Dead or AliCe
『16人の救世主』

幕間 Room No.6

メイド6
客室6号室――
メイド6
オールドメイドゲーム1回戦Cホール勝者の部屋。
メイド6
勝者である2人が戻るころ、ちょうど6号室のメイドは部屋の片付けを終えていた。
メイド6
部屋に入ってくる2人にメイドは、
メイド6
「おかえりなさいませ。まずは第一回戦、おつかれさまでした」
メイド6
「きっと勝つものと信じておりました。おめでとうございます」
メイド6
と出迎える。
トイ
ふらふらと6号室に帰ってきて。
ティモフェイ
その少し後ろに立っている。
トイ
メイドの顔を見るなり手を伸ばし――
トイ
挨拶としての、軽いハグ。
トイ
「………」
トイ
「ただいま」
ティモフェイ
彼らの抱擁をぼんやりと見守っている。
メイド6
それに応える。
メイド6
「おかえりなさい」
メイド6
もう一度言う。
トイ
お帰りなさい、という言葉を聞いて、手はぎゅっと少し力が込もった。
トイ
………そして、離れる。
ティモフェイ
「また」
ティモフェイ
「世話をかける」
ティモフェイ
メイドに短く言葉をかける。
トイ
「よろしくな…」
メイド6
「お世話こそが何よりの喜びでございます」
トイ
トイはふらつきながらそのままベッドの方へ。
ティモフェイ
メイドにひとつ礼をして、
トイ
いきおいよく倒れ込む。ぼいんぼいん。ベッドが反動で揺れる。
ティモフェイ
自分のベッドのそばに立つ。
ティモフェイ
首輪の鎖を外してベッドサイドに置いて、
トイ
「…うぅ…めちゃめちゃ…つかれた………」
ティモフェイ
けれど、ベッドに倒れ込むことも腰を下ろすこともしなかった。
トイ
おもにずっと泣いていたので、泣き疲れのあれである。
ティモフェイ
蒸気に焼かれた身体をそのままに、部屋にぼんやりと立っている。
メイド6
「おやすみになられるのですね。食事の方を用意して参りますから、お目覚めになられましたら、召し上がってくださいね」
ティモフェイ
「ああ」
ティモフェイ
「助かる」
トイ
……言葉を交わすふたりのよこで、もう寝息を立てている。
トイ
スヤスヤ
メイド6
礼をし、その場を去る。
ティモフェイ
メイドを見送った。
ティモフェイ
まだ立っている。
ティモフェイ
――客室6号室。
ティモフェイ
ティモフェイのベッドはろくに使われたことがない。
ティモフェイ
食事や勧めのない限りは突っ立ったまま、
ティモフェイ
今も身体の傷に構わず、ぼんやりと眠るトイの上に降りしきる雪を見つめている。
ティモフェイ
眠るときには流石に腰を下ろし、壁に背中を預けはするが。
ティモフェイ
それも必要がないと判断したなら避けただろう。
ティモフェイ
つまりティモフェイにとってはベッドでの休息は”必要のないもの”なのだ。
ティモフェイ
救世主としての力。コインをあれから10枚得て、今は20枚。
ティモフェイ
この程度の傷であれば棒立ちであっても、一日の休息で十分に癒える。
ティモフェイ
救世主であるがゆえの無理を精神力で押し通して、
ティモフェイ
自分にふさわしい在り方を今も選んでいる。
ティモフェイ
それが原因で負けることがあれば、それこそが自分たちにふさわしい末路であると。
トイ
一方のトイはというと。
よくあばれ、よくお怒りよく泣き、よくねむる。
トイ
裁判のうちにみせた涙は天災をよぶ誘い水のようなもので、
トイ
シャルルや、あるいは7号室の男がイラついた「泣けばどうにかなる」という事を
トイ
事実、巻き起こすものであった。
トイ
冬の災厄を呼ぶ。災害としての雪を相手に見舞う。
トイ
トイの戦い方は、救世主という自覚のないものだった。
トイ
いまもそう。
トイ
こどものように昏々と眠る…。
メイド6
メイド6
トイがちょうど腹をすかせて目覚める頃。
メイド6
まだまどろみとベッドの温もりに、曖昧な最中。
メイド6
ノックの音が響く。
メイド6
「失礼いたします」
ティモフェイ
「どうぞ」
ティモフェイ
いつもの平坦な声。
トイ
寝息を立てている。
トイ
お腹の音。
メイド6
「失礼します」
メイド6
再びの挨拶ののち、部屋へ。
ティモフェイ
軽く頭を下げる。
ティモフェイ
「…………」
ティモフェイ
「起こしてやってくれ」
メイド6
「かしこまりました」
ティモフェイ
自分がそうするよりも、彼女の方がよいだろう。
メイド6
「トイトロール様。トイトロール様」
メイド6
毛布のうえから肩に触れる。
ティモフェイ
突っ立ったまま、メイドとトイトロールの姿を見ている。
トイ
はっ
トイ
むくり。上体を起こして…
トイ
メイドを見て目をぱちぱち。
トイ
「………」
メイド6
「おはようございます。起こしてしまい申し訳ありません」
トイ
「やったーーーーーーーー!!」
目を覚まして第一声。今さら実感!
トイ
「おはよう!!オレ勝った!!…った、」
ティモフェイ
「…………」見ている。
トイ
「いたたたた…」
トイ
疲労がまだ残っている。
メイド6
「おめでとうございます、トイトロール様」
メイド6
ぱちぱち。
メイド6
手を叩く。
トイ
拍手に応えるイェーイ!
トイ
「使用人さん!ごはんは!?」
ティモフェイ
子どもをあやす母親のようだな、
トイ
「メシ、メシ!」
ティモフェイ
と、そのようにぼんやりと考えていた。
ティモフェイ
そのものと言って大差はないのだろうが。
メイド6
「大変な戦いでございましたからね。ごゆっくりおやすみになってください」
メイド6
「はい、もちろんご準備できております」
メイド6
「こちらに運び入れてもよろしいでしょうか?」
トイ
「おう、たのむぜ!」
はやくはやく。急かしている。
ティモフェイ
自分が答えるより、トイトロールにそうさせた方がよいだろうと判断した。
ティモフェイ
ただ頷くのみに留める。
メイド6
ガラガラとカートを運び入れる。
ティモフェイ
このメイドも、
ティモフェイ
自分たちが敗北して殺されることがあれば死ぬのだな、と、
ティモフェイ
この儀式では当然の前提を改めて思い浮かべながら。
ティモフェイ
トイトロールと彼女の交流を、彼女の働くさまを見つめている。
メイド6
「トイトロール様は、食べ損なってしまいましたから」
メイド6
「先日の正餐と同じものを、ご用意させていただきました」
メイド6
食前酒はプラムのカントリーワイン。エルダーフラワーのリキュール。
前菜に野菜のテリーヌ。スモークした肉と鮭のパテ。上等なチーズ。
添えられるのはキノコのポタージュ。焼きたてのバター・トースト。
主菜はハーブと白身魚のパイ。ひき肉とチーズのパイ。
赤ワインで煮込んだジビエ。ローストした海老と貝。
好きなものを好きなだけ。
そしてデザートにレモンのシャーベット。
ティモフェイ
僅かに顔をしかめたが、昨日ほどではない。
ティモフェイ
本当にわずかだけだ。
トイ
「そうだぜ、あいつらめ…」
ティモフェイ
メイドの心配りは、当然ありがたいものに思えたが。
トイ
「!」
ティモフェイ
だから、これに心を掻かれるのはどこまでもティモフェイ自身の問題に過ぎない。
トイ
同じ料理が運び込まれて小躍り。
ティモフェイ
そのことを理解しているから、すぐに表情を覆い隠した。
トイ
「使用人さん、わかってんなァ!」
ティモフェイ
小躍りするトイトロールを見る。
ティモフェイ
「心遣い、感謝する」
メイド6
「光栄にございます」
ティモフェイ
メイドにもそのように。
メイド6
料理の準備を済ませ、テーブルの脇に控えている。
ティモフェイ
トイトロールの着席を待っています。
トイ
すばやくどたどた、着席。
トイ
ふと思いついたように、メイドの方を見上げて。
メイド6
グラスが空けばグラスに注ぎ、求められる量の肉を切り。トーストにバターを塗るだろう。
ティモフェイ
基本的に、剣戟行き交う戦いの場でもない限り――自分が従であることの振る舞いを、徹底している。
トイ
「使用人さん、いそがしい?」
ティモフェイ
トイトロールが着席したのを見て、やっと棒立ちから腰を下ろした。
メイド6
「はい。しかし、それはすべてあなた様の御心のまま」
トイ
肉を口に放りこみながら、「ふうーーーん…」と、何か考えるように。
ティモフェイ
ぼんやりとパンを齧っている。
ティモフェイ
「何か」
ティモフェイ
「望むことがあるのなら、口に出してもよかろう」
トイ
ティモフェイのその言葉をきっかけに、一度席を立ち、ベッドの脇へ行く。
トイ
ベッドの脇に幾冊かつまれた本。図書室からやまと持ってこられたものだ。
トイ
トイは文字が読めないが…、
ティモフェイ
勝手に口を開くな、とはもう言わないのだな、と考えている。
トイ
「挿絵がキレイだからながめてたんだけどさあ、ちょっと読んでくれない?」
トイ
「肉切ったりは自分で出来るし!」
トイ

そういって一冊の絵本を差し出す。

幸か不幸か、運命か。

その本は『白雪姫』。

メイド6
「かしこまりました。よろこんでお読みいたします」
メイド6
「それでは……『白雪姫』」
ティモフェイ
「…………」
メイド6
グラスにゆれるワイン、フォークとナイフが皿に鳴る音。
メイド6
食事のなかに、メイドの朗読が添えられる。
メイド6
*かけひき開始です。
メイド6
*先制値をお決めくださいませ。
ティモフェイ
1d6 先制値
DiceBot : (1D6) > 1
トイ
1d6+1 才覚
DiceBot : (1D6+1) > 5[5]+1 > 6
ティモフェイ
*d6 d9 s10
トイ
*c6 d6 sj
メイド6
*かけひき ラウンド1 トイ
メイド6
『むかしむかし、冬のさなかのことでした』 
ティモフェイ
「…………」
ティモフェイ
パンを咀嚼する口が止まった。
トイ
ちょうど雪が降っている。6号室はいつもだが。
メイド6
雪景色の光景、女王、そしてその姫の話が続く。
ティモフェイ
咀嚼する口が止まったのは一瞬のことだった。
ティモフェイ
すぐにまた口を動かして、活動のための食事を再開する。
ティモフェイ
その話を聞くティモフェイの表情は浮かない。いつものことだ。いつものことだから、
メイド6
『ほっぺたをもち、このこくたんのわくのように黒い髪かみをした子がほしいものだ』
ティモフェイ
特別な感情がその中に存在するかどうかは、外からは計り知れない。
トイ
キノコのポタージュにふーふーしながら使用人の語りを聞いている。
メイド6
それからふしぎな鏡の下りへ至る。
メイド6
『鏡かがみや、鏡、壁かべにかかっている鏡よ。
 国じゅうで、だれがいちばんうつくしいか、いっておくれ。』
ティモフェイ
眉を上げる。
トイ
「へえ、魔法のかがみ…」
ティモフェイ
当然、思い当たるものがないはずがない。
ティモフェイ
自分たちは他の戦いを観戦してきたのだから。
トイ
ポタージュを口に含みながら、記憶を探る。
ティモフェイ
けれどトイのようにそれを口に出すのは憚られて、ぼんやりと肉のパテを口に入れた。
トイ
堕落の国の、おとぎ話に関係する救世主のウワサはこの一年で聞いてきた。
トイ
白雪姫もおとぎ話、それなら、そうか…
トイ
「ティモフェイ」
ティモフェイ
「?」
トイ
「あいつ、3号室のあの…あいつって。裁判とか見ただろ?」
ティモフェイ
「なんだ」
ティモフェイ
「…………」
ティモフェイ
「ああ」
ティモフェイ
頷いた。
ティモフェイ
口を押さえて、肉を嚥下する。
ティモフェイ
ティモフェイの食事の所作そのものは、マナーに則った優雅なものだった。
トイ
「あれってこの、魔法の鏡みたいなのかなァ」
ティモフェイ
「…………」
ティモフェイ
「まだ」
ティモフェイ
「わからない、ことだな」
ティモフェイ
「聞き進めてみないことには」
トイ
「おう」
ティモフェイ
今のところは一致しているが、と言い添えて、しかし断言は避ける。
メイド6
『女王さま、あなたこそ、お国でいちばんうつくしい。』
トイ
「ほら!」
ティモフェイ
「…………」
トイ
「あのババアと同じだって!」
ティモフェイ
ババアって言った。
ティモフェイ
それを本人の前で言ってしまうと相当まずいだろうな……と思いました。
ティモフェイ
「……一致は、しているな」
メイド6
『それをきいて、女王さまはご安心なさるのでした。というのは、この鏡は、うそをいわないということを、女王さまは、よく知っていられたからです。』
ティモフェイ
ティモフェイが答えるそばから、メイドの語る話はどんどん一致を重ねていく。
メイド6
女王、そしてうそをいわない鏡。
メイド6
それから姫が美しく育つ下りを読み上げる。
トイ
「これ!この童話の中に…」
トイ
「鏡が割れるところとかァ、女王がしぬところとか、何かヒントがあるかもしれねえ!」
トイ
「オレ、ファインプレーじゃね!?」
トイ
*アピールします[d6]  対象:ティモフェイ 
トイ
2d6+2>7 脅威度
DiceBot : (2D6+2>7) > 7[5,2]+2 > 9 > 成功
[ ティモフェイ ] 情緒 : 0 → 1
ティモフェイ
口を止めて、少し考え込む。
ティモフェイ
「あの女王や鏡と戦うことがあって」
ティモフェイ
「その疵を抉ろうというのなら」
ティモフェイ
「役立つところはあるかもしれないな」
ティモフェイ
当たり前のことを返して。
トイ
褒められるとにこにこ。
ティモフェイ
目の前の、
ティモフェイ
自分と同じ顔をした子どもの喜ぶさまを眺めている。
ティモフェイ
「……ただ」
ティモフェイ
*補助動作 距離を測る d9捨て
*主行動 アピール d5捨て
ティモフェイ
「この物語が彼女らにそっくり当てはまるものと考えるのは、軽率に感じられる」
トイ
*割り込み 誘い受け sj
トイ
「水差すんじゃねーよ!」
ガンッ 机の下を蹴る。
トイ
2d6+2>7 脅威度
DiceBot : (2D6+2>7) > 4[1,3]+2 > 6 > 失敗
[ トイ ] 情緒 : 0 → 1
ティモフェイ
アピールの判定をします
ティモフェイ
2d6+2+1>=7
DiceBot : (2D6+2+1>=7) > 6[5,1]+2+1 > 9 > 成功
ティモフェイ
「水を差したくて言っているわけではない」
ティモフェイ
「ただ」
ティモフェイ
「勝ち進むことが、きみの望みだろう」
ティモフェイ
「軽率な思い込み」
ティモフェイ
「先入観」
ティモフェイ
「そういったものが、戦いで足を引っ張ることを」
ティモフェイ
「きみも理解はしているはずだ」
ティモフェイ
面白くもなさそうな顔でそのように言い切る。
メイド6
『鏡や、鏡、壁にかかっている鏡よ。
 国じゅうで、だれがいちばんうつくしいか、いっておくれ。』
メイド6
『女王さま、ここでは、あなたがいちばんうつくしい。
 けれども、白雪姫は、千ばいもうつくしい。』 
トイ
だん!音をたててテーブルに手を着き、立ち上がる
ティモフェイ
トイトロールを見上げる。
ティモフェイ
「話を」
トイ
「ティモフェイ!てめえオレをバカに……」
ティモフェイ
「聞かないのか」
トイ
声をあげて手を振上げようとしたけれども。
トイ
へなへな。
トイ
体力が戻っていない。
トイ
殴れない。
ティモフェイ
「…………」
トイ
いまはこの、嫌いな相手に対して。
トイ
暴力もふるえない。
ティモフェイ
「明日」
ティモフェイ
「好きなだけ、すればいい」
ティモフェイ
「今は休め」
ティモフェイ
言って、パンのひとかけらを口に含む。
トイ
「…………」
[ トイ ] 情緒 : 1 → 2
トイ
椅子に座る。
トイ
大きなため息!
メイド6
『女王さまは、このことをおききになると、びっくりして、ねたましくなって、顔色を黄いろくしたり、青くしたりなさいました。』
ティモフェイ
*手札捨てません
トイ
*手札捨てません
メイド6
『あの子を、森の中につれていっておくれ。わたしは、もうあの子を、二どと見たくないんだから。だが、おまえはあの子をころして、そのしょうこに、あの子の血を、このハンケチにつけてこなければなりません。』
トイ
*hj sk(c6) 
ティモフェイ
*d3 c9 (s10)
ティモフェイ
パス確定!
メイド6
かわいそうなお姫様の話を読み上げます。しかし愛され、幸運に導かれ、お姫様は殺されるようなことはありませんでした。
トイ
「白雪姫、たすかったのか……」
ティモフェイ
良かったな、とは思いつつ、口に出さずに聞いている。
メイド6
か弱くも美しい姫は親切な小人に助けられ、守られました。
ティモフェイ
基本的に自分が喋るとトイトロールの機嫌が悪くなる認識はある。
メイド6
『鏡や、鏡、壁にかかっている鏡よ。国じゅうで、だれがいちばんうつくしいか、いっておくれ。』
トイ
「………、」想う。
トイ
と、いうのも。
トイ
容貌ゆえに家から引き離されて、知らない土地で生きなければならないという事は自分も身に覚えがある。
トイ
子供なのに家族に庇護されていない、その状況。
トイ
......だけど白雪姫は、自分とは違う。
トイ
狩人も、小人も、あたたかくやさしく、白雪姫を助けた。
トイ
自分とはあまりにも違う。
トイ
トイの口から出た言葉は、
トイ
「いいなあ………。」
ティモフェイ
「…………」
トイ
*アピールします [c6]
トイ
2d6+2>7 脅威度
DiceBot : (2D6+2>7) > 4[2,2]+2 > 6 > 失敗
メイド6
*ゾロ目ですね。ハプニングでございます。
メイド6
1 情緒が入り乱れる!全員1D6を振り、その値を情緒とする。上限を超えた場合は〔上限-1〕とする。
2 もはやみんなまともじゃない。全員の情緒+1。
3 なんだか気持ちが昂ぶってきた。自身の情緒+1。
4 何気ない所作にドキッ!ランダムな対象1人の情緒+1。
5 極めて冷静、相手のことが手に取るようにわかる。自身の情緒-1。
6 はっと我にかえった奴がいる。ランダムな対象1人の情緒-1。
トイ
1d6 ハプニング表
DiceBot : (1D6) > 3
[ トイ ] 情緒 : 2 → 4
ティモフェイ
ティモフェイはその呟きに、
ティモフェイ
何一つ言葉を返さなかった。
ティモフェイ
ただ、また、少しだけ顔をしかめて。
ティモフェイ
いつもと変わらない陰鬱な表情のままに、控えめな食事を進めている。
メイド6
『女王、ここでは、あなたがいちばんうつくしい。けれども、いくつも山こした、七人の小人の家にいる白雪姫は、まだ千ばいもうつくしい』
メイド6
『これをきいたときの、女王さまのおどろきようといったらありませんでした。この鏡は、けっしてまちがったことをいわない、ということを知っていましたので、かりうどが、じぶんをだましたということも、白雪姫が、まだ生きているということも、みんなわかってしまいました。』
ティモフェイ
あの女王よりも美しいものについて考える。
トイ
ひき肉とチーズのパイを手づかみでかじっている。
トイ
もぐもぐ。ぼんやり。
ティモフェイ
なるほどあの神を名乗るいきものは美しい外観をしていた。
ティモフェイ
鏡が認めた以上、少なくともあの女王にとっては
ティモフェイ
それが真実なのだろう。
ティモフェイ
ティモフェイは他の戦いの決着も見てきた。
ティモフェイ
二回戦に進んだ面々についても把握しており、
ティモフェイ
だから、少し考えを巡らす。
ティモフェイ
あの女王よりも美しい存在が、その中に一人でも存在するだろうかと。
ティモフェイ
一人ひとりの顔を思い浮かべて、
ティモフェイ
自分の基準では、もういないな、と結論を出した。
ティモフェイ
彼女があのようなヒステリーを起こすのも、初戦が最後になるのかもしれない。
メイド6
『そこで、どうにかして、白雪姫をころしてしまいたいものだと思いまして、またあたらしく、いろいろと考えはじめました。女王さまは、国じゅうでじぶんがいちばんうつくしい女にならないうちは、ねたましくて、どうしても、安心していられないからでありました。』
ティモフェイ
*パスします
ティモフェイ
*手札すべて捨てます d3 c9 s10
トイ
*hj sk 捨て
トイ
*s3 s4 h10
ティモフェイ
*c5 c10 cK 
メイド6
それから女王の計略の話をする。変装し、白雪姫を殺そうとする女王。
メイド6
『さあ、これで、わたしが、いちばんうつくしい女になったのだ。』
メイド6
しかし白雪姫は危ういところを、またもや小人に助けられる。
トイ
童話の女王はうつくしさにこだわり、義娘を何度も殺そうとしている。
ティモフェイ
繰り返し繰り返し、白雪姫の助けになる小人の話を聞いている。
トイ
「うーーーー…ん…」
トイ
うつくしさってなんだろう?
トイ
絵本の挿絵はキレイで好きだ。
トイ
氷の彫像もキレイで好きだ。
トイ
末裔から貰ったオルゴールもキレイで好きだ。
トイ
それとはちがうんだろうか…?
トイ
この男、情操教育があまりされていない。
トイ
メイドの話の続きを聞く。
メイド6
『鏡や、鏡、壁にかかっている鏡よ。国じゅうで、だれがいちばんうつくしいか、いっておくれ。』
メイド6
『女王さま、ここでは、あなたがいちばんうつくしい。けれども、いくつも山こした、七人の小人の家にいる白雪姫は、まだ千ばいもうつくしい。』
トイ
「……、」冗談めかして
トイ
「やあティモフェイ、ティモフェイ、そこにアホみたいに座ってる木偶の坊」
トイ
「お前と俺って美しいの?」
トイ
*補助動作 距離を測る[s3]
主動作 アピール[h10]
ティモフェイ
*割り込み 誘い受けをします cK捨て
ティモフェイ
2d6+2>=7
DiceBot : (2D6+2>=7) > 10[6,4]+2 > 12 > 成功
トイ
2d6+2+1>12 脅威度 距離測
DiceBot : (2D6+2+1>12) > 7[3,4]+2+1 > 10 > 失敗
メイド6
*トイさまの情緒爆発でございます。
ティモフェイ
「…………」 
[ トイ ] 情緒 : 4 → 5
ティモフェイ
長く考え込んでいる。
ティモフェイ
その頬はトイの殴打を受けて腫れ上がり、目の上には青あざ、
ティモフェイ
唇の端には血を滲ませて、
ティモフェイ
痛みを気にせずパンを咀嚼しているが。
ティモフェイ
「……容姿を」
ティモフェイ
咀嚼を終えて嚥下を済ませてから、重々しく口を開く。
ティモフェイ
「褒められたことは、あったな」
ティモフェイ
「それが真実か、おべんちゃらかなど、あの時は考えもしなかったし」
ティモフェイ
「興味もないことだったが」
ティモフェイ
「…………」
ティモフェイ
一度口をつぐんで目を伏せてから、
ティモフェイ
「今は」
ティモフェイ
「きみの方が、美しいのではないか」
ティモフェイ
「俺のように髪が乱れてもいないし、頬も腫れていないし」
ティモフェイ
「何より」
ティモフェイ
「気分の悪くなるような、辛気臭い顔も」
ティモフェイ
「きみの方が、少ないだろう」
トイ
きみの方が美しい。
トイ
その言葉を聞いて、トイのうごきが、頭が止まる。
トイ
「……………おま」
トイ
「おまえ………そういうこと、この、オレに」
ティモフェイ
「?」
トイ
「オレが、どんな目にあってきたか」
トイ
「どれだけ、自分の顔が嫌いか、」
ティモフェイ
「褒めたわけでは」
ティモフェイ
「ないつもりだが」
トイ
「………」息が荒くなる。
ティモフェイ
「問われたことに」
トイ
悪い思い出がフラッシュバックする。
ティモフェイ
「俺の経験と物差しを使って、答えた」
トイ
口を押えて立ち上がる。
ティモフェイ
「……それだけの話だ」
ティモフェイ
「…………」
ティモフェイ
見上げます。
トイ
力ない足取りで部屋から出ていく。
ティモフェイ
「…………」
トイ
その背に振る雪は強まる。
ティモフェイ
遅れて席を立った。
トイ
………どこか一人で泣ける場所へ。
トイ
「ついてくんなっ!!」
ティモフェイ
ベッドサイドから鎖を取ったが、
ティモフェイ
怒鳴り声に手を止める。
ティモフェイ
「…………」
ティモフェイ
「俺の方が」
ティモフェイ
「出ていくのでも、構わないが」
ティモフェイ
「いや」
ティモフェイ
足を進める。
ティモフェイ
途中でメイドにすれ違いざまに、
ティモフェイ
「世話をかける」
ティモフェイ
と、いつものように耳を打って、6号室を出る。
ティモフェイ
トイトロールとは真逆のほうに足を向け。
ティモフェイ
「……少し、散策をする」
ティモフェイ
言外に、
ティモフェイ
万が一にでも鉢合わせたくないのなら、部屋に籠もっていたほうがいいと、
ティモフェイ
そのように警告を残して。
ティモフェイ
「明日の朝には戻ろう」
ティモフェイ
それまでは帰らないという、宣言。
ティモフェイ
そうして館の廊下を歩いていく。
メイド6
白雪姫の話はまだ半ばで、トイトロールも席を立ってしまった。
メイド6
メイドは顔を上げる。
メイド6
「……」
メイド6
「行っちゃいましたね」
トイ
「……ぅっ うう……ぐすっ……」
メイド6
「……」
トイ
「……ううぇ……」
メイド6
メイドには領分がある。できること、できないこと。あくまでもこれは救世主同士の戦いで。
メイド6
メイドがメイドでなければ、できることやかけるべき言葉は当然あり。
メイド6
逡巡ののち。
メイド6
「それじゃあ、こっそり、ご飯を食べてしまいましょう」
メイド6
わざとらしくそういって、ティモフェイの座っていた席につき。
メイド6
フォークとナイフを手に取る。
ティモフェイ
あまり量は減っていない。
ティモフェイ
長く食べていたように思えて、その食事のペースはひどく遅かった。
トイ
「……………」
トイ
メイドの方を見つめて。
メイド6
「うーん、このテリーヌのまったりとした味! 我ながら惚れ惚れしてしまいますね」
トイ
ぴくり。
トイ
「…………」やせ我慢はつづかない。
メイド6
「それにこの白身魚のパイ。さくさく加減にほっぺがとろけてしまいますね」
トイ
ぴくりぴくり。
トイ
「……。」
トイ
彼女の言葉にまんまとつられ、とぼとぼと席に着き直す。
トイ
うなだれて、意気消沈しているが、目の前のメイドの差も美味しそうに食べる様子には興味を惹かれるようで。
メイド6
「お酒も飲んじゃお」
トイ
「………」
メイド6
「ほら、トイ様も、こちらへ」
メイド6
「フルーツも入れて、サングリアをお作りしましょう」
トイ
「…このリキュール、花の匂いがさいこう…」メイドのマネをするように言ってみる。
トイ
「サングリアつくる…」
メイド6
「蜂蜜もいれて、甘ーくしましょうね」
トイ
「ハチミツ!好きなんだ、オレ サングリアってハチミツいれるの?」
トイ
瞳は涙にぬれているが、笑みが戻る。
メイド6
「いっぱい動いて疲れたあとは、とびきり甘いものがいいんですよ」
メイド6
「甘いお酒で、すぐに身体が温まりますから」
メイド6
グラスに二つ、サングリアを作り。
メイド6
とりわけるときは2人分をとりわけ。
トイ
「ハチミツ入れるのオレにやらせて!」
メイド6
「もちろんです」
トイ
上機嫌でその工程を任される。
メイド6
刺剣の館のメイドは、儀式の力で料理を作ることはできるものの。
メイド6
もとよりは末裔。華やいだ料理など全くの無縁。
メイド6
料理や味のことなど、詳しいわけもなく。
メイド6
2人はでまかせに料理を褒めそやしながら、その正餐を続ける。
トイ
そのような遊戯がいちばん、この幼稚な男にはあたたかかった。
トイ
サングリアを手に持ち、メイドの方に差し出す。
トイ
「カンパイ、カンパイ!」
メイド6
「カンパーイ!」
トイ
けらけらと笑う。
メイド6
つつましく笑う。
メイド6
救世主に母はなく、末裔に子はなく。
メイド6
されど家族のように。