幕間 女子会
GM
台所。手入れの行き届いた調理道具。食材はメイドに言えば用意してくれる。
GM
ぴかぴかに磨かれた食器類が棚に並び、水滴ひとつない清潔な空間。
アレクシア
今の自分が、どこにならいてもいいのかわからなかった。
アレクシア
台所。ここなら、客――『救世主』は、こないだろうか。
マキナ
あなたがそう思った矢先、台所へと近づいてくる足音が聞こえる。
マキナ
と言ってから、そういえば記憶がないんだっけ、と思い当たる。
アレクシア
「…………」 呼ばれても、どことなく、困ったふう。
マキナ
具体的にどの程度の記憶が奪われたのかまでは把握していないが、
マキナ
裁判の中継で見ていた時の様子とは随分違って見える。
マキナ
「……ちょっとお台所を借りようかと思ったんですけど」
アレクシア
「わたしこそ、お邪魔でしたら戻ります」
マキナ
「いえいえ~別に邪魔ということはないのですが……」
マキナ
ないのだけど、やや気恥ずかしい、というところはあるかもしれない。
マキナ
チカにお菓子でも作ってあげようかな、と、なんとなく。
マキナ
なんとなく思い立って、探したらレシピまであってしまったものだから。
マキナ
まあチカくんみたいなタイプはこういうの喜ぶよな~っていう打算ですし~?
マキナ
アレクシアにつられて、入り口の方に目をやる。
匕首咲
両手をポケットに突っ込み、すました顔で台所に入る。
「邪魔するよ」
マキナ
先日の裁判で咲が対戦相手から受けた仕打ちとか、
マキナ
あるいは自分が、同じように対戦相手からされたことなんかをちょっと思い出した。
アレクシア
名前は。自分のものだという気もせずに。
匕首咲
「そうそう。歳そんな変わんないでしょ、咲でいいよ」
匕首咲
「で……、2人はここで何してるの?
料理なら、メイドが作ってくれると思うけど」
匕首咲
記憶を失って、見知らぬ男と二人きりなら、それは気まずいだろう。
マキナ
「……そういう咲さんこそ、どうされたんです?」
マキナ
「いえ……何かご用があってここに来られたのでは……?」
匕首咲
「いや……ちょっと……台所を借りてみようかと思っただけで……」
目線が泳ぐ泳ぐ。
匕首咲
「うん、まぁ、そういう訳だ!」
ごまかせたと思っている。
アレクシア
面白いな、と思ったんだろうな、と察してマキナをちらっと見た。
匕首咲
「……アレクシアさ、せっかく居合わせたんだし、ちょっと付き合わない?一緒に料理しようよ」
マキナ
「道具の使い方とかも分からなければお教えしますよ」
アレクシア
「あの、……お二人が、それでいいなら……」
マキナ
もしかしたら、自分も2回戦を終えた時に彼女のようになるかもしれない。
マキナ
ティモフェイからの提案を精査するにあたって、彼女と話しておくのは悪くない気がした。
匕首咲
「もし怖いやつが来ても、あたしがぶっとばしてやるから安心してね」
割と本気目のシャドーボクシング。
匕首咲
──記憶をなくし、知らない男と二人きり。
それはおそらく、とても恐ろしい状況だ。
冗談めかした言い方ではあるが、ぶっとばすという言葉は嘘ではない。
マキナ
1d6
DiceBot : (1D6) > 4
アレクシア
1d6
DiceBot : (1D6) > 2
匕首咲
1D6 おりゃー
DiceBot : (1D6) > 4
マキナ
1d6
DiceBot : (1D6) > 5
匕首咲
1D6 それー
DiceBot : (1D6) > 5
匕首咲
1D100
DiceBot : (1D100) > 73
マキナ
1d100
DiceBot : (1D100) > 9
GM
では 猟奇と愛と脅威度0のかけひき……スタート!
GM
必要な食材はメイドを呼べばすぐに持ってきてくれるでしょう。
匕首咲
* s6距離を測る sQアピール 対象マキナ
マキナ
2d6+2=>7
DiceBot : (2D6+2>=7) > 6[1,5]+2 > 8 > 成功
匕首咲
2d6+2+1
DiceBot : (2D6+2+1) > 11[5,6]+2+1 > 14
[ マキナ ] 情緒 : 0 → 1
GM
醤油とか、油揚げとかそういうのも、頼めば出てくるでしょう。
匕首咲
「マキナってさ、普段からお菓子とか作るの?」
マキナ
「ん~……元の世界にいた頃はそこそこですねえ」
マキナ
「こちらでは……何しろ食材が揃いませんからさっぱり」
マキナ
こういうことをすると喜ぶ男がそこそこいたので、まあしていた。
マキナ
咲ちゃんの邪魔にならないようそこそこ距離を取りつつ、メイドさんに揃えてもらった材料を検めています。
匕首咲
「一応するかな~ってくらいかな。お菓子とかは作ったことないけど」
マキナ
小麦粉、無塩バター、砂糖、卵、エトセトラエトセトラ。
アレクシア
二人の会話をよそに、レシピ本があるので、マキナちゃんと同じ材料が手元に揃いました。
マキナ
「お菓子はね~、お料理とはちょっと違いますもんねえ」
匕首咲
お菓子を作れるような精神的余裕のある生活をしたことがない、のだが、別にそれは言う必要がない。
マキナ
「お料理のほうが適当でもいいから好きですね、マキナは」
匕首咲
「あ~、なんかお菓子は分量間違えたらやばいんだっけ。テレビで言ってるの見た気がする」
マキナ
「そうそう~、量が違うとすぐ失敗しちゃうんですよ」
匕首咲
メイドさんに頼んで、食材を用意する。
根菜や、油揚げ、こんにゃくとか、かまぼこ。
よくこんなのあったな~と思いながら。
アレクシア
黙ってスケールで小麦粉を量り始めた。量の調整は初めてとは思えないほど凄まじく精確である。
匕首咲
記憶を失われる前のアレクシアを思い出す。
そういうこと、やってそう~。
マキナ
よく考えたら本当に全部の記憶が消えたら赤ん坊みたいになってしまうだろうし、ある程度必要なことは覚えてるものなのだろうか。
マキナ
赤ん坊……と思ってちょっと嫌な気持ちになりました。
マキナ
ないですがせっかくなのでちょっと話しておきます
匕首咲
「ええっと……。
マイナーな郷土料理があって……。メイドに頼んでも作ってもらえなかったから、それを……」
匕首咲
「そうそう!たまには和食食べたいなって!」
アレクシア
洋風の世界から来た女はごく真面目な顔でバターを切っている。
マキナ
「いいですね~、マキナも後でメイドさんに聞いてみようかな~」
匕首咲
なんかすごいしっかりした料理の仕方だな~と思っている。
マキナ
「郷土って咲さんのですか? どの辺りなんです?」
マキナ
「ていうか今更ですけど日本ですよね、合ってます?」
マキナ
まあ一口に日本と言っても救世主によってなんだか違ったりもするんだけど……。
匕首咲
「そ、そうそう!日本日本!マキナも?」
話がちょっと逸れたぞ!やったね!
匕首咲
「へ~、じゃ、高校生?こんな所に来て大変だな~」
匕首咲
「あ、そうなんだ!わ~!なんか嬉しいな!」
マキナ
「同じ国から来た同い年……なんだか奇遇ですねえ」
匕首咲
「そ~だな~!ねぇ、じゃあ友達になってよ!」
マキナ
この人……次戦うかもしれないこと分かってるのかなあ。
マキナ
相手からの好感なら稼いでおくに越したことはない。
マキナ
「ふふ、女の子の友達なんてここに来てからは初めてです」
匕首咲
「あたしも初めて!っていうか、同い年の友達って全然いなかったから、今すごい嬉しい!」
マキナ
少なくともマキナよりはよほど女子に好かれそうだ。
匕首咲
そもそも、歳が近い他人と知り合う機会なんてほとんどなかった。学校に行っていないのだから当然だ。
アレクシア
「マキナ、さん」 二人の会話の横から、ためらいがちに声をかける。
アレクシア
「卵の白身と黄身って、どう、分けたら」
アレクシア
躊躇のない手付き。するりと白身だけが器に落ちる。
マキナ
「手慣れてる感じですね。元々お料理されてたんですかねえ」
匕首咲
* c7距離を測る、cKアピール 対象アレクシア
アレクシア
2d6+1>=7 距離を測るぶん乗ってる
DiceBot : (2D6+1>=7) > 9[5,4]+1 > 10 > 成功
匕首咲
2d6+2+1
DiceBot : (2D6+2+1) > 12[6,6]+2+1 > 15
匕首咲
1D6
DiceBot : (1D6) > 6
GM
6 はっと我にかえった奴がいる。ランダムな対象1人の情緒-1。
GM
choice[アレクシア,マキナ,咲]
DiceBot : (CHOICE[アレクシア,マキナ,咲]) > 咲
[ アレクシア ] 情緒 : 0 → 1
匕首咲
アレクシアの器用な調理を見ていたが、ふと、台所に来た時に見た不安そうな顔を思い出す。
匕首咲
「アレクシアさ、あのー……、同室の男、どう?一緒にいて大丈夫……?」
多分、大丈夫じゃないから逃げてきたんだろうとは思うけど。
マキナ
マキナが入ってきた時……それ以降もずっとの、困ったような怯えたような様子を思い出す。
アレクシア
「……だい、……」 かなり迷いのある声。
マキナ
「……知らない男の人と一緒にいるのも同然ですもんねえ」
匕首咲
「やっぱ、あんまり優しい感じじゃない……?」
心配している様子で。
アレクシア
「…………う、ぅん……」 完全に曖昧な声。
匕首咲
末裔を蜂の巣にしようとしたシーンを思い出している。
アレクシア
良いも悪いも。なんというか。……たちが悪いことは確かな気がするが。
マキナ
むしろ記憶をなくして”ああいう性質”がなくなっているという可能性だってあるんだけど、
匕首咲
「……えと……、暴力とか……あったり……?」
アレクシア
「…………………………」 かなり微妙な沈黙。
マキナ
なんとなく咲ちゃんと目を見合わせたりします。
匕首咲
なんとなくマキナちゃんと目を見合わせたりします。
アレクシア
「殴られたりしたわけでは、ないん、ですけど」
マキナ
「やっぱりヤバい人なんですかね……」ひそひそ
匕首咲
「いや~、そりゃそうだろ……。身内には違うかもしれないけどさ~」ひそひそ
匕首咲
殴られる以外、殴られる以外って。
色々ある。
マキナ
真っ先に思いつくタイプの”暴力”があるのですが、さすがに口にするのはためらわれた。
匕首咲
「……うん、まぁ、言いたくないなら言わなくていいよ。別に傷つけたい訳じゃないし……」
匕首咲
「大丈夫なら……、こんなところまで逃げて来ないんじゃないのか?」
アレクシアの手を取る。
アレクシア
「……あのひとがいらいらするの、わかるん、です」
アレクシア
「わたしが……こう、……怖がり、なので」
マキナ
「何もかも分からなくて、その上知らない人と一緒にいないといけないんですから」
マキナ
「自分が不安でイライラするならともかくですよ~」
マキナ
「まあイライラを他人にぶつける男の人は全員カスですよ」
マキナ
自分も結構チカに八つ当たり的な態度をとっていたのを棚に上げています。
マキナ
分かっているのであえて主語を男の人にしたフシがある。
匕首咲
「いいか、アレクシア。暴力を他人に振るうやつは、全部振るったやつが悪い。だから、お前が自分を責める必要なんて一個もないんだぞ」
アレクシア
自分に、そんなことを言ってもらえる資格があるのかどうか。……アレクシアは、二人が今、儀式のさなかにあることを忘れてはいない。
アレクシア
それを起こしたのが自分だということも。
匕首咲
「何かしてあげられる訳じゃないけど……、今ここにいる間は絶対に守るから」
マキナ
「ここなら怖いことありませんから、気楽にやりましょ~」
匕首咲
──暴力を他人に振るうやつは、全部振るったやつが悪い。
そうでなければ、他人に暴力を振るう理由があるだろうか?
まぁ、でも、本当は何も悪くない相手に罪の意識を植え付けるのは、悪くないかもしれない。自分はそこまで手の混んだことはしないけれど。
マキナ
「ささ、手を動かすのを再開しましょうか~」
マキナ
「お喋りするとつい手が止まっちゃいますね」
マキナ
量った食材をボールに入れて、混ぜていったり。
アレクシア
その間に、オーブンに火を入れて予熱を始めたり。
匕首咲
「ここ、かつおぶしまであるんだな……」
久々のだしの香り。
マキナ
「鰹節があるってことはカツオがいるんですね……」
マキナ
バターの甘い香りと、だしの匂いが混ざり合う。カオス。
マキナ
「そうそう……それをなんかするとなんか……固くなって……」
匕首咲
「まぁ、そういう魚の食材があるってことで」
アレクシア
メレンゲを立てている。泡立て器の動きはかなり速い。しゃかしゃか。
アレクシア
「なんか……得意、みたいですね……?」
匕首咲
やっべ、ごはんいるんだった。
米浸水してね~、と思ったら浸水してるストックがあった~。メイドさんありがと~。
アレクシア
「……お二人は」 言いながら、メレンゲがふわふわになりつつある。
アレクシア
「作ったもの、お一人で食べるんですか?」
アレクシア
「お二人にも、……ペアの方、いるんです、よね?」
マキナ
「マキナは……ペアの子と一緒にいただくつもりですね」
アレクシア
「……じゃあ、……作ってさしあげてるんですね」
マキナ
「まあマキナはチカくんとはここで会ったばっかりなので~なんとも~」
マキナ
「あっ、チカくんというのが私のペアの子なんですけども」
匕首咲
鍋の様子を見ながらごはんを炊こう。鍋でごはん炊くの初めてだな~。うまく炊けるかな~。
マキナ
「でもマキナには結構仲がよさそうに見えましたけども~」
マキナ
裁判の様子よりも、今の咲の様子からカマをかける。
マキナ
「少なくともよっぽどの信頼関係がないと、あそこまで自分を任せられないのではないですか?」
マキナ
咲とは対照的に、がぜん楽しそうになってきています。
匕首咲
「どうかな……。あの時は結構ライブ感でやってた気がするし……」
アレクシア
なんだかよくわからないけどマキナさんが楽しそうだな、と思いながら生地を作っています。
匕首咲
自分で言っておきながら、ライブ感ってなんだ?と思っている。
匕首咲
「どう………………って言われても……………」
匕首咲
鍋に入れた具材をかき混ぜる。特に意味もなく。ぐるぐる。
マキナ
「マキナはてっきり恋バナとか聞かせていただけるのかな~って思っちゃいました」
アレクシア
こちらも、すぱすぱ型で抜いていく。これまた躊躇のない手付き。
匕首咲
* d2 距離を測る cQアピール 対象マキナ
マキナ
2d6+2+1=>7 距離を測るが乗っています
DiceBot : (2D6+2+1>=7) > 7[5,2]+2+1 > 10 > 成功
匕首咲
2d6+2+1
DiceBot : (2D6+2+1) > 10[6,4]+2+1 > 13
[ マキナ ] 情緒 : 1 → 2
マキナ
「マキナあんまり女友達っていなかったので~」
マキナ
「そういうお話聞けたら嬉しいな~って思ったんですけど~」
匕首咲
「そういうマキナはどうなんだよ?」
と言いながらも少し考えて。
「いや、でもあの童貞じゃあなぁ……」
マキナ
「頑張ってくれてると思いますよチカくんは」
匕首咲
「そうなのか~?
まぁ、頑張ってはいたけどさぁ」
アレクシア
聞きながら、型で抜いた生地を着々と並べている。穴だらけになった生地をまとめて、伸ばしなおして。
マキナ
「初めての裁判であれだけ頑張ってもらえたんだから上々ですよ~」
匕首咲
「そうか~?ちょっと甘すぎない?」
チカが助けに来なかったせいで、結構ひどいことされてただろ、とは思ったが、口には出さない。
マキナ
「まぁ前のペアがあのヨハン様だったので採点が甘くなってるのかもしれないですね~」
マキナ
「あ、ヨハン様って人がいたんです。死にました」
匕首咲
「ヨハンってやつ、色々噂聞いたことあるけどかなり最悪な奴だった」
マキナ
結構今それを言ってきたことにもびっくりしていますが……。
マキナ
「強かったし、まあ有能な人でもあったんですけど」
匕首咲
娼館育ちなので秘匿すべき情報という意識が薄い。
アレクシア
真顔になった後は、口は挟まずに微妙な顔をしている。
マキナ
*主行動がないのでパスして、ぬるっと会話を続けていきます
マキナ
「チカくんへの評価も甘くもなるというものです」
匕首咲
「それは仕方ないかもな~」
丸め込まれている。
マキナ
ヨハンと比べて低評価をつけまくっていたのをきれいさっぱり忘れたように。
アレクシア
「……評価が甘いせいでも、いいこと、だと思いますよ」
マキナ
生地の型取りが終わったので、シートの上に並べてオーブンへ。
匕首咲
ごはんの鍋を前に、まだかな……、という顔をしている。
マキナ
「まあ少なくとも怖くはないですからね……」
アレクシア
知ってたらアレクシアも引くと思います。
アレクシア
「じゃあ、……怖いのがよくわからないって……どういうことだと思います?」
匕首咲
「怖いのがよくわからない」
おうむ返しに言ってみる。
マキナ
「怖いのがよく分からないっていうのは……マキナには分からないですねえ」
匕首咲
「あとは、怖いって気持ちを忘れてるとかか……?」
アレクシア
「あまり、気にしていないように、見えるん、ですよね」
マキナ
「その人のことはよく分かりませんけど……」
マキナ
「多分アレクシアさんみたいな反応のほうがまともで普通だと思いますよ」
マキナ
「変なので……そういうものと思って接するしかないんじゃないでしょうか」
匕首咲
「あれだったら、護身用にナイフの一本二本は分けられるからな」
マキナ
オーブンで焼き上がりを待っている間に、使ったものを洗っていく。
マキナ
「あー、そういうのあった方が安心ですよね」
マキナ
「実際に使う使わないは置いといても、気持ち的にやっぱり違うので」
匕首咲
「そうそう。まぁここ台所だし、ナイフなんてパクり放題だけど」
アレクシア
「ちょっと、たぶん、……あの、難しい、ですね……?」 たぶん……?
匕首咲
「ほら、メレンゲ泡立てるのも楽勝だったみたいにさー」
アレクシア
「でも、たぶん……あの、向いてない気が、しますね……」
マキナ
まあ無理強いするものでもないので引き下がる。
匕首咲
「そうかな……?」
猟奇2分くらいは向いてそうな気がするけど……。今は違うのかな……?
アレクシア
マキナが洗ったものを拭いては並べていく。
マキナ
礼を言いながら、洗い終えたものをアレクシアへと渡していく。
アレクシア
「咲さんも、なにか、洗い物ありますか」
匕首咲
「こっちはそんなにないんだよな~。ま、でもお願いしちゃおうかな」
そう言いながらまな板なんかを渡します。
マキナ
置いといてもメイドさんが片付けてくれそうな気がするけど、どうせやることもないので。
匕首咲
暇なので、アレクシアが並べたものを食器棚にしまっていく。
マキナ
まな板を受け取り、それもスポンジで洗っていく。
匕首咲
「お菓子作りって、結構洗い物出るんだなぁ」
アレクシア
「咲さんは、お菓子作りより、お食事づくりのほうがお好きですか?」
匕首咲
「お菓子、作ったことないからな~。食べるのは好きだから、やってみたいけど……」
アレクシア
「あの、わたしの作ったぶんとか……同室の方に持っていかれます?」
匕首咲
「………いや、気持ちだけ受け取っておくね。
ありがと」
[ アレクシア ] 情緒 : 1 → 2
[ 匕首咲 ] 情緒 : 0 → 1
匕首咲
アレクシアの手作りお菓子を映鏡に……?
それはちょっと、なんか、嫌だな。
遠慮しておこう。
マキナ
おやおや~、という顔でそのやり取りを見ています。
アレクシア
「……やっぱりご自身の作られたものが、いいです、よね?」 くす、と。初めて、声を立てて笑う。
マキナ
「書いてある通りに作れば思ったより簡単ですよ~?」
匕首咲
「ふ、ふーん……そう……。
じゃあ今度作ってみようかな……」
匕首咲
包丁に手が伸びそうになったのを、そっと下ろす。
「別になんでもないって」
マキナ
本能的にこれ以上踏み込むことに危険を感じた。
マキナ
「……ここでしたらお菓子のレシピもいっぱいありますし!」
マキナ
今度というなら咲が次に勝ち上がれば、というのが前提にはなるが、
匕首咲
「言われてみれば、いい環境そろってるな~」
マキナ
「マキナもこの国では悪くない方の生活をしてきたとは思うのですが」
匕首咲
Choice[マキナ,アレクシア]
DiceBot : (CHOICE[マキナ,アレクシア]) > マキナ
匕首咲
* s2距離を測る、s8アピール、対象マキナ
マキナ
2d6+2=>7
DiceBot : (2D6+2>=7) > 4[1,3]+2 > 6 > 失敗
[ マキナ ] 情緒 : 2 → 3
マキナ
「作ってさしあげたらきっと喜ばれますよ~」
マキナ
「女子の手作りを喜ばない男の人は、いない……とは言いませんけど」
匕首咲
「マキナは、ペア相手と食べるんだっけ。
あいつもやっぱり喜びそう?」
マキナ
「チカくんみたいなタイプはめっちゃ喜ぶと思います」
マキナ
チカみたいなタイプにはこういう贈り物がてきめんに効く。
匕首咲
「なんかそのへんチョロそういっていうか……。それだけで好きになりそうな気がする」
マキナ
とはいえ、この国の食事に半年間慣れてきたマキナの作るものが、はたして
マキナ
この国に呼ばれたばかりのチカの舌に合うものか……。
マキナ
いやいや、別にチカは味とか気にしないんだろうけど……多分……。
アレクシア
「マキナさんは、ペアの方に好きになられたら、困ります?」
マキナ
ていうか味を気にするとか気にしないとかをマキナが気にする必要あります?
マキナ
「吊り橋効果的なやつなのでは~とは思いますね~」
匕首咲
「マキナ。アレクシアは、困るか困らないかを聞いてるんだぞ」
マキナ
なられたらっていうかなられてるんですけど……。
マキナ
「仲良くできるなら、それに越したことはありませんとも」
匕首咲
「困らないってー!!」
わー!と歓声を上げてアレクシアの背中をぽんぽん叩く。
アレクシア
痛い。普通に痛い。具体的には胸と腹の傷が。でもまあ、楽しそうなのでいいか。
匕首咲
「盛り上がるとこだ。
なぜならどうでもいい男に好かれたら、大体困るもんだからな」
匕首咲
いやまぁ、どうでもよくない男に好かれても困りはするが。
マキナ
薄々分かってはいたけど、どう答えても負けしかない質問だったのでは?
アレクシア
棘のない視線でマキナを見て、かすかに笑っています。
マキナ
チカから向けられる好意を、マキナは持て余している。
匕首咲
「うんうん、分かってる、分かってるよ……」
にこ……にこ……
匕首咲
「理想は高いけど、全然違うタイプが気になってるんだよな。うんうん」
マキナ
これ以上ムキになると逆効果な気がするので黙った。
アレクシア
そのやりとりに、ずいぶんと柔らかくなった表情で微笑んで。
アレクシア
2d6+1>=7
DiceBot : (2D6+1>=7) > 8[2,6]+1 > 9 > 成功
[ 匕首咲 ] 情緒 : 1 → 0
[ 匕首咲 ] 情緒 : 0 → 2
匕首咲
そもそも理想のタイプってどんなだっけ?
ええと、自分のことを受け入れてくれる、優しくて、すてきな……。
匕首咲
「べっ、別にそんなんじゃねーし!!
そういうのとは違うし!!」
匕首咲
「さっきから普通だって言ってるだろ!!普通普通!!この話はここで終わり!!ジエンド!!fin!!」
マキナ
「え~、咲さんマキナの話には食い下がってきたのに~」
匕首咲
耳をふさいで、あーあーと言いながら台所の端まで逃げていく。
匕首咲
* (c3) s5 sJ で合ってるかな。
匕首咲
アレクシアさんの情緒をどう爆破したらいいんだろ?
GM
足音はなく、けれど確かに人影が、台所の入り口にかかる。
桟敷川映鏡
そのあとに追随するように1人分の足音。
匕首咲
ごはんが炊けたので、そろそろ仕上げ。
調味料を入れてひと煮立ち。
そんなことをしていると、例のロボが顔を覗かせた。
マキナ
タイミング良く、オーブンも焼き上がりを告げる。
マキナ
他人事ながら、あ~という気持ちになっています。
桟敷川映鏡
呼ばれるとほぼ同時に台所の入り口へ長身が覗く。
シャルル
そうして、自分はアレクシアの方へ歩み寄る。
マキナ
焼き上がったスコーンをオーブンから出して粗熱を取ったりしています。
シャルル
『……きちんとムードはおつくりになられませんと』
メイドの言葉。
匕首咲
アレクシアに何かしたらぶっとばすからな、と思っていたが、思わぬ謝罪に、あれ、という顔になった。
アレクシア
「あの……」 どうしたらいいのかわからない顔。
シャルル
「いや、アンタ達勝ち上がった『救世主』だろ?」
シャルル
「アレクシアが生きてて……安心したから。」
シャルル
「いや、引き留められなくてさ……俺が悪いんだけど。逃げられるようなことするなって話なんだけど。」
シャルル
「彼女と一緒にいてくれてありがとうございました。」
匕首咲
ちょっと困った顔で、アレクシアの方を見る。
アレクシア
「………………」 こちらも困っている。
シャルル
「うーん。なんか、あんまりこう……悪いな。誠意って感じじゃなくて。」
マキナ
ちょっと引いたところからその様子を見ている。
シャルル
「いや、アレクシア……最悪殺されてるんじゃないかって思ってたから。」
マキナ
外面だけいい人とかいるからな~、そういうタイプだったりすんのかな~。
シャルル
「俺は桟敷川さんと一緒だったからよかったけど。」
匕首咲
映鏡の方を見る。こいつ男好きだもんな。
そりゃ殺さないよな。
シャルル
「アレクシアが、俺と一緒にいたくないなら……俺はここで死んでもいいよ。」
匕首咲
アレクシアに、やっちゃえやっちゃえ、とハンドサインで示す。
匕首咲
ほら、そこ、包丁あるよ?やっちゃえやっちゃえ。
匕首咲
やめたほうがいいって、こいつ絶対ヤバいって。のジェスチャー。
マキナ
特にどちらを応援することもなく趨勢を見守っている。
アレクシア
「……わたし、あなたに、死んでほしいとは思ってない」
マキナ
まあ死んでほしいとまではあんまり思わないよな~。
マキナ
死んでほしいと一緒にいるの間の選択肢ないんだな~。
匕首咲
すぐ死んでほしいと思うタイプなので、マジでか~と思っている。
シャルル
『ジョージィ・ポージィ プリンにパイ
女の子には キスしてポイ』
聞いた言葉。意味はあんまり分からない。
アレクシア
「あの……死んでほしいように、見えた……?」
シャルル
『コイン0枚の身に痛みは耐え難いでしょう』
聞いたばかりの言葉。
アレクシア
ここに来たときに切れかけていた痛み止めは、今、もうほとんど効果を失っている。
アレクシア
「全部、自分で選ぶって……言った。あなたのせいにはしない」
シャルル
「俺のせいにしないっていうけどなぁ。俺は……アンタに死んでほしくないから、探しに来たんだけど。」
シャルル
「俺のせいにしてもいいから自分の事、もうちょっと大事にしてくれ。」
アレクシア
「……………………」 深々とした溜息。
マキナ
まるく収まったようでよかったんじゃないでしょうか~。
桟敷川映鏡
「料理に血が飛ぶようなことにならなくて何よりです」
匕首咲
そのへんにあった包丁を、布にくるんでアレクシアに渡す。
マキナ
美人の彼女。咲さんと桟敷川さんの顔を見比べる。
シャルル
「……嫌だったらいいんだけど、抱き上げていい?5号室まで歩くの大変だろ。」
シャルル
「選んでいいよ。俺は……待ってるから。」
シャルル
「俺達、コインってのないし。たぶん殺そうと思えばすぐ殺せるんだよね。」
マキナ
思ってもみなかったことで感謝されたので、あまり腑に落ちてなさげ。
匕首咲
「お、おう……」
さっきフリーズしたまま、まだうまく再起動できていない。
シャルル
「もし、よかったらだけどさ……『次』があったら。」
シャルル
「……5号室に、来てくれると、嬉しい。かな。俺といるより、いいだろうから。」
マキナ
女子を抱え上げた男に話しかけられてる……。
マキナ
この状況に照れが全くないのがすごい。やっぱりロボなのか?
アレクシア
「……二人とも、……」 何か、言いかけて。
匕首咲
「……あたしも楽しかったよ、アレクシア。
そんなロボに負けるなよ!」
匕首咲
2人を見送る。
また、の機会。
その時には、多分。
誰かが死んでいる。
あるいは、誰かを殺している。
そう思ったけれど、それは今必要な言葉ではない。
ただ、アレクシアが怖い思いをしなければいいな、と思った。
マキナ
死ぬのはここにいるどちらかかもしれないし、あるいは両方かもしれない。
桟敷川映鏡
「さ。明日の準備があります。部屋に戻りましょう、咲さん」
マキナ
運良く両方とも勝ち上がったところで、その時は殺し合う身だ。
匕首咲
「おい……なんだあれ、さっきの……あれはさ」
桟敷川映鏡
特に返事を待つことなく、汁物と白米の入っている鍋を片方持つ。
匕首咲
「おい聞いてんのか!」
鍋を持っているので足は狙えない。脇腹をパンチパンチ。
匕首咲
「つかそれ持ってかなくていいって!試しに作っただけで味見してないしさ!」
鍋を取り上げようとする。
桟敷川映鏡
指を鳴らせば鍋は両方自身の手元に来る。
[ 匕首咲 ] 情緒 : 2 → 3
匕首咲
「部屋に持って行っていいって言ってないだろ!!」
慌てて追いかけようとする。
匕首咲
出口にさしかかって、ぴたりと止まって振り返る。
匕首咲
「マキナ、あたしからも今日はありがとう。
友達ができて、料理して、スッゲー楽しかった!」
マキナ
「……いえいえ、こちらこそありがとうございます」
マキナ
「……こんな所で友達ができるなんて思ってませんでした」
マキナ
改めて、もしかしたら明日には殺し合ってるかもしれない人なんだな、と思う。
匕首咲
また、がいつかは分からない。
でも、運が良ければ、あるいは運が悪ければ。
多分、きっと会えるはずだから。
マキナ
そんなことを考えつつ残ったスコーンに目を移し、
マキナ
アレクシアが作っていたものが、この場に残されていることに気づく。
マキナ
さっきはそれどころじゃない雰囲気になって完全に忘れてたな……。
マキナ
メイドさんを呼んで、それを5号室に届けてもらえるように手配する。
マキナ
そうするといよいよ、マキナとマキナの焼いたスコーンだけが残り。
マキナ
でもマキナのこと好きって言うなら~迎えにきて然るべきではないでしょうか~。
マキナ
別に…………と繰り返し思いながら、盛り付けたスコーンを持って台所を後にした。
マキナ
そうとは知らずの、束の間の穏やかな時間だった。
*
オールドメイドゲームと呼ばれる儀式を執り行うと噂されるその地の、
*
だが、いますこしだけ、ここに時間は吊り下げられていた。