Dead or AliCe『16JAcks』

お茶会-第1ラウンド

GM
行動順決定 1d99
ミムジィ
1d99 (1D99) > 17
イスタ
1d99 (1D99) > 34
スバル
1d99 (1D99) > 28
プルネウマ
1d99 (1D99) > 3
GM
*第1ラウンド行動順
イスタ>スバル>ミムジィ>プルネウマ

第1ラウンド:イスタ

イスタ
1d11 (1D11) > 8
GM
8 倉庫。 ロープや工具等、様々なものが収められている暗い倉庫。当然、様々な用途に使える。
イスタ
いくか……倉庫……
イスタ
イスタ
エレベーターを出て、その足でホテルの中を歩き回る。隣にエースを引き連れて。
イスタ
自分はジャックだというのに、それを気にしない素振りで。
イスタ
そうして辿り着いたのは……薄暗い倉庫。
イスタ
「暗っ」
イスタ
「…………あんたさあ、この中見える?」
イスタ
この末裔は夜目がきかない。
プルネウマ
「え?夜目がきくように見える?」
まあ、見ようと思えばどうこうできそうな気もするけど。
プルネウマ
「素直に懐中電灯とか探したら~?」
イスタ
「やっぱり~?」
イスタ
懐中電灯を探す夜目もきかない。
イスタ
手探りでなにかを探しはじめる。
プルネウマ
「せっかくのお茶会の時間なのにさあ」
「真っ先に来るのが倉庫って」
プルネウマ
「何探しに来たの?」
口ぶりはつまらなそうだが、こちらはこちらで隅の方にある備品をごちゃごちゃといじっている。
イスタ
「ん~……」
イスタ
「包帯とか」
イスタ
「……なんかさあ」
イスタ
「ほら、前まで結構コインあったじゃん」
イスタ
「なくなったら、傷の治りがちょーおそくて」
イスタ
「まだおなかいたい……」
プルネウマ
「あー、そう?」
特に気にしてなさそう。
プルネウマ
「私は今のほうが気楽でいいけどねえ」
プルネウマ
「…………」
プルネウマ
「気になるようだったら、私が医者のマネごとでもする?」
イスタ
「えっ」
イスタ
首をかしげる。
プルネウマ
「むかーしむかしは、医師免許持ってた時代もあるし…………」
イスタ
想像したくないな…………
プルネウマ
「流石に最新機器とかは動かせないけどねえ」
プルネウマ
「切る・縫うくらいならなんとかできるけど」
糸を結ぶような動作。
イスタ
「えっ……」
イスタ
おなかをちょっとめくる。
イスタ
「ん~~~……?」
イスタ
少なくとも血が垂れていることはないが。
イスタ
いつものように、傷がきれいに塞がっていることもなく。
イスタ
なんかぐずぐずしている。
イスタ
「縫わなくてよさそうな気もするけど」
イスタ
「どう思う?」
プルネウマ
「ん~」
部位に触れて確認する。
イスタ
「あ」
イスタ
「待っ、」
イスタ
「い、いたいいたい」
プルネウマ
「ここに詰め込んでたときにはすーぐきれいに治ったのに」
傷口をなぞる。黒手袋越しに爪をたてる。
イスタ
「…………っ」
プルネウマ
「…………」
プルネウマ
「初めてコイン入れた時よりも、多分今の枚数のほうが少ないよね?」
プルネウマ
「ってことはぁ」
プルネウマ
「これ、あんまりつっこむと死んじゃうよね」
暗くて表情が見えない。
イスタ
「…………そう、」
イスタ
「かも……」
イスタ
「……ねえ、なにしてるの、いま」
プルネウマ
「んー?」
プルネウマ
「いつもやってることをしようとしてる」
イスタ
あなたに手が伸ばされる。
イスタ
「あんまりつっこむと死んじゃうって!」
イスタ
「いまいったじゃん、っ、」
イスタ
「ねえ!」
プルネウマ
「あはは」
乾いた笑い。
プルネウマ
「ここでペア相手殺しちゃったら、どうしようね!」
「判定負けになっちゃうかなあ!」
表情は、見えない。たのしそうな、ばけものの笑い声だけが響いている。
イスタ
目の前の救世主はたのしそうに笑う。いつだって変わらずに。
イスタ
それが心地良い。
イスタ
コインを失ったいまだって、変わらずに、
イスタ
そうあってほしいなと思う。
イスタ
だから、漏れ出そうな呻き声をこらえようとする。
イスタ
*プルネウマの『風』を猟奇で舐めます。
ミムジィ
*横槍します。
ミムジィ
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 愛
ミムジィ
*ティーセット使用します。
ミムジィ
2d6+0+2=>7 判定(+愛) (2D6+0+2>=7) > 6[1,5]+0+2 > 8 > 成功
ミムジィ
1d6 (1D6) > 4
ミムジィ
*このままで
[ ミムジィ ] HP : 18 → 17
[ ミムジィ ] ティーセット : 2 → 1
イスタ
*ティーセットを使用
イスタ
2d6+3+2-4=>7 判定(+猟奇) (2D6+3+2-4>=7) > 10[6,4]+3+2-4 > 11 > 成功
[ イスタ ] ティーセット : 2 → 1
[ イスタ ] 前科 : 0 → 1
GM
*ジャックからエースへの干渉が成功したため、前科上昇
[ プルネウマ ] 風 : 0 → 1
プルネウマ
「…………」
ふと、撫でていた手を止めて。
プルネウマ
「ここ、まだ明るいね」
ぽつりとつぶやくと、隙間風が吹く。
壁にかかっていた大きな木材が崩れ、扉の隙間の光の漏れている部分を覆う。
プルネウマ
倉庫内が更に暗くなる。
プルネウマ
「これでいいかあ」
なにもよくない。
プルネウマ
「招待状あるから、気絶したら勝手に連れてくからね」
離れていた手が戻される。
プルネウマ
その後は、いつもどおり。
プルネウマ
暴き、抉り、限界まで生死を彷徨わせる。
イスタ
血の臭い。
イスタ
それを感じ取れるから、まだ生きてる。
イスタ
流れる血が倉庫に広がっていく。
イスタ
それは普通の末裔ならとっくに死んでいるような傷で、それでもまだ声をあげる。
イスタ
あの日、あなたがすべてを壊したあの日から。
イスタ
あなたのその手に、その猟奇性に、どうしようもなく惹かれているから。
イスタ
子兎は嵐の中にいる。
イスタ
あなたが満たされるまで、続く。
GM
薄暗い倉庫の中。
暗視カメラの見守る中。
GM
そこはけして光が届かない場所ではなく、けれど光を拒むように。
GM
暗く、昏く、仄暗く。
GM
そして生暖かい。
第1ラウンド:イスタ シーン裏
ミムジィ
1d12 (1D12) > 4
ミムジィ
4 展示室。 救世主や亡者を象った精巧過ぎる石像が展示されている。石像はどれも苦悶や絶望の表情を浮かべており、ここで寛ぐ事ができるならば相当に趣味が良い。
ミムジィ
「なんか適当に歩いたら展示室にきちゃったな」
スバル
「展示って言うけど、普段誰が見るんだろな」
ミムジィ
「だねえ」
ミムジィ
「これって壊してあげたほうがいいのかな?」
スバル
「良いも悪いも……」
スバル
「今壊せる?」
ミムジィ
「いけると思うよ」
105号室のホテルマン
そのような物騒な話をしていても、付き従うホテルマンに止める様子はない。
ミムジィ
「どっちなんだろうねえ、石化したあとの気持ちってさ」
ミムジィ
おもむろに石像が置かれているところに同じように立って、じっと静止してみる。
スバル
「…………」 見ている。
ミムジィ
「ま~、今はそういうこと考えないでいいか」
ミムジィ
「お茶会に集中しよう」
ミムジィ
「どう思った? あのペア」
スバル
「趣味は最悪だけど、躊躇がないのは強いな」
ミムジィ
「だよね」
ミムジィ
「お茶会から物騒な感じになっちゃうかな~」
スバル
「かもな」
スバル
「やっぱり、どっちもそういうの躊躇わないだろ」
ミムジィ
「まあそうなんだけどさ」
ミムジィ
「せっかくなら私はお話したいけどね」
スバル
「まあ、したいってのを無理に止めたりはしねえけど」
スバル
「聞いてくれるかねえ」
ミムジィ
「案外聞いてくれるんじゃない?」
スバル
「んー……」 先の様子を思い出しつつ。
スバル
「まあ、……話振った瞬間に刺しに来そうかって言ったら、そうでもないか」
ミムジィ
「そうなったらそうなったでしょ」
ミムジィ
「見えてるところから攻撃してくるほうが気が楽だよ」
スバル
「救世主のほう、マジで見えないしな」
ミムジィ
「『私の名前はプルネウマ。風の神霊。まことの愛を探すもの。お前たちを救わない、由緒正しい救世主!』」
ミムジィ
「って言ってたね」
スバル
「ん」
ミムジィ
「風とかなんとかの力を持ってるって感じなのかな」
スバル
「じゃないかね」
スバル
「空気とか風とか」
ミムジィ
「剣、当たるの? あれ」
ミムジィ
「まあ、心の疵の力だからなあ」
ミムジィ
「とりあえず、なんか呼び出してもらおっか、シンクに」
ミムジィ
「招待状じゃなくて、もっとこう、礼儀正しい感じでね」
スバル
「とりあえず、コイン持ってれば当たるんじゃねえか」
スバル
言いつつ、
スバル
「ん。どこに呼ぶ?」
ミムジィ
「お茶会もいいけど……バーとかどう?」
ミムジィ
「こう、なんか大人っぽいじゃん、バー」
スバル
「向こうの見た目完全にガキじゃねえか……」
ミムジィ
「あー」
ミムジィ
「まあ、まあまあね」
スバル
「まあいいけど」
スバル
「酒くらい飲めるだろ、多分」
スバル
この国では、酒が水より安い場所さえある。
ミムジィ
「じゃあシンクに言ってバーに来てもらうよう頼むかな」
ミムジィ
「シンク、二人にバーに来てもらうよう伝えてくれる?」
105号室のホテルマン
「…………畏まりました」
ミムジィ
「じゃ、私たちは先に行こうか」
スバル
「ん」
ミムジィ
「何飲もっかな~」
スバル
「人喰い三月産じゃなけりゃなんでもいいよ、おれは」
ミムジィ
「私あれに憧れがあるんだよ、あのシャカシャカするやつ、バーテンダーさんが」
スバル
「あれって言われてもな……」 あんまりよくわかってない。
ミムジィ
「なんかシャカシャカするんだよ、なんか……」
ミムジィ
ミムジィもよくわかっていない。堕落の国はそんなものは見たことなかったし、
ミムジィ
ここにくるまではお酒を嗜む生活ではなかった。
ミムジィ
「たのしみだね」

第1ラウンド:スバル

スバル
バーに104号室の二人を呼びます
特に招待状ではなく、シンクに言付けてもらって
105号室のホテルマン
言付けられた通り、ホテルマンが104号室を訪れ、伝える。
プルネウマ
「おや、お呼ばれ」
プルネウマ
「どうしようねえ」
イスタ
「いく?」
プルネウマ
「断る理由がないから、行こうかあ」
イスタ
「はあい」
プルネウマ
というわけで、子供がふたりバーにやってきます。とことこ。
105号室のホテルマン
「お連れしました」
GM
そうして二人が連れられた先は、暗く落ち着いた空間。
GM
シェイカーを振る黄色い瞳のバーテンダーは一言も喋らない。
ミムジィ
カウンターに座り、すでに飲んでる。
スバル
こちらも飲んでいる。
スバル
シンクとともに二人が来たのに気づいて、
スバル
「お」
ミムジィ
「あっ」
ミムジィ
軽く手を振る。
イスタ
「なにここ~」
ミムジィ
すぐに血のにおいに気づくが、表情に出さない。
イスタ
手を振り返す。
スバル
「来るもんだね」 こつ、とグラスを置き。
スバル
「座れば?」
ミムジィ
「せっかくだからお話できればなって思って」
イスタ
プルネウマを見る。
イスタ
「すわれって」
プルネウマ
「えーっ」
プルネウマ
バーの様子を興味深そうに見ながら、椅子を見る。
今は子供身長なので椅子がそのものが高い。
プルネウマ
「せっかくだから適した高さになるかあ」
プルネウマ
人差し指をくるり。
プルネウマ
「はい、これで」
あっという間に成人男性になった。
ミムジィ
「あっ、すごーい」
スバル
「へえ~」
プルネウマ
「せっかくお酒の席にお呼ばれしたんだから、こういう姿じゃないとねえ」
プルネウマ
「イスタはこういうことできないからジュースで我慢してもらうけど」
イスタ
「えーっ」
スバル
「まあ好きなもん飲めば?」
スバル
「別に……外で水ばっか飲めたわけじゃないだろ?」
ミムジィ
ミムジィはカクテルグラスに注がれた青いカクテルを飲んでいます。
ミムジィ
シロップ漬けのチェリーも入った、まるでカクテルの絵文字みたいなやつを。
スバル
こっちの前に置かれたグラスにはビア系のカクテル。
イスタ
「なにそれ!」青いカクテルを指差す。
イスタ
「すっごいいろしてる」
ミムジィ
「なんか……これなんていうの?」
ミムジィ
バーテンダーに聞く。
バーテンダー
「……こちら、クラウド・カクテルとなっております」
バーテンダー
材料はホライトラム、ピーチリキュール、ブルーキュラソー、グレープフルーツジュース……それからカルピス。
バーテンダー
このホテルのサービスは、救世主の心の疵によって供給される。
バーテンダー
”滞在者達”が知っているものなら出てくるし、知らないものは出てこない。
バーテンダー
出てきたという事は、知っている者がいるという事。
バーテンダー
そうした說明をわざわざ行うほど、このバーテンダーは饒舌ではなかったが。
ミムジィ
「だって」
ミムジィ
「なんかよくわからないけど……きれいで美味しい」
ミムジィ
「甘い」
プルネウマ
「私も頼も~」
「バーテンダーさん、ボストンクーラーちょーだい」
イスタ
むずかしいことばでよくわかんないな……
バーテンダー
そう待たせる事もなく、黄金色のカクテルが差し出される。
ミムジィ
お酒を知っていて、親しい文化の世界なんだな、と思う。
イスタ
「ん~~~……」
スバル
「適当に頼んでも出てくるぞ」
スバル
「甘いのがいいとかこの酒のがいいとか」
イスタ
「じゃあ、なんかあまいやつ」
イスタ
「あと気持ち悪くならないやつ……」
イスタ
つまりお酒は全然飲めないということ。
ミムジィ
こちらはアルコールには強くない。
ミムジィ
そういう些末な情報を自然に集める癖がついている。
プルネウマ
「甘いやつって、カルーアミルクとか?」
出されたカクテルをごくごく飲んでいる。
酔う気配がない。
バーテンダー
「……バタービールなどはどうでしょう」
イスタ
「じゃあそれで……」
バーテンダー
見た目はビールに近いものが出される。
イスタ
「えっ」
イスタ
「これあれじゃん!」
イスタ
「にがいやつ……じゃん!」
イスタ
言いながらひとくちのんだ。
イスタ
「…………???」
イスタ
「なにこれ?」
ミムジィ
「あっまいにおいする」
ミムジィ
「あとで頼もっと」
イスタ
「なんかぁ……みためと……味が……ぜんぜんちがう……」
スバル
「へえ……」
スバル
「まあ匂いがもう甘いもんな」 甘いものはさほどの男。
スバル
「お前酒飲めないの?」
イスタ
「え」
イスタ
「……そんなことないけど!?」
スバル
「ふうん」
スバル
イスタの言う「にがいやつ」を飲んでいる。
ミムジィ
クラウド・カクテルを飲み干した後、「私もバタービール!」と頼む。
ミムジィ
「……これお酒じゃなくない?」
スバル
「まあ……だろうな……」
ミムジィ
「甘くて美味しい」
ミムジィ
「これだけで3日は持ちそう」
ミムジィ
カロリーが。
イスタ
ふつうに飲んでる。
イスタ
「えっ」
スバル
「えっ」
スバル
「酒じゃないのもわからない……?」
ミムジィ
「人喰い三月よりアルコールの味がしない」
プルネウマ
アルコールだと勘違いしている様子に笑っている。
イスタ
プルネウマをべしべしたたく。
ミムジィ
「しょっぱいもの食べたくなってきたな……」
イスタ
「あんたも同じの飲んでんじゃん!」スバルのグラスをゆびさす。
スバル
「飲む?」
ミムジィ
なんかおつまみを出してもらいます。その横で。
イスタ
「? のむけど!?」
バーテンダー
生ハムとチーズを良い感じにしたものが出されている……
ミムジィ
良い感じにしたもの、うま~!
プルネウマ
「バーテンダーさぁん、次エル・ディアブロおねがーい」
こっちはこっちでそっちのけで酒を楽しんでいる。
バーテンダー
真っ赤なカクテルが提供されている……
ミムジィ
「なんかすごいの飲んでる」
スバル
「どーぞ」
スバル
同じのを頼んでも騙したとかうるさそうなので、そのままグラスをスライドした。
イスタ
グラスをもってひとくち飲む。
イスタ
「うわっ」
イスタ
「にが」
イスタ
そっとグラスをかえす。
ミムジィ
「あはは、無理しないほうがいいよ」
イスタ
「………………」
スバル
「何その顔」
イスタ
「べつに???」
スバル
「美味い?」
イスタ
「…………………………」
スバル
*イスタの『ひねくれもの』を才覚で抉ります。
プルネウマ
*横槍をします
プルネウマ
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 才覚
プルネウマ
ティーセットは使用しません。
プルネウマ
2d6+0=>7 判定(+才覚) (2D6+0>=7) > 9[3,6]+0 > 9 > 成功
プルネウマ
1d6 (1D6) > 1
プルネウマ
ヤリイカは使用しません。
[ プルネウマ ] HP : 18 → 17
スバル
2d6+3-1=>7 判定(+才覚) (2D6+3-1>=7) > 4[1,3]+3-1 > 6 > 失敗
スバル
*『巡り逢い』を逆転して1を6に。成功させます。
[ スバル ] 巡り逢い : 0 → -1
[ イスタ ] ひねくれもの : 0 → -1
スバル
「…………じゃあ甘い酒にしたら?」
イスタ
「…………」
イスタ
「やだ」
イスタ
バーテンダーをよぶ。
イスタ
「いちばん強いやつちょうだい」
プルネウマ
「あーっ……………………」
呆れ顔。
ミムジィ
「えっ」
スバル
「あー……」
バーテンダー
「畏まりました。こちらスピリタスになります」
ミムジィ
「ちょっと、やめたほうが」
スバル
「馬鹿」
プルネウマ
「…………」
面倒なことになる前に帰らせようかなあと思ったけど。
プルネウマ
「…………」
これはこれでおもしろいからいいっか!
イスタ
大きく、ひとくち。口に含んで。
イスタ
「っ、」
イスタ
大きく咳き込んで、倒れる。
スバル
「うわ」
イスタ
「――、…………っ、」
スバル
「あーあー」
プルネウマ
今口の中にマッチ突っ込んだら更に面白くなりそうだな~と思っている。
イスタ
喉が、口が、焼けるように痛い。痛い。
ミムジィ
「バーテンダーさん、お水!」
イスタ
首をかきむしって、地面に転がる。
バーテンダー
チェイサーが差し出される。
ミムジィ
しゃがんで、チェイサーを飲ませようとする。
ミムジィ
「ほら、お水飲みな」
イスタ
振り払う。
ミムジィ
バーの床にグラスが滑るように転がる。
スバル
「飲んどけ。酒でも人って死ぬぞ」
イスタ
焼けるように熱くて、本当は水がほしくて、けれどそれを言うことはない。
イスタ
言えない。
ミムジィ
もう一つもらって、今度は強引に飲ませる。
イスタ
口に水が入る、それと同時に、突き飛ばす。
イスタ
水が溢れて顔にかかる。
ミムジィ
「……っ!」
スバル
「ミムジィ、」
ミムジィ
突き飛ばされる。6ペンスコイン、猟奇の力。
スバル
ミムジィ
バースツールを巻き添えでいくつも倒す。
イスタ
あなたを拒むように、手が伸ばされる。
イスタ
あなたがただけではなく。
イスタ
すべてを。
イスタ
なにもかもを拒んで、ひとりでうずくまる。
スバル
ミムジィを引き起こして、イスタのそのさまを見る。
プルネウマ
「あははは!」
その光景を見て笑っている。
「それに優しく手を差し伸べるのはあんまりいい方法じゃないよ」
ミムジィ
「いてて……」
スバル
「大丈夫か」
イスタ
来るな、と。言おうとする喉が焼けている。
ミムジィ
「これくらいは」
イスタ
友好的に接してくる、普通の会話をする、その理由がわからない。
イスタ
わからないまま、誘いに乗る。
イスタ
この子兎には猟奇性しかない。
イスタ
言葉に隠されたものが、普通の会話が、
イスタ
あるいはそうではない、疵を抉る行為が。
イスタ
わからないまま、ここにいる。
イスタ
嫌だ、いやだ、なんてことない会話も、差し出される水も、なにもかも、ぜんぶいやだ!
スバル
「……こりゃ、おれが煽ったことになるのかね」
ミムジィ
「それより……」
ミムジィ
「どうしてるんですか、こういうとき」
ミムジィ
プルネウマに尋ねる。
プルネウマ
「どうって?」
「『こう』だけど?」
プルネウマ
「こういうのを見て、笑って、放置して、収まって、それの繰り返しだね」
ミムジィ
剣に手を伸ばす。
イスタ
ちいさな末裔の手が持ち上がって、
イスタ
椅子を掴んでミムジィに投げる。
スバル
ミムジィを引っ張り寄せる。通り過ぎたスツールでカウンターの奥の酒瓶が割れる。
スバル
「お前、気をつけろ」
ミムジィ
手繰り寄せられる。
スバル
そうして腕の中に置いてから、こちらもプルネウマを見る。
スバル
「これ」
スバル
「置いていっていいの?」
プルネウマ
「頼めば持って帰ってくれるの?」
スバル
「いや、面倒くさい」
ミムジィ
「……」
スバル
「ミムジィ」
ミムジィ
「何」
スバル
「行こう。また話がしたいなら、落ち着くのを少し待ってにしろ」
ミムジィ
「……うん」
スバル
「悪いな。ろくに話させてやれなくて」
ミムジィ
「別に誰も悪くないよ」
ミムジィ
「次はご飯かお茶がいいね」
スバル
「……だとさ。また呼ぶかも」
ミムジィ
「ごめんね、イスタ」
プルネウマ
「あら、そう」
「いつでもお待ちしてるよ」
スバル
「それは重畳」
スバル
「じゃ、また」
スバル
イスタを一瞥して、ミムジィとともに去っていく。
ミムジィ
去る。
GM
そうして、荒れたバーが取り残される。
GM
笑う者と、笑わない者。
GM
笑う事のなかった者と、笑う事のできなかった者。
GM
生きていて、一度も知る事のなかった味。
GM
ふとしたきっかけで口に入り込み、反射的に吐き出してしまう味。
GM
不思議なもので。
GM
飲みもせずに零した酒は、外側のものとして扱われても。
GM
一度含んで吐き出されたものは、それの中身として扱われる。
GM
床に広がる汚物の中に、人格が見いだされる事なぞあるのかどうか。
GM
その答えに興味など、ある者がいるのかどうか。
GM
GM
*一日目終了*
GM
*二日目開始*

第2ラウンド:ミムジィ

ミムジィ
バーからしばらくした後。
ミムジィ
104号室のドアをノックする音。
ミムジィ
「失礼しまーす」
ミムジィ
「いますかー?」
イスタ
てててーっと走って開ける。
イスタ
「わ」
イスタ
「いるよ」
ミムジィ
「プルネウマいるかな。あ、イスタもいていいんだけれど」
ミムジィ
「お話したいなーって思ってきたんだけど」
イスタ
さっきできなかったもんな~。
スバル
ちなみにミムジィの後ろで黙って立ってます。
イスタ
振り返る。
プルネウマ
「いるよー」
「いるいる」
ミムジィ
「あ、どうもどうも」
プルネウマ
「話をするのも全く問題ない」
「ここでする?」
ミムジィ
「んー、せっかくだから違う部屋がいいかな。ほら客室、ずーっといたでしょ」
ミムジィ
「せっかくだから色んなところ使ってみたいと思わない?」
プルネウマ
「いいねえ!」
「イスタも一緒に行こうよ」
イスタ
「いく」
ミムジィ
「やった。じゃあミュージックルームにしよ」
ミムジィ
「頼んだらホテルマンさんが楽器弾いてくれるし」
ミムジィ
「お茶とかお菓子とかも持ってきてもらおう」
プルネウマ
「音楽つきのお茶会!優雅だねえ」
にこにこと笑っている。
ミムジィ
というわけでミュージックルームへ行こう!
GM
5 ミュージックルーム。 様々な楽器の中で、大きなグランドピアノが目を引いている。蓄音機を動かせば上質な音楽も楽しめ、足りないのは上質な聞き手だけ。
105号室のホテルマン
要望を受け、ホテルマンがピアノの前に着席している。
105号室のホテルマン
勿論、ミュージックルーム内部には既にお茶菓子の用意は万全に。
ミムジィ
茶会同盟のみんな、みてる~?
ミムジィ
「というわけで」
ミムジィ
「また改めて席についていただきありがとうございます」
プルネウマ
「わ~~~~」
ぱちぱちと拍手。
イスタ
音が出てるな~。
ミムジィ
お茶をたしなみつつ。
ミムジィ
「さーてと」
ミムジィ
「ストレートに言って……私は……プルネウマのことが……すごく気に食わない!」
プルネウマ
「あはは!」
笑っている。
ミムジィ
「けど、同時にすごく興味もある」
プルネウマ
「それはそれは、どうも」
「無関心でいられるよりよっぽどいい」
ミムジィ
「よかった」
ミムジィ
「まあ、救世主っていうのはさ」
ミムジィ
「結局裁判して、殺し合うわけで……」
ミムジィ
「このお茶会っていうのもそうで」
ミムジィ
「互いの疵に触れたり触れなかったりするわけで……」
イスタ
「…………」
ミムジィ
「別に仲良しになろうってわけじゃない」
プルネウマ
「そうだねえ」
「いくら仲良くなっても、残るのは片方だけだ」
ミムジィ
「うん」
ミムジィ
「で、提案なんだけれど……」
ミムジィ
「お互い質問されたことに、偽りなく答える」
ミムジィ
「そんなふうに質問し合うと、面白いんじゃないかな?」
プルネウマ
「おや」
「なかなかぶっ飛んだ事を言うね」
プルネウマ
「私たちが本音を言うメリットは全然ないよ」
「冗談ならいくらでも付き合うけど」
プルネウマ
「それに、あれに本音を言わせるのは骨が折れると思うなあ~」
イスタを指差す。
ミムジィ
「プルネウマと私だけでいいよ」
ミムジィ
「それに、まあ、結局嘘を嘘って見抜けないからね」
ミムジィ
「メリットもまあ、ないけどね」
ミムジィ
「ほんの遊びだと思ってくれればいいよ」
プルネウマ
「ふーむ」
プルネウマ
「ならいいよ」
「遊びに付き合おう」
イスタ
「あそび???」
ミムジィ
「やったー、ありがとう!」
ミムジィ
「じゃあ気軽な質問からしよっかな。招待状は赤? 白?」
ミムジィ
スコーンをちぎり、ジャムを塗りながら。
プルネウマ
「白。」
「それも、奪い取った招待状だ」
紅茶を飲みながら。
ミムジィ
「へえー! ちなみに私は赤」
イスタ
横をちらりと見て、カップをてきとうに持って紅茶を飲む。マナーとかぐちゃぐちゃ。
ミムジィ
「じゃあ次はそっち……あ、興味ないならいいよ? こっちからどんどん聞くから」
プルネウマ
「質問されることもすることも、慣れてるから構わないよ」
プルネウマ
「質問は……そうだねえ」
「君って『人間』?」
ミムジィ
「うーん、まだギリギリ人間じゃないかな?」
プルネウマ
「ギリギリ、ねえ」
「昔はもっと人間だった?」
ミムジィ
「堕落の国に来てからだよ。死ぬとね、なんか運良く命を落とさないで部分的に亡者化するだけで済むんだってさ」
ミムジィ
「あとはまあ、心の疵が深く抉れすぎたときとかに、こうなる」
イスタ
あっ、うさぎの先祖とかじゃなかったんだ……
ミムジィ
「自覚がある限りで、4回」
プルネウマ
「へえ」
「……テセウスの船の話をしてもいいけど、無駄に長くなりそうだから、交代しようか」
「今度はそっちが質問していいよ」
ミムジィ
「おっけー。じゃあ、奪ってでも招待状ほしかったんなら、やっぱり、帰りたいの? 元の世界に?」
イスタ
「…………」
プルネウマ
「…………」
しばしの沈黙があり。
プルネウマ
「帰りたいか否かで言えば、帰りたいね」
ミムジィ
もう少し話を促すように、お茶を飲む。
プルネウマ
「単に帰れれば万々歳ってことでもないから」
「帰れるならなんでもいい、ってことでもない」
ミムジィ
「へぇ~、色々あるんだ」
ミムジィ
「その話、もっと聞いてもいい?」
プルネウマ
「いいよぉ」
「でも、聞きたいなら、言葉で引き出してごらん」
「私は絵本じゃないから、ページをめくるだけじゃ読めないよ」
ミムジィ
「ははぁ~」
ミムジィ
「でも、まだ難しいな……。まだプルネウマのこと全然知らないから」
ミムジィ
「それじゃ、そのときってときがきたら、もっと頑張ってみよう」
プルネウマ
「じゃあ頑張って~」
お茶を自分で注いで飲む。
プルネウマ
「私の中に眠る数千年分のことを、君がこのお茶会中にいくら紐解けるか、見ものだね」
ミムジィ
「数千年!?」
ミムジィ
素直に驚く。
プルネウマ
「さあ、他に質問は~?」
「交互にやってるとたぶん、私に有利すぎるんだよね、これ」
「次の手番もどうぞ、お嬢さん」
ミムジィ
「おっ、太っ腹~やったね」
ミムジィ
「じゃあ、そうだな~」
ミムジィ
「まことの愛を探すもの、ってどういうこと?」
ミムジィ
入場のときに言ってたよね。
プルネウマ
「言葉の通りだよ」
プルネウマ
「補足としては、そうだねえ」
「まことの愛は、私を人間にしてくれるものだ」
「そして、私が見つけようとして、探し続けているものでもある」
プルネウマ
「今もずっと、探し続けている」
ミムジィ
「ああ~、そっか」
ミムジィ
「だからイスタは特別なんだね」
イスタ
「……え?」
プルネウマ
「おや」
「どうしてその解答にたどり着いたのか、知りたいなあ」
ミムジィ
「末裔を殺すのに躊躇がないタイプの救世主だと思うんだけれど」
ミムジィ
「それでも横に置いてるって」
ミムジィ
「なんかそういう、愛とかを期待してるんじゃないかなって勝手に思ったんだけど」
ミムジィ
「……違った?」
プルネウマ
「う~~~~~ん」
「これは、答えにくいね」
「なにせ『はい』とも『いいえ』とも言いにくい」
プルネウマ
「記述式なら点数はあげてもいいけど、○×問題だったら不正解」
プルネウマ
「100点満点なら、25点くらいあってる」
ミムジィ
「25点か~~~」
ミムジィ
「でもまあ、そっか」
ミムジィ
「そうだったら別に、帰る必要ないもんね」
ミムジィ
踏みとどまる風はない。
ミムジィ
嵐の中にあろうとも、風は通り過ぎ、今は終わる。
ミムジィ
楽しいときは終わる。
ミムジィ
そしてイスタはプルネウマと、本当のきもちで会話することもできない。
ミムジィ
*イスタの『退屈嫌い』を抉ります。猟奇で。
プルネウマ
*横槍をします
プルネウマ
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 猟奇
プルネウマ
素で振ります
プルネウマ
2d6+3=>7 判定(+猟奇) (2D6+3>=7) > 5[4,1]+3 > 8 > 成功
プルネウマ
1d6 (1D6) > 2
プルネウマ
ヤリイカは使用しません。
[ プルネウマ ] HP : 17 → 16
ミムジィ
*ティーセット使います
ミムジィ
2d6+3=>7 判定(+猟奇) (2D6+3>=7) > 5[1,4]+3 > 8 > 成功
ミムジィ
*ペナルティは相殺してます
[ ミムジィ ] ティーセット : 1 → 0
[ イスタ ] 退屈嫌い : 0 → -1
プルネウマ
無言で紅茶を飲む。
表情は笑顔のまま、相手に向け。
視線は末裔には向けられていない。
イスタ
「………………」
ミムジィ
笑顔で歓談する。興味を傾ける。
相手の心の奥深くに踏み入ろうとする。
それが殺し合いの、猟奇の営みであっても。
ミムジィ
「やーっぱりプルネウマは気に食わないけど!」
ミムジィ
「話してみると面白いね!」
プルネウマ
「そーお?」
「まあ、面白がらない人間のほうが珍しいけどね」
微笑む。
プルネウマ
「私はこのままずっと、質問返しによる話し合いでもいいなあ」
「おしゃべりはとっても好きだから」
プルネウマ
「でも」
「話を楽しめるのは、話ができるものだけだ」
プルネウマ
「ねえ、イスタ」
ミムジィ
「あー」
ミムジィ
「退屈させちゃったかな」
イスタ
「…………」
イスタ
立ち上がる。
ミムジィ
カップを置く。
イスタ
椅子が倒れて、食器がガシャンと音を立てた。
イスタ
手を振り上げて、
イスタ
プルネウマを突き飛ばす。
ミムジィ
「!」
プルネウマ
「おっ、と!」
椅子から転げ落ちる。
イスタ
馬乗りになる。
イスタ
そのまま蹴りをいれる。
プルネウマ
「、」
そのまま蹴られる。
ミムジィ
止めない。
プルネウマ
傍から見れば、子供同士の喧嘩だが、コインのあるもの同士の暴力が、それで終わるわけがない。
イスタ
数発、暴力が振るわれ。
イスタ
「帰るよ」
イスタ
首根っこをつかむ。
プルネウマ
「…………あはは」
心底楽しそうな笑い声。
イスタ
「……おなかいたい」
イスタ
「のども」
イスタ
そんな言葉がかけたいわけじゃなくて。
イスタ
ほんとうのことから、どんどん遠ざかっていく。
プルネウマ
「かえろうねえ」
のんびり言う様子は、末裔の心境など知らず。
ミムジィ
下ろしたカップを再びとり、啜る。
プルネウマ
「見苦しいものを見せてごめんね」
去り際に手を振る。
ミムジィ
お茶はもう冷めている。
ミムジィ
「ううん。お喋り楽しかったな。ありがとうございました」
ミムジィ
そのまま、スバルと二人でしばらくのお茶会を楽しむ。
GM
お茶会が続けば、ホテルマン達の演奏もしばらく続く。
GM
ピアノソロからいつの間にか人も増え、バンドの演奏になっていたミュージックルームの中で。
GM
穏やかな時間がもう暫し。
GM
その空気の中に棲む事のできない者を置き去りにして、もう暫し、続いた。
GM
*

第1ラウンド:プルネウマ

プルネウマ
1d11 (1D11) > 7
GM
7 チャペル。 こんな場所で式を挙げる者がいるかはさておき、結婚式を行う事だってできる立派なもの。
プルネウマ
「はいこれ」
ホテルマンに招待状を渡す。書かれているのは二名の名前。ミムジィとスバル。
104号室のホテルマン
「……ええ、ええ。承りました」
プルネウマ
「ありがとう~便利だねえ、これ」
そのままチャペルで一人、待っている。
GM
程なく、招待状が効力を発揮する。
GM
先程までどこに居たとしても関係なく、目を開けば白い空間。
わざとらしいくらいの清潔さ。白いお仕着せで踏み入れば、誰だって純真無垢になれる素敵な空間。
ミムジィ
視界が切り替わるや否や。
ミムジィ
剣を抜く。
スバル
同じく。
ミムジィ
ミムジィは普段から警戒を解くことが”できない”。
ミムジィ
眠っていても些細な音で目を覚まし、暗闇ならば剣を抜く。
スバル
そのミムジィと共にいるようになって、スバルにもそうした習慣が身についた。
ミムジィ
剣を握り締めたまま、周囲の様子を探る。
プルネウマ
「おーっと」
「ちょっと、ちょっと、警戒しすぎじゃない?」
プルネウマ
チャペルの奥に、『男』が立っている。
ミムジィ
目よりも先に耳がそちらへ向く。
ミムジィ
「つい、癖でね」
スバル
「…………」
ミムジィ
「とっさに抜く癖がついてて」
ミムジィ
「そのせいでまー、トラブルによくなる」
ミムジィ
「宿屋の子を怖がらせちゃったりさ~」
ミムジィ
そういいながら、まだ剣をしまっていない。
プルネウマ
「いいやあ、別に。そこまで悪い印象はないよ」
「この世界にいるなら、警戒しすぎの方が生きながらえやすいだろう」
ミムジィ
バーや茶会に招待状を使わなかったのも、その裏返しだ。
ミムジィ
「それで、なんだろ。おしゃべりの続きかな」
プルネウマ
「うん、まあ、そんなとこ」
プルネウマ
「さっきはイスタが悪かったね」
「穏便に終わらせることができなくて」
プルネウマ
「せっかくのお茶を不味くさせてしまった」
ミムジィ
続く会話にようやく剣を収める。それでもフランジに触れるのはやめられない。
ミムジィ
「いや、大丈夫。気にしてないよ」
ミムジィ
「穏便に終わるお茶会のほうが、少ないからねぇ」
プルネウマ
「そうだね」
「最後には殺し合うわけだから」
プルネウマ
「私は不穏なお茶会も好きだけど」
「さっきみたいに、丁寧なもてなしをされて話をするのも勿論好きだ」
プルネウマ
「イスタといると、ああいったお茶会に巡り合うのは珍しくてねえ」
「本当に本当に嬉しかったんだよ」
ミムジィ
「それはよかったな」
プルネウマ
「それだけに、心底残念だったんだ」
「だから、さっきのお詫びに……」
プルネウマ
「私の目的を教えてあげよう」
プルネウマ
「帰りたい理由の、詳細を」
ミムジィ
「へえ……」
ミムジィ
「それは嬉しいな。気になるよ」
プルネウマ
「話させてくれそうでよかった」
プルネウマ
「改めて説明すると」
「私は元の世界に帰りたいけど、単に帰ってもだめなんだ」
プルネウマ
「なぜなら、帰ったところで、私が求めるものがなんにもないから」
プルネウマ
「もう、元の世界(あっち)では、人間が滅んでるんだ」
ミムジィ
「人間が滅んでる」
プルネウマ
「私は人間が好きで」
「人間になりたくて、まことの愛なんてものを探しているのに」
プルネウマ
「堕落の国にいると、どんどん人間から離れていくし」
「元の世界に行っても、人間がいないし」
「要するに、八方塞がりなんだよね、今の私」
プルネウマ
「で、このゲームだ」
ミムジィ
「うん」
プルネウマ
「勝ったペアの末裔は救世主になれる、そうだね」
ミムジィ
「そう聞いてる」
ミムジィ
「そのものなのか、救世主の力を得た末裔なのか……はわからないけど」
プルネウマ
「うんうん」
プルネウマ
「で、ここの救世主(アリス)ってやつは、異界からやってきて、堕落の国を救ってくれるやつなんだろう?」
プルネウマ
「だから、その逆をしようと思って」
ミムジィ
「逆、っていうと」
ミムジィ
「どこが逆?」
プルネウマ
「堕落の国じゃなく」
「元の世界を救ってもらうんだ」
ミムジィ
「なるほどね」
プルネウマ
「人間が滅んだ世界を、私が望んだ救世主に救ってもらう」
プルネウマ
「やれるかどうかはともかく、試してみる価値はあると思わない?」
ミムジィ
「そうだね」
ミムジィ
「試してみる価値はあると……思う」
ミムジィ
「プルネウマの世界の状況を、知らないけれど」
ミムジィ
「私はすごく、いいと思う」
ミムジィ
「それを、イスタに?」
プルネウマ
「言ってないけどね」
プルネウマ
「でも、私はあれが一番ふさわしいと思っている」
ミムジィ
「……」
ミムジィ
「それで」
ミムジィ
「人間が滅んだ世界」
ミムジィ
「どうやって救うの?」
プルネウマ
「あはは」
「救世主は、まずそこを聞く」
プルネウマ
「どうやって?の問いをする」
「救世主(アリス)はとっても聞きたがりだ」
ミムジィ
「まあ、私がやるってなら地道に模索しますけどぉ」
ミムジィ
「そうじゃないからね」
プルネウマ
「そうだね」
「君に頼んでるわけじゃない」
ミムジィ
「それが叶う頃には私は石だか死体だしね!」
プルネウマ
「いやあ。いやいや」
「もっと根本的なところの『そうじゃない』なんだよ」
ミムジィ
「ふーん……?」
プルネウマ
「私が望んでいるのは望んだ夢につれてってくれる存在(アリス)じゃなくて、もっともっと暴力的なもの」
「誰にも考えが及ばないような、語るだけで死者が出るような存在(メシア)なんだよ」
ミムジィ
考えが及ばない。
プルネウマ
「だから、改めて、念押ししたくてね」
「君じゃない、ってことを」
ミムジィ
言葉を繰り返したのではなく、何を言っているのかわからない。
プルネウマ
「そして、提案もしておこう」
「どうか、降参してくれない?」
「そしたら、楽ぅに処理してあげるから」
プルネウマ
「ねえ、アリス(少女)」
「私は、私の救世主じゃない君に、苦しい思いをさせたくないよ」
ミムジィ
「……」
ミムジィ
「楽とか、苦しいとかは……、どうでもいい」
ミムジィ
「その、どうして、イスタなの?」
ミムジィ
「本当に、イスタなら、救える?」
プルネウマ
その質問には答えず、ミムジィに近づく。
ミムジィ
剣に触れた手は、動かない。
プルネウマ
*ミムジィの疵 救世主を抉ります 猟奇で
スバル
*横槍。
スバル
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 才覚
スバル
2d6+3=>7 判定(+才覚) (2D6+3>=7) > 9[5,4]+3 > 12 > 成功
スバル
1d6 効果量 (1D6) > 2
[ スバル ] HP : 15 → 14
プルネウマ
ティーセットは使いません。
プルネウマ
2d6+3-2=>7 判定(+猟奇) (2D6+3-2>=7) > 6[5,1]+3-2 > 7 > 成功
[ ミムジィ ] 救世主 : 0 → -1
スバル
すとん、と。抜かれたままだった短剣の先が間に入る。
スバル
半ば溜息をつくようにして一歩。
スバル
「……お前、」
スバル
「語るだけで死者が出るようなメシアとやらに、ミムジィを望まないなら」
スバル
「放っておけよ。欲しがらないくせに要求がでかいんだよ」
プルネウマ
言葉は無視して、距離は近づき。
プルネウマ
瞬間、姿が消える。
スバル
「っ、」
ミムジィ
そのまま立っている。
プルネウマ
数秒間が空いて、男が出現する。
プルネウマ
ミムジィに密着した体勢で。
プルネウマ
その右手は、彼女の右手に添えて。
もう片方は頬に。
プルネウマ
「君はかわいい女の子のまま、死んでいくのが一番いいと思う」
ミムジィ
触れる右手に体温はない。
ミムジィ
求められないということに、疵はない。
ミムジィ
世界を救えないということにも。
ミムジィ
同時に――勝つ動機もミムジィにはない。
ミムジィ
もとよりこの戦いの果てに、救われる世界はない。
ミムジィ
大義はない。
ミムジィ
ミムジィにとっての『救世主』は連綿と積み重なった祝福と呪縛。
ミムジィ
プルネウマの言葉がその縄に切れ込みを入れる。
ミムジィ
「なにそれ」
ミムジィ
「かわいい女の子じゃないでしょ」
ミムジィ
笑う。
ミムジィ
『死んでいくのが一番いいと思う』。
ミムジィ
その言葉を拒まない。
プルネウマ
「かわいいし、女の子だよ」
「心が女の子じゃない、とかだったら謝るけど」
穏やかな声。そよ風の声。
プルネウマ
「殺し合いなんかより、お茶会の方が似合ってる」
ミムジィ
「――そういうのは、いいんだよ」
ミムジィ
それはもう殺した過去だ。
ミムジィ
私は救世主でしかない。
ミムジィ
それ以上でもそれ以下でもない。
ミムジィ
後ろに飛び退く。
ミムジィ
剣を抜く。
ミムジィ
「私は、救世主だよ」
ミムジィ
「そうあること以外に、何も求めない」
ミムジィ
「楽じゃなくても苦しくてもいい」
ミムジィ
「殺すなら、容赦なくそうすればいい」
プルネウマ
「そっか」
「ま、油を注がれた者も、それを自称する者も、いろいろいるからね」
「わかりあえなくても、それは結構」
茶化すような台詞。
プルネウマ
「私の意思も、君の意思も変わりゃしないさ」
ミムジィ
抜いた剣は振るわれない。
ミムジィ
「……話が聞けて、よかったよ」
プルネウマ
静かに微笑んでいる。
ミムジィ
――『あまねくすべての者は死ぬべきだ』
ミムジィ
耳について離れない言葉が繰り返される。
ミムジィ
腕にまとわりついた冷気が、這い上がる感覚がある。
スバル
聞かせるように、深い溜息。
スバル
「変わらんとわかっていて、よくやるよ」
スバル
「……ミムジィ」
ミムジィ
「なに」
スバル
「剣しまっとけ。今お前がやりあっても仕方ない」
ミムジィ
「うん」
ミムジィ
その言葉のとおりに、剣をしまう。
スバル
言いながら、ミムジィのほうへと歩を進め。
スバル
「まあ、おれは」
スバル
「結構、苛ついてるけど」
スバル
プルネウマの傍らをすり抜けざまに、言い残す。
スバル
「戻るか」
スバル
その後は、もう普通の声色。
ミムジィ
「うん」
スバル
そして、しまっとけ、と言った一方で。
自分は、最後まで短剣を抜いたままだった。
GM
チャペルに掲げられているのは、どこかのシンボル。
GM
そこに救世主を見出すものは、もはやこの世界にはいないもの。
GM
ただ救世主という言葉だけは、確かにそこから発されたもの。
GM
求心力を失った偶像は、その信仰対象をバラ撒いて。
GM
曇天を見上げる事のなくなった住人達は。
GM
その足元を這う者達に救いを見出し始めた。
第1ラウンド:プルネウマ シーン裏
イスタ
胴に巻かれた紐を噛みちぎる。
イスタ
あとは後ろ手に縛られた腕の紐だけ。でも、これはひとりではどうしようもない。
イスタ
退屈だ。
イスタ
口を塞がれてないから、ホテルマンを呼ぶことはできるけど。
イスタ
……満たされない。
イスタ
それでは。
イスタ
あらしのなかにいる。
イスタ
すべてを壊すときを、待っている。
イスタ
つまらない、つまらない。
イスタ
この瞳には血以外の色がうつらない。
イスタ
だから、はやく、災厄を。
イスタ
お茶会なんかよりずっと楽しいことを、
イスタ
すべてを吹き飛ばして、ぜんぶめちゃくちゃにしてしまうような、とっておきを!
イスタ
狂った兎にふさわしい、狂ったあそびを!
イスタ
背負う想いも、相対する願いも、この末裔はなんにもしらない。
イスタ
ただ災厄を願い、災厄と化す。それだけ。
イスタ
104号室のホテルマン
「……おやぁ」
104号室のホテルマン
微睡みから目覚めれば、縄は半ば噛みちぎられており、さりとて抜け出していることもなく。
104号室のホテルマン
エースからの言いつけどおり、手を貸すような事もなく。ホテルマンとしての領分の通り、声をかけるような事も無く。
104号室のホテルマン
渦巻いているのを眺め、いつものように。
104号室のホテルマン
その内心でだけ、ただ祈っていた。