アール
後ろから入ってきた同僚に視線を向けることなく手持ちの水パイプをふかしている。
アール
肩を叩かれれば流石に振り向き、手渡されたそれを受け取った。
アール
「意味も何も、“優勝してたらどうするか”だろ?」
アール
「縫い目も残さず、針も使わずに作ったシャツで得た恋人」
アール
「不思議で素敵な女の子だったって意味だよ」
アール
「できるも何もおれたちは早いうちからそうだったよ」
アール
「逆に人間が2人そろってそうならない関係を築く術があるなら、是非ご教授願いたいね」
アール
「そうなった瞬間におれは死ぬわけだけれど」
アール
「そうならないなら、それはもう無数の仮定や選択肢や答えがあった」
アール
「せっかくだから1人ずつ答えてやるよ、暇つぶしなんだろうし」
アール
「シニ様。並みの従者になれただろう。彼女がおれを食材として見ない限り」
アール
「ペペル様。おかわいそうに。ダンスのひとつでも教えてさしあげられたかもね」
アール
「ミムジィ様。嫌いじゃないけどね。言ったこと全部右から左に抜けてそう」
アール
「つぐみ様。並みの従者になれただろう。彼女がおれを食材として扱わない限り」
アール
「イカロス様。死んでまで仕事はしたかない」
アール
「醜女の価値が上の一派に飲み込まれて消えたらしいね」
アール
「思い出(memory)は憂鬱(melancholy )なことばかり」
アール
「“どっち?”というより、もはや“どれ?”」
アール
「生まれさせてくれて、生きさせてくれて、ドウモアリガトウゴザイマス」
アール
「彼女のことに関しては、常に前者のほうが足りない」
アール
「そんな寂しがり屋を、この国が放っておくはずがない」
アール
「ひとりで生きるなら亡者になるのがいちばん手っ取り早い」
22.救世主が末裔だったとしても一緒にいたと思う?
アール
「おれたちは運命(fate)的にそうだったわけじゃなくて、連れ(mate)あっただけ」
アール
「奥歯の裏と臍の真後ろにスイッチがあって」
アール
「指で押すとちょっとだけ身長が伸びて面白い」
アール
「言っただろ、奥歯の裏と臍の真後ろにスイッチがあるって」
アール
「聞いたところで困るのはそっちじゃない?」
27.救世主が他の末裔と組むことになったらどう思う?
アール
「彼女の疵に触れて、彼女を愛してくれる人が増えればいいと思っているよ」
アール
「王子様といつまでも幸せに暮らすこととか」
32.相手と自分が親子になるなら、どっちが子供がいい?
34.救世主と末裔、立場を変えられるとしたら変わる?
35.あなたの救世主を殺して堕落の国が救われるとしたら殺す?
アール
「正直に言うけれど、これが今まででいちばん厭な質問」
39.負けたら救世主には石像になってでも生きていてほしい? それならいっそ死んでほしい?
40.救世主が元の世界に帰ることについてどう思う?
42.救世主の元の世界についてどれだけ知っている?
43.コインの数が平等なら自分の救世主にも勝てると思う?
44.救世主の生い立ちを教えてもらったことはある?
アール
「それぜんぶ本当の話?とは、聞いたことがなかったけれど」
45.救世主の死ぬところは見ていたい? それとも見たくない?
48.救世主が元の世界に帰るのを止められるなら止めたい?
49.救世主がこの世界に来なかったことにできるならどうする?
50枚のカードをすべて引きながら地面にぽいと置いて。