Dead or AliCe『16JAcks』

お茶会-第2ラウンド

GM
*行動順の決定 1d99
ミムジィ
1d99 (1D99) > 97
スバル
1d99 (1D99) > 57
イスタ
1d99  (1D99) > 33
プルネウマ
1d99 (1D99) > 51
GM
*第2ラウンド行動順
ミムジィ>スバル>プルネウマ>イスタ

第2ラウンド:ミムジィ

ミムジィ
チャペルでのやり取りからしばらくして。
ミムジィ
105号室に戻ってきた。
ミムジィ
戻ってくるなり、そのままベッドに横たわる。
スバル
部屋の戸を締めて、ようやく短剣が鞘に収まる。
ミムジィ
そのまま、いくらかの沈黙。
ミムジィ
やがて口を開く。
ミムジィ
「スバルはさ」
ミムジィ
「どうして生きているの?」
スバル
「さあ」 いつもどおりの声、いつもと同じような返答。
スバル
「生きてるから」
ミムジィ
「そう」
スバル
「わざわざ生きていたいって思うのは……」
スバル
「……いや。まあ、この国じゃ危険なこともいっぱいあるし、よくあることだろうけど」
スバル
「なんか、きっかけがいるよ」
ミムジィ
「人を裏切ったことはある?」
スバル
「いや」
ミムジィ
「優しくしてくれる人を殺したことは?」
スバル
「ん……まあない」
スバル
答える声は平らかだ。
ミムジィ
「私は生きていると思う?」
スバル
「うん」
スバル
近づいて、転がったミムジィの足元に近い場所に腰を下ろす。そのぶん、ベッドが小さく沈む。
ミムジィ
「私は誰?」
スバル
「今のお前に、ほんとうの名前はきっとない」
スバル
「お前が、自分で自分を作りたがっているのはよく知ってる」
スバル
「そういうふうに振る舞うお前を、おれはミムジィと呼ぶけど」
ミムジィ
「うん」
ミムジィ
「私は救世主?」
ミムジィ
「……まあ、そうじゃなかったらここにいないよね」
ミムジィ
私も、スバルも。
スバル
「……お前はそうなりたがった」
スバル
「おれは、そうでないお前をよく知らない」
スバル
「知らせたくないんだろうと思ってる」
ミムジィ
「知っていいことないから」
スバル
「何故?」
ミムジィ
「堕落の国に必要なのは」
ミムジィ
「救世主だけでしょ?」
スバル
「いいや」
スバル
「堕落の国に必要なのは、そういうゆめまぼろしだ」
スバル
「ひとつの世界のほんとうの救世主なんて、ひとりに背負えるもんじゃない。変わらない」
スバル
「……お前、おれが、お前が『救世主』だからついてきたと思う?」
ミムジィ
「うん」
スバル
「そう」 かすかに溜息をつく。
スバル
「そう言いたい気持ちはわかる」
ミムジィ
「違うの?」
スバル
「おれが『救世主』に期待してるように見えるか」
スバル
「お前に世界を背負わせたがってるように見える?」
ミムジィ
「……」
ミムジィ
「ううん」
ミムジィ
「だから一緒にいた」
ミムジィ
他の末裔と一緒にいた時期はある。
ミムジィ
けれど期待は果たされないことを知っていながら、共にいるのは苦しい。
ミムジィ
だから別れた。
ミムジィ
スバルは私に期待をしない。
ミムジィ
「それでも私が救世主じゃなかったらついてはこない」
スバル
「どうしてそう思う」
ミムジィ
「だって……そうでしょ」
スバル
「何が」
ミムジィ
「ついてくる理由がない」
ミムジィ
「ついてこない理由は、いっぱいある」
スバル
「危険だから。旅が苦しいから。救世主は、それと一緒にいるやつは、場所によっちゃ蔑まれることもあるから」
スバル
「水はない、食料はない、眠る場所はない」
スバル
「そういうこと?」
ミムジィ
「救世主なしの旅はそれだけで難しいし、飛んで移動することもできない」
ミムジィ
ついてこない理由を重ねる。
ミムジィ
そういう、様々なこと。
スバル
「怪我もしたし、石を投げられたこともあるし」 重ねていく。
ミムジィ
「それに」
ミムジィ
「スバルが会ったのは救世主『ミムジィ』でしょ」
スバル
「まあ、そうだな」
スバル
「でも」
スバル
「こいつは『繕ってる』なってのはわかったよ」
ミムジィ
「私には、よくわからない」
ミムジィ
「……生きていける?」
スバル
「これから?」
ミムジィ
「わからない」
ミムジィ
これからなのか。誰がなのか。あるいはそのすべてか。
スバル
「まあ、別になんでもかんでもわかる必要もないと思うが」
スバル
「生きてはいける。大概の場合、大概のやつは」
スバル
「生きていくしかない」
ミムジィ
「救世主には責務がある」
スバル
「うん」
ミムジィ
「私は」
ミムジィ
「私、は」
ミムジィ
「そこまでして生きたくはなかったよ」
ミムジィ
一人も殺せなくて死ぬ救世主もたくさんいるのを知っている。
スバル
「…………」
スバル
「でも、お前は選んだ」
スバル
「そう選んじまった。望むと望まざるとに関わらず、もう過ぎた」
ミムジィ
沈黙。
ミムジィ
返事がない。
スバル
「おれは末裔だよ。末裔に選べるものはそんなにない」
スバル
「その中でお前についてきた」
ミムジィ
形の整っていない曖昧な返事。
ミムジィ
それから、寝息が聞こえる。
ミムジィ
些細な物音でも起きないような深い眠り。
ミムジィ
世界の在り方が変わらずとも変わるものがある。
ミムジィ
ベッドの上という狭い世界は。
ミムジィ
*スバルの心の疵『冷笑主義』を舐めます。
プルネウマ
*横槍をします
プルネウマ
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 愛
プルネウマ
ティーセットは使いません。
プルネウマ
2d6+0=>7 判定(+愛) (2D6+0>=7) > 9[6,3]+0 > 9 > 成功
プルネウマ
1d6 (1D6) > 6
プルネウマ
ヤリイカは使いません。
[ プルネウマ ] HP : 16 → 15
ミムジィ
2d6+3-6=>7 判定(+猟奇) (2D6+3-6>=7) > 4[3,1]+3-6 > 1 > 失敗
第2ラウンド:ミムジィ シーン裏
プルネウマ
「ただいまあ」
のんびりした様子で帰ってくる。
イスタ
手は縛られたまま、地面を蹴って。
イスタ
飛んで、あなたの腹に蹴りを入れる。
プルネウマ
「あはは」
蹴りを入れた部分にぽっかりと穴が開く。
プルネウマ
「今解いてあげるから」
するすると拘束を解いていく。
プルネウマ
その間の暴力は受け入れる。
イスタ
浮遊する瓦礫。ぜんぶあなたに向かって飛んでくる。
イスタ
「"はやかったじゃん"」
イスタ
「"たのしかった?"」
プルネウマ
受け入れる。
プルネウマ
肉が削がれる。
プルネウマ
皮膚が裂かれる。
プルネウマ
骨が見える。
プルネウマ
「たのしかったよ」
プルネウマ
「君がいたら楽しくなかったな、きっと」
イスタ
「……………………」
イスタ
「ふーん」
イスタ
「"よかったね"」
プルネウマ
「…………」
プルネウマ
「素直になるかと思ったら」
プルネウマ
「とんだひん曲がり方したなあ」
プルネウマ
姿を『いつも』のものに戻す。
プルネウマ
もう無傷。
イスタ
「……………………」
イスタ
ほどかれたそばから、一発叩いて。
イスタ
それからあなたを押し倒す。
イスタ
あなたを見つめる目は虚ろ。
プルネウマ
「…………」
それはこちらも。
プルネウマ
「つまらない思いさせちゃったね」
プルネウマ
「でも、必要な時間だよ」
プルネウマ
「あとちょっとの辛抱があれば、君の好きな殺し合いが始まるさ」
プルネウマ
あとちょっとの辛抱など、待ちきれないことを知っておきながら、言葉が紡がれる。
イスタ
「…………ん」
イスタ
「……………………」
イスタ
唇と唇が触れる。
プルネウマ
唇は乾いている。
プルネウマ
体温は殆どない。
プルネウマ
まるで今から風化される死体だ。
イスタ
唇が湿る。体温がうつる。
イスタ
あなたの舌を歯で噛む。
プルネウマ
手が伸ばされる。
プルネウマ
その指先は額に。
プルネウマ
人差し指が軽く曲げられ。
プルネウマ
でこぴん。
プルネウマ
「ほんっっとに落ち着きないなあ」
イスタ
「っ……」
イスタ
顔が離れる。わずかに眉をひそめている。
イスタ
「…………いたい」
イスタ
「ねーぇ」
イスタ
続く言葉はない。
プルネウマ
「はぁい、」
なぁに、ではなく。
プルネウマ
起き上がる。
プルネウマ
「さっきやってきたことの再現でもする?」
イスタ
「…………」
イスタ
「わかんない……」
プルネウマ
「わかんないなら勝手にやろうかな」
プルネウマ
人差し指をくるり。
プルネウマ
成人男性の姿。
プルネウマ
そのままイスタに近づき。
プルネウマ
後ろに回って、右手をイスタの右手に添えて。
もう片方は頭に。
プルネウマ
「こういうことしてきたんだけど」
イスタ
風が吹く。あなたが吹かせてもないのに、風が。
イスタ
「…………"続きは?"」
プルネウマ
「どんなことしたと思う?」
プルネウマ
「いつもやってることかもしれないし」
「全然違うことかもね」
問に答えが返ってくることは期待せず、続ける。
プルネウマ
「『君はかわいい救世主だね』」
「『お茶会に呼んでくれてありがとう』」
「『君のような救世主がいたら、この世界は救われることだろう』」
プルネウマ
「『だから』」
「『ここで殺し合うのはとても惜しいなあ』」
プルネウマ
「とか」
プルネウマ
「らしい台詞を言ってみたりとかね」
イスタ
「…………」
イスタ
頬に添えられた手に、手を重ねる。
イスタ
「…………"いいじゃん"」
プルネウマ
「…………」
「殺し合いなんかより、お茶会の方が似合ってる」
プルネウマ
「イスタは真逆だねえ」
プルネウマ
「お茶会なんか似合わない」
プルネウマ
「だから、今」
プルネウマ
「こうされるのもつまらないでしょ」
イスタ
「…………」
イスタ
目を閉じる。
イスタ
ねむることはない。
イスタ
この飢えと渇きじゃ、眠れない。
イスタ
ずっと待っている。
イスタ
待っている。
イスタ
「…………"つづきは?"」
イスタ
あなたの服をひっぱる。
プルネウマ
「つづき?」
プルネウマ
「いや」
プルネウマ
「仕切り直しといこう」
プルネウマ
イスタの手を引き、部屋を出る。
プルネウマ
ノックの音。
プルネウマ
「もしもし?まだ起きてるかな?」
スバル
一人立ち上がる。
ミムジィ
起きない。
ミムジィ
ブランケットを手繰り寄せた姿勢のまま、眠っている。
スバル
すたすたと、ごく普通の足取りでドアへと。そして開く。
スバル
「何か?」
プルネウマ
「御機嫌いかがかなと思って」
その姿は。
プルネウマ
女性。
プルネウマ
「君の救世主(アリス)は?」
スバル
「奥。用があるなら呼ぶが」
ミムジィ
寝息を立てている。
プルネウマ
「あ、そう」
「間が悪かったね」
プルネウマ
「せっかくイスタ連れてきたのに」
プルネウマ
「おしゃべりの続きは無理かあ」
イスタ
「…………」
スバル
「まあな」
スバル
「……お喋りねえ」 ちら、とイスタとプルネウマを見比べて。
スバル
「ま、おれが相手じゃつまらんだろうな」
ミムジィ
普段のミムジィならば、ノックの音と共に飛び起きている。
ミムジィ
ましてや誰かと会話していようならば、起きない道理はない。
ミムジィ
それでもまだ眠っている。
ミムジィ
穏やかに。
ミムジィ
死んでいるかのように。
プルネウマ
「私は別に君が相手でもいいのだけど」
プルネウマ
「『さっき』のをもう一度やりたくてきたから、今回は計画がおじゃんだね」
スバル
「そりゃ残念なこった」
プルネウマ
「君たちああいうこと、しないの?」
唐突に聞く。
スバル
「ああいうこと」
プルネウマ
「触れたり」
「囁いたり」
プルネウマ
「確かめ合ったり」
スバル
「はあん」
スバル
「おれは」
スバル
「あいつが不安になることはしたくねえよ」
プルネウマ
「へえ」
「それはそれは」
プルネウマ
「逆に安心できなさそうだ」
スバル
あいつはいつだって安心なんてしねえよ。そう思ったが特に言わない。
スバル
「逆にも何も……」
プルネウマ
「イスタと私もそうだけど」
「君と彼女も相当だね」
「不安定極まりない」
プルネウマ
「周りを固めてるか晒してるかの違いかな?」
「まあ、これは私の印象でしかないんだけど」
プルネウマ
「案外、君じゃなく、私と付き合ったほうが安心できそうじゃない?彼女」
思いついたように声を跳ねさせる。
スバル
「さあ」 肩を竦める。
スバル
「おれは『救世主様』ほど役に立ちゃしねえし」
スバル
「そもそも選んだのはあいつじゃない」
プルネウマ
「あれ、そうなの?」
「じゃあ、今から取られちゃうかもね」
「選ばれた誰かさんに」
スバル
「かも」 薄く笑う。
プルネウマ
「あはは」 乾いた笑い。
プルネウマ
「それじゃあ、君の救世主が起きたら、また会おう」
「次会うとき、彼女の隣に君はいないかもしれないけど」
プルネウマ
イスタを見つめる。
プルネウマ
「こっちも変わってるかもね、いろいろと」
イスタ
黙っている。誰とも目線があうことはなく。
スバル
「そう」
プルネウマ
サイドテールを揺らしながら去っていく。
プルネウマ
末裔の子供の手を引くその姿は、テンプレート的な救世主(アリス)に見えた。
スバル
見送って、扉を閉める。
スバル
今度は、ベッドには座らなかった。
GM
このホテルに於いて、明日の話ができる者は限られている。
GM
或いは話す事ができたとしても、実際にはどうなっているかはわからない。
GM
だからと昨日の話をしようにも。
GM
それだって、誰もができるとは限らないのだ。
GM

第2ラウンド:スバル

スバル
夜が明ける。
スバル
椅子に座ったまま俯いて眠っていたスバルが、それとともに起きてくる。
スバル
ベッドの上を一瞥する。
ミムジィ
上体を起こして座っている。
スバル
「おはよう」
ミムジィ
「おはよう……」
ミムジィ
「あれ?」
ミムジィ
「今何時?」
スバル
「今、日が昇ったとこ」
ミムジィ
「えっ」
ミムジィ
「いつ寝たんだろ」
ミムジィ
「何もなかった?」
スバル
「まあ別に」
スバル
大したことだと思ってはいない。
ミムジィ
何かあったら起きるはずだから、そうなのだろう。
ミムジィ
深く眠ったことに気付いていない。
ミムジィ
伸びをする。
スバル
「水飲む?」
ミムジィ
「ん、飲む」
スバル
グラスを差し出す。
スバル
……その手が、少しだけためらう。
ミムジィ
グラスを取る。
スバル
そこまでして生きていたくなかった。
スバル
今もたぶんそうなのだろう。言わないだけ。
スバル
ミムジィは言わない。
スバル
いろいろなことを。さまざまなことを。
ミムジィ
わずかに触れ合った手に人の温度はない。
スバル
「…………」 ミムジィがその手でグラスを取り、水を飲むのを静かに見ている。
スバル
そうして。
スバル
「お前さ」
ミムジィ
「うん」
スバル
「おれがどうして、お前に色々聞かないのかわかる?」
ミムジィ
「え? うーん」
ミムジィ
「別に知らなくていいことだからじゃない?」
ミムジィ
ミムジィが自分から話さないのは少なくともそうだ。
ミムジィ
不安をかけたり心配させたりする必要はない。
ミムジィ
救世主は末裔を救う。
スバル
「おれはな」
スバル
「知りたいから、知りたくなかった」 溜息のように。
ミムジィ
「え」
ミムジィ
拒絶というよりは、思いもよらないというように。
スバル
「お前は、知られれば知られるほど不安かなと思ったし」
スバル
「おれは、」
スバル
「知ったら知っただけ、どういうかたちにせよ自分が変わるのを知ってる」
ミムジィ
その言葉は真だ。
ミムジィ
3年。その道程は血塗られている。どう少なく見積もっても、36人の救世主の死がそこにある。
ミムジィ
知ったら知っただけ、知られたように見えるということを知っている。
ミムジィ
このやり取りを、適当なことをいって打ち切っていただろう。
ミムジィ
心の疵『救世主』が傷ついていなければ。
ミムジィ
「今日で死ぬかもしれないしね」
ミムジィ
「聞く?」
スバル
「……いや」
スバル
「今日で死ぬかもしれないから、ならいい」
スバル
「お前が、俺がお前を裏切らないと思えるなら聞く」
ミムジィ
荷物から日記を取る。
スバル
それを書いていることは知っている。いつも見ている。中身は知らない。
ミムジィ
「どこから読もうか」
スバル
「……なあ」
スバル
「おれは信じてくれとも、信じろとも言わないし、選べとも言わない」
ミムジィ
「裏切るなんて思ってない」
ミムジィ
「信じてる」
ミムジィ
「じゃなかったら半年旅をしない」
スバル
「人は裏切る。別れがあって死ぬ。忘れる」
ミムジィ
うん。
スバル
「それでも」
スバル
「おれはお前を、……」
スバル
「……選んだんだよ。選べるものなんて数えるほどしかないこの国で」
スバル
「だから」
スバル
「お前がおれを嫌っても裏切っても構いやしないが」
スバル
「適当にはされたくない」
スバル
*ミムジィの『堕落の国』を才覚で舐めます。
プルネウマ
*横槍をします
プルネウマ
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 愛
プルネウマ
*ティーセットを使用。
プルネウマ
2d6+0+2=>7 判定(+愛) (2D6+0+2>=7) > 9[6,3]+0+2 > 11 > 成功
プルネウマ
1d6 (1D6) > 2
プルネウマ
*ヤリイカを使用します
[ プルネウマ ] HP : 15 → 14
[ プルネウマ ] ティーセット : 2 → 1
[ プルネウマ ] ヤリイカ : 1 → 0
スバル
*ティーセット使用。
スバル
2d6+3+2=>7 判定(+才覚+ティーセット) (2D6+3+2>=7) > 7[6,1]+3+2 > 12 > 成功
スバル
マイナス補正つけて8です。
[ スバル ] ティーセット : 1 → 0
[ スバル ] 前科 : 0 → 1
GM
*ジャックからエースへの干渉が成功したため、前科が上昇
[ ミムジィ ] 堕落の国 : 0 → 1
ミムジィ
「じゃあ――」
ミムジィ
言い直す。
ミムジィ
「聞いてくれる?」
スバル
「うん」
ミムジィ
口を湿らせるために、お茶を飲む。
ミムジィ
一日目――、と、読み始める。それはまだ堕落の国にきたときのこと。
ミムジィ
しばらく、そこでの営みと困惑の日々が続く。
ミムジィ
「この頃はねえ、私の心の疵の力は、人を癒したりするものだったんだよ」
ミムジィ
他の救世主と過ごした日々の話。
ミムジィ
紆余曲折があり。
ミムジィ
「村が襲われてさ」
ミムジィ
「世話してくれた末裔のミリアムさんが」
ミムジィ
「『救世主様は逃げて』って言うんだ」
ミムジィ
「今思うと」
ミムジィ
「だから私は今まで生きているのかもしれない」
スバル
「……うん」 静かに相槌だけを打つ。
ミムジィ
村を襲った救世主の脅威度は5。
ミムジィ
襲われた村だけではなく、近隣一体が壊滅状態となった。
ミムジィ
しばらく、放浪の日々。
ミムジィ
初めて救世主を殺したのは、堕落の国に来てから10日目のこと。
ミムジィ
『39日目――街はあった。人もいた。
でも、他に救世主はいなかった。

ケヴァは何も言わない。
ただ私の頭をなでた』
ミムジィ
『40日目――』
ミムジィ
『どうして生きているのかわからない。
私はケヴァに殺された』
ミムジィ
『宿の裏の路地で、剣を突きつけられた。
ずっとこのときのために連れてたって。
私は守る力しかなくて、攻撃ができないから、いざ殺そうと思えば簡単だからって。』
ミムジィ
読み上げる。
ミムジィ
間に小休止も挟むことはなく。
ミムジィ
『それから犯された。いやがるのを無理やり。
そのあと、剣で斬りつけられたのは覚えてる。痛かった。
殺される瞬間思っていたことは、それなら優しくしないでほしかったってことだった。』
ミムジィ
『頭をなでたりしないでほしかった。』
ミムジィ
『それで意識を失って、今、知らない部屋にいる。
血でべっとり汚れたままだ。6ペンスコインは、袋ごと取られてる。
耳の聞こえ方がおかしくて、頭に何かついている。

これは一体なんだろう。』
ミムジィ
日記を起き、それから剣を抜く。
ミムジィ
「この剣は、私の、今の心の疵の力」
ミムジィ
「私の力は『被った暴力を再現する』力」
スバル
うん、とまた頷く。
ミムジィ
「殺す力がなければ、堕落の国では生きていけない」
ミムジィ
「殺す力があるから生きている」
ミムジィ
剣を仕舞う。
ミムジィ
「続きを読もうか」
ミムジィ
「……私は殺されて、裏切られた、と思わなかった」
ミムジィ
「だってどっちか死ぬしかないのはわかっていたし」
ミムジィ
「私には殺せないし、私が殺してもどうしようもないのもわかっていたから」
ミムジィ
だから40日目の下りは、裏切りの記憶ではない。
ミムジィ
もう一度、お茶を飲む。
ミムジィ
ページを捲る。
ミムジィ
『41日目――』
ミムジィ
そこからは、コインを失ったあとの話。
ミムジィ
「気付いたら耳があってびっくりしたよね」
ミムジィ
「耳っていうか、猫の耳が……」
ミムジィ
「でもそれは、ラッキーだったんだと思う」
ミムジィ
「ラッキーかな? まあ、そのお陰で生きてると思う」
ミムジィ
チェシャ猫の末裔と誤解されて、娼館で働いた話。
ミムジィ
初めて客をとったことの話。
ミムジィ
怖くなって泣いた話。
ミムジィ
それから、救世主の客が来た話。
ミムジィ
その救世主は何度も店に通い、親しくなっていく日々。
ミムジィ
『61日目――』
ミムジィ
『酷いことをしようとしている。
自分がされていやだったのに、自分がしようとしている。
もっと酷いことかもしれない。
全部見破られて、責めてくれればいいと思った。』
ミムジィ
『裏切り者って言ってほしい。
どうして優しくしたんだ、って。
それで、殺してくればいいと思った。
もしかしたらケヴァさんも、そんなふうに思ってたんじゃないかと思う。』
ミムジィ
「――私はさ」
ミムジィ
「裏切られる、とも思うけど」
ミムジィ
「それより自分がスバルを殺しやしないかという方がずっと不安だったよ」
スバル
「……そうか」
ミムジィ
「救世主と一緒にいたくないのもそう」
ミムジィ
「力があるからじゃなくて、殺してしまうかもしれないから」
スバル
「うん」
ミムジィ
花を贈られた話。
ミムジィ
一緒に旅をしないかと誘われた話。
ミムジィ
地図を広げて、今まで来た道の話をされたこと。
ミムジィ
「堕落の国はこんなだけれど、それでも目を輝かせて話すんだ」
ミムジィ
「ここには森があるとか、どこかにイモムシの隠れ里があるんだとか」
ミムジィ
「こんな場所だけど大学があるらしいだとか、王立裁判所から元の世界に帰れるかもしれないらしい、だとか」
ミムジィ
『69日目――』
ミムジィ
『テオルさんを殺した。
どうして、って顔をしてた。』
ミムジィ
『手には剣を持っていた。いつの間にか。ケヴァさんの剣だった。私に突き立てられた剣。
6ペンスコインは10枚。

店の人は、私が救世主だとわかると、何も言わなかった。
私は街の、救世主たちが埋葬される墓に、テオルさんを葬った。』
ミムジィ
「店では『尾なしのキャス』って呼ばれてた」
ミムジィ
「日記に書かれているのはその名前が一番最初」
ミムジィ
「失敗したな、って思ってるんだ」
ミムジィ
「自分の名前をちゃんと書いておかなかったこと」
ミムジィ
次に責務を果たしたのは95日目。その次は124日目。
ミムジィ
コインを得てもしばらく店にいた。
ミムジィ
尾なしのキャスと呼ばれなくなったのは140日目。
ミムジィ
『140日目――』
ミムジィ
『街に亡者が来た。
そのときちょうど、他に救世主がいなかった。
ここに来ると救世主が誰かに殺されるみたいな、不吉な噂が立っていたのもあると思う。』
ミムジィ
『気付いたときには、私は駆け出して、亡者に剣を振るっていた。
救世主様、と呼ばれた。
尾なしのキャスと呼ばれなくなった。』
ミムジィ
『街の末裔たちは喜んでいた。』
ミムジィ
「私は店をやめて」
ミムジィ
「救世主になった」
ミムジィ
「――だから私は、救世主じゃないといけないんだよ、スバル」
スバル
「…………」
ミムジィ
「そうすることで、保ってきた」
スバル
「……おれは」 
ミムジィ
お茶を飲む。長く話している間に、もう冷めている。
スバル
静かに聞いていたスバルが、口を開く。
スバル
「お前を選んだ。言った通り」
スバル
「お前を選び続ける」
スバル
「お前に何もなくても」
スバル
「おれに何もなくなっても」
ミムジィ
「……」
ミムジィ
「……じゃあ、一緒に殺してくれる? 救世主を」
スバル
「何をいまさら」
ミムジィ
「あはは、そうだね」
スバル
「……お前は信じなくてもいい。別に結果は同じだ」
スバル
「何も変わらない」
ミムジィ
「うん」
ミムジィ
「流石に疲れちゃったな」
ミムジィ
「続きは、また今度でいい?」
スバル
「ん。また」
ミムジィ
私はあのとき、運良く生きていなかった方がいいのかもしれない。
ミムジィ
裏切りが上手くいかなかったほうがよかったのかもしれない。
ミムジィ
それでも今、出会ってここにいる。
ミムジィ
「聞いてくれてありがとう」
スバル
「……いや」
スバル
「……ありがとう」
GM
言葉というものは、人と人の間を渡るもの。
GM
目の前の人から、目の前の人へ。
GM
昔の人から、今の人へ。
GM
自分から自分へ。
GM
”救世主”という言葉は、この堕落の国において最も多くの人を渡り。
GM
多くが誰の手にも渡らず枯れていった言葉。
GM
その命脈は、今ここまでも継がれている。
GM
 
GM
GM
GM
第2ラウンド:プルネウマ
プルネウマ
1d11 (1D11) > 5
GM
5 ミュージックルーム。 様々な楽器の中で、大きなグランドピアノが目を引いている。蓄音機を動かせば上質な音楽も楽しめ、足りないのは上質な聞き手だけ。
プルネウマ
末裔の手を引いて、ミュージックルームに向かう。
プルネウマ
姿は女性のまま。
イスタ
黙ってついていく。
プルネウマ
「お茶会をしようか、イスタ」
ミュージックルームに着くなり、椅子に座る。
イスタ
「"うん"」
イスタ
言いながら、その椅子を引いてひっくりかえす。
プルネウマ
「おや」
プルネウマ
「なにかの謎かけかな、それは」
傷一つない、女の顔。
イスタ
「えー?」
イスタ
「そんなことないけど」
イスタ
掴んだ椅子を投げる。
プルネウマ
顔を直撃する。
プルネウマ
次の瞬間には元通り。
プルネウマ
「じゃあ、『ふつう』に気が狂ってるわけだ」
プルネウマ
「その方がちょうどいいけどね」
プルネウマ
吹き飛ばされた頭を調整するように首をポキポキ鳴らす。
イスタ
そのへんにあったバイオリンとかを投げ始める。
イスタ
表情はかわらないまま。
プルネウマ
「その様子だと」 腕が飛ぶ。
「会話も」 脇腹がえぐれる。
「通じない」 また顔に当たる。
「感じだなあ!」 上半身と下半身が別れを告げる。
プルネウマ
それでも次の瞬間には元通り!
イスタ
「そうかなあ?」ドラムをつかもうとして、
イスタ
シンバルからすっごい大きい音がしてびくっと身を震わせる。
イスタ
うるさい。なにこれ?
プルネウマ
人差し指を一振り。
 
出現する末裔たちの幻影。
それぞれ勝手に楽器を演奏する。
プルネウマ
「ここで君に暴力を振るわれたねえ」
いつのまにかお茶会セットも用意してある。
すべて幻、すべてが現実。
プルネウマ
「やっぱり、あの子とはぜーんぜん違う」
プルネウマ
「ま、それでいいんだ」
「そうじゃないと困るんだよ」
イスタ
「…………」
イスタ
顔を上げる。
プルネウマ
「改めて言おう。『お茶会をしようか、イスタ』」
イスタ
「…………"やだ"」
イスタ
黙って席につく。
イスタ
椅子をギリギリまで近付けて座って、
イスタ
あなたの手とかをいじってる。
イスタ
この手袋硬いな……
プルネウマ
「聞き分けがいいようで悪いねえ」
プルネウマ
「だから今言っておこうかな」
プルネウマ
「私はね、『君を本気で勝たせるつもり』だ」
プルネウマ
「そして『私の世界を救ってもらう』」
プルネウマ
すべて、初めて言う。
イスタ
「………………………………」
イスタ
「…………え?」
プルネウマ
「『私の世界は滅んでいる』」
「『人間がいない世界』」
「『私が好きな人間がいない世界になってしまった』」
プルネウマ
「でも私はここに来たし」
「君に会ったし」
「このゲームに参加した」
プルネウマ
「このゲームに参加すれば、どちらも叶うからね。『元の世界に帰ること』も『救世主を作ること』も」
プルネウマ
「だから君を勝たせる」
プルネウマ
「勝たせて、連れて行く」
プルネウマ
「もしかすると、堕落の国によりもよっぽど、終わってしまっている世界に」
プルネウマ
「そんな世界を見た時」
「君は、どんな表情を見せてくれるんだろうね」
プルネウマ
「誰もみたことのない」
「私と君以外誰も見ることができない、想像のつかない世界」
プルネウマ
気が狂ってるからこそ、全部を話す。
「ね、楽しみになってこない?」
プルネウマ
*イスタの 退屈嫌い を舐めます 猟奇で
ミムジィ
*横槍しまーす
ミムジィ
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 猟奇
ミムジィ
2d6+3=>7 判定(+猟奇) (2D6+3>=7) > 5[2,3]+3 > 8 > 成功
ミムジィ
1d6 (1D6) > 3
ミムジィ
*ヤリイカ使用!
ミムジィ
ペナルティ5!
プルネウマ
*ティーセットを使用します
プルネウマ
2d6+3+2-5=>7 判定(+猟奇) (2D6+3+2-5>=7) > 5[1,4]+3+2-5 > 5 > 失敗
プルネウマ
*逆転します この1は6!
プルネウマ
*愛を抉ります
[ ミムジィ ] HP : 17 → 16
[ ミムジィ ] ヤリイカ : 1 → 0
[ プルネウマ ] ティーセット : 1 → 0
[ プルネウマ ] 愛 : 0 → -1
[ イスタ ] 退屈嫌い : -1 → 0
ミムジィ
不意に、あなたがたの視界は転じる。
ミムジィ
招待状の効果。プルネウマは展示室へ。
ミムジィ
イスタは冷凍室へ。
ミムジィ
転送されたイスタの元にすぐさま。
ミムジィ
飛来するヤリイカ!
イスタ
瞳が見開かれる。
イスタ
飛んで、避ける。
ミムジィ
1つ、2つ、3つ。
ミムジィ
壁に次々とヤリイカが突き刺さっていく。
ミムジィ
「流石に早いね~」
イスタ
手で着地して、次!
ミムジィ
飛びかかっての斬撃!
イスタ
側転して避ける。
ミムジィ
招待状を使っての奇襲なんてのは、末裔のための『救世主』がすることではない。
ミムジィ
ましては末裔に剣を向けるなど。
ミムジィ
地につき、伸ばした手を薙ぐ刃。
イスタ
手に握った瓦礫で、弾いて。
イスタ
子兎はわらう。わらう!
イスタ
「あはは!」
ミムジィ
「あはは」
イスタ
「ねえ、つぎは?」
ミムジィ
「楽しそうでよかったよ」
イスタ
「"お茶会って楽しいね!"」
ミムジィ
もう一度、牽制として飛来するヤリイカ。
ミムジィ
避けたところに距離を詰め、手を伸ばす。
ミムジィ
その手には、冷凍室の冷気ではまるで及ばない、尋常ではない冷気がまとう。
ミムジィ
――冷血の税務官、ロスチスラフの力。
ミムジィ
その再現。
ミムジィ
距離を詰め、剣で退路を断ち、その首を掴もうとする。
イスタ
「……っ、!」
プルネウマ
暴風。
プルネウマ
風が冷凍室になだれ込む。
プルネウマ
冷気に対する、猛烈な熱を伴って。
ミムジィ
「――っ!」
イスタ
吹き飛ばされて転がる。
プルネウマ
「のけものにしないでよ」
「寂しいなあ」
荒々しい声。
ミムジィ
ステップ、距離を取る。
イスタ
ぺたんと座り込んで、それを見ている。
プルネウマ
風の神霊が立っている。
イカか剣がかすったのか、膝から出血している。
プルネウマ
「せっかく正気じゃないうちに重要な話してたのに」
ミムジィ
「余計な横槍、お茶会の醍醐味でしょ」
プルネウマ
「そうだね」
「でもあまりにもタイミングが悪い」
ミムジィ
「そちらに? こちらに?」
イスタ
「…………、……?」
プルネウマ
「うーん」「こちらに都合が悪い」
「君は悪くないかもしれない」
「私が単に個人的に怒ってるだけだよ、これは」
ミムジィ
「それは結構」
イスタ
「な、」
イスタ
「…………」
ミムジィ
「聞いていいかな」
「どうして怒ってるの?」
プルネウマ
「説明しちゃったら、それはもう怒りじゃないような気がするなあ」
「でも、機会をくれたことだし、それっぽいことを言おうかな」
プルネウマ
「告白の最中に横槍を入れられたら」
「そりゃあ、誰だって怒るでしょうよ」
ミムジィ
「それは確かに、悪いことをしたなぁ」
ミムジィ
「ごめんね」
プルネウマ
「謝ることないさ」
「謝って済むような問題じゃないしね」
ミムジィ
「そうだね」
ミムジィ
「私はあんまり、行儀がよくないんだ、本当はね」
「『救世主』をしなきゃ、こんなもんなんだ」
ミムジィ
「『かわいげ』がないでしょう?」
イスタ
プルネウマの服の裾をひっぱる。
イスタ
「ねぇ」
イスタ
「"さむい"」
イスタ
「ねえってば」
プルネウマ
「…………」
プルネウマ
「可愛くないなぁ」
その言葉は、どれを示したのか明確にならないまま、冷気の中に消えていく。
プルネウマ
「…………帰ろうか、イスタ」
イスタ
「………………」
イスタ
こくりとうなずく。
ミムジィ
そうして二人が去る前に、引き下がる。
ミムジィ
剣を牽制に差し向けたまま。
プルネウマ
その場を去っていく。
イスタ
「………………」
イスタ
あとにつづく。
イスタ
そうして冷凍室には、だれもいなくなる。
GM
残るのは寒々しい空洞。
GM
居並ぶ肉塊は言葉を語らず、入り込む光に晒されるのも、凍てつく気温を告げる白。
GM
扉を閉めれば、結局はまた黒ばかり。
GM
楽しいお茶会の終わりは近い。
GM

第2ラウンド:イスタ

GM
7 チャペル。 こんな場所で式を挙げる者がいるかはさておき、結婚式を行う事だってできる立派なもの。
イスタ
冷凍室を出て。
イスタ
ふたり、歩く。
プルネウマ
連れてきた先はチャペル。
プルネウマ
「とんだ邪魔が入ったね」
イスタ
「…………」
イスタ
「いっぱいイカなげられた」
イスタ
「"楽しかったな"」
イスタ
気は紛れたけど。
イスタ
まだ嵐はこない。
イスタ
嵐の前の、凪。
プルネウマ
「そう」
「私は全然楽しくなかったよ」
静かな声。嵐の前の静けさ。
プルネウマ
「ねえ、イスタ」
プルネウマ
「さっきのお返事、聞かせてくれる?」
イスタ
「…………」
イスタ
手が、あなたの身体に触れる。
プルネウマ
手を払いのける。
イスタ
「………………」
イスタ
いつもならやり返してたけど。
イスタ
黙って、あなたの瞳をのぞき見る。
イスタ
「……ここって、なにするところなの?」
イスタ
「…………さっき、ここにいた?」
プルネウマ
兎の目を、嵐の目が覗き込む。
プルネウマ
「いたよ」
プルネウマ
「ここは、結婚式をするところだね」
プルネウマ
「村にはなかった?」
イスタ
「ん~……」
イスタ
「結婚式するとこはあったけど」
イスタ
「こんな感じじゃなかったな」
プルネウマ
「ふうん」
無感情の声色。
プルネウマ
「チャペルっていうのは教会のものじゃない礼拝の場所を意味することもあって」
プルネウマ
「神様を拝むところになることもある」
プルネウマ
「ここじゃそこらへんの営みがどうされてるか、知ったことじゃないけど」
イスタ
チャペルは明るい。堕落の国の空よりも明るい光に照らされた子兎の髪は、金色にもみえる。
イスタ
「かみさま」
イスタ
「…………」
イスタ
くりかえす。
プルネウマ
「私も元の世界じゃ、それの一種に近かったんだけど」
プルネウマ
「堕落の国じゃ、ただの救世主だ」
プルネウマ
「……」
プルネウマ
「まあ」
プルネウマ
「元の世界に戻ったところで、神様を夢見るやつらはいないんだけどさ」
プルネウマ
「でも、神様は、つくることができる」
プルネウマ
「神様、っていうか、この場合は救世主だけど」
プルネウマ
「私はそこに」
プルネウマ
「君を加える気なんだけど」
プルネウマ
言葉の歯切れが悪い。
イスタ
「うん」
イスタ
柔らかな髪。頷けば、ふわりと揺れる。
プルネウマ
「…………」
プルネウマ
「ときどきねえ」
「君が人間になったらどうだったんだろうと思うことがある」
プルネウマ
「…………」
「自分が人間になったらどうなるか、より」
「想像が及ばないんだ、君は」
プルネウマ
「だってさあ」
プルネウマ
「君のほうが」
プルネウマ
「よっぽど『まことの愛』から遠い気がしてさ」
イスタ
「そうかも?」
イスタ
「…………」
イスタ
「『まことの愛』、さがしてたんでしょ」
イスタ
「おれが、救世主になってさ」
イスタ
「ふたりで、あんたの世界行って」
イスタ
「そしたら」
イスタ
「『まことの愛』が見つかるの?」
プルネウマ
「………………」
プルネウマ
「どうだろうねえ」
プルネウマ
「…………………………………………」
とびきり長い、沈黙。
プルネウマ
「ないのかもね、とは正直思うよ」
ふいに、溢れる本心。
プルネウマ
「でも、まだ探すのは終わってない」
プルネウマ
「『まことの愛』を探すために、やってないことが、まだある」
プルネウマ
「不朽の愛」
プルネウマ
「神様が人間にもたらす愛だね」
プルネウマ
「それを、まだ、私は試してないから」
プルネウマ
「もしかしたら、それが『まことの愛』だったりするのかも」
イスタ
「ふーん?」
イスタ
「でも、人間いないんでしょ」
イスタ
「そしたらあげられないよ」
プルネウマ
「…………まあ、そうだねえ」
「でも、逆にさ、」
「神様が人間じゃないものに、それを与えたら」
プルネウマ
「人間になれるかもしれないでしょう?」
イスタ
「…………」
イスタ
「……もし」
イスタ
「だめだったら?」
プルネウマ
「その時は次さ」
プルネウマ
「試すまで、だめだったら、なんて考えない」
プルネウマ
「だから、まあ」
プルネウマ
「言うほど大変なことじゃないし、重いもんでもないよ」
プルネウマ
「君が救世主(かみさま)になるってことは」
イスタ
凪いでいる。
イスタ
このチャペルは、声がなければひどくしずかだ。
イスタ
「……おれが、そうなったら」
イスタ
「あんたは楽しい?」
イスタ
「よかったなって、思う?」
プルネウマ
「思うよ」
人間になれたら。人間にしてもらえたら。
プルネウマ
「これ以上ないくらいよかったなって、思うよ」
君に、そうしてもらえたら。
イスタ
「……そっか」
イスタ
「それは」
イスタ
微笑む。
イスタ
「すっごくたのしそうだね」
プルネウマ
「…………」
風が吹く。
プルネウマ
「あはは」
風が笑う。
プルネウマ
「してくれる?」
「私を、人間に」
イスタ
「………………ねえ」
イスタ
「もういっかい言ってよ」
イスタ
あなたの手を取る。
イスタ
「さっき、邪魔されちゃったでしょ」
イスタ
「もういっかい」
イスタ
「こんどは、ちゃんと」
イスタ
*調達 聖遺物:アリスの証言 を猟奇で。
ミムジィ
*横槍します
ミムジィ
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 愛
ミムジィ
2d6+0=>7 判定(+愛) (2D6+0>=7) > 5[2,3]+0 > 5 > 失敗
[ ミムジィ ] HP : 16 → 15
イスタ
*ティーセットを使用。
イスタ
2d6+3=>7 判定(+猟奇) (2D6+3>=7) > 4[1,3]+3 > 7 > 成功
[ イスタ ] ティーセット : 1 → 0
[ イスタ ] アリスの証言 : 0 → 1
イスタ
アリス。
イスタ
ねえ、アリス。
イスタ
嵐が来るよ。
イスタ
待ち望んでいた、嵐が。
イスタ
アリス、あなたがのぞむなら。
イスタ
おれはなんにだってなるよ。
イスタ
あなたが吹き荒れれば、一緒に嵐になろう。
イスタ
あなたがおれを崇めるなら、かみさまに。
イスタ
あなたの望むものに。
プルネウマ
チャペルに、風が吹き荒れる。
プルネウマ
「君を勝たせる」「勝たせて、連れて行く」
「堕落の国によりもよっぽど、終わってしまっている、おぞましい世界に!」
プルネウマ
「誰もみたことのない、想像のつかない世界を、一緒に見に行こう」
プルネウマ
「ねえ、私の救世主」
「それまで楽しみつくして」「そのあとも楽しもう!」
プルネウマ
風が吹き抜ける。二人以外を置き去りにさせる。
プルネウマ
――救世主(アリス)の問いは、ここに、救世主(アリス)の証言として成り立った。
イスタ
「うん」
イスタ
うなずく。
イスタ
髪がなびく。
イスタ
もうじき、風は嵐になっていく。
イスタ
嵐が来る。
イスタ
待ちわびていた、嵐が!
第2ラウンド:イスタ シーン裏
ミムジィ
廊下を歩きながら。
ミムジィ
「プルネウマのこと怒らせちゃったよ」
スバル
「へえ」
スバル
「あれ、怒るんだ」
ミムジィ
「告白最中に邪魔されたら誰だって怒るってさ」
スバル
はあん、とどうでも良さそうな息をついた。
ミムジィ
「なんか思ったより普通だった」
スバル
かすか、小馬鹿にしたように笑う。
スバル
「普通か」
ミムジィ
「何やっても掴みどころのない感じかと思ったけど」
ミムジィ
「そうじゃないみたい」
スバル
「まあ、人には……特に救世主ってのには、誰しも」
スバル
「つついたら痛いとこがあるもんだろう」
ミムジィ
「うん」
ミムジィ
それはよく知ってる。
ミムジィ
「まだ、慣れないね」
ミムジィ
「いや……」
ミムジィ
「思ったより馴染んで、慣れないって感じ」
スバル
「……難儀なこった」
ミムジィ
『救世主』をしないのは。
スバル
「いいだろ、別に。こんなところで、もう今さらだ」
ミムジィ
「うん」
ミムジィ
「……」
ミムジィ
「私は、生きていける?」
スバル
「お前が帰ったとき、その継ぎ接ぎがどうにかなるもんなのかどうかは、おれにはわからん」
スバル
淡々と。
スバル
「でもまあ、それを差っ引けば、生きていける。お前は」
ミムジィ
「スバルってさあ」
ミムジィ
「真面目~、って言われない?」
スバル
「知らねえよ……」
ミムジィ
「あはは」
ミムジィ
「まあ」
ミムジィ
「うん」
ミムジィ
「やってみるよ」
スバル
「おれはお前といると、自分がばかになったなと思う」
ミムジィ
「一緒にいるスバルしか知らないからな~」
スバル
「そりゃそうだろう」
スバル
「まあ……仕方ないとも思うが」
スバル
「おれは結構、お前といる自分ってのが……」
スバル
言葉を切る。
ミムジィ
「何?」
スバル
「おれはもともと、自分のことなんざさほど好きじゃなかったが」
スバル
「しみじみとそう思うようになった」
ミムジィ
「ふーん」
ミムジィ
「私も自分のこと好きじゃないよ」
スバル
「だろうな……」
ミムジィ
「自分のこと好きじゃないのにさ、誰かを殺してまで生きるって不思議じゃない?」
スバル
「生きたいのと、死にたくないのは違うし」
スバル
「別にどっちが良いとも悪いとも」
ミムジィ
「まあ」
ミムジィ
「私はスバルのこと結構好きだけどね」
スバル
「そう?」
ミムジィ
「え、うん」
スバル
「……へえ……」 意外だな、というニュアンス。
ミムジィ
「ま、だからなんか頑張ろって思うよ」
スバル
「さよか」
ミムジィ
伸びをして。
ミムジィ
「結局いつも通りにやるだけだもんね」
スバル
「それ以外の小器用な真似はできねえよ、おれは」
ミムジィ
「確かに」
スバル
「やろうとしてもしょうがない」
ミムジィ
暴力、振るうぞ~。
ミムジィ
屈伸運動。
スバル
それを見下ろしながら。
スバル
「ま、そろそろだし」
スバル
「やるか」
ミムジィ
「うん」
ミムジィ
戦うよ。殺すよ。勝つよ。
何のためかはまだ曖昧でも。
ミムジィ
生きていけるかわからないけれど。
ミムジィ
いつだって選択肢は少ない。
ミムジィ
その中で、できる限りをしてきたんだ。
スバル
戦うし、勝つし、殺す。
それをお前のためだとは言わない。
スバル
おれのためだ。
スバル
いつだって選択肢は少ない。
スバル
その中で、選んだのはおれだからだ。
GM
誰もが死んだように思える場所にも、生きていたものがいる。
GM
何もかもが死んだように思えるものにも、どこか生きている場所がある。
GM
生きているから。
GM
救いを求める。
GM
救世主を求める者は、須らく救いを求めている。
GM
そしてお茶会は終わる。