Dead or AliCe『16JAcks』

お茶会-第1ラウンド

GM
*お茶会第1ラウンド
GM
行動順の決定 1d99
スペードの56
1d99 (1D99) > 20
イスタ
1d99  (1D99) > 36
イカロス
1D99 (1D99) > 25
プルネウマ
1d99 お茶会手番 (1D99) > 7
GM
イスタ>イカロス>スペードの56>プルネウマ

第1ラウンド:イスタ

GM
10 大広間。 或いは宴会場。どんなパーティだって開ける広い空間は孤独を感じるにはうってつけ。
イスタ
招待状には、対戦相手の二人の名前。
イスタ
それをホテルマンに渡す。
イスタ
暴風の中、麦藁がなびく。
イスタ
大広間の広い空間に、風が渦を巻いて吹いている。
プルネウマ
三月兎の末裔の傍らには、救世主が立っている。
スペードの56
では、招待状に応じて現れます。
スペードの56
(引き離された……わけではないか)軽く様子だけ伺います
イカロス
こちらも同時に現れる。
イカロス
呼び出しにも慣れたものだ、周囲の様子をすばやく確認し。
イスタ
状況を確認したあなたがたは、まず最初に聞く。
イスタ
――マッチの擦れる音。
イスタ
そうして。
イスタ
イカロスの視界には、蒼空。
イスタ
それと、末裔の隣にいた、あらしの救世主。
イスタ
末裔ふたりの姿はどこにもない。
イスタ
――歓声がきこえる。
プルネウマ
「さて」
プルネウマ
「歓声の中お茶会ってのも乙だけど」
プルネウマ
「どうするかい?」
すっ、と姿が消え。
プルネウマ
「このまま歓声に抱かれて夢見心地で寝るもよし!」
ハリネズミの姿。
プルネウマ
「偽りの戦いで闘志を燃やすのも全然ありだぜ」
魔法少女のような姿。
プルネウマ
「ああ、マジでお茶会するっていうなら用意はするよ」
「なんなら、部屋だって用意してもいい」
プルネウマ
「あ~でも、即キルだけはよろしくないかな」
「時間稼ぎを頼まれてるもんでね」
イカロス
瞳が追う。蒼空を、その中に佇む救世主を。
末裔の姿はー無い。
イカロス
「猿真似か。その手はもう見飽きてる。」
イカロス
「時間稼ぎにわざわざ乗るほど、私は悠長な性格でも無いものでね。」
イカロス
一歩、間合いが近づく。
プルネウマ
「これを猿真似っていっちゃ猿に失礼だよ」
「真似じゃなくて、『風』だからね」
「それっぽいだけさ」
プルネウマ
「いやあしかし、時間稼ぎには乗ってくれないと困るね」
「いくら相手のエース様と言えど!」
プルネウマ
空気を裂く音。
プルネウマ
それは空のはるか上方から――
プルネウマ
そして、足元を狙うように這い上がってくる。
プルネウマ
バッタを模した様な姿のそれが、上方から急降下し、イカロスの体を後ろから拘束しようと突撃し。
プルネウマ
獣の姿のそれが、その足を砕かんと下方に鎌を振るう!
イカロス
ぐるりと、無機質な動きで瞳が動く。
天から、地から己を狙う災厄。
イカロス
地を蹴る。鎌の軌跡から逃れるように大きく後方に体を逸らし、回転。
イカロス
地についた手を支点に、両の脚先が弧を描く。拘束を跳ねのける動き。
イカロス
「ジャックならジャックらしく。」
イカロス
「さっさと道を開けろ。」
イスタ
どこからか、歓声が上がる。
イスタ
あなたを讃え、歓喜する声。
プルネウマ
勝手に爆ぜたとかしか思えない派手な血しぶき。
まるで映画。
プルネウマ
「容赦なさすぎでしょお」
「それともなに?そんなにそっちのジャックと離れ離れになるのが辛いとか?」
プルネウマ
「ま、ここまでは想定内としてえ、もう少し時間を取らせてくれよ」
「なあ、『一度も相手を殺さなかった、優しい優しい王者様』!」
プルネウマ
2人のそれっぽいなにかでだめなら、次に何をやるかなんて決まってる。
プルネウマ
右。
プルネウマ
左。
プルネウマ
前。
プルネウマ
そして後ろ!
プルネウマ
「四面楚歌って四字熟語はご存知?」
プルネウマ
縄が、衣が、銃が、蹴りが、4方向から襲いかかる!
イカロス
「離れ離れになるのがつらいのは、どちらだろうよ。」
イカロス
上体を起こし、勢いづいた片脚が円を描く。
イカロス
「……四面楚歌など、争いの中の常。頂点に立つ者は尚更よ。」
イカロス
刃が回る。薙ぎ、裂き、立ち向かう者すべてを打ち倒さんと。
プルネウマ
更に血しぶき。
4人分とは考えられない量の、それこそあのプール一杯分にはなりそうな。
プルネウマ
「ヒューッ!倍でもだめならもう拍手するしかないなあ!」
ぱちぱち。
プルネウマ
「仕方ないことだけどね。それっぽいものが束になったとしても、本物にはとても敵わない」
プルネウマ
「一番勝率が高い『風』の姿をしてもいいけど、あれをすぐに使うのは『風の神霊』のキャラじゃないんでね」
プルネウマ
「だから、二番目に勝率が高そうな『風』の姿をして、こうやって『夢』っぽいどっかで時間稼ぎしなきゃならなくなったわけだけども」
プルネウマ
「いやあ、やりづらいな、『風』とはいえ!」
「普段夢なんか見ちゃいないもんでね…………」
プルネウマ
「眠り鼠はやっぱり愛でるに限るよ」
プルネウマ
そう言うと、魔法少女風のそれが一歩踏み込み。
プルネウマ
「あの『おひめさま』のそこだけは」
「理解できなかったなあ!」
凄まじいスピードで、イカロスへと飛びかかる。
イカロス
「本質を理解しないものの模倣ほど、滑稽なものも無かろうよ。」
イカロス
「そろそろ、つまらん見世物は終わりと願いたい。」
イカロス
同時に、翔ける。蒼い光となって風に向かう。
プルネウマ
飛びかかってきたそれは、王者に触れることもなく、眼前で赤く、弾ける。
プルネウマ
「楽しんでくれなかったようでなにより!」
プルネウマ
「エンタメは得意分野じゃないんだよ」
「なにしろ主役になったことがないからさ」
プルネウマ
「ああ、妬ましい」
プルネウマ
「君は幾度となく勝ち上がってきたんだろう」
「たとえどこかで負けたとしても、『勝った』という事実がなくなるわけじゃない」
プルネウマ
「だから無理を承知で頼んでみようかな」
プルネウマ
「一回くらい、主役にはなれなそうな私たちに、勝ちっていうトロフィーを譲ってくれない?」
プルネウマ
一匹残ったハリネズミはなにもしない。ただ、そこに佇んでいる。
イカロス
「ーー繰り返された問いだ。答えは決まってる。」
イカロス
……妬みも、挑戦も、一身に受ける。
イカロス
「勝利が欲しいのならば、実力で奪い取れ。」
プルネウマ
「明確なご回答ありがとう」
プルネウマ
「それじゃあ答えてもらったお礼に~~~」
プルネウマ
「記念品をプレゼント!」
夢が、裂ける。
イスタ
*イカロスの「傲慢な王者」を猟奇で抉ります。
スペードの56
*横槍します
スペードの56
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 才覚
スペードの56
2d>=7 (2D6>=7) > 7[3,4] > 7 > 成功
スペードの56
1d6 (1D6) > 6
スペードの56
うーん、ヤリイカは無しで
イスタ
*ティーセットを使用。
[ イスタ ] ティーセット : 2 → 1
イスタ
2d6+5+2-6=>7 判定(+猟奇) (2D6+5+2-6>=7) > 10[4,6]+5+2-6 > 11 > 成功
[ スペードの56 ] HP : 28 → 27
[ イカロス ] 傲慢な王者 : 0 → -1
イスタ
視界は蒼から、灰に。
イスタ
そこには。
イスタ
末裔が、ふたり。
第1ラウンド:イスタ シーン裏
イスタ
嵐が吹き荒れる。
イスタ
吹き荒れている。
イスタ
あなたと救世主を分断する、強い風。
イスタ
「ようこそ?」
スペードの56
「ふ……む」再び風を受け、今回も前に出した手をゆっくりと降ろす
スペードの56
「これはどうも、イスタさん」
スペードの56
「なんというか、特別な個室が出来上がりましたね」
イスタ
「うん」
イスタ
「おもしろいでしょ」
イスタ
「コイン60枚も持つと、すっごいんだねえ」
スペードの56
「そうですねぇ。ワタシはこういう能力は発現しないようで、少し羨ましくもありますよ」
イスタ
「えへへ」
イスタ
「わーい」
スペードの56
軽く手を叩きます、が、これだけ吹き荒れていれば微かな音になるでしょうか
イスタ
にこにこと喜ぶ。
イスタ
そうして。
イスタ
ぴょん、と跳ねて。
スペードの56
むっ?
イスタ
あなたを押し倒す。
スペードの56
「……っ」回避――間に合わない。受け身だけ取りつつ、倒されます
スペードの56
身体能力に特化したはずの自分でも回避出来ないのは、この状況のせいか。ここはいわばアウェー。取り込まれた時点で主導権は相手にある
イスタ
この末裔は誰よりも猟奇性がある。だから、そう望めば、誰よりもはやく。
イスタ
ただ。
イスタ
あなたに追撃することはない。
イスタ
顔はほどちかく。
イスタ
「ねーぇ」
イスタ
「おはなししよ」
スペードの56
「あまりに距離が近いことに一言出しておきたかったのですが」
スペードの56
「この風ですしね、良いですよ」
スペードの56
言いつつ、いつでも腕は動かせるようにしておきましょう。気まぐれで物理的に抉られても嫌ですしね
イスタ
「わーい」
イスタ
「ききたいこといっぱいあるんだ」
イスタ
その手に、手を重ねる。
イスタ
その場に縛り付けるような動きではなく、ただ。
イスタ
そうっと撫でるような。
スペードの56
……先手を取られましたね。払うのも無粋ですし、では肌をいつでも固められるように切り替えて……
スペードの56
「少しくすぐったいですが、聞きましょう」
イスタ
手をそうっと上へ。腕を撫でていく。
イスタ
肩に触れる。
イスタ
「ね」
イスタ
「救済って、なあに?」
スペードの56
くすぐったいのは変わらず、だからといってそれで跳ね上がるような軟な構造ではありません。静かに……
スペードの56
「ふむ」
スペードの56
「ワタシが答えるとすれば……」
スペードの56
「ざっくり答えるなら、この世界の腐敗の進行と、三十日のルールと、救世主への勝手な招待を無くす……」
スペードの56
「という感じですね。後は場面場面で」
イスタ
「じゃあ~……」
イスタ
「亡者はいなくなったほうがいい?」
イスタ
手が首筋に触れる。
イスタ
つぎは、頬へ。
スペードの56
「そうですね。そもそも、亡者が発生しない世界になれば良いかと」
スペードの56
軽く手を添え返しましょう。反撃ではないのを示すように、そっと。一応、対応できるようにね
イスタ
その頬をくすぐる。鱗を撫でて、軽くひっかいて。
イスタ
「亡者、いるとたいへんだもんね?」
イスタ
「救世主とか、末裔とか、傷つけてさ」
イスタ
「本能のまま、暴力を振るう」
イスタ
「そうでしょう?」
スペードの56
よく動く関係で顔にかかったイスタの髪のひとすじを、軽く横に
スペードの56
「主題としては亡者という存在が哀れだから、ですけれど……」
スペードの56
「一面では、それもあるでしょう。なのでそうだ、と答えれば?」
イスタ
「ふふ」
イスタ
「そっかあ」
イスタ
ぱっと手を離す。
イスタ
あなたの腰に手を添える。
イスタ
「これ」
イスタ
「すっごい服だねえ」
イスタ
「もらったの?」
スペードの56
「すごいですよね」
スペードの56
「ええ、貰いました」
イスタ
そのズボンをひっぱる。
イスタ
ゴムを伸ばして、離す。
イスタ
ぺちん。
スペードの56
地味に痛い
イスタ
音は風の音にかき消える。
スペードの56
「……ゴムが珍しいんですかね。あまり無いものですし」
イスタ
なんどか、そうして。遊んで。
スペードの56
ゴムが伸びる!!
イスタ
ゴムと肌の間に手を入れる。
イスタ
そうっと撫でる。
イスタ
三月兎の、熱を持った手。
イスタ
あるいは。
イスタ
なにか薬でも飲んだかのような。
スペードの56
他人の体が己に触れる、他人の温かみを感じる、というのは実は嫌いではないのですけれど――
スペードの56
「……若干センシティブな雰囲気になってきましたね」恐らく分からないワードを独り言のように挟んで
スペードの56
「服の話だったら手を置く場所がちょっと違いませんか?」
イスタ
ぐ、と体を近付けて。
イスタ
「じゃあ服の話しよっか」
イスタ
「その服、昔いたとこからもらったの?」
イスタ
言いながら。
イスタ
その手を下に滑らせる。
スペードの56
「……む……」……感覚を少し上体の方に集中させておきます
スペードの56
「そうですね。名前の上では、今もいるところなのですが」
イスタ
「そっか」
イスタ
「今どうなってるかなあ」
イスタ
「あんたがいなくなって」
スペードの56
「うーん、どうでしょうねぇ」
スペードの56
「多分、何も変わってないと思いますよ」
スペードの56
考える声に、さほどの感慨はない。だが、そこの命が第一でなくとも、そこに帰るつもりがなくとも。少なくとも、今も故郷であることは変わらない
イスタ
「おれの故郷はねえ、プルネウマが壊しちゃったんだ」
イスタ
「でも」
イスタ
「生きてても、たぶん」
イスタ
「おれのこと嫌がっただろうな」
イスタ
強引にそれを脱がして。
イスタ
触れる。
イスタ
片方の手で、強く抑えつけて。
スペードの56
そうですね……強引に剥がれると挟んでいたサスペンダーが弾けて……
スペードの56
「あっすみません、ジョッキーくんの目が明後日の方に行ったんですけど」
スペードの56
脱がされても平然としています。あるいは、そういう風に見せています
イスタ
「じゃあ、もどしてあげようか」
イスタ
体は動かさないまま。
イスタ
風が吹いて、ひとりでにもどってくる。
イスタ
「だってさあ」
スペードの56
戻ってきた……
イスタ
「おれ、うまれたときからこうなんだ」
イスタ
痛みが。
イスタ
あなたの体に走る。
イスタ
ジャックとエース。末裔と救世主の力の差。
イスタ
あなたには逆らえない。
スペードの56
「……む……っ」小さく呻く。不意に来る痛みへの反射だ
スペードの56
「……言いたくなければ構いませんが……こう、とは」
イスタ
「救世主とか、末裔とか、傷つけて」
イスタ
「本能のまま、暴力を振るう」
イスタ
「おれは」
イスタ
「たぶん」
イスタ
「亡者とおんなじだ」
スペードの56
「それは違います」
スペードの56
それには、パッと答えます
イスタ
「どこが?」
イスタ
その瞳はなにもうつさない。
スペードの56
「ワタシの目には、亡者のあれは本能と思えません」
スペードの56
「道具が決められた物事に従って同じ動作を繰り返しているのと同じ。ある意味では、本能の正反対だとワタシは思っています。だから……」
スペードの56
「”けもの”と”亡者”は違う」
スペードの56
じ、とその目を見ます。どこか暗い瞳を
イスタ
一瞬、目を逸らす。
イスタ
返事の代わりに。
イスタ
手に力を込めて。
スペードの56
……まだ問われているだけですし、別に力は返しませんよ
イスタ
「…………ねえ」
イスタ
「じゃあ」
イスタ
「おれは」
イスタ
「おれは、なに?」
スペードの56
「ワタシから見てでいいなら、簡単ですよ」
スペードの56
「あなたは幼いこどもです」
スペードの56
「制約がなければ楽しいことだけをして生きていたいのが、こどもでしょう。ただ、力を得ただけの」
スペードの56
――そんな事を言って、少しだけ昔のことを思い出す
スペードの56
そういえば、イカロスにもそんな風に言った。彼もまた、全てが自由に行かなくて憤っているこどもだった
イスタ
「…………」
イスタ
強引に、腰をくっつけて。
イスタ
「こんな」
イスタ
「こんなことする、のに」
イスタ
「こんな…………」
イスタ
熱が混ざる。
イスタ
あなたの頬にも、一滴。
イスタ
雫がおちてくる。
スペードの56
一つ、深く長く息を吐く
スペードの56
「……逆に言えば、亡者はそんなことしないでしょう?」
スペードの56
「……いや、行為的にはするかもしれませんが、そこにそんな、深い考えはありませんよ」
スペードの56
「そして」一度、言葉を切る。もう一度、深く深く吐いて
スペードの56
「こどもってどんな風にも染まるから、どんな風にもなってしまうんですよ」
イスタ
「っ、」
イスタ
「わかんない」
イスタ
「でも」
イスタ
「苦しかった」
イスタ
「苦しいの……」
イスタ
返事を聞く前に。
イスタ
その口に手を突っ込んで。
イスタ
強引に。
イスタ
あなたの体は、このおさない"こども"の、好きなようにされる。
イスタ
三月兎が、トカゲの末裔を組み敷いている。
スペードの56
それを、特に拒むでもなく、腕を広げてされるがままにしています。変わらず見据えながら
イスタ
血が出てはいない。
イスタ
暴力を振るった形跡はない。
プルネウマ
「…………」
いつの間にか元の姿に戻っている。
プルネウマ
「ご感想をどうぞ?」
誰かへ向けた言葉。
イカロス
現れた、末裔たち。エースに組み敷かれるジャックの姿。
イカロス
暴力の痕はない、だが、振るわれているものはある。見ただけで分かる。
イカロス
「つまらんな。」
イカロス
瞬くよりも速く、その姿が末裔たちの元へ。
三月兎へ、強い衝撃を伴って。
イスタ
弾き飛ばされる。
イスタ
転がって、あらしに飲まれる。
イスタ
風がすこしやわらいで、倒れた姿がまた露わになる。
スペードの56
呼吸を整えて、一瞬待ってから上体を起こします
イカロス
「見事な醜態だな、フィクス。」
イカロス
「ジャックであるのが仇となったか。」
スペードの56
衣服を整え、立ち上がる
スペードの56
「いえ。特に拒む理由が無かっただけです」
スペードの56
「どちらかというと……」周囲の破壊の跡、つまりは戦闘の痕跡を見ます。
スペードの56
「そちらが大変な頃に動けなかった、という点としては、申し訳ありませんでしたね」
イスタ
「ねえ」倒れたまま。
イスタ
あらしの中でひびいて、小さな声のはずなのにホールの中、はっきりときこえる。
イスタ
「たのしかった?」
イスタ
イカロスに問う。
イカロス
「その耳は飾りのようだな。」
イカロス
「つまらんと。先ほど言った。」
イカロス
それだけ言い捨て、フィクスの方へと向き直り。
イカロス
「……拒む理由はあっただろう。我々は分断されていた。」
イカロス
「その程度の判断力すら持ち合わせていない者を、配下にした覚えはない。」
イカロス
瞳に湛えた感情は、どこに向けたものか。
スペードの56
「あそこでイスタさんと戦ったところで、分断はプルネウマさんによるものでしょう」多分。違ったらすみません
スペードの56
「危害を加える様子も無く、そしてそちらも一対一なら遅れはとるまい、と。ならば下手に荒げるよりも収まるまで待った方が利口という判断です。――が」
スペードの56
「状況を見ればお怒りはごもっともです。重ねて申し訳ありません」
イカロス
「……いい。」
イカロス
「過ぎた失態を取り戻すものは、それ以上の働き。」
イカロス
「私の道化であるなら、この醜態は必ず塗り返せ。」
イカロス
……それは己にとっても。
イカロス
奴らに二度と時間など与えてやらぬと。
スペードの56
「ええ。必ずや」軽く服を払って、ちらと嵐を見る。立ち去らせてくれるなら、そのまま行きましょう
プルネウマ
なにもせず、見送る。
イスタ
起き上がることはない。
イスタ
嵐が揺らいで、風の切れ間ができたから、あなたがたを阻むものはなにもない。
スペードの56
では……ゆっくりと視線を外し、行きましょうか
イカロス
阻むことも無いのなら、対峙する2人には目もくれず。そのまま立ち去る。
GM
阻む事はなく、阻む物はない。
GM
立ち去っていくその帰り道にだって、これから殺し合う敵との間にだって。
GM
なにもないのだから、手をのばす事だってできる。
それは誰にだってできる。
GM
隣を歩む道化にだって、手をのばす事はできるのに。
GM
それを阻んでいるものは一体なあに?
GM
GM
*2日目

第1ラウンド:イカロス

GM
6 ラウンジ。 並べられた多数のソファとテーブルは、待ち合わせに向いている。待ち合わせるに値するような者がここに存在するのかはさておいて。
イカロス
風が舞うラウンジの中、多数の席がありながらも、そこに佇むものは2人。
イカロス
戦闘の後、王者は1人で部屋を出た。道化を客室に置き、今はラウンジで自室のホテルマンを呼び出している。
イカロス
「……嵐の中でも働かねばならんとは、ホテルマンというのも難儀なものよな。」
イカロス
傍らにいるホテルマンにそうぼやき、招待状を手渡す。
108号室のホテルマン
「槍や子豚が降る時に比べれば、働きやすい天候でございますよ」
108号室のホテルマン
「招待状、確かに」
イカロス
そこに書かれているのはイスタの名前。
イカロス
相手の姿が現れる、その時を待つ。
イスタ
ふ、と。空中に現れて。着地する。
イスタ
風が服をなびかせる。
イスタ
特に動じることはなく。
イスタ
「それで?」
イスタ
「フィクス、おれとあんたどっちが気持ちいいって?」
イカロス
言葉の代わりに返ってくる答えは、刃。
イカロス
「聞く必要があるか?」
イカロス
間髪入れず、もう一撃。
イスタ
一撃、受けて。
イスタ
血が伸びる。
イスタ
もう一発は、伸びた血と、剣が受け。
イスタ
「こたえられないの?」
イスタ
「もしかして、してないとか?」
イスタ
「じゃああんたは、フィクスをそのままにして出てきたんだ」
イスタ
「ねえ」
イスタ
「じゃあ」
イスタ
「フィクスはなんであんたを選んだのかな」
イスタ
「じつはおれでもよかったんじゃない?」
イスタ
りんごのにおい。
イスタ
剣はくるくると空を舞う。
イスタ
あらしに、赤い線がいくつも引かれる。
イカロス
「それを答えるのは私ではないな。」
イカロス
「存在するのは、私が力を与えてやったという事実だけだ。」
イカロス
刃は止まらず、歩くのと同じように、剣劇が閃く。
イスタ
血がしぶく。それが赤く赤く、りんごの色になる。
イスタ
「そっかあ」
イスタ
「じゃ、あんたが答えられる質問にしてあげる」
イスタ
「あんたはさあ、なんでフィクスに力を与えたの?」
イスタ
「あんたは」
イスタ
「なんでフィクスを選んだの?」
イカロス
「王に必要なのは、優秀な道化。」
イカロス
建前だ。
イカロス
「コインも持たずに救世主に向かう末裔など、そういるものでは無い。
力を与える価値がある。」
イカロス
その期待は失望に変わった。
イカロス
言葉と同時に、ひたすらに、風を裂くように。
イスタ
灰色。黄色。それを割く蒼。そうして赤が混ざる。
イスタ
傷付いて、傷付いて、なお。
イスタ
わらっている。
イスタ
とろけるような笑顔。わざわいの瞳。こどもの顔。
イスタ
「へえ」
イスタ
「あんたが一方的に必要としてるだけ?」
イスタ
「あんたがフィクスを選んだ理由が、あんたが王者でありつづけるためなら」
イスタ
「フィクスじゃなくてもいいね」
イスタ
「もっと都合のいい、夢だけ見てればいい」
イスタ
「そもそも」
イスタ
「あんたが王者じゃなくなるのが嫌なら、こんな堕落の国なんか来ない方がよかったね」
イスタ
「そうでしょ?」
イスタ
「だって」
イスタ
「元の世界に帰って、フィクスのこと覚えていられる?」
イスタ
辺り一面が、血に濡れていく。
イスタ
りんごのにおい。つよく、つよく。
イスタ
暴力のかおり。
イカロス
「そうだな。」
イカロス
「価値が無いなら、その役目は必要ない。
ーーだが、この高さまで上がってきた。それだけの価値があった。」
イカロス
「……夢が都合がいいというのなら、そう見えてるだけだろう。」
イカロス
「夢ほど、残酷で、思い通りにならぬものはない。」
イカロス
「頭上で眩く輝き、しかして手を伸ばすのならばその光が身を焼かんとする。」
イカロス
「……堕落の国など、好き好んで堕ちはしないだろうが。」
イカロス
「地の底で、追いかける夢がある。叶うかもわからない可能性を追い求める。」
イカロス
「私にとってはそれそのものが生きる意味で、価値がある。」
イカロス
「忘れることはないだろうよ。」
イカロス
*イスタの疵、たのしいまねごとを猟奇で抉ります!!!!!!!!!!!!!!
プルネウマ
*横槍!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
プルネウマ
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 愛
プルネウマ
ティーセット使用なし!
プルネウマ
2d6+0=>7 判定(+愛) (2D6+0>=7) > 4[3,1]+0 > 4 > 失敗
プルネウマ
そのままどうぞ…………
[ プルネウマ ] HP : 26 → 25
イカロス
*何も持たず判定します
イカロス
2d6+4=>7 抉り判定(+猟奇) (2D6+4>=7) > 4[2,2]+4 > 8 > 成功
GM
成功!
イスタ
「そう」
イスタ
「…………」
イスタ
「じゃあ」
イスタ
「せいぜい大事にしてあげたら?」
イスタ
「もうすぐお別れなんだから」
イスタ
風が髪を揺らす。
イスタ
わざわいの瞳が見えなくなる。
イスタ
……そうだよ。
イスタ
おれは。
イスタ
プルネウマが人間になるのが嫌だ。
イスタ
かみさまになったおれのことを忘れて目の前の人間を好きになって生きるのは。
イスタ
ゆるせなかった。
イスタ
おれは夢を見ない。
イスタ
かなわない夢なら、見ないほうがいい。
イスタ
プルネウマがこのさき生きる事を、おれはのぞめない。
イスタ
どんなに"真似事"をしたって、あんたの望む人間にはさせてあげられない。
イスタ
おれだって人間になれない。
イスタ
ひとりはさみしい。
イスタ
さみしいよ。
[ イスタ ] たのしいまねごと : 0 → -1
イスタ
生きる意味なんてなかった。
イスタ
おれは。
イスタ
あんたが生きることより、あんたが叶うかわからない夢を叶える手伝いをするより。
イスタ
一緒に死ぬほうがずっといいんだよ。
イスタ
風が吹く。
イスタ
つよく、つよく、吹いて。血の雨が地面を叩く。
イスタ
泣いている。
イスタ
それが晴れれば、もうこどもの姿はどこにもない。
イスタ
風が弱まって。
イスタ
テーブルから、血が滴っている。
イスタ
もうりんごの香りはしない。
イカロス
「――互いにな。」
イカロス
吹き荒れる風に言い捨てる。
イカロス
風が、猛り狂おうとも。
雨が、全てを溺れ漂わせようとも。
雷が、地平に広がる全てを叩き平たく潰さんとしても。
イカロス
天空を荒れすさぶ神々の奴隷になど、なりはしない。
イカロス
傷んだ心を慰める道化が隣にいなくても。
見据えるべきものは変わりはしない。
イカロス
風が弱まれば、己も背を向ける。
GM
風はどこからどこへ吹くもの?
GM
北から南。
GM
つめたいところからあたたかいところ。
GM
平原から街へ。
GM
がらんどうの胸のなかから。
GM
風は、なにもないところから吹く。
GM

第1ラウンド:スペードの56

GM
8 倉庫。 ロープや工具等、様々なものが収められている暗い倉庫。当然、様々な用途に使える。
スペードの56
ダンナ様に部屋で待ってろと言われたので暫く待っていましたが……
スペードの56
「……そろそろ戻ってくるでしょうし、その前に仕事しておきますか」
スペードの56
そうして倉庫に向かいます。招待状を取り出して……
スペードの56
記入する名前は「プルネウマ」
スペードの56
その場に呼び出しますよ
プルネウマ
その場に現れる。
プルネウマ
「…………」
プルネウマ
「なに?」
プルネウマ
「…………イスタは?どこ?」
スペードの56
「ワタシには分かりませんが、多分ダンナ様が呼びつけてるんじゃないでしょうか」
スペードの56
「こちらの用件は、特に回りくどいのもあれですね。見た感じ話すの大変そうですし」
スペードの56
「この辺で裁判前に弱っておいてもらいます」
プルネウマ
「そう」
プルネウマ
「『決闘』でもするの?」
スペードの56
「お嫌でなければ、そういう名目でいいですか?」
プルネウマ
「好きにすれば?」
プルネウマ
「でもそれだと私が勝っちゃうかも?」
スペードの56
「それで構いません。そう思うのなら、そうでいいですよ」
スペードの56
拳を固め、戦闘態勢に入ります
プルネウマ
身構えることもなく。そこに立っている。
スペードの56
そのまま……そうだな、胸の辺りに正面から右拳で一撃を狙いますよ
プルネウマ
迫りくる拳。そのまま受け身を取るかと思いきや…………
プルネウマ
その部分だけ『貫通』させる。
スペードの56
「おやっ」ではそのまま貫通した個所から払うように右に薙ぎますが……
プルネウマ
それも通過させる。まるで消しゴムでその部分だけ消したように。
スペードの56
「…………あー」一歩下がります
プルネウマ
「殴られるのってさあ」
プルネウマ
「演技力が必要だから」
「あんまり向いてなくって」
プルネウマ
「えーっと…………どうだっけ…………」
プルネウマ
「…………」
プルネウマ
その場に肉塊が転がる。
プルネウマ
「こうだっけ…………?たしか殴られまくるとこうだった気がするなあ…………」
プルネウマ
「で、ここから復活したほうがいい?」
スペードの56
「すごい……大味!」
スペードの56
「いえ……なんか無理させるのも悪いんで、じゃあ別の方法考えます」
スペードの56
「あっ、でもあれですよ、良ければ演技なくていいので貫通だけさせててくれませんか?」
スペードの56
「なんかワタシが戦ってる雰囲気だけ出させてください」
プルネウマ
体が復活する。
プルネウマ
「いいよお」
スペードの56
「助かります」
スペードの56
ぶーんぶーん、拳をずっと振り回します。特に不思議がこもってるわけでもないので、全部貫通してます
プルネウマ
貫通させています。
プルネウマ
「目的がわからないね」
プルネウマ
「もう一度聞こうかな」
プルネウマ
「イスタはどこ?どこに連れて行かれたと思う?」
スペードの56
「んー、そうですねぇ」殴る動作をしつつ少し考えて
スペードの56
「多分どこか、広い所じゃないでしょうか?その方が戦いやすいでしょうし」
プルネウマ
「じゃあ、そっちに行きたいな」
「この『用事』をとっとと終わらせてさあ」
スペードの56
「そうでしょうねぇ。でも、うちのダンナ様もさっきは似たような感じだったと思うので、もうちょっと付き合ってもらうことにしまして」
スペードの56
「そうだなぁ、話すの大変って言った手前あれですけど、ちょっと聞いておきましょうか」
スペードの56
「あなたって、あなたの視点だと人間じゃないんですか?」
スペードの56
「ワタシにはその辺、なんかよくわからなくて……」
プルネウマ
「、」
貫通していたはずのところに実体ができる。
プルネウマ
そのまま拳に当たって。
プルネウマ
子供のやわい体が吹き飛ばされる。
スペードの56
ぱちくり
プルネウマ
「あー…………」
プルネウマ
「…………それは、まあ、そうだねえ…………」
プルネウマ
「……いや、うん」
起き上がる。
プルネウマ
「答えるよ」
スペードの56
「あっ、ありがとうございます」
プルネウマ
「まず、私の言う人間ってのは、生物学的な種族じゃなくて」
「『好み』なんだよね」
プルネウマ
「人間になりたいだとか、人間じゃないと思ってるのは」
「つまり、好きじゃないってことだよ」
「自分のことが」
プルネウマ
「私は」
「私の憧れる人間ではない」
スペードの56
「あ……なるほど」こくこく頷きます
スペードの56
「つまり……えっと、不躾ですけど……まことの愛があれば自分の事を好きになれるかもっていうことだったんですね。なるほど」
プルネウマ
「そう」
「だって、愛って、すてきじゃん」
プルネウマ
「愛されるのも」「愛するのも」
プルネウマ
「すてきなことだよ」
スペードの56
「ワタシもそう思います」
スペードの56
「すてきなことが出来る自分はすてきだと……」
スペードの56
「そうなるとあれですね、ワタシもそんな感じなんですね。もう自分のこと好きですけど……いや、自分語りはいいや」
スペードの56
「えっとそれで……あなたがイスタさんに向けて、あと向けられてるのって、その定義だとどっちも愛じゃないんですか?」
スペードの56
*プルネウマの「滅びは此処にあり」を愛で抉ります
イスタ
*よこやり!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
イスタ
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 猟奇
イスタ
2d6+5=>7 判定(+猟奇) (2D6+5>=7) > 5[1,4]+5 > 10 > 成功
イスタ
1d6 (1D6) > 2
イスタ
*ヤリイカは使用しません。
スペードの56
*ティーセットだけ使用。後はイカロスへ預けます
スペードの56
2d+5-2+2>=7 (2D6+5-2+2>=7) > 8[2,6]+5-2+2 > 13 > 成功
[ スペードの56 ] ティーセット : 1 → 0
[ プルネウマ ] 滅びは此処にあり : 0 → -1
[ イスタ ] HP : 26 → 25
プルネウマ
「違うよ」
プルネウマ
「どっちも愛じゃない」
プルネウマ
「と、私が思ってる」
プルネウマ
「こんなのは人間の愛じゃない……」
プルネウマ
うつむく。
スペードの56
「……そうですね。始まりが”そう”なのだから、自分がどう思うかっていうのが、結局それに関しては一番大事ですから」
スペードの56
「じゃあ、そうですねぇ……例えばですけど。
 あ、出来るかどうかではありませんよ?したいかどうかで……」
スペードの56
「もらうのはまた相手視点だからどうなるか分かりませんけど、あなたは。
 イスタさんに愛をあげたいと思ってます?」
プルネウマ
「…………」
プルネウマ
「あげられる、わけないだろ」
プルネウマ
「あげる資格がない」「あげ方がわからない」
スペードの56
「それは、”出来ない”ですよ。そんな風に考えるってことは、したい、って思ってることだと思うのですけれど、だとすれば――」
スペードの56
「したいけど、しかたが分からない。……全体はともかく。その部分、少なくともそれだけは」
スペードの56
「愛情に見えます」
スペードの56
「あくまでそれは、ワタシの視点ですけど」
スペードの56
「で……人間じゃないのかって聞いたの、そういう意味なんですよね」
スペードの56
「だって、それ、ワタシ視点だとすごく人間らしくて。分からなかったんですよ。さっきの答えで納得したから、”ちがう”、なんて言いませんけど」
プルネウマ
「それは、」
プルネウマ
「愛したいから愛せるやつの発言で」
「救いたいから救うやつの発言で」
「勝ちたいから勝てるやつの発言だ」
プルネウマ
「私は生憎そうじゃない」
プルネウマ
「そういう風に望まれてなんかない」
プルネウマ
「こんなのは人間じゃない」
プルネウマ
「人間だったらもっと…………」
プルネウマ
「もっと、そう、」
「愛そうと思って愛せるし、救おうと思って救えるし、勝とうと決意して勝って」
「そうやって歩んでいくことができるはずなんだ」
プルネウマ
「その結果、愛せなかったとしても、愛した痕跡を残せるし」
「救えなくても、その存在は誰かを動かせるし」
「負けても勝とうと立ち上がるんだ」
プルネウマ
「それを、それを…………」
プルネウマ
「なんでっ、よりにもよってお前が!」
「末裔ごときが!」
プルネウマ
「『できる』方の立場でそれを言うんだ!」
スペードの56
ふむ、と一言置いて
スペードの56
「だってワタシにとって、末裔って人間ですから」
プルネウマ
「~~~~ッ!」
風の音が強まる。
プルネウマ
風は一つも吹いていないのに、大きな音がして、プルネウマの姿がかき消える。
スペードの56
イスタさんの所に行ったのかな。言いたいことは言えたし、いいか、と。ワタシも背を向けて扉を開けましょう
スペードの56
「6000年……それだけあると……」
スペードの56
「きっと、綺麗な人間を見過ぎたんでしょうね」
スペードの56
あるいは同じかそれ以上に、汚い人間も見てはいるだろうけど
スペードの56
だけど一番目に映るのは、求めるもの。夢って、そういうものでしょう?
スペードの56
倉庫を去りましょう
GM
カタツムリが言われたところ
おまえもダンスに入らんか?
GM
入る、入らん、入る、入らん、我らのダンスに入らんか?
GM
「遠すぎ、遠すぎ」とカタツムリ
感謝はするけど入らない
GM
入らん、入れん、入らん、入れん、入れはしないよダンスには。
GM
「遠いからって何だというの」鱗の友はそう言った
GM
世界は浜辺に満ちている ここじゃ無ければ向こうにも
イギリス浜から離れれば フランス浜に近くなる
GM
入る、入らん、入る、入らん、入れよ我らがダンスの中に……
GM
──始祖の代用ウミガメが最初のアリスの前で披露したとされる歌
GM

第1ラウンド:プルネウマ

プルネウマ
部屋に戻る。逃げ帰るように。
プルネウマ
望んでいたものはそこにない。
プルネウマ
「イスタ」「イスタ…………?」
プルネウマ
戻ってきていない。
プルネウマ
ふらふらと部屋の中を探す。子供のように。
イスタ
風が吹いて。
イスタ
部屋の扉がひらく。
イスタ
「おそく、」
イスタ
「なって、ごめん……」
プルネウマ
戻ってきたところを抱きしめる。
プルネウマ
「…………」
プルネウマ
「そんなに待ってないから」「大丈夫」
プルネウマ
どこにいってたの、とは聞かない。
プルネウマ
「…………たのしかった?」
イスタ
「…………」
イスタ
首を振る。横に。
イスタ
抱きしめ返して。
イスタ
「…………すわりたい」
イスタ
「つかれた……」
プルネウマ
「そっか」
プルネウマ
抱きしめ返された後、そのまま座る。
プルネウマ
「はぁ…………」
ため息。
イスタ
一緒に座って、ぎゅう、と抱きしめて。
イスタ
「ねえ」
イスタ
「あんたは?」
プルネウマ
「…………」
プルネウマ
「なにもなかったよ」
プルネウマ
「なにもなかったけど」
プルネウマ
「すごくいやな気分」
イスタ
「…………ん」
イスタ
抱きしめたまま、立ち上がる。
イスタ
そのままあなたを抱えて、ベッドの上へ。
プルネウマ
なすがままにされ。
プルネウマ
ベッドの上に仰向けになる。
プルネウマ
「めちゃくちゃにして」
プルネウマ
「いやなもの全部こわして」
イスタ
「…………」
イスタ
両手をのばす。
イスタ
上から、下まで。
イスタ
外もうちも、すべて。
イスタ
手で撫でていく。
イスタ
「プルネウマ」
イスタ
「プルネウマ……」
イスタ
「……ねえ」
イスタ
「あんたは」
イスタ
「これでいいの」
プルネウマ
「---、---」
声ではない音が、いくつか鳴って。
プルネウマ
「……」
プルネウマ
「よくないよ…………」
プルネウマ
「でも、よくないなりに、よく考えたんだよ」
「長い、長い間」
プルネウマ
「考えすぎて(なりふり構わずして)、選んで(放棄して)、決めて(諦めて)」
プルネウマ
「ようやくここにきて、ああもう、しなくていいんだなって」
プルネウマ
「…………」
プルネウマ
「それをさあ…………」
プルネウマ
「あんなふうに…………」
プルネウマ
実体ができ、中に触れている部分が肉を伴い、血があふれる。
プルネウマ
「…………はあ」
横を向いて、またため息。
イスタ
「…………」
イスタ
「ごめんね」
イスタ
「おれは」
イスタ
「人間じゃないし」
イスタ
「あんたを人間には、できないし」
イスタ
「したくないし」
イスタ
「救世主には、なれない」
イスタ
「……ごめん」
イスタ
消えかけた耳元でそっと。
イスタ
あふれる血ごとだきしめて。
プルネウマ
「うん…………」
わかってるよ。
プルネウマ
わかってるから、今がある。
プルネウマ
だからこそ、救われる。
プルネウマ
「…………」
そのまま、じっと身を丸めて。やり過ごそうと相手の体にしがみつく。
プルネウマ
が、まだ、裁判の時間には至らない。
プルネウマ
「…………イスタ」
プルネウマ
「おなかすいてる?」
イスタ
「ん」
イスタ
「んー……」
イスタ
ほんのちょっと前まで、コインなんて持ってなかった末裔が。
イスタ
十回、百回、それ以上の裁判をして勝ち取るだけのコインを手にしたらどうなるか。
イスタ
とくに、ありふれた三月兎なら。
イスタ
こころと体が、心の疵そのものになる。
イスタ
だから。
イスタ
この体はもう、空腹を感じず。
イスタ
眠ることも必要としなくなり。
イスタ
わざわいそのものになっていて。
イスタ
それでも。
イスタ
「すいたかも」
イスタ
そう答える。
プルネウマ
「…………」
プルネウマ
もちろん、この体も同じように、食事を必要としない。
プルネウマ
食べなくても、問題はない。
プルネウマ
それでも食事はすきだった。人間らしい行為だから。
プルネウマ
「前に」
プルネウマ
「作ってあげるねって言ったやつ、今、作っていい?」
プルネウマ
そして、『人間らしい行為』だからこそ、今する意味がある。
イスタ
「スープ……」
イスタ
「うん」
イスタ
「たのしみだな」
イスタ
そうっと身を起こして。
イスタ
あなたの手を引く。
プルネウマ
手を引かれて、運ばれる。
プルネウマ
歩くのではなく、浮いて。風船のように。
プルネウマ
あるのは、一般的なキッチン。ひどく、現代的な。
プルネウマ
「となりにいて」
座って待ってて、ではなく。調理中も一緒に。
イスタ
「うん」
イスタ
寄り添って。
プルネウマ
手際よく、材料を並べ、道具を使い、調理を進める。
イスタ
それを見つめている。
プルネウマ
疵の力よりよっぽど、人間らしい行い。
プルネウマ
こういった技術に関して、料理だけではなく、他のものでも器用にこなす。
プルネウマ
それをやってこなかったのは。
プルネウマ
しなかったのは、選択だ。
プルネウマ
人間らしく救世主をやろうと思えばいくらだってできたのに。
そうじゃないと思って、それをやめた。
プルネウマ
心の疵は、『多様な技術』でも『6000年の積み上げ』でもなく。
『風』と『■』だ。
プルネウマ
そうするしかなかった。
プルネウマ
流れるような作業。
そこに風の力の気配は一切なく、普通の人間が、普通に調理をしている。
プルネウマ
そして、出来上がったのが。
プルネウマ
普通のスープだ。
プルネウマ
コンソメをベースに、ミルクと野菜、そして潰した小麦の入った、なめらかなスープ。
プルネウマ
「……できた」
プルネウマ
「たべてくれる?」
イスタ
「うん」
イスタ
いっしょに、スープを運ぶ。
イスタ
テーブルにそれを置いて。
イスタ
腰掛ける。
イスタ
あんまりお行儀がいいとはいえない、スプーンの握り方。
イスタ
すくって、ひとくち。
イスタ
「……おいしいねえ」
プルネウマ
きっと、『やさしい』味、と。人間なら評価するのだろうけれど。
プルネウマ
それは愛のある人間しか、言えないのだ。
プルネウマ
「うん」
プルネウマ
「おいしいねえ」
プルネウマ
これで何が変わるというのだろう。
プルネウマ
栄養にもならない。
プルネウマ
ここから幸せになったりしない。
プルネウマ
こんなことをしても無意味だ。
プルネウマ
残すものは何も。
つみあげてきたものは、すべてなくなる。
コインも、虚無も、そうでないものも。
プルネウマ
『あんたはおれの知らないもの、いっぱい作れるんだろうな』
『何味でもいいけど』『あんたがつくったスープがいい』
プルネウマ
それでも。
知らないことをひとつ。教えてあげたのだ。この子に。
プルネウマ
「ねえ、イスタ」
祈る。手をのばす。胸に触れる。
プルネウマ
「私はここに」
プルネウマ
「なにか残せるのかな…………」
プルネウマ
*小道具調達 聖遺物取得 ゆびぬき 猟奇で判定
スペードの56
*横槍をします
スペードの56
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 才覚
スペードの56
*ティーセットを使います
スペードの56
2d+2>=7 (2D6+2>=7) > 5[2,3]+2 > 7 > 成功
スペードの56
1d6 (1D6) > 4
スペードの56
*ヤリイカ使います
プルネウマ
*ティーセット 手袋使用
[ プルネウマ ] ティーセット : 1 → 0
[ イスタ ] 子山羊皮の手袋 : 1 → 0
[ スペードの56 ] ヤリイカ : 1 → 0
[ イカロス ] ティーセット : 2 → 1
[ スペードの56 ] HP : 27 → 26
プルネウマ
2d6+5-8+4=>7 判定(+猟奇) (2D6+5-8+4>=7) > 9[6,3]+5-8+4 > 10 > 成功
[ プルネウマ ] アリスのゆびぬき : 0 → 1
プルネウマ
手が、そのまま潜り込み。
プルネウマ
それに届く。
プルネウマ
熱くて、柔らかくて、触れてはいけない場所。
プルネウマ
別に、なにかをしようとしたわけではない。
プルネウマ
ただ、そうなるといいな、と思って。
プルネウマ
それが、堕落の国では『できてしまう』というだけ。
プルネウマ
それは見えることがない、思い。まるで愛のようで、愛ではないもの。
プルネウマ
呪い。
プルネウマ
なにもかもをなかったことにする破滅の願い。
プルネウマ
勝って、死ぬ。それは変わらない。
プルネウマ
けれど、勝ったら、賞品をもらわなきゃ。優勝なら尚更。
プルネウマ
アリス(救世主)から末裔へ。末裔からアリス(救世主)へ。
プルネウマ
それはひとつだけの呪い。それは待ち望む死。
それは全てをなかったことにするもの。それは優勝賞品。
プルネウマ
「…………なにもなくなっちゃっても」
プルネウマ
「イスタは、楽しいって笑ってくれるのかな…………」
プルネウマ
質問のような、ぼやき。
イスタ
手を、のばして、手に重ねた。
イスタ
いっしょにすりぬけて、じぶんのやわらかいそれに、触れて。
イスタ
その輪をゆっくりとなぞった。
イスタ
あつくて、ひんやりする。
イスタ
もうかたほうの手をのばして。
イスタ
あなたを抱きしめた。
イスタ
境目が滲んで、あなたのうちがわのおんなじ位置に、その金色の輪が触れた。
プルネウマ
人を呪わば穴二つ。
プルネウマ
最後は混じり合ってたった一つ。
プルネウマ
「…………」
プルネウマ
「イスタ、イスタ」
プルネウマ
背中に回した手で、うしろの衣服をつまむ。
プルネウマ
「たのしく」
プルネウマ
「笑って死のうね」
イスタ
「うん」
イスタ
「とびきりのたのしいこと、しよう」
イスタ
その背を撫でる。
イスタ
鼻と鼻が触れ合うくらいの距離で、向き合って。
イスタ
「おれは」
イスタ
「あんたじゃなきゃだめだよ」
イスタ
「だから」
イスタ
「ありがと」
イスタ
「ずっと、ずっとね」
イスタ
「ずっとたのしかった」
イスタ
「あんたがいたから、ずっと」
イスタ
「あんたがいるから」
イスタ
「さいごまで、たのしいよ」
プルネウマ
「ありがとう」
プルネウマ
「選んでくれて」
プルネウマ
「私を最後に連れてってくれる約束をして」
プルネウマ
「私も」
プルネウマ
「たのしいよ」
プルネウマ
意味のないやりとり。残らないもの。
どんなものも、きっと、人間のように残せない。
プルネウマ
それでいい。
プルネウマ
私はこれがいいんだ。
イスタ
『スープが食べたい』、と言った。
イスタ
この堕落の国で、育った場所で。よく食べた料理だったから。
イスタ
慣れ親しんだ、たべもの。
イスタ
それの、
イスタ
あんたの作ったものが食べたかった。
イスタ
あんたの料理を食べて。
イスタ
体を交えて。
イスタ
そうしてねむる。
イスタ
それが、さいごに、したかったこと。
イスタ
最後の日は、これがいい。
イスタ
きっと、いちばんいい。
GM
どこかで交わされた言葉のやりとり。
GM
『いただきます』
なんて丁寧な言葉でしょう、とだれかが言った
GM
『さようなら』
なんて素敵な言葉でしょう、とだれかが言った
GM
『また明日』
そんな残酷な言葉、誰が言ったのでしょう。
GM
明日死ぬということと、今日を生きるということに。
GM
いったい何の違いがあることでしょう。
GM
ひとりでに成る事はできなくたって
GM
ふたりでに為す事ならできることでしょう?