Dead or AliCe『16JAcks』
モスキット・イット
そいつはごくありふれた亡者だ。
モスキット・イット
たまにこの寂れた村近くにやってきて、そのたびに村は大慌て。
モスキット・イット
そのときちょうど救世主が近くにいたならば、撃退してもらうこともあったし。
モスキット・イット
そうでなかったら、働き盛りの大人たちが集まって、なんとか倒す。
モスキット・イット
たまに若者が手伝わされることもあったけど。
モスキット・イット
それでも、10にもならないこどもは戦場へは出られない。

ただ、その日だけは違った。

その日は別の亡者が襲撃してきた、その直後で。

村の戦力となれる末裔は、ほとんどが負傷したか、そうでなければ命を落とした。

数少ない生き残りの若者の末裔が、僅かな時間で準備をして、亡者に挑んで、負けた。

村の広場に、からからに乾いた死体たち。

他の末裔は息をひそめて家の中に隠れて、やり過ごそうとしている。
血の臭いがするから、きっと見つかってしまうことくらい、わかっているのに。

この子兎も、娼館で匿われていた。

けれど。

大人たちが怪我人の手当てをしている隙に、こっそりと抜け出して。

そうして、いま、亡者の目の前に立っている。

村を守りたかったから? 違う。

死にたくないから足掻いてみようと思った? ちょっと近いけど、まだ遠い。

もっと、単純に。

その亡者の、腹の中を見てみたいと思ったからだ。

それはうまれてはじめて抱いた好奇心だった。

この子兎はこの国の戦闘のルールを知らない。戦い方がわからない。

事前に亡者について調べたり、道具をもってきたり、そういったことが必要である、というのもわからずに。

衝動のままに、立っている。

そうして、

衝動のままに、駆け出した。
モスキット・イット
1d6 (1D6) > 2

1d6 (1D6) > 2
モスキット・イット
1d6 (1D6) > 3

1d6 (1D6) > 5
[ モスキット・イット ] こしょう : 0 → 1
[ イスタ ] HP : 0 → 18
[ イスタ ] 前科 : 1 → 0
[ イスタ ] 退屈嫌い : -1 → 0
[ イスタ ] ひねくれもの : -1 → 0
[ モスキット・イット ] HP : 8 → 21
[ モスキット・イット ] 前科 : 1 → 0

*h4鋭気 h10通打

2d6+0=>7 判定(+猟奇) (2D6+0>=7) > 5[4,1]+0 > 5 > 失敗
モスキット・イット
*c5 大洪水

*dK 遊撃

2d6+0=>7 判定(+猟奇) (2D6+0>=7) > 9[5,4]+0 > 9 > 成功

1d6 (1D6) > 6
モスキット・イット
2d6+3-6=>7 判定(+愛) (2D6+3-6>=7) > 3[2,1]+3-6 > 0 > 失敗
モスキット・イット
*d3 毒吐き
モスキット・イット
2d6+3=>7 判定(+愛) (2D6+3>=7) > 3[1,2]+3 > 6 > 失敗

*c2 鋭気 c8 通打

2d6+0=>7 判定(+猟奇) (2D6+0>=7) > 8[2,6]+0 > 8 > 成功

C(2+1+3)  ダメージ 逆鱗 鋭気 c(2+1+3) > 6
[ モスキット・イット ] HP : 21 → 15
モスキット・イット
*s7 大洪水
モスキット・イット
2d6+3=>7 判定(+愛) (2D6+3>=7) > 4[3,1]+3 > 7 > 成功
モスキット・イット
*あっやべ こしょうつかうか
[ モスキット・イット ] こしょう : 1 → 0
モスキット・イット
1d6+1+2  ダメージ 逆鱗 こしょう (1D6+1+2) > 4[4]+1+2 > 7
[ イスタ ] 衰弱 : 0 → 2
[ イスタ ] HP : 18 → 11
モスキット・イット
*s9 コーカスレースがこしょうのあとに入るのでは?
モスキット・イット
2d6+3=>7 判定(+愛) (2D6+3>=7) > 3[2,1]+3 > 6 > 失敗
モスキット・イット
なんなんだよ

*dA 予知→sJ

*d4鋭気 d7麦藁の冠
[ イスタ ] 退屈嫌い : 0 → -1

C(2+2+3)  ダメージ c(2+2+3) > 7
[ モスキット・イット ] HP : 15 → 8

*sJ 衝撃

2d6+0=>7 判定(+猟奇) (2D6+0>=7) > 9[3,6]+0 > 9 > 成功

*cA落とす!

C(2+2)  ダメージ c(2+2) > 4
[ モスキット・イット ] HP : 8 → 4
モスキット・イット
*パス

*s6 麦藁の冠
[ イスタ ] ひねくれもの : 0 → -1

C(2+3)  ダメージ c(2+3) > 5
[ モスキット・イット ] HP : 4 → 0
モスキット・イット
2d6+0-0 判決表 (2D6+0-0) > 3[1,2]+0-0 > 3
モスキット・イット
*免罪符つかっても5! 昏倒!

2d6+3+2=>7 判定(+猟奇) (2D6+3+2>=7) > 9[5,4]+3+2 > 14 > 成功

モスキット・イット
いや
モスキット・イット
脅威度1だから免罪符使ったら6じゃね?
モスキット・イット
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 猟奇
モスキット・イット
2d6+0=>7 判定(+猟奇) (2D6+0>=7) > 4[1,3]+0 > 4 > 失敗
[ モスキット・イット ] 免罪符 : 1 → 0

狂った兎!

まるで自分から死ににいくような戦い方をする子兎の、なんとおそろしいことだろう!

攻撃を受けても、避けない。癒やすこともない。

狂気につき動かされているその姿は、悪魔でも宿ったかのよう!

攻撃を受ける、返す、また受けて返して、追撃。

誰に教わったわけでもない、本能的な身のこなし。

おなじ兎でも、白兎よりずっと激しく、狂気的で、猟奇的。

――そうして。

畳み掛けるように、三発。
モスキット・イット
それで亡者はうごかなくなる。
モスキット・イット
血肉を溜めていた腹は破裂し、あたり一面が血で濡れている。

しばらくそのまま立っていて、それから。

顔を手でぬぐって、

その手を見た。

退屈なこの世界で、いちばん鮮やかな色。

それをはじめて知った。

荷物運びより、恋人ごっこより。

ずっとたのしい。

そう思ったのに。

子兎に声をかけるものがいる。

振り向くと、

鼻の先に、ナイフが向けられる。

「ばけもの」震える声。

「…………」

「なんだ、あの戦い方は」
「いままで戦えることを黙ってたのか」
「私達は殺さないでくれるよね?」
つぎつぎと、かけられる声。

「……うん」

曖昧な返事。

すとん、とその場に座る。

それを村人たちが取り囲んでいく。

…………それから。


この三月兎の末裔はよりいっそう、戦場から遠ざけられた。

前よりもずっと、腫れ物に触るような扱いで。

それがこのちいさいこどもを守るための唯一の方法だと、村の人々は信じていた。おそらくは。

もしかしたら、『村を守るための方法』だったかもしれないけど。

欲について教えず、ただ抑え込んで遠ざけるだけ。

そうして『教育』されて育ったら、その欲はどこにたどりつくだろう。

ひとがばけものを飼いならせば、ばけものはひとになるのだろうか?

ひとではないものなら?

いまはまだ、わからない。
モスキット・イット
一瞬のことだった。
モスキット・イット
その日、たまたま、村にべつの亡者がやってきていて。
モスキット・イット
村の戦えるもののほとんどが死傷して。
モスキット・イット
その血を求めて、蚊の亡者がやってきた。
モスキット・イット
そいつは村の戦えるやつら全員をミイラみたいな死体にして、村の広場に転がした。

広場にはもうだれもいない。しずまり返っている。

そんな中。

ちいさい褐色の子兎が、その亡者の前にやってきた。

誰も止めない。

だから、そのまま、戦闘がはじまる。

*開廷
モスキット・イット
1d6 (1D6) > 5

1d6 (1D6) > 4
モスキット・イット
*dJ 囚人の詩
モスキット・イット
2d6+3=>7 判定(+愛) (2D6+3>=7) > 2[1,1]+3 > 5 > 失敗

えっ……

*c8 通打

2d6+0=>7 判定(+猟奇) (2D6+0>=7) > 12[6,6]+0 > 12 > 成功

回復できるHPがないな~。

C(2+1)  ダメージ +逆鱗 c(2+1) > 3
[ モスキット・イット ] HP : 21 → 18
モスキット・イット
*こしょう
Joker 大洪水
[ モスキット・イット ] こしょう : 1 → 0
[ イスタ ] 衰弱 : 0 → 2
モスキット・イット
2d6+3=>7 判定(+愛) (2D6+3>=7) > 11[5,6]+3 > 14 > 成功
モスキット・イット
1d6+1+2  ダメージ 逆鱗 衰弱 (1D6+1+2) > 2[2]+1+2 > 5
[ イスタ ] HP : 18 → 13
モスキット・イット
*h2 毒吐き
モスキット・イット
2d6+3=>7 判定(+愛) (2D6+3>=7) > 7[3,4]+3 > 10 > 成功
[ イスタ ] 猛毒 : 0 → 2
モスキット・イット
*c9 コーカスレース
[ イスタ ] HP : 13 → 10
[ モスキット・イット ] HP : 18 → 15

*d8 通打

2d6+0=>7 判定(+猟奇) (2D6+0>=7) > 9[6,3]+0 > 9 > 成功

C(2+1)  ダメージ +逆鱗 c(2+1) > 3
[ モスキット・イット ] HP : 15 → 12
モスキット・イット
*d5 大洪水
モスキット・イット
2d6+3=>7 判定(+愛) (2D6+3>=7) > 7[5,2]+3 > 10 > 成功
[ イスタ ] 衰弱 : 2 → 1
[ イスタ ] 猛毒 : 2 → 1


毒の処理!
[ イスタ ] HP : 10 → 8
モスキット・イット
1d6+1+2  ダメージ 逆鱗 衰弱 (1D6+1+2) > 5[5]+1+2 > 8
[ イスタ ] HP : 8 → 0

2d6+0-0 判決表 (2D6+0-0) > 12[6,6]+0-0 > 12
[ イスタ ] HP : 0 → 8
[ イスタ ] 前科 : 0 → 1

*cA 予知→h2

*h2鋭気 h5麦藁の冠

の前に猛毒処理!
[ イスタ ] 猛毒 : 1 → 1
[ イスタ ] HP : 8 → 6
[ イスタ ] 退屈嫌い : 0 → -1

C(2+2+3)  ダメージ c(2+2+3) > 7
[ モスキット・イット ] HP : 12 → 5

そういえばさっきなんで大洪水に遊撃いれなかったんだ?

おしまいだよ~

*hJ 衝撃

2d6+0=>7 判定(+猟奇) (2D6+0>=7) > 8[2,6]+0 > 8 > 成功

C(2+2)  ダメージ 逆鱗 c(2+2) > 4
[ モスキット・イット ] HP : 5 → 1

*d6捨てさせ
モスキット・イット
*パス

*dA 予知→h5

*h5 麦藁の冠
[ イスタ ] ひねくれもの : 0 → -1

C(2+3)  ダメージ c(2+3) > 5
[ モスキット・イット ] HP : 1 → 0
モスキット・イット
2d6+0-0 判決表 (2D6+0-0) > 10[4,6]+0-0 > 10
モスキット・イット
*9~11 HPを1点回復して立ち上がる。
[ モスキット・イット ] HP : 0 → 1

*d10 通打

2d6+0=>7 判定(+猟奇) (2D6+0>=7) > 6[2,4]+0 > 6 > 失敗
モスキット・イット
*sA 救済
モスキット・イット
3d6 回復 (3D6) > 13[5,4,4] > 13
[ モスキット・イット ] HP : 1 → 14
モスキット・イット
*s6 大洪水

*hK 遊撃

2d6+0=>7 判定(+猟奇) (2D6+0>=7) > 6[5,1]+0 > 6 > 失敗

*cK 遊撃

2d6+0=>7 判定(+猟奇) (2D6+0>=7) > 5[1,4]+0 > 5 > 失敗
[ イスタ ] 衰弱 : 1 → 0
[ イスタ ] 猛毒 : 1 → 0
モスキット・イット
xxx
モスキット・イット
1d6+3+1  ダメージ 逆鱗 発狂 (1D6+3+1) > 3[3]+3+1 > 7
[ イスタ ] HP : 6 → 0

2d6+0-1 判決表 (2D6+0-1) > 10[4,6]+0-1 > 9

*9~11 HPを1点回復して立ち上がる。
[ イスタ ] HP : 0 → 1
[ イスタ ] 前科 : 1 → 2
モスキット・イット
*c3 毒吐き
モスキット・イット
2d6+3=>7 判定(+愛) (2D6+3>=7) > 7[1,6]+3 > 10 > 成功
[ イスタ ] 猛毒 : 0 → 2

*猛毒ダメージ
[ イスタ ] HP : 1 → 0

2d6+0-2 判決表 (2D6+0-2) > 8[6,2]+0-2 > 6

*6~8 ランダムな能力値で判定し、成功すればHPを1点回復して立ち上がる。失敗すれば〈昏倒〉する。

Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 才覚

2d6+0=>7 判定(+才覚) (2D6+0>=7) > 8[2,6]+0 > 8 > 成功
[ イスタ ] HP : 0 → 1
[ イスタ ] 前科 : 2 → 3

*h4 鋭気

*cJ 衝撃

2d6+0=>7 判定(+猟奇) (2D6+0>=7) > 9[4,5]+0 > 9 > 成功

C(2+3+3)  ダメージ c(2+3+3) > 8
[ モスキット・イット ] HP : 14 → 6
モスキット・イット
*パス
[ イスタ ] 猛毒 : 2 → 1

*猛毒
[ イスタ ] HP : 1 → 0

2d6+0-3 判決表 (2D6+0-3) > 5[4,1]+0-3 > 2

*~2 ランダムな能力値で判定し、成功すれば〈昏倒〉する。失敗すれば〈死亡〉する。

Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 愛

2d6+0=>7 判定(+愛) (2D6+0>=7) > 7[4,3]+0 > 7 > 成功

「っ、が、……っ」

消化液でぐちゃぐちゃに混ぜられたなにかが、口から吐き出されて。

そうして倒れる。
モスキット・イット
起き上がる間もなく、巨大な蚊がこどもに覆いかぶさる。

「…………ぅ、……ぁ」

まるで狂ったように戦う三月兎も。

こうして組み伏せられれば、ただのちいさいこども。

声は幼くて、亡者と比べたら、手に込められる力もずっとか弱い。
モスキット・イット
中身が溜まって大きくなった赤い腹が、僅かにこどもの肌に触れる。

溶けかけて柔らかくなった肌が擦れて、その痛みに呻いた。
モスキット・イット
亡者は口吻をゆっくりとこどもに近づける。

それが腹に触れる。

「……、や、」

手が伸ばされるけれど、亡者にとどくことはない。

太い針が腹の中に沈められていく。

「ぁ、っ……ぐ、…………」

苦痛に喘ぐ。

ぐちゃぐちゃにかきまぜられていく。

こどもの声。おさなくて、舌がまわってなくて、笑い声みたいな高い声。

「や、ぁ、やっ、……ぁ、あっ、……っ、」

「…………っ、う、…………っあ…………あ、……や、っ……」
モスキット・イット
終わらない。
モスキット・イット
身体の中をめちゃくちゃに溶かして、啜る。

「…………、」

赤色が溜まっていくところがぼんやりと見える。

あれが自分の腹にあったものなのだろうか、と思うと、

それに手を伸ばしたくなってしかたない。

こんなにも命の危機にさらされているのに。

やだ、やだ、と声にならない声を漏らす。

それがちゃんと見られないのが嫌。

死にかけてることより、ずっと嫌。

視界がぼやける。手が冷たくなって、力がぬけていく。

さっきまで空中に伸ばされていた手がちからを失って、血の海にたおれるまで。

ずっとそれだけを思っていた。

…………

…………それからどうなったのかは、よくおぼえていない。


通りすがりに癒やすのがうまい救世主が来たのか、末裔の手当てが実を結んだのか。

子兎が干からびた死体になる前に、亡者の腹が膨れて、どこかに行ったのか。それとも通りすがりの救世主が助けにきたのか。

あるいは、ぜんぶが夢とか幻だったのか。

この子兎にはわからない。

ただ、生きているという事実だけがあって。

あの日見た赤を、ずっと、求めている。

あの亡者みたいに、いつか、なにかがすべてを壊していくのを。

心の奥の、どこかで。

待っている。