Dead or AliCe
『16人の救世主』

プロローグ Room No.6

GM
在りし日の物語が褪せていく堕落の国で、
GM
いまだ不思議が残された棚井戸。
GM
何もかもがゆっくりと落ちていくその中程に、
GM
落ちることなく宙に留まる館がある。
GM
刺剣の館。
GM
オールドメイドゲームと呼ばれる儀式を執り行うと噂されるその地は、
GM
確かにそこに存在していた。
GM
トイ
『怪人トイトロールの伝説』は堕落の国でも、不明瞭な噂話が知られている。
トイ
ブタのマスクを付けたしゃがれ声のその男は、非情に醜い顔をしており、その素顔を見た者はショック死する――とかなんとか。
トイ
その怪人は、実在していて。
トイ
堕落の国で、1年間ほどたしかに
「トイトロールの顔を見た」ために死んでしまった人々がいる。
トイ
……そして、その伝承の存在に
トイ
『招待状』は届いた。
トイ
・・・・・・館の前。
トイ
「……やっとたどり着けたぜ。」
トイ
「探しまくった甲斐があったってもんだ。
なァ?」
トイ
そういって、男は手に持った鎖をぐいと引く。
ティモフェイ
耳障りな金属音とともに、
トイ
その先には男が繋がれていた。
ティモフェイ
繋がれた男の足が、一歩前に出る。
ティモフェイ
覇気のまったく感じられない顔をうつむけて、
ティモフェイ
お伽噺の登場人物らしい仰々しいトイトロールの外観とは真逆の、冴えない一般人のような薄汚れた姿で。
メイド6
門が開け放たれ、そこにはメイドが一人立っている。
ティモフェイ
乱れた淡い色の金髪だけが、いやにきらきらと眩しかった。
メイド6
「お待ちしておりました、救世主様」
メイド6
恭しく頭を下げる。
ティモフェイ
「…………」
トイ
メイドを見止めると、
メイド6
首輪で引き回すその行動を、一切気にする風はない。
ティモフェイ
虚空に彷徨う青灰の瞳に、瀟洒なメイドの姿をうつしこむ。
トイ
ゴスン!思い切り、鎖の男をメイドの前に蹴り飛ばす。
ティモフェイ
「づ、……ッ!!」
メイド6
ほほ笑みを浮かべたままだ。
トイ
「使用人にご挨拶しな、グズ」
ティモフェイ
無造作に蹴りつけられてもつれるように前に出て、
ティモフェイ
ちら、とトイの姿を窺うがすぐに俯き、
ティモフェイ
荒れた唇をかすかに開いた。
ティモフェイ
「……すまない」
ティモフェイ
「世話を、かける……」
ティモフェイ
トイとは真逆の、
メイド6
「あなたがたの世話をいたしますのが、私の仕事でございます」
ティモフェイ
どこか気品の名残を感じさせる、穏やかな声。
ティモフェイ
唇をかみしめた。
トイ
トイトロールの声は醜く潰れ、しゃがれている。
トイ
地に響くような、不快な声だ。
メイド6
客室6号室のメイドの声は消え入るように囁く声。しかししっかりと耳に届く。
ティモフェイ
トイに促されるままの挨拶は、それで終わる。
メイド6
あるいはまどろみの中、夢の方から語りかけてくる言葉のように。
ティモフェイ
メイドの返答にも表情は冴えぬまま、
ティモフェイ
青灰の瞳が、変わらずさまよう。
トイ
「アハハハ!しんきくせぇしんきくせぇ。」
トイ
「な~ァ、ネエチャン!
ここが『トーナメント』の会場だろ?」
ティモフェイ
倦んだ目でトイを見る。
メイド6
「さようでございます。オールドメイドゲーム。殺し合いのトーナメントでございますね」
メイド6
「ご足労どうもありがとうございます。お荷物を預かりましょう。すぐに部屋へ案内いたします」
メイド6
手を差し出す。
ティモフェイ
ティモフェイはほぼ手ぶらです。
ティモフェイ
腰や太腿のベルトに何か提げているようですが、それだけ。
ティモフェイ
メイドに渡すものもなく、沈んだ表情で首を振りました。
ティモフェイ
「……構わなくていい」
トイ
「おいッッ!!」
トイ
怒鳴り声。
ティモフェイ
トイを振り返る。
トイ
「オレが許可しねえのに口を利くんじゃねえ。
喋れ、っていうまで喋んじゃねえ!」
トイ
「いつになったら覚えるんだよ!!」
ティモフェイ
「…………」
ティモフェイ
「……わる、かった」
トイ
バチン。
トイ
思い切り平手打ち。
ティモフェイ
「っ」
トイ
「だまっとけ」
ティモフェイ
頬を張られて、わずかに眉を寄せ。
ティモフェイ
されど反抗も反駁もなく、
ティモフェイ
ただ恭順を示すように顔を俯く。
トイ
「あっはっは。ははは… あぁ、えーとオレの荷物は…」
トイ
メイドにいろいろな荷物をあずける。
メイド6
細腕だが、難なくそれを丁寧に取り扱う。
メイド6
「それではこちらになります」
メイド6
暴力の一部始終を、当然の光景として受け入れ、館へと歩く。
トイ
メイドのうしろをついて歩く。周囲を威圧するような、威嚇するような横柄な歩き方。
トイ
手に持った鎖を引く。
メイド6
救世主は色々いる。心の疵はたくさんある。それはこの館のメイドでなくとも、末裔ならばよく知ったこと。
ティモフェイ
鎖に引かれるままに、とぼとぼと歩く。
ティモフェイ
足音を殺しているわけでもなく。ただ覇気もなく、淡々と足を動かすのみで。
メイド6
硬い石造りの中庭を抜け、小さな階段を上り、重たい扉を開く。
トイ
…トイトロールの歩く道には、冷気が漂う。
トイ
彼自身の上に、絶え間なく小雪が降っている。
ティモフェイ
その後ろを歩くティモフェイにも、冬の寒風が常に吹きつける。
トイ
石造りの庭、階段。館の中に、雪が降っては跡形もなく溶けて消えていく。
ティモフェイ
頬がこごえる。吐く息が白くのぼっては、すぐに霧散する。
ティモフェイ
それも一瞬だけだ。ティモフェイがトイの後ろを歩く中でだけもたらされる、
メイド6
床は木の板張り。ヘリンボーン柄に組まれて乾いた床は、雪が消える前に黒く染みを作っては消えた。
ティモフェイ
故郷の風を受け、小さく身をふるわした。
メイド6
案内されるのは館向かって右側、階段から2番目の部屋。
メイド6
6号室のプレートが掛けられている。
メイド6
「お部屋はこちらになります」
ティモフェイ
口を開かず、メイドに小さく会釈をする。
トイ
「おお~~~~~~!?
けっこういい部屋じゃん!!」
メイド6
暖炉、シングルベッドが2つ。窓際にテーブルがあり、鏡台がある。明かりは火ではなく電気によるもので、ヒモを引けば点いたり消えたりすることは触ればわかるだろう。
メイド6
「恐縮でございます」
トイ
2人を突き飛ばすようにわけ行って、部屋の中へ飛び込む。
メイド6
頭を下げる。
メイド6
押しのけられ、壁にぶつかる。
メイド6
何事もなかったかのように、そのあとに続く。
ティモフェイ
「…………」
ティモフェイ
メイドになにがしか声をかけようとしたか唇を開いたが、
ティモフェイ
結局、言葉は出なかった。
トイ
ベッドに思いきりダイブ。バタバタとはねて、ゴロリ。
ティモフェイ
メイドよりも後に部屋に入り、
ティモフェイ
その内装を見回してすぐ、
ティモフェイ
「っ」
ティモフェイ
ベッドを認めて息を呑み、身を引きつらせる。
メイド6
「荷物はこちらにおかせていただきますね」
メイド6
渡された荷物を荷物台に置く。
メイド6
部屋にはバスルームに続くドアがある他、黒い窓のようなものが壁に貼り付けられている。
ティモフェイ
ベッドから目をそらして、また俯く。
ティモフェイ
トイのようにくつろぐでもなく、腰を下ろすこともできず、
ティモフェイ
首輪を外すこともせず。
ティモフェイ
ただ木偶のように部屋の入口近く、中途半端なところに突っ立っている。
トイ
「ご案内、サンキュー!!
……アーー…使用人さん?まだ何かあんの?」
メイド6
「お茶をご用意いたしますが、いかがでしょうか」
トイ
「茶ァ?」
トイ
「もっといいもんねえの?」
トイ
「酒とか、メシとか。
こちとら救世主なんだぜ」
ティモフェイ
「…………」
メイド6
「ございます。それでは、すぐにご準備いたしますね」
トイ
「やったーーーーーーーー♪」
トイ
小躍りして喜んでいる。
メイド6
「それと、こちらはこの部屋の鍵となります」
メイド6
テーブルにそれを置く。
ティモフェイ
浮かれるトイトロールに相反して、変わらず沈んだ表情のまま。
ティモフェイ
謝意を示すようにかすかにこうべを垂れた。
メイド6
「他の救世主様もいらっしゃいますので、戸締まりにはお気をつけください」
トイ
「ハハハ。了解了解。」
トイ
「あ」
ティモフェイ
「?」
トイ
「使用人さん、ダイジなことひとつ」
ティモフェイ
トイを見る。
メイド6
「はい、何でございましょう」
トイ
「用があるときは。
ルームサービスだろうがベッドメイキングだろうが…」
トイ
「かならずノックすること。」
トイ
「オレが『入れ』っていうまで、ドアをあけるな」
トイ
「いいな!」
メイド6
「承知いたしました。そのようにいたします」
ティモフェイ
「…………」
メイド6
深々と頭を下げる。
ティモフェイ
ちいさく、息をついた。
ティモフェイ
倦厭の中に、わずかに安堵の気配。
メイド6
「それでは失礼いたします」
メイド6
そうして部屋を去る。
ティモフェイ
その背中を見送る。
トイ
「はぁ」
ティモフェイ
まだ立っている。腰を下ろす気にもならないようだ。
ティモフェイ
あるいはそれにも許可が必要なのか。
トイ
「びくびくびくびく…
気持ちわりぃんだよ………」
ティモフェイ
「…………」
ティモフェイ
澱んだ瞳をトイに向ける。
ティモフェイ
1d6 先制値
DiceBot : (1D6) > 4
トイ
1d6+1
DiceBot : (1D6+1) > 1[1]+1 > 2
ティモフェイ
はい 手札を引きます……
ティモフェイ
1on1で先制取りたかったよ……
ティモフェイ
はあ???????
ティモフェイ
*s5,dQ,hQ 
トイ
*c3、h5、ck
ティモフェイ
無理ですね……
ティモフェイ
パスを……します…………
ティモフェイ
はい。ええと。
ティモフェイ
トイの言葉にティモフェイは視線をそちらに向けたが、
ティモフェイ
特別に何をするでもなく。
ティモフェイ
トイへと注がれるその眼差しの中に、もはや非難のいろはない。
ティモフェイ
ただどこまでも澱み果てた、深い諦念の気配があるだけで。
トイ
「………」
トイ
気まずい… 沈黙…
トイ
*主動作 h5 アピール
*補助動作 c3 距離を測る
人間
ってなるの?駆け引きは違うかな?
人間
あってる!よかった!
人間
okです!
トイ
2d6+3 脅威度判定
DiceBot : (2D6+3) > 4[1,3]+3 > 7
トイ
「は~~~~~~あ…」
トイ
「はぁ………」
[ ティモフェイ ] 情緒 : 0 → 1
トイ
「……つかれた!」
トイ
「つかれたな…」
トイ
「ここ遠かったし……」
ティモフェイ
トイの様子に、静かに眉を寄せた。
トイ
「……おい!!」
トイ
ドスの利いた声で怒鳴りつける。
ティモフェイ
ゆらりと顔を向けて、
ティモフェイ
「……なにか」
トイ
「オレが「つかれた」って言ったら
お前はオレの足をマッサージするんだよ。」
トイ
「なんでそんなことも解んねえんだよ」
トイ
「マジで何ができるの、お前」
ティモフェイ
「…………」
トイ
「察しろよな。」
ティモフェイ
目を伏せた。
トイ
ベッドに倒れ込み、足を投げ出す。
ティモフェイ
のろのろとトイの倒れ込んだベッドへと歩み寄り、
ティモフェイ
その隣に跪く。
ティモフェイ
手を伸ばした。
ティモフェイ
荒れた指を投げ出された脚へと這わせ、
ティモフェイ
慣れない手つきで揉みはじめる。
ティモフェイ
ありていに言って、下手なマッサージだ。
トイ
俯き足をもむティモフェイの顔の方へ手を伸ばし
トイ
首輪に指をかける。
ティモフェイ
わずかに顔を上げる。
ティモフェイ
指をかけられるのにも当然抵抗はないが、すこしだけ眉をひきつらせた。
トイ
「へい」首輪に着いた鎖を外した。
ティモフェイ
「…………」
ティモフェイ
目をまたたく。
ティモフェイ
「……なんのつもりだ」
トイ
「部屋の中だとじゃらじゃら邪魔!なんだっての」
トイ
「部屋の外行くときは自分でつけなおせ。」
トイ
「いいな?」
ティモフェイ
「……わかった」
ティモフェイ
外された鎖を受け取ろうと手を差し出します。
トイ
床にほうりなげる。
トイ
地面を顎で指した。
ティモフェイ
「…………」
ティモフェイ
そちらを向きます。
トイ
「拾え」とばかりに。
ティモフェイ
マッサージの手を止めて、立ちあがる。
ティモフェイ
とぼとぼと足を進めて鎖を拾いあげ、
ティモフェイ
自分に与えられた方のベッド脇に置いた。
ティモフェイ
そして振り返り。
ティモフェイ
「……足は」
ティモフェイ
「もう、十分か」
メイド6
ノックの音。
メイド6
「料理のご準備が出来ました」
トイ
「!」
ティモフェイ
トイに向けていた視線を扉へと。
トイ
ベッドの上で上半身を起こす。
「いいぜ、入りな」
メイド6
「失礼します」
メイド6
布の掛かったカートを押し入れる。
ティモフェイ
身を引いて、壁際でそれを見ている。
メイド6
できたての、まだ湯気の立ち上る料理。肉のたくさん入ったシチューだ。
ティモフェイ
その食事の豪勢ぶりに、むしろ明らかに表情を曇らせた。
メイド6
この堕落の国では、救世主と言えどもなかなかありつけない豪華な食事。
ティモフェイ
トイに暴行を受ける瞬間よりも、理不尽な命令を言いつけられたときよりも、
ティモフェイ
よほど憂鬱げに表情を沈ませる。
トイ
「シチューだ!肉だ!」
メイド6
テーブルにクロスを掛け、それを配膳する。
メイド6
グラスが置かれ、年代物の赤ワインが注がれる。
メイド6
焼きたてのパンにはバターも添えられていた。
メイド6
「それでは、ごゆっくり召し上がりください」
メイド6
「もし救世主様からご用事がある際は、そちらの電話をお使いください」
メイド6
「使用人室に直通となっております」
トイ
「了解了解!」待ちきれないという風にガタゴトと、テーブルに飛び込むようにすわる。
メイド6
「それでは、失礼いたします」
メイド6
頭を深々と下げ、退室する。
ティモフェイ
電話に目を向け、メイドを見送り。
ティモフェイ
テーブルについたトイトロールとは真逆にやはり依然動かず、
ティモフェイ
「……きみが食べるのだろう」
ティモフェイ
「俺のぶんも」
ティモフェイ
「好きにしろ」
ティモフェイ
はい。
ティモフェイ
パスで………………………
トイ
「…………」
トイ
きまずい…食事…
ティモフェイ
なにがしか反論か罵倒でもあると思ったのか、トイを見るが。
トイ
「………」
トイ
マスクを少し持ち上げ、隙間に差し込むように肉を食べる。
トイ
「‥‥!うまい!」
トイ
「めっちゃうまい!」
ティモフェイ
「…………」
トイ
「おい!うまいって!これ!
トイ
食べてみろ!」
ティモフェイ
「は」
ティモフェイ
トイを見ます。
トイ
シチューをすくってスプーンをティモフェイの方へ差し出す。
ティモフェイ
「…………」
ティモフェイ
「…………?」
トイ
それは、脊髄反射的に。特に何も考えていない行動だ。
ティモフェイ
首を傾げます。
ティモフェイ
「……きみは」
ティモフェイ
「この何もかもの不足した堕落の国で」
ティモフェイ
「わざわざ自分に与えられた食事を俺に与えることの」
ティモフェイ
「その、意味を理解しているのか」
ティモフェイ
存外淡々と言い募ります。
トイ
バチン!
トイ
平手打ち。
ティモフェイ
「…………」
トイ
「うるせえ。
オレが食えっつったら食うんだよ。」
ティモフェイ
「…………」
ティモフェイ
ため息をついた。
トイ
*補助動作 ha 一押し
トイ
2d6+3>7
DiceBot : (2D6+3>7) > 11[6,5]+3 > 14 > 成功
トイ
(あっ確定…!!しつれいしました!) 
[ ティモフェイ ] 情緒 : 1 → 2
[ トイ ] 情緒 : 0 → 1
ティモフェイ
「……後悔するぞ」
ティモフェイ
渋々と口を開く。
トイ
スプーンを押し込む。
ティモフェイ
もご。
ティモフェイ
押し込まれました。
ティモフェイ
渋面のままに口を動かしている。
ティモフェイ
「…………」
ティモフェイ
ちら、とトイを見て
ティモフェイ
「感想は」
ティモフェイ
「求められているか」
トイ
「いってみな」
ティモフェイ
「…………」
ティモフェイ
「……この世界で摂った中では」
ティモフェイ
「質の話をすれば、一番に上等だろう」
ティモフェイ
「…………」
ティモフェイ
「……俺には過ぎたものだ」
トイ
「それは違う。
なぜなら――」
トイ
「オレたちはこのトーナメントで優勝して、お前は唯一無二の本物の『救世主』になるんだからよ」
ティモフェイ
「…………」頬が引きつる。
ティモフェイ
「……世迷言だ」
ティモフェイ
「趣味が悪い……」
トイ
拳を握り
トイ
思い切り頭を殴りつける。
トイ
ゴキン!
ティモフェイ
殴りつけられて、
ティモフェイ
頭の皮膚の表面が切れる。
ティモフェイ
だらと血が垂れ落ちて、上等なテーブルクロスを汚す。
ティモフェイ
それを澱んだ目で見下ろしながら。
ティモフェイ
「……ただでさえ、一月に一人」
ティモフェイ
「なにがしかの生贄を捧げているというのに」
ティモフェイ
「それを加速させる意味が、どこにある……」
トイ
言葉を遮るようにティモフェイの髪を掴み上げ、顔をあげさせる。
ティモフェイ
ぽたぽたと血を滴らせながら、力なくこぼす。
ティモフェイ
顔があがる。
トイ
「てめー殺すぞ」
ティモフェイ
「…………」
ティモフェイ
怯えるよりも、
ティモフェイ
むしろどこかそれを望むように、瞳はトイを見返した。
トイ
*da 捨て
ティモフェイ
捨てません。
ティモフェイ
「きみが望むなら」
ティモフェイ
「そのようにするのが良いだろう」
ティモフェイ
「……勝ち上がる気があるのならば、他の者と組んだほうが良い」
ティモフェイ
「……俺には」
ティモフェイ
「救世主たる資格など、ありはしないのだから」
ティモフェイ
*アピール>トイ s5使用
ティモフェイ

DiceBot : (2D6+3>=7) > 5[2,3]+3 > 8 > 成功
 
トイ
*補助動作 ck 誘い受け
ティモフェイ
上のなしなのでなかったことにします 
ティモフェイ
失礼
トイ
2d6+3>7
DiceBot : (2D6+3>7) > 12[6,6]+3 > 15 > 成功
ティモフェイ
振り直しますね……
メイド6
6 はっと我にかえった奴がいる。ランダムな対象1人の情緒-1。
トイ
choice[トイ、ティモフェイ]
ティモフェイ
間違ってますね~~~!!
トイ
ズコーッ
ティモフェイ
もうだめ 俺には決定権がない
トイ
1d6
DiceBot : (1D6) > 4
メイド6
4 何気ない所作にドキッ!ランダムな対象1人の情緒+1。
トイ
Choice[トイ,ティモフェイ]
DiceBot : (CHOICE[トイ,ティモフェイ]) > ティモフェイ
ティモフェイ
はい……………
トイ
『救世主たる資格など、ありはしないのだから』…ティモフェイの言葉。
トイ
肩をいからせる。
ティモフェイ
2d6+3>=15 誘い受けで要求値が変わるので振り直しです……
DiceBot : (2D6+3>=15) > 10[5,5]+3 > 13 > 失敗
トイ
怒りに身を任せるように、ティモフェイの髪を掴んだまま床にたたきつけ、
トイ
もちあげ、
トイ
またたたきつける。
ティモフェイ
1d6 ハプニング表
DiceBot : (1D6) > 1
メイド6
1 情緒が入り乱れる!全員1D6を振り、その値を情緒とする。上限を超えた場合は〔上限-1〕とする。
ティモフェイ
「…………ッ」
ティモフェイ
なすがままに。
ティモフェイ
髪を掴まれ引き寄せられ、頭蓋が床に叩き付けられる硬い音が響く。
ティモフェイ
それでもこの部屋のカーペットは上等だからまだましな方で、
トイ
「死ね!」
トイ
「死ね!」
ティモフェイ
繰り返し叩き付けられるごとに脳が揺れて、
トイ
「死んじまえ!」
トイ
「てめーみてーなヤツはなぁ!!」
トイ
繰り返し繰り返し…
ティモフェイ
切れた皮膚から流れた血が、その上等なカーペットを汚していくのを見ている。
ティモフェイ
抵抗はない。
ティモフェイ
ただだらりと下がった腕が、
ティモフェイ
その指先がびくりと引きつっては、
ティモフェイ
拳が握られ、それが解かれて。
トイ
返り血が飛ぶ。
トイ
その返り血が、トイとロールの冷気にからめとられ
トイ
すぐさま凍結して、血の雪がふる。
ティモフェイ
血の雪が散るそのさまを、ティモフェイは見ていない。
ティモフェイ
ただ照明にきらきらと光る金髪に赤い化粧をほどこされ、
ティモフェイ
それもすぐさま溶けて、ただの血液となって髪を汚すばかりで。
ティモフェイ
がり、と、
ティモフェイ
指先がカーペットを掻いた。
トイ
たちあがり、足の先で小突く。
ティモフェイ
小突かれて頭が振れた。
トイ
足をそのまま差し入れ、
仰向けになるように、ひっくり返す。
ティモフェイ
ごろりと転がされ、
ティモフェイ
ぼんやりとその姿を見上げる。
ティモフェイ
降りしきる雪の、血の混じらぬ白さを見る。
ティモフェイ
繰り返し、
トイ
悪趣味なマスクがティモフェイを見下ろしていた。
トイ
その表情の読み取れない。
トイ
いま何を考えているのか、
トイ
何を感じているのかも。
ティモフェイ
繰り返し見てきた故郷の光景と、その雪ばかりはよく似ていた。
ティモフェイ
けれど郷愁の念を思い起こさせるにはそのマスクがあまりにも邪魔だ。
ティモフェイ
本来なら。
ティモフェイ
本来であれば、
ティモフェイ
むしろそのさまにこそ、自分はあの街のことを思い起こさねばならぬのに。
ティモフェイ
自分が滅ぼしたあの街を。
ティモフェイ
1d6 ハプニング表による情緒の数値変更
DiceBot : (1D6) > 3
トイ
1D6
トイ
ふれてない!
トイ
1D6
DiceBot : (1D6) > 3
トイ
オ!
ティモフェイ
ここからアピール失敗で4ですね。
ティモフェイ
終わったわ。
[ トイ ] 情緒 : 1 → 3
[ ティモフェイ ] 情緒 : 2 → 3
[ ティモフェイ ] 情緒 : 3 → 4
トイ
「…」
トイ
トイはいきおいよくベッドに倒れ込む。
トイ
あきれたとか、つかれたとか、
トイ
虚無いとか。
ティモフェイ
仰向けになったまま、ゆっくりと顔だけそちらに向けた。
トイ
自分もまた、
トイ
仰向けになって自分に向かって降る雪をながめる。
ティモフェイ
重たげに身体をずるりと起こし、
トイ
「おい」
ティモフェイ
ベッドに横たわるトイを見る。
ティモフェイ
「……なんだ」
トイ
地に響くような、しゃがれ声
トイ
「来るんだよ」
ティモフェイ
柔らかく響く、穏やかな声。
ティモフェイ
「…………」
ティモフェイ
まわらない頭ですこしだけ考えて、
ティモフェイ
思い当たったように、目を見開く。
トイ
「オレが『やれ』っつったら」
トイ
「お前はサルのように腰をふってオレを抱くんだよ」
ティモフェイ
「…………っ」
ティモフェイ
「それ」
ティモフェイ
「は」
ティモフェイ
倒れた身体を起こしたそのままの姿勢で固まって、
ティモフェイ
冷たい風に凍えたように、全身をぶるりと震わせた。
ティモフェイ
手のひらで顔を覆って、俯く。
ティモフェイ
「それは」
ティモフェイ
掠れた声。
ティモフェイ
「それ、だけは」
ティモフェイ
「それは……ッ」
ティモフェイ
ひゅ、と喉が空虚に鳴って、
ティモフェイ
「きみが!」
ティモフェイ
顔を上げて、叫ぶ。
ティモフェイ
「きみが、俺に乗る」
ティモフェイ
「あちらの方が」
ティモフェイ
「あちらの方が、ずっとましだ!」
トイ
*主動作 sq アピール
トイ
2d6+3>7
DiceBot : (2D6+3>7) > 9[3,6]+3 > 12 > 成功
[ ティモフェイ ] 情緒 : 4 → 5
ティモフェイ
爆発します。
メイド6
ティモフェイ様は爆発しました。
ティモフェイ
しています。
ティモフェイ
「……ッ」
ティモフェイ
また俯いて、
ティモフェイ
「許してくれ」
トイ
「アッハッハッハ」
ティモフェイ
「あれは」
トイ
「アーーハッハッハッハ」
ティモフェイ
「あれは、無理だ」
ティモフェイ
「無理なんだ」
ティモフェイ
膝が震えて、
トイ
ティモフェイの様子を見て笑い転げている。
ティモフェイ
くずおれて床につき、
メイド6
ちなみに敗者は勝者から寵愛を獲得します。デスゲームでは使えませんが。
ティモフェイ
「頼む」
メイド6
トイの寵愛を。
ティモフェイ
「なにを」
ティモフェイ
「なにをしても、構わない、から」
ティモフェイ
「それ、だけは――」
ティモフェイ
嗚咽のような声に語尾がかすれる。
トイ
ティモフェイがいくら懇願しようと、嗚咽交じりになろうと。
トイ
覆らない。
トイ
なんにも。
トイ
言いつけられたことは、行われる。
ティモフェイ
トイトロールはティモフェイを許さない。 
ティモフェイ
そのあやまちを。
ティモフェイ
生き方を。
ティモフェイ
存在そのものを、決して許しはしない。
トイ
つまるところなんというか――
トイ
トイトロールは、ティモフェイへの『罰』そのもののようなのだ。
トイ
ティモフェイにとっての不都合。
トイ
ティモフェイにとっての不快。
トイ
そのかたまり。
トイ
彼が救えなかった故郷の冬の寒さを降らし、
トイ
彼がおそれた世界の汚れを見せつける。
ティモフェイ
長く長く、
ティモフェイ
頭を垂れ、床に這いつくばって。
ティモフェイ
許しを乞い続ける声が、ようやっと止まる。
ティモフェイ
それからティモフェイが身を起こすまでも、暫しの時間を要した。
ティモフェイ
されど結末は変わらない。
ティモフェイ
ひどく重たげに、ひどくひどく重たげに背を起こして、
ティモフェイ
今までで一番に重い足取りで、
ティモフェイ
トイの横たわるベッドへと歩み寄る。
ティモフェイ
柔らかなベッドに膝を沈め。
ティモフェイ
全身を震わせながら、
ティモフェイ
トイの身体の上へと跨り。
ティモフェイ
諦めたようにただ身を寄せた。
メイド6