Dead or AliCe
『16人の救世主』

幕間 匕首咲&ティモフェイ

noname
匕首咲
温室。
一面ガラス貼りではあるが、そこには砂塵しか見渡せない。
匕首咲
日差しの温かさも、植物の癒やしも得られないそこを、咲はぷらぷらと歩いている。
匕首咲
別に何か目的がある訳ではない。
映鏡がバスルームを使っており、暇なので散歩に出てきただけだ。
匕首咲
──というのは半分だけ本当。
あとの半分は、風呂上がりの映鏡に会いたくないのだ。
匕首咲
あの変な仮面を被らず、変なマントを羽織らず、青い帽子も頭に乗せていない映鏡は。
ただの顔がいい男だ。
匕首咲
目に毒なのだ。
胸がギュッとなるので、あまり見たくはない。
匕首咲
てくてくと、造花ばかりの温室を歩く。
生花の一本でもあればいいのに、などと思いながら。
ティモフェイ
うら寂しい造花の園の中を歩く咲の背後で、音もなく温室の扉が開かれた。
ティモフェイ
砂塵ごと吹き込んだ風が温室内の空気を一瞬だけ乱して、
ティモフェイ
それがすぐに扉を閉められて止まる。
ティモフェイ
マントについた埃をはたき落としながら、温室の入り口に仏頂面の救世主が立っている。
匕首咲
扉が軋む音に振り返る。
匕首咲
救世主だ。確か6号室の。

「ども」

と言って軽く片手を上げた。
ティモフェイ
挨拶を受けておや、と眉を上げた。
ティモフェイ
唇を開きかけて、
ティモフェイ
一度口をつぐみ。
ティモフェイ
「どうも」と、素っ気ない返答ののち、
ティモフェイ
「……1号室の」
ティモフェイ
さすがに。
ティモフェイ
本人に対して口裂け女の、と言わない程度の、極めてギリギリの分別はあったらしい。
匕首咲
「そういうあんたは、6号室の救世主サマ」
ティモフェイ
「ああ」
ティモフェイ
造花の中を進み行く。
ティモフェイ
「きみの」
ティモフェイ
「片割れの方とは、既に言葉を交わしたな」
ティモフェイ
「図書室にいた」
匕首咲
「へ~……」

視線が泳ぐ。

「図書室に」
ティモフェイ
「?」
匕首咲
「……何話した?」
ティモフェイ
泳いだ視線にやや怪訝そうな表情になった。
ティモフェイ
「とりとめのないことを」
ティモフェイ
「おおむね」
ティモフェイ
「他の救世主の話といったところか」
匕首咲
「ふーん……」
ティモフェイ
「あとは、ああ」
ティモフェイ
「きみの話もした」
匕首咲
女の話をしたのか?と思ったが聞くのはやめておいた。
匕首咲
「あたしの?どんな」
ティモフェイ
「…………」
ティモフェイ
言ってしまってからやや考え込み。
ティモフェイ
青いマントの男の顔が浮かぶ。半分。
ティモフェイ
どこまで話したものかそれなりに、それなりに悩んだ上で、
ティモフェイ
「……よい」
匕首咲
まぁ大したことは話してないだろうな~と思っている
ティモフェイ
「相方であるな、と」
ティモフェイ
「そのように、思った」
匕首咲
「」
匕首咲
「あ、ああ!あんたがね!!なるほどね!!」
ティモフェイ
「?」
ティモフェイ
「いや」
ティモフェイ
「彼ときみのことだが……」
匕首咲
「いや、あの、じゃなくて」
匕首咲
「えーっと」
ティモフェイ
「ああ」
ティモフェイ
食い違いに気付いた。
ティモフェイ
頷きます。
ティモフェイ
「俺が」
ティモフェイ
「話を聞いて、そう思った」
匕首咲
「そう……、そうそう、それなら大丈夫……」

頷いている。
ティモフェイ
「返答は聞かなかったな」
ティモフェイ
「すまない」
匕首咲
「聞けとか言ってねーけど!?」
ティモフェイ
「?」
ティモフェイ
怒られたな……という顔をします。
noname
グダグダだがかけひきしますか!!
匕首咲
しましょう!!
ティモフェイ
1d6 行動順
DiceBot : (1D6) > 4
匕首咲
1D6
DiceBot : (1D6) > 6
匕首咲
やるき
ティモフェイ
やる気を出させてしまった
ティモフェイ
今の話題で?
noname
*1ターン目
匕首咲
手札引きますね
ティモフェイ
お願いします
ティモフェイ
バカ……
匕首咲
ジョーカー引く人
ティモフェイ
*d6 dQ Joker
ティモフェイ
かけひきでジョーカー引くな!
匕首咲
* h4 d4 hQ
匕首咲
さっきのゲームで手加減しなかったら怒られた話を思い出しますね
ティモフェイ
本気にならないで
匕首咲
* h4距離を測る、hQアピールします
ティモフェイ
*通しで。ジョーカーのせいで誘い受けの余地があるの困るが?
匕首咲
ふふふ
匕首咲
2D6+2+1
DiceBot : (2D6+2+1) > 4[3,1]+2+1 > 7
ティモフェイ
誘い受けしとけばよかった出目だな(いつもそう)
[ ティモフェイ ] 情緒 : 0 → 1
匕首咲
「いや、まぁ別にいいんだけど……。なんか、そういう方向に話が転がったりはしたんだな?」
ティモフェイ
頷きます。
ティモフェイ
「ええと」
ティモフェイ
「心の疵の、話をしたな」
ティモフェイ
「その流れだった」
ティモフェイ
「…………」
ティモフェイ
あれ?
ティモフェイ
これってそういう流れってことはそういうことって言ってるな?
ティモフェイ
まあいいか……。
匕首咲
「……………………」
匕首咲
そのへんの植木鉢を蹴り飛ばした。
ティモフェイ
蹴っている。
ティモフェイ
「救世主の」
ティモフェイ
「心の疵は、目に見えるものに限らない」
ティモフェイ
「というような話だったな」
ティモフェイ
「…………」
匕首咲
植木鉢は宙を舞い、別の植木鉢にぶつかって壊れた。
ティモフェイ
「聞いていないか? 何も」
ティモフェイ
壊れているのを見ている。
匕首咲
「あんたと話したことは聞いてないから……」
ティモフェイ
「なら、そうだな」
ティモフェイ
「俺も話していない」
ティモフェイ
むしろまともに情報共有するペアの方が稀なのか?
ティモフェイ
いや、鏡と女王のところはそうでもなさそうか。
匕首咲
近くの大きめの鉢植えに植わった、大きめの人工観葉植物の幹を掴み、スイングしている。
ティモフェイ
「メイドの仕事が増える」
ティモフェイ
誰のせいだ?
匕首咲
「そうだな」
ティモフェイ
咎めるように言いましたが。
ティモフェイ
破壊、止まらないな……。
ティモフェイ
申し訳ないな……と、メイドの方に思いました。
ティモフェイ
*主行動 アピール d6捨てます
匕首咲
はっきりと明言しなかったので、かろうじて直接的な暴力を取らずに済んでいる。
ティモフェイ
2D6+2>=7
DiceBot : (2D6+2>=7) > 2[1,1]+2 > 4 > 失敗
ティモフェイ
ハプニング野郎!!!!!!
ティモフェイ
1d6
DiceBot : (1D6) > 5
匕首咲
ハプニング野郎!!
ティモフェイ
5 極めて冷静、相手のことが手に取るようにわかる。自身の情緒-1。
ティモフェイ
なんでだよ!
匕首咲
いやでもこれは分かるでしょう
ティモフェイ
まあ……わかるな……
ティモフェイ
わかるけどさあ……
[ ティモフェイ ] 情緒 : 1 → 0
[ ティモフェイ ] 情緒 : 0 → 1
ティモフェイ
ハプニングで-1、アピール失敗で+1です。
ティモフェイ
「…………」
ティモフェイ
「きみの方は、苦手か?」
ティモフェイ
「あの男が」
匕首咲
「苦手、っていうのとは違うけど」
匕首咲
「何考えてるかわかんなくはある」
ティモフェイ
「……話しやすくはあったが」
ティモフェイ
自分にとっての話をした。
匕首咲
「ふ~~~~ん」

不機嫌そうな声音。
ティモフェイ
「?」
ティモフェイ
なんか……
ティモフェイ
機嫌を損ねてるな……
匕首咲
「あいつ男相手だと楽しそうなんだよな~」
ティモフェイ
「ああ」
ティモフェイ
なるほど。
ティモフェイ
「気安いのだろう」
匕首咲
「そりゃ分かるけどさ。分かるけどさ~」
匕首咲
分かるけどなんだろう。いやこれ不満に感じてる理由をあんまり考えない方がいい気がするぞ。
ティモフェイ
難しいな……と思っています。
ティモフェイ
トイトロールよりもある意味難しい気がする。
ティモフェイ
でもトイトロールと違って別に機嫌を気にする必要はないな。
ティモフェイ
ないから楽ではあるな。
ティモフェイ
トイトロールの機嫌も最終的にそう厳密に気にしているわけではないのだが。
ティモフェイ
「自分も彼と気安くしたいと?」
匕首咲
振り回していた観葉植物を投げつけた。
ティモフェイ
軽く身を逸らした。
匕首咲
「別に」
ティモフェイ
背後で鉢が割れる音がする。
ティモフェイ
「……そうか」
ティモフェイ
*捨てなしで
匕首咲
* こちらも捨てなしで
匕首咲
引きますね
ティモフェイ
お願いします
匕首咲
やる気だ~~
ティモフェイ
アピール力の塊か?
ティモフェイ
*h10 (dQ Joker)
noname
*2ターン目!
匕首咲
* d4距離を測る、dAアピールします
ティモフェイ
え~~~もう持ってても仕方ないから誘い受けしちゃうか
ティモフェイ
*割り込み 誘い受け Joker
ティモフェイ
2d6+2>=7 誘い受け
DiceBot : (2D6+2>=7) > 6[5,1]+2 > 8 > 成功
ティモフェイ
てんでだめだな!
匕首咲
う~ん
匕首咲
2D6+2+1
DiceBot : (2D6+2+1) > 8[6,2]+2+1 > 11
匕首咲
やるきだ~
[ ティモフェイ ] 情緒 : 1 → 2
ティモフェイ
植木鉢が来るのか!?
匕首咲
植木鉢投げる前に判定したらよかったな~
ティモフェイ
とりあえず誘い受け失敗するか……
匕首咲
お願いします!
ティモフェイ
「相性は、悪くないように見えたが」
ティモフェイ
「裁判での」
ティモフェイ
割れた植木鉢から咲に視線を戻して言う。
匕首咲
「そりゃどーも」
ティモフェイ
「決着も早かった」
匕首咲
植木鉢を物色している……。
ティモフェイ
これ同じこと言ったなって思っている。
匕首咲
「宣言通り1Rとはいかなかったけどね」
ティモフェイ
「まあ、険しかろう」
ティモフェイ
「あの無力な男も働きはした」
ティモフェイ
「あれがなかったら或いは1Rで済んでいたかもしれん」
匕首咲
「そうだね。
思ってたよりは、ちゃんと相手も強かった」
ティモフェイ
「次も」
ティモフェイ
「1Rか?」
匕首咲
「どうかな。同じこと言っても、観客も飽きるでしょ」
ティモフェイ
「それもそうか」
ティモフェイ
「あまり趣味の良い連中ではないからな」
ティモフェイ
その連中を守ったのだが。
匕首咲
「観客といえば、あんたのとこの試合で観客連れ込んでたね」
ティモフェイ
「…………」
ティモフェイ
「ああ」
匕首咲
「ダルマ色男が乗り込んできた時に、殺されるかなって期待したんだけどな~。残念」
ティモフェイ
「血が好きか?」
匕首咲
「嫌いに見える?」
ティモフェイ
「見えんな」
ティモフェイ
肩をすくめ。
ティモフェイ
「それは悪いことをした」
匕首咲
「大正解~」
ぱちぱち
ティモフェイ
「であれば」
ティモフェイ
「我々の裁判も、きみには特別退屈だったかもしれんな」
匕首咲
「そうだね」
匕首咲
「本当にがっかりした。
ああいう負け方だけはしたくないと思った」
ティモフェイ
「……まあ」
ティモフェイ
「ある意味では、もっとも尊厳が踏み躙られた結果かね」
ティモフェイ
「救世主としては」
ティモフェイ
「4号室のあの末路の方が、むしろ筋は通っていた」
匕首咲
「救世主としてとか、そういうのは関係ない。
力を振りかざして、あんた達が思う救いを勝手に押し付けて、それで善人面してるのが心底気持ち悪い。」
ティモフェイ
「おや」
ティモフェイ
眉を上げた。
ティモフェイ
「なるほど」
ティモフェイ
「あれは、救いか」
匕首咲
「そのつもりだったんじゃないの?」
匕首咲
「少なくとも、あたしにはそのつもりに見えた」
ティモフェイ
少し考え込み。
ティモフェイ
「……死を畏れて戦うものにとっては、あれが救いになりうる、とは認識している」
ティモフェイ
「そのように提示もした」
ティモフェイ
「だが」
ティモフェイ
「俺はあの結末には何ら関与していないよ」
ティモフェイ
「正直なところ、驚いたくらいだ」
匕首咲
「じゃあ、相方が全部悪いから、あんたは一切責任がないってこと?」
ティモフェイ
「いいや」
ティモフェイ
「俺はあの二人がどうなろうと構わなかった」
ティモフェイ
「全てを看過しただけの、ああ、だから」
ティモフェイ
この表現が恐らくきみには最も受け入れやすいのだろう、
ティモフェイ
そのように前置いて。
ティモフェイ
「卑怯者だ」
匕首咲
「そうだね」
ティモフェイ
「きみたちに勝っても、そのようにするよ」
ティモフェイ
*補助動作 距離を測る h10
*主動作 アピール dQ
ティモフェイ
2D6+2+1>=7
DiceBot : (2D6+2+1>=7) > 6[5,1]+2+1 > 9 > 成功
ティモフェイ
やっと普通に成功したな……という気持ちです。
匕首咲
お、成功
[ 匕首咲 ] 情緒 : 0 → 1
匕首咲
「あんたは卑怯者だ。
でも、まだわかる」
ティモフェイ
「隣の男はわからない?」
匕首咲
「そう、あたしは、あんたの相方のやりかたに反吐が出る」
ティモフェイ
そっちか、って顔。
匕首咲
「ガキで、傲慢で、一方的で、自分のことしか考えてない。自分のことしか見てない」
匕首咲
「あんなやつに、自分をどうにかされたくない」
ティモフェイ
「はは」
ティモフェイ
「正しい感情の起こりだ」
ティモフェイ
「たちが悪いのは」
ティモフェイ
ティモフェイ
「この世界、そういう子どもじみた妄念を抱えているものほど」
ティモフェイ
「奇妙な力を身に着けてしまうことだな」
ティモフェイ
*捨てなしです なんももってないので
匕首咲
「残念ながら、それはそうだね」
匕首咲
* 捨てなしで!
匕首咲
引きます
noname
*2ターン目!
ティモフェイ
パス確定しちゃった
匕首咲
アピールしてもいいんですよ……?
ティモフェイ
*s3 c3 cK
ティモフェイ
クッ……!
匕首咲
* h2 cJ hA
匕首咲
* h2距離を測る、hAアピール!
ティモフェイ
*割り込み 誘い受け cK
匕首咲
また誘い受けしてる
ティモフェイ
2D6+2>=7 なんでやろなあ。
DiceBot : (2D6+2>=7) > 7[2,5]+2 > 9 > 成功
ティモフェイ
うーn
匕首咲
2D6+2+1
DiceBot : (2D6+2+1) > 9[6,3]+2+1 > 12
[ ティモフェイ ] 情緒 : 2 → 3
匕首咲
やる気だ~~
ティモフェイ
殺意を感じる
匕首咲
「結局、どんなバカでも、どんな自分勝手な奴でも、強いやつが正しい」
ティモフェイ
「どんなに幼くとも、未熟であろうとも、最後に天命が味方したほうが勝つ」
匕首咲
「でもま、腹立つもんは腹立つ」
ティモフェイ
「いいんじゃないか、それで」
ティモフェイ
「その怒りもまた力で」
ティモフェイ
「きみの心の疵だろう」
匕首咲
「は?心の疵とか関係ないんですけど?」

特に上手くもないごまかし方をする。
ティモフェイ
「…………」
ティモフェイ
「そうか……」
ティモフェイ
そういうことにしとくか……と思わされるくらいの差し込み否定だった。
ティモフェイ
*補助動作 距離を測る c4
ティモフェイ
主行動はなしです。パス~
匕首咲
出た!!ティモフェイ名物パス!!
ティモフェイ
ヘイいつものお待ち!
匕首咲
やっぱこれだよな~!!
ティモフェイ
*s3捨てまーす
匕首咲
* cJ捨てちゃお
noname
*3ターン目!
匕首咲
お!主動作なし
匕首咲
* d3 c6 sJ
ティモフェイ
パスの呪いかな?
ティモフェイ
*d5 h6 s9
匕首咲
呪いか~
ティモフェイ
呪ってしまった
匕首咲
* sJ一押しします
ティモフェイ
一押されます
[ ティモフェイ ] 情緒 : 3 → 4
[ 匕首咲 ] 情緒 : 1 → 2
匕首咲
「そういえば、あんたの相方ってずっと雪降ってるね。あれも心の疵?」
ティモフェイ
「まあ、そうなるだろうな」
ティモフェイ
「実のところ」
ティモフェイ
「それなりに寒い」
匕首咲
「あはは。そりゃそうだ」
ティモフェイ
「耐えられないほどではないが」
ティモフェイ
「本人もそう感じているのではないかね」
ティモフェイ
聞いたことはないな、と思った。
ティモフェイ
勝手に思っているだけだ。
匕首咲
「大変だねぇ。風呂とかどうなんの?
湯がかかる端から凍っていったりとか?」
ティモフェイ
「…………」
ティモフェイ
「………………」
ティモフェイ
風呂の瞬間というよりは。
ティモフェイ
それとはまた別の、連想される瞬間に思考が至って、
ティモフェイ
思わず黙り込む。
匕首咲
「?」
ティモフェイ
「……いや」
ティモフェイ
ため息。
ティモフェイ
「常には」
ティモフェイ
「そこまで険しいというほどでも、……」
ティモフェイ
シンプルに気分が悪くなってきたな。勝手に。
匕首咲
「ふ~ん。じゃあ露天風呂くらいかな……」
匕首咲
気分が悪くなっていることに気付いていない。
常に吹雪くのは大変だけど、たまにならいいな~なんて思っている。
ティモフェイ
「……一緒には」
ティモフェイ
「入らないからな……」
ティモフェイ
またため息。
匕首咲
「そりゃそうか」
ティモフェイ
「何を好き好んで、という話になる」
匕首咲
「確かに、嬉しくもないし、寒いだけだしねぇ」
ティモフェイ
「夫婦やカップルでもあるまいし」
匕首咲
「はは」
ティモフェイ
「夫婦はいたな」
ティモフェイ
「既に負けたが」
ティモフェイ
今は首なしだ。
匕首咲
「いたね……」

幼い妊婦の肚を思い、それだけ口にする。
ティモフェイ
「カップルは……まあ、うちの対面がそうではあったか」
ティモフェイ
今はどうなっているのか、記憶を失って館に留まっている以上の何も知らないが。
ティモフェイ
「…………」
匕首咲
「カップルだったねぇ。
誰かさんのお陰で、恋人を助けたりできなかったけど」
ティモフェイ
「?」
ティモフェイ
「あれは間に合わなかっただけだろう」
ティモフェイ
「俺が邪魔をしたのは、あの男が腹癒せに観衆を殺すことだけだ」
匕首咲
「そうだけどさ、格好が付く付かないがあるじゃん……」
ティモフェイ
「…………」
匕首咲
「銃が出たのに血も内臓も出なかったし……」
ティモフェイ
*補助動作 距離を測る s9
*主動作 アピール d5
匕首咲
アピールだ!!
ティモフェイ
2D6+2+1>=7
DiceBot : (2D6+2+1>=7) > 6[4,2]+2+1 > 9 > 成功
[ 匕首咲 ] 情緒 : 2 → 3
ティモフェイ
「きみは駆けつけられたかったのか」
匕首咲
「………………は?」
ティモフェイ
「間に合っていなかったな、と」
ティモフェイ
「そう思った」
匕首咲
「………………」

完全に意識の外の話だったが、確かに、自分も助けが間に合わなかったのだ。
匕首咲
駆けつけられたかったのか?
ティモフェイ
咲を見ている。
匕首咲
2mほどの観葉植物を投げつけた。
ティモフェイ
切り捨てた。
ティモフェイ
ぱっと虹の剣を出して、切り捨てて、それをすぐに霧散させる。
匕首咲
「…………」

手が震える。
匕首咲
駆けつけられたかったのか?
ティモフェイ
「或いは」
ティモフェイ
「観衆を全て、殺し尽くしてほしかったか」
ティモフェイ
「まあ、カメラ越しにはなるが」
ティモフェイ
難しいな、と
ティモフェイ
どうでもいいことのように。
匕首咲
観衆は、どうでもいい。
少なくとも、自分にとっては。
匕首咲
力を振るわれる前に、男の玩具にされる前に。
映鏡に助けて欲しかったのか?
匕首咲
それは。
匕首咲
当たり前だ。
匕首咲
「クソッ!!」

周囲にあるものを、手当り次第に投げつける。
ティモフェイ
躱せるものは躱して、
ティモフェイ
そうでないものは手刀で叩き落とした。
ティモフェイ
*捨てなしで
匕首咲
* 全て捨てます
ティモフェイ
気合を感じる捨て宣言だな……
匕首咲
絶対にゆるさねぇ……
noname
*4ターン目だっけ……?
匕首咲
たぶんそのくらい
ティモフェイ
ではそんな感じで……
ティモフェイ
かなり終わりが見えてきたな
ティモフェイ
終わらされるわこれ
匕首咲
殺意が伝わる
ティモフェイ
*c3 c8 (h6)
匕首咲
* c2 h8 cQ
匕首咲
g
ティモフェイ
新しいカードが……
匕首咲
グローバー
ティモフェイ
降り注ぐ植木鉢を躱し、破片を振り落としながら、
ティモフェイ
不思議なものを見るような目を咲に向けている。
匕首咲
一通り周囲にあるものを投げてしまい、ぜいぜいと肩で息をする。
匕首咲
どうやったらこの人情緒が終わるんだ……?
ティモフェイ
反省してます。
ティモフェイ
もうちょっと情緒終わってる雰囲気を出すべきだったな。
匕首咲
むしろ終わっているのはこっちな気がするぞ……
ティモフェイ
なんかこっちから言うか……
ティモフェイ
「……あー」
ティモフェイ
「まあ」
ティモフェイ
「…………」
ティモフェイ
砂埃の中に立ち。
ティモフェイ
もはや温室の外とも内とも大差なくなった砂塵の中で、
ティモフェイ
「……助ける側、としては」
ティモフェイ
まるで自分がそうであるかのように語るが。
ティモフェイ
「期待のある方が、それなりには、…………」
ティモフェイ
「…………」
ティモフェイ
「……やりがいがある……?」
ティモフェイ
えっなんだこれフォローなのか? これはPLの発言です。
匕首咲
「なんで疑問形なんだよ……」
ティモフェイ
「…………」
ティモフェイ
「やりがいの話をしても……」
ティモフェイ
「仕方ないなと思った」
ティモフェイ
してるんだけど……
匕首咲
「……過ぎたことはいいんだ。
あたしは救われなかった。それだけだ」
ティモフェイ
「…………」
匕首咲
「でも、そんなもしもの話をされたら」
匕首咲
「少しくらい、悲しくもなる」
ティモフェイ
黙り込んだ。
ティモフェイ
ただでさえ辛気臭い顔に、
ティモフェイ
陰鬱げに眉が寄る。
ティモフェイ
救えなかったもののことを、思う。
匕首咲
もしもの事を考える。
アーユスに犯されず、映鏡がさっそうと助けに来てくれたこと。そうしたら、子宮を切除することもなかった。
匕首咲
女のままでいられた。
匕首咲
でも、そうはならなかった。
だから、この話はそこで終わり。
ティモフェイ
終わったはずの話を蒸し返した男が、あなたの目の前にいる。
ティモフェイ
「……”もしも”を」
ティモフェイ
「どうにか覆しうるものかね」
ティモフェイ
「この儀式の果てにたどり着ける、奇跡とやらは」
匕首咲
「無理だろうね」
匕首咲
「過去は変えられない。
奇跡で変えられたとして、記憶を変えられたとしても、あたしはそれでハッピーエンドになるとは思わない」
ティモフェイ
「……ああ」
匕首咲
「変えるなら、これから先しかない」
ティモフェイ
「変えたい未来が?」
匕首咲
「あるかもしれないし、ないかもしれないね」
匕首咲
「あんたはどうなの?変えたい未来はある?」
ティモフェイ
「いや」
ティモフェイ
「過去のほうが、望ましい」
ティモフェイ
「変えられるならの話になるが」
ティモフェイ
それをあまり信じていないような口ぶりで。
匕首咲
「ちゃんと変えられると思ってる?」
ティモフェイ
首を振る。
ティモフェイ
「……だから」
ティモフェイ
「選ぶなら、次善になるだろうな」
匕首咲
「ふーん」

飽きた、という顔で背を向ける。

「つまんない男」
ティモフェイ
同じことを言われたな、と思った。
ティモフェイ
うーん。
ティモフェイ
まあ、
ティモフェイ
ここで言い返さなくても、トイトロールに知られることはないか。
匕首咲
言い返さなくても怒られないから言い返さない男
ティモフェイ
咲の言葉への反論はなかった。
ティモフェイ
別に自分は認めているからな……。
ティモフェイ
アピール……しますか?
匕首咲
してたつもりになってた!!
匕首咲
します
ティモフェイ
まだ決まってなかったんですよ~
匕首咲
* c2で距離を測る、cQでアピール
ティモフェイ
誘い受けありません どうぞ
匕首咲
2D6+2+1
DiceBot : (2D6+2+1) > 7[3,4]+2+1 > 10
匕首咲
はい
ティモフェイ
はい。
[ ティモフェイ ] 情緒 : 4 → 5
ティモフェイ
俺の情緒が爆発してたらしいです。
匕首咲
どうやらそうらしいですね
匕首咲
女子供に情緒が爆発する男の実績解除おめでとうございます。
ティモフェイ
おかしいなあ、って言いたいんだけど、なんか全然おかしくない気がしてきてます。
匕首咲
男子校から出てはいけない……森にお帰り……
ティモフェイ
キューンキューン……
ティモフェイ
眉を寄せた。
ティモフェイ
つまらない男と言われることに今更心は揺れず、
ティモフェイ
むしろだから
ティモフェイ
ああ、
ティモフェイ
「正しいな」
ティモフェイ
そう。
ティモフェイ
そのように認めることが、自分には相応しいのだと。
ティモフェイ
そう思いながら生きている。
匕首咲
少し歩いて、手頃な場所にあった植木鉢を適当な方向に蹴飛ばしている。
匕首咲
「自覚あるなら、まだマシかもね」
ティモフェイ
「いや」
ティモフェイ
首を振る。
ティモフェイ
「自覚があってこうだから、なお悪い」
ティモフェイ
踵を返した。
ティモフェイ
砕けた植木鉢を踏み割りながら、温室の扉に手をかける。
匕首咲
「褒めたんだろ?
素直に受け取れよ自己評価最低男」
匕首咲
立ち去ろうとするのを止めはしない。
桟敷川映鏡
扉を開ければ先ほどまで話題に上がっていた男がいる。
ティモフェイ
おや、と目を瞬いた。
ティモフェイ
「…………」
ティモフェイ
「悪い」
ティモフェイ
何故か謝った。
桟敷川映鏡
「よく会いますね」
桟敷川映鏡
謝られれば目を細めた。
ティモフェイ
ちら、と自分の背後の咲に視線をやり、
桟敷川映鏡
「……何か?」
ティモフェイ
「機嫌を損ねた」
ティモフェイ
「多少、苦労するかもしれない」
ティモフェイ
その隣をすり抜ける。
匕首咲
ティモフェイが開いた扉の向こうに、青いマントが見える。少しだけ、あーあ、と思った。
桟敷川映鏡
やや不機嫌そうに眉根を寄せ、すぐに戻した。
桟敷川映鏡
「探しました。まさか温室におられるとは」
匕首咲
割れた植木鉢の破片を踏んで、靴底に伝わる感触を楽しんでいる。
匕首咲
「お前風呂入ってて、暇だったから」
桟敷川映鏡
「それはそれは申し訳ないことをいたしました」
匕首咲
「…………」

ふと気がついて。

「また迎えに来たのか?」
桟敷川映鏡
「ええ」
桟敷川映鏡
温室の入り口をくぐるようにして中に入る。
匕首咲
「お前、あたしがどこか出かける度に迎えに来るつもりか?」
桟敷川映鏡
「貴女が止めない限りはそのつもりです」
匕首咲
「なんで……?」
桟敷川映鏡
「何故と申されましても」
匕首咲
「申されましてもなんだよ!」

蹴る。結構本気目に。
匕首咲
「はぁ……、まぁいいや。帰る」

そう言いながら、温室の出口に向かった。
桟敷川映鏡
蹴られた。
桟敷川映鏡
「……この間から言っているでしょう、何度も」
桟敷川映鏡
砂塵で何も見えない温室を見渡して同じく出口へ足を向ける。
匕首咲
はっきり言えよ、と思ったが、はっきり言われても困るな、とも思ったので、何も言わずに扉を潜った。
匕首咲
荒らされた温室に、足跡だけが残った。