幕間 Room No.3
メイド3
オールドメイドゲーム1回戦Aホール勝者の部屋。
メイド3
1回戦の熾烈な戦いを終えて一晩。次なる戦いに向けて、束の間の休息をとっていた。
メイド3
16人いた救世主も、残り8人。いずれと戦うことになるのかはいまだ明かされていない。
メイド3
朝食は、ミラリアの分だけが用意されている。
メイド3
この国のどこにそんなものが存在していたのかもわからぬほど新鮮な野菜と果物で作られたスムージーと、
メイド3
香り付け程度に蜂蜜を垂らしたヨーグルトだ。
ミラリア
背をもたれさせて席について、スムージーを一口ずつ飲んでいる。
ミラリア
ヨーグルトはまだ手を付けていない。デザートは最後に取っておくタイプだ。
アリシア
日頃ミラリアを映す、鏡のアリシアの姿は今はない。
今はベッドの脇に置かれている。
アリシア
多くの鏡がそうであるように、今のアリシアも布で覆われて埃を避けていた。
ミラリア
「…………」また一口、一口。そうしてようやくスムージー飲み終えては、ヨーグルトを掬って口に運ぶ。
ミラリア
只管静かな時間が流れる。ベッドの脇に時折視線をやりながら。
ミラリア
そしてヨーグルトも。黄金の雫のような蜂蜜が乗ったひとくちを、食べ終わって。
ミラリア
ごちそうさまでしたの言葉などは無論無いが、小息一つ。
ミラリア
「今日は観戦がない。ならばと美を磨くにも勝てばいい。一番になるにも勝てばいい……」
アリシア
「ハッ! この卑しき鏡めの出番でしょうか!」
アリシア
ミラリアと同じ姿を取った鏡は、
布がかかっていたときのシルエットと明らかに違う。
そういうものだった。
アリシア
「この鏡でよろしければ……退屈弄びし女王様の話し相手に
な~りま~~しょう~~↑」
その場でくるくると回る。
ミラリア
「うむうむ。なれ。ならば。……本当に久々すぎるからな、退屈など……」
アリシア
一度休息に入った鏡は再び命令があるまでは沈黙を保つが、
出番を察するとこうして呼ばれても居ないのに飛び出してくる。
アリシア
「まあ、鏡のような卑しきものを話し相手にする以外にも
いろいろやることはあると思いますけどね~」
アリシア
「ほら、いつも女王様が使ってるさもしい、
じゃなかった、素晴らしいアイデアですよ~!」
ミラリア
「何だ。聞こえたぞなにか。……余計な一言を隠すようになったのは成長か? いや……」
アリシア
「こう……『不慮の事故』って言うんでしたっけ?
あれです!」
アリシア
「そういうあからさまなんじゃなくても……対戦相手の懐柔とか!」
ミラリア
「うーむ……」館の外では、常套手段に他ならなかったが。
ミラリア
「やってもいいが。どうにもな。……一回戦でこっぴど~い目にあった奴らよ。どれも」
アリシア
「学習……なされたんでございますか!!!!?!??」
ミラリア
「………………………………………………………………………………………」
ミラリア
「……訂正しよう。余計な一言を言う癖は治っていないな」
アリシア
「ハッ! 卑しき鏡は成長や変化とは無縁ですから!!!!」
ミラリア
壁際に密やかに佇んでいる、"首無し"の一人をちらりとだけ見てから、そう応えた。
ミラリア
「……あとだな。ここでは慎重にならざるを得ないと、またわかった。……4号室の奴らが負けてな」
ミラリア
自分たちに次いで、コインを持っていた二人。
アリシア
「四号室……彼らも盤外戦を好む救世主でしたね」
アリシア
1d6 才覚0
DiceBot : (1D6) > 3
ミラリア
1d6 才覚0
DiceBot : (1D6) > 2
アリシア
かけひきは、裁判と違い三枚ドローですね。引きますよ
アリシア
先手ですが、アピール引けてないのでパスするしかないですね
アリシア
「コインがなくとも、戦巧者であることは大きな真実(アドバンテージ)
のはずだったのですがねえ、彼らは……」
ミラリア
「ああ。負ける道理はないと思っていた。ああいう手合がいるから、外ではコソコソとしてやっていたというのに、それが……」
アリシア
「しかも、相手は堕落の国ずれしていない
ルーキー救世主と
この卑しき鏡のような腰巾着の女……」
アリシア
「真実の未来を視ることはできぬ鏡ですが
さすがに、四号室の勝利かと予測しておりましたよ~」
アリシア
ところで脅威度は2扱いでよろしいでしょうか
アリシア
2d+2+1 いいということになりました
DiceBot : (2D6+2+1) > 7[5,2]+2+1 > 10
ミラリア
2d+2 ではアピール!
DiceBot : (2D6+2) > 6[2,4]+2 > 8
[ ミラリア ] 情緒 : 0 → 1
ミラリア
「………あの小娘とお前を同じと見るというのは、いささか……大分語弊があるような気はするが」
アリシア
「他人の力を借りなければ何も出来ないところとか、
かなり共通してございませんか?」
ミラリア
「違うな。違う。少なくとも、お前はあのような疵の抉られ方はするまいし……」
ミラリア
またちらりと、壁際に立ち並ぶ者へ目をやる。……こいつも同じように言うのではないか。一瞬よぎった思考にちょっと苛立ち、カツと足を鳴らした。
ミラリア
無駄なことだ。死者について苛立つ必要など無い……
アリシア
「もし鏡とマキナさまを同じと仮定できるのならば、
今後の裁判、必勝法があるかと思ったのですが……」
ミラリア
「ほう、必勝法だと? 何だそれは。聞かせてみるがいい」
アリシア
実はまだ誘い受けのロールがつづいているんじゃ
アリシア
「では、説明いたしましょう。
あの二人が四号室の救世主に勝ったのは
鏡にも説明できない『場の流れ』があるのですが……」
アリシア
「鏡と女王様がそれを真似ることで
必勝の流れを、作り出せる可能性があるということです」
アリシア
「女王様が、童貞男になればよいということです!!!」
アリシア
「しかたない……
今から女王様を
童貞男にするしかないようですね……」
アリシア
つかつかとミラリアに近寄る。
像が乱れ、なぜか甘い香りが漂い出す。
ミラリア
割ったほうがいいのか。これ。割ろうかな。という思案をしながら、とりあえずそのままにしている。
アリシア
「ふふふ、じっとしていてくださいね……」
顔を近づけ、耳元で囁く。
アリシア
「なんでしょうね、この匂い。鏡もよくわかんないです」
わかんないらしい。
ミラリア
耳に息が掛かっているなあ。ということを考えている。
アリシア
「えーと」ミラリアの顎を指でなぞり始めた。
ミラリア
顎が触られているなあ、ということを考えている……
アリシア
鏡は、なんか灰色の髪にメッシュが入った人物の顔を映し出している。
ミラリア
誰?コイツ あっそっか~いや超見覚えある大丈夫ですちょっと女王が呆然としただけです
アリシア
「童貞男の触り方は、これで良かったと思うんですが……」
ミラリア
「毒とか付いたりしないだろうな……」そういうとこを心配する。
アリシア
「ひょっとして……
童貞男の素質がありませんね!?」
アリシア
「万能の女王様なら……あるいはッ……!」
ミラリア
「そんな美しさと欠片も関連しない素質があって溜まるか……」
アリシア
「全くそのとおりでございますね」
シュッと姿が戻った。
ミラリア
「ハア…………」見慣れた鏡の、自分の顔が反射されて、解放されたような心持ち。
ミラリア
「わたしは退屈をなんとかしろとは言ったが困惑させろとは言っていないぞ」
アリシア
このへんにして次のラウンドということにしますか。
ミラリア
引きますかぁ~~~ なんで2枚も残ってるんだ? じゃあ距離を測る *d5 捨てます
アリシア
女王から身体を離す。
「童貞男作戦は、残念ながら却下ですか……」
ミラリア
「却下に決まっている。手段を選ばないという自覚はあるが……それでもやりたくないしやって上手くいかないだろう」
アリシア
「では、他の勝者について考えてみましょうか。
何か参考にできる点があるかもございません」
アリシア
大事に抱えててもしょうがないですからね……
ミラリア
「そうだな。どちらも相手をよおく痛めつけていた……」
ミラリア
「それが印象に残っている。ああ、どちらかというと、一号室のやり方の方は派手でよかったな……」
ミラリア
壁際の丸い腹を見てまた息一つ。自分もやるつもりだったが。
アリシア
「派手さで言えば、七号室もなかなかアグレッシブだったかと思いますが
何が勝敗を分けてしまったんでしょうねえ」
ミラリア
「館に来てからの、即席のペアだろう。互い互いにやれることを把握し、二人掛かりで傷を抉る。もしくは、抉りに来た相手に対処する…… それが不十分だった」
アリシア
「なるほど~。連携不足という考察でございますか」
アリシア
「確かに、七号室のお二人はあまり信頼関係が築けていなかったように思えます。
一号室の救世主もけして長い付き合いというわけではなかったようですが……」
ミラリア
「それでも差異はあったのだろうよ。何処かで生じた。何処かでな……」
アリシア
「即席で言えば八号室に勝るところはありませんが……
あそこの連携もなかなか見事でした」
アリシア
「案外このトーナメント、
悪辣さよりも素朴な精神のほうが勝利に寄与するのやもしれません」
ミラリア
自分達以外の勝者を思う。敗者を思う。……その仮定は通るかもしれない。だが……
アリシア
2d6+2
DiceBot : (2D6+2) > 4[3,1]+2 > 6
[ アリシア ] JOCO : 0 → 1
ミラリア
2d6+2+1>=7
DiceBot : (2D6+2+1>=7) > 8[3,5]+2+1 > 11 > 成功
[ アリシア ] JOCO : 1 → 2
ミラリア
「それとも。あの白男より、わたしの方がまだ素朴か?」
アリシア
「ええ、虚月さまと女王様の比較であれば、
女王様のほうが素朴かと!」
アリシア
「女王様は、あの方みたいに
めんどくさい質問してきませんから!」
ミラリア
「……フン。これは喜べばいい所か?……どうだろうな」
ミラリア
素朴さの差異、か。もしもその差異が、お前の写したかったものならば……
だが、その素朴さというものが、勝った理由の一つというのなら……
ミラリア
物思いの末、いずれため息一つに吐き出す。美容に悪いわけではないので、こういう時はどんどんやる。はあ~。
アリシア
「褒めたつもりはありませんが、それで女王様が喜ぶなら
何度でも繰り返しましょう!
やーい素朴! 単純! ありのまま! 無課金!」
ミラリア
「余計な一言詰め合わせは今すぐ返却だ。最後のとか真実か?」
アリシア
「素朴というか、王道っぽい救世主……と言えば
六号室のお二人ですかねえ」
アリシア
「最初出てきた時の風体は、怪人とその手下って感じでしたけど……」
ミラリア
「印象が一番大きく変転した所だな……。 まさか仮面の下がああなっていようとは。」
アリシア
「なんだか……我々と似た者同士な予感がします!」
アリシア
2d+2+1
DiceBot : (2D6+2+1) > 12[6,6]+2+1 > 15
アリシア
1d6 ハプニング表
DiceBot : (1D6) > 5
アリシア
> 極めて冷静、相手のことが手に取るようにわかる。自身の情緒-1。
[ アリシア ] JOCO : 2 → 1
アリシア
「つまり……ここまで勝ち上がった人々の傾向を判断するに……
素朴ないしは、同じ顔のペアが勝ちやすいということですかね!?」
ミラリア
「……似た者同士か? フン。わたしはお前に痕を作ったりはしないがな……」ちょっと不服そう。
ミラリア
「いざまとめると頓珍漢な統計だな………」
アリシア
「あの方のように、わざわざマスクで顔を隠したりもしませんしね!」
ミラリア
「ああ。もうコソコソする意味も何処にもない。」
ミラリア
「しかし結局被っていたは何だったのか。世にも醜い顔、ね……」
アリシア
「異文化の価値観はよくわかりませんね~」
ミラリア
「わからんわからん。ま、顔に関連する疵と分かれば収穫だ……」
アリシア
「顔について追及すれば勝手に抉れてくれそうです!
これはなかなか楽でよさそうですね」
アリシア
「もっとも、これは我々の対戦相手にも
言える話なのですが……」
ミラリア
「………困った所だ。対等なのも問題だな………」
アリシア
「なかなか一方的に有利が取れる材料はございませんね~」
ミラリア
「下手にわたしの逆鱗に触れればどうなるかは、相手が誰だろうと教えてやるがな。フン……」
ミラリア
「一番楽そうに見える8号室も、4号室が負けた以上な。 ……ハァ~」
[ ミラリア ] 情緒 : 1 → 2
ミラリア
「ああ、懐柔でも効けばいいものを………」
アリシア
「八号室はギリいけそうな気もしますが
六号室は懐柔は無理でしょうねえ
一号室はよくわかりません」
ミラリア
「まあ。8号室以外は無理だろうな。1号室はそう安々と勝ちを捨てまい。命のために。」
アリシア
「そもそも、次に当たる相手がまだ誰かわかってないので
事前の策を打つのが難しいんですよね~」
アリシア
「ひょっとして我々がやっている会議、無意味なのでは?」
ミラリア
「1/3、いずれ当たるという区分なら2/3とは言え……」
アリシア
2d6+2
DiceBot : (2D6+2) > 4[1,3]+2 > 6
[ アリシア ] JOCO : 1 → 2
ミラリア
2d6+2+1>=7
DiceBot : (2D6+2+1>=7) > 8[4,4]+2+1 > 11 > 成功
[ アリシア ] JOCO : 2 → 3
ミラリア
1d6
DiceBot : (1D6) > 5
[ ミラリア ] 情緒 : 2 → 1
ミラリア
「……少なくとも、無意味ではない。何故か?」
ミラリア
「布の掛かったお前を見て過ごすよりは、マシというものだ」
アリシア
「この卑しき鏡との会話を楽しんで頂けているということなのですね~! 鏡、間隙です!」
アリシア
「ではどんどん、今後も余計なことを言っていきましょう」
アリシア
間隙(誰かの判定失敗後に割り込み。【才覚】点のダメージを与える。その判定の目標値が自身の技能によって変更されたものなら、ダメージが〔威力〕点増加する。)
ミラリア
「フ、否定はしないでおいてやる…… ……余計なことを言うという所以外は」
ミラリア
2d6+2>=7
DiceBot : (2D6+2>=7) > 8[6,2]+2 > 10 > 成功
アリシア
2d+2
DiceBot : (2D6+2) > 3[2,1]+2 > 5
[ アリシア ] JOCO : 3 → 4
アリシア
「余計なことを言わないアリシアは何を言えばいいのですか!?」
アリシア
「もはや~ 踊るしか~↑ ないと~ 言うの~?↑」
ミラリア
「真実かもしくは……そうだな、わたしが喜ぶようなことだ。そうだろう?」
アリシア
「なるほど……喜びそうな真実を言えばよいのですね」
ミラリア
「それで完全に黙ったりしたら割るからな」
ミラリア
このひとおしってなんだろな~って思ってたけどこういうやつなんだな……
アリシア
「おや? 何処かに向かわれるのですか?」
ミラリア
上に向けた手のひらを、あなたに差し出す。
アリシア
「見えませんね~」同じように上を向けた手を差し出した。ぶつかる。
アリシア
「???」さっきと同じように今度は両手をぶつける。
ミラリア
「戯れに付き合ってやろう。舞踏会には狭いがな」
ミラリア
「わたしが喜びそうな真実と、好意的に捉えておいてやる──」
ミラリア
足を動かす。対象の動作で成立する。優雅な舞踏の動き。
アリシア
それが美しい踊りかつまらない動きかは、鏡には判断のつかぬことだ。
アリシア
鏡は、自分のことを美しいなどとは思ったことがないからだ。
ミラリア
女王は微笑みを携えて、そのまま踊り続ける。
ミラリア
女王にもきっと、客観視というものが良く出来ているわけではない。
だが、退屈しのぎになると、そう思っているのは真実であり──
ミラリア
鉄の靴での踊りにしては、上等なものだと、
本人はまた、思っていた。
それが真実の、一つ。
[ アリシア ] JOCO : 4 → 5
[ ミラリア ] 情緒 : 1 → 2