Dead or AliCe『16JAcks』

お茶会-第1ラウンド

GM
*お茶会 第1ラウンド
GM
1回戦同様、1d99で手番を決めてまいります。
数字の大きい方から順に行動。
GM
ではダイスをどうぞ。
スペードの56
1d99 (1D99) > 25
ペペル
1d99 (1D99) > 75
ジャン
1d99 (1D99) > 74
イカロス
1D99 (1D99) > 24
GM
ペペル > ジャン > フィクス > イカロス
GM

第1ラウンド:ペペル

ペペル
ジャンとともに、足を運んだのは……ミュージックルームと呼ばれる部屋。
ペペル
「見たことがない楽器が多いねえ」
ペペル
並んでいるひとつひとつを、しげしげと眺めている。
ジャン
「そうですね……」
ジャン
きょろきょろと見回して……
ジャン
視界の中にちらりと見覚えのある石像が入って、ギクッと目を逸らした。
ペペル
「触って遊んでも大丈夫なのかな~」
ペペル
それにまるで気がついていないような口調でのんきなことを言っている。
ペペル
「まあ、そんなことしに来たわけじゃないけどね」
ジャン
「そ、そうですよね」
ペペル
招待状を取り出して、宛名を書く。
ジャン
入場の緊張がまだ尾を引いているのか、応対が言葉少なでぎこちない。
ペペル
108号室の二人だ。
ジャン
目を泳がせながらも、てきぱきとペペルが招待状の宛名を書くのを見ている。
ペペル
書き終えたそれをいい感じの方向に放る。
GM
そして、ペペルの望む通りに効果は現れる。
スペードの56
「……おや……」景色が変わり、目を動かして周囲を確認。いつぞやのように孤立させられたわけでも、閉じ込められたわけでも……なさそう
イカロス
呼び出されたフィクスの隣にイカロスも現れる。同時に呼び出されたことを確認し。
ペペル
「や、どうも。さっきぶりだね」
ジャン
ちょっと頭を下げている。
ペペル
呼び出した当人がゆるやかに手を振っている。剣は収めたまま。
スペードの56
「これはどうも」目を向けたまま軽く会釈します
イカロス
「早速か。集まって話がしたいなら普通に呼び出せばよかろうものを。」
ペペル
「あはは、悪いねえ。ボクせっかちだからさ……
 楽できるものがあると、つい使っちゃうんだ」
ペペル
「イカロスはもっと段階を踏んで話したいタイプだったりする?」
ペペル
まあ、それはどうでもいいけど……
イカロス
「インタビューには慣れている。要件があるならさっさと話すがいい。」
ペペル
さすが~。
ペペル
「一回戦の試合、見たよ」
ペペル
「鮮やかな勝利だったね。
 まさに王者の風格だった……」
ペペル
「こっちの裁判も見てくれたならわかると思うけど、
 ボクはなかなか恥ずかしい様を晒しちゃったな。恥ずかしい……」
ペペル
しゃべりながら、ミュージックルームをうろうろと歩く。
ジャン
そんなことないですよ!とフォロー入れようかどうか迷って結局黙ってる顔をしてます。
ペペル
ふふ……。
ペペル
「キマってたのは、勝った君たちじゃない。
 敗北することになった106号室のほうもそうだ」
ペペル
「あの二人は最後まで矜持を保ってた。
 過酷な運命が待っていると、わかっているはずなのに」
ペペル
「ボクも、敗者を生かすことを選択したけど」
ペペル
「あんなふうに、残された末裔に激励みたいなことをする勇気は
 ボクにはなかったよ」
スペードの56
「……だから今、この場所を選んだと言うことですか」ぽつり。”だから”がかかっているのは、今の言葉にではない
ペペル
「ボクはね……」
ペペル
フィクスのほうを向く。
ペペル
「殺すのも怖い。でも生かすのも怖い」
ペペル
「生きのびた相手が、復讐にやってくるのが恐ろしい」
ペペル
「武器を失った相手が、細い望みを抱えて生きて、
 それに裏切られて絶望するのを想像なんてしたくない」
ペペル
「生かすことを決めたのは、イカロスかもしれないけど」
ペペル
「フィクス、君はそれに真っ向から立ち向かった」
ペペル
「君こそが、ほんとうの勇者かもしれない。
 僕は、それを伝えたかった」
ペペル
*猟奇で、フィクスの塗られた笑顔を抉ります。
GM
横槍はございますか?
イカロス
*横やりします
GM
では、能力値チョイスから。
イカロス
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 愛
イカロス
*ティーセットはなし 小道具全部フィクスに預けます
GM
はい。では判定を。
イカロス
2d6=>7 判定(+愛) (2D6>=7) > 4[1,3] > 4 > 失敗
GM
失敗。改めまして、ペペルの判定です。
[ イカロス ] HP : 19 → 18
ペペル
2d6+4=>7 判定(+猟奇) (2D6+4>=7) > 6[5,1]+4 > 10 > 成功
[ スペードの56 ] 塗られた笑顔 : 0 → -1
スペードの56
「……ふむ」聞き終えて
スペードの56
「あなた様にそう言って頂けるのは、光栄の極みにございます。しかし――」
スペードの56
「あれはただの傲慢。勝者が権利を振りかざしただけです」
スペードの56
「……だって、あれは」少しだけ、言葉が喉元で止まって
スペードの56
目を開き、そこにある少女の現在に向ける
スペードの56
「そんな先のことなど考えず、ただ好意を抱いた相手に死んでほしくなかっただけなのですから」
ジャン
「……」
イカロス
横目でそのやり取りを見ている。
ジャン
目を瞬かせている。
ペペル
*手番をジャンに渡します。シーンはこのまま。
GM
OK

第1ラウンド:ジャン

ジャン
ふたりのやり取りを聞きながら、視線を彷徨わせていた末裔が、フィクスに視線を向けた。
ジャン
「……あの……」
ジャン
「一回戦の、あの時、救世って言ってたけど……」
ジャン
「……フィクスさんも、堕落の国を救うつもりで、このホテルに?」
スペードの56
向き直ります
スペードの56
「ジャンさんは、そうなのでしたよね。ワタシは……」
スペードの56
「ふむ。堕落の国を救う、と言ってしまうとやや語弊がありまして」
ジャン
そうなのか。という顔をする。
ジャン
「俺はてっきり……フィクスさんも俺と同じつもりで……」
ジャン
「だから、それで、二人を生かす選択をしたものだと」
スペードの56
「人にはそれぞれ事情がありますから、細部は違うものです。しかし……」
スペードの56
「……少なくとも、ジャンさんの目標は素晴らしいものだと思いますし、今のワタシの現状と競合している点以外では、応援したいと思っています」
ジャン
「えっ」
ジャン
そう真っ向から言われると戸惑うな……
ジャン
年下だと思うんだけどな……この末裔……
ジャン
「……ありがとうございます。いや、でも」
ジャン
「それなら、フィクスさんは救世主の力を得たら、どうするつもりなんですか?」
スペードの56
普段なら。というよりも、本来なら、少しの本音を混ぜて話を区切るところです
スペードの56
この段階で内心を見られて得をすることはないのですから。けれど、今は
スペードの56
今、この場所では。少し、心を塗る物が剥がされて
スペードの56
「その回答の前に、前提として、を失礼ながら少し挟みますが」
ジャン
頷く。
スペードの56
「……ワタシは、この世界を憎んではいません。誰のことも、何のことも、憎めたことはありません。けれど」
スペードの56
「この世界で何が間違っているかと言えば、”堕落の国”と呼ばれる今のこの世界こそが過ちだと思っています」
スペードの56
「資格の無い救世主が世界を荒らしただとか、そんなことを言う人もいます。しかし、それは違うでしょう」ぽろぽろと、言うべきでない言葉が勝手に零れていく
スペードの56
「元はと言えば、来たくもない人たちを、自分の存命の為に勝手に呼びつけたのがこの世界です」
ジャン
「……そうですね」
スペードの56
「だからワタシは、この”堕落の国”なんてものは救ってやりません」
ジャン
目を瞬かせた。
スペードの56
「ワタシが救いたいのは、その被害に遭ったここに住まう我々。そして勝手に呼びつけられた救世主たち。それだけです」
スペードの56
「……その過程で世界が勝手に救われるかもしれませんが、さあ、そこはどうでも」
ジャン
「…………」
ジャン
「な、なるほど……」
ジャン
相手の話を聞いて、返答に迷うように再び目が泳ぐ。
ジャン
相手の言葉は、この堕落の国という世界に対して挑むような、そういう強さがあった。
ジャン
目的は自分とやはり同じに思えるけれど、そう言ってしまっていいのか悩むほどだ。
ジャン
「……ありがとうございます」
ジャン
沈黙を挟んだ後で、イモムシの末裔は頭を下げた。
ジャン
「話、聞けて良かったです」
ペペル
「……やっぱり、言ってることが勇者なんだよなぁ」 茶々。
ジャン
「負けるつもりはないけど、そっちが救世主の力を得るのは、悪いことじゃないってのが分かったんで……」
ジャン
「……」
ジャン
「でも、もちろん、負けるつもりはありません」
ジャン
「……もし、フィクスさんが勝っても世界が救われるなら、俺が負けてもいいのかもしれないけど……」
ジャン
「俺はひとりで戦ってるわけじゃない。こうして始めた以上は、俺が必ず救世主になる」
ジャン
「…………そして、ここに堕とされる救世主も、」
ジャン
「理不尽に殺される末裔も、亡者になる人々も、みんななくしてみせる」
ジャン
*フィクスの疵『スペードの56』を才覚で抉ります。
GM
横槍はございますか?
イカロス
*横やりします!!!!!!!!
GM
能力値チョイスから。
イカロス
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 猟奇
イカロス
やった!!!!!!!!
イカロス
*ティーセットなし、小道具はフィクスに渡したままで
イカロス
2d6+4=>7 判定(+猟奇) (2D6+4>=7) > 8[5,3]+4 > 12 > 成功
イカロス
1D6 効果量 (1D6) > 4
GM
では、補正-4で判定を。
ジャン
*ティーセット1個をペペルさんからもらい受けて使用し、それ以外をペペルさんに渡しておきます
GM
OKです
[ ペペル ] ティーセット : 3 → 2
ジャン
2d6+4+2-4=>7 判定(+才覚) (2D6+4+2-4>=7) > 4[1,3]+4+2-4 > 6 > 失敗
GM
失敗!
ジャン
*逆転 『犠牲』を抉って成功に
[ ジャン ] 犠牲 : 0 → -1
[ イカロス ] HP : 18 → 17
[ スペードの56 ] スペードの56 : 0 → -1
GM
処理はOKです。それではロールを続けてください。
スペードの56
真っ直ぐ言葉を突き付けられる。目前の――
スペードの56
一回戦の入場の時、あんなにおどおどしていた青年に
スペードの56
別人のよう、かと言えばそれは違う。あの頃の当人であるまま、きっと変わっていない本心の、そのような言葉を突き付けられて
スペードの56
「ジャンさんは」
スペードの56
「ワタシに同期の兄弟がいた頃を、思い出させますね」
ジャン
「兄弟……」
スペードの56
「と言っても、あの子はジャンさんよりもずっと力ない末裔だったと思います。感情を抑えることも、ワタシの次に出来なくて……」
スペードの56
「……失敗と死に怯えるあの子に、言ったことがいつも思い出されるんです。今は、いつもよりも色濃く」
スペードの56
「……最も優秀なスペードであるワタシが、全てを終わらせると」通じる筈も無い固有のワードも交えながらも、言葉の音だけは淡々と
ジャン
「…………」
ジャン
「その兄弟って人は……今は?」
スペードの56
「兄と、ワタシの同期の55人。そこまでの兄弟とは、もう話すこともできません」
スペードの56
「ですから……」
スペードの56
「……正直に言って、ジャンさんと戦いたくはありません。しかし、ワタシも一番にならなければならないのです」
ジャン
「……」
ジャン
「俺も……」
ジャン
「戦いたい相手なんていないです」
スペードの56
「本当は。叶うなら」
スペードの56
「そうですよね」
ジャン
「……はい」
ジャン
「でも、俺が、……この堕落の国を……そこにいる人たちを救います」
ジャン
「それはたぶん、大変なことだし、俺になんて救われたくない人もいるだろうけど」
ジャン
「でも勝てば、その傲慢を通すことができる」
ジャン
「俺たちが勝ちます」
スペードの56
「――素晴らしい」
GM
その一言で、会話は終わる。称えるように、絶たれるように。
GM
氷の心。
石より冷たく閉ざしても、外からの熱に抗えない。
GM
道化の思い。
のらりくらりと戯けて見せても、隠したものを殺せない。
GM
閉ざした向こうに何がある? 隠したものは一体なあに?
GM
閉ざさねばならないもの。隠さねばならないもの。
GM
――疵の在り処。
GM

第1ラウンド:フィクス

スペードの56
あれから暫くして、一人、いずこかの廊下に訪れます
スペードの56
手には招待状。宛名は、ジャン
スペードの56
そのまま呼び出します。周囲に……近くで待機してるであろうダンナ様以外、誰もいないのを確認してから
GM
望む通りに効果が発揮される。
ジャン
視界が一瞬で変わり、目の前に先程話をしていた道化のメイクが現れる。
ジャン
「……あっ」
ジャン
ワンテンポ遅れて、足元を確かめた。ただの廊下であるのを確認して、安堵の息をつく。
スペードの56
凶器や仕込みの気配は、少なくとも見た目にはありません。素手で目の前に
スペードの56
「どうも、今度はこちらからお呼びさせていただきました」
ジャン
「ッス……」また会釈した。
スペードの56
会釈。「わざわざこうしてお越しいただいた理由はですね」
スペードの56
「いずれは小細工を絡めた攻め合いになるでしょうが、ああして会話した以上、ワタシもいきなり卑怯な手を使うのは憚られましてね」
ジャン
「…………」
ジャン
「本当にそうなら助かります……けど」
スペードの56
「ですから」開いた手を突き出します
スペードの56
「本戦の前に軽く決闘したいのですが」そして拳を握り込みます
ジャン
「えっ」
ジャン
決闘?
ジャン
決闘?!
スペードの56
「決闘です」復唱
ジャン
せっ……正々堂々!?
スペードの56
正々堂々
スペードの56
「解説しましょう」
ジャン
「はっ、はい」
スペードの56
「ワタシと行った会話の内容、そしてあなた方の初戦の内容から、ジャンさん。あなたの心にある疵が、”自分が世界を救う”ということと関連付けられている、と推測しました」
スペードの56
「ならば」
ジャン
うっ……正しい分析……!
スペードの56
「下手に小細工をするより、正面から救世主として求められるもの――まず単純なものとして”力”を比べあった方が有効と判断しました」
ジャン
「……っ」
ジャン
息を呑んで、向き直る。
ジャン
「俺の疵がどんなものかはともかく……力を比べ合うと言われたら、断るわけには……」
ジャン
「断るわけには…………」
ジャン
断るわけにはいかないな………………
スペードの56
「いか…………な……?」ちょい、ちょいちょいっ
ジャン
そう……
ジャン
一回戦の内容、そしてここまでの振る舞いを見れば分かる通り、ジャンはフィクスよりもさらにサポートに寄った戦い方をしている。
ジャン
ペペルを伴っての戦いならばともかく、一人での戦闘には……自信なし……!
ジャン
だが、断るわけにはいかないのである。
ジャン
何故なら、このホテルの戦いを勝ち抜いたら、ペペルは元の世界に帰るのだから。
ジャン
「いかないです…………」
ジャン
小声。
スペードの56
「いただきました」
ジャン
ううっ。
スペードの56
話した内容は全て真実。そこに思惑が加わるとすれば、それはジャンの覚悟の推移を鑑みての行動だということ
スペードの56
臆病で真っ当な精神構造であることは事実。しかし、登場時から考えると驚くべき速度と意志でここまでの戦いについてきている
スペードの56
ならばどうするか。まだ落とせる段階で落としておく。それで折れることもあるまいが、決戦に至るまで覚悟が戻り切らなければそれでよし
スペードの56
つまり、決闘で正面から強さを決めてビビらせるッ!!!
スペードの56
*ジャンの『救世主妄想』を愛で抉ります
GM
横槍はございますか?
ペペル
*横槍します
GM
では能力値チョイス。
ペペル
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 猟奇
ペペル
2d6+4=>7 判定(+猟奇) (2D6+4>=7) > 4[1,3]+4 > 8 > 成功
ペペル
余裕ですね……
[ ペペル ] HP : 19 → 18
ペペル
1d6 減少量 (1D6) > 4
ペペル
*ジャンさんの荷物からエリートヤリイカを使用
ジャン
お使いください……
[ ジャン ] ヤリイカエリート : 2 → 1
ペペル
-7の修正を受けよ
スペードの56
*免罪符をイカロスに預け、ティーセットと子山羊皮の手袋を使用します
イカロス
こっちの預けてたぶんもね
GM
使用小道具以外すべてということですね。
スペードの56
はい!
GM
OKです。では判定を。
スペードの56
2d+4-7+4>=7 (2D6+4-7+4>=7) > 10[6,4]+4-7+4 > 11 > 成功
スペードの56
っし
[ スペードの56 ] 子山羊皮の手袋 : 1 → 0
[ スペードの56 ] ティーセット : 1 → 0
[ ジャン ] 救世主妄想 : 0 → -1
GM
成功。続けてロールを再開してください。
スペードの56
では……
スペードの56
「では、行きますよ」一言。それからゆっくりと姿勢を落とし……
ジャン
身構える。
スペードの56
ダンッ!と踏み込み。床を蹴り、更に斜めに壁を蹴り、左側面から飛び掛かります
ジャン
「うっ!?」
ジャン
──ペペルやイカロスのような猟奇性、シンプルな攻撃力には自信がなくとも、ジャンは敵の攻撃を防ぐことにかけては自信があった。
ジャン
相手の行動を妨害し、翻弄することこそが才覚の仕事──
ジャン
ひとりでも愚直にそれをこなそうと、読みづらいフィクスの攻撃に対応しようと身を翻す。
ジャン
パイプの煙が周囲に満ち、視界を塞ぐ。
スペードの56
覚えた技術により、目を欺く奇抜な動きこそ出来る。イカロスについていたことにより、高速の戦闘に対応する事も出来る。だが――
スペードの56
「むっ」空中で体を捻り、煙を避けるように回転して軌道をずらし、後方へ
スペードの56
純粋な反応速度で、ジャンのような妨害に特化したものへは敵わない。攻撃を届かせるだけの”刃”が足りない
ジャン
自信がないからと言って、簡単にやられるわけにはいかなかった。
ジャン
こうしてこのまま防ぎ続けて、攻めるタイミングを待つしかない。
ジャン
しかし、攻める刃に欠けるのはこちらも同じ。
ジャン
退く相手を追って、攻撃を仕掛ける一歩の踏み込みができない。
スペードの56
方向性は違えど、お互いに攻撃性は持ち合わせていない。だが、それでいい。これは相手を打ち倒す為の戦いではない
スペードの56
ゆえに頼るのはやはり――
スペードの56
「ヤッホォ!」空中で腹をよじり、裏声で”腹話術”
スペードの56
奇策です
ジャン
「!?」
ジャン
その”奇策”──というか、奇策に用いられているジョッキーくんのことは、ジャンも中継で見て知っている。
ジャン
裁判でまでやってるのも見た。認識している。
ジャン
だが……いざ攻撃という時に見て動揺しないかというと、それは全く別の話であった(ナレーション)
ジャン
目を奪われ、ジャンの動きが止まる。
スペードの56
「!」今です!
スペードの56
そのまま重力に従って落ちてゆく体。ジャンの目前に来たところで……握り込んだ右拳を――
スペードの56
指鉄砲に変え、目前に突き付ける
ジャン
「うっ……!」
ジャン
防げない。よろめくように後ろに下がり、バランスを崩す。
ジャン
心の疵の力によって漂う煙も、視界を覆いつくすには至らない。
ジャン
あるいは……
ジャン
ペペルが来れば、と思う心がジャンの心にはまだ残っており、
ジャン
それが、奇策を弄し己の力でことを為さんとするフィクスとの明暗を分けたのかもしれなかった。
スペードの56
すとん、と着地
スペードの56
「……ふう」
ジャン
「っ……」
ジャン
慌てて、立ち上がる。しかし、相手のついた息が、『戦い』の決着をついたことを示していた。
ジャン
いいや、決着をつけたのだとすれば、ジャンのほうだろう。負けた、と心が思ってしまった。
ジャン
「…………」
ジャン
肩で息をしている。
ジャン
「ま、まだ……」
スペードの56
「やれるでしょうが、決戦は後に控えております。この辺りにしておきましょう」
スペードの56
息をし、終わらせる雰囲気を作ったところまでが、策。長く続けば、勝負がどうなるか分からない。というかそれこそ、続いた上での粘りを警戒しての行動なのだ
スペードの56
対応される前に、ただなんとなく雰囲気で勝った感じを演出すればいい。意識はそこにあった
ジャン
そのフィクスが出す空気に、飲まれてしまっている。
ジャン
フィクスの言葉に頷けず、かと言ってまだ続けると言い切ることもできず、拳を握りしめている。
スペードの56
「やはり、恐るべき対応速度。ワタシでも、厳しい戦いになることは確実です」
スペードの56
「しかし、今はまだ……ワタシが勝てます」最後に一言残し、背を向けます
ジャン
その宣言にも、反論できなかった。
ジャン
呼び止めることもなく、俯いている。
ジャン
頭の中にあるのは、やはりペペルのことだった。
ジャン
ただし、助けを求めてのことではない。
ジャン
自分たちが勝つ、と繰り返し、ペペルの前では負けることなど考えてもいない風に振る舞ってきた。
ジャン
だが、それは嘘だ。負けることを、目的を果たせないことを、ずっと考えている。
ジャン
それは、ただ死ぬことよりも恐ろしいことだった。
ジャン
……こんな戦いを始めたのに。こんな場所に足を踏み入れたのに。
ジャン
何も為せずに、自分は救世主にもなれず、ペペルを犠牲にするのか?
ジャン
不安が滲み出て、止まらなかった。
GM
力が足りない。根拠が足りない。
GM
確たる信念にも、正しい夢にも届かない。
GM
そこに届くための何かは揺らいでいる。
GM
揺らがされている。
GM
まるで儚い煙のように。
GM
第1ラウンド:フィクス シーン裏
ペペル
キンキンキンキンキン(重厚なバトル音)
イカロス
ガキィン!双方の刃が重なり合う音が響く
ペペル
「くっ、流石だね……」
ペペル
ここを通らなければジャンを助けに行けないのに!
イカロス
「真剣な決闘に横槍を入れるとは、無粋だとは思わんか?」
キンキンキン 激しいバトル音
イカロス
「悪いがあちらの勝負がつくまでは、私の相手をしてもらおうか。」
ペペル
「な~にが決闘だよ 勝手だなあ」
ペペル
キィィィ──ン シュババッ
イカロス
「勝手を通すのがお茶会だろうよ。」
ペペル
「なら、ボクも勝手にやらせてもらおうかな!」
ペペル
ズド~~ン バリバリバリ
イカロス
シュバッ!ズバッ!
ペペル
ガガガガガガッ! ドォォォォォォ……ン
イカロス
「ハッ、やはりこの方が私にとってもやりやすい。
刃の重ね合いは、言葉を重ねるよりも雄弁に人となりを語る。」
イカロス
ズバシュッ!ガガガガガ!
ペペル
「ボクはこんな野蛮なやり方、別に好きじゃないけどねっ」
ペペル
ペペルの攻撃は派手だがイカロスの動きを捉えきれないでいた……!
イカロス
飛べるのみが力ではない。室内の戦いにでも対応できる身体能力こそ、王者たりえる実力。
イカロス
ここでするべきことは足止め。故に速度で翻弄し、先へと進ませない。
ペペル
ほんとうの裁判では後手になるだけだろうが、
この場においては有効な動きと言わざるを得ない。
ペペル
「やれやれ、今回はボクたちの負けみたいだな……」
イカロス
「……決着がついたようだな。」聞こえてくる声に、攻撃の手を止め。
ペペル
「みたいだね」
ペペル
驚いたり落胆したりはしない。
ある程度わかっていたことだ。
イカロス
「なれば留める理由も無い。お前の末裔を連れて帰るがいい。」
ペペル
「けど……」
ペペル
「これで終わるやつじゃないからね、ジャンは」
ペペル
イカロスのもとを離れる。
イカロス
「ならば、期待していこうか。」
イカロス
そうして、こちらも己の末裔の元へ向かう。

第1ラウンド:イカロス

イカロス
では…そうですね。決闘を終えた後一旦二人で自室に戻り……
スペードの56
部屋へ戻れば深く息を吐きます。ふ~
イカロス
「……フィクス。」声をかける。
スペードの56
「はい」
イカロス
「よもや、決闘を申し込むとはな。」
イカロス
「あのイモムシ相手に、いつになく話が弾んでいるようじゃないか。
話し相手がいることに浮ついているか?」
イカロス
「それとも、けじめか。」
スペードの56
「決闘に関しては、あれが効率的と思ったまでです」
スペードの56
……とは言ったものの。あれは確かに精神を揺さぶるのに効率的な行動ではあった。しかし、だからと言って”ワタシにとって最適な行動だったか”と問われると、正直な所肯定は出来ない
スペードの56
いつもの自分であれば、どうしただろう?仮に相手が好きになれないような相手だったら、どうしただろう?
スペードの56
そういった想定すら、今のこの頭では出来なかった。どうもこうもありはしない。あれは、どうしたってそんな相手ではないのだから。今は、どうしたってそんな状況ではないのだから
イカロス
「効率的か。普段のお前であれば納得もできようが……」
イカロス
「ーーフィクス。お前、感傷にでも浸っているのではあるまいな。」
イカロス
ミュージックルームににつぐみの石像があるのは、勿論知っている。
イカロス
最初の時のペペル、そしてジャンとの会話があった時から。
無表情の下に隠されたものが表出ていると感じた。
イカロス
普段から共にいるから分かる。
その微細にも見える変化は、今までだってそう見たことがないのだから。
スペードの56
「そのように見えますか?」
イカロス
「見えるとも。……己が一番よく分かっていよう。」
スペードの56
「そうですね」
スペードの56
「何人もの死を見届け、あるいは見届けることもなく終わった。そんなことは、まずこの世界での日常茶飯事。ワタシにとってもそうです」
スペードの56
「しかし、だからと言ってそれに慣れる程に”完成”されていたら、ワタシはきっと夢など抱かなかったのでしょう」
スペードの56
「それは常に思っていますが、隠すのが今現在下手になっているという自覚はあります」
イカロス
「そうだな、諦めに支配されては夢は見れん。高い夢を抱いていることが、お前の美点だとも思っている。」
イカロス
「しかしな、フィクス。己の夢を叶えるということは、同時に他者の夢が潰えるということだ。」
イカロス
「他ならぬ、己の手でな。」
イカロス
「どんなに感傷を抱こうが、それは変わらない事実として存在する。」
スペードの56
「そうですね」
スペードの56
「勝者というのは、敗者がいないと生まれない概念ですし」
イカロス
「そうだ、そしてお前は今勝者としてここにいる。違うか?」
スペードの56
「違いませんよ」
イカロス
「……勝者は傲慢であるべきだ。」
イカロス
「そうだろう。勝利したことを悔いるのは、敗者にとってのこれ以上ない侮辱。」
イカロス
「1番という立場を手にすることができるのは文字通り、ただ1人のみ。
どんなに願おうが、夢に見ようが、努力を積もうが、勝敗が決定される時には何もかもが無慈悲に廃される。」
イカロス
「勝利し続けるというのは、そういうことだ。」
イカロス
「ーー故に、勝者には、勝者として背負うべき矜持が生まれる。」
イカロス
「……感傷に浸るのは構わん。だが、我々は既に背負うべきものを得ている。」
イカロス
*フィクスの塗られた笑顔を猟奇で舐めます!!!!!
GM
横槍はございますか?
ペペル
*横槍します
GM
では、能力値チョイスから。
ペペル
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 愛
ペペル
2d6+0=>7 判定(+愛) (2D6+0>=7) > 10[6,4]+0 > 10 > 成功
ペペル
1d6 減少 (1D6) > 1
[ ペペル ] HP : 18 → 17
ペペル
*ヤリイカは使いません
GM
それでは、-1修正。
イカロス
*ティーセットはなしで 小道具全部フィクスに預けます
イカロス
2d6+4-1=>7 判定(+猟奇) (2D6+4-1>=7) > 5[3,2]+4-1 > 8 > 成功
GM
成功!
[ スペードの56 ] 塗られた笑顔 : -1 → 0
スペードの56
背負うべきもの。瞼を閉じれば、それらはいつも、すぐに浮かべることができる
スペードの56
もう話せない兄弟。ナンバーが振られる前の弟。
スペードの56
イカロスと出会ってそれから犠牲にした者
スペードの56
そうして今、一番色濃く残るのは、少し前に見送った少女
スペードの56
「ええ、勿論」
スペードの56
くるりと向きを変え、壁を見つめる。或いは、その白い壁に脳が投影する”もの”を
スペードの56
「ワタシは世界を救います。ワタシは蒼空を見ます」
スペードの56
「けれどそれは誰かの為ではない。自分の為です」
スペードの56
「ワタシがすることはいつだって自分の為。自分の為に殺し、自分の為に救い、自分の為に奪い、自分の為に与える」
スペードの56
「これから待ち受けるであろう結果も、背負いたいから背負ったもの。それは、この戦いを勝利で飾っても変わることはありません」
スペードの56
「……あ、世界救うって言っちゃった。世界自体は救わないんでした」早口で付け足します。いつものノリですね
イカロス
「そうでなくてはな。」お道化た調子を見せるフィクスに、笑みを浮かべ。
イカロス
「お前はひとつの試合を勝ち抜いた者。そのことを忘れるな。」
イカロス
「傲慢に、貪欲に、矜持を抱えてゆけ。」
イカロス
「そうしてーーふざけた世界にふざけ返してみせろ。」
スペードの56
「いつだってそのつもりですが、そうですね――」
スペードの56
「お気遣いありがとうございます、ダンナ様」
GM
思いは塗り替わる。旧いものから新しいものへ。
GM
そして時には、剥がれもする。
GM
塗り、剥がれ、そして積もる。記憶として。
GM
しかしてその下、塗られる前の何か――自分自身。
GM
そこに刻めば忘れない。
GM
己の在り方を。
GM
GM
では、お茶会第1ラウンドが終了。