幕間 Room No.5-2
*
メイドの淹れてくれた紅茶は、薄過ぎもせず、濃すぎもせず、優しい味がして。
*
しかし、それからしばらく経った今はもう、空のティーカップがあるだけだ。
シャルル
話をするには、この。
同室の怯えた女よりも。
シャルル
簡単にできる紅茶のいれかたや、ベッドメイキングのコツなどを聞いたりして。
シャルル
そうして、でも。
メイドが出て行ってしまえば。
シャルル
することもなく、ベッドに腰かけてアレクシアを見る。
アレクシア
何を言えばいいのか。あるいは、何を言っても大丈夫なのか、わからなかった。
シャルル
「そういう顔されてると、気になるんだけど。」
アレクシア
適当に語れるような記憶はない。今、シャルルと放り込まれたこの部屋だけが、アレクシアにあるほとんどすべてだ。
シャルル
別に、もてなしを期待しているわけではない。
楽しい時間なんてものでもない。
ただ、その目が気にくわなかった。
アレクシア
何にイラつかれているのかは概ねわかる。かといって、それをどうすることもできない。
シャルル
「…………見えにくいんだよ。アンタの顔。」
アレクシア
きつい目つき。それもまたアレクシアにとっては彼が怖い一因だったが、そう言われてしまうと。
アレクシア
「……どうぞ」 テーブルの向かいを、遠慮がちに示す。
シャルル
みしりと音を立ててベッドを離れ、向かいの席に着く。
アレクシア
「……そう」 良かった、と言うべきかどうか。
シャルル
同じ記憶喪失でも、アレクシアとシャルルでは全く気の持ちようが違う。
シャルル
それは、もともとの気質の違いなのか、別の要因なのかはわからないが……
シャルル
「聞いた通りなら……俺たちの他に、勝った『救世主』がいるんだよな。」
シャルル
「恨まれてんのかな。……あの子は、そんな感じじゃなかったけど。」
シャルル
それは、単に退屈だからというのもあったけれど。
アレクシア
始めたのは。アレクシアと、そして、シャルルだという。
アレクシア
理由は、今のアレクシアにはわからないけれど。
シャルル
1d6
DiceBot : (1D6) > 6
アレクシア
1d6
DiceBot : (1D6) > 6
シャルル
1d6
DiceBot : (1D6) > 3
アレクシア
1d6
DiceBot : (1D6) > 4
シャルル
思い出そうとする、という気がない。
ここにあるものと、これからがシャルルの全て。
シャルル
「俺も見た方がいいとは思うけど……それってさ。」
アレクシア
2d6+1>=7 距離を測ったぶん
DiceBot : (2D6+1>=7) > 5[2,3]+1 > 6 > 失敗
[ アレクシア ] 情緒 : 0 → 1
シャルル
2d6>=7
DiceBot : (2D6>=7) > 9[6,3] > 9 > 成功
アレクシア
「それは……」 小さく息を吸い、止めて。
アレクシア
「できないの、かも、しれない」 こぼれるように。
[ アレクシア ] 情緒 : 1 → 2
アレクシア
「……捕まえ、る、」 困ったように繰り返す。
シャルル
立ち上がり、ぐるりとテーブルを迂回する。
シャルル
2d6>=7
DiceBot : (2D6>=7) > 7[4,3] > 7 > 成功
[ アレクシア ] 情緒 : 2 → 3
シャルル
正直言って、死というものに実感がわかない。
シャルル
それは、忘れてしまったのかもしれないし、元からないのかもしれない。
シャルル
首筋にキスをする。
噛みつくように、勝手に、無遠慮に。
アレクシア
硬直する。一瞬後に、振りほどこうとして、失敗する。
シャルル
「嫌っていうだけじゃ、何も変わんねーよ。」
アレクシア
2d6+1>=7 距離を測るがまだ乗ってる
DiceBot : (2D6+1>=7) > 6[3,3]+1 > 7 > 成功
アレクシア
1d6
DiceBot : (1D6) > 5
*
極めて冷静、相手のことが手に取るようにわかる。自身の情緒-1。
[ アレクシア ] 情緒 : 3 → 2
[ シャルル ] 情緒 : 0 → 1
アレクシア
2d6>=7
DiceBot : (2D6>=7) > 9[3,6] > 9 > 成功
シャルル
2d6>=9
DiceBot : (2D6>=9) > 3[2,1] > 3 > 失敗
[ シャルル ] 情緒 : 1 → 2
シャルル
距離が近い。
抱きしめる腕は自分から離れることもなく、囁く。
アレクシア
「……っ、……どうしろって、言うのよ……!」
アレクシア
抱きしめられて、腕もほとんど動かない。
アレクシア
どうしようもない。どうにかしようと思っても、思考が空転している。
シャルル
「アレクシアからキスしてくれたら離してやるよ。」
アレクシア
何を言われたのか、一瞬、頭が理解を拒んだ。
アレクシア
シャルルの声は笑っている。それがわかる。
シャルル
2d6>=7
DiceBot : (2D6>=7) > 7[2,5] > 7 > 成功
アレクシア
2d6+1>=7
DiceBot : (2D6+1>=7) > 7[1,6]+1 > 8 > 成功
[ シャルル ] 情緒 : 2 → 3
シャルル
2d6>=7
DiceBot : (2D6>=7) > 5[2,3] > 5 > 失敗
[ シャルル ] 情緒 : 3 → 4
シャルル
「怖いっていうの、なんかよく……わからなくて。」
シャルル
「怖いってどんな感じ?『嫌』が大きい?」
シャルル
「さっきも言ったけど、俺は……アンタに前を向かせることもできるし、布をかぶせることもできる。」
シャルル
こうして、動きを奪う事も勝手をすることも。
アレクシア
根本的に。彼は、アレクシアとは違う。何かが。
アレクシア
何か、諦めのように。あるいは、何か、決意のように。
アレクシア
シャルルのくちびるに、ふと、くちびるを合わせる。瞬きのような、僅かの間だけ。
[ アレクシア ] 情緒 : 2 → 3
[ シャルル ] 情緒 : 4 → 5
アレクシア
緩んだそれを、そっと開いて立ち上がり。
シャルル
他人を傷つけることは、難しい。
けれど、自分を傷つけることはもっと難しい。
シャルル
ベッドまで歩いていって、横になる。
天井を見上げて……
シャルル
『他の参加者が危害を加えてくる可能性』を
シャルル
考えられるようになるには、少し時間がかかりそうだった。