幕間 Room No.5-決戦前夜
*
試合が終わればメイドがやってきて、
片付けや食事の準備などを済ませる。
シャルル
部屋には二人きり。
あの時は、ああいったものの。
シャルル
その動作も繰り返すうちにある程度慣れてきて。
味の違いも分かるようになってきた。
アレクシア
テーブル。ふたつの椅子。モニターが見える角度で、それは向い合せよりは少し近い。
アレクシア
一番初めに、シャルルが淹れた紅茶のことを思い出す。
アレクシア
薄くて、ほとんどお湯のようで、温かいばかりだった。
シャルル
死んだこと、それ自体は。
わりとどうでもよかった。
シャルル
どうでもよかったはずなのに。
Bホール、あの試合。
シャルル
どうにも、胸が苦しくて。
泣いてしまった。
アレクシア
「……それは、別に……気に、してないよ」
シャルル
「…………それは、そうだけど。アレクシアが泣くのは……仕方がなかっただろ。だって……」
アレクシア
この部屋で、アレクシアはただ、見ていることしかできない。
『アレクシア』の始めたものを、ただ、見ていることしか。
アレクシア
1d6
DiceBot : (1D6) > 6
アレクシア
「だって、ここで……この部屋で、頑張るって」
アレクシア
「……それしかできない、って、ことじゃ、ない?」
シャルル
「見ることができるなら、見ないことだって……できるだろ。」
シャルル
「結末だけ見届けるなら、それこそ裁判だけみたっていいし……」
シャルル
「…………裁判だけだって、見るの、たいへんだろ。」
シャルル
「…………別に、見るなっていうわけじゃ、なくて……。」
アレクシア
2d6>=7
DiceBot : (2D6>=7) > 7[5,2] > 7 > 成功
シャルル
2d6
DiceBot : (2D6) > 7[4,3] > 7
[ アレクシア ] 情緒 : 0 → 1
シャルル
「アレクシアが……そんなに、頑張る必要って……あるのかなって。」
シャルル
雪の中に立っていた『アレクシア』を思う。
シャルル
「記憶もなくて、力も強くないし。傷だらけで。」
アレクシア
「……そうする以外に、できることなんて、ないって……そう、思うの……」
アレクシア
*先ほどの誘い受けに距離を測るの+1を乗せ忘れたので、持ち越します。
アレクシア
「……この部屋以外、どこにも、逃げられないのに」
シャルル
「そうやって、傷を増やさなくったって。」
シャルル
「誰も…………アンタを責めたりしないよ。」
アレクシア
2d6+1>=7
DiceBot : (2D6+1>=7) > 6[1,5]+1 > 7 > 成功
シャルル
2d6>=7
DiceBot : (2D6>=7) > 5[2,3] > 5 > 失敗
[ シャルル ] 情緒 : 0 → 1
アレクシア
「……そうしなきゃいけないと、思うから……思ってしまうから」
アレクシア
「その気持ちは、……きっと、追いついてくるの」
シャルル
泣いてしまったとしても。
辛かったとしても。
アレクシア
「……どうしても、『アレクシア』のことを……考えずに、いられなくて」
アレクシア
「覚えていなかったら、それでいいって……そんなふうには、思え、なくて……」
アレクシア
*sA 距離を測る 主動作はなし、パス
シャルル
「あの時『シャルル』が。『日常だ』って……」
シャルル
「なんか、全然怖いとかっていうのがわからなくてさ。」
シャルル
「それは、今のアレクシアと、全然違うし。」
シャルル
「たぶん、本当に俺は『シャルル』なんだろうってさ。」
アレクシア
2d6+1>=7
DiceBot : (2D6+1>=7) > 10[4,6]+1 > 11 > 成功
シャルル
2d6>=11
DiceBot : (2D6>=11) > 12[6,6] > 12 > 成功
シャルル
1d6
DiceBot : (1D6) > 5
シャルル
5 極めて冷静、相手のことが手に取るようにわかる。自身の情緒-1。
[ シャルル ] 情緒 : 1 → 0
[ アレクシア ] 情緒 : 1 → 2
アレクシア
『無垢な信頼だ』『だが』『わたしも信じているのでね』
アレクシア
「……『アレクシア』は、……何を信じていたのかなって」
アレクシア
「何を信じていたら、……あんなふうに、」
シャルル
「それこそ『シャルル』とか、親しい人間でないとわからないんじゃないかな。」
シャルル
「本人しか、知らないかもしれないけど。」
アレクシア
「……『アレクシア』といたこと、……『アレクシア』と儀式を始めたこと、」
シャルル
「『心なんてないと思っていた』なんて。」
アレクシア
『ただ』。『ただ』、なんだったのだろう。
アレクシア
心なんてないと思っていて。
そこに見出したものは、悔恨や憎悪でなかったとは限らない。
シャルル
「じゃあ、なんで。運のつきなんて言葉が、出るのかなって。」
シャルル
「死ぬことよりも、怖い事でも、あったのかな。」
アレクシア
「………………今、わたしを置いていってしまったら」
シャルル
2d6
DiceBot : (2D6) > 8[6,2] > 8
アレクシア
2d6+1>=8
DiceBot : (2D6+1>=8) > 5[4,1]+1 > 6 > 失敗
[ アレクシア ] 情緒 : 2 → 3
シャルル
ここから、出ていくこと……じゃないだろうな。
シャルル
「俺が……置いていくかもって?アンタを。」
アレクシア
「…………多分、あと、もう何日かしかないのに」
シャルル
最初に会った時の事を。
ほんの数日前の事を。
忘れたわけでは、ないだろうに。
シャルル
「つーか、俺がアンタより先に死ぬと思う?」
シャルル
2d6>=7
DiceBot : (2D6>=7) > 8[5,3] > 8 > 成功
[ アレクシア ] 情緒 : 3 → 4
アレクシア
「……わたしたちは、この館ではもう、たぶん、必要なくて」
アレクシア
「……たとえ儀式の終わりまででも、……本当に生きていられるのかも、そんなの、わたしたちには決められなくて」
アレクシア
死んでしまったら。と。言葉にすらできなかった。
シャルル
「…………まもりたいって、言ったよな。」
シャルル
「俺がいなくなること。死ぬことで、アンタが……死よりも、怖い思いをするなら。」
シャルル
「俺は、自分が死なないために頑張るし。」
シャルル
「…………それが、どうしようもなかったら。」
シャルル
「俺は……まだ、よく。わからないけど。」
シャルル
「アイツと話した時。ちょっと安心するって、思ってた。たぶん……なんか。」
シャルル
「似たようなところが、あったんじゃないかなって。」
シャルル
「わかんないんだ。何か……そうじゃないって思うのに。」
アレクシア
二人で死んでいった。二人で。
地獄の底までへでも。
アレクシア
2d6+1>=7
DiceBot : (2D6+1>=7) > 10[6,4]+1 > 11 > 成功
シャルル
2d6
DiceBot : (2D6) > 4[3,1] > 4
[ シャルル ] 情緒 : 0 → 1
アレクシア
「じゃあ……桟敷川さん?……それとも、咲さん?」
シャルル
「わかんないけど、たぶん…………なにが、なにがいいのか……ちゃんと、わかんないんだけど。」
アレクシア
「……ちゃんと、わからなくても、いいけど」
アレクシア
「わかるだけ、で、いいから……教えて、くれる……?」
シャルル
「あんまり、考えたくないんだけどな……。」
シャルル
「だって、俺は……ああいうことが、したいんじゃなくて。」
アレクシア
黙って、二人の。桟敷川の最期を、思う。
シャルル
2d6
DiceBot : (2D6) > 8[5,3] > 8
アレクシア
2d6>=8
DiceBot : (2D6>=8) > 8[4,4] > 8 > 成功
アレクシア
1d6 ハプニング
DiceBot : (1D6) > 6
アレクシア
6 はっと我にかえった奴がいる。ランダムな対象1人の情緒-1。
アレクシア
Choice[アレクシア,シャルル]
DiceBot : (CHOICE[アレクシア,シャルル]) > シャルル
[ シャルル ] 情緒 : 1 → 0
[ シャルル ] 情緒 : 0 → 1
シャルル
「でも、それって……俺が、どうこうできるものじゃなくて。」
シャルル
「…………なんて、言えばいいんだろう。」
アレクシア
2d6>=7
DiceBot : (2D6>=7) > 8[6,2] > 8 > 成功
シャルル
2d6>=8
DiceBot : (2D6>=8) > 4[1,3] > 4 > 失敗
[ シャルル ] 情緒 : 1 → 2
アレクシア
「わたしは……嫌いに、なりたくない、……と、思う」
アレクシア
「怖かったのが、……どうしても、忘れ、られなくて」
アレクシア
「……そばに、いてくれてるのに、……それは、わかってる、のに」
アレクシア
この場所で、シャルルは、記憶がないことも、死ぬことも、怖くはないのに。
アレクシア
シャルル自身の、何が怖いというのだろう。
シャルル
「アレクシアを、置いていきたくないから。死にたくないとは、思うけど……。」
シャルル
「死ぬこと、それ自体は。怖くないんだと思う。」
アレクシア
「……死ぬことも、記憶がないのも、……怖く、なくて」
アレクシア
「……『シャルル』が、ってことでも……ない、よね」
シャルル
「『シャルル』は、物腰柔らかで苛烈。たくさん苦労をしたんだろうって。」
シャルル
「それ、聞いたとき。何にも感じなかった。」
アレクシア
2d6+1>=7
DiceBot : (2D6+1>=7) > 6[5,1]+1 > 7 > 成功
シャルル
2d6
DiceBot : (2D6) > 9[3,6] > 9
[ アレクシア ] 情緒 : 4 → 5
アレクシア
「わたしは、……『アレクシア』じゃない、わたしは」
アレクシア
「あなたの話を、聞いても、いい……?」
アレクシア
「……ならないって、……言え、ない、けど」
アレクシア
「……きらいになりたくないって、……思ってる」
シャルル
「俺が……アンタの髪を掴んで、床に引き倒したいと思ってるって言っても?首を絞めて、苦しい顔をさせたいって言っても?」
シャルル
「アンタを、抱きしめて。一緒にいたいって思うのに。」
シャルル
「同じ頭で、そういう事を……考えてるんだ。」
シャルル
「アイツみたいに、殺したいわけじゃないし……」
シャルル
「好きなのに。嫌いに、なってほしくないのに……」
シャルル
「まもりたいって思いながら、壊したいって思ってる。」
アレクシア
「……シャルルは……それを、選べるよ」
アレクシア
「わたしはたぶん、どうやったって、シャルルに勝てなくて」
アレクシア
「……だから、シャルルがそうしたいって、本当に思ったら、……」
アレクシア
「……少なくとも今、……もしかしたら、今だけ、でも」
アレクシア
「……やっぱり、……きらいに、なりたく、ないの……」
シャルル
「…………嫌だよ。俺だって。嫌われたく……ないよ。」
アレクシア
「シャルルだって、……本当はきっと、頑張らなくていいはずなのに」
アレクシア
「わたしのことなんて、気にしなくたって、いいのに……」
アレクシア
「自分がそうしなきゃいけないって、そう、思ってしまうから」
アレクシア
「……だから、頑張るって、言うんでしょう」
アレクシア
「……ほんとうのところは、わからないけど」