Dead or AliCe
『16人の救世主』

幕間 ティモフェイ&マキナ

マキナ
1d12 シーン表
DiceBot : (1D12) > 11
マキナ
1d12 再度
DiceBot : (1D12) > 5
マキナ
5 : 応接間。絵画や彫像に飾られた美麗な部屋。窓に柱をわけて中庭が覗く。
noname
マキナ
美麗な調度品の数々に飾られた応接間。
マキナ
ソファの一つに腰掛けて、ぼんやりと中庭に視線を向けている。
マキナ
堕落の国の空は昼間も薄暗い。
マキナ
特段見ていて気が晴れるというものでもない。
マキナ
だけど、少しだけ休まるような気はした。ほんの少しだけ。
ティモフェイ
再びの戦いを目前とした僅かな休息の時間。
マキナ
裁判が終わった直後は何をするにもチカについてきてもらったが、
マキナ
それも今は少し落ち着いている。
マキナ
次の裁判までにはどうにかしなければ、という切実な理由もあってのことだが。
ティモフェイ
ひとときの安寧にひとり身を任すマキナの耳に、
ティモフェイ
隠すでもない確かな足音が届いた。
ティモフェイ
他者の気配。
マキナ
足音の方を振り向く。
ティモフェイ
この館を一人出歩く、自分以外の存在の、近づいてくる音。
ティモフェイ
薄汚れたマントが緩やかな風に揺れる。
ティモフェイ
見上げていた空と大差ない陰鬱な、
ティモフェイ
薄暗い顔をした男がひとり、そこに立っている。
マキナ
空を見ていたときと同じに、ぼんやりと視線をやる。
ティモフェイ
褪せた色の瞳は、
ティモフェイ
それでも見上げる空よりは鮮やかな青色をしていた。
ティモフェイ
「……ああ」
ティモフェイ
「8号室の」
ティモフェイ
男はすぐにマキナを認めて、
マキナ
「……6号室の、」
ティモフェイ
だから、それは彼女の戦いを見ていたということだ。
ティモフェイ
彼女が。
ティモフェイ
戦いの相手にどんな仕打ちを受けたかも、当然のように。
マキナ
「…………」
マキナ
見られていたのだろうな、と思う。
マキナ
自分たちが、他の部屋の裁判を見ていたのと同じに。
ティモフェイ
男は足を止めて、今もマキナを見ている。
ティモフェイ
その視線の意図をどうにも測りかねる。
ティモフェイ
瞳の色は褪せている。意思らしい意思の気配もない。
マキナ
「……あの」
マキナ
「何か……?」
ティモフェイ
ただ茫洋と、目の前の少女を、見つめている。
ティモフェイ
「…………」
マキナ
平静を装っても、どうしても
マキナ
隠せない、警戒や怯えが声色に滲む。
ティモフェイ
一方の男は装うまでもなく。
ティモフェイ
淡々とその場に、
ティモフェイ
しかし、やがて一歩、マキナへと踏み出した。
ティモフェイ
「ひとつ」
ティモフェイ
「提案がある」
マキナ
びく、とかすかに身を固くして、
マキナ
「……提案?」
マキナ
「なんでしょう……?」
ティモフェイ
「二回戦」
ティモフェイ
「次の戦いで、俺と君たちがかち合ったならば」
ティモフェイ
「……あまり、足掻きすぎないほうがいい」
noname
こんなでやりますか?
マキナ
は~い
noname
では行動順決めから。
noname
脅威度は2でいきましょう。
ティモフェイ
1d6 行動順
DiceBot : (1D6) > 1
マキナ
1d6
DiceBot : (1D6) > 4
ティモフェイ
今日はあんまりやる気ないな……
noname
では山札から。
マキナ
やる気なしお~
マキナ
*h8 h9 dK
マキナ
誘い受け女!
noname
ティモフェイ
*d3 h5 s9

ティモフェイ
誘い受けないな~
noname
*1ターン目
マキナ
「……それは」
マキナ
「命は保証していただける、と」
マキナ
「思っていいんですよね」
ティモフェイ
「少なくとも、俺は」
ティモフェイ
「……俺と組んでいるトイトロール」
ティモフェイ
「彼の方がどう出るかまでは、保証できないが……」
ティモフェイ
だが、と一呼吸置いて、
マキナ
6号室と5号室の裁判の顛末。
ティモフェイ
「存外に有情だった」
マキナ
あの裁判は唯一、死者を出さずに終わった。
ティモフェイ
「きみたちも聞き知ってはいるのではないかね」
マキナ
「……記憶が、なくなったと」
マキナ
「聞いてますけど」
ティモフェイ
「そうだな」
ティモフェイ
「嫌か? ……いや」
ティモフェイ
「嫌だろうとは思うが」
ティモフェイ
じ、とマキナを見ます。
ティモフェイ
値踏みを隠さない視線。
ティモフェイ
露骨なそれ。
マキナ
「それは、まあ……」
マキナ
「……でも、死ぬよりは」
マキナ
ずっとマシだ、と
マキナ
以前なら即答していたのかもしれない。
マキナ
「……」
ティモフェイ
マキナを見ている。
マキナ
*パスします
ティモフェイ
「だろうな」
ティモフェイ
あとを引き取って、続ける。
マキナ
居心地悪そうに、視線をそらす。
ティモフェイ
「きみは」
ティモフェイ
「奇跡を求めて、この儀式に参加しているわけではなかろう」
マキナ
「……ええ」
ティモフェイ
「あのヨハンという男の付き添いだか、巻き添えだか」
ティモフェイ
「せいぜいがそんなところ」
ティモフェイ
5号室と6号室の戦いを観戦していた者にしてみれば、
ティモフェイ
今のティモフェイの饒舌さは意外だろう。
ティモフェイ
この男、状況さえ整えば存外喋る。
マキナ
目の前の、彼。
マキナ
他の部屋の裁判を通し見て、その中で、
マキナ
この男のことが、マキナには一番分からなかった。
マキナ
「……そうですね、マキナも」
マキナ
「……チカくんも」
マキナ
「別に、いたくてここにいるわけじゃありません」
ティモフェイ
頷く。
マキナ
「あなたたちと違って……」
ティモフェイ
「まあ」
ティモフェイ
「俺も好んでこの場に立っているわけでは、ないが」
ティモフェイ
少なくとも、と前置いて、目を細めた。
マキナ
「……」
ティモフェイ
「きみたちよりは、戦いに挑むだけの覚悟がある」
ティモフェイ
*補助動作 d3 距離を測る
ティモフェイ
*主動作 h5 アピール
マキナ
覚悟をアピールしてくる男
マキナ
*誘い受け h8
ティモフェイ
なんなんでしょうね?
マキナ
2d6+2=>7
DiceBot : (2D6+2>=7) > 8[5,3]+2 > 10 > 成功
ティモフェイ
2D6+1+2>=10
DiceBot : (2D6+1+2>=10) > 4[2,2]+1+2 > 7 > 失敗
ティモフェイ
ハプニング表!!!
ティモフェイ
1d6 これで負けたら恥ずかしいな。
DiceBot : (1D6) > 5
ティモフェイ
>極めて冷静、相手のことが手に取るようにわかる。自身の情緒-1。
マキナ
分かっちゃうのかよ
ティモフェイ
ハプニング表→誘い受けを受けてのアピール失敗の流れなので、意味がないですね。
ティモフェイ
マキナちゃんを理解しながら情緒をあげます。なんで?
[ ティモフェイ ] 情緒 : 0 → 1
マキナ
「……覚悟、は」
マキナ
「確かに、マキナたちにはないと思います」
ティモフェイ
見ている。
マキナ
「……でも、マキナたちは勝ちました」
ティモフェイ
「そうだな」
マキナ
「次も、その次も……」
マキナ
「そう、すれば……」
ティモフェイ
「あのような戦いを」
マキナ
言いながら声が小さくなっていく。
ティモフェイ
「あと二度も繰り返して?」
マキナ
「…………」
マキナ
ひどい戦いだった、と思う。
ティモフェイ
ひどい戦いだと、見ていてそう思った。
マキナ
4つの裁判の中、最も無様な勝利を収めたのがマキナたちだった。
ティモフェイ
どの戦いよりも陰惨で、気の塞ぐような戦いが繰り広げられるのを、この男も見ていた。
マキナ
泣きわめいて、早々にトドメを刺して相手を楽にすることすらできなくて。
ティモフェイ
死んで、死ねと、自分で手を下すよりも相手がただ死んでいくことを望む少女の姿。
マキナ
「……でも、」
マキナ
「次で、あなたたちに見逃してもらえても……」
マキナ
「あなたたちが負けたら、それで」
マキナ
「やっぱり……ダメじゃないですか」
ティモフェイ
「ああ」
ティモフェイ
あっさりと、
ティモフェイ
それを肯定した。
ティモフェイ
*s9を捨てます
マキナ
*全部捨て
noname
*2ターン目
マキナ
*s2 c7 sQ
ティモフェイ
*h4 h6 c6
ティモフェイ
男の腕は下ろされている。
ティモフェイ
その指先は荒れてささくれて、ひび割れて、
ティモフェイ
けれどあの日のマキナのそれよりはよほどきれいだった。
マキナ
「……ティモフェイ様、でしたっけ」
ティモフェイ
「様」
ティモフェイ
「は、いらん」
マキナ
「え」
マキナ
「はぁ……」
マキナ
「……ティモフェイさん?」
ティモフェイ
「…………」
ティモフェイ
「……まあ」
マキナ
「……?」
マキナ
首をかしげる。
ティモフェイ
曖昧な肯定。
ティモフェイ
どちらかというと、即座に否定してしまったことの方が、
ティモフェイ
どうにも間違ったとでもいうような。
ティモフェイ
まあ、仏頂面のこの男の心中を察しきれるものではない。
マキナ
「……マキナにはあなたのことがよく分からないんです」
ティモフェイ
ゆるやかに首をかしげた。
マキナ
「分からない人に、命を預けるのは」
マキナ
「……怖いですよ」
ティモフェイ
「……正しいな」
マキナ
*sQ アピール
マキナ
2d6+2=>7
DiceBot : (2D6+2>=7) > 11[5,6]+2 > 13 > 成功
[ ティモフェイ ] 情緒 : 1 → 2
ティモフェイ
そも救世をしくじった自分が、
ティモフェイ
どの面を下げて少女に説教しているのだ、という話ではあるのだ。
マキナ
「……事情が変わった、やっぱり殺す、とか」
マキナ
「そういうの、いくらでもありえますし」
マキナ
「……」
マキナ
「もし、同情してくださってるなら」
マキナ
「ぜひ勝ちを譲っていただけると嬉しいんですけども」
ティモフェイ
「難しいな」
ティモフェイ
「同情しているわけでもない」
ティモフェイ
「ただ、まあ、だから」
ティモフェイ
「単純な話――」
ティモフェイ
「そうなった方が俺の気が楽だ、という話に過ぎない」
マキナ
「……そうですか」
ティモフェイ
「ゆえに」
ティモフェイ
「”あがくな”と、言った」
マキナ
「……戦いづらいですか?」
マキナ
「マキナたちと」
ティモフェイ
「いいや」
マキナ
「……そうですか」
ティモフェイ
「無駄な死人を出さずに済むなら」
ティモフェイ
「それに越したことはないと思っている」
ティモフェイ
「それだけだ」
ティモフェイ
なにせ、と肩をすくめる。
ティモフェイ
「気が触れたものが出れば、否応なく死者が出る」
ティモフェイ
「きみたちの戦いのようにな」
マキナ
「……えぇ」
マキナ
「そうしないと、勝てませんでしたから……」
ティモフェイ
「正しい」
ティモフェイ
「あの女を残していては、きみたちの勝ちは危うかった」
ティモフェイ
「ああ」
ティモフェイ
だから、とまた前置いて、
ティモフェイ
「きみたちが俺たちに勝てないと」
ティモフェイ
「そのように思っているわけでは、ない」
マキナ
「……はぁ」
マキナ
正直侮られている方が気が楽なのだが……。
ティモフェイ
そう思わせておいた方が御しやすいのかもしれないが、
ティモフェイ
この男もそのようにはせず。
ティモフェイ
「……きみたちが勝って、勝ち抜いて」
ティモフェイ
「奇跡を手にして、望みを叶える」
マキナ
「……はい」
ティモフェイ
「それがきみたちにとっては至上だろう」
マキナ
「……えぇ」
マキナ
「もちろん」
ティモフェイ
「そうなるのならそれでいい」
マキナ
そうするのが一番で、それができたらいいと思って、
ティモフェイ
「だが」
マキナ
願うのと同じくらい、それが難しいことを理解している。
ティモフェイ
「次に俺たちと当たり、勝ち抜いたとして」
ティモフェイ
「その次に当たるのは、1号室か、はたまた3号室か」
マキナ
「……」
ティモフェイ
「……まあ」
ティモフェイ
「有情な処遇は、期待できないと思うがね」
ティモフェイ
*h4 距離を測る
ティモフェイ
*主動作 アピール h6
マキナ
*s2 誘い受け
マキナ
2d6+2=>7
DiceBot : (2D6+2>=7) > 9[4,5]+2 > 11 > 成功
ティモフェイ
高くないですか?
マキナ
本戦で出してくれこの出目
ティモフェイ
2D6+1+2>=11
DiceBot : (2D6+1+2>=11) > 6[3,3]+1+2 > 9 > 失敗
ティモフェイ
また?
マキナ
ハプニング野郎!
ティモフェイ
女の子相手にハプニング出しまくるな
ティモフェイ
1d6
DiceBot : (1D6) > 3
ティモフェイ
>なんだか気持ちが昂ぶってきた。自身の情緒+1。

やっべ(笑)
マキナ
ウケるね
[ ティモフェイ ] 情緒 : 2 → 4
マキナ
「……そう、ですね」
マキナ
1号室と3号室。
マキナ
当然その二部屋の裁判だってマキナは見ていて。
マキナ
彼らに負けた時に、果たして命があるとはどうにも
マキナ
……思えない。
マキナ
「…………」
ティモフェイ
どちらも対戦相手を無残に殺した、あるいは自害に追い込んだペアだった。
ティモフェイ
少なくとも。
ティモフェイ
残った4つのペアの中で、自分たちを除いた中では、
ティモフェイ
目の前の男のペアが最も”温情”を期待できるペアであることは間違いない。
ティモフェイ
しかし、それはどこまでも、
ティモフェイ
期待できる、という話に過ぎず。
マキナ
生存が確約されるわけではない。
マキナ
確実な生は、自分たちで勝ち取った先にしかあり得ない。
マキナ
しかし、
マキナ
「……そうですね」
マキナ
「実際のところ、ティモフェイ様……」
マキナ
「……さん」
ティモフェイ
「…………」
マキナ
「たちが、優勝するのに賭けるというのは」
マキナ
「マキナたちには悪くないお話だとも思います」
ティモフェイ
なぜだかその言葉に、
ティモフェイ
わずかに眉を寄せていた。
ティモフェイ
「……そうか」
ティモフェイ
自分の提案を悪くないと認められたはずなのに、返答は奇妙に重々しい。
マキナ
「……?」
マキナ
小さく首をひねる。
マキナ
やはりこの人のことはよく分からない。
ティモフェイ
*手札捨てなしです
マキナ
*全部捨て
noname
*3ターン目
マキナ
*c10 hJ dQ
ティモフェイ
*cK hA (c6)
マキナ
一押ししたら負けるのに一押しを引く男だ
ティモフェイ
自爆かな?
マキナ
「……あの、」
マキナ
「何か気に障ることでも……?」
ティモフェイ
「…………」
マキナ
ティモフェイの様子を窺う。
ティモフェイ
「いいや」
ティモフェイ
吐き出すような答え。
ティモフェイ
「きみは」
ティモフェイ
「何も悪いことを、言っていないし」
マキナ
「……」
ティモフェイ
「もし仮に俺が気を悪くしたとて」
ティモフェイ
「きみがそれを窺う必要はどこにもない」
マキナ
「……はぁ」
マキナ
「そうですか」
ティモフェイ
ぼんやりとマキナを見る。
ティモフェイ
似ても似つかないな、と思った。
ティモフェイ
歳ももう少し下だった。
ティモフェイ
ああ、あの女王に殺された子ども、
マキナ
どうにも、この人が望むものが分からない。
ティモフェイ
はらの大きな子ども、あれくらいだった。
マキナ
望みが分かりづらい相手は、マキナにとっては接しづらい。
マキナ
「……ティモフェイさんから提案されたことに対して、」
マキナ
「乗り気にしてみたら、こう……」
ティモフェイ
マキナの心中など知らず、褪せた色の瞳を眇めている。
ティモフェイ
「なんだ」
マキナ
「なんだか……微妙そうだったので……」
ティモフェイ
「…………」
ティモフェイ
「……そう」
マキナ
「気になっちゃってもしかたなくはありませんか?」
ティモフェイ
「だった、か」
ティモフェイ
「…………」
ティモフェイ
黙った。
ティモフェイ
黙りました。
ティモフェイ
「……いや」
ティモフェイ
「すまない」
マキナ
*アピール hJ
ティモフェイ
はあ、と自分の乱れた前髪を軽く掻き。
ティモフェイ
*割り込み 誘い受け cK
ティモフェイ
2D6+2>=11
DiceBot : (2D6+2>=11) > 8[3,5]+2 > 10 > 失敗
マキナ
「謝られることではないのですが」
ティモフェイ
エッなんか間違った。
ティモフェイ
11じゃなくて7なんで成功してますぅ……
マキナ
目標値がでっかい
ティモフェイ
10以上でおねがいします……
マキナ
10ね はい
マキナ
2d6+2=>10
DiceBot : (2D6+2>=10) > 6[4,2]+2 > 8 > 失敗
ティモフェイ
一矢報いてしまった。
[ マキナ ] 情緒 : 0 → 1
ティモフェイ
「……まあ」
ティモフェイ
「それもそうか」
ティモフェイ
そも自分が窺う必要がないと言ったばかりなのだった。
マキナ
「どうされたいのかよく分からないだけで……」
ティモフェイ
「…………」
ティモフェイ
「……いや」
ティモフェイ
すまない、と、また言いかけて、
ティモフェイ
唇だけが泳いで僅かな呼気を漏らした。
ティモフェイ
「……きみたちが」
マキナ
「……」
ティモフェイ
「あのような陰惨な戦いを強いられることが」
ティモフェイ
「これ以上なければよい、とは、思っている」
ティモフェイ
ぽつぽつと、語る。
マキナ
「……それは、どうも?」
ティモフェイ
「殺すことも、望んではいない」
ティモフェイ
「発狂」
マキナ
陰惨な戦いって……改めて人の口からそう言われると、
ティモフェイ
「亡者化」
マキナ
……まあ、そうか。
ティモフェイ
「まあ、そのどれもだ」
マキナ
そうなんだろうな。
マキナ
「……はい」
ティモフェイ
「だが」
ティモフェイ
「必要とあらば、俺たちはそれを選ぶ」
ティモフェイ
「勝ち進まなければならない」
マキナ
「……」
ティモフェイ
「奇跡を手にする責務が、俺にはある」
ティモフェイ
「…………」
マキナ
「……あんまり」
マキナ
「そうしたそうには見えないんですけど」
マキナ
「いえ、マキナにはよく分かりませんが」
ティモフェイ
マキナを見ます。
マキナ
「なんとなくです」
ティモフェイ
「……俺の意思だよ」
ティモフェイ
「俺の意思で、そうすることを願っている」
ティモフェイ
「そうしたい」
ティモフェイ
「したくないの話ではなく」
ティモフェイ
「…………」
ティモフェイ
小さく息を漏らす。
マキナ
「……そうですか」
マキナ
「まあ、マキナたちも別にそうしたいわけではないですからね」
ティモフェイ
「だろうな……」
マキナ
「死なないために、そうしないといけないだけで……」
ティモフェイ
「悪趣味な儀だ」
マキナ
「その悪趣味な儀式にわざわざ参加されにきたんですよね?」
ティモフェイ
少し黙った。
ティモフェイ
「……ああ」
ティモフェイ
「結局」
ティモフェイ
「俺はこういった悪趣味に縋るよりほか、ないらしい」
マキナ
「……救済」
マキナ
「の、ためですか」
ティモフェイ
「この世界で真面目に救済を謳うなど」
ティモフェイ
「馬鹿らしいこととは、理解しているのだがね」
ティモフェイ
集まった救世主の前で、そのように揶揄する。
マキナ
「……そうですね」
マキナ
「ああ、」
マキナ
「自分が本物の救世主で、みんなを助けてみせるって言ってた子」
マキナ
「一人、知ってます」
ティモフェイ
「へえ」
マキナ
「死んじゃいましたけど」
ティモフェイ
「そうか」
ティモフェイ
「そうだろうな」
ティモフェイ
「純真なものほど、早く死ぬ」
マキナ
自分で話題に出しておいて、目を伏せる。
マキナ
「……ええ」
マキナ
救世主妄想にとらわれていた少女。
マキナ
殺したのはマキナたちだ。
ティモフェイ
哀れな<アリス>に思いを馳せるマキナへと、
ティモフェイ
「きみの、隣の少年」
マキナ
「……はい?」
ティモフェイ
「あれはどうかね」
マキナ
物思いを中断して、顔を上げる。
ティモフェイ
「きみの目には、純真に映るか?」
ティモフェイ
*主動作 アピール c6
ティモフェイ
これ失敗したら俺が情緒爆発するんだな、と思っています。
マキナ
*誘い受け c10
マキナ
爆死させるぞ
ティモフェイ
ギャーッ
マキナ
2d6+2=>7
DiceBot : (2D6+2>=7) > 7[4,3]+2 > 9 > 成功
ティモフェイ
2D6+2+1>=9
DiceBot : (2D6+2+1>=9) > 5[4,1]+2+1 > 8 > 失敗
ティモフェイ
しちゃったじゃん!
マキナ
おめでとう!
[ ティモフェイ ] 情緒 : 4 → 5
ティモフェイ
俺の情緒が爆発するらしい。
ティモフェイ
がんばってほしい。
ティモフェイ
丸投げするな。
マキナ
「……チカくん、は」
ティモフェイ
マキナ越しに、
ティモフェイ
彼女の相方を値踏みするように、
マキナ
言葉を探すように考え込む。
ティモフェイ
褪せた色の視線を注いでいる。
マキナ
「……マキナには、そう見えますね」
ティモフェイ
「…………」
マキナ
「……チカくんは、裁判だってこの前のがはじめてで」
マキナ
「…………」
ティモフェイ
「?」
マキナ
「……こんなところに、いていい子じゃ」
マキナ
「ない……」
ティモフェイ
「…………」
ティモフェイ
「好ましいか?」
ティモフェイ
「あの少年が」
マキナ
「…………は?」
ティモフェイ
「…………」
ティモフェイ
「いや」
マキナ
ぱちぱちと目を瞬かせる。
ティモフェイ
「あー」すまない、の代わりに声を漏らし。
ティモフェイ
「……あの」
ティモフェイ
「5号室、が」
マキナ
思ってもみない質問で、答えあぐねている。
ティモフェイ
随分と熱烈だったので、とか、
ティモフェイ
いや、理由になってないな……と思っている。
マキナ
「5号室が」
ティモフェイ
思って、黙りました。
ティモフェイ
「…………」
ティモフェイ
「……気にしなくていい」
ティモフェイ
無理でしょ。
マキナ
に、続く言葉を待っていたが。
マキナ
「ええ…………?」
ティモフェイ
「返答もいらん……」
ティモフェイ
はあ、とため息をついて、
ティモフェイ
手のひらを軽く振り。
マキナ
「なんなんですか……?」
ティモフェイ
「…………」
ティモフェイ
「藪蛇だった」
ティモフェイ
「余計なことを言った」
ティモフェイ
すげえ淡々と言い募ります。
ティモフェイ
こいつ謝罪する気あんのか?
マキナ
「はぁ……」
マキナ
「なんなんですか……」
マキナ
二回言った。
ティモフェイ
そう思うだろうな……と、流石に思っています。
ティモフェイ
「……先程の」
ティモフェイ
「ああ、ええと」
ティモフェイ
「一番最初の提案」
マキナ
「……あ」
マキナ
「はい」
ティモフェイ
「あの少年に共有しても、せずとも構わないし」
マキナ
「……」
ティモフェイ
「忘れてくれても構わない」
ティモフェイ
「ただ」
ティモフェイ
「俺達と相対するときに」
ティモフェイ
「そういう道が、僅かなりとも期待できるかもしれない」
ティモフェイ
「……それだけ」
ティモフェイ
「俺が伝えたかっただけだ」
マキナ
「……そうですか」
ティモフェイ
「…………」
マキナ
「……覚えては、おきます」
ティモフェイ
マキナを見ている。
ティモフェイ
「そうか」
マキナ
「当たることになるとも限りませんし」
ティモフェイ
そうならないことを祈っている、と、
ティモフェイ
そのように言いかけて、
マキナ
「そうなったら、なったときに」
ティモフェイ
けれどそうなると、彼女らが当たるのは1号室か3号室になるのだな、と
マキナ
「改めて考えます」
ティモフェイ
ぼんやりと考えている。
ティモフェイ
「それでいい」
ティモフェイ
マキナに背を向けた。
ティモフェイ
襤褸のマントが揺れる。
ティモフェイ
ティモフェイの刻む足音は変わらず規則的に、
マキナ
声もかけずに、それを見送った。
ティモフェイ
応接室からその姿を消す。
マキナ
やっぱりよく分かんなかったな……。
マキナ
無闇に殺す気がないのは本当のようだし、
マキナ
それはありがたいけど。
マキナ
…………
マキナ
よく分からない人に命を預けるのは、
マキナ
やっぱり怖いな。
マキナ
遠ざかる足音を聞きながら、
マキナ
ぼんやりと、やはりそう思っていた。
noname