裁判
GM
中心から大きく2つに分かたれたこの巨大な空間は、この後片方が昇り、片方が降る。
GM
それはこれから行われる決闘次第。
それは繰り返されてきた儀式。
GM
中継された1階の歓声が天井近くのスピーカーから届く中。
GM
エレベーターの境目で、ホテルマンが虚空へと一礼。
107号室のホテルマン
「24時間が経過致しました」
104号室のホテルマン
「これにてお茶会の時間は終了。裁判の時間と相成ります」
107号室のホテルマン
「マナー、チップ、ドレスコード、どうか御確認の上……ご準備はよろしいですね?」
『夢見の』シャノン
*女王のタルトをルビマリに渡します
[ 『双子の』ルビーとマリー ] 女王のタルト : 0 → 1
[ 『夢見の』シャノン ] 女王のタルト : 1 → 0
[ プルネウマ ] ウサギのお守り : 1 → 0
[ イスタ ] ウサギのおまもり : 0 → 1
104号室のホテルマン
104号室のホテルマンが、自身の賭けた部屋を見やる。
プルネウマ
グランギニョルも、かわいらしい行進も、そこにはない。
プルネウマ
夢も、希望も、救済も、まことの愛もなく。
嵐だけがそこにある。
プルネウマ
嵐が、終末を告げるために、あなたたちの前に現れる。
107号室のホテルマン
107号室のホテルマンが、自身の賭けた部屋を見やる。
『夢見の』シャノン
全身を叩きつける風が、嵐が、前に進むことを躊躇わせる。
『夢見の』シャノン
「ふふっ。今まで…こんなことはなかったのにな」
『夢見の』シャノン
震える足を、乱暴に前へと出す。
『夢見の』シャノン
怯えをごまかすように、会場にヒールの音を響かせる。
『夢見の』シャノン
前を見据えたまま、背後に呼びかける。
『双子の』ルビーとマリー
「我らが敵を滅してみせましょう」
『双子の』ルビーとマリー
双子の足取りに惑いはない。
『双子の』ルビーとマリー
人様の旅路を前に立ち塞がる嵐など、ただ粛々と祓うのみ。
『夢見の』シャノン
シャボン玉からカトラリーを取り出し、手元で回す。
『夢見の』シャノン
「今回も、好きなように…やっていこう」
『双子の』マリー
「とうにその応えは返したでしょう?」
『双子の』ルビー
「言われるまでもなく、滞りもないと」
『夢見の』シャノン
「可愛くないなぁ!君たちは!」
107号室のホテルマン
「──ご準備は宜しいようで」
104号室のホテルマン
「それではヴァンテアン・ゲーム。これより第2回戦 Bホール」
GM
その合図と共に、エース(救世主)とジャック(末裔)。
お茶会の間シャッフルされていた領分は本来の姿に戻る。
GM
エースがジャックに手を差し伸べれば、最適解には届かない。
ジャックがエースに手を伸ばせば、待っているのは身の破滅。
GM
目指すべき姿は21"ヴァンテアン"。それこそが世界に定義されし解答。
GM
では、開廷タイミングです。
アイテムや技能の使用がある方は宣言してください。
『夢見の』シャノン
*仕込:ウサギのお守り/こしょう
『双子の』ルビーとマリー
*仕込:ウサギのお守り/免罪符
GM
続いて先制値を決定します。
アイテムの使用がある方はダイスを振る前に宣言してください。
プルネウマ
*アリスのくつを使用 プルネウマ・イスタの先制値+10!
[ プルネウマ ] アリスのくつ : 1 → 0
イスタ
1d6+10 (1D6+10) > 2[2]+10 > 12
『双子の』ルビーとマリー
1d6+4 (1D6+4) > 1[1]+4 > 5
『夢見の』シャノン
1d6+4 (1D6+4) > 3[3]+4 > 7
プルネウマ
1d6+2+10 (1D6+2+10) > 1[1]+2+10 > 13
GM
ラウンド開始。
先制順に手札を引いてください。
『双子の』ルビーとマリー
*s4 d6 s9 dK hA
『夢見の』シャノン
*c7 s8 h9 h10 hQ
第1ラウンド:プルネウマ
プルネウマ
*s7渾身使用 c9,h5,sQ捨て +3点!
プルネウマ
*s10威風使用 対象→『双子の』ルビーとマリー
『双子の』ルビーとマリー
1d6 (1D6) > 3
『双子の』ルビーとマリー
*万能とギミック凶器の効果で判定値は常に+2!
『双子の』ルビーとマリー
2d6+4+1+1+3=>7 判定(+才覚) (2D6+4+1+1+3>=7) > 5[2,3]+4+1+1+3 > 14 > 成功
『双子の』ルビーとマリー
*器用の効果でdKを捨てます
『双子の』ルビーとマリー
*判定値は+1されて15!
プルネウマ
2d6+4+4=>15 判定(+猟奇) (2D6+4+4>=15) > 9[5,4]+4+4 > 17 > 成功
プルネウマ
1D6+3+3 ダメージ (1D6+3+3) > 5[5]+3+3 > 11
[ 『双子の』ルビーとマリー ] HP : 18 → 7
『双子の』ルビーとマリー
*看破発狂分を追加します
[ 『双子の』ルビーとマリー ] HP : 7 → 4
プルネウマ
開幕から、一閃。
破片が双子の末裔に飛んでいく。
『双子の』ルビーとマリー
稲妻が走る。迫る破片を撃ち落とさんとする白い光は、しかし空を切り。
『双子の』ルビーとマリー
そのまま片割れの肉体を穿つ。
プルネウマ
「すっとろいほうが悪いよ」
そのまま空中へ飛ぶ。
だが、一回戦のような嵐は起こらない。
プルネウマ
三月兎から離れるように。より動きやすくなるように。
ただし、その高度は低い。
第1ラウンド:イスタ
イスタ
2d6+4+4=>7 判定(+猟奇)(+猟奇) (2D6+4+4>=7) > 7[1,6]+4+4 > 15 > 成功
『双子の』ルビーとマリー
*割り込みはありません。
イスタ
1d6+3+4+2+1 ダメージ +鋭気(チャージ) +看破 +発狂 (1D6+3+4+2+1) > 2[2]+3+4+2+1 > 12
[ 『双子の』ルビーとマリー ] HP : 4 → 0
『双子の』ルビーとマリー
2d6+4-0 判決表 (2D6+4-0) > 3[2,1]+4-0 > 7
[ 『双子の』ルビーとマリー ] 免罪符 : 1 → 0
『双子の』ルビーとマリー
9~11 HPを1点回復して立ち上がる。
[ 『双子の』ルビーとマリー ] 前科 : 0 → 1
[ 『双子の』ルビーとマリー ] HP : 0 → 1
イスタ
瞳はあらしの色。その視線があなたがたと一瞬交わされる、それと同時に。
『双子の』ルビーとマリー
空を舞う雨も、天に鳴るだけの雷も、嵐を彩る一部でしかなく。
『双子の』ルビーとマリー
その一閃を甘んじて受ける。
『双子の』ルビー
攻撃を腹で受け止める。致命傷だが、命までは至らず。
『双子の』ルビー
「それじゃ今度はこっちの手番だ」
第1ラウンド:シャノン
『夢見の』シャノン
「ふー…」
上空にシャボン玉を吹く。
『夢見の』シャノン
ぱつん、シャボンが弾けて中からこしょうが舞う
『夢見の』シャノン
*s8使用 霞斬 対象プルネウマ
『夢見の』シャノン
2d6+4+1-2=>7 判定(+才覚)+武器-霞斬 (2D6+4+1-2>=7) > 8[2,6]+4+1-2 > 11 > 成功
『夢見の』シャノン
c(1+2+2+1) 看破発狂衰弱 c(1+2+2+1) > 6
イスタ
2d6+2=>7 判定(+愛) (2D6+2>=7) > 8[6,2]+2 > 10 > 成功
『双子の』ルビーとマリー
2d6+4+1+1=>10 判定(+才覚) (2D6+4+1+1>=10) > 9[4,5]+4+1+1 > 15 > 成功
[ プルネウマ ] HP : 18 → 12
[ プルネウマ ] HP : 12 → 13
『夢見の』シャノン
2d6+4+2=>7 判定(+才覚)霞斬2回目 (2D6+4+2>=7) > 2[1,1]+4+2 > 8 > 成功
『夢見の』シャノン
2d6+4+2=>7 判定(+才覚)霞斬2回目 (2D6+4+2>=7) > 6[4,2]+4+2 > 12 > 成功
『夢見の』シャノン
c(3+1+2) c(3+1+2) > 6
[ プルネウマ ] HP : 13 → 8
『夢見の』シャノン
「さあ…、見様見真似でどこまでいけるかなっと!」
イスタ
それを見て、飛ぶ。その行く先に立ちはだかろうとする。
『夢見の』シャノン
飛び込んでくるイスタに視線を移すが…。
『双子の』マリー
「こっちにきたなら、こっちと遊ぼう」
『双子の』マリー
「“はじめましての挨拶と、そして握手、握手、もう一度握手"!」
『双子の』マリー
「それが礼儀ってものでしょう?」
『双子の』ルビーとマリー
タールの樽のように巨大なカラスでも、ひとたび撃たれれば消し炭になるような。
『夢見の』シャノン
そうして、プルネウマの目の前まで駆ける。
『夢見の』シャノン
「さ、プルネウマ…こっちはこっちで遊ぼうか」
プルネウマ
「やなこった!」
姿が消え、後に出現するのは――
『夢見の』シャノン
「あはっ!最高っ!」
その姿に、笑みを浮かべ
『夢見の』シャノン
両手のカトラリーで斬る。斬る。斬る。
『夢見の』シャノン
「もっと見せてよ、プルネウマ」
プルネウマ
「見せても何も」「もうだいぶ」「見せてるじゃないか」
『夢見の』シャノン
「ふふ、そうかも。そうだね。その通り」
第1ラウンド:『双子の』ルビーとマリー
『双子の』ルビーとマリー
空に吹き溜まる暗雲は、虎視眈々と敵を見下ろし。
GM
第1ラウンド終了。
任意の手札を捨てることが可能です。
『双子の』ルビーとマリー
*h4 s3 cQ hK sA
『夢見の』シャノン
*d3 d4 h7 c8 (h10)
第2ラウンド:プルネウマ
プルネウマ
*こしょう使用 対象『双子の』ルビーとマリー
[ 『双子の』ルビーとマリー ] 衰弱(プルネウマ) : 0 → 2
プルネウマ
*sJ衝撃使用 対象『双子の』ルビーとマリー
プルネウマ
2d6+4=>7 判定(+猟奇) (2D6+4>=7) > 10[4,6]+4 > 14 > 成功
『双子の』ルビーとマリー
*sA カラスと書き物机
イスタ
2d6+4=>7 判定(+猟奇) (2D6+4>=7) > 9[5,4]+4 > 13 > 成功
イスタ
c(4+2+1) c(4+2+1) > 7
[ 『双子の』ルビーとマリー ] HP : 1 → 0
『双子の』ルビーとマリー
2d6+4-1 判決表 (2D6+4-1) > 2[1,1]+4-1 > 5
プルネウマ
「ようしっ、双子は二人で対応だっ!」
子供の姿。
プルネウマ
2方向から『人間』のように、子供と男性が双子を襲う。
プルネウマ
風による攻撃はそこにはなく。
まるで神のように雨や稲妻を操る双子をあざ笑うかのように。
プルネウマ
非常に単純かつ、殺すことに特化した、刃物での双撃。
『双子の』マリー
無数の影。子供達。その前に立つ初老の男。
『双子の』マリー
嗚呼、いつだかこんな光景を見た事があるような気がする。
『双子の』ルビー
関係はない。過去を懐かしむ暇などあるものか。
『双子の』ルビー
今はただ生き延びることを考えるだけ。
『双子の』ルビーとマリー
決まっている。
先人の死を無碍にしないためだ。
『双子の』ルビーとマリー
何故、生き"損ねる"と先人の死が無碍になる?
『双子の』ルビーとマリー
決まっている。
先人の歩みが、人生が無駄になるからだ。
『双子の』ルビーとマリー
では何故、生きることが"先人の人生を無駄にしない"事になるのか?
『双子の』ルビーとマリー
決まっている。
先人の教えを継ぐ者が在る限り、彼等の意志が消えることはないからだ。
『双子の』ルビーとマリー
では、その教えはなんだった?
『双子の』ルビーとマリー
かつての日。雨の降る夜。
『双子の』ルビーとマリー
かつての場所。学びの校。
『双子の』ルビーとマリー
我々はいずれ必ず死ぬだろう。
『双子の』ルビーとマリー
しかし我々が築いた物は残る。
『双子の』ルビーとマリー
我々が暮らした跡は残る。
『双子の』ルビーとマリー
それは己の生きた証を残す事になるし、ひいては末裔達の希望にもなるのだ。
『双子の』ルビーとマリー
良いか、皆よ。
我らが後に伝えるものだ。
『双子の』ルビーとマリー
歴史。教養。文化。記録。
『双子の』ルビーとマリー
語り手と共に消えていく、形の無い過去のものたち。
『双子の』ルビーとマリー
それを後の世まで継いでいくのが、我らの使命と心得よ。
『双子の』ルビーとマリー
我ら末裔は塵のように弱く儚いが、武器を取らずとも救世の足しはできる。
『双子の』ルビーとマリー
文化無くして人は無く、歴史無くして国も無い。
『双子の』ルビーとマリー
いつか、堕落の国が救われるその時まで。
『双子の』ルビーとマリー
御教え(gospel)を言葉(verbal)で語り継ぐのだ。
『双子の』ルビー
その手にきらりと輝かしきは、鋭く伸びたしろがねの刃。
『双子の』ルビー
真理(gOsPeL)を告げる唯一の言葉(VeRbAl)、
『双子の』ルビー
化け物退治の"けにしぐ(Vorpal)"の剣!
『双子の』ルビー
──救世主の力は、心の疵から成る力。
『双子の』ルビー
抉ってめくれて剥き出しになって、
疵の形がざぐりと変われば、
『双子の』ルビー
ありのままを曝け出し、
己の存在意義を問い、
自分勝手に振る舞えば、
『双子の』ルビーとマリー
救世主(かいぶつ)を絶つ真理の剣は、迫る陽炎を薙ぎ払い、
『双子の』ルビーとマリー
ぶんと凄まじく振り抜かれれば、
首をば刎ねて、まっぷたつ!
プルネウマ
『まことのことば(真理)』に影は立ち消え。
プルネウマ
ひとごろしきそれは、弱々しく爪を立て。
プルネウマ
「ことばによる怪物退治の話はこれにて終わり」
プルネウマ
「それ(言葉)が効かない災害がやってくる」
プルネウマ
怪物の影が、風となり、三月兎の周りに集う。
イスタ
風に瓦礫が飛ぶ。ありもしない肉片がうみだされる。
『双子の』ルビー
振りぬかれた刃を翳すには、その腕を持ち上げなければならない。
『双子の』ルビー
快刀乱麻の言葉で切るなら、議論の席を作らねばならない。
『双子の』ルビー
熾烈極まるハートの女王は、証言に耳を貸さないのだ。
『双子の』マリー
か弱きひとに出来る事と言えば、過ぎ去りし時を待つくらい。
『双子の』マリー
かの愚かな救世主(Mimzy)のように。
『双子の』ルビー
迫る嵐を断ってくれようと、白銀の刃が再び光り。
イスタ
わらって、その顔は、一瞬の間にあなたに近付いて。
『夢見の』シャノン
そうして、二人の間に割り込んでいく。
『夢見の』シャノン
手に持っているのは、シャボン玉で模倣したスープ鍋。
『夢見の』シャノン
それを構えて、イスタの目の前に立つ。
『夢見の』シャノン
だが、そんな模倣された愛では。
『夢見の』シャノン
待って、やめて、殺さないでと願う。
『双子の』ルビー
そのまま、あらしとともに飛んでいき。
イスタ
一時、強まった風は、待てば次第に止んでいく。
イスタ
巻き上げられていた瓦礫もやがて落ちて。そうして。
『双子の』ルビーとマリー
心の疵で作られた雲は、あらしと共に効力を失い。
『双子の』ルビーとマリー
けれども堕落の国では、雨が止んでも虹のかかることはない。
『夢見の』シャノン
双子を巻き上げ、叩きつけ、赤に染めて。
『夢見の』シャノン
ゆらゆらと、重い足取りで二人の元へ。
『双子の』ルビーとマリー
ぼろ雑巾のようなかたまりが二つ。
『双子の』ルビーとマリー
帽子と言えば、元から無い。
『双子の』ルビーとマリー
到底帽子屋とは思えぬその風体は、
『双子の』ルビーとマリー
虚空へと四肢を投げ出している。
『双子の』ルビーとマリー
あたりには、無数の6ペンスコイン。
『双子の』ルビーとマリー
誰にも持たれぬままに散らばっている。
『夢見の』シャノン
がくん、と膝をついて二人の体に触れる。
『夢見の』シャノン
「望んだ世界を見せてもらってないよ…、ルビー?」
『夢見の』シャノン
「好きになったって言ってもらってないよ…、マリー?」
『夢見の』シャノン
「これからじゃ…、ないの?」視界がぐらつく
『夢見の』シャノン
二人の体を抱き寄せ、顔を寄せる。
『夢見の』シャノン
ぴたり、シャノンの動きが止まる。
『夢見の』シャノン
ぐるり、首を回して…君たちを蒼い瞳が睨む。
『夢見の』シャノン
「…"二人"の"一人"が許されるなら」
『夢見の』シャノン
「"一人"の"二人"が許されてもいいよね?」
『夢見の』シャノン
床に散らばった6ペンスコインを乱暴にかき集め、立ち上がる。
『夢見の』シャノン
ふらつく体を起こして、両手を広げる。
『夢見の』シャノン
なおも、シャノンの瞳は澄んだまま。
『夢見の』シャノン
この『夢見』は、今もまだシャノンの内にある。
『夢見の』シャノン
ーーー目の前が霞む。これもあらしのせいかな。
『夢見の』シャノン
ーーーでも、まだ、裁判は終わってないんだから。
『夢見の』シャノン
「これよりお見せしますは、まさに奇跡のトラジコメディー!」
『夢見の』シャノン
「夢追人シャノンと双子の…、っ……、双子のっ…ルビーと、…マリーのっ!」
『夢見の』シャノン
「華麗なる逆転劇をっ!どう、ぞ…っご覧あれっ!!」
107号室のホテルマン
107号室のホテルマンが歩み出でる。
あなたがたに向かって一礼をする。
107号室のホテルマン
「『夢見の』シャノンさま」
『夢見の』シャノン
「君を、困らせるわけには…いかないな」
そう言って、下手くそな笑みを返す。
104号室のホテルマン
「107号室のお客様が敗北条件を満たされました」
104号室のホテルマン
「これにて、裁判は閉廷と致します」
GM
発狂している104号室のお二方は亡者化判定を行ってください。
イスタ
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 愛
プルネウマ
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 愛
イスタ
2d6+2=>7 判定(+愛) (2D6+2>=7) > 9[3,6]+2 > 11 > 成功
プルネウマ
2d6+0=>7 判定(+愛) (2D6+0>=7) > 6[5,1]+0 > 6 > 失敗
GM
ここで押し付けが発生します。
しかし、優先的に亡者化が押し付けられる末裔の方はどうやら死亡なさっているようす。
104号室のホテルマン
「イスタ様、プルネウマ様」
104号室のホテルマン
「おめでとうございます。此度の裁判、あなた方が勝者となりました!」
104号室のホテルマン
「この後に次の試合が行われるフロアへと移動して頂き、そこで今しばらくお寛ぎ頂くことになりますが……恐れながら、その前に一つ」
104号室のホテルマン
「”勝者の責務”を果たして頂く必要が御座います」
104号室のホテルマン
「”生かす”か”殺す”か。お選び下さい」
GM
このゲームのルールは"オールイン"。敗北した者は、全てを失う。
GM
そして敗者の手元から離れた運命は、勝者の総取り。
『夢見の』シャノン
その場に座り込み、ただ君たちを見つめる。
プルネウマ
「この場においては、全てを君に委ねるよ」
「イスタ」
『夢見の』シャノン
「じゃあ、今度教えてもらわなきゃね」
『夢見の』シャノン
「…ふふっ。それ、私に聞くのかい?」
『夢見の』シャノン
「"私は"、別に…どっちでもいいんだ」
『夢見の』シャノン
「ルビーとマリーには、生きていてほしい」
イスタ
ミムジィの日記に書いてあった末裔を思い出す。
イスタ
「末裔を大事にすることとか、わかんないんだけど」
イスタ
「ルビーとマリー、おれとあそんでくれてたのしかった」
イスタ
「マリーがおれのこと、なんか気にかけてくれてたのもわかった」
イスタ
「おれはプルネウマのこともきらいじゃなくて」
イスタ
「殺すより、生きてたほうがいいことって、あるのかな」
『夢見の』シャノン
「同胞のことも、末裔のことも…私には少しわからないことだけれど…」
『夢見の』シャノン
「そっか、きらいじゃない…か」
『夢見の』シャノン
「私もまだ、わかってないことで…教えられるような立場ではないのだけれど…」
『夢見の』シャノン
「その人の事を絶えず考えていて、それが…憎悪でないと自覚できるものであるなら…」
『夢見の』シャノン
「それは、"きらいじゃない"じゃなくて…"好き"ってことらしいよ」
イスタ
「あんたのことも、ルビーとマリーのことも」
『夢見の』シャノン
「私もイスタのことも、プルネウマのことも」
『夢見の』シャノン
「そして、ルビーとマリーのことは」
『夢見の』シャノン
「って、言っていいのかわからないんだけど…」
『夢見の』シャノン
「私はルビーとマリーに生きていてほしい」
イスタ
「……ルビーとマリーの、どんなところが好き?」
『夢見の』シャノン
「…改めて聞かれると、難しいなぁ」
『夢見の』シャノン
「…ルビーはね、結構私のこと見てくれてたんだよね。私の感情の変化?ってやつにも気づいてくれたし」
『夢見の』シャノン
「あと…大体のこと、真っ直ぐ答えてくれる」
『夢見の』シャノン
「マリーは、嫌なことに対してすっごい顔に出るんだよね。笑っちゃうくらい、うわって顔するの」
『夢見の』シャノン
「私に、好きだって気持ちを気づかせてくれるから…好き」
イスタ
「ルビーはマリーよりちょっとわかるから好きで」
イスタ
「対戦相手だったからとか、勝たないとおれが死ぬとか、そういうのもあったけど」
『夢見の』シャノン
「人はさ…、死んじゃうとお話しできなくなるし、触れられなくなるんだ」
『夢見の』シャノン
「もっと、ルビーとマリーが好きだから、もっと話したいし…触れていたいなって思う」
『夢見の』シャノン
「それに、私は二人が好きなように生きているのが好きなんだ」
『夢見の』シャノン
「プルネウマと、一緒にいたいんじゃないの?」
イスタ
「もとの世界に戻ったら、ひとりで、生き続けちゃうでしょ」
イスタ
「そうなるくらいなら、最後まで一緒にいる」
イスタ
「プルネウマがかみさまに戻る前に、一緒に死ぬ」
イスタ
「おれがかみさまになって、ひとりきりになるのもいやだから」
イスタ
「あんたが、好きな人が生きてるのが好きなら」
104号室のホテルマン
ケイトと呼ばれたホテルマンは頷く。
GM
勝者の責務は果たされて、ややもすればホテルが動き出す。
『夢見の』シャノン
安心したのか、疲れ果てたのか…体から力が抜ける。
『夢見の』シャノン
そうして、疵の力を使ってシャボンの吹き棒を手に取る。
『夢見の』シャノン
ぷかり。シャボン玉がひとつ、会場に飛ぶ。
『夢見の』シャノン
『それ、なに?』
幼い私は、一人の老人に問いかけた。
『夢見の』シャノン
『これはね、シャボン玉って言うんだよ』
老人は答えた。
『夢見の』シャノン
『…しゃぼんだま?』
その言葉は、私の脳内には記録されていない単語だった。
『夢見の』シャノン
『遠い昔、そのまた昔の…そうだねぇ、遊びの一つだよ』
老人はそう言って微笑んだ。
『夢見の』シャノン
『…ふーん?』
私はよくわからず、首を傾げた。
『夢見の』シャノン
『…吹いてみるかい?』
老人は、緑色の棒を私に差し出した。
『夢見の』シャノン
『でも、でーたを入れてないからきっとうまくできないよ?』
それを受け取りながら、私はそう返した。
『夢見の』シャノン
『それで、いいんだよ』
老人は、そう返した。
『夢見の』シャノン
「シャボン玉ってね、吹き方によって大きさも数も変わるんだよ…」
『夢見の』シャノン
「私には、それが新鮮で嬉しかった」
『夢見の』シャノン
ーーーだから、このシャボン玉は…私が私である証。
『夢見の』シャノン
ーーー私だけの、"シャボン玉"(夢)
『夢見の』シャノン
「イスタ、これあげる」
そう言って、持っていた吹き棒を差し出す。
イスタ
ちいさな手が握れば、緑色の棒はあなたが持っているより大きく見える。
『夢見の』シャノン
「最初はできなくてもいいんだよ」
『夢見の』シャノン
「いつか、君の…君たちだけのシャボン玉を空に浮かべてくれ」
プルネウマ
「私は…………」
そう言って、首を横にふる。
プルネウマ
「たのしかった、ありがとう」
言葉を繰り返し。
GM
機械音と共に、巨大なエレベーターが中心点から二つに割れる。
GM
104号室は上へ、107号室は下へ。運命がゆっくりと分かたれていく。
GM
ホテルマンが胸から取り出したベルを2度、鳴らす。
GM
転がっていた筈の骸が、動画を逆再生するように元の姿を取り戻す。
このホテルの中で保留されていた死が、取り消される。
『夢見の』シャノン
「いやー!一回戦は私、二回戦は君たちがあっさりとやられてしまったねぇ!」
『夢見の』シャノン
「え?どこだと思う?下に向かうエレベーターだよ〜」
『夢見の』シャノン
「すまないねえ、君たちが倒れたあと…なんとかやってみたんだけども…」
『双子の』マリー
「大した怪我もしていないでしょうに」
『夢見の』シャノン
「…いやいや、セブンくんがそのあと治療してくれたからね〜」
『夢見の』シャノン
「それになんと、相手の気まぐれで生かしてもらっちゃった!いやー、ラッキーだったね!」
『双子の』マリー
「何をふざけたことを言ってるんですか。こんなところまで」
『双子の』ルビー
「なんとかのやりようもないでしょう」
『双子の』ルビー
「自分の身体を見下ろしたのなんてあれが初めてでしたよ」
『夢見の』シャノン
「君たちが生き返ってくれて、良かったよ」
『双子の』マリー
「だって、私達のせいじゃないですか」
『双子の』マリー
「一回戦の後であれだけ言ったのに」
『夢見の』シャノン
「…いいよ、終わったことだしね」
『双子の』マリー
「あんたのことだから、どうせ自分の身とか顧みずに」
『双子の』マリー
「またっ……相手に何でもかんでも頼み込んで!」
『双子の』マリー
「どげっ……土下座でもしたんじゃないですか!?」
『双子の』マリー
「ものの頼みかたも知らないくせに!!!」
『双子の』マリー
「後先のことも考えないままで!!」
『双子の』マリー
「それなのに、何が大丈夫だとか…………」
『夢見の』シャノン
「そんな…、そんな………、さ」
『夢見の』シャノン
「土下座をしたわけでもないし…」
『夢見の』シャノン
ーーーまあ、そのくらいするつもりだったのは…本当だけどさ…
『夢見の』シャノン
「それに、君たちが生きていてくれるなら…」
『双子の』マリー
「ここを出て、もしすぐ亡者に襲われて死んでたりしたって」
『双子の』マリー
「あんたはずっとそんな願望を夢見ながら石の中で生きてくんだ」
『夢見の』シャノン
「ずっと、人の夢を見続けてきたんだ」
『夢見の』シャノン
「その本当の意味も知らずに…」
『夢見の』シャノン
「それが、君たちの夢を見続けることができるなら…」
『夢見の』シャノン
「それに、君たちはこんなところで終わるつもりはないだろう?」
『双子の』ルビー
「俺達は堕落の国で生まれ育ち、骨を埋める末裔なれば」
『双子の』ルビー
「そんな場所でも俺達の故郷です故」
『双子の』ルビー
「いずれ訪れるその時までは、地に足を付けて歩きますとも」
『夢見の』シャノン
「うん…、それでこそだ」
大きく頷き、そしてマリーを見る。
『夢見の』シャノン
「君が、少しでも私を思ってくれているのなら…」
『夢見の』シャノン
「そしたら私は、ここで君たちを夢見て…いつの日かを待とう」
『双子の』マリー
「他人の忠言を聞き入れず、自分勝手に生きることこそ」
『双子の』マリー
「夢を追い求めるってことでしょうが」
『双子の』マリー
「あんたに出会う前から私達はずっとそうしてきたんだ」
『双子の』マリー
「あんたのことは忘れらんないんだよ」
『双子の』マリー
「私達の心配でもしてる暇があったら」
『双子の』マリー
「たまにここにくる連中の夢でも観察してりゃいいんだ」
『夢見の』シャノン
「確かに、ここに来た人たちの夢…観察し放題かもしれないねぇ」
『夢見の』シャノン
「君たちと出会えたこと…そしてここでの出会いは、私に大きな変化を与えてくれた」
『夢見の』シャノン
「私にはまだ、知らないことが…知るべきことがたくさんあるようだ」
『双子の』ルビー
「世の中には知っておくべきことが多すぎる」
『双子の』ルビー
「十年二十年なんて人生だけでは到底おっつけないほどに」
『双子の』ルビー
「それに気付けたのなら、あとは己で残りの生を華やかにしていけることでしょう」
『双子の』ルビー
「寓話童謡とは、それに気付くためにあるのですから」
『双子の』ルビー
「“鏡の国のアリス”を歓迎した“双子”としては大変喜ばしい」
『夢見の』シャノン
「………あ、ごめん。なんか固まり始めてた」
『夢見の』シャノン
「石になるって感覚、こんなんかぁ…」
『夢見の』シャノン
「なんかねぇ、自由が効かなくなって来る感じ…?じわじわと、内側から…」
GM
生かされた。
だが、下された判決は、それで終わりではない。
『夢見の』シャノン
「どんなポーズで石化しよっか!」
GM
敗北し、そして殺される事もなかった救世主に待ち受ける運命。
それはエントランスに飾られていた救世主と同じ末路。
『夢見の』シャノン
「やっぱりかっこいい感じが良いと思わないかい?それともいっそセクシーに?」
『双子の』ルビー
「ヴィーナスの誕生とかでいいんじゃないですか?」
『夢見の』シャノン
「今ならまだギリいけるよ!さあ!」
『夢見の』シャノン
「これから先もまた、いつも通りに…」
『双子の』ルビーとマリー
「……何度言えばわかるんですか」
『双子の』ルビーとマリー
「そんなことは言われるまでもない、と」
『夢見の』シャノン
それに対して、もう言葉は返ってこない。
『夢見の』シャノン
ただ、笑みが君たちを見つめる。
107号室のホテルマン
「それでは、このまま地下へとご案内します」
『双子の』ルビーとマリー
「セブン君にも迷惑をかけたね」
『双子の』ルビーとマリー
「のっけから玄関先で招待状奪って押し入ってるし……」
107号室のホテルマン
「これが私どもの仕事ですので」
107号室のホテルマン
「これから挑むべきゲームが、あなたには御座います」
GM
敗者は下へ、あるはずの観客席をすり抜けてさらに深く、怨みと堕落の最中まで。
GM
エレベーターが到着した先は、周囲を取り囲むいくつものドアがあるフロア。
GM
そのドア以外は一切のものが存在しない。飾り気もなく豪華でもない。
107号室のホテルマン
「こちら一つ一つが大回廊に連なる扉……そちらを経由して、堕落の国のあらゆる場所に通じております」
107号室のホテルマン
「それぞれ扉の行き先は、扉の上の掲示の通り」
GM
行先がいくつか書かれている。
真鍮製のレタリングプレート。
107号室のホテルマン
「ですが、自由に選ぶことはできません。こちらを」
GM
差し出されるのは深紅のトランプ。ジャックとエースを決めたそれの、一揃いの山札。
107号室のホテルマン
「古く良き、ヴァンテアン・ゲームの形の通り。引いた数字の合計と同じ扉があなたの運命となります」
107号室のホテルマン
「引く枚数は、まずは2枚。それからはお望みのまま……」
『双子の』ルビーとマリー
双子はとうに二度見ている。遺された末裔に唯一つ赦された道。
『双子の』ルビーとマリー
「じゃあ、一先ずは」「一枚ずつ」
107号室のホテルマン
ホテルマンの白手袋に指された扉のプレートには街中と書かれている。
『双子の』ルビーとマリー
「バーストでホテルマンだったな」
GM
扉の向こうはどこかの街中の、どこかの扉。
見たことがある場所かもしれないし、ないかもしれない。
107号室のホテルマン
扉の傍ら、見送るために佇んでいる。
『双子の』ルビーとマリー
石像と化したシャノンを一瞥して、
『双子の』ルビー
「お前、外に心残りとかあるか?」
『双子の』ルビー
「何かあるなら少しくらいは頼まれてやるよ」
107号室のホテルマン
微笑んだまま、首を横に振ろうとして、街中を眺めて止まる。
107号室のホテルマン
「……もうすぐ、“なんでもない日”があるんです」
107号室のホテルマン
「どこかの街の、街はずれの、小さなお屋敷に」
107号室のホテルマン
「使わなかったそれを、プレゼントしてくれませんか」
107号室のホテルマン
ウサギのお守りと女王のタルトを指さして。
『双子の』ルビー
「その日までにタルトが持てばいいがな」
107号室のホテルマン
「……お腹が空きますからね」
『双子の』ルビーとマリー
そして、二人は扉の外へ。
『双子の』ルビーとマリー
「それでどうするって?」「どこだかの外れの小さな屋敷に」
『双子の』ルビーとマリー
「その後は?」「人食い屋敷でも探してみるか」
『双子の』ルビーとマリー
「じゃあ、それも終わったら?」「…………イモムシ共の集落でも巡るとしよう」
『双子の』ルビーとマリー
「なに、怪物を大げさに誇張することには慣れているさ」
『双子の』ルビーとマリー
「なにしろあらしを前にしてまだ生き続けている末裔など、そうはいないだろうからな」
GM
勝者のエレベーターが次なる戦いの場へと昇っていく。
GM
再び証を引き直すまで、エースはエースらしく、ジャックはジャックらしく。
104号室のホテルマン
プルネウマ様の方を見やる。
プルネウマ
「そうだねえ」
末裔が渡されたものを真似して出現させる。
プルネウマ
「私は構わないけど」
シャボン玉が飛んでいく。
プルネウマ
「こんな状態で抱かれるなんてしたら」
「どうなっちゃうんだろうなあ」
プルネウマ
「ケイトが半分肩代わりしてくれるならいいよ」
104号室のホテルマン
「半分終わったら呼んで下さいませ」
104号室のホテルマン
「その時にまた考えておきます」
プルネウマ
「じゃあイスタが半分の力でやれば、一緒におひるねしてくれるかもね」
104号室のホテルマン
「あれをおひるねと称しているようではまだまだかと存じます」
104号室のホテルマン
おひるねは崇高なものですからね。
104号室のホテルマン
「お誘いの言葉としてはゴールドスターをあげられません」
104号室のホテルマン
「とはいえ、命令ならば逆らえませんが……」
104号室のホテルマン
「3回戦の勝利の暁には、是非」
104号室のホテルマン
「私からお話しするかもしれませんね」
プルネウマ
「うん」
シャボン玉は、もう作られていない。
プルネウマ
「そうだね」
浮かぶシャボン玉も、いつの間にか割れてしまった。
プルネウマ
「しようね」
叶えた後の夢が、夢でなくなるように。
104号室のホテルマン
「次の戦いに備え、どうか休息をおとりください」
GM
敗者の末路を写していたモニターは、電源を落とされ暗転する。