裁判
GM
中心から大きく2つに分かたれたこの巨大な空間は、この後片方が昇り、片方が降る。
GM
中継された1階の歓声が天井近くのスピーカーから届く中。
GM
エレベーターの境目で、ホテルマンが虚空へと一礼。
103号室のホテルマン
「24時間が経過致しました」
108号室のホテルマン
「これにてお茶会の時間は終了。裁判の時間と相成ります」
103号室のホテルマン
「マナー、チップ、ドレスコード、どうか御確認の上……ご準備はよろしいですね?」
ペペル
試合開始時と同じように、もやを伴って現れる。
ジャン
ペペルの様子がどこか茫洋としていることに気づいて、
ジャン
いつもならばきっと声をかけなかったけれど。
ペペル
右手には抜身の剣が、左小脇には何か丸めた布の塊がある。
ペペル
布の塊は、試合開始時には持っていなかったものだ。
ジャン
布の塊を一瞥してから、対面へ視線を向ける。
スペードの56
静かにそこに立っています。これまでこの場にいた時のような、派手な振る舞いはありません
スペードの56
「常に何かを奪うもの。守ると決めての行動であろうと、結局その為に何かを奪う」
スペードの56
「ワタシの望みの為。あなたがたの望みを奪う」
スペードの56
「今勝利するのは我ら。そして最後に勝利するのはワタシです」
スペードの56
それだけ言えば、イカロスの一歩後ろに
イカロス
道化が控えれば、スポットライトは王者に当たる。
そこにあるのは堂々たる立ち姿。天を纏う、蒼の光。
イカロス
「――勝者は傲慢かつ、貪欲であらねばならん。」
イカロス
「我々はひとつの戦いを勝利した。だが、そこで満足することはない。」
イカロス
「ーー我々の目指す夢にはまだ遠い。蒼空を見るにはまだ低い!」
イカロス
「故にーー我々は、我々の夢を突きとおす。」天へと向けて指さしーー
イカロス
「我々は、我々の自己を突きとおす!」そうして、103号室の方へ突きつける。
ペペル
ぱちぱちと拍手をする。試合開始時の入場と似たような反応。
ペペル
「蒼空、それが君たちの目指すところであるというのなら、
さしずめボクたちは……」
ペペル
それの指し示す先、救世主たちの頭上に、にわかに靄が立ち込める。
108号室のホテルマン
「──ご準備は宜しいようで」
103号室のホテルマン
「それではヴァンテアン・ゲーム。これより第2回戦」
GM
その合図と共に、エース(救世主)とジャック(末裔)。
GM
お茶会の間シャッフルされていた領分は本来の姿に戻る。
GM
エースがジャックに手を差し伸べれば、最適解には届かない。
GM
ジャックがエースに手を伸ばせば、待っているのは身の破滅。
GM
目指すべき姿は21"ヴァンテアン"。それこそが世界に定義されし解答。
GM
全員が仕込を所持していますので、各々自分の取得する小道具を宣言してください。
[ ペペル ] 枯れた花輪 : 0 → 1
[ ペペル ] 免罪符 : 0 → 1
[ ジャン ] 水パイプ : 0 → 2
[ イカロス ] 眠り鼠のポット : 0 → 1
[ イカロス ] 水パイプ : 0 → 1
[ スペードの56 ] 水パイプ : 0 → 1
[ スペードの56 ] ウサギのおまもり : 0 → 1
GM
先制値を決定します。割り込みで使用する道具があれば併せて宣言してください。
[ ジャン ] 日刻み : 1 → 0
スペードの56
*アリスのくつ使用。対象はイカロスとスペードの56
[ スペードの56 ] アリスのくつ : 1 → 0
スペードの56
1d+10 (1D6+10) > 4[4]+10 > 14
ペペル
1d6+2 先制 (1D6+2) > 3[3]+2 > 5
イカロス
1D6+2+10 才覚+靴 (1D6+2+10) > 1[1]+2+10 > 13
ジャン
1d6+4+2 才覚+日刻みの時計 (1D6+4+2) > 6[6]+4+2 > 12
GM
フィクス > イカロス > ジャン > ペペル
第1ラウンド:手札補充
第1ラウンド:フィクス
スペードの56
3d+4+2 (3D6+4+2) > 9[6,2,1]+4+2 > 15
GM
4d振って全快しないことはないので大丈夫です。
[ イカロス ] HP : 15 → 19
第1ラウンド:イカロス
[ ジャン ] 封印 : 0 → 1
イカロス
1D6 2以上で自分も封印 (1D6) > 1
ジャン
2d6+4+1+1+4=>7 判定(+才覚+万能+多彩な凶器) (2D6+4+1+1+4>=7) > 8[6,2]+4+1+1+4 > 18 > 成功
イカロス
2d6+4+4+5=>18 威風(+猟奇) (2D6+4+4+5>=18) > 11[6,5]+4+4+5 > 24 > 成功
イカロス
1D6+5+3 ダメージ 凶器+鋭気 (1D6+5+3) > 3[3]+5+3 > 11
[ ペペル ] HP : 16 → 6
イカロス
フィクスの拳に、蹴りを返す。勢いが相乗に乗り、飛翔の推進力へ。
イカロス
翼が空中に蒼い軌跡を描く。ホールを周回、空を切り裂く風となる。
イカロス
乱れた空気が、敵の動きを阻害しーーそのまま、蒼い風がペペルの元へ突き進む。
ペペル
「!」
剣の腹で受け止める。しかしその勢いを反らすことはできない。
ジャン
「くっ……!」イカロスの動きを阻むはずが、逆に風圧に足が前に出ない。
ペペル
そのまま吹き飛ばされ、ホールの壁面に激突する。
ペペル
「まったく、見るのと受けるのとじゃ大違いだ……」
イカロス
「流石にこの程度では終わらんか。」笑い、再び空を舞う。
第1ラウンド:ジャン
[ ジャン ] 水パイプ : 2 → 1
ジャン
水パイプの煙が、どこからともなくゆらゆらと揺れる。
ジャン
王者が空を駆けるだけで風が逆巻くこのホールで。
ジャン
吹き散らされずにゆらゆらと揺れるその煙が、末裔の居場所を確保する。
ジャン
一歩足を踏みしめた。前に出られることを確かめて、息をつく。
第1ラウンド:ペペル
ペペル
「一発入れただけで得意になってもらっても困るな……」
ペペル
2d6+4=>7 判定(+猟奇) (2D6+4>=7) > 12[6,6]+4 > 16 > 成功
GM
*今回レギュレーションでスペシャル回復は廃されております。
ペペル
1d6+3 威力 (1D6+3) > 1[1]+3 > 4
スペードの56
2d+4>=7 (2D6+4>=7) > 6[4,2]+4 > 10 > 成功
スペードの56
看破もこっちは無いので普通に4ですね
[ スペードの56 ] HP : 25 → 21
ペペル
「イカロスはずいぶんと蒼空が見たいみたいだ……」
ペペル
「一度地の底に落ちた君が、もう一度這い上がれたとして」
ペペル
「そこに待っているのは、本当に同じ蒼空なのか、って」
ペペル
剣から発せられた稲妻の弾丸が、地面や壁を乱反射して
宙を舞うイカロスに追いすがる!
スペードの56
「う~ん、違うかもしれませんね~」両手の指いっぱいに挟み込み、大量の金属製のボールをどこからともなく
スペードの56
殆どを稲妻に投げつけ……最後の一個、残ったボールを自分の手に持って掲げる。さすれば全ての稲妻は、集められて避雷針となったワタシの方へ
スペードの56
「もしもそんな蒼空でも、見たいですか、ダンナ様?」
スペードの56
電撃は体の芯に響く。だが、トカゲの末裔はやせ我慢が得意だ。まだまだ倒れはしない
イカロス
「厚く覆われた暗雲の向こうに、空が存在するというのなら。目指さぬ道理はない!」
第2ラウンド:手札補充
スペードの56
*d4,h8,dA(c10,cQ)
第2ラウンド:フィクス
第2ラウンド:イカロス
イカロス
*眠り鼠のポットを使用 ジャンに2Rの封印
[ ジャン ] 封印 : 1 → 2
[ イカロス ] 眠り鼠のポット : 1 → 0
イカロス
*s10 鋭気を使用 s6 威風をペペルへ
イカロス
2d6+4+4=>7 判定(+猟奇) (2D6+4+4>=7) > 3[1,2]+4+4 > 11 > 成功
[ イカロス ] 鍍金の身体 : 0 → -1
イカロス
1D6+5+3 ダメージ 凶器+鋭気 (1D6+5+3) > 3[3]+5+3 > 11
[ ペペル ] HP : 6 → 0
ペペル
2d6+5 判決表 (2D6+5) > 5[2,3]+5 > 10
[ ペペル ] HP : 0 → 1
[ ペペル ] 前科 : 0 → 1
イカロス
ーーそう。何を捨ててでも、目指すべきものがある。
目指さねばならぬものがある。
イカロス
脳が指令を与える。
カメラアイが打倒すべき敵を捕らえる。機甲の翼が空を舞う。機甲の四肢が一撃を繰り出す。
ペペル
迎え撃とうと振るった刃は空振り、一方的に鋭い一撃がペペルの肉を抉る。
ペペル
その場に崩れ落ちることこそないが、たたらを踏み、
苦悶の悲鳴が口端から漏れる。
ペペル
「なんでボクだけ、こんな目に遭うんだよ……」
第2ラウンド:ジャン
ジャン
2d6+4+1+1=>7 判定(+才覚+万能+多彩な凶器) (2D6+4+1+1>=7) > 8[4,4]+4+1+1 > 14 > 成功
[ イカロス ] 猛毒 : 0 → 4
ジャン
上空からの一撃を繰り出すイカロスの進路を、パイプの煙が塞ぐ。
ジャン
容易に吹き飛ばされるはずの煙はイカロスにまとわりつき、
ジャン
ちょっとした依存とわずかな毒が、心の疵でもって機械の体さえも冒す劇毒となる。
イカロス
「ーーッ」舌打ち。加速しようとも振り払えない煙。
イカロス
煙が浸透する。機械の体をも蝕む毒。わずかにではあるが、それは確実に体の動きを鈍らせる。
第2ラウンド:ペペル
ペペル
「見上げる立場ってのは、嫌なもんだね……」
ペペル
受けた傷をかばってよろめく。血の痕が点々と床に残る。
ペペル
それは──ドレスルームで見つけたあの衣裳だ。
ペペル
それは、瞬きのうちに萎れた花輪へと変わった。
ペペル
「見ろ! これが殺人者の上に広がる空だ!」
[ ペペル ] 枯れた花輪 : 1 → 0
GM
*2ラウンドの間、全員のファンブル値が1上昇!
ペペル
どす黒い暗雲へと広がり、ホール全体に広がっていく。
ジャン
2d6+4+1+1+6=>7 判定(+才覚+万能+多彩な凶器) (2D6+4+1+1+6>=7) > 12[6,6]+4+1+1+6 > 24 > 成功
イカロス
2d6+4=>24 判定(+猟奇) (2D6+4>=24) > 7[1,6]+4 > 11 > 失敗
ペペル
2d6+4=>7 判定(+猟奇) (2D6+4>=7) > 8[3,5]+4 > 12 > 成功
ペペル
1d6+3 (1D6+3) > 5[5]+3 > 8
[ スペードの56 ] HP : 21 → 13
ペペル
漆黒の闇の中、雷光の火花があちこちで散る。
スペードの56
力を抜き、身構える。防御とも言えない、最低限、致命傷だけを避ける動きで迎えます
スペードの56
元よりあの雷は、肉体でガードできるものではない――!
スペードの56
回避はままならない。斬撃も、雷も、全てを正面から受ける
スペードの56
「……流石に……効きますね……!」
第3ラウンド:手札補充
ペペル
*c5 d10 h10 (d11 s11)
第3ラウンド:フィクス
スペードの56
4d+2 (4D6+2) > 15[3,5,1,6]+2 > 17
[ スペードの56 ] HP : 13 → 25
ジャン
2d6+4+1+1=>7 判定(+才覚+万能+多彩な凶器) (2D6+4+1+1>=7) > 7[6,1]+4+1+1 > 13 > 成功
スペードの56
2d+4>=13 (2D6+4>=13) > 11[5,6]+4 > 15 > 成功
スペードの56
2d+4>=13 (2D6+4>=13) > 4[2,2]+4 > 8 > 失敗
スペードの56
なにも使いません。ファンブル表振ります
スペードの56
*残ってるcQ,c2,d4が捨てられます
スペードの56
では普通に失敗ロールに行きましょうか
スペードの56
「そうですね」呟きつつ、黒雲の中を見据える
[ ペペル ] 花輪カウント : 0 → 2
スペードの56
雲に透ける影。あれがペペルか?と思えばただの弾けた雷。どこにいるのか読むことも出来ない。まして、迂闊に違う箇所に手を伸ばせば、そこに雷撃を受けるに違いない
スペードの56
「しかしワタシは、その言葉の言う”悲しい”対象であることも出来ます」
スペードの56
だが、関係ない。一か八かでも、一撃を加えれば今のペペルの意識を奪うには十分
スペードの56
脳のスイッチを切り替え、痛みをシャット。そこと見た箇所に強烈な一撃を定め――
ジャン
その一撃を受け止めたのは、単なる煙だった。
ジャン
暗闇の中、雷光に照らされて、戦場の中を幾筋も漂う煙。
ジャン
しかし、あなたには確かな手応えが返ってくる。
スペードの56
感触を覚えれば、素早く後退する。痛みが無かろうと、傷を負えば人は立ち上がれない
スペードの56
更に言えば――痛みを切っていたせいで、その感触の細かな部分までも気にする余裕などない。大きく離れ、結果を確認すべく目を動かす
ジャン
辺りには、煙が漂うばかり。気配が感じ取れぬほどに。
第3ラウンド:イカロス
[ ジャン ] 封印 : 2 → 1
イカロス
1D6 2以上で自分にも不調 (1D6) > 1
[ ペペル ] 猛毒 : 0 → 1
ジャン
2d6+4+1+1+4=>7 判定(+才覚+万能+多彩な凶器) (2D6+4+1+1+4>=7) > 11[6,5]+4+1+1+4 > 21 > 成功
[ ペペル ] 毒/イカロス : 0 → 1
イカロス
2d6+4+4+5=>21 判定(+猟奇) (2D6+4+4+5>=21) > 6[1,5]+4+4+5 > 19 > 失敗
[ イカロス ] HP : 19 → 17
イカロス
雷雲の中を蒼が舞う。風が空気をかき混ぜ、雲を割く。
イカロス
激しい風の中、しかしその動きに微かな衰えが混じる。
ジャン
王者の広げる蒼穹の中、おのれの居場所を確保するのに精いっぱいだったパイプの煙は、
ジャン
暗闇の力を借りていまやあらゆる場所へ蔓延している。
ジャン
わずかな躊躇も、毒に冒され鈍る動きも、運さえも味方につけたように。
ジャン
「『なら』『ここぐらい譲ってくれたっていいだろう?』」
イカロス
視界が遮られる。煙で動きが鈍る。
ペペルを狙い、翔けたその動きは。しかし精細さを欠き。
イカロス
あるいはここがーー本当に空の中だったら。
暗雲も、煙も、全て引き離せるというのに。
イカロス
「ーーここしかないと、そう思うのなら。」
ジャン
だが確かに、このホテルだってそういう場所だ。
ジャン
ただしここには、救世主への怨嗟が渦巻いている。
第3ラウンド:ジャン
[ イカロス ] 猛毒 : 4 → 3
[ ジャン ] 封印 : 1 → 0
ジャン
2d6+4+1+1=>7 判定(+才覚+万能+多彩な凶器) (2D6+4+1+1>=7) > 8[6,2]+4+1+1 > 14 > 成功
[ スペードの56 ] 猛毒 : 0 → 4
ジャン
満ちる煙はゆるやかに体を蝕む。イモムシの末裔が選んだものだけを。
ジャン
毒が許容量を超え、受けたものがそれに気づくまでの時間があるだけだ。
スペードの56
後ずさって幾ばくかの後、体の不調に気が付く。耐毒性を高める訓練だの体質だの、その程度のもの、コインの力による毒には効きはしない
スペードの56
(呼吸を調――「いや、最早その必要はありませんか。しっかり及んでいるようです。流石、ああ言いながらも祈るだけではないようで」
スペードの56
冷静にどれだけ耐えられるかを計算する。狼狽え鼓動が早まれば毒は早く効く。倒しきるまで、倒れなければそれでいい
ジャン
そう。じわじわと蝕む毒が巡り切り、二人が倒れるのを待つには、王者の動きは鋭く、トカゲの道化はしぶとすぎる。
[ ペペル ] 花輪カウント : 2 → 1
第3ラウンド:ペペル
ペペル
2d6+4+4=>7 判定(+猟奇) (2D6+4+4>=7) > 12[6,6]+4+4 > 20 > 成功
ペペル
1d6+3 威力 (1D6+3) > 2[2]+3 > 5
[ イカロス ] HP : 17 → 12
[ ペペル ] HP : 1 → 0
ペペル
2d6+4-1 判決表 (2D6+4-1) > 4[3,1]+4-1 > 7
GM
8 ランダムな能力値で判定し、成功すればHPを1点回復して立ち上がる。失敗すれば〈昏倒〉する。
ペペル
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 才覚
ペペル
2d6+2=>7 判定(+才覚) (2D6+2>=7) > 6[3,3]+2 > 8 > 成功
[ ペペル ] 前科 : 1 → 2
[ ペペル ] HP : 0 → 1
ペペル
この雲の中じゃ、高度を下げないとこっちの位置すらわからないだろ?
ペペル
振り下ろされる剣。
暗雲ごと、王者を袈裟に切り裂く!
イカロス
空は雷雲に閉ざされ、その翼は剣の届く位置に。
煙に巻かれた体は、その一撃を避けることもできず。
イカロス
剣が、鋼の装甲を裂く。肌が大きく裂け、破片が散らばり落ちる。
ペペル
「ははは! 一人じゃ元気が出ないかい!?」
ペペル
暗雲が王者を孤立させる。
観客の視線も、道化の援護も届かない。
ペペル
「だけど仕方ない!
人間は元から一人なんだ!」
ペペル
笑いながら、返す刃でもう一撃を加えようとする。
イカロス
派手な損傷。生身の人間であればーーそれは無視のできない負傷であっただろう。
しかしーー自分は違う。
イカロス
破片を散らしながらも怯むことなく、すかさず光の刃が閃く。
間髪入れずに返す一撃を繰り出す。
ペペル
打撃を加えられれば、どんな生き物でも一瞬は硬直する。
それが挟まらない反撃に、ペペルは反応できなかった。
ジャン
暗雲の中に散る小さな雷光が、血を引きながら落ちるペペルを照らし出す。
ジャン
苦鳴の声を上げるペペルの名を、今度は呼べなかった。
ジャン
呼んだところで何もできない。ジャンにペペルを癒す力はない。
ペペル
血を流しながら、剣を支えにして踏みとどまる。
ペペル
「は……ははははっ……強いなぁ……二人とも……」
ペペル
「でもっ、ボクもぉ……負けないぞぉ……!」
第4ラウンド:手札補充
第4ラウンド:フィクス
スペードの56
4d+2 (4D6+2) > 14[4,4,2,4]+2 > 16
[ イカロス ] HP : 12 → 19
[ イカロス ] 猛毒 : 3 → 0
イカロス
2d6+4=>7 遊撃判定(+猟奇) (2D6+4>=7) > 7[6,1]+4 > 11 > 成功
[ ジャン ] HP : 18 → 15
ジャン
2d6+4+1+1-2=>7 判定(+才覚+万能+多彩な凶器) (2D6+4+1+1-2>=7) > 10[4,6]+4+1+1-2 > 14 > 成功
スペードの56
2d+4>=14 (2D6+4>=14) > 4[3,1]+4 > 8 > 失敗
GM
不運に次ぐ不運。次の自身の手番開始まで、すべての判定の達成値が0になる。
スペードの56
「先の一撃は外れたか、或いは当たっても耐えられたか……どちらにせよ勝負はまだまだ終わらないようですね」
スペードの56
「……ならワタシがやることは一つ。あまりやりたくないですけど」
スペードの56
黒雲の中に突っ込みます。内部の細かい動きを見づらいのはジャンも同じ筈、攪乱に専念すればいい。その際――
スペードの56
当然自分に降りかかる災難は、全て無視する!
ジャン
その勢いで飛び込むには、黒雲の中はいささか危険すぎる場所だ。
ジャン
煙は今や攻撃を阻み敵を惑わすばかりでなく、身体さえ絡めとる。
ジャン
煙という生き物が、そこに存在しているかのように!
イカロス
視界の悪い雲の中、それでも立つ煙に向けて。小型の光刃が広範囲に発射される。
狙いの定まらない、光の雨が注がれる。
ジャン
煙を切り裂き、その先にいるイモムシを捉える。その動きが鈍る。
ジャン
目の前で立ち、攻撃を受けているペペルがそこにいる。自分が怯むわけにはいかない。
スペードの56
前が見えない。体が上手く動かせない。自分の手足は、ちゃんと今も自分の体についたままなのか?……だが、生きていることは確かだ。ならば、こうしている事に意味はある!
第4ラウンド:イカロス
[ ペペル ] 毒/イカロス : 1 → 0
[ スペードの56 ] HP : 25 → 22
ジャン
2d6+4+1+1=>7 判定(+才覚+万能+多彩な凶器) (2D6+4+1+1>=7) > 4[2,2]+4+1+1 > 10 > 成功
ジャン
2d6+4+1+1=>7 判定(+才覚+万能+多彩な凶器) (2D6+4+1+1>=7) > 10[6,4]+4+1+1 > 16 > 成功
イカロス
2d6+4+4=>16 威風判定(+猟奇) (2D6+4+4>=16) > 12[6,6]+4+4 > 20 > 成功
イカロス
1D6+5 ダメージ (1D6+5) > 1[1]+5 > 6
[ ペペル ] HP : 1 → 0
ペペル
2d6+4-2+1 判決表 (2D6+4-2+1) > 7[3,4]+4-2+1 > 10
[ ペペル ] HP : 0 → 1
[ ペペル ] 前科 : 2 → 3
イカロス
降り注ぐ光刃の中、ひときわ大きな蒼光が、風を纏いペペルの元へと向かう。
ジャン
黒雲の中のペペルを守るように、厚く煙が覆う。
イカロス
強い風が煙を払う。何度まとわりつかれようと、機が一瞬だけでもあればいい。
イカロス
雲と煙との切れ間に見えた勇者へと、飛び込み。鋭い蹴りが捉える。
ペペル
鋭い痛みとともに内臓が揺さぶられる。骨がきしむ。
ペペル
反撃もままならない。ただ、よろめいて距離を取る。
ペペル
なんで勝たないといけないかなんてどうでもいい。
ペペル
負ければ、全部終わりだということだけが確かなんだ。
イカロス
……勇者と刃を重ねるのはこれで二度。
一度目はお茶会のさなか。あの時の勇者然とした姿と比べて、今の姿はーー
第4ラウンド:ジャン
[ スペードの56 ] 猛毒 : 4 → 3
ジャン
2d6+4+1+1=>7 判定(+才覚+万能+多彩な凶器) (2D6+4+1+1>=7) > 10[5,5]+4+1+1 > 16 > 成功
[ イカロス ] 猛毒 : 0 → 4
ジャン
王者の駆けて来た空はまさに何でもあり(scramble)
ジャン
黒雲や煙でさえ王者の飛翔を阻むにはなお薄い。
ジャン
黒雲の中へ立ち入ったイカロスへ、身体を蝕む猛毒が再び襲う。
イカロス
呼吸から、破損部位から、煙が回ってゆく。
イカロス
試合の中では、己のペースを保たねばならない。蔓延する煙はそれを乱れさせる。最も厄介な障害物。
ジャン
掻き乱し、動揺させ、手痛い失敗(ファンブル)を誘発させんと迫る。
第4ラウンド:ペペル
[ ペペル ] 花輪カウント : 1 → 0
GM
*枯れた花輪の効果が終了。以後ファンブル値は3に戻ります。
ペペル
*dQ悪戯をイカロスに。封印の不調を与えます
ペペル
1d6<2 悪戯 (1D6<2) > 1 > 成功
[ イカロス ] 封印 : 0 → 1
ペペル
2d6+4=>7 判定(+猟奇) (2D6+4>=7) > 8[4,4]+4 > 12 > 成功
ペペル
1d6+3+4 威力+鋭気 (1D6+3+4) > 6[6]+3+4 > 13
[ スペードの56 ] HP : 22 → 9
ペペル
けれど訪れはしない。黄金の昼下がりも、こどもじみたおとぎ話も。
ペペル
痛みもまだ鈍く残り続けている。
慣れることはない。痛みは常に新鮮なものだ。
ペペル
だが、もうみっともなく喚くことはなかった。
ペペル
泣いても喚いても誰も助けに来てはくれないことを知ったから、
ペペルは救世主になった。
ペペル
疾走。消えかけた黒雲から、雷のエネルギーを吸い取り、蓄える。
ペペル
未だ暗闇に苛まれるフィクスを、大蛇のようにのたうつ雷の束が襲う!
スペードの56
「消えた……か、」だが。無理な突入で消耗した体では――いや
スペードの56
どんな状態であろうと、この雷を”避ける”術は、我々にはない!あますことなく全身に雷撃が駆け巡り、ジャンのパイプとも、己のパイプとも、違う煙が立ち昇る
スペードの56
……だが、倒れない。床を滑るようにして大きく距離を取り、視線を返す
ペペル
「これだけ何度も攻撃を浴びせてるのに、元気そうなのって」
スペードの56
「こう見えて、それほど元気ではありませんよ。トカゲはやせ我慢が得意ですから」
スペードの56
「ペペルさんの方は我慢は……どうなんでしょうね。やってるけど得意ではない、という感じでしょうか」
スペードの56
「ワタシからもそう見えますよ」会話の間に立ちあがり、もう数歩下がる。煤を払った
第5ラウンド:手札補充
スペードの56
*s6,c10,h8,(c3,hJ)
第5ラウンド:フィクス
スペードの56
*hJ回復。対象はイカロスとフィクス
ジャン
2d6+4+1+1+2=>7 判定(+才覚+万能+多彩な凶器) (2D6+4+1+1+2>=7) > 7[2,5]+4+1+1+2 > 15 > 成功
スペードの56
2d+4>=15 (2D6+4>=15) > 4[1,3]+4 > 8 > 失敗
スペードの56
「……しかし、流石にこれ以上のダメージはやせ我慢どうこうではありませんね」
スペードの56
こんな時の為の道具をポケットから出そうと……
ジャン
黒雲が消えた。だが、煙はすでに戦場のそこここへ広がり切っている。
ジャン
言葉に示し合わせたかのようにフィクスの腕が痺れ、指先から力が失われる。
スペードの56
「……なるほど」深く息を吐く。毒もそろそろ全身を回って来る頃だろう
スペードの56
掴めない。ポケットから震える手を出し、少し眺めて
スペードの56
「……行動が封じられたなら口だけ少し、動かしますか。今更ですけど、随分前の発言を一つ、訂正させてもらいましょう」
スペードの56
「謙遜が美徳だと思っていましたし、少し恥ずかしかったのでああ言ってしまいましたが――」
スペードの56
「痛みを堪え、恐怖を背負うものが”そう”だというのなら」
スペードの56
「今、認めましょう。ワタシこそがほんとうの勇者であると」
スペードの56
「だから来なさい。回復が出来なかろうと耐えてやりましょう。そして――」
スペードの56
「あなた方から、”勇者”たるをすら奪ってみせる」
スペードの56
僅かな表情の変化。初めて、眉間にしわが寄る
ジャン
ペペルこそが勇者であり──だからこそ、自分は、
ジャン
本当にペペルが、勇者でなくなることを望む、と。
ジャン
ジャンの腕からは、王者に切られたわずかな傷から血が滴っている。
ジャン
ペペルが受けた傷とは比べ物にならないほど小さな、ほんの少しの傷。
ジャン
「俺たちは、ここで負けるわけにはいかない」
ジャン
「……負けたら、すべてが終わりになるんだから」
第5ラウンド:イカロス
[ スペードの56 ] HP : 9 → 6
イカロス
2d6+4+4=>7 威風判定(+猟奇) (2D6+4+4>=7) > 5[2,3]+4+4 > 13 > 成功
イカロス
1D6+5 ダメージ (1D6+5) > 6[6]+5 > 11
[ ペペル ] HP : 1 → 0
ペペル
2d6+4-3+1 判決表 (2D6+4-3+1) > 5[3,2]+4-3+1 > 7
[ ペペル ] 免罪符 : 1 → 0
[ ペペル ] HP : 0 → 1
[ ペペル ] 前科 : 3 → 4
[ イカロス ] HP : 19 → 17
イカロス
毒が体に巡る。己がそうであれば、道化もまた。
動きの鈍るフィクスの姿を捉えながらも。その翼は対峙するものへと向かう。
イカロス
王者の為に道化がいる。道化の為に王者がいる。
己の翼がある限り、道化は在り続ける。そう信じているからこそ。
イカロス
黒雲が晴れた。いまだ蒼空は見えない。
故に、飛翔する。蒼色の翼が勇者へ迫る。
ペペル
刃を剣で受け止める。激しく火花が散り、二人を照らす。
ペペル
金属と金属がぶつかる嫌な音。衝撃を殺しきれない。
押し負けたペペルが弾き飛ばされ、硬い床に激突する。
ペペル
いつぞやとは逆のことを叫びながら、バネ仕掛けのように跳ね起きる。
第5ラウンド:ジャン
[ イカロス ] 猛毒 : 4 → 3
[ スペードの56 ] 猛毒 : 3 → 2
ジャン
2d6+4+1+1=>7 判定(+才覚+万能+多彩な凶器) (2D6+4+1+1>=7) > 9[4,5]+4+1+1 > 15 > 成功
[ スペードの56 ] 猛毒 : 2 → 4
ジャン
幾度となく傷つけられ、叩き伏せられ、立つペペルに、
ジャン
前を見据えて、対戦相手の二人に相対するしかない。
ジャン
傷は大丈夫ですか、とか、負けないでくれ、とか、
ジャン
そんなことを言えるような段階ではもう、ないのだ。
ジャン
ホテルの招待に応え、自分たちの意志でここへ足を踏み入れた時に。
ジャン
だから、ジャンは言葉を発さない。そんなことを言う資格はないから。
第5ラウンド:ペペル
[ イカロス ] 封印 : 1 → 0
ペペル
2d6+4=>7 判定(+猟奇) (2D6+4>=7) > 8[2,6]+4 > 12 > 成功
ペペル
1d6+3+4 威力+鋭気 (1D6+3+4) > 5[5]+3+4 > 12
スペードの56
2d+4>=7 (2D6+4>=7) > 9[3,6]+4 > 13 > 成功
[ スペードの56 ] HP : 6 → 10
[ スペードの56 ] HP : 10 → 0
スペードの56
2d6+4 (2D6+4) > 6[3,3]+4 > 10
[ スペードの56 ] HP : 0 → 1
[ スペードの56 ] 前科 : 0 → 1
スペードの56
――来る。分かっている。だが、分かっているだけだ
ペペル
ペペル自身が一迅の稲妻となって、一直線に奔る!
ペペル
受け流しても躱しても、無数の不可避の斬撃と雷鳴が追いすがる。
スペードの56
嫌という程分かっている。どうしようもない攻撃には、受けて耐え忍ぶしかないと。だから、両腕を緩やかに伸ばし――
スペードの56
一番に受け止めるお腹のジョッキー君を目立たせる茶目っ気も忘れずに
スペードの56
そうして、高速・防御不可能の攻撃が、再びトカゲの全身を貫くだろう
スペードの56
肌がいくら頑丈であろうと、内臓はそこまで鍛えられるものではない。そのダメージは、勢いのままに吐き出される血が、如実に物語っていた
ペペル
強襲には釣り合わない、そっと置いていくような言葉。
スペードの56
食いしばる。目だけは開いたまま、強くその太刀筋――否、相手の目に向ける
スペードの56
「あいにく、自分勝手な年頃なのでね」
スペードの56
耐えきれば口元を拭い、次に備えましょう
第6ラウンド:手札補充
第6ラウンド:フィクス
[ スペードの56 ] 水パイプ : 1 → 0
[ スペードの56 ] 猛毒 : 4 → 0
第6ラウンド:イカロス
イカロス
2d6+4+4=>7 威風判定(+猟奇) (2D6+4+4>=7) > 6[2,4]+4+4 > 14 > 成功
イカロス
1D6+5 ダメージ (1D6+5) > 3[3]+5 > 8
ジャン
2d6+4+1+1=>8 判定(+才覚+万能+多彩な凶器) (2D6+4+1+1>=8) > 9[4,5]+4+1+1 > 15 > 成功
[ イカロス ] HP : 17 → 9
[ イカロス ] HP : 9 → 7
イカロス
「……そうでなくては。」フィクスの言葉に、呟き。
イカロス
ペペルを狙うように、ペペルの一撃を受けたフィクスを庇うように、風が向かう。
ジャン
空を駆け、切り裂き、敵を打ち据えてきたその風が、
イカロス
己の力のことは己自信が良く分かっている。
肌が切り裂かれる、翼が翻弄される。
イカロス
……それでも、姿勢を保ち続ける。まだ堕ちはしない。
ジャン
王者がいまだ飛び続けるのを見て、呻き声を上げる。
第6ラウンド:ジャン
ジャン
2d6+4+1+1=>7 判定(+才覚+万能+多彩な凶器) (2D6+4+1+1>=7) > 6[3,3]+4+1+1 > 12 > 成功
[ スペードの56 ] 猛毒 : 0 → 4
[ イカロス ] 猛毒 : 3 → 2
ジャン
もう何度、ペペルが吹き飛ばされ、叩きつけられてきたか。
ジャン
コインが何枚あったって、不死身になるわけじゃない。
あとどれぐらいペペルが立っていられるのか分からない。
ジャン
自分にはフィクスのような癒しの力はない。
前に立ち、身を晒して代わりに攻撃を受けることも。
ジャン
心の疵によって歪められた煙は、もはや水パイプのそれとは程遠い。
スペードの56
もう一度血を吐く。いかにトカゲと言えど今毒を受ければ、そう長くもつことはないだろう
スペードの56
「思えば、改めて聞いてみたかったんですけど」
スペードの56
「ワタシが……けほ……救いたいのは、酷い運命に巻き込まれた救世主。こんな世界に住まされている末裔」
スペードの56
「……ジャンさんが救いたいのって、本当に世界でいいんですか?」
スペードの56
「家族でも、友達でも、誰でもいいんです。本当は……」
スペードの56
「……世界を救いたい、理由。理由にあたるものが」
ジャン
世界を救いたい。その願いに、疑問など持つことがあるだろうか?
ジャン
この堕落の国では、日々だれかが死んでいる。
ジャン
亡者の手によって、救世主同士の殺し合いで、不毛の土地で暮らす必然の飢えで、あるいはその貧しさからくる奪い合い・憎悪・絶望──
ジャン
それをなくしたい、なくせなくとも少しでも減らしたいと願うことに、なにかおかしいことなどあるだろうか。
ジャン
「そこで、立って、戦っている。みんなのために」
ジャン
あんなにむなしく、かなしいペペルのことばを。
ジャン
手の中に舞い込んだすべを、自分は掴んでしまった。
ジャン
「堕落の国を、救わなくちゃいけないんだ……!」
第6ラウンド:ペペル
ペペル
*悪戯はせず、h2鋭気、d10通打をフィクスに
ペペル
2d6+4=>7 判定(+猟奇) (2D6+4>=7) > 8[5,3]+4 > 12 > 成功
ペペル
1d6+3+4 威力+鋭気 (1D6+3+4) > 6[6]+3+4 > 13
[ スペードの56 ] HP : 1 → 0
GM
*フィクスのHP0!判決表!過殺により酌量-1!
スペードの56
2d+4-2 (2D6+4-2) > 7[5,2]+4-2 > 9
[ スペードの56 ] HP : 0 → 1
[ スペードの56 ] 前科 : 1 → 2
ペペル
「フィクス、君が勇者で救世主なら、賭けてみたい気持ちもあるんだ」
ペペル
「だけど、それをボクは待っちゃいられない」
ペペル
床を蹴る。ちらつく姿。またたく間に三度の跳躍。
ペペル
息を継ぐその間にペペルが眼前に現れ、横切り、
人間を二度殺す深さの斬撃をフィクスの身に刻んだ。
スペードの56
パイプの煙が昇る。ジャンのものとは違い、特になんの効果もない煙が
スペードの56
ただの煙が守ってくれるはずもない。当然のように、それは空気と共に切り裂かれる
スペードの56
――当然だ!意識を保て!どこまでもどこまでも食いしばれ!
イカロス
「私達の夢はーーお前の夢は、まだ終わっていないだろう!」
イカロス
上空から、叫ぶ。立ち上がる理由があると。
スペードの56
もとより自分には、攻撃を防ぐ術なんてない!いつだって全てを受けて、その上で!ああ、そうとも!
ペペル
「ただ倒れないでいることにそんな大層なものが必要か?」
スペードの56
「必要かとッ……問われれば、要りません」
スペードの56
「だけど、理由の一つになる。死にたくないのと同列でね」
スペードの56
斬撃は骨に響く。雷撃は細胞に響く。倒れそうな思考を、それでも奮い立たせるのは何か?誰の為に立つのか?……
スペードの56
「人殺しの空は、曇天かもしれませんがね……」
スペードの56
「蒼空ってのは、その上にいつでもあるらしいじゃないですか」
スペードの56
「それに、罪を負ったら、皆苦しまなきゃいけないんですか?そんなのワタシは嫌です」
スペードの56
「生きるだけで罪を負うのがこの世界。なら、ワタシの好きな人まで生きるだけで苦しまなきゃいけない?」
スペードの56
「そんなの御免です。だから、ワタシが背負う。勇者として全部背負って、苦しんで、痛みを負って、でも耐え抜いて、終わりにしてやるんですよ」
ペペル
「ああそうだ。まったくキミの言うとおりだよ。フィクス」
ペペル
「だから苦しむという贅沢を味わって、ここで終わってくれ」
第7ラウンド:手札補充
第7ラウンド:フィクス
スペードの56
*sJ回復。対象はイカロスとスペードの56
ジャン
2d6+4+1+1=>7 判定(+才覚+万能+多彩な凶器) (2D6+4+1+1>=7) > 7[4,3]+4+1+1 > 13 > 成功
スペードの56
2d+4>=13 (2D6+4>=13) > 7[5,2]+4 > 11 > 失敗
[ スペードの56 ] HP : 1 → 0
スペードの56
2d+4-2 (2D6+4-2) > 9[4,5]+4-2 > 11
スペードの56
回復は変わらず阻害され、毒は絶えず体内を蝕む
スペードの56
だとしても、まだ倒れはしない。この程度では
[ スペードの56 ] 前科 : 2 → 3
[ スペードの56 ] HP : 0 → 1
第7ラウンド:イカロス
イカロス
2d6+4+4=>7 威風判定(+猟奇) (2D6+4+4>=7) > 7[6,1]+4+4 > 15 > 成功
イカロス
1D6+5 ダメージ (1D6+5) > 1[1]+5 > 6
ペペル
2d6+4-4+1 判決表 (2D6+4-4+1) > 6[5,1]+4-4+1 > 7
[ イカロス ] HP : 7 → 5
[ ペペル ] HP : 1 → 0
イカロス
……勝ち続けなければならない世界ならば、勝者として在り続けてやる。
例え殺人者となろうとも。
イカロス
夢の前に立ちふさがるものを、全て打ち倒して。
夢を阻むものを、全て捨て去って。
王者として、在り続ける。
イカロス
この肉体こそが、まさしくその在り様。
己の望む肉体を得て、己の望む王者で在り続ける。
己の夢の為に、己すら犠牲にして!
イカロス
空を翔ける。雲を切り、風を切り、蒼い光がペペルへと向かう。
イカロス
回転を乗せた、鋭い蹴り。畳みかけるような打撃。
ペペル
何度も救世主や亡者との戦いを経た聖なる剣。
ペペル
刃の腹が蹴りと拳を受け止め、捌き、衝撃に塵が舞いあがる。
ペペル
「正しいのはボクだ。
ボクは正しいんだ…」
ペペル
この期に及んでも、ペペルが振れる言葉はそんなものだ。
ペペル
「この国の、誰も正しくないなら、
ボクが正しくなるしかないんだ!
ボクが自分自身を助けるしかないんだよ!」
ペペル
足さばきで打撃を逃しながら、返す刃で逆袈裟に斬りかかる!
イカロス
肉も、骨も、痛みも無い。
そんなものは勝利の為には必要ない。
イカロス
「ーー王者というのは、ひとつの偶像だ。
遠く手の届かぬ存在に、人は夢を見る。」
イカロス
「……だが、そんなものは所詮ついてきた評価。
当人は、ただ己の為に空を目指していただけだ。」刃を交えるさなか、語る。
イカロス
「……しかしな。正しさを押し通すには、力が必要だ。この世界では。」
ペペル
金属同士がぶつかって軋む音。
“皮一枚”で防がれたとわかった次の瞬間、
心臓を衝撃が貫いた。
ペペル
膝を震えさせながら剣を握り直し、剣を振る、
ジャン
助け起こすことも、手を差し伸べることさえ、名前を呼び返すことさえできはしない。
ジャン
拳を握りしめると、ただ煙が深く辺りを覆うだけだ。
第7ラウンド:ジャン
ジャン
何度も何度も想像した。
もし途中でペペルが倒れたら、死ぬことになったら、石にされたら、その悪夢のような光景を。
ジャン
いま、そこに限りなく近い場所に立っている。そう思うと息が乱れる。
ジャン
ここで倒れたらすべてが無駄になる。
ここで倒れたら、ペペルを何の甲斐もなくただ犠牲にすることになる。
ジャン
自分たちは、ペペルを正しい形で犠牲にするためにここに来たのだから。
[ スペードの56 ] 猛毒 : 4 → 3
[ イカロス ] 猛毒 : 2 → 1
第8ラウンド:手札補充
スペードの56
*c4,s6,h7,d6,(dQ)
第8ラウンド:フィクス
ジャン
2d6+4+1+1=>7 判定(+才覚+万能+多彩な凶器) (2D6+4+1+1>=7) > 9[3,6]+4+1+1 > 15 > 成功
スペードの56
2d+4>=15 (2D6+4>=15) > 12[6,6]+4 > 16 > 成功
[ ジャン ] HP : 15 → 14
[ スペードの56 ] HP : 1 → 0
スペードの56
2d+4-3 (2D6+4-3) > 8[5,3]+4-3 > 9
[ スペードの56 ] HP : 0 → 1
[ スペードの56 ] 前科 : 3 → 4
スペードの56
一瞬、誰も彼もの意識がペペルに向いた瞬間。駆け出す
ジャン
咄嗟に身を翻す。煙がその突進を阻もうとする。
スペードの56
煙を見定め、パイプを口から離し、狙いをつけ……投擲!隙間から、ジャンの胴へ向けて!
スペードの56
「あの時の決闘と違い、今度は当てます」
スペードの56
鋭い一投。だが――それに、大した意味があるわけもない。ジャンのパイプのように、毒なんてものもありはしない。投擲で威力を出せるほど力があるわけでもない
スペードの56
……というより、実の所、近づいて殴れても大した影響はないだろう。出来るのは、僅かに体の芯をズラし続けるだけ
ジャン
しかし、わずかに集中を乱され続けることがどれだけこの裁判において『鬱陶しい』ことかを、ジャンはよく知っている。
ジャン
一人になったのだ。そういう余裕が相手にできた。詰めるための準備をし始めている。
ジャン
視線は宣言をするフィクスではなく、王者の姿を探す。
第8ラウンド:イカロス
[ イカロス ] 猛毒 : 1 → 0
[ イカロス ] 水パイプ : 1 → 0
イカロス
2d6+4+4=>7 威風判定(+猟奇) (2D6+4+4>=7) > 3[2,1]+4+4 > 11 > 成功
イカロス
*王様ごっこの疵を逆転し、1を6にします
GM
では、判定は成功。と同時に、イカロスは発狂します。
[ イカロス ] 王様ごっこ : 0 → -1
イカロス
1D6+5+3 凶器+鋭気ダメージ (1D6+5+3) > 6[6]+5+3 > 14
[ ジャン ] HP : 14 → 1
イカロス
王者はなおも空を駆ける。
お前(clown)がいる限り、私(crown)は在り続ける。
イカロス
勇者が倒れれば、残るは賢者。蒼い眼光がジャンの姿を捉える。
蒼い翼が再び舞う。
イカロス
勝利(win)の為には、ただ翼(wing)だけがあればいい。
ジャン
煙の分厚さは黒雲には程遠く、地を這うばかりのイモムシは空からの急襲になすすべもない。
ジャン
煙は視界を遮るばかりではなく王者の足を捕らえ、同じように地へ墜とそうとする。
ジャン
勇者が倒れ伏した、冷たく硬い床の上へ引きずり込もうとする。
イカロス
煙はなおも障害(obstacle)として立ちはばかる。
イカロス
裂けた腕に煙が囚われる。融けた装甲が、その動きを鈍らせる。
イカロス
僅かな抵抗も、あるいはそれは致命的な失敗(fumble)を引き起こす。
イカロス
一直線に向かうべき体が、傾き。
機械となってもなお、己の肉体を思うように動かせない。
イカロス
……そんな体はいらない。捨てておけばいい。
イカロス
翼の出力が上がる。無理やりにも制御を取り戻す。
己の飛翔を妨げるものすべてを振り払うように。
ジャン
“地に堕ちろ!傲慢な王、この国を救わぬ不要な救世主!”
ジャン
渦巻く呪詛が、追いすがっても追いつけず、地へ崩れ落ちていく。
イカロス
熱が、体を融かしていく。火のつけられた蝋のように。
イカロス
他者の事など省みない!
どんな想いを向けられようと、全ては己の目指すものの為に!
イカロス
迷いない一撃。熱を持った翼がジャンを捉える。
ジャン
衝撃を受けた場所が熱を持ち、刺すような痛みが全身を襲う。
第8ラウンド:ジャン
ジャン
2d6+4+1+1=>7 判定(+才覚+万能+多彩な凶器) (2D6+4+1+1>=7) > 9[6,3]+4+1+1 > 15 > 成功
ジャン
瞬間、煙が噴き出すように周囲を覆い、イモムシの末裔の姿を覆い隠した。
ジャン
ホールの視界は覆われて、何も見えなくなる。
ジャン
斃れるわけにはいかない。毒はこのホールに蔓延している。
ジャン
少しでも戦いを長引かせる。一手でも攻撃をいなす。
ジャン
そして、相手が倒れるまで逃げ延びてみせる。
[ スペードの56 ] 猛毒 : 3 → 2
第9ラウンド:手札補充
スペードの56
*s4,c10,sK(h7,dQ)
第9ラウンド:フィクス
イカロス
2d6+4=>7 遊撃判定(+猟奇) (2D6+4>=7) > 6[1,5]+4 > 10 > 成功
ジャン
2d6+4-0+1 判決表+第二ボタン (2D6+4-0+1) > 4[3,1]+4-0+1 > 9
[ ジャン ] 前科 : 0 → 1
ジャン
2d6+4+1+1+5=>7 判定(+才覚+万能+多彩な凶器) (2D6+4+1+1+5>=7) > 3[1,2]+4+1+1+5 > 14 > 成功
[ ジャン ] 救世主妄想 : 0 → -1
スペードの56
2d+4>=18 (2D6+4>=18) > 9[6,3]+4 > 13 > 失敗
スペードの56
*逆転。塗られた笑顔を抉ってこれはスペシャルです
[ スペードの56 ] 塗られた笑顔 : 0 → -1
[ ジャン ] HP : 1 → 0
ジャン
2d6+4-1+1 判決表+第二ボタン (2D6+4-1+1) > 8[3,5]+4-1+1 > 12
GM
無罪!HPが0となる際に受けた不利な効果を無効とし、HPは0になる前の値に戻す。前科は増える。
[ ジャン ] 前科 : 1 → 2
[ スペードの56 ] HP : 1 → 0
スペードの56
2d+4-4 (2D6+4-4) > 5[2,3]+4-4 > 5
スペードの56
ホール中を煙が覆い、視界が塞がれる。先の黒雲の再来か。違いはと言えば、そこに紛れる相手が一人であることと――
ジャン
その姿は見えず、まさに雲隠れと言っていい。
ジャン
ただし、完全に逃げてはいない。この場にとどまっている。そう、そして。
ジャン
隠れようもなく濃厚な血の匂いを漂わせているのは、今は勇者ではなくイモムシの末裔であるということだ。
スペードの56
コホッ、と、乾いた声と共に朱が零れる。前にも血、後にも血、足元にも血
スペードの56
相手も瀕死だが、こちらはそれ以上に血を吐いている。そんな状況にあって、しかしフィクスの脳は、過去の出来事を想起していた
スペードの56
「……探しあてても、一撃だけ、か」呟きながら屈みこむ。自らが吐いた血を、ペペルから流れた血を、掬い上げて
スペードの56
口元を拭い、しかし、代わりの血をどろりと、頭上から垂らして被る
スペードの56
「今とても泣きそうですけれど、自分の涙で泣くわけには、いかないんですよね。だから」
スペードの56
屈んだ姿勢のまま足に力を込め――跳躍
ジャン
トカゲのそれではない、王者のオイルの匂いではない、イモムシの、草を搾ったようなにおいでもない。
ジャン
人間の勇者の血をわずかに嗅ぎ取り、動きが止まった。
スペードの56
その一瞬の間に肉薄している。血を吐き出し、振りまきながら、右の拳を一撃!
ジャン
まるで下草を踏み潰したような、森の中のようなにおいを撒き散らしながら、床の上を転がる。
ジャン
次の瞬間には、そのにおいのどれもが瞬時に分からなくなるほど、強く毒の煙がフィクスへと吹き付ける。
スペードの56
もはや、避ける体力はない。直撃する。
スペードの56
一呼吸の内に意識がとおのき、視界が傾いていく。だから。
スペードの56
「……称号を譲ってしまえば、残るのは生まれつきの阿呆だけ」
スペードの56
「だけどワタシは、どっちのあなたも好きですよ、ダンナ様」
スペードの56
それだけ言い残して。それだけははっきりと言い切って。
スペードの56
それですべての力を使い果たしたかのように、操る自我が切れた道化は、血に伏した
ジャン
まだ倒れるわけにはいかないと、上を見上げる。
第9ラウンド:イカロス
イカロス
2d6+4+4=>7 威風判定(+猟奇) (2D6+4+4>=7) > 4[1,3]+4+4 > 12 > 成功
イカロス
1D+5 ダメージ (1D6+5) > 2[2]+5 > 7
ジャン
2d6+4-2+1 判決表+第二ボタン (2D6+4-2+1) > 7[6,1]+4-2+1 > 10
[ ジャン ] 前科 : 2 → 3
[ ジャン ] HP : 0 → 1
イカロス
「……ッ」己の道化が倒れ伏すのを視界に入れる。その背水の一撃を、言葉を見届けて。
イカロス
それでも、道化が倒れようとも。
王はまだ眠らない。
イカロス
夜が更けるにはまだ早い。昼が来るまではまだ遠い。
イカロス
だから道化よ。王は眠らない。お前はそこに在り続けてくれればいい。
ジャン
道化(fool)を下し、血まみれで立っているのは森の賢者。
ジャン
あなたに立ち向かうには、襤褸屑のようなその男は蟷螂よりも心もとない。
ジャン
蝋で固めた翼で天に上らんとするよりも愚かしいように見える。
ジャン
だが、まだ立っている。その目は、睨むようにあなたを見る。
イカロス
「私はスカイ・スクランブルの王者――I-Carus!
容易く落ちてやりはしない!」
イカロス
王は飛び続ける。今だ落ちる(fall)ことなく。
イカロス
風が、煙もろとも吹き飛ばさんとするように。ジャンを襲い、切り裂く。
ジャン
力の供給者である救世主が倒れても、奇跡は末裔からはまだ失われない。
ジャン
「手札をすべて見せる(ショウ・ダウン)なんてことは……できない」
ジャン
「あんたは強くて、俺は弱い。それが本当のことで」
ジャン
「そうしたら、俺が負けるに決まっているからだ」
ジャン
「だから……まだ、いくらでも、小細工を使わせてもらう」
ジャン
かしいだ体は足を踏みしめて立ち、一歩足を踏み出す。
第9ラウンド:ジャン
ジャン
2d6+4+1+1=>7 判定(+才覚+万能+多彩な凶器) (2D6+4+1+1>=7) > 8[5,3]+4+1+1 > 14 > 成功
[ イカロス ] 猛毒 : 0 → 4
ジャン
落ちた血からも煙が立ち上る。空を駆ける王者を捕らえ、再び纏わりつく。
ジャン
心の疵が痛み切って、抉れ切って、あとはただそこに奇跡があるだけだ。
ジャン
奇跡というにはいささかおぞましい、心のゆがみが成すいくつもの異常が。
[ ジャン ] 猛毒 : 0 → 1
イカロス
1D6 2以上で自身も毒 (1D6) > 4
ジャン
2d6+4+1+1+4=>7 判定(+才覚+万能+多彩な凶器) (2D6+4+1+1+4>=7) > 8[3,5]+4+1+1+4 > 18 > 成功
イカロス
2d6+4+4+3=>18 威風判定(+猟奇) (2D6+4+4+3>=18) > 9[5,4]+4+4+3 > 20 > 成功
[ ジャン ] HP : 1 → 0
ジャン
2d6+4-3+1 判決表+第二ボタン (2D6+4-3+1) > 11[6,5]+4-3+1 > 13
GM
無罪!HPが0となる際に受けた不利な効果を無効とし、HPは0になる前の値に戻す。前科は増える。
[ イカロス ] HP : 5 → 3
[ ジャン ] HP : 0 → 1
[ ジャン ] 前科 : 3 → 4
ジャン
それはもうとっくに分かっている。向こうにも知れている。
ジャン
まさに互いの手札を晒しきり、出し切るショウ・ダウン──
ジャン
だが、一縷の望みにかけて防ごうとするしかない。
イカロス
ーー飛び交う球を潜り抜け、障害物は逆に利用する。
前に立ちはだかる者がいればーー打倒し、引き離す。
それはまさにーーscramble(なんでもあり)!
イカロス
「――小細工など、全て打ち破ってこそ!」
イカロス
王者の飛翔は止まらない。蒼光が、煙を貫き裂く。
ジャン
だが、溢れ出る血の量は以前よりもずっと減っている。
ジャン
当たり前だ。身体の中にある血の量は決まっている。
ジャン
あとは血すら残らぬ体を動かすか、心の疵で血を生み出すか。
[ ジャン ] HP : 1 → 0
ジャン
2d6+4-4+1 判決表+第二ボタン (2D6+4-4+1) > 5[3,2]+4-4+1 > 6
ジャン
細い細い勝ち筋が、それでも目の前に見えている。
ジャン
ペペルが倒れたら、ひとりで戦わなければいけないのだ。
ジャン
そうしたら、自分がこの世界をひとりで救わなければいけない。
ジャン
流れる血も失って、目の前がふらつくが、それがなんだ。
ジャン
ペペルはずっとひとりで戦っていた。このホテルに来ても。
ジャン
その戦いに、ついぞ自分は手を貸すことはなかったのだ。
ジャン
ばしゃりと撥ねた血は、もう誰のものか分からなかった。
GM
倒れたジャンの立ち上がらないことを確かめるための数秒が過ぎ。
103号室のホテルマン
「103号室のお客様が敗北条件を満たされました」
108号室のホテルマン
「これにて、裁判は閉廷と致します」
GM
*裁判閉廷。発狂者3名の亡者化判定を行います。
ジャン
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 猟奇
ジャン
2d6+0=>7 判定(+猟奇) (2D6+0>=7) > 8[5,3]+0 > 8 > 成功
スペードの56
choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 才覚
スペードの56
2d>=7 (2D6>=7) > 7[1,6] > 7 > 成功
イカロス
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 愛
イカロス
2d6=>7 判定(+愛) (2D6>=7) > 6[5,1] > 6 > 失敗
イカロス
2d6=>7 振り直し判定(+愛) (2D6>=7) > 11[6,5] > 11 > 成功
イカロス
……勝者が宣言され、裁判が閉廷すれば。
王者は伏せる道化の元へ向かう。
イカロス
「……起きろ、フィクス。」
赤く染まった地面へ着地して、傍らへ。
スペードの56
声をかけられれば、もぞもぞと指が動き、それから手の平をついて、ゆっくりと時間をかけながら上体を起こしていく
スペードの56
「……ふぅ……」一つ息を吐き、膝に手を添えて立ち上がる
スペードの56
「お疲れさまです。……今の内に、メイクを直しておきますか」
イカロス
「焦らずともいい、時間はある。」勝者ゆえに。まだ先が続く。
GM
その場に立つ二人の視線の先で、103号室の二人もまた、目を覚ます。
ジャン
うつ伏せに倒れたまま、まだ体は動かないまま、ぼんやりと周囲の音を聞いている。
ジャン
ペペルさん、と声になっているか分からないような小ささで名前を呼んだ。
ペペル
自分以外の存在がこの世から消え去ってしまったかのようだった。
ジャン
敗北すれば、すべての努力と犠牲が嘘になるのだと。
ジャン
その言葉が全く真実であったかのように、力なくそこに転がっている。
GM
言葉のない103号室をよそに、ホテルマンが口を開く。
108号室のホテルマン
「I-Carus様、スペードの56様」
108号室のホテルマン
「おめでとうございます。此度の裁判、あなた方が勝者となりました!」
108号室のホテルマン
「この後に次の試合が行われるフロアへと移動して頂き、そこで今しばらくお寛ぎ頂くことになりますが……恐れながら、その前に一つ」
108号室のホテルマン
「”勝者の責務”を果たして頂く必要が御座います」
108号室のホテルマン
「”生かす”か”殺す”か。お選び下さい」
GM
このゲームのルールは"オールイン"。敗北した者は、全てを失う。
GM
そして敗者の手元から離れた運命は、勝者の総取り。
ジャン
俯せたまま、どこへともなく言葉を投げかけた。
ジャン
「殺さないでください。……ペペルさんのことは」
ペペル
ただ呆然とするばかりだったが、その言葉にぎこちなくジャンへ首を向ける。
ジャン
「こんなところで、死んでいいひとじゃないんです」
ペペル
つかつかと歩み寄って、ジャンの胸ぐらを掴む。
ジャン
引きずり起こされ、瞼の開ききっていない視線がペペルを向く。
ペペル
「そんなのおまえが助かりたいだけじゃないかッ!」
ジャン
返す言葉はない。そう思われても仕方がなかった。
ジャン
「死ぬわけじゃないなら、助けに来られる……」
ペペル
身を奮い立たせていた怒りが尽きて、がっくりと膝をついた。
ペペル
その恥知らずさに、うんざりしただけだった。
スペードの56
一言だけ。決めるのはあなたですから
イカロス
「……何と言われようがな。既に答えは決まっている。」
イカロス
生の権利も、死の権利も奪い去り。勝者の傲慢が全てを決める。
ペペル
「堕落の国で裁判するときはいつも、負けて死ぬことは覚悟してたけど」
ペペル
「負けて生かされて、しかも負かされた相手とこうして話せる余地があるなんて想像もしなかったな」
ペペル
「だから最後に何を喋っていいか、わからないな……」
スペードの56
「何もなくてもいいでしょうし、何かおありでしたら聞きますよ」
スペードの56
「ただ聞くだけですし、それを聞くのは――」
スペードの56
「勇者ともあなたとも、本来無関係な世界の者だけですから」
ペペル
「そんなに言うことは思いつかないけど……」
ペペル
「何か言っておかないともったいないからね」
スペードの56
「……なんとも、美しい言葉ですね」
ペペル
「ボクたちを負かしたのが君たちでよかった……とかも言っちゃおうか」
スペードの56
「受け取っておきますよ。今は、どんな言葉でも」
ペペル
「最後ぐらいは、美しい言葉を吐いて終わりたいからね」
スペードの56
「ならば、そのように記憶しておきます」
スペードの56
「そうなれるのなら、人生としては良い終わりでしょうね」
否定も肯定もしません
イカロス
「王者の言葉として、勝者の傲慢としてーー私は、私の蒼空を見る。」
ペペル
だって本当に傲慢なら、そんなことは言わないでしょ?
GM
機械音と共に、巨大なエレベーターが中心点から二つに割れる。
GM
108号室は上へ、103号室は下へ。運命がゆっくりと分かたれていく。
GM
敗北し、そして殺される事もなかった救世主に待ち受ける運命。
GM
それはエントランスに飾られていた救世主と同じ末路。
ペペル
「ボクも、ジャンとなら勝てると思ってたよ」
ペペル
「ボクについてきてこんなに頑張ってくれたのに……」
ジャン
「それに、俺はあなたについてきたわけじゃなく……」
ペペル
「君がいなかったら、こんなところに来なかったよ」
ジャン
立ち上がって、後ろに回り、髪を梳かし始める。
ジャン
最初に出会った時、ペペルに助けられ、その旅についていきたいと言った時。
ジャン
その条件、三つの試練のひとつとして課されたのがペペルの髪を梳かすことだった。
ジャン
くしけずるたび、残っていた埃や血がぼろぼろと落ちる。
ペペル
「やっぱり、ジャンにやってもらうの好きだな」
ジャン
「今度は、ペペルさんを助けるために来ます」
ジャン
櫛が通ったままにならないように引き抜いた。
ペペル
贅沢な料理の数々も、もうちょっとお腹に詰め込んでおけばよかったかも。
ペペル
できなかったことに思いを巡らせていたら、どんどんお腹が空いてきた。
ペペル
……お腹が空いたまま、石になってしまうのだろうか。
ジャン
「何か、持ってこられれば良かったんですけど」
ジャン
そういうジャンは、離れていく天井を見上げることもできない。
ジャン
ペペルが石になるのを、沈黙して見守っている。
ジャン
『助けも求められずに、喚くことすらできずに石になるのは、悲しすぎるから』だ。
103号室のホテルマン
「それでは、このまま地下へとご案内します」
103号室のホテルマン
「これから挑むべきゲームが、あなたには御座いますので」
GM
敗者は下へ、あるはずの観客席をすり抜けてさらに深く、怨みと堕落の最中まで。
GM
エレベーターが到着した先は、周囲を取り囲むいくつものドアがあるフロア。
GM
そのドア以外は一切のものが存在しない。飾り気もなく豪華でもない。
103号室のホテルマン
「こちら一つ一つが大回廊に連なる扉……そちらを経由して、堕落の国のあらゆる場所に通じております」
103号室のホテルマン
「それぞれ扉の行き先は、扉の上の掲示の通り」
103号室のホテルマン
「ですが、自由に選ぶことはできません。こちらを」
GM
差し出されるのは深紅のトランプ。ジャックとエースを決めたそれの、一揃いの山札。
103号室のホテルマン
「古く良き、ヴァンテアン・ゲームの形の通り。引いた数字の合計と同じ扉があなたの運命となります」
103号室のホテルマン
「引く枚数は、まずは2枚。それからはお望みのまま……」
ジャン
これまでに、敗者の末裔がこのカードを引くのを見てきた。
103号室のホテルマン
「スペードの7、ダイヤのクイーン」
103号室のホテルマン
「17ですと……あちらですね」
103号室のホテルマン
「ヒット、あるいはスタンド。どちらになさいますか?」
103号室のホテルマン
そして、示した扉を静かに開く。
103号室のホテルマン
「ご滞在、ありがとうございました」
GM
開いた扉の先。何処とも知れぬ街へ。灰色の空の下へ。
ジャン
扉をくぐる前に、ペペルの方を振り返った。
もはや動くことのない。変わることのないペペルの姿を見る。
ジャン
そう固く誓って、その姿は扉の向こうへ消えて、
GM
――敗者の末路を映していたモニターが、電源を落とされて暗転する。
GM
108号室の二人の眼前にもまた、敗者のさまは見えなくなった。
スペードの56
「蒼空は、曇天の向こうに、いつでもあるんですよね」
スペードの56
イカロスから顔を逸らし、上へ向ける
スペードの56
「ワタシは暗雲を突き抜けて、雲から浴びる雹も雷も全て受けて、その上で登り切って生きるつもりです」
スペードの56
「救世主の必要ない世界を作って、そうして世界にとってワタシが必要なくなっても、死ぬ気はありません」
スペードの56
「それなら、きっと、いつ死んでも後悔が残るでしょうね」
イカロス
「……後悔の無い人生など、そう得られるものではない。それが当たり前だ。」
イカロス
「あるいは夢も欲も無ければ、後悔は生まれぬかもしれんが。」
スペードの56
「ご心配なく、弱気になったわけではありません。ただ、言葉にしたかっただけです」
スペードの56
「それに、ですよ。そう、その通りでしょう、ダンナ様」
スペードの56
「イカロスの物語をどう見るか。傲慢さゆえに太陽に焼かれた男と見るか、あるいはそうでなければ」
スペードの56
「――命を懸けて蒼空を追い続けた、勇者の物語だ」
GM
エレベーターが次なる戦いの場へと昇っていく。
GM
再び証を引き直すまで、エースはエースらしく、ジャックはジャックらしく。
108号室のホテルマン
「次の戦いに備え、どうか休息をおとりください」
GM
――やがてエレベーターが到着し、ホテルマンが一礼する。
GM
Dead or AliCe「16JAcks」
103号室 エピローグ
GM
ホテルから去った末裔のゆくさき。灰色の空の下。
ジャン
扉をくぐる時、ホテルの外に出てからのことを考えていた。
ジャン
ホテルにまた来るためには、ペペルのことを助けるためには。
ジャン
元の世界に帰りたいと本当に願っているような救世主がよい。
ジャン
そうすれば、『犠牲』にすることもないはずだ──
ジャン
街中であれば、そうした救世主を探すにはいいだろう。
ジャン
だから扉をくぐった時に、石造りの建物を見た時、ジャンはほっとした。
ジャン
『昨日まで安全だった場所が、今日も安全だとは限らないのはこの里も荒野も同じだし』
ジャン
コインの力は失ったが、自分でもだれかが助けることができるかも知れない。
ジャン
血に汚れた石畳を蹴り、末裔の死体の合間を縫って、生存者を探して走る。
ジャン
そうして見つけたのは、まだ生きている末裔ではなく。
ジャン
──力のない末裔が亡者に出くわすというのは、堕落の国では死を意味する。
ジャン
どうしても街から街へと移動したい末裔たちは、十人以上でまとまって歩き、亡者に出くわせば何人かを足止めにして、それで何とか行き着ければいい方だ。
ジャン
だから、たった一人で亡者に出くわした、ただのイモムシの末裔に、なすすべはない。
ジャン
救世主のそばにいて、己こそが世界を救うのだと固く信じた妄想は、ここで終わりを告げる。
ジャン
しかし、その結末を見届けるものは、どこにもいなかった。
『いままでうまくいってたからって……
これからもうまくいくとは限らないじゃん』
『うまくいかなかったのが、
まさに今日のキミだろ……?』
GM
誰からも顧みられることなく、ただ消えていくのみ。
GM
これにて、2回戦Aホール、すべての顛末を終了いたします。