裁判

GM
*手札捨て
ツグハ
*d3, d4捨て
GM
*ラウンド9
ツグハ
*d6, s9, dQ, dA (dJ)
スティブナイト
*h6,h7,d8,h9,s10,hK,sA
GM
*1つを除く陣営全員が昏倒・死亡したため、PKが裁判に参加します。
[ ツグハ ] 封印(6Rカンダ) : 1 → 0
ツグハ
ツグハ
闇は深く。
ツグハ
一寸先を見通すにも苦労を要する、底なしの奈落が続いている。
ツグハ
煌々ときらめく黒水晶のあかりが無ければ、己の手先すら見えない程に。
ツグハ
ぱきり・ぱきりと結晶の砕ける音を伴いながら、
ツグハ
最期の一人が歩みを進める。
ツグハ
そうして。
ツグハ
「……お待たせ~」
ツグハ
「待ったァ~?」
ツグハ
そこに居るであろう何者かへと声がかけられる。
スティブナイト
「うん」
スティブナイト
「待ったかな」
ツグハ
「あはァー……」
ツグハ
「ごめんねえ」
ツグハ
「先約がなかなか離してくれなくってさ」
ツグハ
「まあ知ってるか」
スティブナイト
「知ってる」
スティブナイト
「人気者だね」
スティブナイト
「……もういいの?」
ツグハ
「いいよ」
ツグハ
「いろいろ」
ツグハ
「吹っ切れた?のかな?」
ツグハ
「なあに?心配してくれるの?」
ツグハ
「やさし~~~」
スティブナイト
「そう見える?」
ツグハ
「どうだろう」
ツグハ
「でも、いつだったか」
ツグハ
「かわいそうにねって言ってくれたからさ」
ツグハ
「嬉しかったなあ」
スティブナイト
「……そう」
スティブナイト
「今でも思ってるよ」
スティブナイト
「公爵家に飼い慣らされて」
スティブナイト
「都合よく利用されて」
スティブナイト
「ずっと一緒だった仲間も今はこのざま」
ツグハ
「ほら、やさしい」
ツグハ
「そこまで相手の事情を考えてくれる救世主ってそんないないぜ」
ツグハ
「救世主、救世主」
ツグハ
「かわいそうだよね。本当に」
スティブナイト
「うん」
スティブナイト
「救世主に求められてるのは、力と、救世主らしくあることだけ」
スティブナイト
「その期待を裏切れば、末裔も救世主も目をギラギラさせて」
スティブナイト
「"悪"が倒れるのを待つようになるんだ」
スティブナイト
「ご期待どおりに死んでやるのも嫌だろ?」
ツグハ
「私でも我慢ならないね」
ツグハ
「なんだっけ、力には責任が伴う?」
ツグハ
「頼みもせずに押し付けられたもんの責任を求められたって困るよ」
スティブナイト
「責任なんてね」
スティブナイト
「そもそもこの世界だって、どこだって」
スティブナイト
「とってくれはしないだろ」
スティブナイト
「……だから一人で戦うしかなかった」
スティブナイト
「俺には、対話を拒んで、捻じ伏せられる力があった」
スティブナイト
「それはこの世界では、【猟奇】って呼ばれた」
スティブナイト
「俺にはその才能があって、だから」
スティブナイト
「ずっとここにいられたんだ」
ツグハ
「私には、そんな才能を腐らせて、黙らせるための力がある」
ツグハ
「この世界では【愛】って言うんだってさ」
スティブナイト
「………………」
スティブナイト
「話をする力」
スティブナイト
「想像する力」
スティブナイト
「何かに縋ろうとする力」
スティブナイト
「そうだろ?」
スティブナイト
「夢を見たりとか」
スティブナイト
「"この堕落の国に来た意味"とかを、見出してみたりとか」
スティブナイト
「何かに特別さを感じたりとか、」
スティブナイト
「そういうことで」
スティブナイト
「痛みを誤魔化す力のことだ」
ツグハ
「じゃあ、あんたには【愛】の才能は無かったわけだ」
スティブナイト
「うん」
ツグハ
「あは」
ツグハ
「かわいそうにね」
スティブナイト
「…………」
スティブナイト
「そうだね」
スティブナイト
「じゃあ、あと、もう一つ」
スティブナイト
「アリスの招待状に書かれていた力」
ツグハ
「あー……えー……」
ツグハ
「なんだっけ?」
ツグハ
「バカに頭殴られてっからもうなんかわけわかんないんだよね」
スティブナイト
「災難だったね」
スティブナイト
「それともそれが幸福だった?」
ツグハ
「もしかしたら、そうかも」
ツグハ
「ばかのイワンも、結局はそれで人生楽しく生きてたんだし」
ツグハ
「余計な【才覚】なんて無ければ、ここまで拗れることはなかったかもな」
ツグハ
「救世主さますごい!かっこいい!」
ツグハ
「それで満足できてりゃ今頃は」
ツグハ
「普通に死んでるかも」
スティブナイト
「……俺もそう思うよ」
スティブナイト
「素直に受け取れなくて、考え続けて」
スティブナイト
「起こったことを分解して」
スティブナイト
「将来のことに思考を巡らせて」
スティブナイト
「〈絶望〉に身を浸らせて、そのまま30日、動けなくなれたら」
スティブナイト
「もっと楽だった」
スティブナイト
「思考を止められなくて、考え続けて」
スティブナイト
「いろんなものを整理して、片付けて、」
スティブナイト
「その果てにあるのが」
スティブナイト
「心の疵だね」
スティブナイト
「お前から花と女のにおいがすること」
スティブナイト
「俺がこういう見た目で、こういう森を作ること」
スティブナイト
「あの2人は?」
ツグハ
「救世主っぽくなっていくことと」
ツグハ
「知ったこっちゃないルールで人をあれこれ縛り付けること?」
ツグハ
「みんな頭良さそ~」
ツグハ
「損ばっかりするだけなのにね」
スティブナイト
「ほんとにね」
スティブナイト
「でも」
スティブナイト
「お前も、俺も、そう変わらないよ」
ツグハ
「ほんとにね」
ツグハ
「こんなになっても」
ツグハ
「それでもやっぱり、死ぬのは怖いし」
ツグハ
お前が生きる意味は何だ?
ツグハ
こんなところで。この地獄の底で。
ツグハ
「救世主が来るのを」
ツグハ
「待ち続けている」
ツグハ
「末裔達とも、変わりゃあしない」
ツグハ
「“誰か”“何か”がパーフェクトでいい感じに私を救ってくれるのを期待してるんだ」
ツグハ
「救いようがないね」
スティブナイト
「俺は、」
スティブナイト
「その期待すらできなかったよ」
スティブナイト
「生きてても救われることはないって、思ってる」
スティブナイト
「30日に1回、人を殺すこと」
スティブナイト
「愚かで無力で、俺を頼ってくるか、そうでなければ泣き喚く末裔のこと」
スティブナイト
「傷付けてくる救世主のこと」
スティブナイト
「それをどうにか処理できない、自分のこと」
スティブナイト
「全部嫌で、でも」
スティブナイト
「どこにも行けなかった」
スティブナイト
「楽しさなんて幻想で、茶番で」
スティブナイト
「絆なんかなくて」
スティブナイト
「だから」
スティブナイト
「強いて言うなら、そう、」
スティブナイト
「この国の救世主も末裔も、全員殺した後に、30日だけ来る静かな日が」
スティブナイト
「あればいいなと思ったし」
スティブナイト
「そんなものないよな、とも思う」
ツグハ
「話をする力」
ツグハ
「想像する力」
ツグハ
「何かに縋ろうとする力」
ツグハ
「そういう才能が無い奴の言葉だね」
ツグハ
「私は、他人を黙らせる才能とか無かったからさ」
ツグハ
「この国の救世主も末裔も、全員黙らせて一人になる日のことなんて」
ツグハ
「夢にも見たことがなかった」
ツグハ
「他人に依存するしかなかったんだよ」
ツグハ
「……はは」
ツグハ
「羨ましいね」
スティブナイト
「…………」
スティブナイト
「……俺も、」
スティブナイト
「…………いや」
スティブナイト
「羨ましいって気持ちすらないのかも」
スティブナイト
「だから、そうだな」
スティブナイト
「かわいそうにね」
ツグハ
「…………」
ツグハ
「……」
ツグハ
「じゃあ、かわいそうな私の為に」
ツグハ
「ここで死んでくれる?」
スティブナイト
「………………」
スティブナイト
「できるものなら」
スティブナイト
ぱきり、ぱきり。
スティブナイト
静寂に結晶がひび割れて育つ音。
スティブナイト
それは絶望そのもの。
GM
*R9 開始時タイミング
GM
*の前にやることがあったわ
スティブナイト
*hK 喝上
スティブナイト
2d6+5+4=>7 判定(+猟奇)+孤軍 (2D6+5+4>=7) > 6[4,2]+5+4 > 15 > 成功
スティブナイト
*dJを奪取。
スティブナイト
*h7 撒菱
スティブナイト
2d6+5+4=>7 判定(+猟奇)+孤軍 (2D6+5+4>=7) > 6[5,1]+5+4 > 15 > 成功
スティブナイト
*4点+発狂1点。
スティブナイト
*まぁ2点軽減されるだろうけど……
ツグハ
2点軽減して3点、
ツグハ
*s9 救護
ツグハ
2d6+4=>7 判定(+愛) (2D6+4>=7) > 7[1,6]+4 > 11 > 成功
[ ツグハ ] HP : 1 → 5
[ ツグハ ] HP : 5 → 2
GM
*R9 ツグハ
ツグハ
*dA 救済
ツグハ
4d6 (4D6) > 12[4,3,3,2] > 12
ツグハ
ふつう
[ ツグハ ] HP : 2 → 14
ツグハ
そうだわ
ツグハ
依存と呪物があるので回復量は4d6+2ですね
[ ツグハ ] HP : 14 → 16
スティブナイト
ちゃんと回復して
ツグハ
おれはPKが喝上忘れててもなんも言わなかったのにPKはめちゃくちゃ配慮してくれるじゃん
ツグハ
やっぱり……優しいのでは?
エンフォーサー
騙されないで… 前科の差を見て…
スティブナイト
やだ……
ツグハ
*d6 必衰 対象スティブナイト
ツグハ
2d6+3=>7 判定(+才覚) (2D6+3>=7) > 8[6,2]+3 > 11 > 成功
ツグハ
ダメージは…威力の3…
ツグハ
と看破があるか
スティブナイト
あと逆鱗とキケンな衣装。
ツグハ
じゃあ8ですね
スティブナイト
まあ判決表だね。
[ スティブナイト ] HP : 1 → 0
スティブナイト
2d6+6-0 判決表 (2D6+6-0) > 3[1,2]+6-0 > 9
ツグハ
なんでギリギリなんだよおめーもよ
[ スティブナイト ] HP : 0 → 1
[ スティブナイト ] 前科 : 0 → 1
ツグハ
手番おわりで~す。
スティブナイト
*R9 スティブナイト
スティブナイト
*h6撒菱
スティブナイト
2d6+5+4=>7 判定(+猟奇)+孤軍 (2D6+5+4>=7) > 7[6,1]+5+4 > 16 > 成功
スティブナイト
*5点。
ツグハ
2点けいげ~ん。
[ ツグハ ] HP : 16 → 13
スティブナイト
*dJ屍毒→ツグハに衰弱
スティブナイト
*病理で2R。
[ ツグハ ] 衰弱(スティブ9R) : 0 → 2
スティブナイト
*d8鏖殺
スティブナイト
2d6+5+4=>7 判定(+猟奇)+孤軍 (2D6+5+4>=7) > 11[6,5]+5+4 > 20 > 成功
スティブナイト
1D6+5+5+2+4+2 ダメージ(救世主強化・衣装)+逆鱗+孤軍+衰弱 (1D6+5+5+2+4+2) > 4[4]+5+5+2+4+2 > 22
ツグハ
衣装で2点軽減はするね…
ツグハ
20点ですね
[ ツグハ ] HP : 13 → 0
ツグハ
残り7点なんで過殺はないっすね
ツグハ
判決ふりまあ~す
ツグハ
2d6+5-8 判決表 (2D6+5-8) > 4[1,3]+5-8 > 1
GM
~2 ランダムな能力値で判定し、成功すれば〈昏倒〉する。失敗すれば〈死亡〉する。
ツグハ
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 才覚
ツグハ
2d6+3=>7 判定(+才覚) (2D6+3>=7) > 6[5,1]+3 > 9 > 成功
GM
*ツグハは〈昏倒〉。
GM
スティブナイト
爪先で地面を叩けばそこから黒結晶が浮かび上がる。
スティブナイト
この森で最初に会ったときの牽制のようなものではなく、殺意を持った黒結晶の破片。
ツグハ
走り出す。
ツグハ
これまでの様に陣地を構えて耐え忍ぶ体制ではない、がむしゃらにスティブナイトへと近づくためだけの疾走。
スティブナイト
それに向かって黒結晶が飛ぶ。
スティブナイト
後ろから追いつき、前から貫き。
スティブナイト
身体を切り裂いて、抉って、傷付ける。
ツグハ
獣道とも呼べないような隙間を走り抜けながら、最低限急所へと蔦を張り巡らせて。
ツグハ
頬を、脇腹を、左腕を貫かれながらも、止まることはなく一心不乱に。
ツグハ
痛みは無い(本当に?)。
どんな攻撃だろうと(無理があるでしょ)。
【愛】の前では無傷同然(そう思ってるだけだって)。
ツグハ
他人を黙らせる術を知らない【愛】でも、己の痛みを誤魔化すことは出来る(頭がバカになってるだけなんだから)。
スティブナイト
止まらない。現象としてそれはお前の肉体を襲い続ける。
スティブナイト
人間の身体から大量に血が出たらどうなる?
スティブナイト
大きく肉が裂けたら?
スティブナイト
わからないなら、じゃあ。
スティブナイト
片腕でも飛ばしてみようか?
スティブナイト
一際大きい破片が関節を砕いて、
スティブナイト
肉体を分割して向こう側へ飛んでいった。
ツグハ
聞こえない。(嫌な音)
見えない。(血が飛んだ)
知らない。(そんなわけあるか)
ツグハ
痛くない。(痛いのに)
ツグハ
厭なことなんか見て見ぬふり。
ツグハ
真実から目を逸らし続けて、それでも毎日を生きてしまえば、
ツグハ
もうとっくに取り返しなんてつかない。
ツグハ
心の疵は変容している。絶望に毒され、愛に惑わされ。
ツグハ
絶望の森に侵されて、
ツグハ
つまり元通りになんてならないってこと。
ツグハ
千切れ飛んだ腕をそのままに、スティブナイトへともう片方の腕を伸ばす。
ツグハ
植物性の杭と化した腕は、そのままスティブナイトへと駆け寄って、
ツグハ
過たずその腸を貫いた。
スティブナイト
阻む黒結晶にお前が怯まないのなら。
スティブナイト
その先にある「救世主」は、何の抵抗もできやしないから。
スティブナイト
一突きで、動けなくなる。
ツグハ
そして捻じ込まれた杭の内からは、茨の蔓が這い廻って、
ツグハ
スティブナイトの身体を縛り上げていくかのように。
スティブナイト
咳き込んで、あらく呼吸をして。
スティブナイト
そうして隙を晒せば、こんな身体では逃げることも、解くこともできない。
スティブナイト
「…………」
スティブナイト
全部見えてるよ。
スティブナイト
それで、こんな身体に縛られてる。
スティブナイト
この国で使える力は心の疵とコインの数だけだ。
スティブナイト
コインの枚数的に上回ってる。猟奇性もずっとある。
スティブナイト
だからこんなものを千切ることなんか、簡単なはずなんだ。
ツグハ
「“この土地は貴方の故に呪われた”」
ツグハ
「“地は貴方のためにいばらとあざみを生やすであろう”」
ツグハ
ぎりぎりぎり。ぎしぎしぎし。
ツグハ
蔓の伸びる音。骨の軋む音。血の零れる音。息の抜ける音。
ツグハ
気の狂うような静寂の中に、とうに聞き飽きた音が響く。
スティブナイト
報いを待ってる。
スティブナイト
いばらとあざみが生えて、それで。
スティブナイト
それで何も考えられなくさせてもらえたなら。
ツグハ
何も考えずに。
ツグハ
杭を更に捻じ込むとか。
ツグハ
茨を締め上げて首を折るとか。
ツグハ
そうすりゃいい場面なんだろうけど。
ツグハ
「あ」
ツグハ
「は」
ツグハ
「はあ~……」
ツグハ
「殺せなかったなあ」
ツグハ
「あんたのこと」
スティブナイト
「…………」
スティブナイト
「情が湧いたとか?」
ツグハ
「そう、かなあ……」
ツグハ
「そうかもぉ……」
ツグハ
「わかんないや……………………」
ツグハ
血を吐く。
ツグハ
蛍光色の血を。
ツグハ
有り得ざる色の花と共に。
ツグハ
「い、たい、なあ」
ツグハ
「なんでだろ……」
ツグハ
茨が枯れる。
ツグハ
塵に還る。
ツグハ
塵から生まれたものは、すべて。
ツグハ
杭と化した腕も腐り果てて、眼前の少女の身から抜け出し。
ツグハ
血が噴き出す。
ツグハ
“血のように紅く”ない、血が。
ツグハ
先の裁判の後。彼女の元へ現れる前に。
ツグハ
ツグハは、託されたものと一つに成り果てていた。
ツグハ
傍目には何の変哲もない、色褪せた生き血で喉を潤す。
ツグハ
”肉は、命である血を含んだまま食べてはならない。”
ツグハ
”すべての肉の命は、その血そのものであるからだ。”
ツグハ
空想に浸された救世主の“命”を得れば、その救世主の“命”もまたそうなる。
ツグハ
血は救世主を媒介にして伝達する。
ツグハ
互いの色が漏出して、混じり合っている。
スティブナイト
「っ、」
スティブナイト
息を吸えば蛍光色のにおいがする。
ツグハ
こんばんは。
ツグハ
あるいはおはよう、こんにちは。
ツグハ
ようこそ。新しい世界へ。
ツグハ
これまでよりもずっとクソッタレな、どうしようもない世界。
スティブナイト
「そん、なわけ、ないだろ……、」
スティブナイト
「どこも同じだ、」
スティブナイト
「…………、ここだって、なにも、」
スティブナイト
続く言葉の代わりに咳き込む。
ツグハ
楽しさなんて幻想で、茶番で。
ツグハ
絆なんかない。
ツグハ
じゃあ、一緒に幻想と茶番に浸ろうぜ。
ツグハ
おまえは病気だ。死に至る病?まあ病名はなんだっていいや。
ツグハ
だからその特効薬です。だってさ。
スティブナイト
「…………知ってるよ、」
スティブナイト
「わかってる、」
ツグハ
できれば殺してやりたかったんだけど。
ツグハ
残念なことに、失敗しちゃったからさ。
ツグハ
代わりの白馬の王子様だ。
ツグハ
見えてきた?
ツグハ
べつにピンクのユニコーンでもなんでもいいけど。
スティブナイト
「…………、」
スティブナイト
「いやだ、」
スティブナイト
「こないで、」
スティブナイト
「やめて……」
ツグハ
“愛には恐れがない。”
ツグハ
“完全な愛は、恐れをとり除く。”
ツグハ
“恐れは罰を伴い、”
ツグハ
“そして恐れる者には、愛が全うされていないからである。”
ツグハ
今にわかるさ。
ツグハ
わかんなくてもいいよ。
スティブナイト
目を逸らしても背けても瞑っても、視界はネオンカラーで彩られている。
スティブナイト
どこでも同じだ。
スティブナイト
結局現実からなにも目を逸らせなくて、ここまできた。
スティブナイト
それで?
スティブナイト
あれだけ望んでた、「逃避する力」の正体がこれ?
スティブナイト
笑えるね。
スティブナイト
息を吸い込んで、呼吸ができなくて、咳き込んで。
ツグハ
彼方には、海が見える。
ツグハ
“刑死者”から絶え間なく流れ出る不可視の海が。
ツグハ
溺れたって死にゃしないさ。
ツグハ
そんな、予測の出来る最期なんかつまらない。
ツグハ
いつの日か。
ツグハ
いつまでも。
ツグハ
意味もなく。
ツグハ
人生は続く。
ツグハ
唐突な終わりが訪れるその日まで。
ツグハ
これまでと同じだろ?
スティブナイト
わあ、きれい(笑)
スティブナイト
もしかしたら本当にこれを望んでたのかも?
スティブナイト
「そんな、わけ、」
スティブナイト
「そんなわけないだろ、」
スティブナイト
頭が痛くて、息苦しくて、目眩がする。
スティブナイト
とてもじゃないけど正気ではいられないな。
スティブナイト
ここがワンダーランド?
スティブナイト
末裔が目指してた不思議の国(笑)ってこれのこと?
ツグハ
そういう説もある。
スティブナイト
急に喋りかけてこないでよ、びっくりするだろ。
スティブナイト
「……っ、……??」
スティブナイト
「…………な、に、」
スティブナイト
「うるさい…………」
スティブナイト
声なんかどこにもないのはわかってるのに?
スティブナイト
ラッキーじゃない? こうして幻覚見せてもらって?
スティブナイト
あとはここに居続ければハッピー?(笑)
スティブナイト
散々望んでた夢を見られる能力じゃん(笑)
スティブナイト
「…………っ、」
スティブナイト
「……わかったよ」
スティブナイト
「見せてやる」
スティブナイト
「お前らに、現実を」
スティブナイト
起き上がる。足元のネオンカラーの水たまりがばしゃり、波紋を立てて揺れる。
スティブナイト
くるりと地面が一回転。
スティブナイト
転んだだけだ。俺はそれを知ってる。
スティブナイト
倒れた身体を起き上がらせる死霊術の魔法。
スティブナイト
まだ死んでない。昏倒してるだけ。胸を黒結晶で貫いて持ち上げる。
スティブナイト
道の先は色とりどりの落書きで彩られている。どこが出口かわかって便利だね。
スティブナイト
疵の力でよくわかんない落書きとかしないでほしいな。
スティブナイト
今なら俺もでっかい物が生やせるかもね(笑)
スティブナイト
できたらよかったね。そんなことが。
スティブナイト
あいつ彼女募集中だったんだ? ああ、だから最中の仕草が丁寧だったんだ。
スティブナイト
俺の感度がよかっただけだろ。
スティブナイト
あ、お仲間発見じゃん。ちょうどいい、こいつも連れて行こう?
スティブナイト
ちょうどいいもなにも、元からそのつもりで経由してるんだよ。
スティブナイト
蔦を黒結晶に巻きつけて木から引き剥がす。
スティブナイト
わあ~これで3人揃ったね。
スティブナイト
じゃあもうひとりの方へ向かおうか。
スティブナイト
黒い道を歩く。何度も歩いた道を。
スティブナイト
そして森の外へ――森の外"だった場所"へ出る。
スティブナイト
沼地に淡い紫の光。舗装したにしては随分と歩きにくい黒結晶の道。
スティブナイト
それは拠点の方に続いている。
スティブナイト
バージンロードみたいで綺麗だね(笑)
スティブナイト
結婚式とか挙げる?(笑)
スティブナイト
振り返らずに進む。
スティブナイト
その後ろを救世主2人が続いて運ばれている。
スティブナイト
そうして。
スティブナイト
お前たちが最初に来た、森の側の拠点に辿り着く。
エンフォーサー 舞台裏
エンフォーサー
絶望の、森の奥から。
エンフォーサー
人影が。
エンフォーサー
公爵家の面々が救世主からの良い知らせを待つために、支援するために作った中継地点に、森に向かった救世主の一人が帰ってきた。
GM
「救世主様!」「お帰りになられたのですね」「お体は大丈夫ですか?」
GM
お前に駆け寄る末裔達。
エンフォーサー
ゆっくりとした足取り、顔に見える大きな傷、緩んで今にも拘束を解かんとする衣服。
エンフォーサー
満身創痍に見える。
エンフォーサー
けれどまるで、吉報を持ち帰ったような顔で、末裔たちの前に立つ。
エンフォーサー
生き残った貴重なグリフォンの末裔に、手招き。
エンフォーサー
耳元で何事かを暫く囁いて、するとグリフォンの末裔は顔を青くして、何度も頷くと慌てて飛んでいった。
エンフォーサー
残った末裔が不思議そうにグリフォンを見送った後、白かった救世主に視線を戻す。
エンフォーサー
「みんな 私たちは 失敗した」
エンフォーサー
「あの森は非常に危険な森だ 私達は仲間同士で殺し合った スティブナイトも、痛手を追ったが」
エンフォーサー
「でもそんなことも もうどうでもいいことだ」
エンフォーサー
「あの森は この国の本質そのものだ」
エンフォーサー
「この国に居る以上 お前らは受け入れるべきだ」
エンフォーサー
「あの 絶望を」
エンフォーサー
「お前たちは この国は 悔いるべきだ」
エンフォーサー
「お前たちは 諦めるべきだ」
エンフォーサー
「この国で生きることも 救うことも なにもかも 意味はないということに」
エンフォーサー
「もっと早く気づくべきだった」
エンフォーサー
絶望に満ちた血が溢れだす。
エンフォーサー
水の入ったボウルにワインを落としたように、黒水晶の色が地面に広がる。
エンフォーサー
脳に食い込んだ絶望が、絶望の流れに乗って広がって、絶望の国の大地に広がって咲いた。
エンフォーサー
スティブナイトの絶望には及ばずとも、その絶望から引き出され、混じった絶望が、公爵家の中継地点を飲み込んだ。
エンフォーサー
辺り一面に絶望の花畑ができる。
エンフォーサー
大まかに半分が耐えきれずにすぐさま絶命・発狂した。もう半分が絶望に侵蝕されて狂い、さらにもう半分が脚を貫かれ、もう半分が……
エンフォーサー
ごぼごぼと音を立て、体積以上の液体を吐き出しながら堕落の国の地を汚染していく。
エンフォーサー
『なあに 悲しむことはない 救世を 早めに執行されただけだ』
エンフォーサー
声は無く、肺と気道に満ちた絶望の立てるごぼごぼとした不快な音だけが響く。
エンフォーサー
もっともそれも、末裔たちの悲鳴、絶叫、慟哭によってかき消される。
エンフォーサー
XXX
エンフォーサー
『罪を』
エンフォーサー
『償おう』
エンフォーサー
『みんなで』
エンフォーサー
手を上げて、下ろす。
エンフォーサー
末裔の残りは、狂えるものも逃げようとするものも、あまねく。
エンフォーサー
…………
エンフォーサー
静寂だけが残った。
エンフォーサー
拠点は海になっていた。
エンフォーサー
絶望の森の外は、絶望の海。
エンフォーサー
いたるところに末裔の死体が、破壊された建物が地に降り積もり、
エンフォーサー
イルミネーションの代わりに、末裔たちの身体が飾られている。
エンフォーサー
キャンドルサービスの手間も一切ございません。
エンフォーサー
白兎の末裔が今まで救世主を導いてしまった罪を悔いた火刑の灯りがあるからです。
エンフォーサー
眠りネズミは絶望の前に永眠の安楽を選び、その血で救世主たちに祝辞を述べています。
エンフォーサー
そうして広がりゆく海の。元は拠点の真ん中に。
エンフォーサー
逃げた男がいた。
エンフォーサー
「おや」
エンフォーサー
「やっぱダメだったか」
ツグハ
「薄情者がよ~」
カンダ
…………
カンダ
あっ身体が痛い
カンダ
すごく痛い
エンフォーサー
「ははは」
カンダ
もしかして今引きずられてます?
カンダ
おっカスじゃん
カンダ
お久~元気~?
エンフォーサー
「こんなんなってま~す」
ツグハ
「きも~」
カンダ
きったね(笑)
エンフォーサー
「かなし~泣いちゃう」
スティブナイト
「…………さて?」
スティブナイト
「これが森の外で」
スティブナイト
「お前らが当初守ろうとしてたものだけど」
スティブナイト
「どうする?」
カンダ
……?
カンダ
当初……って何時だっけ
カンダ
そんな昔のこと覚えてられないんですよ
エンフォーサー
「俺より忘れっぽくなっちゃったな」
カンダ
スティブナイトくんそんな声だったっけ?って今思ってるとこ
カンダ
カス以上に久しぶりだから……
スティブナイト
可愛い声だろ?
ツグハ
ね~。
エンフォーサー
「俺はもう何かを守るつもりなんてない……っていうか……」
カンダ
どっちの声も素敵だよ
エンフォーサー
イチャイチャしてんねえ
カンダ
ていうか私のこの声聞こえてんじゃん
カンダ
ツグハ、ヤったな
スティブナイト
「そうだろうね」
エンフォーサー
あ~あもう終わりじゃん。絶望に薬物のカクテルとかさ。
スティブナイト
「領域が広がってるのがわかった」
カンダ
ブルーキュラソーよりお洒落だぜ
エンフォーサー
海の色も俺と違って見えるんだろうなあ~
ツグハ
全員シンクロしてんの?
カンダ
おめーが見てる色も通常の色じゃねーよカス
ツグハ
以心伝心じゃん すげ~
カンダ
おめーもこれ聞こえてんだろ
エンフォーサー
俺はそこまでイカれてないし
エンフォーサー
聞こえてるのはそう。うるせ~
カンダ
ラリってる奴はみんなそう言うんですぅ~
カンダ
尿検してやろうか?あぁ?
スティブナイト
随分賑やかじゃん(笑)
エンフォーサー
だから拠点も静かにしておきました。やったー
エンフォーサー
あー出ません出ません尿でませーん
エンフォーサー
絶望なら出る
カンダ
いっぱい出たね♡
ツグハ
うら若き乙女二人の前で下ネタとかやめてくださる?
エンフォーサー
出過ぎ(笑)床ヤバ(笑)
カンダ
三人かもしれないだろ!
スティブナイト
最悪だよ。
エンフォーサー
メンゴメンゴ
カンダ
何の話してたっけ?
カンダ
エンフォーサーの尿の話ではなかった事までしか覚えてない
ツグハ
当初守ろうとしてたもの?
エンフォーサー
愛の話?戦争と平和の話?これからの社会の話?
エンフォーサー
まあ俺が守ろうとしてたのは俺だしなあ。
スティブナイト
「この後はこれを広げに行くわけ?」
エンフォーサー
「感覚が繋がっちゃってる人にはもうしわけないけどね」
カンダ
多感な時期になりましたね
カンダ
えっていうか感覚繋がってたの?
カンダ
黒結晶にちんこ彫ってたのバレてたじゃん
スティブナイト
最悪の絵だったね。
エンフォーサー
「俺は今やこの国全部、黙らせたいって思ってるんだ」
カンダ
国を滅ぼすのって何罪なんだろう
カンダ
国家転覆罪か?
エンフォーサー
「おっさすがにそれはやれてないんじゃないか?」
エンフォーサー
っていうかちんこ描くなよ。
カンダ
まぁ今もうない罪だし、内乱罪かな
カンダ
癖になってんだ……ちんこ描くの……
エンフォーサー
最悪の癖
ツグハ
死んじゃえ
スティブナイト
「だ、そうだけど」
スティブナイト
「お二人は?」
ツグハ
「いいよ」
カンダ
国を滅ぼすの、気持ちよさそうでずるいなって思います
ツグハ
「どうでも」
ツグハ
「どうだっていいんだよ、本当に」
ツグハ
「もうさ、私、達?はさ」
ツグハ
「あんたの言う“悪”に成り下がってるからさ」
ツグハ
「だあれも救済なんかしてくれない」
ツグハ
「そうでしょ」
エンフォーサー
「じゃあ今度は俺達が救済しに行っちゃえばいいじゃん!」
エンフォーサー
「こんな国で生きることの、希望を持つ事の愚かしさを」
エンフォーサー
「カンダの薬と、俺の説得力と、ツグハの愛で啓蒙してやるんだわ」
ツグハ
「死は救済~?」
カンダ
イエ~
スティブナイト
そっか。もしかしたら、閉じこもってないでこうするべきだったのかもな(笑)
エンフォーサー
「スティっちも世界が静かになってハッピーだろ?」
カンダ
まぁ、仲間が楽しそうでよかったなって思います
カンダ
森の中にいるとき
カンダ
つまーんなさそうだったからね。めっちゃ
エンフォーサー
「あーもう吹っ切れたね」
エンフォーサー
「救世主なんてやってらんねーぜ」
スティブナイト
「お前らが救済し終わるまではうるさいよ」
スティブナイト
「今も頭ガンガンするし」
カンダ
し終えてからもうるさくない保証はないぜ!
スティブナイト
「目眩もひどいし」
スティブナイト
「領地拡大してったらどんどん痛くなるだろ」
エンフォーサー
やめよう薬物!ハハハ
カンダ
薬じゃなくてカスのせいなんじゃねーのー?
エンフォーサー
カンダがくっついてる限り諦めてもらうしかないな。
エンフォーサー
カンダがいっぱい落書きしてるから……
ツグハ
うんざりしてるんだよ、私達も。
カンダ
責任転嫁よくないと思いますぅ
スティブナイト
今天秤にかけてるとこなんだよ。俺がついてって早いとこ世界を滅ぼすか、静かなとこ(そんなとこあるのか?)で耐えるか。
カンダ
ハハ、天秤か
エンフォーサー
まあでもさ、薬物が苦しいのはその依存性の高さ……つまり薬切れのせいなんだ。
エンフォーサー
つまりカンダがいればずっと薬物で安楽!
エンフォーサー
やったー!
カンダ
無限に出せま~す!
ツグハ
こいつと一蓮托生になるの?
エンフォーサー
俺はまだしもスティっちもツグハも結構ヤバい量脳に行ってんじゃないの?
カンダ
ぶっちゃけ手遅れですね
エンフォーサー
あーあー
ツグハ
だろうね
カンダ
大概体調も悪くなったりしてるだろうけどさ
スティブナイト
「ほんときついんだけど」
カンダ
本当の禁断症状はそんなもんじゃないぜ
ツグハ
30日間を待つまでも無い。
スティブナイト
「なんでまだ狂ってないんだろうね?」
エンフォーサー
「薬物を求めて永遠に走り続けるハムスターになっちゃった」
エンフォーサー
「いやあもうダメさ」
カンダ
酒とかもそうだろ? もうお酒はこりごりって言えるのは翌日の二日酔いまで
カンダ
本当に酒が抜けたら、次の酒を買いに行く
カンダ
エンフォーサーくんは、まぁ適切な治療を受ければワンチャンくらい
カンダ
そんなもん受ける手段ないけどね(笑)
エンフォーサー
救世主も、30日が近づいたら次の救世主を殺す。殺人ハムスター回し車の運命に乗せられちゃってんだねえ~
エンフォーサー
だからこそこの国はぶっ壊してしまったほうがいい。
ツグハ
ぶっ壊した後は?
カンダ
気持ちよくなって
カンダ
おわり。
エンフォーサー
愛も猟奇も才覚も関係ない、何もない。
エンフォーサー
そうだね、まあヤクがある分こっちはマシかな
エンフォーサー
こうやって行くとこ行くとこぜーんぶを"駆除"していけば
エンフォーサー
きっと何もない静かな場所にたどり着けるさ。
スティブナイト
それは、まあ
カンダ
わぁ殺人罪
スティブナイト
それが……
スティブナイト
望みではある。
エンフォーサー
もっともこれも"希望"ってやつなのかもな!
ツグハ
あははははぁ。
カンダ
希望って素晴らし~
ツグハ
もう亡者と変わんないね。
エンフォーサー
でもまー、俺らを倒すとなったらそれこそコインが60枚だの70枚だのいるぜ。
カンダ
そんなのもうガチ救済できちゃう奴じゃん
エンフォーサー
ある意味では、"救世主"作りを真に支援してやってる!そう言ってもいいんじゃないか?ハハハ
カンダ
どっちに転んでもハッピーエンドって事ですね~
エンフォーサー
そういうこと~☆
カンダ
私メリバはハッピーエンド派です
ツグハ
メリ……何?
カンダ
メリーバッドエンド
エンフォーサー
メリークリス…バッドエンドか
カンダ
意味合いとしては……幸福そうで不幸な結末?
カンダ
カンダ
もう諦めろよスティブナイト
カンダ
抵抗なんてお前らしくないぜ
エンフォーサー
おめーら吊られてるし刺さってんじゃん(笑)
カンダ
これ吊ったのそこの花の人なんですよ
ツグハ
めちゃくちゃ痛いんだよこれ
エンフォーサー
ウケんね
エンフォーサー
やっぱ逃げてよかった~(笑)
カンダ
だいたいさぁ
カンダ
”天秤にかける”ゥ?
カンダ
天秤ってのは、両方の秤を使って重さを比べる道具だぜ
カンダ
片方の皿に乗ってるのは、面倒臭さだろ
カンダ
もう片方の皿に乗ってるのはなんだ?ん?
スティブナイト
集団行動の嫌さ……
カンダ
お前、もう、”楽しそうだ”って思ってるだろ
エンフォーサー
覚醒剤のグラム数で対抗できるかな~
スティブナイト
離脱症状の苦しさとか……?
エンフォーサー
まあでも、覚醒剤って……その分の価値があるからサ!
カンダ
集団行動の嫌さが乗ってんのは面倒臭さの方の皿だろ!
スティブナイト
じゃあお前も俺くらい飲まされてくれないかな。
ツグハ
お。やるか?
エンフォーサー
「やだな…」
カンダ
いっぱいありますよ
エンフォーサー
「いや…」
カンダ
よし、やるか
カンダ
誰か手足抑えてー
エンフォーサー
「首吊られてんだよオメー(笑)」
カンダ
その分垂れ流しだぜ
ツグハ
今にも死にそうだからさ私……
ツグハ
いや、もうすぐ死ぬんじゃないか?あとちょっとで死ぬかも。あー死にそう。
スティブナイト
………………
エンフォーサー
俺も発狂しそうだし……
スティブナイト
黒い結晶を腹に突き刺す。
カンダ
もちろん、それにはべったりとインクが付着している
エンフォーサー
「ウワーーーー!?!?!」
エンフォーサー
まさかスティブナイトがやるとは思っていなかったのでマジの声が出た男。
カンダ
ギャハハハハ!
エンフォーサー
「ウワーーッ!いつの間にお前らそんなに仲良くなった~~~!!!」
カンダ
抑えてって言ったけど、インクついてるからそれで十分そうですねぇ
カンダ
血中注射はキクぜぇ~
エンフォーサー
せ、世界が勝手に輝く~~~~!!!!
ツグハ
めちゃくちゃ叫ぶじゃん おもしろ(笑)
スティブナイト
(笑)
エンフォーサー
もうおわりだ猫の国
カンダ
誰が終わらせたと思ってんだカス
スティブナイト
ほら見えますか? これが俺達が見てた世界だよ。
エンフォーサー
こりゃも~~~ ぶつけるしかないな 他人にもよ
ツグハ
最高で最低な世界。
エンフォーサー
最悪な気分なのに最高にされてしまう。
カンダ
ダサめの詩みたいで素敵
エンフォーサー
黒水晶もキラキラといつもより輝いております。
ツグハ
もう黒じゃないよ、それ。
カンダ
ネオン水晶に改名するか?
エンフォーサー
エンフォーサーから出る海もいつの間にかきらきら幻覚色に。
カンダ
ナイトプールみた~い
ツグハ
堕落の国でこんな光景が見られるとは思わなかったな。
エンフォーサー
「ああ~~~ワインに一滴の泥水を落とせばそれはもう泥水なんだ~~~」
カンダ
元から泥水だろ
エンフォーサー
それはそうかも(笑)
カンダ
ごらん、右手に見えますはサイケの滝
カンダ
あちらはラリった末裔
エンフォーサー
遠く遠く、逃げ延びようとした末裔が水に捕まって、気が狂って笑い出す。
カンダ
楽しそうでいいね
エンフォーサー
その末裔が最期に見たのは、正しく救済!
カンダ
まぁ、この量キメてこの程度の症状に済んでるのって、多分救世主だからで
カンダ
普通なら致死量でしょうね(笑)
エンフォーサー
末裔がハッピーそうに死んでったわ。
スティブナイト
これだから救世主ってやつは(笑)
カンダ
人助けしたな
エンフォーサー
バケモンだねえ(笑)
カンダ
お、はは、見ろよ
カンダ
こちら左手に見えますは
カンダ
スティブナイトの笑顔です
カンダ
珍しいですね
エンフォーサー
そんなこと言ってぇ~皆もう☺じゃん!
ツグハ
ほんとにい?
カンダ
そう見えますぅ?
エンフォーサー
アハハッハハ ハハ やべえ ハイになってきた。
ツグハ
ああ、ほんとうに
ツグハ
救済ってすてきなこと。
ツグハ
“聖なるかな、聖なるかな、聖なるかな”
ツグハ
”全能者にして主なる神“
ツグハ
“昔いまし、今いまし、やがてきたるべき”
ツグハ
やがて……
エンフォーサー
ラッパ鳴りまくり!クソデカイナゴ飛びまくり!地震洪水なんでもアリ!
カンダ
疫病で腐ったクソ死体の上を4百万騎のペイルライダーが爆走しております!
カンダ
ワハハ、終末!
GM
*亡者化判定
エンフォーサー
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 愛
カンダ
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 才覚
ツグハ
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 才覚
エンフォーサー
2d6+4=>7 判定(+愛) (2D6+4>=7) > 6[2,4]+4 > 10 > 成功
カンダ
2d6+3=>7 判定(+才覚) (2D6+3>=7) > 7[3,4]+3 > 10 > 成功
ツグハ
2d6+3=>7 判定(+才覚) (2D6+3>=7) > 9[4,5]+3 > 12 > 成功
スティブナイト
「あはは」
スティブナイト
「ねえ」
スティブナイト
「もうちょっと薬くれない?」
カンダ
欲しがりちゃんですねぇ
スティブナイト
しょうがないだろ。
カンダ
別にそのへんびっちゃびちゃにしてるヤツを勝手に掬って飲んでくれてもいいんだけど
カンダ
あーんして欲しいんなら、用意してやろう
カンダ
「……ょうど」
カンダ
「喋れないのも、いい加減飽きてきたんでさ」
カンダ
「べぇー、インクで代用」
ツグハ
「閻魔様の裁きだぞ 粛々と受けろよ」
カンダ
「脱獄ってヤツもやってみたかったんですよ」
カンダ
「ほら」
カンダ
「飲み方は分かる?」
スティブナイト
「わかんないなあ……」
カンダ
「こうするんだよ」
カンダ
口から滴るインクが細長くうねって
カンダ
スティブナイトの顔の表面をなぞって擽り
カンダ
そのまま細い穴へと潜り込む
カンダ
「……ん」
カンダ
「こんなもんですねぇ!」
スティブナイト
甘くて高い声と荒い息。
カンダ
それは暴力的に脳を擽る。
スティブナイト
びくびくと跳ねて震えて、足は震えて、立てなくなって。
スティブナイト
黒結晶と一緒に力を失う。
スティブナイト
つまり全員放り出されたってこと。
カンダ
楽しい事なんて、嬉しい事なんて、なにも感じられないのだとして。
カンダ
それはどうして?何が足りない?そんな疑問を抱いたとして。
カンダ
それに対する、最も端的な答えがこれだ。
エンフォーサー
わぁーと声を上げてサイケの水たまりに落ちる。
ツグハ
物理的な胸のつっかえが取れて、水溜まりの上に転がる。びしゃー。
スティブナイト
全員黒結晶とインクの海の中で転がっている。
カンダ
吊られたのが落ちてべっちゃべちゃ
カンダ
「お加減どうですかぁ!」
エンフォーサー
頭の中の結晶からインクが滲み出して脳の信号をめちゃくちゃに弄り倒すもんだから、エンフォーサーだった男はインクの上で楽しそうにのたうっている。
エンフォーサー
この瞬間は何の苦痛もない。
エンフォーサー
狂気だけがある。
カンダ
「カスが踊ってる」
エンフォーサー
「い、きき……ひひ、へへ……」
ツグハ
「は、は、は……」
ツグハ
血が水溜まりで洗い落とされる。
カンダ
「はは、ツグハも楽しそうだ」
ツグハ
赤とピンクと黒とあともうなんかもわかんない色の混じった水の上で。
カンダ
「……よかった」
カンダ
「よかったなぁ」
カンダ
「ふふ……」
カンダ
「ふ、ふふ」
スティブナイト
「……、は、」
エンフォーサー
あたらしいなかまがふえて、みんなしあわせそうだね
スティブナイト
「あはは」
ツグハ
「よかったねえ」
カンダ
「あはははは!」
スティブナイト
「あはは!」
GM
 
GM
 
GM
 
GM
Dead or AliCe『絶望の森』
GM
おしまい。