Dead or AliCe
『16人の救世主』

プロローグ Room No.5

GM
在りし日の物語が褪せていく堕落の国で、
GM
いまだ不思議が残された棚井戸。
GM
何もかもがゆっくりと落ちていくその中程に、
GM
落ちることなく宙に留まる館がある。
GM
刺剣の館。
GM
オールドメイドゲームと呼ばれる儀式を執り行うと噂されるその地は、
GM
確かにそこに存在していた。
GM
GM
2ヶ月ほど前。
GM
アレクシアは公爵家より、オールドメイドゲームの噂を聞きつけた。
GM
公爵家の持つ資料、情報網によると、その伝説は本当に、実際に執り行われたものとして記録されている。
GM
現に前回の儀式を観戦したものもいる。
GM
二人は十分な情報収集と準備をした後に、棚井戸に挑んだ。
GM
刺剣の館への物理的なアプローチは、棚井戸の中層まで登った後、
GM
身投げをするように中空に身をあずけるよりない。
GM
棚井戸に残存する不思議が、あなたがたの落下を緩やかに抱き留めながら、
GM
あなたがたをその地にいざなった。 
GM
GM
刺剣の館。
GM
あなた方が舞い降りたのは、その中庭だ。
GM
その館は古びていた。
GM
手入れはまったくされていないわけではないが、行き届いてはいない。
アレクシア
「生身で身投げじみたことをするのは初めてだったね」
GM
吹き付ける風や砂塵に汚れる方が早いのだろう。情報に残されていたような、豊かな館であるという言葉と一致しない。
GM
石畳の目に砂が積もり、足跡を残す。
GM
窓は一様に暗い。
GM
灯は一つとして無く、あるいは廃墟に見紛うかもしれない。
シャルル=ベルジール
「おや。では抱き留められた経験も?」
シャルル・ベルジール
「私はゆっくり落ちる、というのが気持ち悪くてなりませんよ。」
アレクシア
「いや。蒸気翼を背負って飛んだことはある」
GM
しかし、砂塵に埋没していないということ事態が、一応はこの館は、手入れされていることの証左ではあった。
アレクシア
「そのとき抱き留めてくれたのは油染みたおっさんだったがね」
シャルル・ベルジール
「それはそれは、ロマンチックですね。」
アレクシア
「ロマンも何も」
アレクシア
「仕事だよ。まあ、楽しい経験だ」
アレクシア
「お前はそんなに女性を抱き留めた経験が?」
シャルル・ベルジール
「ご想像におまかせします。」
アレクシア
「左様で……」
アレクシア
「まあ、お前の女性経験がどうでも構わんけれども」
アレクシア
「ロマンを口にするなら、まあ、もう少し何かね、あるだろうよ」
アレクシア
「……いや、ないか。ないな」
シャルル・ベルジール
「アナタのその大変慎ましいところ、好ましいですよ。」
アレクシア
「わたしの美徳だ」
シャルル・ベルジール
「ところで……」
シャルル・ベルジール
獣の足を模した金属の足が石畳の上の砂をこねる。 
シャルル・ベルジール
「『歓迎』のひとつやふたつ覚悟していたのですが……静かなものですね。」
GM
ふいに、正面の館の扉が開く。
メイド5
「お待ちしておりました、救世主様」
メイド5
白兎の末裔たるメイドだ。仮面をつけ、剣を携えている。
アレクシア
「おや、ごきげんよう」
メイド5
深く礼をする。
メイド5
恭しくも控えめに丁寧な礼。
シャルル・ベルジール
にこりと笑って会釈をする。
シャルル・ベルジール
担いだライフルの革ベルトを握る左手に力がはいり、きゅうと小さく音を立てた。
メイド5
その得物にはまるで動じない。
メイド5
「あなた方はご存じでしょうか。ここは刺剣の館。オールドメイドゲームを執り行う儀式の場でございます、が……お客様に立ち話をさせるわけにはいきません」 
メイド5
「どうぞ、こちらへ」
メイド5
館へ招き入れる。
アレクシア
「シャルル」 隣の男を呼ぶ。
アレクシア
「行こう」
シャルル・ベルジール
「仰せのままに、エルレンマイヤー卿。」 
アレクシア
「ふふ。おいで、ベルジール」 先んじて歩き出す。
シャルル・ベルジール
左手を離してお手上げのポーズ。
足元の荷物を持って後を追う。
メイド5
館の中は外よりはずっと綺麗ですが、隙間から入り込む砂埃を拭いきることは難しいのでしょう。灯もなく、蝋燭を持って暗がりを進みます。
アレクシア
さして砂塵を気にすることもない。この国ではどこも似たようなもの。
アレクシア
油と蒸気が砂埃になったところで、なんということもない。
メイド5
「お荷物をお持ちすることが適わず大変申し訳ありません。こちら階段となっておりますので、足下のご注意くださいませ」
シャルル・ベルジール
対してこちらは死活問題だ。
手足の隙間に砂粒が侵食すれば、動きは鈍る。
シャルル・ベルジール
対策をとっているとはいえ、過ごしやすくはない。
メイド5
軋む階段を上り、通されたのは客室。
メイド5
しかしその客室だけは一目でわかる。まったく綺麗に、清掃が行き届いている。
メイド5
メイドは設置されていた蝋燭に灯を点し、二人をテーブルの椅子に招く。
メイド5
同じ板張りでも、ちゃんと乾いた板を踏んだときの軽い音がする。
メイド5
敷物の毛足は柔らかく、壁紙の模様はプリントがはっきりと見える。
アレクシア
「……この部屋だけはずいぶん手入れされているようだね」
メイド5
白は白く、黒は黒く、真鍮は真鍮の色をしていた。
シャルル・ベルジール
「本当に。……これだけのものがよく無事に存在していますね。」
メイド5
「私は、客室5号室のお客様に仕えるメイドでございます。何にしても、この部屋を保つことが第一のお仕事でございますから」
アレクシア
「仕える。……ふむ」
アレクシア
「それは厄介な」
メイド5
ふ、と笑みを作る。
アレクシア
「救世主なんぞ、ピンキリだからな。とんでもないのもいるだろ」
メイド5
「それは使用人のあずかり知らぬ事ですから」
メイド5
あなたがたはオールドメイドゲームのことを知っている。そこで成されていることも、その結果、何が齎されるかも。
シャルル・ベルジール
「5号室……というのは、私たちの部屋でしょうか。」
メイド5
しかし記録において、その奇跡の力が堕落の国に何かをもたらした、ということは記されていなかった。付記された報告によると、奇跡の力を得て、元の世界に帰った者が大半なのでは、とのことだった。
メイド5
「オールドメイドゲームについて、ご存じのようですね。大変嬉しゅうございます」
メイド5
「お茶を持って参りましょう。しばらくお待ちくださいませ」
メイド5
そうしてその場を去る。
アレクシア
「茶が出るのか……」
アレクシア
「すごいな?」 シャルルを見遣る。
シャルル・ベルジール
「あはは、あとから請求書を突き付けられたらと思うと今から怖いですよ。」 
アレクシア
「まあ、ゲームの質を考えると……高く付きそうだな。かなり」
シャルル・ベルジール
「敗者に押し付けちゃいましょうか。」
アレクシア
「そのために来てるからな」
メイド5
すぐに戻ってくる。トレイにティーセットを載せている。
メイド5
ちゃんとしたお茶だ。
アレクシア
「本当にすごいな。シュガーポットがついてくるとは思わなんだ」
メイド5
微笑む。
シャルル・ベルジール
「香りも良いですね。手元になくてもわかるほどに。」
メイド5
「とっておきのをご用意させていただきました」
メイド5
「さて。……オールドメイドゲーム。救世主が集まり、殺し合う儀式」
メイド5
「以前が開かれたのはおおよそ20年ほど前」
メイド5
「前回の勝者は、この客室5号室を利用された救世主でございました」
メイド5
「ちょうどあなたがたがそうしているとおり、彼らもお茶を飲んでいました」
メイド5
「そうして儀式が完成して以来、私は再びの儀式発動を待っていました」
メイド5
「あなたがたがここへやってくるのを、お待ちしておりました」
アレクシア
「20年も?」
シャルル・ベルジール
「まあ、救世主なんてついたとたんにじゃんじゃか死にますからね。ここを見つけてたどり着くのは稀なんでしょう。」
アレクシア
「違う、馬鹿。彼女は「待っていた」と言ったんだぞ」
アレクシア
「控えめに見てもお前と似たりよったりの年だろ」
メイド5
「さようでございます。しかしながら、ここは刺剣の館。棚井戸の中程で、落下を永遠にし続ける館」
シャルル・ベルジール
「……だ、そうですよ。今更驚くことでもないでしょう。」
アレクシア
「……左様で」
シャルル・ベルジール
「あ、でもこれは気になりますね。」
シャルル・ベルジール
「アナタ、死なないんですか?」
メイド5
「そうですね……」
メイド5
「仮にあなた方が儀式を発動し、そして敗北なさった暁には、私はこの役目をまた別のメイドに引き継ぐこととなるでしょう」
メイド5
「代々、この館は勝利した客室のメイドが引き継ぐこととなります」
アレクシア
「そうでないメイドは?」
メイド5
「多くは死にます」
アレクシア
「おやおや……」
アレクシア
「それは驚きだ」
シャルル・ベルジール
「担当闘士の実力でメイドの質は決まらないでしょうに。非合理的ですね。」
メイド5
「いえ」
メイド5
「勝つも負けるも、いずれも名誉あることなのです」
メイド5
「あるいはその不合理こそが、儀式というものの本質とも言えるでしょう」
アレクシア
「名誉」
アレクシア
「はぁん……」
シャルル・ベルジール
「(だが……消極的な救世主の起爆剤の一つにはなる、か。)」
メイド5
「最後に一人のメイドが残される。それが、オールドメイドゲームと名付けられた理由です」
シャルル・ベルジール
「アレクシア。」
アレクシア
「なんだ」
シャルル・ベルジール
「最後のメイドに祝福される栄誉は、アナタにこそ相応しい。」
シャルル・ベルジール
「頑張りましょうね。」
アレクシア
「お前、馬鹿にしてるのか?」
アレクシア
「何も死にに来たわけじゃない」
アレクシア
「お前こそ頑張れ」
シャルル・ベルジール
「はぁい。」
アレクシア
「…………」
シャルル・ベルジール
にこにこしている。
アレクシア
「よろしい返事だ」
メイド5
「もし勝利すれば、救世主はおおよそ全ての願いを叶えることが出来るでしょう」
メイド5
「ここは、一つのゴミ箱のような場所」
メイド5
「朝目を覚まし、中庭に参りますと、6ペンスコインが落ちているのです」
メイド5
「それは役目を果たせず、誰の手にも行き渡ることのなくなったコイン」
メイド5
「そうしたコインがここに、落ちてくるのです」
メイド5
「そうして溜まったコインは、今この世界で機能しているコインの枚数よりも、ずっと多い」
シャルル・ベルジール
「(あー。やっぱりじゃんじゃか死んでるんだな。)」 
メイド5
「その全てを一挙に焼却し、奇跡を取り出すのがこのオールドメイドゲームなのです」
シャルル・ベルジール
「もっともらしい理由ですね。」
アレクシア
「実際に奇跡とやらが起きるなら、まあ、構わんだろ」
メイド5
「私の仕えた救世主は膨大な力を得た後、もとの世界に帰って行きました」
メイド5
「彼は私に言っていました。満面の笑みで、『世界を滅ぼしてくる』と」
アレクシア
「豪気な話だ」
シャルル・ベルジール
「それは朗報ですね。」
アレクシア
「本当に帰れたと思うか?ここから消えただけでなく?」
シャルル・ベルジール
「それは帰ってみないとわかりませんね。」
アレクシア
「また可能性に賭けて身投げか。悪くない」
シャルル・ベルジール
「この世界において、証拠は何の役にも立ちませんしね。」
メイド5
「仰るとおり、私からも何か証拠のようなものを差し上げることは適いません」
メイド5
「外の世界のことは、私にはわからないのです。私にわかるのは、この館のことだけ」
メイド5
「こうして客室を保つことくらいしか、できることはないのです」
シャルル・ベルジール
「…………。」
アレクシア
「まあ、それでいいんじゃないか」
アレクシア
「仕事は仕事だ。それを果たすのは良い」
シャルル・ベルジール
「外に出てもろくなことありませんしね。」
アレクシア
「どうせ死ぬなら、無為よりは良かろうよ」
メイド5
「ふふ」
シャルル��ベルジール
「此処にいても同じでしょうけど……」
メイド5
「くしくも我々メイドも、同じような気分でございます」
シャルル・ベルジール
「少なくとも、生活には困らなそうですし。」 
メイド5
「儀式の発動に積極的で、大変嬉しゅう思います」
メイド5
「大したことはございません。適うことならば、すぐにでも初めてしまいましょうか」
シャルル・ベルジール
「どうされますか、アレクシア。」
アレクシア
かちん、と軽い音でカップを置く。
アレクシア
「良いだろう。ここで茶を飲み続けても仕方ない」
メイド5
「かしこまりました。それでは、しばらくお待ちくださいませ」
メイド5
「ああ、そうそう。失礼なことを申し上げますが、お二方、どちらか一方でも、字はお書きでしょうか」
アレクシア
「ん?……まあ」
シャルル・ベルジール
「ええ。此方の共通言語は一通り。」
メイド5
「どうもありがとうございます」
メイド5
深く頭を下げ、その場を去る。
メイド5
しばらくして。
メイド5
トレイに乗せて運び込まれるのは、7通の封筒と便せん、封蝋に蝋燭、スプーン。
メイド5
「こちらの7通の封筒に、あなた様の署名と封をしていただきたいのです」
メイド5
「こちらは、これから来る7人のメイドに送る手紙でございます」
シャルル・ベルジール
「では、エルレンマイヤー卿。」 
アレクシア
「よろしい」
アレクシア
ペンが紙の上を滑る。
アレクシア
Lord Erlenmeyer, Alexia.
アレクシア
さらさらと黒いインクで綴られる。
シャルル・ベルジール
蝋燭に火を灯す。指先に熱は感じない。
アレクシア
書いた端からシャルルに渡していく。
シャルル・ベルジール
渡された封筒にぽたりぽたりと蝋を落とし、封をする。
メイド5
目を細めて、それらを見ている。
メイド5
そうして署名され、閉じられたものを、かつての自分も受け取ったのだ。
アレクシア
七通。書き終わって、ペンを置く。
メイド5
蝋印はスペードの模様。封蝋は赤く、まるで血に濡れた剣の印だった。
シャルル・ベルジール
「何やら……死出の旅へ導くようで少し気が引けますね。」
メイド5
「どうもありがとうございます」
メイド5
「それでは、しばらく窮屈なお思いをさせるかもしれませんが、この館でお寛ぎください」
メイド5
「お時間になりましたら、食事をご用意いたします」
メイド5
儀式の発動は、静かなものだった。
メイド5
メイドがそうしてその場を去ると、しばらくして、門が自ずと開き、
メイド5
白兎の末裔が一人、また一人とやってくる。手に招待状を持ち。
メイド5
いずれもそこかしこで見るような、ありふれた装いの村娘。
メイド5
彼女らもまたメイド服を纏い、仮面を被り、剣を携え。
メイド5
それぞれが就く居室と、館を調える。
メイド5
館には彩りが取り戻され、あなたがたは噂に聞く刺剣の館を見ることになる。
メイド5
アレクシア
かけひきに先駆けてシーン表振ります
アレクシア
1d12
DiceBot : (1D12) > 1
メイド2
メイドがそこかしこを掃除しています。
メイド2
「ごめんなさいね~通りますよ~通りますよ~」
メイド2
バケツにモップを持ってあなたがたの横を通っていく。
メイド2
メイドが8人揃って、せわしなく掃除が行われている館を、あなたがたは散策している。
メイド1
「ちょっと水をこぼしすぎですよ」
メイド5
救世主の2人に通りがかったメイド5が話しかける。
メイド5
「この奥は礼拝堂になりますね。あなたがたのお眼鏡に適う者があるかわかりませんが」
アレクシア
「神はどこにでもいるものだな」
メイド5
「私には何がなんだかわかりませんけどね」
アレクシア
「奇遇だな。わたしもよくわからない」
アレクシア
「わたしたちは自分の手仕事の方を愛している」
メイド5
「私はあなた様のお世話が至上の悦びでございますよ」
シャルル・ベルジール
「控えめさんですね。」
アレクシア
「愛い愛い」
メイド5
「まあ、観光気分でごらんになられてもよいかと」
メイド5
「ちょうど2人がけのベンチが一つございますよ」
シャルル・ベルジール
「お座りになりますか?」
アレクシア
「ともに?」 かろがろと笑う。
メイド5
「あとは、建物の構造図を見ますに、地下に続く通路も隠されているようですが」 
メイド5
「あるいはお宝とかあるかもしれませんね」
シャルル・ベルジール
「地下室も、ですか。何に使われていたんでしょうね。」 
メイド5
「とはいえ、いざというときに逃げるためのもののようですが」
メイド5
「それはこの館がこの館になる前のものかと存じます」
シャルル・ベルジール
「アレクシア、ご興味は?」
アレクシア
「なくはない。この館で茶会をすることになるのだし」
アレクシア
「今はまだ他の救世主もいない」
アレクシア
「この国でこれほどのんびりしていられるのは最後だろうな」
シャルル・ベルジール
「まあ、終われば帰れるのでしょうし。」
シャルル・ベルジール
「アナタとこうして話ができるのも、あとわずかというわけですか。」
アレクシア
「寂しがってくれる……わけじゃあなかろうな」
シャルル・ベルジール
「寂しいですよ、それはもう。」
メイド2
廊下をごしごししている。
メイド2
「すみませ~ん、ちょっとそこ空けてくださ~い」
メイド1
「失礼ですよ」
シャルル・ベルジール
「まさか、私に情がないと思われていたのですか?」
シャルル・ベルジール
「泣いてしまいますよ。」
アレクシア
「泣け泣け」
アレクシア
「笑ってやる」
シャルル・ベルジール
「ひどいご主人様ですね。」
アレクシア
「はは」
アレクシア
笑いながら扉を開ける。
GM
石造りのちいさな部屋だ。明かり採りの小さな窓がある以外、閉ざされている。
GM
蝋燭に明かりが点されており、十字架に架けられた男の像が飾られている。
GM
小さなベンチは置かれたもので、これはあとから持ち込まれたものだろう。
GM
ここでなら、やりとりが外に漏れ聞こえることはなさそうだ。
アレクシア
「あれは神なわけか?」 男の像に目をやって。
シャルル・ベルジール
「神様にしてはひどい扱いですね。」
アレクシア
「磔刑というんじゃなかったか。刑罰を受ける神というのは斬新だな」
シャルル・ベルジール
「しかし、祈りを捧げられるだけの理由があるのでしょう。」
アレクシア
「ま、人間はそこらの他人にだって祈るときは祈るからな」
アレクシア
軽やかな足取りで狭い室内を縦断し、ベンチに座り込む。
シャルル・ベルジール
「信仰心は恐怖心を和らげますし、士気も高めます。その対象は別に……。」
シャルル・ベルジール
「神でなくても、よいでしょうし。」
シャルル・ベルジール
1d6
DiceBot : (1D6) > 4
アレクシア
1d6+1
DiceBot : (1D6+1) > 6[6]+1 > 7
アレクシア
「じゃ、お前はこの国で何に祈る?」
シャルル・ベルジール
「この国で……?」
シャルル・ベルジール
「そうですね……あまり、考えたことはありませんでしたが。」
シャルル・ベルジール
「銃ですかね。裁判中にジャムったらシャレになりませんし。」
アレクシア
「本当にロマンのないやつ」
アレクシア
「べつに祈れとは言わないが」
アレクシア
「わたしを頼ればよかろうよ」
アレクシア
アピールしまーす
シャルル・ベルジール
誘い受け割り込みます。
シャルル・ベルジール
2d6+2
DiceBot : (2D6+2) > 5[3,2]+2 > 7
シャルル・ベルジール
「それはもう、もちろん頼りにしておりますよ。」
シャルル・ベルジール
「でも、そうですね。祈るより……」
シャルル・ベルジール
「手を引いていただける方が、嬉しいでしょうか。」
アレクシア
2d6+2>=7
DiceBot : (2D6+2>=7) > 7[1,6]+2 > 9 > 成功
[ シャルル・ベルジール ] 情緒 : 0 → 1
アレクシア
「手を?」 笑う。
アレクシア
「いいだろう、わたしのベルジール殿」
シャルル・ベルジール
「触れるだけでは感じませんが。引いていただくと、肩がこう、引っ張られるので。」
シャルル・ベルジール
「そこにいるな、と思います。」
シャルル・ベルジール
「あ、もちろん。」
シャルル・ベルジール
「生身の部分に触れてくれてもいいんですよ。」
シャルル・ベルジール
アピールします。
アレクシア
誘い受け割り込みます
アレクシア
「おや、それはずいぶんと信用してくれているようで」
アレクシア
2d6+2>=7
DiceBot : (2D6+2>=7) > 9[4,5]+2 > 11 > 成功
シャルル・ベルジール
強くないですか?
シャルル・ベルジール
判定します。
シャルル・ベルジール
2d6+2
DiceBot : (2D6+2) > 5[2,3]+2 > 7
[ シャルル・ベルジール ] 情緒 : 1 → 2
アレクシア
「別に、お前がわたしに触れたって構わないぞ?」
シャルル・ベルジール
「おや、それは……」
シャルル・ベルジール
「『お誘い』ですか?」
アレクシア
「お前、本当にそういうところだよ」
アレクシア
「きらいじゃあないけどな」
シャルル・ベルジール
「言いますけれどね、私の『触れられる』場所をお判りでしょう?」
アレクシア
「親愛のキスくらいなら受けてやってもいいぞ」
アレクシア
アピールします
シャルル・ベルジール
誘い受けします。
シャルル・ベルジール
2d6+2
DiceBot : (2D6+2) > 11[6,5]+2 > 13
シャルル・ベルジール
「親愛のご経験は?」
アレクシア
2d6+2>=7
DiceBot : (2D6+2>=7) > 8[3,5]+2 > 10 > 成功
アレクシア
達成値間違えちゃった
アレクシア
「お前な……」
[ アレクシア ] 情緒 : 0 → 1
シャルル・ベルジール
アレクシアとは逆向きに、ベンチに腰掛ける。
シャルル・ベルジール
その手に触れる。自分には『何かに触れた』という感覚しか残らないのだが。
アレクシア
「……冷たい」
シャルル・ベルジール
「そうでしょうね。」
アレクシア
「まあ、もう慣れたが」
シャルル・ベルジール
「基本的に、他人に手足以外で触れることもないですし。」
アレクシア
「いつもそれ以外で触れていたら、さすがに引くぞ」
アレクシア
「普通だ、それは」
アレクシア
「生身だったら良いと思うなよ、馬鹿者」
アレクシア
硬い手の甲をぴしりと爪の先で弾く。
シャルル・ベルジール
「痛くないですか?」
アレクシア
「それほどやわじゃない」
アレクシア
弾いたシャルルの手に、今度は自分から触れる。
アレクシア
アピールします
シャルル・ベルジール
誘い受けします。
シャルル・ベルジール
1d6+2
DiceBot : (1D6+2) > 2[2]+2 > 4
[ シャルル・ベルジール ] 情緒 : 2 → 3
シャルル・ベルジール
「ですから。」 
シャルル・ベルジール
その手を取って、自分の頬に触れさせる。
シャルル・ベルジール
「こちらに触れていただきませんと。」
アレクシア
2d6+2>=7
DiceBot : (2D6+2>=7) > 8[5,3]+2 > 10 > 成功
アレクシア
「へえ」
[ シャルル・ベルジール ] 情緒 : 3 → 4
アレクシア
その頬を撫でる。
アレクシア
「こちらは温かい。ほどほどに」
アレクシア
「お前のようなやつでも」
アレクシア
「わたしは好きだけどね」 髪を漉き。
アレクシア
伸び上がるようにして、額に触れるくちびる。
アレクシア
「親愛のご経験だ」
アレクシア
一押し。
[ アレクシア ] 情緒 : 1 → 2
[ シャルル・ベルジール ] 情緒 : 4 → 5
シャルル・ベルジール
「…………。」
シャルル・ベルジール
「キスっていうのはね。」
シャルル・ベルジール
眼鏡をはずし、互い違いになった身体を寄せて。
シャルル・ベルジール
「こうするんですよ。」
シャルル・ベルジール
顔を引き寄せた。
アレクシア
「……親愛の、って言ったろ」
シャルル・ベルジール
「黙っていろ。」
シャルル・ベルジール
「……からかったつもりかもしれないが。」
シャルル・ベルジール
「その気にさせたオマエが悪いんだぞ。」
シャルル・ベルジール
掴んだ手に力が入る。
アレクシア
「……はいはい」 
シャルル・ベルジール
「アレクシア。」
アレクシア
「……なんだ」
シャルル・ベルジール
「選んで正解だったよ。オマエは……いい女だ。」
アレクシア
「……当然だろ」
シャルル・ベルジール
あの人には及ばないまでも。
アレクシア
誰か、何か、わたしではないものを見ているとわかっていても。
シャルル・ベルジール
「それで……。」
シャルル・ベルジール
手を強く引く。
シャルル・ベルジール
「私はわりと、本気なんですが。」
アレクシア
「そうかい」
アレクシア
仄かに笑って目を閉じる。
シャルル・ベルジール
手を離して、肩を竦める。
シャルル・ベルジール
「お預けですか。」
アレクシア
「仕方のないやつ」
アレクシア
指で自分のくちびるに触れ。
アレクシア
それをシャルルのくちびるに押し当てる。
アレクシア
「ここで勝ったら祝福のキスをしてやろうか?」
シャルル・ベルジール
「いえ、それは結構。私は……」
シャルル・ベルジール
「一刻も早く、帰らなければなりませんので。」
アレクシア
「ふふ」
シャルル・ベルジール
眼鏡をかけなおす。
アレクシア
「なら、可愛い従僕のために、わたしも頑張るとしよう」
シャルル・ベルジール
「お心遣いに感謝いたします。」
メイド5
あなたがたが礼拝堂から出ると、メイドは、
メイド5
「何か宝物でも見つかりましたか?」
メイド5
と尋ねて、昼食に案内した。
メイド5
メイド5
アレクシアの寵愛を獲得されたんですか???
シャルル・ベルジール
獲得したんですか???
アレクシア
わたしはお前のこと、わりあいに好きだよ。
シャルル・ベルジール
私も好きですよ。傅くほどには。