GM
*能力値は愛で。
シャーデン
全て聞こえている。
飛ばしてしまった苦痛の代わりになりうるものを、すべて。
シャーデン
絶望が、表面ににじみ出る。
シャーデン
表面にでたこれを、無理矢理肉体を再生させて隠すことはできる。
だが、今はそれもできない。どうすればいいか、わからない。
シャーデン
ただ、せめて、『彼』だけは。
シャーデン
ここから出れば、罪を背負ってでも、やり直せるかもしれない。
シャーデン
殺しすぎて、罪に塗れた俺(ばけもの)とは違って。
救い続けて、罪を捌ける君(にんげん)なら。
シャーデン
やり直せる。
GM
一人でこの敵と戦ったらどうなるか。コインが50枚になるまでこの国で生きてきたお前たちに、わからないはずはない。
シャーデン
一人が犠牲になるだけで済むなら、上々だろう。
GM
お前ひとりで、ササナを救うことはできるだろうか?
GM
まだ理性が残っているのなら。
GM
結論はすぐに出るだろう。
シャーデン
できるかどうかではなく。すると決めて、それをする。
シャーデン
悪魔に騙されて人間をやめた魔女に、まともな理性はない。
GM
果たされない。報われない。気持ちだけでどうにかなるはずがない。
GM
この世界に希望はない。
シャーデン
……正気の『人間』であるならばしない選択でも、手に取る。
シャーデン
希望がなくたっていい。
報われなくたって、果たされなくたって。
シャーデン
この溢れる愛で、この地を満たすまでは。
シャーデン
生き続けてしまうのだ。
シャーデン
「ビルケヴァーグ」
ビルケヴァーグ
「……、なんだ……」
シャーデン
「もういい」
黒結晶を『強制的に』剥がして『急速』に治す。
シャーデン
「君だけでも、諦めて」
「外に出ろ」
ビルケヴァーグ
「は……?」
シャーデン
『全身』が治っていく。
シャーデン
一呼吸置いて。
シャーデン
「Schmerzen」
呪いの言葉。
ビルケヴァーグ
「おい、シャーデン、」
シャーデン
苦痛を押し付ける。
ビルケヴァーグ
「何、をッ、」
何をしているんだ、と、その問いを言い終わる前に。
シャーデン
先ほどのものとは比較にすらならない痛み。
ビルケヴァーグ
「――――ッ」
喉から出かかった言葉ごと、喉が潰されるような痛み。
ビルケヴァーグ
先程までの痛みに次第に慣れてきていた身体が、再び苦痛に押し潰されて地に落ちる。
ビルケヴァーグ
「ぎィッ、あ、しゃ、ッで、ア゛ッ、――ッ!!」
ビルケヴァーグ
のたうち回る。動けば痛いのに、動かずにはいられないほどの痛みが身体中を駆け巡る。
ビルケヴァーグ
「お゛、ごぇッ、――や゛めッ、ウアッ、アアッ、アアア゛ア゛…………ッ!!!」
ビルケヴァーグ
所詮、苦痛の前で呑気に胡坐をかいて思考できるはずもなく。
声に出せるのは獣のような悲鳴だけ。
ビルケヴァーグ
少し前に食べた携帯食糧と、胃液と、血と。
全部混ざった汚らしい吐瀉物が口から溢れ出る。
ビルケヴァーグ
自分の出したその汚れを避ける余裕もなく、身体は勝手に跳ね回る。
時折大きくビクンと跳ねる、それは、滑稽なからくり人形のようでもあった。
シャーデン
「そんな状態では、もう戦えないだろう」
「だから、」
「逃げて、外へ出て、生きろ」
シャーデン
*ビルケヴァーグの心の疵『人間』を愛で抉ります。
シャーデン
*同時にクエスト5に挑戦します
ビルケヴァーグ
*もちろん横槍します
ビルケヴァーグ
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 愛
ビルケヴァーグ
なんでえ?
ビルケヴァーグ
2d6+0=>7 判定(+愛) (2D6+0>=7) > 7[5,2]+0 > 7 > 成功
ビルケヴァーグ
エッ!!!
ビルケヴァーグ
1d6 (1D6) > 1
ビルケヴァーグ
??????????
GM
横槍で1しか出ねえ男
ビルケヴァーグ
なんで? 童貞じゃないのになんで?
ササナ
*ヤリイカをビルケヴァーグさんに渡します
[ ササナ ] ヤリイカ : 1 → 0
ビルケヴァーグ
*ササナちゃんからのヤリイカを使わせてもらって横槍効果値3
GM
*シャーデンはティーセットを使用してください。
[ シャーデン ] ティーセット : 1 → 0
シャーデン
2d6+4+2-3=>7 判定(+愛) (2D6+4+2-3>=7) > 9[6,3]+4+2-3 > 12 > 成功
GM
*判定もクエストも成功ですね。
ビルケヴァーグ
涙が滲んでシャーデンの姿がぼやける。
耳はよく聴こえていないのか、それとも聴き取れるほどの余裕がないのか分からないが、いやに遠くから声がする。
ビルケヴァーグ
「な゛んッ、で――、イ゛ッ、ぅ、なにをッ、する、……つもり、ッなん、だ……」
ビルケヴァーグ
痛い。痛い。痛い。さっき、シャーデンは何を言っていたのだったか。
ビルケヴァーグ
今、顎から垂れたのは、吐瀉物と汗と涎と、どれだろう。分からない。
シャーデン
「痛いだろう、苦しいだろう」
「今すぐここから逃げ出したいだろう」
甘い声。魔女の声。
シャーデン
「理由をつけてやってるんだ」
「君が出ていく理由を」
ビルケヴァーグの真正面に立って見下ろす。
ビルケヴァーグ
「なッ、あ、――ッひぎ、ィイ゛ッ、アア゛……ッ!!」
考えて、答える前に、また痛みが襲ってくる。
シャーデンの靴に、血か胃液か、何やらわからない液体がぴしゃりと飛び散った。
ビルケヴァーグ
彼は、こんな痛みにいつも堪えていたのか?
シャーデン
「ああ、あまり暴れ回らないほうがいいぞ」
「治したところからまた苦痛が襲ってくる」
シャーデン
「立ち上がれないなら手を貸してやろう」
「君を外まで案内しよう」
ビルケヴァーグ
朧げに聴こえる声に従おうと、なんとか跳ね回る身体を押さえようとする。
シャーデン
「今までよく頑張った」
「だから、もういい」
シャーデン
「俺(ばけもの)を置いて、帰りなさい」
跳ね回る体をやさしく撫でる。
ビルケヴァーグ
「は、ぁ……、」
ぜいぜいと喘ぐ隙間に、甘い声と優しい手が沁みる。
ビルケヴァーグ
“痛いだろう”。いたい。
“苦しいだろう”。くるしい。
シャーデン
魔女が人間を宥める様子は、人間が動物を宥める様子に、よく似ている。
ビルケヴァーグ
“今すぐここから逃げ出したいだろう”。
ビルケヴァーグ
……にげだし、たい。
ビルケヴァーグ
ちがう。にげだしちゃだめだ。けれど、いたいんだ。どうしてにげだしてはいけないのだったか、それもよくわからなくなるくらい、に。
ビルケヴァーグ
頬をぐちゃぐちゃにして、目尻からは涙が零れて、唇は震えて、そんな顔で呆然とシャーデンを見上げる。
ビルケヴァーグ
背を撫でる手に安心してしまう。
ビルケヴァーグ
愚かな動物が、人間の気まぐれの慈悲に頭を垂れて懐いてしまうように。
ビルケヴァーグ
それでも、身に染み付いた言葉が先に口から衝いて出た。
ビルケヴァーグ
「――で、き、ない……」
シャーデン
「……どうして…………」
ビルケヴァーグ
もう表情を取り繕うことはできない。駄々をこねる幼子のように顔を歪めて、泣いている。それでも。
ビルケヴァーグ
「……まちがってる、こんなの、は……」
GM
当然、ここで一人置いて逃げるなんて、しないほうがいい。
GM
まだ理性が残っているのならわかるはずだ。
GM
その理性が、痛みによって壊されていないのなら。
GM
お前には即答できるはずだ。
GM
お前には、それだけの、才覚がある。
ビルケヴァーグ
今まで取り繕ってきた、整った仮面はもう剥がれ落ちている。
考えている暇もないけれど、ただ自分の身に染み付いたもうひとつの疵が叫ぶままに。
ビルケヴァーグ
「……まだ、おわってない、から…………」
ビルケヴァーグ
まだ終わっていない。
こんなになっても、まだ終われない。
だから。
ビルケヴァーグ
シャーデンの手を取り、祈るように……いや、駄々をこねるように。
ビルケヴァーグ
「――、おいていかないでくれ…………」
ビルケヴァーグ
ひどく幼い、人間の我儘ひとつ落として。
ビルケヴァーグ
力を失った身体が横へ倒れる。
傍観(ササナ:舞台裏)
スティブナイト
「いやあ」
ササナ
先ほどまで受けていた傷が、痛みが消えていく。
スティブナイト
「いい策だと思ってたんだけど」
スティブナイト
「俺の痛みまで治す必要なかっただろうに」
ササナ
「そうですね」
スティブナイト
「何するつもりだと思う?」
スティブナイト
「一緒に考えてみる?」
スティブナイト
いや、もういいか、なんて言って笑う。
ササナ
マントを翻し、胸元の黒結晶を覗く。
結晶が失われていないか、確かめるために。
ササナ
「…え?」
その動きを止め、スティブナイトの方を見る。
ササナ
「………どう、かな。考えてもわからないだろうし、意味ないと思うけど…」
ササナ
そう言って二人の方に向き直る。
スティブナイト
「あの男のやってること、俺とそんな変わらなくない?」
ササナ
「…そうかな?………そうかも?」
よくわからないというように首を傾げながら、苦痛による悲鳴を聞いている。
スティブナイト
「ああやって力が暴発したこと、前にもあったんじゃないの?」
ササナ
「…あった。でもあんなに痛くはなかったよ」
スティブナイト
「そっか」
スティブナイト
「まあ、でも」
スティブナイト
「痛いのは怖いよね」
ササナ
「うん」
ササナ
「…だからかな」
ササナ
「それに今まで耐えてたシャーデンさんって」
ササナ
「なんか怖いね」
スティブナイト
わらう。
スティブナイト
「この世界には」
スティブナイト
「怖いやつしかいないんだよ」
スティブナイト
「狂ったやつ、って言いかえてもいいかも」
ササナ
「そうだね」
すぐに返事をする。
スティブナイト
「結局……」
スティブナイト
「信じられるのは自分だけってこと」
スティブナイト
「いや、自分すらも信じられるか、わかんないかも」
ササナ
「自分を信じられていたなら、こんなことにはなってないもんね」
スティブナイト
「はは、」
乾いた笑い。
スティブナイト
「そうだな」
スティブナイト
「俺はそうだよ」
スティブナイト
「世界も、人も、俺も、何一つ」
スティブナイト
なにひとつ。
スティブナイト
信頼できるものがない。
ササナ
「そっか」
ササナ
じゃあ、私は?
ササナ
私はどうなのだろうと、目の前にいる信じていた者たちを見ながら考える。
ササナ
考えようとして、やめた。
ササナ
「まあ、私も同じかな…」
ササナ
スティブナイトはおんなじだと言っていた。
ササナ
じゃあ、そうなんだろう。
シャーデン
「……………………」
シャーデン
倒れた身体を持ち上げ、傷を癒やす。
苦痛は、全て自分へ。
シャーデン
一度押し込めたその激痛は、更に痛みを増して、自分へのしかかる。
シャーデン
こんなものでは、罰とはいえない。
シャーデン
この程度で償えることではない。
シャーデン
「………………………………………………………………」
全てを耐える、長い、長い、沈黙があり。
シャーデン
「……この男を入り口まで運んでくる」
これを見ていた二人に声をかける。
スティブナイト
「手伝ってあげようか?」
シャーデン
「手助けはいらない」
シャーデン
「これは俺だけがやるべきことだ」
スティブナイト
「へえ」
スティブナイト
「じゃ、せいぜい頑張って」
ササナ
「そうですか」
ササナはただそれだけを返す。
シャーデン
「…………」
なにか言いたげな間があって。
シャーデン
自分よりも体格のいい身体を引きずるようにして、その場を去る。
GM
[ ビルケヴァーグ ] HP : 16 → 15
[ ビルケヴァーグ ] 人間 : 0 → -1
[ ビルケヴァーグ ] 絶望浸蝕 : 0 → -1
GM
*クエスト5達成。
GM
シャーデンは裁判中、同じ陣営のPCを1人選び、裁判から離脱させることができます。
GM
この行動は自分の手番の補助動作より前のタイミングで使用でき、その時、自身のHPを1D6点減少させ、1Rの間自身は技能を使用できなくなります。
GM
これが解除されるのは、次Rの自分の手番の補助動作の前のタイミングです。
GM

2ラウンド目:ササナ

ササナ
2d6 シーン表 (2D6) > 4[1,3] > 4
GM
1.道なき道。かつては整備されていたであろう場所は結晶に覆われ、まともに歩くことすら難しい。
GM
3.森だというのに、風の音もなければ、風で葉が擦れる音すらしない。ここはひどく静かで、不自然で、不気味だ。
GM
三月兎ももう誰も、動くものはいない。
GM
ここにいるのは4人だけ。
ササナ
スティブナイトと二人、その森を歩いている。
ササナ
大した会話もなく、ただその背中を追っていただけだが…。
ササナ
ふと、ササナは後ろを振り返る。
景色は大して変わらない、だが"そちら"は"あの二人"がいる方向だ。
ササナ
「………スティブナイトさん」
ぽつり、とその名を呼ぶ。
スティブナイト
振り返る。
スティブナイト
「ああ」
スティブナイト
マントを指差す。
スティブナイト
「それ、大丈夫?」
ササナ
「…はい」
少しだけ、マントの裾をつまんで広げる。
ササナ
「だから…、行ってきますね」
スティブナイト
「うん」
ササナ
「では、"また"」
スティブナイト
「ん」
スティブナイト
それだけ。また歩きだす。
スティブナイト
振り返ることもしない。
GM
スティブナイト
*ササナに子山羊皮の手袋を譲渡。
[ スティブナイト ] 子山羊皮の手袋[ : 1 → 0
[ ササナ ] 子山羊皮の手袋 : 0 → 1
ササナ
暗い、暗い森を歩く。目的地は特にない。
ササナ
ただ、先ほどまであの二人が向かった方向へと…歩く。
ササナ
方向があっているかもわからないが、それも大して関係ない。
ササナ
ひどく静かなこの森の中、黒結晶を踏みしめる音が響く。
シャーデン
森の中、男がひとり、佇んでいる。
シャーデン
もう一人の男は近くに見当たらない。
ササナ
その男の姿を見つけて、声をかけることなくただ近づいていく。
ササナ
潜むことなく、堂々と。
ササナ
ある一定の距離まで近づいて、ササナは歩みを止める。
ササナ
「………」
ただ無言で、ササナは何かをあなたの方へと放り投げる。
ササナ
それは、いつもササナが提げていたバッグだった。
ササナ
「これ、渡して…返して?おきますね」
ササナ
このバッグは、三人で旅していた頃にあなたたちがササナへと送ったもの。
シャーデン
「…………」
シャーデン
「…………いいんだな?」
落ちたバックを見て、一言。
ササナ
「………さあ?」
ササナ
「でも」
ササナ
「今の私には、必要ないものなので」
ササナ
バッグが地面に落ち、その衝撃で中身がこぼれて広がる。
ササナ
あなたがよく見るものもあれば、見たことがない小道具もあるだろう。
ササナ
全て、ササナが二人のために調達…仕込んできたものだ。
ササナ
これは役に立つかな、喜んでくれるかな…と悩みに悩みながら選んだ品々。
ササナ
それが。今。無造作に。
ササナ
地面に散らばり、黒結晶に侵食されていく。
ササナ
*クエスト3の「戦術補助効果」を使用
技能入れ替えにより「仕込」を「凡庸」に変更
GM
*受理しました。
シャーデン
「…………」
口を開きかけ、閉じる。
何かを言う資格はない。
シャーデン
黒結晶に侵食されていくそれを見ているだけ。
シャーデン
「どうしてここに?」
「スティブナイトは?」
ササナ
「これが私の役目だろうと思ったからで、スティブナイトさんは多分あちらの方角だと思いますよ」
そう言って、ササナは元来た方角を指差す。
シャーデン
「…………役目、とは」
ササナ
「意味、と言った方がいいのかもしれません。その辺りは、正確に表現できませんけど…」
ササナ
「スティブナイトさんに、生かされていた意味が…これだろうなって」
シャーデン
「…………人質というわけか?」
「俺も、ビルケヴァーグも、君がいれば、スティブナイトには手出しはできないと?」
シャーデン
「悪いが、その理由で引き返すことは、もう、ない」
シャーデン
「この状態で、君を置いてはいけない」
「君は『救世主』だ」
「スティブナイトと同じ」
シャーデン
「ふたつに、ひとつだ」
「和解するか、裁判をするか」
「俺が、どちらかを成し遂げるしかない」
ササナ
「あ、よかった」
わずかに口元を緩ませる
ササナ
「裁判、してくれるんですね」
シャーデン
「俺は『したくはない』」
シャーデン
「…………しなければならない時が、くるとしても」
ササナ
「…どうしてそこまで、争いを嫌うんですか?」
シャーデン
「争いは苦しみや痛みを生むからだ」
「ない方がいい」
ササナ
「そうかもしれませんね。…別に争いや暴力じゃなくても痛いし苦しいですけどね」
ササナ
「シャーデンさんは、どうして誰かを救おうとするんですか?」
シャーデン
「救うことができる人がいるのなら、救いたい」
「……これは、理屈で説明できるようなことじゃないな」
シャーデン
「なにかを得たいから、とかではなく」
「眼の前の人が苦しんでいるなら、救うのが『俺』だ」
ササナ
「だから"あの時の"私も救ってくれたんですね」
ササナ
「…どうして、私を旅に連れていってくれたんですか?」
ササナ
奴隷から解放され、二人にただついていった"あの時の"ササナは…とても見ていられる状態ではなかっただろう。
ササナ
目は虚ろ、外傷も心の疵と結びついてしまったのか治癒はできず、言葉もろくに発することがなかった。
シャーデン
「それが君の救いになれば、と思った」
シャーデン
「俺たちの旅についていくことで、君が『自分』を持てて、生きやすいように生きられたら、と思った」
シャーデン
「それが間違いだったとは思わない」
シャーデン
「君を助けて、本当に良かったと思っている」
ササナ
「そう、ですね…」
ササナ
「実際、救いにはなっていたんでしょうし…」
ササナ
「感謝も、していましたよ」
ササナ
「でも」
ササナを包んでいるマントがゆっくりと落ち、肌がさらけ出される。
ササナ
「じゃあ、今は?」
シャーデン
「今のこの状況は……」
「救いでは、なかったと、そう言いたいのか?」
シャーデン
冷や汗が流れる。冷静ではいられなくなる。
シャーデン
やめてくれ。
もう否定しないで。
ササナ
「聞いているのは、私ですよ…シャーデンさん」
ササナ
胸に埋め込まれた黒結晶を、指でなぞり…体の傷を見せつける。
ササナ
「今の私、救われているように見えますか?」
シャーデン
「――――、」
シャーデン
俺の眼には、とても。
シャーデン
そうは、見えない。
シャーデン
身体に結晶を生やされて、笑う彼女のことを。
幸せそう、とは思えない。
ササナ
そう、笑顔だ。
ササナ
目の前にいるササナは、今まであなたたちに見せたことのない笑みを見せている。
ササナ
「あ、でも」
ササナ
「死んだ私を、蘇らせてくれるんでしたっけ?」
ササナ
胸の穴を、この黒結晶が埋めた時。
ササナ
「私の手を、離さないでいてくれるんでしたっけ?」
ササナ
あなたが言ってくれた言葉。
ササナ
ゆっくりと、ササナはあなたの側に近寄っていく。
マントを脱ぎ、胸の結晶を見せつけるようにして。
ササナ
お互いが手を伸ばせば届く距離で、ササナはそのマントを二人の上に被せる。
ササナ
黒く、暗い森の中で…二人はさらに暗闇に包まれる。
シャーデン
後退ることもなく、なすがままにされる。
シャーデン
振り払うこともなければ、手を伸ばすこともない。
ササナ
「ほら、シャーデンさん」
あなたが手を伸ばしてくれないのなら、ササナがあなたに向かって手を伸ばす。
シャーデン
手を受け入れる。
シャーデン
「俺は、」
シャーデン
「今も、思うことは変わらないよ」
シャーデン
「でも、この手は、そのための手じゃ、ないだろう」
シャーデン
「この手をつかんで、離さずに、共に堕ちることは」
「救いじゃない」
ササナ
「………」
ササナ
あなたの手を握る傷だらけの手に力がこもる。
ササナ
「なんで?」
ササナ
暗闇の中、ササナの両の目が…あなたを見つめる。
ササナ
「私、今、痛いんです。苦しいんです。助けてほしいんですよ?」
ササナ
「救いを求めている人が、今目の前にいるんですよ?」
ササナ
「なのに」
ササナ
「それを救わないんだったら」
ササナ
「あなたに、何の意味があるんですか?」
ササナ
*シャーデンさんの心の疵「魔女」を猟奇で抉ります
ササナ
*同時にクエスト2に挑戦します
ビルケヴァーグ
*横槍します
ビルケヴァーグ
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 猟奇
ビルケヴァーグ
2d6+3=>7 判定(+猟奇) (2D6+3>=7) > 2[1,1]+3 > 5 > 失敗
ササナ
*子山羊皮の手袋を使用します
ササナ
2d6+4+2=>7 判定(+猟奇) (2D6+4+2>=7) > 7[5,2]+4+2 > 13 > 成功
シャーデン
この手で。
シャーデン
救ってきたものよりも、殺してきた数のほうが多い。
シャーデン
それでも、救って、救って、救い続けて。
シャーデン
元の世界では、ついに報われることはなかった。
シャーデン
でも、堕落の国では、仲間と出会って、末裔たちに慕われて、苦難を乗り越え、感謝されて…………
救いを、続けて…………
シャーデン
それに、なんの意味があった?
シャーデン
眼の前の女の子ひとり救えない自分に、なんの価値がある?
ササナ
「なんであなたが、そんな顔してるんですか?」
ササナ
「痛いのは、こっちのほうなんですよ」
シャーデン
「…………、」
精神的な苦痛は、『耐えられない』。押し付けることができない。
シャーデン
「……俺も、痛いよ」
言ってはならないことを口に出す。
シャーデン
「俺にも、心がある」
ばけものに?
シャーデン
「そんなことを言われて、傷つかないわけじゃない」
身体一つ傷ついてないのに!
シャーデン
「俺だって…………」
棒立ちのそれは、知能を持たない、ただの案山子のようだった。
ササナ
「そうですよね」
ササナの声音が変わる。
ササナ
「シャーデンさんも、痛いし…苦しかったんですよね」
ササナ
胸の穴を埋めている黒結晶を、強引に砕いて握りしめる。
ササナ
「シャーデンさんも、埋めてもらいましょう?」
ササナ
「辛くないように」
ササナ
「苦しくないように」
ササナ
手に持った黒結晶を振りかぶって、あなたに突き刺す。
シャーデン
「――、」
ぼうっと、突き刺された黒結晶を見ながら。
シャーデン
脳裏に浮かぶのは、置いてきた、男のことだった。
ササナ
二人を包んでいたマントが、ずるりと地面に落ちる。
ササナ
それでもまだ、そこは暗闇のままだった。
境界にて(ビルケヴァーグ:舞台裏)
GM
黒と緑の境目。
GM
緑が生い茂る森からは葉擦れの音が聞こえるのにもかかわらず、黒い木々は時が止まったかのように動かない。
ビルケヴァーグ
僅かに吹く風と葉の揺れる音に混濁していた意識が浮上する。
ビルケヴァーグ
「……ッ!」
慌てて起き上がる身体には、まるで気を失う前の痛みが幻だったかのように、不快さも苦痛も一片もない。
スティブナイト
「起きたか」
スティブナイト
「いやあ、よく寝たな」
スティブナイト
頬杖をついて隣に座っている。
ビルケヴァーグ
その声を聞いて咄嗟に飛び退くにも苦労しないほどに回復している。
それは、シャーデンが全ての傷を治し、その苦痛を引き受けたからだ。
ビルケヴァーグ
あの、人には堪え難い苦痛を、全て。
スティブナイト
「元気そうだな」
スティブナイト
動かない。座って、自分と比べたらずっと大きな男を見上げている。
ビルケヴァーグ
皮肉な言葉に顔をしかめることを、今は我慢できなかった。
ビルケヴァーグ
意識を失う前のシャーデンの言葉を思い出す。
あの時は朦朧として、耳を素通りしていくようだと思ったのに、苦痛が去って余裕を僅かに取り戻した今ははっきりと思い出せてしまう。
スティブナイト
「お帰りはあちらですよ」
スティブナイト
わらう。
ビルケヴァーグ
黒と緑の境界線。葉擦れの音に背を向ける。
ビルケヴァーグ
「ここで帰ったのでは、来た意味がない」
スティブナイト
「逆に」
スティブナイト
「意味のあることなんか、この世界にないだろ」
ビルケヴァーグ
「物事には結果のみがあるのではない。どんな結末にも、それに至る過程がある」
ビルケヴァーグ
「お前はそうやって全ての意味を否定して世界が滅ぶのを待つつもりか?」
ビルケヴァーグ
「そうして、世界が滅んだから何も意味がなかった、などと宣うのか」
スティブナイト
溜息。
スティブナイト
「なんて答えてほしいの、それ」
スティブナイト
「そうですね、生きててよかったですね、とか」
スティブナイト
「言うようには見えないだろ」
ビルケヴァーグ
「さあ? まだ多く語り合ったわけではないから。どう答えるかの予想はつけられないな」
ビルケヴァーグ
「答えたければ、貴様が答えたいように答えればいい。今は時間がないから後で聞くことになるだろうがな」
ビルケヴァーグ
眼前に広がる黒い森を睨む。
死に絶えた静けさは耳を澄ませば彼らの話す声が聞こえそうなのに、どうしてか距離も方向も見当がつけられない。
スティブナイト
「忘れ物?」
スティブナイト
「それとも迷子か」
ビルケヴァーグ
「……どちらが迷子なのやら。否、全員か」
スティブナイト
「辿り着くべき目的地なんてない」
スティブナイト
「どこを見ても地獄しかない」
ビルケヴァーグ
「だとしたら、共に居ることに意味がある」
スティブナイト
「ああ、そうかい」
ビルケヴァーグ
三月兎の犠牲により、森は随分と見通しが良くなった。それによってスティブナイトの疵の力も弱まっているだろう。
ビルケヴァーグ
ならば、虱潰しに歩いても見つかるかもしれない。
スティブナイト
「今更、」
スティブナイト
「今更だよ」
スティブナイト
「…………」
スティブナイト
「どこで間違えたんだろうな」
スティブナイト
「どこに行けば」
スティブナイト
「地獄じゃない場所に辿り着けたんだ」
スティブナイト
その背に、呟く。
ビルケヴァーグ
「地獄が気に食わないなら、」
ビルケヴァーグ
「そこからまた歩みを進めればいい」
ビルケヴァーグ
「疲れているなら、その足を休める間くらいは話し相手になろう」
ビルケヴァーグ
もうそれ以上は話していられない。黒い森へ踏み出す。
スティブナイト
その背中を追うことはない。
ビルケヴァーグ
駆け出す。足音、話し声、少しでも音が聞こえればそちらへ耳を澄ます。
スティブナイト
小さくなるその姿を見送って。
ビルケヴァーグ
仮令間に合わないとしても、止まる理由はない。
ビルケヴァーグ
止まれば、より一層間に合わなくなるから。
スティブナイト
「お前が踏み出したその先は、地獄だよ」
スティブナイト
そう呟く。
ビルケヴァーグ
全てが無駄だとしても。この先が地獄だとしても。
ビルケヴァーグ
それは歩みを止める理由にならないんだ。
ビルケヴァーグ
三月兎の死体を飛び越える。崩れた小屋の中に耳を澄ます。
ビルケヴァーグ
どこに、どこに。
ビルケヴァーグ
そう広くはないはずの森の中で、それでもまだ見つけられない。
ビルケヴァーグ
こちらは探した。ならばあちらを。
ビルケヴァーグ
方向を変えたその爪先に三月兎のちぎれた耳が当たった。
ビルケヴァーグ
ブーツに血が跳ねた。今はもう黒結晶を踏み抜く硬い音はしない。
ビルケヴァーグ
砂利と、血と、時折柔い肉。
ビルケヴァーグ
自分の力不足を補うために払った犠牲。
ビルケヴァーグ
止まれない。まだ、止まれない!
ビルケヴァーグ
止まったら、今度こそ、全てが無駄になる!
ビルケヴァーグ
絶望は、諦めだ。
ビルケヴァーグ
ササナが絶望しても、たとえシャーデンが絶望しようとも。
ビルケヴァーグ
スティブナイトの絶望そのものを具現化したようなこの森に押し潰されるその瞬間まで。
ビルケヴァーグ
ビルケヴァーグ・ヴォルフ-リヒターには、もう、絶望は許されない。
ビルケヴァーグ
絶望は、諦めであり、安らぎだ。
ビルケヴァーグ
もう、安らぎは許されない。
ビルケヴァーグ
全てが終わった頃、ようやく足音が二人へ近づく。
ビルケヴァーグ
ブーツを血肉に汚して、荒い息と共に近付くその顔は呆然と瞠られる。
ビルケヴァーグ
「……シャーデン…………」
シャーデン
「……どうして」
血を流して、立っている。
シャーデン
「どうしてここに?」
「いや……俺のミスだ」
「公爵家に渡してくればよかった」
シャーデン
「……君は、あの程度の苦痛じゃ、諦めてくれないんだな……」
ビルケヴァーグ
「……苦痛で諦めてほしかったなら、俺の傷を治さなければよかったんだ」
ビルケヴァーグ
そうすれば本当に動けなかっただろう。
不死身に近い身体とその溢れる愛で苦痛を引き受けてきた彼とは違って、ビルケヴァーグは、どうしようもなく唯の人間の身体をしているから。
ビルケヴァーグ
そうされなかったから、また思考は動き始める。
考え始めたのなら、もう諦められない。
ビルケヴァーグ
止まれない。
ビルケヴァーグ
まだ、終わっていないから。
ササナ
「あ、ビルケヴァーグさん」
ササナ
「何しに来たんですか?」
ビルケヴァーグ
ギリ、と、歯ぎしりをした。
ビルケヴァーグ
「お前達を止めるためだ。……間に合わなかったようだが」
シャーデン
「…………ああ」
シャーデン
黒結晶が、時折表面ににじみ出る。
ササナ
「そうですか」
シャーデン
表面だけ治しても。耐えても。
苦痛でいっぱいになる。
シャーデン
治す度に、薔薇が黒く染まる。
シャーデン
「……俺は」
「もう、どちらの味方になることもできない」
シャーデン
「それでも…………二人を、いや」
「三人を救う」
ササナ
「一緒に、いてくれないんですね」
ササナ
「…いえ、シャーデンさんはそれでいいと思いますよ」
シャーデン
「……救世主同士なら」
「遅かれ早かれ、こういうことにもなるのは、覚悟している」
ビルケヴァーグ
「……ハハ。そうだな」
ビルケヴァーグ
「むしろ、二人とも今までよく俺と一緒に居てくれたものだ……」
ササナ
「だって、一緒にいたかったので」
ビルケヴァーグ
「光栄だな。それでササナが何か得られたのなら良いが」
ササナ
「きっと、得られたと思いますよ」
ササナ
ササナのその言葉は、どこか他人事のよう。
ビルケヴァーグ
「なら良し。シャーデンは?」
ビルケヴァーグ
顔は引き攣っている、けれども笑みを浮かべて。
まるで、この森に入る前のような気軽さでシャーデンにも水を向ける。
シャーデン
「…………」
シャーデン
「今までありがとう」
この場に似つかわしくない感謝を述べる。
シャーデン
「君たちといることができて、本当に良かった」
シャーデン
「今日で終わりになることが、耐え難いが」
「……俺はそれを受け入れよう」
ビルケヴァーグ
「……なんだ。二人とも、思ったよりも優しい言葉をかけてくれるじゃないか」
ビルケヴァーグ
こうなったのなら、今までのことも全て否定されてもおかしくないと思っていたが。
ビルケヴァーグ
「……なら良い。俺も、今まで世話になった」
ビルケヴァーグ
「シャーデンにも、ササナにも」
ビルケヴァーグ
「二人が居なかったら、ここまで生きることはなかっただろうし、こんな所まで来れなかっただろう」
ビルケヴァーグ
その果てがこの別離だとしても。
ビルケヴァーグ
これまでの全てに意味がある。
ビルケヴァーグ
そう信じている。
ビルケヴァーグ
「……二人と会えて良かったよ」
ビルケヴァーグ
間違いではない、と、言いたかったが。
それは自分の心の中にだけ秘めておこう。
ビルケヴァーグ
自分にとっては、間違いではない。
今はそれだけでいい。
ビルケヴァーグ
剣を手に取る。本を携える。
それは、ビルケヴァーグが裁判を行う時の姿だ。
シャーデン
同じく、武器を構える。
今回は、仲間を守るためではなく、仲間を『救う』ために。
ササナ
「………」
ササナ
胸の奥から、何か大切なものが…言わなければならない言葉が溢れそうな気がしたが…
ササナ
胸で、何かにつかえてその言葉は出なかった。
ササナ
まるで、麻痺したかのように…ササナはそれ以上言葉を紡ぐことができない。
ササナ
今はただ。戦うために、武器を手にすることしかできなかった。
GM
[ ビルケヴァーグ ] HP : 15 → 14
[ ササナ ] 子山羊皮の手袋 : 1 → 0
[ シャーデン ] 魔女 : -1 → -2
[ シャーデン ] 絶望侵蝕 : -1 → -2
[ シャーデン ] 絶望 : 0 → -1
[ シャーデン ] 前科 : 0 → 5
[ 黒結晶 ] HP : 23 → 1
GM
*○はなし。
GM
*シャーデンは状態:「絶望」になります。
GM
裁判時、陣営が独立します。
GM
*クエストNo.2達成。
ササナ
*聖遺物 アリスのゆびぬきを取得します
[ ササナ ] アリスのゆびぬき : 0 → 1
GM
GM
*お茶会終了。
GM
*技能変更タイミングです。
GM
ビルケヴァーグ、シャーデンは、技能をひとつ、変更することができます。
GM
脅威度6までの技能が取得可能です。
シャーデン
*Qを吸精に変えます。
ビルケヴァーグ
*Jを謀略に変えます
GM