入場
GM
Shuffle, Deal and Up
不条理、非道理、配り直して
GM
Stand, Hit and Bust
主と僕、あなたはどちら？
GM
罪を束ねて天へと昇るか
徳を重ねて底へと下るか
GM
── Dead or Alice『16JAcks』
GM
果て無く続く荒野の果て、その終着点よりも少し前。
GM
雲を貫きどこまでも聳える、場違いに豪華な高層建築。
GM
その広い１階のエントランスに今、末裔も救世主も犇めいている。
GM
この地で行われる儀式にして祭事、希望にして悪夢を見届けるため。
GM
或いは単に、観客に振る舞われる無料の食事を宛にして。
GM
好悪明暗綯い交ぜに、全ての視線はエレベーターの様子を写すモニターに注がれている。
GM
ホテルの中央を大きく貫く、広間のようなエレベーター。
103号室のホテルマン
誰も居ない場所へ向けて一礼。
103号室のホテルマン
「此度お招きに応じて頂きました、客室103号室のお二方」
103号室のホテルマン
「春雷のペペル様、ジャン様」
ペペル
扉からにじみ出た靄の中に、二人の人影が映る。
ペペル
どこからともなく、ぱっ、ぱっ、と紙吹雪が投げられて散った。
ジャン
隣に並び立つのではなく、カードの配布される前から、エースとジャック、救世主と末裔の決まった領分を守るように。
ペペル
靄が薄れて、姿がよく見えるようになっていく。
観客の気配に向けて、いつかのように手を振りながらの行進。
ジャン
真似をして笑顔で手を振ろうとしたが、どこかぎこちない。
GM
次いで、エレベーターの向かいに位置する扉からもホテルマンが現れる。
108号室のホテルマン
再び、誰も居ない場所へ向けて一礼。
108号室のホテルマン
「此度お招きに応じて頂きました、客室108号室のお二方」
108号室のホテルマン
「I-Carus様、スペードの56様」
スペードの56
相も変わらず愉快な靴音と共に、まずは道化が前へ
スペードの56
「さて、お集りの皆様。此度もお付き合いをお願いいたします」
スペードの56
「先の戦いをご覧下さった方には最早、長い口上も必要ありますまいが――」
スペードの56
「さらばとて、一戦で全てを見切れるほど底の浅い英雄譚などありません」
スペードの56
手をかざし、次に来たる王者へ視線を誘導します
スペードの56
「ゆえにこれより先はただ、我らの第二戦、ご覧下さいませ！」
イカロス
歩み出る、その脚が鳴らすのは変わらぬ機械音。
視線が受ける期待そのままに。己こそがこの場の主役であるかのように。
イカロス
「ーーさあ、今宵始まるのは英雄譚の第二幕！」
イカロス
「我らが対峙するはーー雷を纏う勇者と、支え従う賢者！
王との一戦なれば、叙事詩と語れるに相応しい！」
イカロス
「……栄光を手にし、語り継がれるのは何方となるか。決めようじゃないか！」
イカロス
対面する相手へ、挑戦的に指を突き付ける！
ペペル
拍手。突きつけられる指に対しては、少しズレた反応。
ジャン
「さっ、さすがに向こうは堂々としてますね……」
ジャン
向こうの末裔に比べて俺は……口上のひとつも考えられず……
ペペル
それ以上の言葉はいらないと言うように、親指を立て返す。
ジャン
まるで自分が言われたように、横で強く頷いている。
スペードの56
「流石に覚悟も決まっているようですね。相手にとって不足なし、でしょう」
スペードの56
こちらもイカロスの横から親指を立てます。グッ
イカロス
頷き。「奴らも初戦を勝ち抜いた相手。油断するなーーという言葉は、とうに必要なかろう。」
イカロス
「我々も全力で挑みーーそのうえで、勝利するまでよ。」
108号室のホテルマン
「ええ、ええ。ありがとうございます」
103号室のホテルマン
「此度のヴァンテアンゲームもいよいよ二回戦」
108号室のホテルマン
「ホテルより配布される6ペンスコインは、今回は41枚となります」
103号室のホテルマン
「──或いは、40枚となる方もおられるでしょう」
108号室のホテルマン
「一回戦でカードによって決めて頂きました、エースとジャック。二回戦では再び決め直し”シャッフル”を行って頂きます」
103号室のホテルマン
「まずは一回戦でお引き頂いた証を今一度、お預かりします」
GM
ホテルマンが恭しく近寄り、一回戦で配られた[エースの証][ジャックの証]を受け取る。
スペードの56
ダンナ様から一旦預かって一緒にお渡しします
108号室のホテルマン
「では再び、お茶会が終わるまでどちらがエースで、どちらがジャックとなるか」
GM
担当のホテルマンから、それぞれのペアに差し出される深紅のカードとチップトレイ。
GM
それがこれから始まる戦いの命運を左右する事を、参加者たちはもう知っている。
ジャン
わけもなく緊張しながら残ったカードを引く。
ペペル
「ふふ。特に面白みもないね」エースを裏返す。
ジャン
「一回戦と同じですね……」声にはあからさまに安堵が滲んでいる。
ジャン
エースだったらと思うと、胃が一段と重くなる。
ジャン
本当は、そんなことを言ってる場合ではないのだが……
スペードの56
では引いて行きましょう。ワタシが取ってきてあげますね
スペードの56
いや、それはダメか流石に。自分で引け
スペードの56
「などと一瞬の思考が過りましたが、一枚サッと引きます」最後は口にして……
イカロス
なんだそのリアクションは フィクスの結果を見る前に続いてカードを引く
スペードの56
「ジャックでした。ではこちらも普段通りいきましょう」
スペードの56
「お互いフルに実力が発揮できそうで、良い巡り合わせと言えましょう」
イカロス
「残念ながらな。定石通りといかせてもらおう。」
108号室のホテルマン
「これで、エースとジャックが決定されました。これは当ホテルより判断されるお客様方の身分であり、領分となります」
103号室のホテルマン
「エースはエースらしく。ジャックはジャックらしく。どうか振る舞われますよう」
108号室のホテルマン
「領分を犯した者には、相応の報いが与えられます」
103号室のホテルマン
「これより24時間のお茶会の時間の後、再びこの中央エレベーターへとお集まり頂き、裁判となります」
108号室のホテルマン
「こちらそれぞれ2通、お茶会を助けるための招待状となります、お受け取り下さい」
GM
招待状と称された封筒が、各ペアに2つずつ渡される。それは、参加者たちをこのホテルに招いた招待状と似た気配を持つもの。
103号室のホテルマン
「エースの方々。当ホテルに存在する施設は全て、ご自由にお使いください」
108号室のホテルマン
「ジャックの方々。どうかエースの方々の邪魔を為されないように」
103号室のホテルマン
「それでは、客室103号室、春雷のペペル様、ジャン様と」
108号室のホテルマン
「客室108号室、I-Carus様、スペードの56様の」
