入場
GM
Shuffle, Deal and Up
不条理、非道理、配り直して
GM
Stand, Hit and Bust
主と僕、あなたはどちら？
GM
罪を束ねて天へと昇るか
徳を重ねて底へと下るか
上下あべこべ、ヴァンテアン・ゲーム
GM
── Dead or Alice『16JAcks』
GM
果て無く続く荒野の果て、その終着点よりも少し前。
GM
雲を貫きどこまでも聳える、場違いに豪華な高層建築。
GM
その広い１階のエントランスに今、末裔も救世主も犇めいている。
GM
この地で行われる儀式にして祭事、希望にして悪夢を見届けるため。
GM
或いは単に、観客に振る舞われる無料の食事を宛にして。
GM
好悪明暗綯い交ぜに、全ての視線はエレベーターの様子を写すモニターに注がれている。
GM
ホテルの中央を大きく貫く、広間のようなエレベーター。
104号室のホテルマン
「此度お招きに応じて頂きました、客室104号室のお二方」
104号室のホテルマン
「プルネウマ様、イスタ様」
プルネウマ
現れたのは、三月兎の末裔のみ…………なんてことはなく。
プルネウマ
てくてく、と、歩いてくるのはこどもたち。
プルネウマ
「二回してもみんな飽きちゃうでしょ～」
プルネウマ
１回戦のときのような残酷劇は開幕しない。
プルネウマ
「こっちがどういう戦い方をするか、相手はもう知ってるだろうし」
プルネウマ
「コインをここからさらに握ったら、あんなもんじゃすまないけどね」
ちょっと不満げな声。
イスタ
そうして、エレベーターの中央までやってきて。
GM
次いで、エレベーターの向かいに位置する扉からもホテルマンが現れる。
107号室のホテルマン
再び、誰も居ない場所へ向けて一礼。
107号室のホテルマン
「此度お招きに応じて頂きました、客室107号室のお二方」
107号室のホテルマン
「『夢見の』シャノン様、『双子の』ルビーとマリー様」
『双子の』ルビーとマリー
「「Ladies・and・Gentlemen！！」」
『双子の』ルビーとマリー
「初めましての方は初めまして、そうでない方はお久しぶりです」
『双子の』ルビーとマリー
「今一度舞台にて狂言を回し重ねますは、我ら儚き双子の末裔、ルビー・デルニャとマリー・デルニャ」
『双子の』ルビーとマリー
「どうぞご来賓の皆々様、今一度お見知りおきの程を！」
『双子の』ルビーとマリー
「さて、第一回戦Bホールにては、幸運にも勝利を勝ち取った双子と夢追人の救世主」
『双子の』ルビーとマリー
「二人と一人、果たして此度は、如何なる悲喜劇を齎すでしょうか」
『双子の』ルビーとマリー
「その行く末は、これからの舞台に乞うご期待！」
『双子の』ルビーとマリー
「というわけで」「そういうわけですので」
『夢見の』シャノン
「なんだい、今回は大分さくっと終わったねぇ」
『夢見の』シャノン
「ま、その方が私も楽でいいけどね〜」
『夢見の』シャノン
「さあ！ご覧になっている皆々様！」
『夢見の』シャノン
「ここに来た目的は、まあ美味しい食事、純粋な暴力、その他いろーんな趣味性癖…」
『夢見の』シャノン
「人それぞれ…たくさーんあるとは思うんだけどぉ〜」
『夢見の』シャノン
「ゆらりゆらゆら、シャボン玉がどこへと向かうのか…」
『夢見の』シャノン
「二人の道化がどのような劇を演じてくれるのか…」
『夢見の』シャノン
「我ら『夢見の』シャノンと、『双子の』ルビーとマリー！この場にいる全ての者を楽しませてあげると約束しよう！」
『夢見の』シャノン
両手を広げ、シャボンを浮かし、笑みを浮かべる。
『夢見の』シャノン
「まあ、私も存分に楽しませてもらうけどね！」
104号室のホテルマン
「ええ、ええ。ありがとうございます」
104号室のホテルマン
「此度のヴァンテアンゲームもいよいよ二回戦」
107号室のホテルマン
「ホテルより配布される6ペンスコインは、今回は41枚となります」
107号室のホテルマン
「──或いは、40枚となる方もおられるでしょう」
GM
104号室と107号室のホテルマンが揃って頷く。
104号室のホテルマン
「一回戦でカードによって決めて頂きました、エースとジャック。二回戦では再び決め直し”シャッフル”を行って頂きます」
104号室のホテルマン
「まずは一回戦でお引き頂いた証を今一度、お預かりします」
GM
ホテルマンが恭しく近寄り、一回戦で配られた[エースの証][ジャックの証]を受け取る。
107号室のホテルマン
「では再び、お茶会が終わるまでどちらがエースで、どちらがジャックとなるか」
GM
担当のホテルマンから、それぞれのペアに差し出される深紅のカードとチップトレイ。
GM
それがこれから始まる戦いの命運を左右する事を、参加者たちはもう知っている。
プルネウマ
「どうするもなにも……普段どおりじゃない？」
プルネウマ
「エースさまっ」
「どうぞなんなりとお申し付けを～」
言ったそばからジャックロールする。
104号室のホテルマン
エースには41枚になるように、ジャックには40枚になるようにトレイに乗せたコインを手渡す。
プルネウマ
（まだ『いなかった』な）
幕間のやりとりを思い出す。
プルネウマ
「私も貰お～」
コインをガシガシ掴んで取っていった。
『夢見の』シャノン
「よーしよし、じゃあ今回は私がエースを頂いちゃおっかな〜」意気揚々とホテルマンの方へ
『夢見の』シャノン
「じゃあ先に引いていいよ、マリー」
『双子の』マリー
「ではこちらを」特に迷う様子もなく一枚を手に取った。
『夢見の』シャノン
「ほーう、そっちでいいのかなぁ？」
そう言って残った一枚を手にとる
『夢見の』シャノン
「…私は最初からそっちだと思っていたんだけどね」
『夢見の』シャノン
「…そんなこと言ってたかなぁ？」
『夢見の』シャノン
「あーもう！そうだよ言ったよ！」
プルネウマ
「いえーい！ジャック仲間だ～」
ジャンプしている。
『夢見の』シャノン
「えーん、プルネウマ〜」ぐにゃ〜
イスタ
「じゃあおれたちはエース仲間ってこと！？」
プルネウマ
「わーい！わるいこといっぱい命じられるぞお～」
『双子の』マリー
「いや１回戦もエースだったんですけどね」
『双子の』ルビーとマリー
「あ～もう仕方ないな。じゃあ今度はあんたが21枚持ってね」「え？嫌だよ」「は？嫌じゃねえ」
『夢見の』シャノン
「お腹かぁ〜、胃もたれしない？」そういう問題ではない
GM
各々がカードを引き終わり、コインが配られ終えるのを見届けるとホテルマンが一歩出でて口を開く。
104号室のホテルマン
「これで、エースとジャックが決定されました。これは当ホテルより判断されるお客様方の身分であり、領分となります」
104号室のホテルマン
「エースはエースらしく。ジャックはジャックらしく。どうか振る舞われますよう」
107号室のホテルマン
「領分を犯した者には、相応の報いが与えられます」
104号室のホテルマン
「これより24時間のお茶会の時間の後、再びこの中央エレベーターへとお集まり頂き、裁判となります」
107号室のホテルマン
「こちらそれぞれ2通、お茶会を助けるための招待状となります、お受け取り下さい」
GM
招待状と称された封筒が、各ペアに2つずつ渡される。それは、参加者たちをこのホテルに招いた招待状と似た気配を持つもの。
104号室のホテルマン
「エースの方々。当ホテルに存在する施設は全て、ご自由にお使いください」
104号室のホテルマン
「ジャックの方々。どうかエースの方々の邪魔を為されないように」
104号室のホテルマン
「それでは、客室104号室、プルネウマ様、イスタ様と」
107号室のホテルマン
「客室107号室、『夢見の』シャノン様、『双子の』ルビーとマリー様の」
107号室のホテルマン
「これより、お茶会の時間と相成ります」
GM
ホテルのラウンジから香ってくる上質な茶葉の香り。
