裁判
GM
中心から大きく2つに分かたれたこの巨大な空間は、この後片方が昇り、片方が降る。
GM
中継された1階の歓声が天井近くのスピーカーから届く中。
GM
エレベーターの境目で、ホテルマンが虚空へと一礼。
108号室のホテルマン
「24時間が経過致しました」
106号室のホテルマン
「これにてお茶会の時間は終了。裁判の時間と相成ります」
108号室のホテルマン
「それでは改めて、その裁判を執り行うエース、ジャックにご入場いただきましょう」
106号室のホテルマン
「此度お招きに応じて頂きました、客室106号室のお二方」
106号室のホテルマン
「徒ヶ瀬つぐみ様、キュー様」
つぐみ
暗転はしない。スポットライトで照らされもしない。
つぐみ
”そんなこと”にリソースを振れるのはコインを渡す前の話。
つぐみ
来た時は打って変わって何の演出もない簡素な登場。
つぐみ
それが、この女が今はただの駆け出しと同様の力しか持っていないことを現している。
つぐみ
かつての王者と、その王者にコインなしで渡り合った者。
つぐみ
それと相対をするのはただ才覚に恵まれていたというだけの自分と、ろくに戦ったことなどのない末裔の少女。
つぐみ
「でもね。教えてあげる。
”私は一番”。かつての王者だろうが、それに渡り合った者だろうが負けはしない」
つぐみ
「…そして、貴女はそんな一番の私の配下。
一番の景色を見るに相応しい末裔」
つぐみ
「それを、ここに居るやつら全員に見せてあげましょう?」
つぐみ
そう言うと、救世主は懐から一つのマッチを取り出し開く。
つぐみ
御伽衆。この堕落の国において、特別な力を宿す者たち。
つぐみ
これはその中の1人、マッチ売りの少女が持っていたものをつぐみが奪ったものだ。
つぐみ
「確か……オールインはコインのみ。聖遺物については触れられていなかったわね…?」
つぐみ
それは瞬く間に燃え上がり…どこまでも高く広がり、ホール中を照らしていく。
つぐみ
「さぁ……今からこの場はマッチ売りが今際に見た夢の世界。貴女が最も得意とする領域…」
つぐみ
「貴女に不足があるのなら私が補う。
貴女に届かぬ世界があるのなら、私が引き寄せる」
つぐみ
「だから、一緒に一番を見ましょう?こんなもの、少し散歩をするくらいのものだわ」
キュー
ぽわり、ぽわり。
マッチの煌めきに照らされて。
キュー
- knock knock knock! -
キュー
お茶会でみたお菓子 ジャムをはさんだクッキーや
つぐみ
「……けれど、貴方たちも力を尽くすのでしょう。その才を、想いを振るうのでしょう」
つぐみ
「その上で宣言をするわ。
”私たちは負けはしない。地に落ちるのは貴方たち”」
つぐみ
「出てきなさい。一夜にも満たないダンスを一緒に踊ってあげる」
キュー
「夢は、過去の記憶だっていうひとがいるでち」
キュー
「夢は、ウソの世界だっていうひとがいるでち」
キュー
「夢は、世界の原型。未来をかたちづくるもの」
キュー
「つぐみさまは、キューとピィに……夢を、つくってくれまちた」
キュー
あなたを守りたいという、夢が。
あなたに生きていてほしいという、夢が。
―あなたといっしょに、いちばんの景色を見たいという、夢が。
キュー
「キューも……つ、つぐみさまの、夢と未来をまもるのででデッッッ」
108号室のホテルマン
「此度お招きに応じて頂きました、客室108号室のお二方」
108号室のホテルマン
「I-Carus様、スペードの56様」
スペードの56
踏み込み、夢満ちた空間に愉快な靴音を響かせる
スペードの56
「儚く揺れる炎、未来ある命の灯、溢れ舞うステキな品々」
スペードの56
「それは少女の夢。この世界で、いえ、この世界ならずとも、尊ばれるべき素晴らしきもの」
スペードの56
「ゆえに素直に称えましょう。素晴らしい、美しい光景です。この場で上回る王者はあなたでしょう。その愛すべき配下とともに」
スペードの56
「ゆえに、こそ。ワタシはあなたたちに感謝し、突き付けましょう」
スペードの56
「感謝とは、我が王に再び返り咲くべき高みを用意してくれたこと!」
スペードの56
「突き付けるのは、そんなあなたたちへの挑戦状!」
スペードの56
「我らはその栄光に、少女の夢に、尊ばれるべき光に!」
スペードの56
「挑戦する!――天へと向かい羽を広げる、只人なりっ!」
イカロス
その面貌は醜く融け落ち、王者の仮面の下を、舞台の元に顕わにする。
しかし、その足取りは揺らぐことなく、堂々と。
イカロス
翼が展開する。光の羽根が伸びていく。
夢の中、ひときわ輝く光明がそこに現れる。
イカロス
例え、鍍金が融け落ちようとも。
何度、その身が地に堕ちようとも。
イカロス
翼はまだ折れていない。
まだ飛ぶことができる。
イカロス
「ーーさあ、王者の復帰戦だ!リベンジマッチと行こうじゃないか!」
イカロス
「私はーーこの剥がれ落ちた鍍金を、勝利という黄金によって塗り直そう!」
イカロス
「故に……串刺姫!お前は我が相手に相応しい!」
イカロス
「――刮目せよ!我が纏うは天の色!我が輝きは天の光!」
イカロス
「我が名はI-Carus!やがて天の頂へ至る者!」
イカロス
「地の底へ堕ちようとも、何度でも天高く舞い上がろう!そしてーー」
106号室のホテルマン
「マナー、チップ、ドレスコード、どうか御確認の上……ご準備はよろしいですね?」
108号室のホテルマン
「──ご準備は宜しいようで」
106号室のホテルマン
「それではヴァンテアン・ゲーム。これより第1回戦」
GM
その合図と共に、エース(救世主)とジャック(末裔)。
GM
お茶会の間シャッフルされていた領分は本来の姿に戻る。
GM
エースがジャックに手を差し伸べれば、最適解には届かない。
GM
ジャックがエースに手を伸ばせば、待っているのは身の破滅。
GM
目指すべき姿は21"ヴァンテアン"。それこそが世界に定義されし解答。
GM
仕込みをお持ちの方はいらっしゃいませんので、このまま先制の判定に入ります。
つぐみ
1d6+3+2 (1D6+3+2) > 3[3]+3+2 > 8
スペードの56
1d+2 (1D6+2) > 6[6]+2 > 8
スペードの56
1d+2 (1D6+2) > 2[2]+2 > 4
つぐみ
1d6+3+2 (1D6+3+2) > 3[3]+3+2 > 8
GM
つぐみ > スペードの56 > イカロス > キュー
スペードの56
*h2,h6,c10,dJ,Joker
[ つぐみ ] 日刻みの時計 : 1 → 0
[ スペードの56 ] 日刻みの時計 : 1 → 0
ラウンド1:つぐみ
つぐみ
2d6+3+1+2=>7 (2D6+3+1+2>=7) > 8[4,4]+3+1+2 > 14 > 成功
スペードの56
2d+3>=7 (2D6+3>=7) > 7[6,1]+3 > 10 > 成功
[ スペードの56 ] 衰弱 : 0 → 3
[ スペードの56 ] HP : 17 → 16
つぐみ
裁判が開始をすると同時に懐から一本のペーパーナイフを取り出し、構える。
つぐみ
串刺姫という異名で呼ばれるようになったのは、そんな力を持つ誰かの心の疵を上回り奪ったからだ。それまでは、ずっとこれで戦ってきた。
つぐみ
夢の力に紛れ。自らには『私が一番』の力を用いて一直線に駆けて跳躍をする。
つぐみ
狙うはイカロス。堕ちてなお這い上がってきた蒼空の覇者。その翼を再び斬り落とすべく斬撃を試みる。
スペードの56
右脚で地を蹴り、赤い軌跡を引きながらその前に飛びこむ。そして……
スペードの56
「イタイヨー!!」お腹で受けます。裏声も忘れずに
スペードの56
セリフの割に、傷はほとんどついていません。ジョッキーくんは丈夫なんです
つぐみ
切りつけた際に”もう一つ”の心の疵の力を注ぎ込んでおいた。
つぐみ
『愚かな人たち』 その体は確実に弱く、脆くなる。
ラウンド1:スペードの56
つぐみ
2d6+3+1=>7 (2D6+3+1>=7) > 8[5,3]+3+1 > 12 > 成功
スペードの56
2d+3+2>=12 (2D6+3+2>=12) > 5[1,4]+3+2 > 10 > 失敗
スペードの56
では簡単に。懐からどこからともなく小瓶を取り出して……いそいそ……
スペードの56
どこからって懐って言うとるやないか。ともあれ取り出して……飲もう……元気になるドリンクを……
つぐみ
先程注ぎ込まれた力は為すべきこと為そうとするほどにそれを妨げる。
つぐみ
取り出そうとした小瓶は取り落し、地面へと転がり落ちてゆく。
スペードの56
ぽとっと落とした所にブーツが当たって、凄い勢いで転がっていきました
ラウンド1:イカロス
イカロス
*h3 鋭気を使います。そして主動作は使わずパスで
イカロス
夢幻の広がる空間。その上空を円を書くように回る。
イカロス
「……ハ、このようなサーキットは世界大会でも見たことはないな。」
ラウンド1:キュー
キュー
「あっ、あああ、つぐみさま…!ピ……! ……ほっ」
スペードの56
*d2,s8,c8,cQ,(Joker)
ラウンド2:つぐみ
つぐみ
じっと上空で旋回をしている王者の姿を見上げると…
つぐみ
その軌道。その動きを少しだけ妨げるように夢の世界に漂うオブジェクトの動きが変わる。
[ スペードの56 ] 衰弱 : 3 → 2
ラウンド2:スペードの56
スペードの56
*cQで回復します。対象はワタシのみっ!
スペードの56
2d+3+2>=7 (2D6+3+2>=7) > 6[2,4]+3+2 > 11 > 成功
スペードの56
回復量は愛の3と呪物で1d+4ですね
スペードの56
1d+4 とりゃー (1D6+4) > 6[6]+4 > 10
[ スペードの56 ] HP : 16 → 21
[ スペードの56 ] 衰弱 : 2 → 0
スペードの56
「元気ドリンクが転がって行ってしまいました……がっかり……」隅っこのなんか狭い所に入って行っちゃいました
スペードの56
「飲み終わって元気元気。さて……と、それでですね」
スペードの56
「実はこれには、飲む以外の使い道もありまして」飲み終わった小瓶を高く掲げてみせ
スペードの56
「さあ、とくと御覧じろ!」ぽいっと天高く投げ上げます。なんのロールって?
スペードの56
小瓶には何の仕掛けもありません。ただの目くらましで……ダンナ様に予知で拾ってもらうロールです!
ラウンド2:イカロス
イカロス
2d6+3=>7 判定(+猟奇)刹那 (2D6+3>=7) > 5[2,3]+3 > 8 > 成功
イカロス
威力は~さっきの鋭気+3に凶器の1D6+2 看破で+2 かな
イカロス
1D6+2+3+2 威力 凶器+鋭気+看破 (1D6+2+3+2) > 3[3]+2+3+2 > 10
[ つぐみ ] HP : 14 → 4
イカロス
回転。翼から小型の刃が放たれ、小瓶を貫く。
刃の光と、破片の光が周囲を眩ます。
イカロス
破片に気を取られればーーその一瞬で、イカロスの姿が消える。
イカロス
蒼い光が間近に迫っている、そう気づいた時にはもう遅い。
強い衝撃が、つぐみへと加えられる。
つぐみ
決して侮っていたわけではない。
むしろ、徹底的にマークをしてすらいた。
つぐみ
それだけの相手だから。
だからこそ注視をしていた筈だった。
つぐみ
けれどその一撃はつぐみの想定をも上回り、刹那の一撃をくらっていた。
つぐみ
だが、それでも倒れるわけには行かない。
なぜなら私は一番なのだから。
一番の景色を見せると言ったのだから。
つぐみ
そうして、見た目だけは何も食らっていないかのように取り繕う。
つぐみ
それでいい。それだけでいい。
これが私だ。傷を受けてなお、こうして居られるのが私だ。
イカロス
まだ倒れぬつぐみを見て笑み、再び上空へと飛翔する。
ラウンド2:キュー
キュー
2d6+3=>7 判定(+愛) (2D6+3>=7) > 11[6,5]+3 > 14 > 成功
キュー
きょとんと、フィクスが投げた小瓶を目で追っていて。
キュー
すると、小瓶はとつぜん割れてしまいました。
キュー
ピ!!と声をあげて。
その一瞬。
その、一瞬でした。
つぐみ
身を案じる配下の声に、なんていうことはないという顔をして毅然と立つ。
つぐみ
「”私が一番”。勝つのは私たち。
一緒に一番の景色を見ましょう?」
イカロス
*c2,c7,d7,cKを捨てます 全部!
スペードの56
*c5,s6,dK,(d2,joker)
ラウンド3:つぐみ
つぐみ
余裕を見せてはいる。
けれど、まだだ。まだ動けはしない。
つぐみ
つぐみの心の疵の力はとどのつまり
『相手の土俵に立った上で優位に立ち、もしくは貶める』それだけのものだ。
つぐみ
だが、同じ枚数のコインを持つ者同士でそれは成立し得ない。
つぐみ
その代わりとして、救世主が最低限得られる頑丈さだとか、回復力だとか。
つぐみ
そういった全ての力を一点に注ぐことでようやく上回っている。
つぐみ
瞬間瞬間その全てにオールイン。それをしてようやくつぐみという女は救世主として渡り合っている。
つぐみ
だから今は、最低限動けるようになるまでの回復をするために、全ての力を捧げている。
ラウンド3:スペードの56
スペードの56
「……まだ立てますか。意外ではありませんが」
スペードの56
「今のアナタには、何も言う必要はないでしょうな」
ラウンド3:イカロス
イカロス
2d6+3=>7 判定(+猟奇)刹那 (2D6+3>=7) > 6[4,2]+3 > 9 > 成功
イカロス
1D6+2+2 ダメージ、凶器+看破 (1D6+2+2) > 3[3]+2+2 > 7
[ つぐみ ] HP : 4 → -3
[ つぐみ ] HP : -3 → 0
つぐみ
2d6+1-0 判決表 (2D6+1-0) > 5[3,2]+1-0 > 6
GM
6~8 ランダムな能力値で判定し、成功すればHPを1点回復して立ち上がる。失敗すれば〈昏倒〉する。
つぐみ
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 愛
つぐみ
2d6+0=>7 判定(+愛) (2D6+0>=7) > 6[2,4]+0 > 6 > 失敗
[ つぐみ ] 愚かな人たち : 1 → 0
[ つぐみ ] HP : 0 → 1
[ つぐみ ] 前科 : 0 → 1
イカロス
再びの旋回。宙に浮かぶクッキー、ティーセット、角砂糖、全てが風の前に切り裂かれる。
イカロス
ーー飛び交う球を潜り抜け、障害物は逆に利用する。
前に立ちはだかる者がいればーー打倒し、引き離す。
イカロス
それはまさにーーscramble(なんでもあり)!
イカロス
王者としての力が、戦いの中で研ぎ澄まされる。
イカロス
相手に休む暇など与えない、速度こそがサーキットの全て。
イカロス
そして再度、その姿が消える。蒼い軌跡が女王へと迫る。
つぐみ
王者の行く手を阻むものはことごとく打ち落されて。息一つ。息一つをする間もなく再び王者からの一撃がつぐみへと迫る。
つぐみ
”同じ力を持つもの同士なら、先に動いた方が勝つ”。
つぐみ
この場は蒼空の覇者が先んじた。
その事実を自らの体に伝わる衝撃で嫌なくらいに理解をする。
つぐみ
痛い。全身が灼けるように痛い。
打ち付けられた肺は潰れて、息をするだけでもその口から入る全てが灼熱のよう。
つぐみ
それが、その一撃だけで終わる筈もない。
体勢を立て直す間もなく、二撃、三撃。
王者は倒しきれる瞬間を逃しはしない。
つぐみ
なんとか致命傷だけはナイフを振るい避ける。
…だが、それだけをしか出来ない。
つぐみ
……このままここで果ててしまうのだろうか?
つぐみ
この世界で自分は誰にも愛されていない。
…それは”自分”にすら。
つぐみ
だから、自分のために立ち上がろうと、その気持ちが一瞬、僅かに揺らいで。
キュー
ああ、また。また!
目で追えないはやさで、つぐみさまが、疵を負って。
キュー
『ふたり』が、あなたのなまえをよびました。
つぐみ
とめどなく血を流して。
見た目を取り繕うことも出来なくなった女王は見るからにもう満身創痍。
つぐみ
「私は負けないわ。それを”貴女たち”に魅せてあげる」
ラウンド3:キュー
キュー
2d6+3=>7 判定(+愛) (2D6+3>=7) > 3[2,1]+3 > 6 > 失敗
スペードの56
*d6,cJ,hQ,(d2,joker)
ラウンド4:つぐみ
つぐみ
夢の世界はもう殆ど蒼に塗り替えられてしまった。
つぐみ
自らの心と体を奮い立たせてナイフを構える。
つぐみ
これでもまだ油断なんてしていないんでしょう?
つぐみ
だったら、それに応えてあげるわ。私は貴方たちを落として見せる。
ラウンド4:スペードの56
スペードの56
「それでこそ、でございましょう。手負いの相手を前に、目を逸らすようなことは致しませんとも」
ラウンド4:イカロス
イカロス
2d6+3=>7 判定(+猟奇)刹那 (2D6+3>=7) > 4[1,3]+3 > 7 > 成功
イカロス
1D6+2+2 一応ダメージ、凶器+看破 (1D6+2+2) > 5[5]+2+2 > 9
[ つぐみ ] HP : 1 → 0
つぐみ
2d6+1-1 判決表 (2D6+1-1) > 10[4,6]+1-1 > 10
[ つぐみ ] HP : 0 → 1
[ つぐみ ] 前科 : 1 → 2
イカロス
ヒットアンドアウェイ。一撃を与え、退き、再度畳みかける。
イカロス
蒼い閃光が、幾度となくつぐみの身体を捉える。
イカロス
「よもや、この程度で終わる者ではあるまい!」
つぐみ
「今にその高笑いを出せなくしてあげるわ。丁寧に羽根をもいであげる」
つぐみ
全身は傷だらけで、ホールを埋め尽くす蒼の軌跡とは裏腹の紅色(くれないいろ)。
ラウンド4:キュー
キュー
2d6+3=>7 判定(+愛) (2D6+3>=7) > 11[6,5]+3 > 14 > 成功
キュー
1D6+3+1 (1D6+3+1) > 2[2]+3+1 > 6
[ つぐみ ] HP : 1 → 7
キュー
たおれても、たおれても。何度でも立ち上がって。
キュー
とりおとしてしまったスプーンを、ひろいあげる。
キュー
- knock knock knock! -
キュー
それは、さいしょに展開されたような領域ではなく。
ちいさくて、でも。
スペードの56
*s10,(d2,cJ,hQ,Joker)
ラウンド5:つぐみ
つぐみ
なら、この私がただやられてばかり居る姿を見せられるわけがない。
つぐみ
その傷だらけの体ではありえない速度で打ち落された夢の残骸を蹴り、壁を跳ねて王者へと迫る。
つぐみ
染め上げられた蒼を塗り返すように、ホール中を紅に染め上げて。
つぐみ
小さな配下がまとわせてくれた夢と共に、一番を見据える”女王”は王者へと一閃を放つ。
ラウンド5:スペードの56
スペードの56
臆せず向かってくる紅に、しかし道化は躊躇せず割り込む
スペードの56
その手で、刃を握るように食い止める。スペードの56に特殊な能力はない。ただ、コインで強化した肉体に”技術”があるだけだ
スペードの56
脳のスイッチを切り替え、痛みを消す。リミッターを無くし、限界まで体を稼働させる
スペードの56
それは、返り血を受けようとも。――感情を抑え、あらゆる”足掻き”を潰す
スペードの56
「あなたを称える言葉を、口にはしません。今のワタシがするのはただ、ダンナ様の飛翔を邪魔させないことだけ」
つぐみ
挑戦者だなんて息巻いていたのに、もう上回ったつもり?
つぐみ
女は跳躍をしてその場を離れる。王者の首を刈り取るその時を見定めて。
スペードの56
それでこそ、相応しい敵対者!ワタシはこれで離れまして、ダンナ様!
ラウンド5:イカロス
イカロス
2d6+3=>7 判定(+猟奇)刹那 (2D6+3>=7) > 6[4,2]+3 > 9 > 成功
イカロス
1D6+2+2 ダメージ 凶器+看破 (1D6+2+2) > 2[2]+2+2 > 6
[ つぐみ ] HP : 7 → 1
ラウンド5:キュー
スペードの56
*sk,(d2,cJ,hQ,joker)
ラウンド6:つぐみ
つぐみ
2d6+3+1+3=>7 (2D6+3+1+3>=7) > 4[3,1]+3+1+3 > 11 > 成功
つぐみ
2d6+3+1+3=>7 (2D6+3+1+3>=7) > 4[2,2]+3+1+3 > 11 > 成功
つぐみ
*器用を使用してsQを捨てて達成値を1プラスします
スペードの56
2d+3>=12 (2D6+3>=12) > 4[3,1]+3 > 7 > 失敗
[ イカロス ] 封印 : 0 → 2
[ イカロス ] HP : 18 → 12
つぐみ
道化に阻まれ、その追撃を為すように上空から放たれる細かな斬撃がつぐみの体を撃ち付ける。
つぐみ
それを意に介さずに。痛みなど、今は関係がないというように。
つぐみ
女王は再び駆けて跳ぶ。小さな配下の想いを纏い。夢の力をその銀のナイフに宿らせて。
つぐみ
─それが瞬けば、王者はその背に傷を負っている。
イカロス
「――ッ」再度、女王が立ち向かう。光の刃が降り注いでも、そのナイフの先は止まらずに向かい。
イカロス
「……やるじゃないか。」姿勢が崩れ、高度は低く。飛翔が止まり、地に着地する。
ラウンド6:スペードの56
スペードの56
2d+3+2>=7 (2D6+3+2>=7) > 12[6,6]+3+2 > 17 > 成功
スペードの56
1d6 回復量(無) (1D6) > 3
スペードの56
1d+4+2 回復量 (1D6+4+2) > 5[5]+4+2 > 11
[ イカロス ] HP : 12 → 18
[ イカロス ] 封印 : 2 → 0
スペードの56
落下地点を予測。着地してきたダンナ様の背後に素早く回り込むと
スペードの56
「ワタシの修理は少し痛みますよ」蒼い一閃。それは、散らばった装甲をひとまとめにし、イカロスの背中へ叩きこんだ一撃
スペードの56
その、一切の遠慮ない打撃は、イカロスの体を背から貫き――衝撃で再び天高く飛ばす!
スペードの56
「何度でも叩いて直してあげます。飛ぶのです!ダンナ様!」
イカロス
「……少々手荒なピットインだが、問題ない!」
イカロス
パーツが、疵の力で繋がっていく。己を王者たらしめる力、自己強化の力がひとまとめにされたそれを修復する。
イカロス
着地で曲げた脚に、背中を押された勢いを乗せ、再びの飛翔!
ラウンド6:イカロス
イカロス
2d6+3=>7 判定(+猟奇)刹那 (2D6+3>=7) > 11[5,6]+3 > 14 > 成功
イカロス
1D6+2+2 ダメージ 凶器+看破 (1D6+2+2) > 1[1]+2+2 > 5
[ つぐみ ] HP : 1 → 0
つぐみ
2d6+1-2 判決表 (2D6+1-2) > 7[4,3]+1-2 > 6
GM
6~8 ランダムな能力値で判定し、成功すればHPを1点回復して立ち上がる。失敗すれば〈昏倒〉する。
つぐみ
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 才覚
つぐみ
2d6+3+1=>7 (2D6+3+1>=7) > 7[1,6]+3+1 > 11 > 成功
[ つぐみ ] HP : 0 → 1
[ つぐみ ] 前科 : 2 → 3
イカロス
だからこそ、全力で挑む。手を緩めることなく、女王が地に伏せるまで。
ラウンド6:キュー
キュー
蒼に染められたこの場所でも。
つぐみさまは、あきらめない。あきらめない。
キュー
いまの自分がつくれるのは、ちっぽけな夢の世界だけど。
キュー
せめて、あなたのそばで、名前をよびつづける。
スペードの56
*h6,s5,hJ,(hQ,Joker)
ラウンド7:つぐみ
つぐみ
2d6+3+1=>7 (2D6+3+1>=7) > 6[2,4]+3+1 > 10 > 成功
スペードの56
2d+3>=7 (2D6+3>=7) > 5[1,4]+3 > 8 > 成功
[ スペードの56 ] 衰弱 : 0 → 3
[ スペードの56 ] HP : 21 → 20
つぐみ
蒼き軌跡。刹那の一撃。
致命に至るそれを何度喰らっただろうか。
つぐみ
けれど、女王の命が潰えることはない。
むしろ一撃を受ければ受けるほどに速さを増していく。
つぐみ
その一足は最早、空を駆けるが如く。
瞬きの間に王者の元へと詰め寄ると喉笛を掻き斬る一撃を放つ。
スペードの56
その一撃を、読んでいたかのように前に出て受け止める
スペードの56
単純な速度では追いつけないかもしれない。だが、常日頃から傍で蒼き刹那を見てきた者として――その”速度域”は脳で捉えられる範囲なのだ
スペードの56
だから、対応できる。受け止め、いなし続ける
つぐみ
防がれれば即座に身を離す。
ホールに紅が染められていく。
ラウンド7:スペードの56
スペードの56
2d+3+2>=7 (2D6+3+2>=7) > 3[2,1]+3+2 > 8 > 成功
スペードの56
1d+4+2 (1D6+4+2) > 3[3]+4+2 > 9
[ スペードの56 ] HP : 20 → 21
[ スペードの56 ] 衰弱 : 3 → 0
スペードの56
幾度受け止め、血を浴びても、それが目に入っても、見据える眼差しは変わらない
スペードの56
傷を負えば、動きながら素早く最低限の止血を行う。やはり、目にも止まらぬ速さで
ラウンド7:イカロス
イカロス
*dA予知、cA予知をsJ刹那、cJ刹那に変えます
GM
割り込みはできません。そのまま判定をどうぞ。
イカロス
2d6+3=>7 判定(+猟奇)刹那 (2D6+3>=7) > 9[5,4]+3 > 12 > 成功
イカロス
1D6+2+2 ダメージ 凶器+看破 (1D6+2+2) > 1[1]+2+2 > 5
[ つぐみ ] HP : 1 → 0
つぐみ
2d6+1-3 判決表 (2D6+1-3) > 4[1,3]+1-3 > 2
GM
~2 ランダムな能力値で判定し、成功すれば〈昏倒〉する。失敗すれば〈死亡〉する。
つぐみ
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 才覚
つぐみ
2d6+3+1>7 (2D6+3+1>7) > 6[2,4]+3+1 > 10 > 成功
イカロス
道化が傷を追っても、その軌跡が止まることは無い。
己の道化がこの程度で止まらないことを知っている。
イカロス
……イカロス自身も余裕の勝負ではない。
コンディションは最悪。身体はギリギリの心の疵で付け焼刃の修復がなされる。
イカロス
それでも、翼ある限り王者は飛ぶ。
道化がいる限り、己は王者として在れる。
イカロス
ーーより速く、より強く、より高く。
速さを増すつぐみの動きに応えるように、イカロスの動きもまた加速を続ける。
イカロス
「ーーそうだ、もっとだ、もっとお前の力を見せろ!」
イカロス
「それでこそーー乗り越える価値がある!串刺姫!」
”つぐみ!”
イカロス
止まることのない打撃が、斬撃が、つぐみへと向かい来る。
つぐみ
傷を受ける。一つとして容赦のない一撃。
それが瞬きをする間もなく二撃三撃と繰り返される。
つぐみ
ナイフを振るう。致命傷だけを避けるために。
まだ立ち続けるために。
つぐみ
…けれど、どこまで耐えられる…?
この攻撃に終わりはない。私が死ぬまで続けられる。
つぐみ
天を仰ぎ見る。宙を貫くかのようなエレベーターホールの果ては見えず、そこは漆黒の闇夜のよう。
つぐみ
それを見て。王者の言葉を思い出して。空を思い出す。
つぐみ
青い空。太陽の光。この国に来てからはそれを随分浴びていないな…と気持ちが逸れる。
つぐみ
そこに一撃が加わる。それを跳ね返す。駄目だ。跳ね返しきれなかった。
つぐみ
痛みが脳髄にまで響く。これまでのことが脳裏を過る。
つぐみ
罪状:末裔のなけなしの水を情け容赦無く捨てたこと。水を得られる力を持ちながら、それを分け与えなかったこと。
つぐみ
いいえ。私は彼らに浄水の方法を教えようとしたわ。けれど、それを理解しようとしなかった。
つぐみ
罪状:善良なる救世主を惨たらしく殺したこと
つぐみ
いいえ。彼らは尾ひれがついた噂を聞いて、責務の消化に私を殺そうとした。だから殺した。それだけのこと。
つぐみ
罪状:堕落の国の各地で悪辣なる行為を繰り返した
つぐみ
いいえ。でも、それはそう。返り討ちにしたやつらに。末裔に。そう言い触らされた。だからそれになってやった。
つぐみ
私の心の疵は誰かに敬われるか敵対をするかをしないと発揮をしないから。最初に目覚めたのは後者であったから。
つぐみ
脳裏に過るこれまでのこと。自らに積み重ねられた罪。
つぐみ
今のこのホールは自分の血によって紅に満ちている。
つぐみ
王者を前に足を止めてまで用意をした血。
”心の疵によって作り出した血”。
つぐみ
ホール中に満ちたそれが音もなく剥がれ落ちる。
それは鋼線のように硬度を増して。
つぐみ
意思を持つかのように、王者の首を断つために迅雷の軌跡へと入り込む。
つぐみ
ここまでの全て。自分ですら囮。
そのためだけの準備をしてきた。
つぐみ
流れ落ちる血はもう、いつの間にか止まってしまった。
イカロス
紅に染まった空間の中、蒼光が迫る。
容赦なく夢を切り裂く、蒼の軌跡。
つぐみ
王者の首を断つ紅の糸は断ち切られた。
視界に満ちるのは蒼。王者の蒼き光。
つぐみ
罪状:キューの姉を食べてしまったこと。
堕落の国で唯一失いたくないと思えた相手を死なせてしまったこと。
つぐみ
ピィ。可愛らしい私のピィ。貴女はこんな私にも懐いてくれた。慕ってくれた。
つぐみ
知らなかったの。貴女の住んでいた集落が人食いをしていただなんて。
つぐみ
思いもしなかったの。”誰か気に入った子は居ますか?”という質問が、食材としてだったなんて。
つぐみ
貴女に食べさせてあげようと思ったその肉こそが貴女だった。
つぐみ
その償いにキューを救おうとしたわ。
あのままではあの子もいつか、食べられてしまうかも知れないから。
つぐみ
”特別な日のお祝いに。”
ただそんな理由でピィは料理にされてしまったから。
つぐみ
だから。配下にした。
だけど、こんなところに来た。
つぐみ
「だから、私は倒れるわけにはいかないのよ…!!!!」
つぐみ
ナイフに力を込める。紅と夢を混ぜ合わせる。
つぐみ
命を懸けて、迫りくる蒼光に斬りかかる。
そこにいるのはもう女王などではない。
つぐみ
そこにいるのは女王という仮面を被っていたただ1人の少女。
つぐみ
その刃は届くことがなく蒼光に打ち据えられて…
つぐみ
鍍金の王者は仮面の女王を倒し、勝利という冠を手にして正統なる王へと返り咲く。
イカロス
ーー強い衝撃。その刃が届く前に、少女の体が宙に浮く。
イカロス
闇夜が支配する、ホールの空に。跳ね上げられて。
イカロス
天を覆う蒼、天に輝く光が、
弧を描き、その身体を打ち据える。
イカロス
そうして、少女は堕ちていく。
自らの作った紅の血だまりに。
キュー
もしも、まだ夢の力が満ちていたのなら空を飛べたのかも。
けれどそうはならず、血だまりの中へ。
キュー
横たわる身体にかけよって。
ゆさゆさ。その身体をゆらす。
つぐみ
息はある。紅の血をクッションにしたから。
服の下にも纏っていたから。
キュー
体温はある。息も、ある。
でも、返事がかえってくることはない。
キュー
だから、夢が守れなくて。
ぜんぶ、ぜんぶ。壊れてしまって。
キュー
つぐみが握りこんでいたペーパーナイフ。
血に染まったそれを、手に取る。
キュー
「つぐみさまは……つぐみさまは、いちばんでち。
まちがいなく、いちばんでち」
キュー
横たわるつぐみの前に立ち。
王者と道化。ふたりに、ペーパーナイフの先を向ける。
キュー
いま、目の前に立つ二人のように。
自分が、たちまわることができたのなら。
スペードの56
その姿を見れば、静かに目の前に立ちます。地と地、同じ高さで
スペードの56
「勝負は決まりました。断言しましょう、あなたにはもう勝ち目はありません」
スペードの56
「諦めろとは言いません。むしろその逆、最後まで抗いなさい」
スペードの56
口元まで垂れてきた血を、ゆっくりと拭いながら続ける
スペードの56
「最後まで。諦めず。勝てない戦いを挑むためでなく、いつかワタシたち」
スペードの56
「それが勝者たるワタシの望み。無論、選択権はあなたにありますが」
キュー
このゲームの敗者。救世主には、死か、石化か。
スペードの56
「そうですね。ここで負ければ、どうあるにせよ残るのはあなた一人」
スペードの56
「ですが、もとよりそれはその通りの筈。この戦いで救世の権利を手にするのは、一人だけなのですから」
スペードの56
「そして、死んだ人間が蘇るかはともかく、石になった人間程度はどうとでもなるでしょう」
スペードの56
「あなたが救うのです。他ならぬあなたが」
スペードの56
仮面が剥がれたためか。少しだけ、声が低く、語気が強くなる
スペードの56
「この腐った世界全てを覆し、救世せんとするワタシを踏み越え」
スペードの56
「いつか、あなたが世界を救いなさい」
スペードの56
「彼女が帰ってこられる世界を作る。最後まであきらめないとは、そういうことです」
キュー
あなたに勝って。世界を救って。そんなことが、できるのでちか?
キュー
石になったつぐみさまを救う、そんなことが?
疑問がつぎつぎにわきあがっては、消えていく。
キュー
いつも現実から、目を背けて。夢の中ににげこんで。
キュー
にげつづけたかった。……ここに来る、その日までは。
キュー
「いつか、キューはもっと、夢がうまくなって。
かならず。かならず……。つぐみさまを、救うのでち!」
キュー
現実にむきあう、戦う意思を決めた。
でも、それはいまではない。
キュー
ペーパーナイフの先は、もうふたりにはむいていない。
106号室のホテルマン
「徒ヶ瀬つぐみ様の昏倒により、106号室の陣営に攻撃手段がなくなりました」
108号室のホテルマン
「従いまして、裁判の審判を執り行い、その勝敗を決定します」
106号室のホテルマン
「106号室、昏倒者、1」
108号室のホテルマン
「108号室、昏倒者、0」
108号室のホテルマン
「I-Carus様、スペードの56様」
108号室のホテルマン
「おめでとうございます。此度の裁判、あなた方が勝者となりました!」
108号室のホテルマン
「この後に次の試合が行われるフロアへと移動して頂き、そこで今しばらくお寛ぎ頂くことになりますが……恐れながら、その前に一つ」
108号室のホテルマン
「”勝者の責務”を果たして頂く必要が御座います」
108号室のホテルマン
「”生かす”か”殺す”か。お選び下さい」
108号室のホテルマン
このゲームのルールは"オールイン"。敗北した者は、全てを失う。
108号室のホテルマン
そして敗者の手元から離れた運命は、勝者の総取り。
スペードの56
ワタシが何を言う必要もありますまい。ダンナ様の意思は分かっています
イカロス
……敗北者を生かす。
叶うのかも分からない希望を突きつけて。
そんなものは勝者の傲慢だ。
イカロス
それでも、地の底から這い上がることを諦めないというのなら。
キュー
「……悪い夢を見せて、ごめんなさい、でち」
つぐみ
その言葉を聞いて、クスリと笑って起き上がる。
GM
機械音と共に、巨大なエレベーターが中心点から二つに割れる。
GM
108号室は上へ、106号室は下へ。運命がゆっくりと分かたれていく。
GM
敗北し、そして殺される事もなかった救世主に待ち受ける運命。
GM
それはエントランスに飾られていた救世主と同じ末路。
キュー
「キューは……なにもできなかったでち……」
つぐみ
「そうでもないわ。
貴女の夢は私の傷を癒やしていた。」
つぐみ
そう言う少女の足先はゆっくりと、ゆっくりと石と化していく。
キュー
「つぐみさま……。お怪我は、痛くはないでちか?」
つぐみ
「…それよりも、髪が乱れている方が問題ね」
つぐみ
「暫くの間は石になってしまうというのに…こんな姿では話にならないわ」
つぐみ
「………だから、結んで貰えるかしら。
キュー、貴女に。もう一度」
キュー
つぐみの後ろにまわって。その髪をほどいていく。
つぐみ
されるがまま。その小さな手の温もりに身を任す。
キュー
髪を結う。それは、ふたりにとって。毎朝の儀式。
つぐみ
今日だけ特別に、”おやすみ前に”それをする。
キュー
こんなところでは櫛はないから、手櫛でゆっくりと解いていく。
キュー
つぐみの体温が、いつもより、より近くにかんじる。
つぐみ
小さな小さな手櫛。
その温もりが今は心地いい。
キュー
「いっぱい、いっぱい。つぐみさまとの、おもいで……」
つぐみ
でも、本当に覚えているのかしら?なんてクスクスと笑う。
つぐみ
「……もしも忘れたのなら。
私の全ては貴女の夢の小部屋に」
つぐみ
「……忘れてしまった時は、それを見て思い出しなさい」
つぐみ
「もう貴女のドジにお仕置きはしてあげられないのだから」
つぐみ
語る少女の体はもう腰までが石化をしていて。
こうしている今もその変化は進んでいる。
キュー
「夢の小部屋に……?い、いつのまに、でちかー!?」
つぐみ
「ふふっ、内緒。色々と溜め込んでいたから、隠すのは簡単だったわ」
キュー
言葉をかわしながらも、手は止めない。
あなたの、のこりみじかいぬくもりをすこしでも。
キュー
「お部屋。その、夢の小部屋のことなのでちけど~…」
キュー
そうまえおきして。語りはじめたのは、ピィがいなくなる前日のこと。
キュー
『こんなネズミ穴、つぐみさまには窮屈でちよぉ~……』
キュー
『……でもでもぉ……ここはピィとキューだけの秘密にしようってぇ……』
ピィ
『いいじゃない!キューも、つぐみさまとお話すればいいのに』
キュー
『ピエ……救世主さま……キューにはおそれおおすぎるでちよぉ……』
キュー
―そんな話をして。ふたりの世界がなくなることに、心の疵を負って。
キュー
「だから……いつでも、あそびにきてほしいでち」
キュー
「あそこは、つぐみさまのお部屋でもあるのでち」
つぐみ
「…綺麗にしていたなら、また遊びにいってあげる」
キュー
「ちゃんとおかたづけするでち。
つぐみさまがかくしたものも、ちゃんと、ぜんぶ、みつけて。」
キュー
うしろから、あなたのあたまをやさしくつつむように、だきしめて。
つぐみ
約束をして、それから。
他愛のない話をした。
つぐみ
結い終わって。温もりが離れて。
もっと大きな温もりに包まれて。
つぐみ
その顔は安らかで穏やかで。
ちっとも苦しそうなんかじゃない。
つぐみ
それは貴女の温もりがもたらしたもの。
つぐみという少女に、貴女が与えてくれたもの。
つぐみ
こうして徒ヶ瀬つぐみという少女は、いつかの日を夢みて眠りにつく。
106号室のホテルマン
「それでは、このまま地下へとご案内します」
106号室のホテルマン
「これから挑むべきゲームが、あなたには御座いますので」
GM
敗者は下へ、あるはずの観客席をすり抜けてさらに深く、怨みと堕落の最中まで。
GM
エレベーターが到着した先は、周囲を取り囲むいくつものドアがあるフロア。
GM
そのドア以外は一切のものが存在しない。飾り気もなく豪華でもない。
106号室のホテルマン
「こちら一つ一つが大回廊に連なる扉……そちらを経由して、堕落の国のあらゆる場所に通じております」
106号室のホテルマン
「それぞれ扉の行き先は、扉の上の掲示の通り」
106号室のホテルマン
「ですが、自由に選ぶことはできません。こちらを」
106号室のホテルマン
差し出されるのは深紅のトランプ。ジャックとエースを決めたそれの、一揃いの山札。
106号室のホテルマン
「古く良き、ヴァンテアン・ゲームの形の通り。引いた数字の合計と同じ扉があなたの運命となります」
106号室のホテルマン
「引く枚数は、まずは2枚。それからはお望みのまま……」
106号室のホテルマン
「ハートの8、スペードの6……」
106号室のホテルマン
「14ですと、あちらです」
つぐみ
悩んで、いつものように服の裾をつまんでみたのなら。
つぐみ
つぐみが残していたもの。貴女に最後にあげられる聖遺物(めんざいふ)。
つぐみ
貴女は、私の恨みまで買ってしまうかもしれないから。
キュー
あたたかな、あの灯り。
そのマッチが、いま。手の中にある。
キュー
「……スタンド。キューは、この扉のさきをいくでち」
106号室のホテルマン
そして、ホテルマンらしく、その扉をキューの前に開く。
106号室のホテルマン
「ご滞在ありがとうございました」
106号室のホテルマン
「またのお越しをお待ちしております」
キュー
扉をくぐるまえに、もういちどだけ、ふりかえる。
つぐみ
その姿を見送るように、少女の石像は座している。
つぐみ
”泣いてくじけたらお仕置きをしてあげる。”
つぐみ
伝わることのない言葉。
けれど確かに生まれている想い。
キュー
伝わることのない言葉。
だけど、たしかに届いている。
GM
敗者の末路を写していたモニターが、電源を落とされ暗転する。
GM
108号室の二人が乗るエレベーターは、次なる戦いの場へと昇っていく。
GM
再び証を引き直すまで、エースはエースらしく、ジャックはジャックらしく。
108号室のホテルマン
「次の戦いに備え、どうか休息をおとりください」
スペードの56
シュバッと血を拭い、メイクを塗り直す
スペードの56
「蒼空はまだ先。ダンナ様、改めて今後も、この道化の活躍にご期待あれ」
イカロス
「ああ、我々が目指す高みにはまだ遠い。期待しているぞ、フィクス。」
イカロス
……自分達は勝利した。また、次の戦いが続いていく。
イカロス
己の夢の為に、他者の夢を踏みにじり、墜としていく。
頂点に立つということは、そういうことだ。
イカロス
誰かが一番になれば、別の誰かは一番になれない。
誰かが夢を叶えれば、別の誰かの夢は潰える。
イカロス
それでも、いつか潰える儚いものだとしても、夢を持つことは希望となるだろう。
この残酷な堕落の国においても。
GM
そして、上るエレベーターは僅かに天へと近づく。
GM
――エレベーターが到着し、ホテルマンが一礼する。
GM
Dead or AliCe「16JAcks」